JPH062023B2 - 常温流通スモ−クチ−ズの製造方法 - Google Patents

常温流通スモ−クチ−ズの製造方法

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JPH062023B2
JPH062023B2 JP61008672A JP867286A JPH062023B2 JP H062023 B2 JPH062023 B2 JP H062023B2 JP 61008672 A JP61008672 A JP 61008672A JP 867286 A JP867286 A JP 867286A JP H062023 B2 JPH062023 B2 JP H062023B2
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博道 野尻
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、チーズの品質を劣化させることなく、長期に
わたり常温下で流通できるスモークチーズの製造方法に
関する。
従来の技術 従来のスモークチーズは、10℃以下の温度で保存しな
いとチーズの組織が変化し、なめらかな食感のものは得
られないため、保管、流通、販売、消費の各過程におい
て、要冷蔵品として取り扱われているのが通例である。
そのため、消費に至るまでの流通経費が嵩むとともに、
時、場所を問わず手軽に食するには、甚だ不便である。
チーズ加工品を常温下で保存する方法としては、従来に
あっては、特開昭59−85273号公報で開示されて
いるように、製品を包装する際に、脱酸素剤を同時に封
入することが知られている。この保存方法によれば、包
装内部の酸素を除去せしめ、カビ等の微生物の発生を防
止することができる。
発明が解決しようとする問題点 一般のチーズ加工品では、前述の保存方法も有効である
が、スモークチーズの場合には、スモーク処理を施すこ
とによってチーズが加温され、さらに乾燥するために、
前述の保存方法によると、常温下ではチーズの組織が劣
化し、食感が硬くなってボソボソした状態となるので、
商品価値の無いものになってしまう。
本発明は、このような事態を解消して、長期間常温下に
置いても、チーズの風味、組織、なめらかな食感、スモ
ークの香味を劣化させないスモークチーズの製造方法を
提供することを目的とする。
問題点を解決するための手段 チェダーチーズ、ゴーダチーズ等のナチュラルチーズを
単独で、若しくは数種類混合し、これに、溶融剤、例え
ば、ウルトラリン酸塩、ピロリン酸塩、各種ポリリン酸
塩のナトリウム塩、あるいはカリウム塩等の縮合リン酸
塩、第1,第2,第3等のオルソリン酸ナトリウム及び
クエン酸ナトリウムのいずれかを単独で、若しくは数種
類混合した混合物として、1〜4部(重量換算)添加
し、さらに、バターオイル、バター、クリーム等の乳脂
肪を10〜20部(重量換算)添加したうえ、これら
を、例えば公知の高速カッター付乳化釜を使用すること
により、70℃〜105℃に加熱して高速回転刃により
切断攪拌して乳化し、続いて所定の型に充填して徐冷若
しくは急冷し、脂肪/蛋白質の値が1.75〜2.25のチーズ
と成し、必要に応じてpH調整剤、例えば炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム等を使用して、あるいは使用する
ことなく、pH値を5.6〜5.9に設定したうえ、さらに続
いて45℃程度でスモーク処理を施し、水分活性が0.90
〜0.93のスモークチーズとしたものである。
作用 脂肪/蛋白質の値を1.75〜2.25とすることにより、蛋白
質の成分に占める割合を低下させて脂肪分を増加させ、
品質の劣化を防ぐとともに、水分活性を0.90〜0.93と低
くしても、なめらかな食感を維持する一方、高速回転刃
で切断攪拌することにより、脂肪分が多いにもかかわら
ず、完全な乳化を可能とするものである。
実施例 以下、本発明の好適な一実施例を詳細に説明する。
まず、チェダーチーズ12.7kg,ゴーダチーズ2.8kgから
なる細かく粉砕したナチュラルチーズを、公知の高速カ
ッター付乳化釜に入れる。続いて、これに、脂肪/蛋白
質の値を1.75〜2.25の範囲に設定するため乳脂肪として
バターオイル2kgを加えたうえ、溶融剤としてピロリン
酸ナトリウム220g、トリポリリン酸ナトリウム22
0g、第3リン酸ナトリウム60gを加え、さらに水分
調整のため水2kgを加えて、前記高速カッター付乳化釜
を作動させ、3〜4分間80℃で加熱しながら攪拌して
乳化させる。
乳化にあたって高速カッター付乳化釜を使用したのは、
脂肪/蛋白質の値が1.75〜2.25と脂肪分を多く設定した
ので、完全な乳化を行うには、加熱状態の下で、回転刃
で切断するように攪拌し、粒子を小さくして万遍なく混
合する必要があり、この条件を満たす公知のものとして
は高速カッター付乳化釜がもっとも好適だからである。
そして、完全な乳化が行われないと、後述するスモーク
処理の際に、脂肪の遊離量が著しく多くなり、商品価値
が低下する。また、水分調整は、スモークチーズを常温
下で保存可能にするためには、その水分活性値を0.90〜
0.93にする必要があり、これを達成するために、スモー
ク処理前のチーズの水分含有率が30〜50%となるよ
うに行う。
そして、高速カッター付乳化釜を減圧脱気後、釜内のチ
ーズを所定の容器に充填して包装したうえ、徐々に冷却
して固め、水分含有率40%、pH5.7、脂肪/蛋白質
の比率が1.78のチーズを得た。ここにおいて、チーズの
水分含有率が40%であるため、スモーク処理が短時間
で可能となり、また、スモーク処理後のチーズ組織の劣
化防止をより一層顕著なものとし得るほか、加工性にも
勝れ、容器への充填作業等が容易となる。
次に、このチーズを10×10×35mmの角棒状に切断
して、金網上に並べて台車に載せ、燻煙室内で45℃の
スモーク温度で8〜10分間スモーク処理を施してスモ
ークチーズを得た。スモーク処理の条件はチーズの大き
さ、形態により相違するが、温度は上述した45℃程度
が好適であり、時間はチーズの色、香味から判断して経
験的に決定される。温度が50℃以上になると脂肪が溶
出してしまう一方、40℃以下の場合には、処理時間が
長時間となり、特にチーズの表面及び表面近傍が固くな
ってしまうものである。
このようにして製造したスモークチーズを、保存性等の
試験に供すべく、スモーク処理後放冷してから、チーズ
を1個ずつ包装したうえ、脱酸素剤とともに、適宜数を
通気性の無い包装袋内に密封包装した。
次に、上述した実施例と保存性等について比較した三例
について説明する。
比較例1は、まず、チェダーチーズ15.7kg、ゴーダチー
ズ3.4kgからなる細かく粉砕したナチュラルチーズを、
公知の乳化釜に入れた。続いて、これに、溶融剤として
ピロリン酸ナトリウム200g、トリポリリン酸ナトリ
ウム200g、第3リン酸ナトリウム100gを加え、
さらに水2kgを加えたうえ、前記乳化釜を作動させて、
3〜4分間80℃で加熱しながら攪拌して乳化させた。
そして、乳化釜を減圧脱気後、釜内のチーズを所定の容
器に充填して包装したうえ、徐々に冷却して固め、水分
活性0.948(水分含有率は40.5%)、pH5.7、脂肪/蛋
白質の比率が1.31のチーズを得た。このチーズに上述し
た実施例と同様のスモーク処理を施してスモークチーズ
とした後、上述した実施例と同様にして密封包装した。
比較例2は、原材料の配合割合が明らかな市販されてい
るプロセスチーズ(第1図参照)に、上述した実施例と
同様のスモーク処理を施してスモークチーズとした後、
上述した実施例と同様にして密封包装した。
比較例3は、比較例2の配合割合、つまり市販のプロセ
スチーズ(第1図参照)を公知の高速カッター付乳化釜
で上述した実施例と同様に乳化、スモーク処理を施して
スモークチーズとした後、上述した実施例と同様にして
密封包装した。
第1図は、本実施例と3つの比較例における原材料の配
合割合、スモーク処理前の水分活性値、pH値及び脂肪
/蛋白質の値を表にして図示したものであり、本実施例
は水分活性値が最も低い反面、脂肪/蛋白質の値が最も
高いことが理解できる。
第2図は、本実施例と3つの比較例とを2か月間常温下
で保存した後、レオメーターを用いて行った硬度測定及
びマイクロ波水分計を用いて行った水分並びに水分活性
測定の結果を示すものである。
硬度測定におけるレオメーターの条件は、プランジャー
が3mmの円筒形、試料台上昇速度2cm/M、チャートス
ピード2cm/M、定距離設定(プランジャーが試料に当
接してから試料台が上昇する距離の設定)が5mmであ
る。また、試験室の室温は18℃であった。
この測定の結果、本実施例が最も水分含有率が低いにも
かかわらず、硬度においても最も低く、すなわち、最も
柔らかいことが判明した。また、水分活性にあっても、
本実施例は最も低く、その値は0.93であった。
第3図は、本実施例と3つの比較例とを1か月間常温下
で保存した後、16名のパネラーにより行った嗜好試験
の結果を示すものであり、本実施例のものが柔らかさを
失わず、食感が勝れていることが理解できる。
第4図は、本実施例と3つの比較例とを、温度30℃、
湿度80%の一定条件に保った容器内に保存し、経日的
に行った食感による官能的な品質劣化の有無に関する保
存試験の結果を示すものである。食感に何らザラツキを
感じなかった正常な場合を−、ややザラツキを感じた場
合を±、かなりザラツキを感じた場合を+、著しくザラ
ツキを感じた場合を、のそれぞれの記号で表してあ
る。
この第4図で理解できるように、本実施例にあっては、
3か月程度までは何らザラツキを感じず、正常状態を保
っているのに対して、比較例1では20日でザラツキを
感じ、40日程度で著しいザラツキを感ずるようにな
り、また、比較例2では10日でザラツキを感じ、20
日程度で著しいザラツキを感ずるようになる。さらに、
比較例3では、30日でザラツキを感じ、50日程度で
著しくザラツキを感ずるようになった。このように、本
実施例の保存性に関する優秀性は明白である。
また、第2図、第3図、第4図で明らかなように、比較
した3例のなかでは、比較例3が最も好ましい結果を示
しているが、これは高速カッター付乳化釜を使用するこ
とにより、完全な乳化を行ったことに起因する。しか
し、この比較例3にあっても、同様に高速カッター付乳
化釜を使用した本実施例と比較すればその優劣は明らか
であり、このような結果となったのは、両例における脂
肪/蛋白質の値の相違によるものである。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではな
く、その技術思想を逸脱しない範囲内で多くの改変を施
し得るものである。
効果 以上説明したところで明らかなように、本発明によれ
ば、常温下で長期間保存しても、風味、硬さ、滑らかさ
をはじめとする食感が劣化することがなく、高い商品価
値を有するスモークチーズを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の好適な一実施例と3つの比較例とを
比較したもので、原材料の配合割合、スモーク処理前の
水分活性値、pH値及び脂肪/蛋白質の値を示した表、
第2図は、同じく、2か月間常温下で保存した後の硬度
測定及水分並びに水分活性測定の結果を示す表、第3図
は、同じく、1か月間常温下で保存した後のパネラーに
よる嗜好試験の結果を示す表、第4図は、同じく、経日
的に行った食感による官能的な品質劣化の有無に関する
保存試験の結果を示す表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川田 昌孝 東京都大田区南六郷3丁目3番14号 (56)参考文献 特開 昭48−53000(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ナチュラルチーズに、溶融剤を1〜4部
    (重量換算)及び乳脂肪を10〜20部(重量換算)添
    加し、脂肪/蛋白質の値が1.75〜2.25のチーズとなした
    後、加熱状態において高速回転刃で切断攪拌することに
    より乳化し、冷却してこれの水分活性値が0.90〜0.93と
    なるようスモーク処理を施したことを特徴とする常温流
    通スモークチーズの製造方法。
JP61008672A 1986-01-18 1986-01-18 常温流通スモ−クチ−ズの製造方法 Expired - Fee Related JPH062023B2 (ja)

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