JPH0621096Y2 - デイスクカ−トリツジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ディスク状記録媒体を収納して用いるディ
スクカートリッジに関し、特に、シャッターの組立構造
に関するものである。

〔考案の概要〕

この考案は、ディスク状記録媒体をその内部に収納する
上下ハーフに対してスライダーをその外側から取り付
け、このスライダーにシャッターを固定することにより
これらのシャッター及びスライダーを上下ハーフから外
れないように構成したディスクカートリッジであり、シ
ャッター及びスライダーの組立てを簡単にできるように
したものである。

〔従来の技術〕

この種、ディスクカートリッジにおけるシャッターの組
立構造に関して、この考案の出願人による先願例（例え
ば実願昭６０−８３７８５号）がある。

この先願例は、上下ハーフ内に設けられるガイド軸にス
ライダーを係合させて案内し、シャッターをスライダー
にビス止めするように構成されていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述のように構成された先願例は、部品点数並びに組立
工数が多く、その構成では、ガイド軸に係合させたスラ
イダーを上下ハーフ内に位置決めしてから上下ハーフを
ビス止めしなければならず、組立作業が非常に面倒で、
製造コストが著しく高くなる。

この考案は、以上のような問題点を解決するためになさ
れたものであって、スライダーを上下ハーフの外側から
取り付けられるように構成して、部品点数並びに組立工
数を削減し、組立てが容易で製造コストを低減できるデ
ィスクカートリッジを提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案によるディスクカートリッジは、ディスク状記
録媒体をその内部に収納する上下ハーフと、前記上下ハ
ーフのうち少なくとも上ハーフの上面に形成されるヘッ
ド挿入孔と、前記上下ハーフのうち下ハーフの下面でか
つ前面に対して平行に形成される外向きのガイド溝と、
前記ガイド溝と係合するガイドレールを有し前記上下ハ
ーフの前面に沿って往復動自在に案内されるスライダー
と、前記スライダーの前面に取り付けられる垂直板及び
前記ヘッド挿入孔を開閉し得る水平板を一体に有するシ
ャッターと、前記シャッターを前記スライダーに固定す
る取付手段とを備え、前記シャッター及び前記スライダ
ーが前記上下ハーフから外れないように構成したことを
特徴とするものである。

〔作用〕

この考案のディスクカートリッジは、スライダーを上下
ハーフの下側から取り付け、このスライダーを囲むよう
にシャッターを前側から取り付けて固定したので、シャ
ッター及びスライダーが上下ハーフから外れることがな
い。

〔実施例〕

以下に、この考案を適用したディスクカートリッジの一
実施例を図面によって説明する。

先ず、第１図〜第４図に示すように、このディスクカー
トリッジは、合成樹脂等にて成形された上下ハーフ１、
２によって構成されたカートリッジ３内にディスク状記
録媒体４を回転自在に収納させたものであり、上下ハー
フ１、２の上下面にはほぼ長方形状をなす上下一対のヘ
ッド挿入孔５が設けられ、下ハーフ２のほぼ中央部には
ディスク状記録媒体４の中心孔４ａに対向された円形の
ディスクテーブル挿入口６が設けられている。そして、
ステンレス板等にて成形されたほぼコ字状をなすシャッ
ター７がカートリッジ３の前面に取付けられていて、こ
のシャッター７が第４図に実線で示すように両ヘッド挿
入口６及びディスクテーブル挿入口５を同時に閉蓋した
閉蓋位置と、第４図に１点鎖線で示すように両ヘッド挿
入孔５及びディスクテーブル挿入口６を同時に開蓋した
開蓋位置との間で矢印ａ、ｂ方向に開閉できるように構
成されている。なお、シャッター７は滑性効果が高く、
かつ耐摩耗性に優れた合成樹脂等にて成形されたスライ
ダー８に取付けられていて、このスライダー８がカート
リッジ３即ち下ハーフ２の下面に設けられた外向きのガ
イド溝９等にて案内されて矢印ａ、ｂ方向に移動される
ように構成されている。

次に、第５図によって、シャッター７の開閉装置を説明
する。

先ず、カートリッジ３内の例えば下ハーフ２上に設けら
れた固定ピン１１とスライダー８に設けられた可動ピン
１２との間が少なくとも１つ以上の間接を有するリンク
装置１３によって連結されている。このリンク装置１３
は後述するばねの支持手段である。なお、ここでは、２
つの連結ピン１４、１５による２つの関節を有する３つ
のリンク１６、１７、１８によってリンク装置１３を構
成しているが、１つの関節を有する２つのリンクによっ
て構成したリンク装置でも良い。

次に、２本のねじりコイルばね１９、２０がこれらのコ
イル部１９ａ、２０ａによって固定ピン１１と連結ピン
１５との外周に遊嵌されて取付けられている。そして、
一方のねじりコイルばね１９の一対のアーム１９ｂ、１
９ｃは下ハーフ２上に設けられたばね係止部２１とリン
ク１６とに係止され、他方のねじりコイルばね２０の一
対のアーム２０ｂ、２０ｃは一対のリンク１７、１８に
係止されている。そして、一方のねじりコイルばね１９
によりリンク１６が矢印ｃ方向に回動付勢され、他方の
ねじりコイルばね２０により一対のリンク１７、１８が
矢印ｄ、ｅ方向に回動付勢され、この結果、シャッター
７が矢印ｂ方向に移動付勢されている。

即ち、２本のねじりコイルばね１９、２０が直列状に配
置されていて、これらのばね１９、２０の総合力によっ
てシャッター７が開蓋位置から閉蓋位置へ大きな開閉ス
トロークＳで矢印ｂ方向に移動付勢されている。

なお、第２図に示すようにスライダー８の可動ピン１２
に連結された最終リンク１８が薄い板金によって構成さ
れているので、この最終リンク１８を挿通するために上
下ハーフ１、２間に設けるスリット２２を非常に狭い隙
間に構成することができて、カートリッジ３内へゴミ等
の浸入防止効果が高い。なお、他のリンク１７、１８は
板金でも合成樹脂製でも良い。

以上の如く構成されたシャッター７の開閉装置によれ
ば、第５図に実線で示す状態が開蓋状態であり、この時
には、両ねじりコイルばね１９、２０の総合力によっ
て、シャッター７がカートリッジ３のストッパー２３に
矢印ｂ方向から押圧されて位置決めされている。

次に、第５図に１点鎖線で示す状態が開蓋状態であり、
シャッター７を矢印ｂ方向に移動させると、一対のリン
ク１７、１８が連結ピン１５を中心にねじりコイルばね
２０に抗して矢印ｆ、ｇ方向に折り畳まれると同時に、
リンク１６が固定ピン１１を中心にねじりコイルばね１
９に抗して矢印ｈ方向に回動されて、シャッター７が両
ねじりコイルばね１９、２０の総合力に抗して矢印ａ方
向に開蓋されることになる。

次に、第１図〜第３図及び第６図によって、シャッター
７の組立構造を説明する。

先ず、シャッター７は、上下一対の水平板７ａ、７ｂ
と、これらの一端を連結する垂直板７ｃとによって、断
面形状が横向きのほぼコ字状に形成されている。また、
スライダー８は垂直板８ａと、垂直で高さが低いガイド
レール８ｂと、これらの下端を連結する水平板８ｃとに
よって、断面形状が上向きのほぼコ字状に形成されてい
る。なお、前記ガイド溝９はカートリッジ３の下ハーフ
２の下面に設けられている。

そこで、カートリッジ３の組立て後（上下ハーフ１、２
を上下から嵌合させてビス止めして組立てた後）に、第
１図に実線で示すように、スライダー８をカートリッジ
３の上下ハーフ１、２に対してほぼ直角な方向である矢
印ｉ方向からカートリッジ３に挿入して、ガイドレール
８ｂをガイド溝９内に矢印ｉ方向である下方から挿入し
て係合させる。この後に、シャッター７をカートリッジ
３の上下ハーフ１、２と平行な方向である矢印ｊ方向か
らカートリッジ３に挿入して、第１図に１点鎖線で示す
ように、両水平板７ａ、７ｂをスライダー８及びカート
リッジ３の上下ハーフ１、２の上下に挿入する。そし
て、この後に、シャッター７の垂直板７ｃ又は下部水平
板７ｂをスライダー８の垂直板８ａ又は水平板８ｃにビ
ス等の適宜固定手段によって固定して、シャッター７及
びスライダー８の組立てを完了する。

しかしてこの際、ガイドレール８ｂによってガイド溝９
に係合されたスライダー８のカートリッジ３に対する矢
印ｋ方向の脱落は発生せず、しかも、シャッター７を矢
印ｊ方向から挿入した瞬間に、シャッター７の下部水平
板７ｂによってスライダー８が下方から受止められて、
スライダー８がカートリッジ３のガイド溝９から矢印ｋ
方向に脱落することもなくなる。

以上の結果、シャッター７及びスライダー８をカートリ
ッジ３に極めて簡単に組立てることができ、その組立て
後にはシャッター７をスライダー８によって矢印ａ、ｂ
方向に極めて円滑に移動することができる。

次に、第６図によって、組立てライン上でのスライダー
８の組立て要領を説明する。

先ず、スライダー８の垂直板８ａの背面には、前述した
リンク１８の可動ピン１２を上方から挿入するピン挿入
孔２５を有する突起２６と別の突起２７とが間隔を隔て
て一体成形されている。次に、カートリッジ３の下ハー
フ２のガイド溝９より前側に一体成形された段付きの水
平ガイドレール２８には、両突起２６、２７と同一間隔
で、かつこれら両突起２６、２７を矢印ｉ方向から挿通
可能な一対の切欠き２９、３０が設けられている。

そこで、第６図に実線（第１図参照）で示すように、ス
ライダー８のガイドレール８ｂを下ハーフ２のガイド溝
９内に矢印ｉ方向から挿入して係合させる際に、両突起
２６、２７を両切欠き２９、３０に矢印ｉ方向から挿通
する。そして、この後に、第６図に２点鎖線（第２、３
図参照）で示すように、スライダー８を矢印ｂ方向（又
は矢印ａ方向）に少しずらせて、両突起２６、２７を両
切欠き２９、３０から水平ガイドレール２８上に載置さ
せる。するとその瞬間に、スライダー８はカートリッジ
３に対して矢印ｋ、ｌの何れの方向にも脱落しなくな
る。

このようにして、スライダー８をカートリッジ３に部組
みすれば、この後カートリッジ３を次のシャッター７の
組立工程まで搬送する際に、振動等によってスライダー
８がカートリッジ３から不測に脱落することがなく、次
のシャッター７の組立てを容易に行うことができる。

以上、この考案の実施例に付き述べたが、この考案は実
施例に限定されることなく、この考案の技術的思想に基
づいて各種の有効な変更が可能である。

またこの考案のディスク状記録媒体は、磁気式、光学式
或いは光磁気式等の如き如何なる方式で記録、再生され
るディスク状記録媒体であっても良い。

〔考案の効果〕

以上述べたように、この考案のディスクカートリッジ
は、スライダーを上下ハーフの下側から取り付け、この
スライダーを囲むようにシャッターを前側から取り付け
て固定したので、シャッター及びスライダーが上下ハー
フから外れることがなく、スライダーのガイド機構を簡
単な構造にすることができ、部品点数並びに組立工数を
削減することができる。しかも、スライダー及びシャッ
ターの組立作業を極めて容易に行うことができてディス
クカートリッジの製造コストを一層低減できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案のディスクカートリッジの一実施例を示
したものであって、第１図はシャッターの組立て動作を
説明する要部の断面図、第２図は第５図のII−II矢視で
の断面図、第３図は第５図のIII−III矢視での断面図、
第４図は全体の平面図、第５図はシャッターの開閉装置
を示す平面図、第６図はスライダーの組立て動作を説明
する分解斜視図である。 なお図面に用いた符号において、 ３……カートリッジ ４……ディスク状記録媒体 ５…ヘッド挿入口 ７……シャッター ８……スライダー ８ｂ……ガイドレール ９……ガイド溝 １３……リンク装置 １９，２０……ねじりコイルばね である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスク状記録媒体をその内部に収納する
   上下ハーフと、 前記上下ハーフのうち少なくとも上ハーフの上面に形成
   されるヘッド挿入孔と、 前記上下ハーフのうち下ハーフの下面でかつ前面に対し
   て平行に形成される外向きのガイド溝と、 前記ガイド溝と係合するガイドレールを有し前記上下ハ
   ーフの前面に沿って往復動自在に案内されるスライダー
   と、 前面スライダーの前面に取り付けられる垂直板及び前記
   ヘッド挿入孔を開閉し得る水平板を一体に有するシャッ
   ターと、 前記シャッターを前記スライダーに固定する取付手段と
   を備え、 前記シャッター及び前記スライダーが前記上下ハーフか
   ら外れないように構成したことを特徴とするディスクカ
   ートリッジ。