JPH06208262A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH06208262A
JPH06208262A JP5001870A JP187093A JPH06208262A JP H06208262 A JPH06208262 A JP H06208262A JP 5001870 A JP5001870 A JP 5001870A JP 187093 A JP187093 A JP 187093A JP H06208262 A JPH06208262 A JP H06208262A
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秀夫 斉藤
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克彦 安達
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録材の厚さ、材質への対応、およびスム−
ズな搬送による定着性能の向上、フルカラ−コピ−、両
面コピ−の良好な画質の確保。 【構成】 特定の記録材(厚紙およびOHP用紙等)1
6がニップ部40の入口に噛み込まれる前は、ベルト3
の搬送速度と定着装置50の回転速度を標準速度(高
速)とし、噛み込み不良を無くし、定着装置50のニッ
プ部40を記録材16が搬送される間の搬送速度は、ベ
ルト3の搬送速度、定着装置50の回転速度共に低速と
して、定着性を良好とする。さらに、ブレ−ド58を加
圧ロ−ル54の表面に接触させてロ−ル面に吸収される
離型剤65の量をほとんどゼロとすることにより、記録
材16の上に塗布する離型剤量を減少させることなくロ
−ルの寿命の延命を達成し、離型剤量を良好な透過性を
確保する量内に保持して、良好な画像を得る。 さら
に、ジャム発生時には定着ロ−ル52と加圧ロ−ル54
との加圧を解除し、剥離部材18をロ−ル54の表面に
接触させてジャム用紙を剥離部材18に案内させて排出
方向に移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフルカラ−複写機、両面
コピ−が可能な複写機、プリンタ等の定着装置を有する
画像形成装置に関する。
【0002】
【従来技術】画像形成装置は像担持体表面に形成した原
稿の静電潜像をコピ−用紙(記録材)上に転写した後
に、定着装置により定着させている。定着装置において
は、圧接してニップ部を形成する1対のロ−ラ(定着ロ
−ラと加圧ロ−ラ)間を記録材が一定の速度で搬送され
る間に、熱と圧力によりトナ−を記録紙上に定着させる
構成となっているが、記録材の厚さが異なるとオフセッ
トやジャムの原因となっていた。
【0003】そこで、厚い記録材や透明シート(OHP
シ−ト等)上のトナー像を加熱定着させる場合は、定着
装置および、または定着装置上流の搬送手段の搬送速度
を通常の速度から低速に切りかえることによって、良好
な定着性あるいは発色性を得ていた((1)特公昭56−
11957号公報、(2)特公昭59−22226号公報
参照)。
【0004】また、1面、2面の両面コピーがとれる画
像形成装置は、2面目の定着の際、加圧ロール側に1面
目の一度定着した画像が通過するため、その画像を乱さ
ないために、少なくとも一方のロ−ルにオイルなどの離
型剤を含浸させたり、離型剤塗布システムを具備させた
りしている。特にカラー複写機の場合、画像を形成する
トナー量が多いため、離型剤の塗布量を多くしなければ
ならなかった。しかし、この方式の場合、摩擦抵抗の低
い用紙(OHPシートなど)が定着装置に搬送されてく
ると、ロール表面に介在する離型剤の潤滑性がさらに抵
抗を低下させるため、定着装置のロ−ル間へのかみ込み
不良が発生してしまった。そこでロ−ル間へのかみ込み
を改良するため、(3)特開平3−87888号公報、(4)
特開平3−228077号公報に、記録材の先端部分の
離型剤の塗布を停止する方法や、(5)特開昭56−55
76号公報には加圧ロール表面にブレードを押し当てる
方法などが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記(1)(2)の
公報に記載の定着装置におけるように、定着装置および
その上流の搬送手段の記録材搬送速度を低速とした場
合、記録材先端のニップ部入口へのかみ込みが搬送速度
を高速とした時に比べて悪く、搬送不良(ジャム)が発
生した。また、ジャムが検知されるまでの時間、記録材
先端がニップ部で止まっているにもかかわらず、定着装
置上流の搬送手段によって搬送状態にある記録材は後部
から押され、ニップ部を先端としたループ状態となり、
記録材上のトナ-が周辺部分の器材に接触し、付着して
機内を汚染する不都合があった。そこで、ニップ部入口
のジャムが検知されたとき、定着装置のロ−ルの接触を
解除して記録材の搬送を促進させニップ部の手前でのル
−プ状の撓みを防止し、機内の汚染を回避する提案があ
るが、この場合、ロ−ルの圧接を解除すると同時に記録
材の先端はロ−ルに沿って押し込まれ、定着装置のロ−
ルに隙間を設けて配設される剥離爪等の記録材剥離部材
とロ−ル間に記録材の先端部分が挿入し、この部分で蛇
腹状のジャムとなってしまった。この状態のジャムは剥
離部材に過負荷をかけ、剥離部材および定着装置のロ−
ルにダメ−ジを与えてしまった。
【0006】また、上記(3)(4)の公報に記載の定着装置
は既に加圧ロール側にある余剰オイルを除去できない不
都合を有し、(5)の公報に記載のものは、両面コピー時
に画像障害がでるなどの問題点があった。そこで、本発
明は記録材の厚さ、材質への対応、およびスム−ズな記
録材の搬送による定着性能の向上を図った定着装置を備
えた画像形成装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の画像形成装置
は、定着装置と定着装置より上流に配置された記録材搬
送手段とを備え、定着装置および記録材搬送手段の駆動
手段は、特定の記録材を検知するセンサが特定の記録材
を検知し、記録材の通過を検知するセンサが記録材先端
が1対の定着装置のロール圧接部分入口に到達したこと
を検知した時点から所定時間の間、搬送速度が切り換え
られて、定着装置の回転速度および搬送速度が標準搬送
速度より低速となる構成を基本的な構成として具備す
る。
【0008】さらに第2の発明の画像形成装置は定着装
置の定着ロ−ルおよび加圧ロ−ルへ付与する離型剤の供
給量の制御手段を備えた離型剤供給手段を有し、センサ
が特定の記録材を検知したとき、離型剤の供給量制御手
段は加圧ロ−ルに付与する離型剤の供給量をゼロとする
構成をも具備する。
【0009】さらに第3の発明の画像形成装置の定着装
置は、定着ロ−ルと加圧ロ−ルとの加圧、加圧解除を自
在とする構成と、ロ−ル表面に接触、離間する剥離部材
を有し、記録材先端が1対の定着装置のロール圧接部分
入口に到達した時点から所定時間が経過したとき、定着
装置および記録材搬送手段の駆動手段に搬送速度を標準
速度とし、定着ロ−ルと加圧ロ−ルとの加圧を解除し、
剥離部材を回動してロ−ル表面に接触させる構成をも具
備する。
【0010】
【作用】記録材の先端が定着装置のロ−ル間に噛み込ま
れるまでは定着装置および搬送手段の速度を標準速度と
してジャムを防止し、記録材が定着装置を通過する間は
搬送速度を低速として、トナ−の定着性を良好とする。
さらに、記録材が厚紙またはOHP用紙等の特定の紙の
場合には、定着装置の加圧ロ−ル側に塗布する離型剤の
量をほとんどゼロとして、ロ−ル間への噛み込みをスム
−ズとする。さらに、ジャムが発生した場合には、定着
装置のロ−ル間の加圧を解除し、ジャムした用紙を排出
側に搬送し、搬送されてきた用紙は剥離部材に案内され
て排出側に移動するので、剥離部材とロ−ル間で蛇腹状
のジャムとはならない。
【0011】
【実施例】本発明をフルカラ−複写機に実施した例を図
面を参照して説明する。図1はフルカラ−複写機の概要
説明図である。第1のモ−タ20に駆動される駆動軸2
を含む回転軸に張架されるベルト3上側にはB(ブラッ
ク)現像器11に対応したB(ブラック)感材4、Y
(イエロ−)現像器12に対応したY(イエロ−)感材
5、M(マゼンタ)現像器13に対応したM(マゼン
タ)感材6、C(シアン)現像器14に対応したC(シ
アン)感材7が、この順に上流から下流側に順次配設さ
れている。ベルト3の内側には各感材に対応して転写コ
ロトロン15が配設されている。そして、搬送されてき
た記録材16は送りだしロ−ル19からタイミングをと
ってベルト3上に送られ、駆動軸2に駆動されて矢印方
向に回動するベルト3に搬送されて移動する。下流方向
に移動する間に、記録材16上面に各現像器によりトナ
−像17が形成される。ベルト3から剥離された記録材
16は定着装置50で熱、圧力を受けトナ−を定着させ
る。そして、剥離部材18により記録材16は定着装置
のロ−ル面から剥離され、排出ロ−ル10に導かれて、
排出トレイ(図示せず)上に排出される。
【0012】このフルカラ−複写機は搬送経路途上であ
って、送りだしロ−ル19の手前に記録材16の板厚あ
るいは紙質を検知するセンサ、例えば発光素子と受光素
子との組合せよりなる紙判定センサ70、定着装置50
の上流側であってベルト3の記録材16の搬送路最下流
部分にフォトインタラプター等の記録材通過を検知する
通過判定センサ80、排出ロ−ル10の排出部分に定着
部記録材センサ90を配設する。そして、各センサから
の検出信号は制御装置100に入力され、制御装置10
0は各装置に制御信号を出力する。例えば、制御装置1
00から第1のモ−タ20、第2のモ−タ22に駆動信
号が出力され、第1のモ−タ20はDCサ−ボモ−タ
(周波数制御)、第2のモ−タ22はステッピングモ−
タ(パルス制御)により駆動速度を変更し、複写機の用
紙搬送速度等が制御されている。
【0013】次に本発明による定着装置50を説明す
る。定着装置50は内部にハロゲンランプ等の加熱源5
6を内在する定着ロ−ル52と、定着ロ−ル52に圧接
する加圧ロ−ル54とを有する。定着ロール52は画像
と接触する側に位置し、アルミ、鉄、ステンレス等の芯
金に、PFA、PTFE等よりなる被覆層、あるいはシ
リコンゴム、フッ素ゴム等の弾性体よりなる被覆層を設
けている。加圧ロール54は画像と接触しない側に位置
し、アルミ、鉄、ステンレス等の芯金に、シリコンゴ
ム、フッ素ゴム等の弾性体よりなる被覆層を設けてい
る。加圧ロ−ル54は定着ロ−ル52に圧接して接触部
(ニップ部)40を形成する。各ロ−ル52、54には
制御装置100に連絡するサーミスタ等の温度検知セン
サ55がロ−ル表面に接触して配設されている。
【0014】定着ロ−ル52には離型剤供給部60が接
触して配設される。離型剤供給部60はアルミ芯金に表
面の粗さ2μmRaとしたシリコンゴム(2mm厚)の被覆層
を形成した第1の離型剤供給ロ−ル62、第2の離型剤
供給ロ-ル64を有している。第2の離型剤供給ロ−ル
64は離型剤保持タンク66中に充填されるシリコンオ
イル等の離型剤65に接触する状態で配設され、定着ロ
−ル52に連動して回転する第1の離型剤供給ロ−ル6
2に接触している。離型剤供給部60はこのように構成
されているので、第2の離型剤供給ロ−ル64に塗布さ
れた離型剤は接触する第1の離型剤供給ロ−ル62に移
転し、この被覆層に移転した離型剤が定着ロ−ル52に
供給される。定着ロ−ル52に供給された離型剤は、さ
らに定着ロ−ル52に圧接して回転する加圧ロ−ル54
の被覆層に移転され、記録材16がニップ部40を通過
途上、記録材16の表面と裏面に離型剤が塗布される。
【0015】フルカラー複写材においては、定着装置の
ロ−ルの被覆層の摩耗防止のため、1対のロールの各々
の表面被覆層をほぼ同材質、表面の粗さを略同等にする
のが一般的である。その場合、離型剤供給装置60から
供給された離型剤は、一対の定着ロール52、加圧ロ−
ル54の接触・回転によって、各々のロール52、54
に50%ずつ移動し、定着装置50を通過した記録材1
6の表と裏各々にさらに50%ずつ転移する。
【0016】また、第2の離型剤供給ロ−ル64にはそ
の表面に接触して第1のブレ−ド68が配設される。ブ
レ−ド68はシリコンゴム等の弾性体で形成し、先端の
エッジ角を角度130度とした板状体である。ブレ−ド
68の先端部分はロ−ル表面に接触して第2の離型剤供
給ロ−ル64の被覆層で吸収された過剰の離型剤を拭っ
て、所定量の離型剤をロ−ルに供給させる。
【0017】さらに、加圧ロ−ル54の表面には、オイ
ル塗布フエルト57が通紙域全体に接触する状態に配設
され、オイル塗布フエルト57の下流側にはシリコンゴ
ム等の弾性体よりなる第2のブレ−ド58が配設されて
いる。オイル塗布フエルト57は両面コピ−時のオフセ
ット現象の防止作用をなし、かつ剥離部材や温度センサ
55の接触によるオイル筋をフエルト面が接触して均一
としている。第2のブレ−ド58は先端のエッジ角度を
角度90度とする板状体で加圧ロ−ル54の表面に先端
を接触させて加圧ロ−ル54表面に吸収した過剰の離型
剤を拭きとって、所定量の離型剤をロ−ル被覆層に供給
している。拭きとられた余剰の離型剤は定着装置50の
下部に配設する離型剤受け59に滞留する。オイル塗布
フエルト57と第2のブレ−ド58はソレノイド42に
連結され、加圧ロ−ル54の表面に離間、接触自在に形
成されている。
【0018】定着ロ−ル52と加圧ロ−ル54の圧接
(ニップ)部分40の下流側には、剥離部材18、18
を回動自在に配設する。剥離部材18、18は通常は各
ロ−ル表面から一定の間隔を開けて配設されているが、
例えばジャムが発生するような特定の状況が起こった場
合には、回動してその先端がロ−ルの表面に接触するよ
うな構成となっている。
【0019】次に、本発明によるフルカラ−複写機の構
成の特徴を説明する。 (1) 記録材16の搬送速度制御 定着装置50までの記録材16の搬送速度はベルト3の
移動速度VBにより、定着装置からの記録材16の搬送
速度は定着ロ−ル52および加圧ロ−ル54の回転速度
VAによる。
【0020】ここで、定着装置前の記録材16の搬送速
度(ベルト3の速度VB)と、定着装置の記録材の搬送
速度(定着装置50の回転速度VA)と、記録材のニッ
プ部への噛み込み状態との関係(表1参照)をみる。
【0021】
【表1】
【0022】ここで、VA1=171mm/sec、VB1=
170mm/sec、 VA2=60mm/sec、VB2=60mm/sec、 定着ロ−ル52の被覆層の厚さ3mm 加圧ロ−ル54の被覆層の厚さ1mm とする。通常の複
写機での設定では、記録材16が定着装置50のニップ
部40に噛み込まれるまでの搬送速度(ベルト3の速度
VB)を高速VB1、定着装置50の回転速度VAを高
速VA1としている(表1のI)。この設定は定着装置
50のニップ部40への記録材16の噛み込みは良好で
あるが、記録材16が厚紙、あるいはOHP用紙の場合
は定着性、発色性が不良となる。
【0023】厚紙、OHP用紙の定着性および発色性を
向上させるため、記録材16がニップ部40に噛み込ん
だ後の定着装置50の回転速度VA、およびベルト3の
搬送速度VBを低速(VA2、VB2)とすると共に、
ニップ部40前の記録材16の搬送不良を解消するた
め、ベルト3の回転速度VBを低速VB2にする(表1
のII)と、定着性、発色性は良好となるが、記録材16
のニップ部40入口への噛み込みは悪い。また、記録材
16がニップ部40入口に到達するまでの間、定着装置
50の回転速度VAを高速(表1のV)としても、やは
り、記録材16のニップ部40への噛み込みは不良とな
る。
【0024】そこで本発明は、厚紙、OHP用紙の定着
性および発色性を良好とした状態、すなわち、表1のII
I,IVに記載するように記録材16がニップ部40に噛み
込まれた後はベルト3および定着装置50の回転速度V
Aを低速VA2(60mm/sec)とし、記録材16がニッ
プ部40入口に到達するまではベルト3の速度VBを高
速VB1(170mm/sec)とすることにより、記録材1
6のニップ部40入口への噛み込みは良好となる。この
場合には、記録材16がニップ部40入口に到達するま
では、定着装置50の回転速度VAは高速であっても、
低速であっても良い。本実施例における定着装置50の
回転速度VAの高速VA1の設定は171mm/se、ベル
ト3の回転速度VBの低速VB2の設定は60mm/sec
としている。
【0025】次に本発明の回転速度の制御を制御フロ−
で説明する。 表1のIIIの制御(図3参照) ステップ200でスタ−トすると、ステップ201でベ
ルト3の搬送速度VBと定着装置50の回転速度VAを
高速(標準速度)VA1、VB1で回転させるよう、各
モ−タ20、22に制御指令を出力する。ステップ20
2でセンサ70の信号から記録材が厚紙あるいはOHP
用紙かの判定をする。判定がNOの場合はステップ21
3に進み、ベルト3の搬送速度VBと定着装置50の回
転速度VAを高速(標準速度)VA1、VB1状態で、
ステップ214でコピ−終了が判定されるまで継続す
る。
【0026】センサ70が厚紙あるいはOHP用紙を検
知すると、ステップ203に進み、ベルト3の搬送速度
VBを高速VB1に保持したまま、定着装置50の回転
速度VAを低速VA2に切り換える。センサ70の検出
信号を制御装置100が受信して各モ−タ20、22の
速度を切り換えるに要する時間は約50msecであった。
ステップ204で記録材通過判定センサ80の記録材の
先端通過検知信号により記録材16の通過を判定する。
ステップ205で記録材16のニップ部40入口まで移
動する所要時間Kを算出し、一方ステップ206でタイ
マ−の計測を開始する。ステップ207でタイマ−のカ
ウントTが移動に要する時間Kより大きな数字をカウン
トし、記録材16がニップ部40の入口に搬送されたこ
とが判定されると、ステップ208で定着装置50の回
転速度VAは低速VA2に保持した状態でベルト3の速
度VBを低速VB2に切り換える。一方ステップ209
でタイマ−をリッセットする。ステップ210でセンサ
90が記録材16の後端部の通過を検知し、記録材16
の通過を判定すると、ステップ212で定着装置50の
速度VAおよびベルト3の搬送速度VBを高速VA1、
VB1に切り換える。ステップ210で記録材16の通
過が判定されるまではステップ211で定着装置50の
回転速度VA、ベルト3の速度VBともに低速VA2、
VB2に保持する。ステップ214でコピ−終了の判定
をし、終了が判定されると、ステップ215で終了す
る。
【0027】表1のIVの制御(図4参照) この場合の制御は、ステップ202´において記録材1
6が厚紙あるいはOHP用紙を判定すると、ステップ2
04´で記録材16がセンサ80で検出されるまで定着
装置50の回転速度VA,ベルト3の速度VBを低速V
A2、VB2とした状態とする。そして、ステップ20
7´でタイマ−のカウントが記録材移動時間Kより大き
なカウントとなると、ステップ208´で定着装置50
の回転速度VA、ベルト3の速度VBを共に低速VA
2、VB2に切り換える。なお、この実施例では記録材
が厚紙かOHP用紙かをセンサで検知しているが、複写
機に厚紙用あるいはOHP用紙用の選択ボタン110を
設け、ボタン110のON信号をトリガ−する構成とす
ることもできる。さらに、センサ80の信号をトリガ−
にして、タイマ−計測して判定する構成とすることもで
きる。また、定着装置50の回転速度を高速としたと
き、排出ロ−ル10の回転速度も高速とすることによ
り、排出トレイ上のOHP用紙の排出不良を防止するこ
とができる。
【0028】 (2) 離型剤供給部における離型剤の供給量の調整 一般的に、定着装置における定着ロールに供給される離
型剤の量、すなわち記録材に付与される離型剤量は少な
い程良好な画質が得られる。また、、トナ−、フイルム
上のトナ−は、トナ−がオイル(離型剤)を吸収すると
光が乱反射して、透過性を損なうため、透過性の良否は
離型剤の量に係り、特に、透明シ−ト(OHP用紙)上
のシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのトナーを定
着するフルカラー複写機におけるカラ−画像の投影画質
の向上、および良好な画質を得る条件として透過性は大
きな影響を及ぼしている。ここで、記録材16上の離型
剤の量と透過率との関係をみる。トナ−等に含まれる色
材の成分によってトナ−に吸収される離型剤の量に差異
が生じ、透過度が変動する。そこで、透過率の高いトナ
−O、普通のトナ−P、透過率の低いトナ−Qによっ
て、記録材上の離型剤量とOHP用紙等の透明シ−ト上
に定着されたトナ−、フイルムの透過性を表す指標(P
E値)との関係を図5のグラフに表す。通常PE値65
以上は透過性良好な範囲となっているが、いずれのトナ
−も、記録材上の離型剤の量が少ない方がPE値が高
く、透過性が良好となっている。
【0029】しかしながら、定着ロール上の離型剤量が
少ないと、定着ロール上に均一な離型剤層の形成が困難
であったり、また、定着ロールの被覆層の表面と離型剤
との化学反応が起きにくい等の問題があり、いわゆるオ
フセット現象等によって、定着ロールの寿命を短くする
不都合が発生した。近年、定着ロールの表面被覆層の材
料の改良(ポリマーの種類、加硫助剤の種類、量、帯電
助剤の種類、量等の最適化)により、寿命を伸ばせる被
覆材料が開発されている。例えば、図6は通常の材料1
と開発された被覆材料2を使用したロ−ルの、離型剤の
量と寿命との関係を示しているが、破線で示す通常材料
1よりなるロ−ルの耐用寿命に比較して、実線で示す開
発された材料2は、記録材上の離型剤の量が少なくとも
寿命は延びているが、いずれの材料を使用しても離型剤
の量に比例して寿命は延びている。
【0030】これらの事実から、一般的に、良好な画質
を得ることができ、かつ寿命をも考慮に入れて、一対の
定着ロールより記録材の表、裏に付与される離型剤の量
は40〜90μlに(A4サイズ1枚当り)に設定して
いる。しかし、従来の技術の項に記載したように離型剤
は、摩擦抵抗を減少させ、透明シ−トのような記録材1
6のニップ部40への噛み込み不良を引き起こした。
【0031】そこで、記録材上の離型剤量と、ジャム率
(%)との関係を実験し、結果を図7に示す。ここでの
離型剤量はA4サイズ1枚の記録材の離型剤を溶剤で抽
出し、その量を原子吸光分光光度計で測定した値であ
る。ジャム率は透明シ−ト100枚コピ−したジャム率
と、小型サイズ記録材10枚をコピ−した後に透明シ−
トのコピ−をした場合のジャム率との合計である。記録
材の表裏面に離型剤を塗布した記録材のジャム率を実線
で示し、表面のみに塗布した記録材のジャム率を破線で
示している。この実験結果によると、表裏面に離型剤を
塗布した記録材は記録材上の離型剤の量が25μlのと
きジャム率0%となり、記録材上の離型剤量を増加する
に従って、ジャム率が上昇し、100μl塗布した記録
材はジャム率が100%となった。また、表面のみに離
型剤を塗布した記録材は45μl塗布した記録材がジャ
ム率0%となり、記録材上の離型剤の量を増加するに従
って、ジャム率が上昇するが、100μl塗布した記録
材のジャム率は75%であった。
【0032】この実験結果を示すグラフからもわかるよ
うに、記録剤の表裏両面に離型剤を50%ずつ塗布する
構成とした場合には、ジャム率をゼロにするには記録材
表、裏に付着した離型剤量を25μl以下にする必要が
ある(表:12.5μl以下、裏:12.5μl以
下)。しかし、定着ロ−ル52に接触する記録材の面に
のみ離型剤を塗布する構成とした場合には、45μlの
離型剤を塗布してもジャム率がゼロであった。離型剤を
45μl塗布した記録材のPE値は図5を参照すると、
透過率の高いトナ−O、普通のトナ−P、透過率の低い
トナ−Qのトナ−像を形成したいずれの記録材もPE値
65以上であって、良好な透過性を示す。また、定着ロ
−ルの寿命も図6を参照すると、記録材上に45μlの
離型剤を塗布すると材料のいかんに係らず、寿命はのび
ている。すなわち、トナーと接触する側(記録材の表と
接触する側)の定着ロール上の離型剤量を余り減少させ
ないことにより定着ロールの短寿命化を防止し、さらに
記録材上の離型剤の量をPE値の良好な透過性の範囲に
おさえて透明シートの良好な透過性を維持し、さらに記
録材裏側の離型剤量がゼロに近づけば、記録材表側の離
型剤量を従来より多くしても、ニップ部入口の記録材の
ジャムを防止することが判明した。
【0033】そこで、本発明は、センサが記録材を透明
シ−ト(OHP用紙)と判定したときに、第2のブレ−
ド58を加圧ロ−ル54表面に圧接させ、加圧ロ−ル5
4面の離型剤を拭い去ってほとんど塗布量を0とするよ
う構成する。
【0034】次に、離型剤供給量の制御を図8の制御フ
ロ−で説明する。ステップ300でスタ−トし、ステッ
プ301でフエルト57を加圧ロ−ルの表面に接触させ
る。ステップ302でセンサ70が用紙を検知し、厚
紙、OHPシ−トが判定され、ステップ303で記録材
先端が検知されるとステップ304で第2のブレ−ドを
回動して加圧ロ−ルに圧接させる。ステップ305でセ
ンサ90が記録材の後端通過を検知し記録材の通過が判
定されるとステップ306で第2のブレ−ドを初期の位
置にする。ステップ307でコピ−終了が判定される
と、ステップ308でフエルトの接触を解除し、ステッ
プ309で終了する。
【0035】(3)剥離部材の制御 剥離部材18は通常は加圧ロ−ル54の表面から一定の
距離、離間した状態で配設されている。しかし、ジャム
が発生し、定着ロ−ル52と加圧ロ−ル54との圧接が
解除されると、押し込まれてくる記録材16の先端をロ
−ル54と剥離部材18との隙間に挿入させないため
に、定着装置50の各ロ−ル52、54の回転は継続さ
せた状態で、剥離部材18を回動して、その先端が加圧
ロ−ル54の表面に接触する構成としている。
【0036】このように剥離部材18を構成することに
より、定着ロ−ル52と加圧ロ−ル54との加圧を解除
するとともに押し込まれる記録材16は、従来のように
補助部材とロ−ル表面との隙間に挿入して、蛇腹状のジ
ャムとなることなく、剥離部材18上に案内される。そ
して、ジャム表示のために駆動が停止している複写機か
ら剥離部材18に案内された記録材16を容易に取り除
くことができる。
【0037】用紙搬送の速度制御に加えて剥離部材18
の回動の制御を図9に示す制御フロ−で説明する。ステ
ップ400でスタ−トし、ステップ401でベルトの搬
送速度および定着装置の回転速度を標準速度VA1、V
B1に設定し、定着ロ−ル52と加圧ロ−ル54を圧接
する。ステップ402でセンサ70の信号から厚紙ある
いはOHP用紙であると判定すると、ベルト3の速度お
よび定着装置50の回転速度を低速VA2、VB2に切
り換える。ステップ402で用紙を判定しない場合はベ
ルト3および定着装置50の回転速度を標準速度VA
1、VB1でコピ−終了判定がなされるまで続行する。
ステップ404で記録材16の先端をセンサ80が検出
判定すると、ステップ405でタイマ−計測を開始す
る。ステップ406で記録材16の後端がタイマ90で
検出判定するとステップ409でタイマ−をリッセット
する。ステップ411でタイマ−のカウント値Tが、予
めメモリ−に記憶されているセンサ80からセンサ90
までの記録材16の通過時間Kのプラスマイナスαの範
囲となっているかどうかの判定をする。YESのときは
ステップ415でベルト3の速度と定着装置50の回転
速度を標準速度VA1、VB1に切り換え、ステップ4
18でコピ−の終了判定を待ち、終了判定されるとステ
ップ419で加圧ロ−ル54の加圧を解除し、ステップ
420で駆動停止し、ステップ421で終了する。ステ
ップ406でセンサ90が記録材の通過判定がNOのと
きは、ステップ407でタイマ−のカウントTがメモリ
の記憶値Kプラスαとなったかの判定をする。NOのと
きはステップ408でベルト3、定着装置50の速度を
低速VA2、VB2に保持してステップ406の判定を
繰り返す。タイマ−のカウントTがメモリの記憶値Kプ
ラスαとなると、ステップ410でタイマ−をリセット
し、ステップ412でベルト3の速度と定着装置の速度
を標準速度VA1、VB1とし、加圧ロ−ル54の加圧
を解除する。そして、同時にステップ413で剥離部材
18を回動してロ−ル面に接触させる。ステップ414
で定着装置の駆動を停止し、ステップ416でジャム表
示する。ステップ411の判定がNOの場合にはステッ
プ412に進み、ステップ414、ステップ416に進
む。
【0038】
【発明の効果】本発明の基本的な発明は記録材が定着装
置のロ−ル間に噛み込まれるまでは定着装置前の記録材
搬送手段および定着装置の記録材の搬送速度を標準速度
として記録材のニップ部への噛み込み不良を防止し、ジ
ャムの発生を減少させる。そして、記録材がロ−ル間を
通過する間は定着装置および搬送手段の速度を標準速度
より低速として、トナ−の記録材への定着性能の向上を
図る。
【0039】第2の発明は、記録材がニップ部に噛み込
まれる前と噛み込まれた後との搬送速度を変更してジャ
ムを防止し、定着性能を向上させると共に、記録材のト
ナ−と接触する側の離型剤の量を減少することなく、記
録材の反対面に塗布する離型剤の量をほとんどゼロとす
ることにより、ロ−ルの耐用を伸ばすことができ、ま
た、オイル過多によるOHPシート等の摩擦抵抗の低い
用紙のかみ込み不良によるニップ部でのジャムを防止す
ることができる。また、剥離爪や温度センサーによるオ
イル筋の発生とオイル不足による両面コピーの画質不良
の防止と、記録材上の離型剤の量を良好な透過性を有す
る範囲とすることにより、特定の用紙、例えば透明シー
ト上のカラー画像投影画像の向上が図れる。
【0040】第3の発明はジャムが発生した場合、ロ−
ルの加圧を解除してジャム用紙を排出側に送りだすの
で、機内汚れが防止できる。さらに、このとき剥離部材
がロ−ル面に接触しているので、記録材は剥離部材に案
内されて排出側に送られるので、従来のジャムの場合の
ように、記録材が剥離部材とロ−ルとの間に挾まれて蛇
腹状のジャムとなってしまう不都合が解消され、機器の
ダメ−ジを解消する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フルカラ−複写機の概要説明図
【図2】 定着装置の説明図
【図3】 搬送速度の制御フロ−
【図4】 搬送速度の制御フロ−
【図5】 記録材上の離型剤量とPE値との関係を表す
グラフ
【図6】 記録材上の離型剤量と定着ロ−ルの寿命との
関係を表すグラフ
【図7】 記録材上の離型剤量とジャム率との関係を表
すグラフ
【図8】 離型剤供給部の制御フロ−
【図9】 剥離部材の制御フロ−
【符号の説明】
2 駆動軸、 3 ベルト、 16 記録材、 17
トナ−、 18 剥離部材、 20 モ−タ、 22
モ−タ、 40 ニップ部、 52 定着ロ−ル、 5
4 加圧ロ−ル、 57 フエルト、 58 ブレ−
ド、 60 離型剤供給部、 65 離型剤、 68
ブレ−ド
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 15/01 N 15/20 102 104 109

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定着ロ−ルとこのロ−ルに圧接する加圧
    ロールとを有し、記録材が両ロ−ル間を搬送される途上
    記録材上のトナ−を加熱、加圧して記録材に定着させる
    定着装置と、定着装置より上流に配置された記録材搬送
    手段と、特定の記録材を検知するセンサと、記録材の通
    過を検知するセンサと、定着装置および記録材搬送手段
    の駆動手段と、各センサからの信号により、駆動手段に
    制御信号を出力する制御装置とを備えた画像形成装置に
    おいて、 制御装置はセンサが特定の記録材を検知したとき、記録
    材先端が1対の定着装置のロール圧接部分入口に到達し
    たことをセンサが検知した時点から所定時間の間、定着
    装置および定着装置より上流に配置された記録材搬送手
    段の駆動手段に搬送速度を切り換える信号を出力し、 記録材が定着装置を通過する間の定着装置の回転速度お
    よび記録材搬送手段の搬送速度を標準搬送速度より低速
    とするよう構成した画像形成装置。
  2. 【請求項2】 定着ロ−ルとこのロ−ルに圧接する加圧
    ロールとを有し、記録材が両ロ−ル間を搬送される途上
    記録材上のトナ−を加熱、加圧して記録材に定着させる
    定着装置と、定着装置より上流に配置された記録材搬送
    手段と、特定の記録材を検知するセンサと、記録材の通
    過を検知するセンサと、定着装置および記録材搬送手段
    の駆動手段と、定着装置の各ロ−ルに離型剤を供給する
    離型剤供給手段と、各センサからの信号により制御信号
    を出力する制御装置とを備えた画像形成装置において、 離型剤供給手段は定着装置の定着ロ−ルおよび加圧ロ−
    ルへ付与する離型剤の供給量の制御手段を有し、 制御装置はセンサが特定の記録材を検知したとき、記録
    材先端が1対の定着装置のロール圧接部分入口に到達し
    たことをセンサが検知した時点から所定時間の間、定着
    装置および定着装置より上流に配置された記録材搬送手
    段の駆動手段に搬送速度を切り換える信号を出力すると
    共に、加圧ロ−ルへ付与する離型剤の供給量を制御する
    信号を供給量の制御手段に出力することを特徴とした画
    像形成装置。
  3. 【請求項3】 画像形成装置の制御装置は、センサが特
    定の記録材を検知したとき、離型剤の供給量制御手段に
    加圧ロ−ルに付与する離型剤の供給量をゼロとする信号
    を出力する請求項2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 定着ロ−ルとこのロ−ルに圧接する加圧
    ロールとを有し、記録材が両ロ−ル間を搬送される途上
    記録材上のトナ−を加熱、加圧して記録材に定着させる
    定着装置と、定着装置より上流に配置された記録材搬送
    手段と、特定の記録材を検知するセンサと、記録材の通
    過を検知するセンサと、定着ロ−ルと加圧ロ−ルのロ−
    ル表面に離接自在であって定着装置の下流側に配設する
    剥離部材と、定着装置および記録材搬送手段の駆動手段
    と、各センサからの信号により制御信号を出力する制御
    装置とを備えた画像形成装置において、 定着装置は定着ロ−ルと加圧ロ−ルとの加圧、加圧解除
    を自在に構成すると共に、 制御装置は特定の記録材をセンサが検知したとき、記録
    材先端が1対の定着装置のロール圧接部分入口に到達し
    たことをセンサが検知した時点から所定時間の間、定着
    装置および定着装置より上流に配置された記録材搬送手
    段の駆動手段に搬送速度を標準搬送速度より低速とする
    信号を出力すると共に、所定時間が経過し、記録材後端
    をセンサが検知しなかったとき、定着装置および記録材
    搬送手段の駆動手段に搬送速度を標準速度とする信号
    と、定着ロ−ルと加圧ロ−ルとの加圧を解除し、剥離部
    材を回動してロ−ル表面に接触させる信号を出力するこ
    とを特徴とする画像形成装置。
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