JPH0620061Y2 - ピッキング用冷凍冷蔵庫 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、保存用冷凍冷蔵庫に貯蔵してある食品等をレ
ストラン等の外食産業やスーパーマーケットへ配送する
際に搬送用コールドボックスへ積み込む作業、即ち、い
わゆるピッキング作業に用いるピッキング用冷凍冷蔵庫
に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、レストラン等の外食産業やスーパーマーケット
等で用いられる食品等は他所にある保存用冷凍冷蔵庫に
多量に適温にて比較的長期間保存されており、必要に応
じて前記保存用冷凍冷蔵庫から搬送用コールドボックス
へ積み込まれて各店舗に配送される。この時のピッキン
グ作業として、運搬作業者が必要な種類，数量の食品等
を保存用冷凍冷蔵庫から搬出して作業場内に設置された
フローラックなどと称される作業棚に並べ、ピッキング
作業者が前記作業棚に並べられた食品等を搬出用コール
ドボックスに積み込むことが行なわれているが、食品等
を作業場内すなわち室温中に放置すると温度の上昇によ
り品質劣化を招くおそれがあるため、放置時間を極力短
縮しなければならず、保存用冷凍冷蔵庫からの一回の取
り出し量を少なくして搬出を頻繁に行なう必要があるば
かりでなく、ピッキング作業終了後、作業棚に残った食
品等は早急に保存用冷凍冷蔵庫に戻さなければならない
ので作業効率が悪い。

そこで、これらの問題を解決するため、例えば第６図に
示すように、略箱形の庫内に作業棚１を設置し、保存用
冷凍冷蔵庫２側の側壁３に搬入口４を、対向する搬送用
コールドボックス５側の側壁６にピッキング作業用の搬
出口７をそれぞれ設けるとともに、庫内に冷却装置８を
配設したピッキング用冷凍冷蔵庫９が用いられ、庫内の
温度を維持するため搬入口４と搬出口７にはそれぞれ扉
１０，１０が備えられている。そして前記扉１０には、
扉が閉じている時にピッキング作業者１１に作業棚１の
様子が見えないことから作業能率が著しく低下すること
を防止するため、ガラス等透明な扉が用いられている。

また、他のものとして、搬送用コールドボックス側の側
壁に作業棚の棚ごとの取り出し口を形成し、それぞれの
取り出し口に扉を配設したピッキング用冷凍冷蔵庫も知
られている。

更に第７図に示すように、搬出口７にガラスの扉１０を
装着するとともに該扉１０の上方の側壁３の庫外側に、
ケース１４内部に送風ファン１５有する送風装置１６
を、エア吹き出し口１７を床面１３に向けて設置し、前
記扉１０が開いた時に作動させて搬出口７に庫外空気を
用いたエアカーテン１８を形成するピッキング用冷凍冷
蔵庫９も知られている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、前述のピッキング用冷凍冷蔵庫のうち第１の
ピッキング用冷凍冷蔵庫９にあっては、ピッキング作業
者１１は作業棚１に設置された食品等１２を搬送用コー
ルドボックス５に積み込む度に前記扉１０を開閉しなけ
ればならず作業が繁雑であり、また扉１０の開閉によっ
て庫内の温度が変化するため適温を維持することが困難
である。しかも扉１０の下方には床面１３から突出する
側壁６ａがあり、ピッキング作業者１１は該側壁６ａを
跨いで越えなければ作業棚１に近付いて食品等１２を取
り出すことができず、極めて作業性が悪い。

また第２のピッキング用冷凍冷蔵庫９にあっては、ピッ
キング作業者が庫内に入る必要がないので第１のものよ
り作業性及び庫内の温度維持の面で優れているが、食品
等を取り出す度に扉の開閉が必要であり作業効率は満足
できるものでない。

更に第３のピッキング用冷凍冷蔵庫９にあっては、扉１
０が開いている間は、エアカーテン１７により庫外の空
気と庫内の空気との遮断を図っているが、前記エアカー
テン１７が庫外の暖かい空気により形成されているため
庫内の冷気と直接接触して前記エアカーテン付近の庫内
温度を上昇させ易く、庫内の温度維持の点で充分なもの
ではない。しかも、搬出口７には扉１０を装着している
ため食品等を取り出す毎に該扉１０の開閉が必要であ
り、また、扉１０の下方には側壁６ａが床面から突出し
ているため、庫内に入る際には該側壁６ａを跨がなけれ
ばならず、作業効率の向上は図れない。

本考案は以上の課題を解決するためなされたもので、庫
内の温度維持に優れ、かつ搬出口近傍の庫外での作業性
に優れ、しかも搬出口への出入りが容易なピッキング用
冷凍冷蔵庫を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的達成のため本考案は、一方の側壁に搬入口を、
他方の側壁に搬出口をそれぞれ有し、該搬出口の上部
に、上方から床面方向に向けて冷風を吹き出してエアカ
ーテンを形成する送風装置を配設し、前記搬出口の下部
に、前記吹き出された冷風を吸い込む吸気装置を配設し
たピッキング用冷凍冷蔵庫において、前記送風装置は、
２種類の送風装置ユニットを交互に並設連結したもので
あり、一方の種類の送風装置ユニットは、庫内側エアカ
ーテン形成用吹き出し口と、該庫内側エアカーテン形成
用吹き出し口の上流側に備えた冷却器と、送風ファン
と、閉鎖された庫外側エアカーテン形成用吹き出し口と
を有し、他方の種類の送風装置ユニットは、庫外側エア
カーテン形成用吹き出し口と、送風ファンと、閉鎖され
た庫内側エアカーテン形成用吹き出し口とを有している
ことを特徴としている。

〔作用〕

したがって、庫内側エアカーテン形成用吹き出し口から
の庫内温度より低い温度のエアカーテンによって庫内の
温度を維持し、庫外側エアカーテン形成用吹き出し口か
らの庫内上部温度と略同温度のエアカーテンによって搬
出口近傍の庫外での作業者への冷気の影響を低減する。

しかも、送風装置は、構造が近似した２種類の複数個の
送風装置ユニットを交互に並設連結するものであるか
ら、ピッキング用冷凍冷蔵庫の搬出口の幅に合せて必要
なだけ連結すれば良く、個々のピッキング用冷凍冷蔵庫
毎に専用の送風装置を製造することを要さない。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。尚、
前記従来例と同一構成部には同一符号を用いて説明す
る。

第１図乃至第５図は本考案の一実施例を示すもので、ピ
ッキング用冷凍冷蔵庫９は、略箱形の庫内に作業棚１を
設置し、保存用冷凍冷蔵庫２側の側壁３に搬入口４を、
対向する搬送用コールドボックス５側の側壁６に床面１
３まで開口した搬出口７をそれぞれ設けるとともに、庫
内に冷却装置８が配設されている。そして、前記搬出口
７の上方には、側壁６の庫内側に床面１３方向にエア吹
き出し口１７を有し送風ファン１５により冷風を吹き出
す送風装置１６が設置され、また前記送風装置１６の下
方の床下２０には、床面１３の前記エア吹き出し口１７
と対向する位置にエア吸い込み口１９を有し、吸気ファ
ン２２によって前記吹き出された冷風を吸い込み、床下
２０を通過した空気を吐出口２１から庫内に吐出する吸
気装置２３が配設されている。

前記送風装置１６は、第３図に示すように２種類の複数
個の送風装置ユニット１６ａ，１６ｂを並設連結する構
成を有しており、ピッキング用冷凍冷蔵庫の搬出口７の
幅に合せて必要なだけ送風装置ユニット１６ａ，１６ｂ
を連結すれば良く、個々のピッキング用冷凍冷蔵庫毎に
専用の送風装置１６を製造することを要さない。前記送
風装置ユニット１６ａ，１６ｂの内、一方の種類の送風
装置ユニット１６ａは、第４図に示すように、エア吹き
出し口１７が隔壁２４により庫内側エアカーテン形成用
吹き出し口１７ａと庫外側エアカーテン形成用吹き出し
口１７ｂとに分けられるとともに、庫外側エアカーテン
形成用吹き出し口１７ｂは閉鎖され、送風ファン１５と
庫内側エアカーテン形成用吹き出し口１７ａの上流側に
庫内の空気を更に冷却して吹き出すための冷却器２５が
設置されており、他方の種類の送風装置ユニット１６ｂ
は、第５図に示すように、一方の送風装置ユニット１６
ａと同様に庫内側エアカーテン形成用吹き出し口１７ａ
と庫外側エアカーテン形成用吹き出し口１７ｂとに分け
られるとともに、庫内側エアカーテン形成用吹き出し口
１７ａが閉鎖され、送風ファン１５が設置されており、
前記送風装置１６は前記２種類の送風装置ユニット１６
ａ，１６ｂを交互に配設することにより、庫内側エアカ
ーテン形成用吹き出し口１７ａと庫外側エアカーテン形
成用吹き出し口１７ｂは、搬出口７上部に幅方向全長に
亘って並行に配設され、庫内側エアカーテン形成用吹き
出し口１７ａからは庫内温度より低い温度のエアが、庫
外側エアカーテン形成用吹き出し口１７ｂからは庫内上
部温度と略同温度のエアが吹き出され、搬出口７に庫内
外の温度の異なる二層のエアカーテン１８を形成する。

なお、２６は夜間など作業休止中、搬出口７を覆って電
力コストの削減を図るためのナイトカバーである。

以上の構成を有するピッキング用冷凍冷蔵庫９を使用し
てピッキング作業を行なうには、従来と同様、配送しよ
うとする食品等１２を保存用冷凍冷蔵庫２から搬出し、
搬入口４からピッキング用冷凍冷蔵庫９内に搬入して作
業棚１に並べ、ピッキング作業者１１は、搬出口７から
進入して前記作業棚１上の食品等１２を取り出し搬送用
コールドボックス５に積み込む。

このとき、このピッキング用冷凍冷蔵庫９の庫内は冷却
装置８により適温に冷却され、搬出口７にはエアカーテ
ン１８が形成されて庫外と遮断され、所定の温度に維持
される。特に、このエアカーテン１８は冷却された空気
により形成されているため、従来の庫外の暖かい空気に
より形成していた場合と比較してエアカーテン付近の温
度の上昇が少なく庫内の温度維持に優れ、しかも送風装
置１６のみならず吸気装置２３をも用いて形成されてい
るため遮断能力が強力で、一層効果的である。更に送風
装置１６が、庫内側エアカーテン形成用吹き出し口１７
ａから庫内温度より低い温度のエアを吹き出す送風装置
ユニット１６ａと庫外側エアカーテン形成用吹き出し口
１７ｂから庫内上部温度と略同温度のエアを吹き出す送
風装置ユニット１６ａ，１６ｂを交互に配設しているの
で、庫内側が庫内温度よりも低温である二層のエアカー
テン１８となり、庫外の温度が庫内に伝わりにくく庫内
の温度維持に優れるとともに、庫外側エアカーテン形成
用吹き出し口１７ｂからの庫内上部温度と略同温度のエ
アカーテンによって搬出口７近傍の庫外での作業者への
冷気の影響を低減し、作業を容易に行える。そして、送
風装置から吹き出された冷風は、エアカーテン１８とし
て吸い込まれた後吸気装置２３の吐出口２１から庫内に
吐出され、冷気は庫外へ流出すること無く庫内を循環す
るため、庫内の冷却効率が良い。

このように本実施例のピッキング用冷凍冷蔵庫９は庫内
の温度が適温に冷却され確実かつ効率的に温度維持が図
られているため、作業中食品等１２を作業棚の上に長時
間放置することが可能であり、それらを保存用冷凍冷蔵
庫２から一度に多量に搬入して作業を行なうことがで
き、また作業棚１に残った食品等１２を例えば翌日の作
業開始まで放置しても温度の上昇による品質劣化のおそ
れがなく、更には翌日配送する予定の食品等１２を予め
前述ピッキング用冷凍冷蔵庫９に保存しておくこともで
きるなど、作業効率がきわめて良い。

また、搬出口７は、エアカーテン１８が形成されている
だけで戸や扉などを開閉する必要が無く、しかも搬出口
７が床面１３まで開口して床面１３から突出する側壁が
無く、庫内と庫外の境が平坦であるため、ピッキング作
業のための出入りが極めて簡単で作業性に優れ、更に庫
内の作業棚の様子が庫外から容易に明瞭に確認できるた
め、ピッキング作業者１１の作業能率は著しく向上す
る。

尚、本実施例の送風装置１６は複数個の送風装置ユニッ
ト１６ａ，１６ｂを必要な幅に応じて側壁６に沿って並
設連結した構成であるから、これらを適当な個数並設す
ることで各種の大きさのピッキング用冷凍冷蔵庫９に応
じることができ、各々に専用の送風装置１６を製造する
必要が無くきわめて経済的である。また、庫内の設定温
度が比較的高くて済む場合などは、庫内側エアカーテン
形成用吹き出し口１７ａの冷却器２５を用いること無
く、庫内の冷気をそのまま吹き出しても良い。更に、前
記冷却装置８を用いること無く、送風装置１６の冷却器
２５により冷風のエアカーテン１８を形成し、その冷気
を循環させることにより庫内を適温に冷却することもで
きる。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、ピッキング用冷凍冷蔵庫搬出口
の上部に配設した、上方から床面方向に向けて冷風を吹
き出してエアカーテンを形成する送風装置を、２種類の
送風装置ユニットを交互に並設連結したもので構成し、
一方の種類の送風装置ユニットは、庫内側エアカーテン
形成用吹き出し口と、該庫内側エアカーテン形成用吹き
出し口の上流側に備えた冷却器と、送風ファンと、閉鎖
された庫外側エアカーテン形成用吹き出し口とを有し、
他方の種類の送風装置ユニットは、庫外側エアカーテン
形成用吹き出し口と、送風ファンと、閉鎖された庫内側
エアカーテン形成用吹き出し口とを有しているので、庫
内側エアカーテン形成用吹き出し口と庫外側エアカーテ
ン形成用吹き出し口とから吹き出されるエアにより、庫
内側が庫内温度よりも低温である二層のエアカーテンと
なり、庫外の温度が庫内に伝わりにくく庫内の温度維持
に優れるとともに、庫外側エアカーテン形成用吹き出し
口からの庫内上部温度と略同温度のエアカーテンによっ
て搬出口近傍の庫外での作業者への冷気の影響を低減
し、作業能率が著しく向上する。

しかも、送風装置は、構造が近似した２種類の複数庫の
送風装置ユニットを交互に並設連結するものであるか
ら、ピッキング用冷凍冷蔵庫の搬出口の幅に合せて必要
なだけ連結すれば良く、個々のピッキング用冷凍冷蔵庫
毎に専用の送風装置を製造することを要さない。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案の一実施例を示すもので、第
１図は断面図、第２図は使用状態を示す説明図、第３図
は送風装置を示す正面図、第４図は第３図のIV−IV断面
図、第５図の第３図のＶ−Ｖ断面図であり、第６図及び
第７図は従来例を示す断面図である。 １……作業棚、２……保存用冷凍冷蔵庫、３……側壁、
４……搬入口、５……搬送用コールドボックス、６……
側壁、７……搬出口、８……冷却装置、９……ピッキン
グ用冷凍冷蔵庫、１０……扉、１２……食品等、１３…
…床面、１４……ケース、１５……送風ファン、１６…
…送風装置、１６ａ，１６ｂ……送風装置ユニット、１
７……エア吹き出し口、１７ａ……庫内側エアカーテン
形成用吹き出し口、１７ｂ……庫外側エアカーテン形成
用吹き出し口、１８……エアカーテン、１９……エア吸
い込み口、２０……床下、２１……吐出口、２２……吸
気ファン、２３……吸気装置、２４……隔壁、２５……
冷却器、２６……ナイトカバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一方の側壁に搬入口を、他方の側壁に搬出
   口をそれぞれ有し、該搬出口の上部に、上方から床面方
   向に向けて冷風を吹き出してエアカーテンを形成する送
   風装置を配設し、前記搬出口の下部に、前記吹き出され
   た冷風を吸い込む吸気装置を配設したピッキング用冷凍
   冷蔵庫において、前記送風装置は、２種類の送風装置ユ
   ニットを交互に並設連結したものであり、一方の種類の
   送風装置ユニットは、庫内側エアカーテン形成用吹き出
   し口と、該庫内側エアカーテン形成用吹き出し口の上流
   側に備えた冷却器と、送風ファンと、閉鎖された庫外側
   エアカーテン形成用吹き出し口とを有し、他方の種類の
   送風装置ユニットは、庫外側エアカーテン形成用吹き出
   し口と、送風ファンと、閉鎖された庫内側エアカーテン
   形成用吹き出し口とを有していることを特徴とするピッ
   キング用冷凍冷蔵庫。