JPH06210584A - 物品の移送積み上げ用ハンド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パレット上に積み重ねシート等の物品を接触
させた状態で複列に積み上げることができる物品の移送
積み上げ用ハンド装置を提供する。 【構成】 積み重ねシートＡを幅方向から挾持する一対
の第１クランプアーム３４ａ、３４ｂと、長さ方向から
挾持する一対の第２クランプアーム３６ａ、３６ｂとを
設ける。第２クランプアーム３６ａ、３６ｂの一方を上
下方向に揺動自在に支持する。各クランプアーム３４
ａ、３４ｂ、３６ａ、３６ｂの下端に受爪を設ける。各
クランプアーム３４ａ、３４ｂ、３６ａ、３６ｂで挾持
した積み重ねシートＡをパレット上に搬送し、２列目の
積み上げ位置まで積み重ねシートＡを移送させた停止状
態で機に積み上げられた積み重ねシートＡ側の揺動自在
の第２クランプアーム３６ｂを外方向に揺動させ、その
揺動後に積み重ねシートを積み上げ位置まで下降させて
各クランプアーム３４ａ、３４ｂ、３６ａを外方に移動
させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、積み重ねシート等の
四角形状の物品をパレット上に移送して積み重ねる物品
移送積み上げ用のハンド装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、シート打抜機によって所定の形
状に打抜かれた段ボールシートは設定枚数毎に積み重ね
られた状態で排出される。この積み重ねシートは、その
ままの状態でパレット上に積載され、あるいは結束機に
よりバンド掛けされた状態でパレット上に積載されて輸
送される。

【０００３】積み重ねシートをパレット上に積載するシ
ート積み上げ装置として、図１３に示したものが従来か
ら知られている。この積み上げ装置は、相対的に移動さ
れる一対のクランプアーム７０ａ、７０ｂを二組有し、
各クランプアーム７０ａ、７０ｂの下端に受爪７１を設
け、上記クランプアーム７０ａ、７０ｂを内方向に相対
的に移動させて積み重ねシートＡを四方向から挾持し、
各受爪７１を積み重ねシートＡの下面に係合させる動作
と、パレットＰ上まで積み重ねシートＡを搬送して各ク
ランプアーム７０ａ、７０ｂを外方向に移動させる動作
とを順次繰り返してパレットＰ上に積み重ねシートＡを
積み上げるようにしている。

【０００４】パレットＰに対する積み重ねシートＡの積
み上げパターンは、シートＡの面積によって異なり、小
さい面積のシートＡにおいては、複列に積み上げるよう
にしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
積み上げ装置においては、パレットＰ上に積み重ねシー
トＡを積載する際、受爪７１が積み重ねシートＡの下面
と係合が解除される位置まで各クランプアーム７０ａ、
７０ｂを外方向に移動させる必要があるため、パレット
Ｐ上に積み重ねシートＡを複列に積み上げようとする
と、図１４に示すように、山積みシートＡ、Ａ間に受爪
７１の長さに相当する間隙Ｌが生じ、安定した積み上げ
状態を得ることができないという不都合がある。

【０００６】この発明の課題は、上記の不都合を解消
し、外周の一面が衝合する状態で積み重ねシート等の物
品を複列に積み上げることができるようにした物品の移
送積み上げ用ハンド装置を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、物品の外周対向位置を挾持
する一対のクランプアームを二組有し、各クランプアー
ムに物品の下面に対して係合可能な受爪を設け、各クラ
ンプアームのうち、物品の積み上げ時に先に積み上げら
れた物品側に位置する一つのクランプアームを上下方向
に揺動自在に支持し、その揺動自在のクランプアームを
揺動させる揺動駆動装置を備えて成る構成を採用したの
である。

【０００８】

【作用】上記の構成から成るハンド装置においては、物
品ステーション上に移送されて停止する積み重ねシート
等の物品を２組のクランプアームで四方向から挾持して
パレットステーション上に位置決めされたパレット上ま
で搬送し、その物品を２列目の積み上げ位置に積み上げ
る際に、先に積み上げられた物品側に位置する揺動自在
のクランプアームを外方向に揺動させ、そのクランプア
ームを先に積み上げられた物品上に退避させた状態で物
品を２列目の積み上げ位置まで下降させて残りのクラン
プアームを外方向に移動させる。

【０００９】

【実施例】以下、この発明の実施例を図１乃至図１２に
基づいて説明する。

【００１０】図１は、シートステーション１上に停止す
る積み重ねシートＡをマニピュレータ２０により挟持し
て９０°位置がずれるパレットステーション２のパレッ
トＰ上に搬送し、そのパレットＰ上に積み重ねシートＡ
を積み重ねるようにした物品積み上げ装置のレイアウト
を示す平面図である。

【００１１】図２および図３は、マニピュレータ２０の
詳細を示す。マニピュレータ２０は、マニピュレータ本
体２１と、ハンド装置３０とから成る。

【００１２】マニピュレータ本体２１は従来から周知の
ものであって、架台２２に支持されたベース２３上に旋
回台２４を取付け、その旋回台２４に下腕２５の下端部
を連結し、その下腕２５の上端部に後端部が連結された
上腕２６の後端と旋回台２４に一端が連結されたアーム
２７の他端とを下腕２５と平行に配置されたリンク２８
で連結し、上記上腕２６の先端部に手首部材２８を設け
た構成とされている。

【００１３】ここで、旋回台２４はＳ軸を中心とする自
由度をもち、図示省略したモータによって旋回動され
る。

【００１４】また、下腕２５はＬ軸を中心とする自由度
をもち、旋回台２４の一側に支持されたモータＭ₁ によ
ってＬ軸を中心として揺動される。

【００１５】さらに、上腕２６は、Ｕ軸を中心とする自
由度をもち、旋回台２４の他側に支持されたモータＭ₂
によって上記Ｕ軸を中心に上下方向に揺動される。

【００１６】また、手首部材２８は、Ｂ軸およびＴ軸を
中心とする自由度をもち、上腕２６の内部に組込まれた
２台のモータのそれぞれによって、Ｂ軸を中心に揺動さ
れ、かつＴ軸を中心に回動される。

【００１７】上記マニピュレータ２０は予め登録された
データに従って動作され、手首部材２８の位置、角度、
姿勢が制御される。

【００１８】図４乃至図６は、ハンド装置３０の詳細を
示す。図示のように、手首部材２８に連結された支持枠
３１は縦枠３２と横枠３３とを十字形に組合わせた構成
とされている。

【００１９】縦枠３２の下方には積み重ねシートＡを幅
方向から挾持する一対の第１クランプアーム３４ａ、３
４ｂが設けられ、各第１クランプアーム３４ａ、３４ｂ
の上部が縦枠３２の下面に取付けたリニアレール３５に
沿って移動自在に支持されている。

【００２０】一方、横枠３３の下方には、積み重ねシー
トＡを長さ方向から挾持する一対の第２クランプアーム
３６ａ、３６ｂが設けられ、一方の第２クランプアーム
３６ａの上部は横枠３３の下面に取付けたリニアレール
３７に沿って移動自在に支持されている。他方の第２ク
ランプアーム３６ｂの上部は上記リニアレール３７に沿
って移動自在に支持されたスライドブロック３８に軸３
９を介して回動自在に支持されている。この他方の第２
クランプアーム３６ｂは、スライドブロック３８に揺動
自在に支持された揺動用シリンダ４０の作動により軸３
９を中心として揺動される。

【００２１】縦枠３２の内部にはモータ４１によって回
転されるねじ軸４２が縦枠下面のリニアレール３５に平
行に設けられている。

【００２２】ねじ軸４２は両端部に逆ねじ部を有し、各
ねじ部にねじ係合した一対のナット４３のそれぞれに挾
持用シリンダ４４ａ、４４ｂの一端部が連結され、各挾
持用シリンダ４４ａ、４４ｂの他端部が第１クランプア
ーム３４ａ、３４ｂに連結されている。

【００２３】第１クランプアーム３４ａ、３４ｂは、ね
じ軸４２の回転により積み重ねシートＡの幅寸法に応じ
て位置調整され、積み重ねシートＡの挾持の際に挾持用
シリンダ４４ａ、４４ｂの作動によって内方向に移動さ
れる。

【００２４】前記横枠３３の内部にはモータ４５によっ
て回転されるねじ軸４６が横枠下面のリニアレール３７
に平行に設けられている。

【００２５】このねじ軸４６は、前記ねじ軸４２と同様
に、両端部に逆ねじ部を有し、各ねじ部に一対のナット
４７がねじ係合されている。一方のナット４７には挾持
用シリンダ４８の一端部が連結され、挾持用シリンダ４
８の他端部は一方の第２クランプアーム３６ａに連結さ
れている。

【００２６】また、他方のナット４７はスライドブロッ
ク３８に連結されている。

【００２７】このため、横枠３３内のねじ軸４６を回転
することにより、一対の第２クランプアーム３６ａ、３
６ｂが相対的に移動し、一対の第２クランプアーム３６
ａ、３６ｂを積み重ねシートＡの長さに対応して位置調
整することができる。積み重ねシートＡの挾持に際して
は、挾持用シリンダ４８の作動によって一方の第２クラ
ンプアーム３６ａを内方向に移動させ、他方の第２クラ
ンプアーム３６ｂを軸３９を中心に下方向に揺動させ
る。

【００２８】前記第１クランプアーム３４ａ、３４ｂの
それぞれ外側にはスイングアーム４９ａ、４９ｂが設け
られている。スイングアーム４９ａ、４９ｂの上部は軸
５０を介して第１クランプアーム３４ａ、３４ｂのそれ
ぞれに回動自在に連結され、各スイングアーム４９ａ、
４９ｂの下端部に取付けた揺動用シリンダ５１ａ、５１
ｂの作動により軸５０を中心に揺動される。このスイン
グアーム４９ａ、４９ｂの下端部に積み重ねシートＡの
下面に対して係合可能な受爪５２ａ、５２ｂが固定され
ている。

【００２９】一対の第２クランプアーム３６ａ、３６ｂ
のうち、一方の第２クランプアーム３６ａの外側にはス
イングアーム５６が設けられている。スイングアーム５
６の中途は軸５７を介して第２クランプアーム３６ａに
回動自在に連結され、スイングアーム５６の上部に連結
した揺動用シリンダ５８の作動により軸５７を中心に揺
動される。このスイングアーム５６の下端部と他方の第
２クランプアーム３６ｂの下端部とに積み重ねシートＡ
の下面に対して係合可能な受爪５９ａ、５９ｂが取付け
られている。

【００３０】実施例で示すシート積み上げ装置は上記の
構造から成り、図７乃至図１２は、シートステーション
１上に送り込まれて並べられた２つの積み重ねシートＡ
₁ 、Ａ₂ を積み重ねシートＡとして同時に一体的に処理
して図１に示すパレットステーション２上のパレットＰ
のＸ位置とＹ位置に積み重ねシートＡを２列に積み重ね
る場合の動作を段階的に示す。

【００３１】図７に示すように、シートステーション１
上に２つの積み重ねシートＡ₁ 、Ａ₂ が互に接触する状
態で並べられると、マニピュレータ本体２１の動作によ
ってその上方で待機していたハンド装置３０が下降す
る。このとき、第２クランプアーム３６ｂは上方に揺動
されており、また、受爪５２ａ、５２ｂ、５９ａのそれ
ぞれは外方向に揺動している。

【００３２】図８に示すように、第１クランプアーム３
４ａ、３４ｂの下端が積み重ねシートＡ₁ 、Ａ₂ の下面
と等しい高さまで下降してハンド装置３０が停止する
と、一対の第１クランプアーム３４ａ、３４ｂは内方向
に移動し、また、一方の第２クランプアーム３６ａは内
方向に移動する。同時に他方の第２クランプアーム３６
ｂが下方向に揺動する。

【００３３】一対の第１クランプアーム３４ａ、３４ｂ
が２つの積み重ねシートＡ₁ 、Ａ₂を幅方向から挾持
し、第２クランプアーム３６ａ、３６ｂが２つの積み重
ねシートＡ₁ 、Ａ₂ の衝合部を長さ方向から挾持する
と、各スイングアーム４９ａ、４９ｂ、５６が内方向に
揺動する（図９参照）。

【００３４】受爪５２ａ、５２ｂ、５９ａ、５９ｂのそ
れぞれが２つの積み重ねシートＡ₁、Ａ₂ によって形成
された積み重ねシートＡの下面に係合すると、マニピュ
レータ本体２１の作動によって、ハンド装置３０に支持
された積み重ねシートＡは、図１に示すシートステーシ
ョン１上からパレットＰのＸ位置まで搬送されると共
に、その搬送中において手首部材２８が９０°回動し、
横枠３３に設けられ揺動自在の第２クランプアーム３６
ｂがパレットＰの搬送方向の下流側に位置する状態とさ
れる。

【００３５】図１０に示すようにパレットＰのＸ位置ま
で積み重ねシートＡが移送されて停止すると、受爪５２
ａ、５２ｂ、５９ａのそれぞれが外方向に移動すると共
に、揺動自在の第２クランプアーム３６ｂは同図の鎖線
で示すように外方向に揺動する。

【００３６】受爪５２ａ、５２ｂ、５９ａの係合解除に
よって積み重ねシートＡは第１クランプアーム３４ａ、
３４ｂおよび第２クランプアーム３６ａの内面に沿って
少し下降する。

【００３７】積み重ねシートＡがパレットＰのＸ位置に
載置されると、第１クランプアーム３４ａ、３４ｂおよ
び第２クランプアーム３６ａのそれぞれが外方向に移動
し、一列目の積み重ねシートＡの積み上げが完了する。

【００３８】上記積み重ねシートの積み上げ時、シート
ステーション上には次の積み重ねシートが送り込まれて
位置決めされている。

【００３９】パレットＰのＸ位置に対する積み重ねシー
トＡ₁ 、Ａ₂ の積み上げ完了後、ハンド装置３０はシー
トステーション上まで移送され、前記と同様の作動によ
ってシートステーション１上の２つの積み重ねシートＡ
₁ 、Ａ₂ によって形成された積み重ねシートＡを挾持
し、その積み重ねシートＡをパレットＰのＹ位置の上方
まで移送する。

【００４０】ハンド装置３０で挾持された次の積み重ね
シートＡの底面が既に位置Ｘに載置されている一列目の
シートＡの上面より僅かに高い位置にくると、図１１に
示すように、ハンド装置３０は一旦停止する。その停止
後、揺動自在の第２クランプアーム３６ｂが同図の鎖線
で示すように、外方向に揺動し、積み重ねシートＡは、
３つの受爪５２ａ、５２ｂ、５９ａで下面が支持される
状態とされる。

【００４１】ここで、外方向に揺動した第２クランプア
ーム３６ｂは、１列目の積み重ねシートＡの面までの距
離が積み重ねシートＡの高さ以上の寸法になる状態で停
止保持され、その停止後、ハンド装置３０は１列目の積
み重ねシートＡの外周一側に向けて斜め方向に下降して
積み重ねシートＡを先に積み上げられた積み重ねシート
Ａの外周一側に接触させる。

【００４２】図１２に示すように、２番目の積み重ねシ
ートＡをＹ位置まで搬送すると、前述と同様に、受爪５
２ａ、５２ｂ、５９ａのそれぞれが外方向に揺動し、Ｙ
位置に積み重ねシートＡが積み上げられると、第１クラ
ンプアーム３４ａ、３４ｂおよび第２クランプアーム３
６ａが外方向に移動する。

【００４３】以後、前述の動作が繰り返し行なわれ、積
み重ねシートＡは１列目と２列目とに交互に積み上げら
れる。

【００４４】以上のように、積み重ねシートＡのＹ位置
への積み上げに際して、揺動自在の第２クランプアーム
３６ｂを外方向に揺動させたのちＹ位置に対して積み重
ねシートＡを積み上げるようにしたので、１列目の積み
重ねシートＡと２列目の積み重ねシートＡが接触する状
態で積み上げることができる。

【００４５】実施例の場合は、２つの積み重ねシートを
同時に積み上げるようにしたが、１つの積み重ねシート
を複列に積み上げることもできる。

【００４６】また、実施例では受爪５２ａ、５２ｂ、５
９ａを揺動自在としたが、各クランプアームの下端に固
定しておいてもよい。

【００４７】さらに、実施例の場合は、積み重ねシート
の積み上げを例にとって説明したが、積み上げる物品
は、積み上げシートに限定されず、例えば段ボールケー
スであってもよく、四角形状のものであればよい。

【００４８】

【発明の効果】以上のように、この発明に係るハンド装
置においては、積み重ねシート等の物品を積み上げる際
に、先に積み上げられた物品側のクランプアームを上下
方向に揺動自在に支持したので、パレット上に物品を複
列に積み上げる場合、各列の物品が接触する安定した状
態に物品を積み上げることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るハンド装置を用いた物品積み上
げ装置の平面図

【図２】同上マニピュレータの正面図

【図３】同上の平面図

【図４】ハンド装置の縦断正面図

【図５】図４の縦断側面図

【図６】図４の平面図

【図７】(イ) 、(ロ) は同上装置の作動状態を示す図

【図８】同上装置の作動状態を示す図

【図９】同上装置の作動状態を示す図

【図１０】同上装置の作動状態を示す図

【図１１】同上装置の作動状態を示す図

【図１２】同上装置の作動状態を示す図

【図１３】従来の積み上げ装置を示す概略図

【図１４】同上装置によるシートの積み上げ状態を示す
正面図

【符号の説明】

３４ａ、３４ｂ 第１クランプアーム ３６ａ、３６ｂ 第２クランプアーム ４０ 揺動用シリンダ ５２ａ、５２ｂ、５９ａ、５９ｂ 受爪

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米田 利博 大阪市中央区平野町３丁目５番12号 レン ゴー株式会社本社事務所内 (72)発明者 隈井 文生 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石２番１号 株式会社安川電機内 (72)発明者 三角 幸雄 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石２番１号 株式会社安川電機内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 物品の外周対向位置を挾持する一対のク
   ランプアームを二組有し、各クランプアームに物品の下
   面に対して係合可能な受爪を設け、各クランプアームの
   うち、物品の積み上げ時に先に積み上げられた物品側に
   位置する一つのクランプアームを上下方向に揺動自在に
   支持し、その揺動自在のクランプアームを揺動させる揺
   動駆動装置を備えて成る物品の移送積み上げ用ハンド装
   置。