JPH0620658U

JPH0620658U - 軽量気泡コンクリートパネル

Info

Publication number: JPH0620658U
Application number: JP5971592U
Authority: JP
Inventors: 定男高木; 信男倉
Original assignee: 日本イトン工業株式会社
Priority date: 1992-08-25
Filing date: 1992-08-25
Publication date: 1994-03-18

Abstract

(57)【要約】【目的】補強筋を切断せずに長辺に対し傾斜する傾斜
短辺を形成する。【構成】長辺１０ａに平行な縦筋１１と、該縦筋と直
交する直交横筋１２及び斜めに交差する傾斜横筋１３と
からなる補強筋を内部に有し、両短辺が長辺に対して傾
斜する傾斜短辺１０ｂ，１０ｂとして形成され、該傾斜
短辺近傍の傾斜横筋が該傾斜短辺にほぼ平行に予め配置
され、縦筋を該傾斜横筋の位置に合わせた長さにすると
ともに該傾斜横筋の位置に合わせて配置してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、傾斜した通路の側部において板面を鉛直にして取付られる縦壁などに適した軽量気泡コンクリートパネルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

高温高圧蒸気で養生された軽量気泡コンクリートパネル（以下これをＡＬＣパネルという。）は、通常、所要の長さの長方形のものが製造工場から出荷され、水平な通路の側部において板面を鉛直にした縦壁として取付ける場合には、そのまま使用される。

【０００３】また、傾斜した通路の側部において板面を鉛直にして取付ける場合には、取付け現場において鋸を用いて端部を斜めに切除することも行われている。特に、自走用駐車場において、図５に示すような傾斜した通路１の縦壁などに使用される場合には、長辺２ａに対し傾斜している傾斜短辺２ｂを有する傾斜形ＡＬＣパネル２が多量に使用される。このような形状の傾斜形ＡＬＣパネル２は、製造工場から出荷される従来の製品中にはなかったので、図６に示すように、長方形ＡＬＣパネル３の端部を切断線Ｌに沿って現場において鋸で斜めに切断することによって傾斜短辺２ｂを形成していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記従来の傾斜形ＡＬＣパネル２では、既存の長方形ＡＬＣパネル３の端部を斜めに切断するので、内部にある縦筋４及びこれと交差する横筋５からなる補強筋６を切断することになり、この切断が困難であった。また、このように補強筋６を切断すると、ＡＬＣパネル２の耐力が低下するのみならず、補強筋６がパネルの切断面に露出し、防錆が容易でないという問題点があった。本考案は、上記従来の問題点に鑑み、補強筋を切断せずに傾斜短辺を形成できる傾斜形ＡＬＣパネルを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の要旨は、長辺に平行な縦筋と、該縦筋と交差する方向の横筋とからなる補強筋を内部に有し、両短辺のうち、少なくとも一方の短辺が前記長辺に対して傾斜する傾斜短辺として形成され、該傾斜短辺近傍の横筋が該傾斜短辺にほぼ平行な傾斜横筋として配置され、前記縦筋を該傾斜横筋の位置に合わせた長さにするとともに該傾斜横筋の位置に合わせて配置してあることを特徴とするＡＬＣパネルにある。

【０００６】

【作用】

本考案に係るＡＬＣパネルは、傾斜短辺近傍の横筋が該傾斜短辺にほぼ平行な傾斜横筋として配置され、縦筋を、当該傾斜横筋の位置に合わせた長さにするとともに該傾斜横筋の位置に合わせて配置してあるので、補強筋が切断されずに済む。

【０００７】

【実施例】

本考案の実施例について、図１及び図２を参照しながら詳細に説明する。この実施例に係るＡＬＣパネル１０は、長辺１０ａに平行にほぼ等間隔に配置した複数の縦筋１１と、該縦筋１１に直交する方向の直交横筋１２と、両端寄りの位置において縦筋１１に対し斜めに交差する方向に配置した傾斜横筋１３とからなる補強筋を内部に有し、先ず、図２に示すような長方形ＡＬＣパネル１４として製造し、その後に、切断線Ｌに沿って両端を切除し、両端に互いに平行な傾斜短辺１０ｂ，１０ｂを形成する。

【０００８】縦筋１１は、ＡＬＣパネル１０の両端近傍に配置した両傾斜横筋１３，１３の位置に合わせた長さにするとともに該傾斜横筋１３，１３の位置に両端を合わせて配置してある。傾斜横筋１３は、長辺１０ａに対し傾斜した傾斜短辺１０ｂ，１０ｂとなるべき切断線Ｌを含むそれぞれの平面の近傍にあって、該平面に予めほぼ平行に配置してある。

【０００９】上記実施例に係る傾斜形ＡＬＣパネルの製造方法について説明する。先ず、補強筋の製造であるが、ＡＬＣパネル１枚分の縦筋１１を上下方向に間隔を空けて水平に配置し、且つ、長手方向には、傾斜形ＡＬＣパネル１０の形状に合わせて配筋し、後に切除されるべき両端部分には配筋しない。即ち、傾斜形ＡＬＣパネルの傾斜短辺１０ｂ，１０ｂ付近に相当する部分には、傾斜横筋１３を傾斜短辺１０ｂ，１０ｂに対応する平面にほぼ平行に配置する。直交横筋１２は、縦筋１１に対し垂直に垂下させるのが作業能率上簡便で都合が良い。次に、縦筋１１と、直交横筋１２及び傾斜横筋１３との交差箇所を溶接によって接合することにより、ＡＬＣパネル１枚分の補強筋を組立てる。

【００１０】その後、このＡＬＣパネル１枚分の補強筋を数組纏めて共通の型枠内に配置収納し、所定のスラリーを該型枠内に流し込んで、直方体形の半硬化状ブロックを得る。このブロックを所定の厚さに切断した後に、オートクレーブ処理して数枚の長方形ＡＬＣパネル１４とする。この長方形ＡＬＣパネル１４の両端を所定の角度で切断線Ｌに沿って斜めに切断することにより両傾斜短辺１０ｂ，１０ｂが形成され、傾斜形ＡＬＣパネル１０が得られる。なお、この切断は、オートクレーブ処理を行う前の半硬化状態の時に行う方が簡単で容易である。

【００１１】なお、本考案は、上記実施例によって限定されるものではなく、その要旨から逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、縦壁としてのみならず床版としても使用可能である（従来は補強筋の切断によって、内部の補強筋が露出するため、建築基準法上問題があり、床版として使用できなかった）。また、図３に示すように、一方の短辺だけが傾斜短辺１０ｂであってもよく、図４に示すように、両傾斜短辺１０ｂ，１０ｂが互いに逆方向に傾斜していてもよい。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は、上述の如く構成され、両短辺のうち、少なくとも一方の短辺を長辺に対して傾斜する傾斜短辺として形成し、該傾斜短辺近傍の横筋を該傾斜短辺にほぼ平行な傾斜横筋として配置し、縦筋を該傾斜横筋の位置に合わせた長さにするとともに該傾斜横筋の位置に合わせて配置することにより、補強筋を切断することなく傾斜短辺を有する傾斜形ＡＬＣパネルを得ることができ、補強筋がない箇所を切断するので、切断が容易であるという優れた効果を奏する。

【００１３】また、本考案に係るＡＬＣパネルは、特に、傾斜短辺付近では、予め該傾斜短辺とほぼ平行に傾斜横筋が配筋されているから、傾斜短辺を形成するための端部切断を行ってもパネル自体の耐力に殆ど影響せず、さらに、切断によって形成される傾斜短辺には、補強筋が露出していないので、ここにも長辺側と同様にパネル固定用の溝を設けることができるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るＡＬＣパネルを示す側面
図である。

【図２】本考案の実施例に係るＡＬＣパネルの傾斜短辺
を形成する前の状態を示す側面図である。

【図３】本考案の変形例に係るＡＬＣパネルを示す側面
図である。

【図４】本考案の別の変形例に係るＡＬＣパネルを示す
側面図である。

【図５】ＡＬＣパネルを傾斜通路の側部に取付けた状態
を示す側面図である。

【図６】従来のＡＬＣパネルを示した側面図である。

【符号の説明】

１０ＡＬＣパネル１０ａ長辺１０ｂ傾斜短辺１１縦筋１２直交横筋１３傾斜横筋

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】長辺に平行な縦筋と、該縦筋と交差する
方向の横筋とからなる補強筋を内部に有し、両短辺のう
ち、少なくとも一方の短辺が前記長辺に対して傾斜する
傾斜短辺として形成され、該傾斜短辺近傍の横筋が該傾
斜短辺にほぼ平行な傾斜横筋として配置され、前記縦筋
を該傾斜横筋の位置に合わせた長さにするとともに該傾
斜横筋の位置に合わせて配置してあることを特徴とする
軽量気泡コンクリートパネル。