JPH0621028A - 半導体ウェーハの中間膜平坦化装置 - Google Patents

半導体ウェーハの中間膜平坦化装置

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JPH0621028A
JPH0621028A JP1453993A JP1453993A JPH0621028A JP H0621028 A JPH0621028 A JP H0621028A JP 1453993 A JP1453993 A JP 1453993A JP 1453993 A JP1453993 A JP 1453993A JP H0621028 A JPH0621028 A JP H0621028A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウェーハ表面を平坦にするために改善された
装置と方法の提供。 【構成】 半導体ウェーハ表面を平坦化するパッド。そ
のパッドは20以上の層から成る。一つの層はパッドの
他の区分と異なる水圧モジュールを持つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平坦化装置に関するもの
である。特にこの発明はマクロ的に平坦に見える半導体
ウェーハを平坦化することでマクロ的に平坦な表面の
下、ウェーハ内部に作られた微細な突起を露出させる装
置に関わるものである。また、本発明は半導体ウェーハ
の硬質部と軟質部を同一レートで平坦化するタイプの装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェーハの研摩にはコンポジット
パッドがよく知られている。例えばジェイコブセン等は
米国特許番号(3,504,457)で、弾性フォームポリ
ウレタン研摩層(フィルム23)、弾性中間コーファム
層20またはカタ練り不活性ニトリルゴム層35から成
るコンポジット(多層)パッドを発表している。ジェイ
コブソンのコンポジットパッドでは、弾性の強い層が研
摩したい半導体に近いところに配され、カタ練りニトリ
ルゴム層が半導体から遠く配されている。ジェイコブソ
ンのような弾性パッドは長年使用され、半導体研摩法と
して定着しているが、このような従来の弾性パッド構造
では、高いところは低いところより、軟かいところは硬
いところより摩耗し易いため、半導体表面を均一に平坦
化することは難しい。特に従来のパッドは高いところに
当ったままその端を丸く削ってしまう。半導体ウェーハ
の平坦化はフォトリソグラフィーに欠かせない。典型的
なフォトリソグラフィー工程ではアルミニウム、タング
ステン、ポリシリコン等を半導体ウェーハに析出する。
そのメタル層にスプレーか何かでフォトレジストをかけ
る。フォトレジストは感光する。フォトレジスト層にマ
スクをかけて光にあてるとフォトレジストで覆れた表面
のうち、マスクがかかっていない部分が硬化する。次に
マスクが取り除かれる。フォトレジストの光にあたらな
かったために硬化しなかったエリアを薬品で取り除く。
露光しなかったフォトレジストをエッチングし、そこに
現われる保護されなかったメタルを他の薬でエッチング
する。さらに半導体ウェーハ表面のメタルライン(スト
リップ)に残された硬くなったフォトレジストを別の薬
品で取り除く。硬化したフォトレジストを除いた後、平
らなウェーハ上に現われるメタルラインやメタルストリ
ップの深さは典型値で0.3μm /2.0μm であるが、0.
5μm 〜1.0μm の範囲が好ましい。メタルラインの厚
さ(高さ)は0.3μm 〜2.0μm で0.5μm 〜1.5μm
が望ましい。平坦なウェーハにできたメタルラインの上
も何もできなかったエリアにもSiO2 等の絶縁材料が析
出される。酸化メタルの膜厚はメタルラインより厚く0.
3μm 〜2.0μm である。この酸化メタルはメタルライ
ンの頭が露出するまで研かれる。メタルラインを露出さ
せるにはメタルラインの頭の酸化メタルを全部研摩によ
って取り去ってしまう方法とメタルラインの上に薄膜だ
け残して酸化メタルのほとんどを取り去る方法がある。
メタルラインの硬度がラインどうしの間にある絶縁被膜
のものより高い場合は絶縁被膜が削り込まれる傾向があ
るため、メタルライン、一絶縁材料のような誘電層間の
平坦化においては表面が平坦にならない。同様に、メタ
ルラインの硬度がメタルラインを仲介する絶縁被膜のも
のより低い場合は、メタルライン上の絶縁被膜が除去さ
れ後も、なお研摩を続けると、メタルラインが削り込ま
れてしまう。
【0003】半導体ウェーハ上に析出されたメタル/メ
タル系の材料を除去する目的はウェーハ表面を滑らかに
することではなく平坦化することである。これとは対照
的に金属を磨く主たる目的は滑らかにすることである。
表面を滑らかにするために磨くことと平坦化するために
材料を除去することを区別することが重要で、選ぶべき
平坦化装置の特徴を左右する。表面を滑らかにするため
の装置は半導体ウェーハの製造に必要な公差の小さい平
坦な表面を作り出すのに適切かどうか疑わしい。
【0004】よって、研摩上異なる特徴をもつ材料から
成る半導体ウェーハ表面を正確に平坦化できるように改
善された装置と方法を提示することが切に望まれる。さ
て、当発明の主たる目的はウェーハ表面を平坦にするた
めに改善された装置と方法を提供することである。ま
た、硬度の異なる組成をもつ半導体ウェーハの表面を効
果的に近公差に平坦化するための平坦化法と装置を提供
することである。
【0005】急ぎ発明したもう一つの目的は異なる水圧
モジュールをもつ材料の層でできた平坦化用改良コンポ
ジットパッドを提供することである。とはいえ、さらな
る目的は弾性圧縮した時起こるパッドの膨張で起こるヒ
ステリシス効果を最小にくい止めることである。この分
野の専門家には以下の説明と図から、本発明の目的と特
典の詳細がおわかりいただけることと考える。
【0006】
【発明の要約】簡単に言えば、我々は本発明を通して、
半導体ウェーハを平坦化するより優れた装置を提供する
ものである。ウェーハはマクロ的に平坦な基盤で準表面
に接する一対以上の突起を持つ。それぞれの突起は準表
面からほとんど等距離突き出し、突起間の距離は500
μm 以下とする。また、ウェーハは突起と準表面を覆う
被覆を持つ。この被膜の表面はマクロ的に平坦な作業面
を含む。この改良された平坦化装置は一対以上の突起を
露出するため平坦化するが研摩パッド組立てを使用す
る。その研摩パッド組立ての構成は、ベースにつづいて
弾性材料でできた第一層がある。この層の表面はベース
から離れたところにあり約4psi の圧力が第一層にかか
った時250〜400psi の水圧モジュールを示す。つ
づいて弾性材料でできた第二層がある。これは一部で外
部表面と接がり、外部表面と離れたところに平坦化表面
を持ち、第二層の平坦化表面にはスラリー研摩媒体があ
る。この改良型平坦化装置はウェーハの作業面を平坦化
表面に合わせた状態を保つ保持機構を持つ。
【0007】さらに、パッド組立ての一区分と保持機構
が動いてスラリー媒体と平坦化表面の接触を促し、作業
面を平坦化するような動力手段を有する。
【0008】
【実施例】図に戻り、本発明の実用状況を説明するにふ
さわしいと考えられる現段階での実施例をあげることと
する。ここでは参考文献を示し、諸説を通して本発明の
限界となる要素を連ねることはしない。図1はシリンダ
ー状のウェーハ、つまり半導体ウェーハ23または他材
料がシリンダー状のヘッド24に取り付けられていると
ころを表わす。ヘッド24はウェーハ23のマクロ的に
平坦な円形の底平面23Aを支える。ここでいう「マク
ロ的に平坦」とは肉眼では平坦に見えるという意味であ
る。「ミクロ的に平坦」とは通常、表面を貫く中心面か
ら0.1μm 〜4.0μm の偏差で表面が波形を成している
という意味である。例えば、図1のように、ミクロ的に
平坦な準表面の距離D5は2.0μm 〜3.0μm で一定し
ているのがふつうである。ここでいう「ミクロ的に平
坦」とは通常、表面を貫く中心面から4.0μm 以下の偏
差を持つ表面のことを指す。マクロ的に平坦な表面はミ
クロ的に平坦であるとは限らない。
【0009】半導体ウェーハの作業面と中心面の偏差に
ついて図3を参考に説明する。図3では、半導体ウェー
ハはシリンダー状のヘッド24に取り付けられている。
ヘッド24の円形で平坦な支持表面24Aでウェーハ2
30のマクロ的に平坦な円形平坦化表面底230Aを受
ける。上部にある作業面230Bはマクロ的にもミクロ
的にも平坦で、概ね表面24Aに平行している。図3は
表面230B(および図1の表面23B)の波形をかな
り誇張している。図3の点線15は表面120Bの中心
面である。図3の中心面15は概ね表面24Aと平行で
図面用紙の面と垂直であるが、そうでなくともかまわな
い。中心面15は、中心面とその上の表面を示す。点と
の距離と中心面とその下の表面を示す点との距離を全部
足すとゼロになるように表面230Bと交差する。平面
15より下にある点は負の値をとり、平面15より上に
ある点は正の値をとる。よって、図3においては矢印G
で示されている距離は負の値であり矢印下で示されてい
る距離は正の値である。実際には、図3に矢印FとGで
示されているような距離は0.1μm 〜4.0μm の範囲で
ある。中心面は完全に平坦である。
【0010】図1に戻ろう。パッド組立て19は円形で
平坦な上部表面をもつシリンダー状の金属ベースを持っ
ている。弾性パッド21のマクロ的に平坦な底平坦化表
面21Aは、だいたい接着済の層で表面に接着されてい
る。マクロ的に平坦な表面21Bの上部はフレキシブル
パッド22のマクロ的に平坦な表面22Aの下部に接着
されている。21Bと22Aは通常接着済で接着されて
いる。図8はこの方法をさらに改善したものである。弾
性パッド22の上側表面は概ねマクロ的に平坦でありミ
クロ的にも平坦であり得る。表面20A、21B、22
A、および22Bは任意の形、サイズをとって差しつか
えない。
【0011】図2は、図1のパッド組立て19と半導体
ウェーハの構成をさらに詳しく断面図に描いたものであ
る。ウェーハ23の準表面35はマクロ的に平坦であ
る。突起31、32、33、34、36、38のそれぞ
れは準表面と接続し、準表面から、ほとんど等距離、突
き出している。突起31から34はそれぞれ前述のフォ
トリソグラフィー工程を経てメタルまたはその外の材料
で表面35につくられたライン(ストリップ)を表わ
す。突起31から34は準表面35からそれぞれの頭ま
で側面上を伸び、その頭は比較的平坦である。突起31
から34のそれぞれの突起の側面は準表面35に対して
垂直である。突起31〜34の頭である外部表面は準表
面35に対して概ね平行である。突起の代わりに36と
38のように準表面35にトレンチが作られることがあ
る。図2において被膜層30は突起31から34、3
6、38を覆うように持ち上がり表面35も覆う。被膜
層30は“マウンド”とよばれる持ち上がり部分ができ
ており32と33等の間にある低い中間エリアとは摩耗
率が違う。矢印Tで示された被膜層30の最小膜厚は準
表面35は突起31から34の準表面上のつき出し部分
より大きい。突起31と34は概ね同形、同寸法である
から、準表面35と研摩表面23Bの距離は、準表面3
5と突起の頭までの距離より、どの点をとっても大きい
ことになる。トレンチ36と38は概ね突起31から3
4と同形、同寸法である。突起31〜34、36、38
の形と寸法は任意である。同発明の装置は作業面23B
を平坦化して、被膜30を十分な薄みの膜厚にし、しか
も突起31〜34の頭だけを露出させるのにとりわけ有
効である。被膜30の一部を除去した結果、被膜30の
表面が平坦になることが望ましい。また突起31から3
4の側面は露出することなく、被膜30に埋もれている
ことが望ましい。よって平坦化表面22Bは、突起31
から34の側面まで伸びて突起31から34をカバーす
ることはない。しかしパッド22の材料の表面22Bが
作業面23に直接触れ、スラリーを仲介するパッド22
が表面23に直接触れることは重要である。議論のため
図2ではあえて準表面35と作業面34Bの波形を誇張
した。
【0012】図1の弾性パッド21と22を作業面に矢
印Sの方向に押しつけるとパッド21と22は圧縮され
る。(逆も同じ。)パッド21と22の、表面23B上
のB点にかかる力は、パッド21と22の、表面23B
上のA点にかかる力より小さい。これは単にパッド21
と22が23B表面上のB点よりA点で強く圧縮される
ためである。同様に図2において、23B表面にかかる
力、F1、F2は同表面にかかるF3F4の力より大き
い。これもまたパッド上の点F1 、F2 がF3、F4
り強く圧縮されているからである。21、22層に適し
た材料としては、ロデール製の弾性があり、かつ圧縮性
のある研摩材料がある。商品名では Politex、 Suba、 M
H、ICがある。また層21用としては従来からスキュ
ーバダイビング用ウェットスーツの製造に使用されてい
るネオプリンフォームのようなフォーム材料を活用する
こともできる。これらの材料はどれも一般に普及してい
る接着済で簡単に貼り合わせることができる。
【0013】本発明用のパッドを試作している時、意外
にも平坦化能力を劣しているのは表面21Aと22Bの
間の接着剤の層であることを発明した。特に、平坦化構
造に作業中傷ついたり破損し易い軟かい要素が含まれて
いる時の改善が必要であることがわかった。弾性の低い
接着剤を作るか、できれば、21層と22層の間にもう
一つ非弾性層を設ければ、22層の材料選択を最適化
し、前述の構造での平坦化性能を上げることができるは
ずである。
【0014】弾性のない層を設けることで、研摩にあた
る22層の体積圧縮性が増すため、作業面の脆い突起を
削り込むことが少なくなるようであり、良好な平坦化を
歩留りよく行える。図8にそのような構造のパッドを示
す。93層はパッドをベース20に貼り付けるための接
着剤である。21層には少なくとも30%、できれば4
0%〜70%が空隙体積であるような弾性材料が、91
層には薄膜で基本的に弾性も圧縮性も無いポリエステ
ル、ナイロン、メタル、エポキシ、強化ファイバーグラ
スエポキシのような、硬度の典型値がショアA90の材
料がふさわしい。22層は空隙体積が25%以上、でき
れば35%あるものを選んだ。図8のパッドは、22層
が5ミル以上、できれば10〜35ミル、91層の膜厚
は3ミル以上、できれば5〜15ミル以上欲しい。21
層は15ミル以上であればどんな厚くてもよいが、30
〜50ミルの厚さなら、たいていのアプリケーションに
適する。図8のようなパッドを作る際は21層と22層
の体積を圧縮できることが不可決である。もし材料が変
形するだけで体積が圧縮されなければ、パッド上に展開
する作業面のダイナミックな動きで波が生じ、目的の平
坦化を達成できなくなってしまう。我々は21層の圧縮
性は10psi の負荷に対して5%以上必要であり、10
%〜30%あれば、たいていのアプリケーションに適す
ることを発見した。22層は作業面と接触し、接点に非
常に高い圧縮力を受ける。よって22層は100psi の
負荷に対し、5%より大きい圧縮性を持たなければなら
ない。
【0015】図2では、表面22Bは作業面23Bに接
触しその上を回転する。シリカ、アルミナ等の研摩懸濁
液(スラリー)が22B上にあり、作業表面23Bの材
料を少しずつ除去しながら平坦化する。表面22Bと作
業面23Bの回転の関係を図6に示す。図6では、22
Bの円形表面は矢印Wの方向に回転する。固定されてい
るヘッド24は、作業面23Bを平坦化表面22Bに押
しつける。
【0016】必要に応じてヘッド24は表面22Bにつ
いて回転させたり他の方向に動かすことができる。平坦
化パッド組立て19の目的は23B表面を限りなくミク
ロ的に平坦にし、4mm四方で16mm2 の表面積に対して
T.I.R.(総合計概数計算)で±200Å〜500
Åに保つことである。T.I.R.計算で200Å〜5
00Åとは、23B表面上の16mm2 のエリアの中で高
低の差が200Å、ということである。T.I.R.で
200Å〜500Åは概ね16mm2 のエリアの中心面か
ら100Å〜250Åの偏差に価する。発明した装置は
16mm2 のエリアにおいて、T.I.R.200Å〜5
00Åを達成したので、23B表面の4mm四方のエリア
で、200Å〜500ÅT.I.R.を狙うのが実用的
であろう。今後は、本発明をもってあるいは実施例を改
善して20mm四方でT.I.R.200Å〜500Åを
達成する所存である。
【0017】問題は被膜を構成する材料と違う硬度を持
ち、除去上の特性も異なる突起31〜34を持つ被膜3
0を平坦化することであった。例えば、もし、被膜30
が突起31と32より削り易い場合、被膜中の突起31
と32を仲介するエリアが削り込まれてしまうであろ
う。発明した装置は半導体ウェーハ表面の軟かい材料が
削り込まれるのを最小限に食い止め、削り込みを防ぐ、
例えば背の高い突起31と34の距離が500μm 〜6
00μm 以下で突起31と32がメタルライン、また、
被膜30が絶縁性メタルかまたは突起31と32より軟
かい/硬い/同じ硬さの材料でできていれば、発明した
装置は突起31と32の頭を結んだ線の延長上に200
Å〜300Åレベルで平坦化する。
【0018】本発明を理解する鍵は、強度、弾性、剛性
等と体積ひずみを区別することである。先行技術でも、
硬度、弾性等を研摩パッドの特性として捉えてきたが、
これらの用語はしばしば材料の曲げ変形や回復力を計る
ために用いられてきた。それは先行技術においては、半
導体ウェーハ作業面の不規則なところにパッドを合わせ
るように配慮したが、平坦化に焦点を合わさなかったか
らである。例えば固体や軟かいゴムは「固くない」とか
「固い」とか言える。これらの用語は、パッドの体積が
変化しない場合も含めて、パッドの形の変わり易さ(変
形モジュール)を表わす。本発明では、21層と22層
は形だけでなく体積も明らかに変わらなければならな
い。本発明で言う「圧縮力」とは体積ひずみによる体積
の変化のことである。
【0019】本発明を実施すると、22層に4psi から
20psi の圧力がかかった時、弾性層22は1psi の圧
縮力に対して400psi 〜5000psi の水圧モジュー
ルを示す。(ただし22層の膜厚はパッド直径に比べれ
ば小さいと仮定する。)例えば、22層に4psi の圧縮
力がかかると22層の水圧モジュールKは1600psi
〜20,000psi の範囲となる。もし20psi の圧縮力
がかかれば、22層の水圧モジュールKは8000psi
〜100,000psi の範囲になる。弾性層21に4psi
〜20psi の圧縮力がかかった場合、21層の水圧モジ
ュールは1psiの圧縮力に対して100psi より大き
い。21層の水圧モジュールは4psi 〜20psi の圧縮
力が21層にかかった時、1psi の圧縮力に対して10
0psi 〜250psi であることが今のところ望ましいと
考えられる。例えば、21層に10psi の圧縮力がかか
った場合、21層の水圧モジュールは1000psi 〜2
500psi の範囲になる。水圧モジュールKは水圧Pが
一定のとき、形を変えないで体積を変えようとする耐性
を測定する際使われる。層にかかる圧力がもともとゼロ
であると仮定し、水圧Pがその層にかかり、(△V)/
(V)が体積ひずみである場合、水圧モジュールKは
(PV)/△V)に等しい。21層の水圧モジュールが
低ければ21層は弾性変形する。22層の水圧モジュー
ルKが高いことは、例えば突起31と32の間で作業面
23Bの軟かい材料が削り込まれるのを防ぐのに役立
つ。22層の水圧モジュールKが高いために、図3の矢
印Eで示すように500μm 〜600μm 離れた地点を
効果的にブリッジできるのである。必要な水圧モジュー
ルの値さえ得られればウレタンフォーム等他のフォーム
や弾性材料でも本発明の用途に使用できる。
【0020】本発明のパッドを構成するにあたってそれ
までに実施した材料除去がどういうタイプであったか、
また平坦化用パッドにどういう材料を使用してきたかを
認識することが重要であった。第一に被膜30を研摩す
る主たる目的は平坦化することである。これは多くの研
摩が滑らかにすることを主たる目的としているのと対照
的である。
【0021】発明した装置はマクロ的にあるいはミクロ
的に平らな半導体ウェーハの表面の全てのポイントに同
時に接触して表面を研くことで平坦化するよう設計され
ている。この材料除去のタイプは半導体ウェーハの限ら
れたエリアを磨くポイント接触タイプと区別できる。第
三に、平坦化用コンポジットのクリティカルな特性は、
パッドに使用される弾性層の水圧モジュールKである。
図6のように、回転のたびにパッド22のP1に沿う部
分はP2に沿う部分よりウェーハ23に長時間圧縮され
る。しかし、パッド22がP1に沿うかP2に沿うかに
かかわらず、パッド21と22(図2および3参照)が
ウェーハ23に圧縮されるに必要な時間は概ね同じであ
る。この事は図4に、パッド組立て19であるフレキシ
ブルパッドを圧縮する時間を、パッド21と22をD4
の距離だけ動かすのに必要な時間として表わされてい
る。平坦化表面23Bがウェーハ23の先端50に接
し、ウェーハ23の下を距離D4(矢印)だけ動いた
ら、パッド組立ての表面10はD3(矢印)で示された
距離分圧縮されたことになる。22B表面でD3(矢
印)の長さ分圧縮する時間は、0.001〜0.003秒の
範囲で典型値は0.002秒である。0.0003秒のよう
に短いこともある。D3は距離にして70μm である。
0.002秒で70μm 圧縮するのであるから大まかには
1秒当たり1インチの割合で圧縮していることになる。
動きや圧縮速度が速ければ、材料はより剛く、高い圧縮
力を持つものが要求される。図5はこの現象を表わして
いる。図5のゼロ秒地点では、ポイント60はウェーハ
23の縁にありウェーハ23の作業面23Bの下を動き
始めている。0.002秒後には、ポイント60はウェー
ハ23の下をD4だけ動いており、弾性パッド21と2
2は矢印ではさまれたD3分だけ圧縮されている。パッ
ド組立て19のポイント60がウェーハ23の下をD4
だけ動いた地点でウェーハ23に働くパッド組立て19
の圧縮力は、図5で、ポイント61となり、最大値とな
ることを我々は最近理論づけた。パッド組立て19のポ
イント60がさらにウェーハ23上を動き続けると、圧
縮されたパッド21と22がウェーハ23に押しつける
力は、パッド19のポイント60がウェーハ23の下に
入ってから0.1秒後の地点まで次第に減じ、パッド組立
てがウェーハ23に押しつける力はこの時、図5のよう
にポイント60から62に変わる。パッド21と22の
圧縮速度を上げた時、パッド組立て19がウェーハ23
に押しつける力は水圧モジュールの低い材料を用いるこ
とで緩和される。一方、水圧モジュールが低いというこ
とはパッド21を23B作業面の波形にす速くフィット
させることができ、またウェーハ23にかかる圧力を均
一に保つことができる点で好ましくさえある。
【0022】もう一つの、フォームまたは他の材料でで
きた弾性パッドにまつわる問題はヒステリシス(履歴)
である。ヒステリシスとはパッドから圧縮力が解放され
た時、弾性拡張して完全に元の形に戻らない傾向のこと
をいう。ヒステリシスの問題を最小にし、弾性パッドの
圧縮速度を上げた時に起きる力を最小にするために、図
7に示すようなコンポジットパッドを発見した。このパ
ッドには、弾性フォーム材22を持ち、パッド22の下
にできている泡にガスの嵩が充満するいわゆる「パッ
ド」よりずっと低いヒステリシスモジュールを持つ弾性
フォーム材を使用した。それぞれの弾性泡70には空
気、窒素またはその他の必要なガスを含ませることがで
きる。泡70は通じさせたり別々の泡を積んだりするこ
とができる。泡70は単独でも複数でも活用できる。泡
70のそれぞれの泡はその中のガスや流体を完全に包み
込んでしまう。必要なら弾性泡70の最初の泡を次の泡
と通じさせて2つの泡の間をガスが流れるように、どち
らの泡もその中にガスを完全に包み込むことがないよう
にすることもできる。結果、最初の泡が圧縮されると二
番目の泡の中にガスは強制的に流れることになる。泡7
0のガスは圧縮速度が増した結果強くなる力を最小にと
どめ、ヒステリシス効果をも最小に押える。
【0023】専門家には理解いただけようが、シリンダ
ーチャンバ71から泡70を除去することができる。ガ
スが閉じ込められたチャンバ71と隙間なく滑らかにチ
ャンバー71上部に貼り付いたパッド22はちょうどピ
ストンのように連動する。パッド22が矢印Xの方向に
下に圧縮されるとその反発力でパッド表面22Bを押し
上げてウェーハ表面全体に拡がる波形にぴったりと沿う
のである。
【0024】我々の発明を技術的にご理解いただき、実
用していただくために、上述のごとく説明し、現段階に
おける好ましい実用例を述べてきた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミクロ的に平坦な、波形のない半導体ウェーハ
表面と、そのウェーハを平坦化するために使用したコン
ポジットパッドの一部の側面図である。
【図2】図1に示した研摩パッドの一部と半導体ウェー
ハの構成を詳しく図化したものである。
【図3】マクロ的またはミクロ的に平らな半導体ウェー
ハの表面の中心平面を示す。
【図4】本発明によるコンポジット研摩パッドが半導体
ウェーハ下部を動いた時の圧縮状態を示す。
【図5】半導体ウェーハについた弾性パッドの位置と半
導体ウェーハ下部を動いた時間の関係をグラフに表わし
たものである。
【図6】図1と図4のパッドとウェーハキャリアの平面
図である。
【図7】本発明による代替平坦化用パッドの略図であ
る。
【図8】平坦化用パッドの3つの稼働層を表わす略図で
ある。
【符号の説明】
16 パッド組立て 21、22 パット 23 半導体ウェーハ 24 ヘッド
フロントページの続き (72)発明者 トーマス シー ハイド アメリカ合衆国 アリゾナ州 85224 チ ャンドラー ノース ブレントウッド ド ライヴ 1907 (72)発明者 ジョン ヴィー エイチ ロバーツ アメリカ合衆国 デラウェア州 19713 ニューアーク ウィナーク ドライヴ 3805

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の事を含む半導体ウェーハ平坦化装置 マクロ的に平坦な準表面、 一対以上の突起 それぞれが準表面に接続していること それぞれが前述準表面から離れたところに外表面を持つ
    こと それぞれが前述準表面からほとんど同じ高さで突起して
    いること 離れているスペースは500μmより小さいこととす
    る。前述の突起と準表面を包むように拡がる被膜。前述
    被膜の外表面はマクロ的に平坦な作業面をもつこと。前
    述装置は次のことを含む。 (a) 平坦化パッド組立て。その構成は次の通り。 (i) ベース。 (ii)第一層。これは弾性材料でできており、前述のベー
    スに接続し、前述ベースから離れた外表面を持ち、4psi
    〜20psi の圧縮力が前述第一層にかかった時の水圧モジ
    ュールは1psiの圧縮力に対して250psiである。 (iii) 第二層。これも弾性材料でできており外表面に一
    部接続している。前述膜に触れ、すり合わせて上部表面
    を露出する。前述第二層に任意の圧縮力がかかった時の
    水圧モジュールは、前述第一層の水圧モジュールより大
    きい。 (iv)液体スラリー研摩媒体。これが前述第二層の平坦化
    表面にあること。 (b) 前述ウェーハを作業面に保持し、かつ、次のうち少
    なくとも一方に接触する保持機構。 (i) 前述平坦化表面 (ii)前述スラリー媒体、さらに (c) 少なくとも前述の平坦化パッドの一段と前述保持機
    構の一機能(前述パッド組立てと保持機構の他の区分に
    対して)を動かし、前述パッド組立てと前述保持機構の
    動きによって前述スラリーと前述平坦化表面が前述作業
    面に接触させ研摩するための動力手段。 前述平坦化表面。これは前述作業面を、少なくとも外表
    面が露出するまで、ミクロ的に平坦にする。すなわち前
    述作業面と外表面が概ねミクロ的に平坦、共にプレーナ
    ーにし、それぞれの外表面が作業面と接したところで止
    まっている状態にする。
  2. 【請求項2】 請求項1の装置では (a) 前述突起のそれぞれは準表面から突き出して外表面
    で止まる側面を一つ以上有する。 (b) 前述被膜は (i) 前述準表面が前述パッド組立てで平坦化されるま
    で、前述側面を覆う。 (ii)前述準表面が平坦化され、外表面が露出した後も、
    前述側面を覆う。また (iii) 準表面から突き出している突起より厚い。
  3. 【請求項3】 請求項2の装置では前述準表面から前述
    突起がつき出す距離は0.3μm〜2.0μmの範囲であ
    る。
  4. 【請求項4】 請求項3の装置では、前述材料は半導体
    ウェーハであり前述突起のそれぞれの幅は0.3μm〜2.
    0μmの範囲である。
  5. 【請求項5】 平坦化装置で使用する研摩パッド。前述
    パッドは次のものを含む。 (a) 弾性ベース材料。これは第一層に4psi〜20psi の範
    囲で選択された圧縮力がかかった時にだいたい1psiの圧
    縮力に対して250psiより大きい水圧モジュールを持つ。 (b) 第二平坦化層。これは前述第二層に前述の選ばれた
    圧縮力がかかった時、1psi の圧縮力に対して400psi以
    上の水圧モジュールを持つ。 前述パッドは前述平坦化装置に据付けができ、単独であ
    るいはスラリーと連系してウェーハ作業面を平坦化す
    る。
  6. 【請求項6】 請求項5の研摩パッドにおいて、前述第
    二層は少なくとも次の2つのうち1つと接触する平坦化
    表面を持つ材料でできている。 (a) 前述作業面および (b) 前述パッドがスラリーと共に使用される時は前述ス
    ラリー。
  7. 【請求項7】 ウェーハ作業面を平坦化する装置。作業
    面はマクロ的にもミクロ的にも平坦で、作業面のどの点
    をとっても中心面との偏差はおよそ4μmより小さい。
    前述の装置は次のものを含む。 (a) 平坦化パッド組立て。これは次を含む。 (i) ベース (ii) ベースに接続し、弾性材料でできている第一層。
    これは前述ベースから離れたところに外表面を持ち、約
    4psiを超える選ばれた圧縮力が第一層にかかった時の水
    圧モジュールは1psiの圧縮力に対して250psiより小さ
    い。 (iii) 少なくとも一部が外表面に接し、弾性材料ででき
    た第二層。これは前述外表面と離れたところに平坦化表
    面を持ち、前述の選ばれた圧縮力が前述の第二層にかか
    った時の水圧モジュールは第一層のものより大きい。 (iv)前述第二層の平坦化表面にあるスラリー媒体。 (b) 前述の作業面にウェーハを当てた状態を保持する保
    持機能。 これは次のいずれかに接触する。 (i) 前述平坦化表面および (ii)前述スラリー媒体。 (c) 前述パッドの少なくとも一部分と保持機構の動きに
    よって前述スラリーと前述平坦化表面を接触させ前述作
    業面を研摩する動力手段。
  8. 【請求項8】 請求項7の装置では第一層と第二層の
    (水圧モジュールを測るとき使用される測定器のフット
    の)トータルエリアは16mm2 である。
  9. 【請求項9】 平坦化装置で使用するパッドは次のこと
    を満たす。 (a) 弾性パッドの厚さは0.015インチ以上、体積の3
    0%は空 であるため、ベース材料は体積を圧縮するこ
    とが可能で、10psi の負荷で5%以上圧縮することがで
    きる。 (b) 中間層の厚さは、0.003インチ以上で、基本的に
    体積は圧縮できない。 (c) 最上段の平坦化層の厚さは、0.005インチ以上で
    あり、その体積の25%は空洞であるため、平坦化層は
    体積圧縮が可能で、100psiの負荷に対し5%以上圧縮で
    きる。 前述研摩パッドを適当な平坦化装置に取り付ければ単独
    で、あるいはスラリーを使って、ウェーハを平坦化する
    ことができる。
  10. 【請求項10】 請求項8の研摩パッドにおいては、平
    坦化層の最上部の空隙のいくつかはミクロ球ガスででき
    ている。
  11. 【請求項11】 請求項9の研摩パッドにおいては、弾
    性ベース層の空洞のいくつかはミクロ球ガスでできてい
    る。
  12. 【請求項12】 平坦化装置で使用される研摩パッドは
    次のとおり。 (a) 弾性ベース材料は0.015インチ以上の厚みがあ
    り、その30%以上は空隙であるためベース材料の体積
    を圧縮することが可能で10psi の負荷に対し5%以上
    圧縮できる。また (b) 最上部の平坦化層は0.005インチ以上の厚みがあ
    り、その25%以上は空隙であるため、平坦化層は体積
    圧縮が可能で100psiの負荷に対し5%以上圧縮できる。 前述研摩パッドは適当な平坦化装置に取り付けることが
    でき、単独であるいはスラリーと合わせて作業面を平坦
    化する。
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