JPH06200209A - コーティング用組成物の製造方法 - Google Patents

コーティング用組成物の製造方法

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JPH06200209A
JPH06200209A JP34887592A JP34887592A JPH06200209A JP H06200209 A JPH06200209 A JP H06200209A JP 34887592 A JP34887592 A JP 34887592A JP 34887592 A JP34887592 A JP 34887592A JP H06200209 A JPH06200209 A JP H06200209A
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component
coating
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Application number
JP34887592A
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English (en)
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Katsuyoshi Takeshita
克義 竹下
Shinobu Inoue
しのぶ 井上
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、透明性、染色性、耐久性と同時に反
射防止膜との密着性、耐久性に優れるコーティング組成
物を得ることを目的とする。 【構成】本発明は、少なくとも下記の成分(A)(B)
(C)(D)(E)を主成分とするコーティング用組成
物において(A)(B)を混合し(B)の加水分解終了
後(C)を添加し、少なくとも3時間熟成後(D)
(E)を添加することを特徴とする。 (A).粒径1〜100ミリミクロンの無機酸化物微粒
子 (B).少なくとも一個以上の重合可能な反応基を有す
るシラン化合物 (C).ヒンダードアミン系光安定剤 (D).多官能性エポキシ化合物 (E).過塩素酸マグネシウム

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明なプラスチック材
料等の基材表面に塗布し、硬化させることにより得られ
た塗膜が、優れた透明性、耐久性、染色性と同時に無機
物質からなる反射防止コート薄膜(以後無機蒸着膜と呼
ぶ)との密着性及び耐久性を兼ね備え、且つ塗液のポッ
トライフが非常に長いことを特徴とするコーティング用
組成物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在使用されているプラスチック材料の
中で、アクリル系、メタクリル系、ビニル系、ポリカ−
ボネ−ト系、ウレタン系およびアリル系の透明なプラス
チック材料は、ガラスに較べ、耐衝撃性、軽量性、加工
性、被着色性等の性質が優れている為、レンズ、透過ガ
ラス等、光学用材料として無機ガラスに替って多量に使
用されている。しかし無機ガラスに較べ、耐擦傷性、耐
薬品性が劣るという欠点を有する。比較的、耐擦傷性に
優れている樹脂として、ジエチレングリコールビスアリ
ルカーボネ−ト樹脂があるが、これも実用上充分とは言
えない。プラスチック材料のこれらの欠点を改良する手
段として、例えば特公昭57−2735号公報にはコロ
イダルシリカとエポキシ基含有アルコシシランからなる
被染タイプの熱硬化性塗料が、又特公昭56−3403
3号、同55−29102号等には、エポキシ基含有ア
ルコキシシランとテトラアルコキシシランを主成分とす
る非染タイプの熱硬化性塗料が、又特開昭59−231
501号公報には、コロイダルシリカとエポキシ基含有
アルコキシシランと多官能性エポキシ化合物からなる可
染タイプの熱硬化性塗料が、又特公昭57−43578
号、同57−15608号、同57−20968号公報
等には、光重合塗料がそれぞれ開示されておりそれぞれ
耐薬品性、耐擦傷性の向上がはかられている。一方、特
開平3−145602号公報には、これらの熱硬化と光
硬化の併用で、プラスチック基材への密着が優れるとす
る可染タイプの硬化塗料が提案されている。又、高屈折
率塗料においては、特公昭63−37412号公報に、
Sb25微粒子とエポキシ基含有アルコキシシランから
なる非染タイプの熱硬化性塗料が、また特公平3−29
833号公報には、無機微粒子とエポキシ基含有アルコ
キシシランとテトラアルコキシシラン等のケイ素化合物
を主成分とする非染タイプの熱硬化性塗料が提案されて
いる。しかし何れも染色性、耐擦傷性及び無機蒸着膜と
の密着性、耐久性の向上を充分に満足させるものではな
い。本発明者らも染色性、耐擦傷性及び無機蒸着膜との
密着性、耐久性の向上を目的に検討を行い、下記の成分
(A)(B)(C)(D)および(E)を主成分とする
事を特徴とする組成物が目的を充分に満足させることを
見いだし、先に特許出願を行なった。
【0003】(A).粒径1〜100ミリミクロンの無
機酸化物微粒子 (B).少なくとも一個以上の重合可能な反応基を有す
るシラン化合物 (C).ヒンダードアミン系光安定剤 (D).多官能性エポキシ化合物 (E).過塩素酸マグネシウム
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先に見
いだした(A)(B)(C)(D)及び(E)を主成分
とする組成物が染色性、耐擦傷性及び無機蒸着膜との密
着性、耐久性の向上という目的を達成する事は分かった
が各々の物性が異なるため、混合比率、及び混合順序に
よっては塗液のゲル化や塗膜の染色性や耐久性に再現性
が得られなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決するため鋭意検討を行なったところ、下記
の成分(A)(B)(C)(D)及び(E)を主成分と
するコーティング用組成物に於て(A)(B)を混合
し、(B)の加水分解後(C)を添加し、少なくとも3
時間熟成した後(D)及び(E)を添加していくと、塗
液がゲル化する事なく、且つポットライフが室温保存で
1カ月と非常に長く、また塗膜の染色性及び耐久性の再
現性も得られるコーティング用組成物が得られることを
見いだした。
【0006】(A).粒径1〜100ミリミクロンの無
機酸化物微粒子 (B).少なくとも一個以上の重合可能な反応基を有す
るシラン化合物 (C).ヒンダードアミン系光安定剤 (D).多官能性エポキシ化合物 (E).過塩素酸マグネシウム つまり、(A)成分の粒径1〜100ミリミクロンの無
機酸化物微粒子に(B)成分の少なくとも一個以上の重
合可能な反応基を有するシラン化合物を添加し、B成分
の加水分解終了後、(C)成分のヒンダードアミン系光
安定剤を添加する。さらに少なくとも3時間熟成させ
(D)成分の多官能性エポキシ化合物を添加する。続い
て硬化触媒として(E)成分の過塩素酸マグネシウムを
添加する。
【0007】本発明で使用する(A)成分の粒径1〜1
00ミリミクロンの無機酸化物微粒子の具体的な例とし
ては、SiO2、ZrO2、TiO2、SnO2、Sb
25、CeO2、Al23、ZnO等が挙げられる。ま
た、該微粒子の複合酸化物ならびに該微粒子もしくは該
微粒子の複合酸化物を酸化ケイ素および/または有機ケ
イ素化合物および/または有機金属化合物により処理し
てなる微粒子も含まれる。使用に際しては、該微粒子粉
末を直接用いても、また水、アルコール系もしくはその
他の有機溶媒に予め分散させたコロイド状で用いてもよ
い。また、これらを2種類以上混合して用いることも可
能である。
【0008】ここで用いる複合酸化物とは、微粒子の製
造段階で2種以上の無機酸化物を混合させたものであ
る。例えばCeO2とTiO2との複合酸化物微粒子、S
iO2とCeO2とTiO2との複合酸化物微粒子等が挙
げられる。また、酸化ケイ素による処理とは、該微粒子
を含む分散媒体中で該微粒子表面に、酸化ケイ素微粒子
を公知の方法で成長させることである。有機ケイ素化合
物、有機金属化合物による処理とは、該微粒子を含む分
散媒体中で化合物を添加し、加熱攪拌することによる方
法である。この発明の目的のためには平均粒子径1〜1
00ミリミクロンのものが使用されるが、好ましくは5
〜30ミリミクロンの径のものが使用される。粒子径が
1ミリミクロン以下であると無機酸化物微粒子が安定に
存在せず、一定した品質が得られない。また100ミリ
ミンクロン以上であるとコーティング被膜が白濁すると
いう問題が生じる。
【0009】また、使用量は塗膜固形分の10〜50重
量%である必要がある。すなわち、10重量%未満で
は、無機蒸着膜との密着性が不充分となるか、もしく
は、塗膜の耐擦傷性が不充分となる。また50重量%を
越えると、塗膜にクラックが生じるか、もしくは、染色
性が不充分となる。
【0010】続いて、(B)成分は、ビニル基、アリル
基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、メルカプ
ト基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基等の重合可能
な反応基を有するシラン化合物であり、その具体的なも
のとして、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリク
ロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シ
ラン、アリルトリアルコキシシラン、γ−アクリルオキ
シプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリルオキ
シプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリルオキ
シプロピルジアルコキシメチルシラン、γ−グリシドオ
キシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドオキ
シプロピルメチルジアルコキシシラン、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラ
ン、メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリアルコキシシラン、N−β(アミノエ
チル)−γ−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン
等がある。
【0011】この(B)成分は、2種以上混合して用い
ることも可能である。また、加水分解を行なってから用
いるか、もしくは硬化した後の被膜に酸処理を行なう
か、どちらかの方法を取った方がより有効である。
【0012】(B)成分の使用量は、塗膜固形分の20
〜70重量%である必要がある。すなわち、20重量%
未満であると、無機蒸着膜との密着性が不充分となりや
すい。また70重量%を越えると、硬化被膜にクラック
を生じさせる原因となり好ましくない。
【0013】(C)成分の使用量は、塗膜固形分の0.
5〜10重量%であることが必要である。すなわち0.
5重量%未満であると染色性が不充分となる。また、1
0重量%を越えると、塗膜の耐擦傷性が不充分となり好
ましくない。
【0014】(D)成分の多官能性エポキシ化合物は、
塗料、接着剤、注型用などに広く実用されているもの
で、例えば過酸化法で合成されるポリオレフィン系エポ
キシ樹脂、シクロペンタジエンオキシドやシクロヘキセ
ンオキシドあるいはヘキサヒドロフタル酸とエピクロル
ヒドリンから得られるポリグリシジルエステルなどの脂
環式エポキシ樹脂、ビスフェノールAやカテコール、レ
ゾシノールなどの多価フェノールあるいは(ポリ)エチ
レングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、ソルビ
トールなどの多価アルコールとエピクロルヒドリンから
得られるポリグリシジルエーテル、エポキシ化植物油、
ノボラック型フェノール樹脂とエピクロルヒドリンから
得られるエポキシノボラック、フェノールフタレインと
エピクロルヒドリンから得られるエポキシ樹脂、グリシ
ジルメタクリレートとメチルメタクリレートアクリル系
モノマーあるいはスチレンなどの共重合体、さらには上
記エポキシ化合物とモノカルボン酸含有(メタ)アクリ
ル酸とのグリシジル基開環反応により得らるエポキシア
クリレートなどが挙げられる。
【0015】(D)成分の使用量は、塗膜固形分の3〜
30重量%である必要がある。すなわち、3重量%未満
であると染色ムラが出やすくなり又耐水性が低下すると
同時に塗液のポットライフが短くなる。また、30重量
%を越えると無機蒸着膜との密着性が不充分となる。
【0016】次に(E)成分の過塩素酸マグネシウム
は、シラノールあるいはエポキシ基の硬化触媒である。
一般にシラノールあるいはエポキシ基の硬化触媒として
は、アミノ酸、金属アセチルアセトネート、有機酸金属
塩、ルイス酸等が知られている。これらの触媒でも塗膜
の特性には大きな問題点はないが、ポットライフ等を含
めたあらゆる特性において過塩素酸マグネシウムが最も
優れている。
【0017】(E)成分の使用量は、塗膜固形分の0.
1〜5重量%である必要がある。すなわち、0.1重量
%未満であると塗膜が硬化不良となる。5重量%を越え
て添加してもなんの意味も持たない。
【0018】また(C)成分の添加順序としては、
(B)成分の加水分解後かつ(D)成分の添加前である
必要がある。すなわち、(B)成分の加水分解前に添加
すると塗液がゲル化し、(D)成分の添加後に入れると
塗膜の染色性の再現性が得られない。
【0019】このようにして得られるコーティング用組
成物は、必要に応じ、溶剤に希釈して用いることができ
る。溶剤としては、水、アルコール類、エステル類、ケ
トン類、エーテル類、ジメチルホルムアミド、芳香族類
等の溶剤が目的に応じて用いられる。必要に応じて混合
溶媒を用いることも可能である。
【0020】また、塗膜にさらなる染色性を付与するた
めに、多価アルコール、多価カルボン酸または多価カル
ボン酸無水物を添加することも有用である。多価アルコ
ールとしては、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)
プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、カテ
コール、レゾルシノール、アルカンジオール等の二官能
性アルコールまたは、グリセリン、トリメチロールプロ
パン等の三官能性アルコールまたは、ポリビニルアルコ
ール等が挙げられる。多価カルボン酸としては、マロン
酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、酒石酸、リンゴ酸、無
水マレイン酸等が挙げられる。
【0021】また、塗布面の欠陥を改良するためのシリ
コーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤や非イオン系
界面活性剤、チキソトロピー剤、スリップ剤としてシリ
コンオイルや帯電防止剤等を添加することも有用であ
る。
【0022】また、更に塗膜の耐候性を向上させるため
に、紫外線吸収剤や酸化防止剤を併用することも可能で
ある。
【0023】本発明における硬化被膜の膜厚としては、
0.05〜30μであることが好ましい。すなわち、
0.05μ未満では、基本となる性能が出ず、30μを
越えると、表面の平滑性が損なわれたり、光学的歪が発
生する為好ましくない。
【0024】その塗布方法としては、浸漬法、スプレ−
法、ロ−ルコ−ト法、スピンコ−ト法、フロ−コ−ト法
等が挙げられる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】実施例1 (1)塗液の調整 メチルセロソルブ137g、水分散コロイダルシリカ
(触媒化成工業(株)製、商品名「Cataloid
SN」固形分濃度20wt%)263.0g混合した
後、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
62.1gを混合した。この混合液に0.05N塩酸水
溶液11.0gを攪拌しながら滴下した後さらに4時間
攪拌した。この混合液にヒンダードアミン系光安定剤
(三共株式会社、商品名「サノールLS−770」)
0.8gを添加し一昼夜熟成させた。この液に1,6−
ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工
業(株)製、商品名「デナコール EX−212」)2
8.8gおよび過塩素酸マグネシウムを1.8g、シリ
コン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L
−7001」)0.1g及びヒンダードフェノール系酸
化防止剤(日本チバガイギー(株)製、商品名「IRG
ANOX1010」)0.7gを添加し4時間攪拌後一
昼夜熟成させて塗液とした。
【0027】(2)塗布および硬化 このようにして得られた塗液で、アルカリ処理を施した
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂製眼
鏡レンズにスピンナー法にて塗布を行なった。
【0028】コーティング条件は以下の通りである。
【0029】回転数 500rpmで5秒(この間
に塗液を塗布) 回転数 2000rpmで1秒 回転数 500rpmで5秒 塗布後80℃で20分間風乾した後、130℃で120
分間焼成を行なった。このようにして得られた硬化被膜
の厚みは約2.3ミクロンであり、外観、染色性共に優
れたものであった。
【0030】(3)試験及び評価結果 上記のレンズ(以下ハードコートレンズと呼ぶ)を次に
述べる方法で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0031】(a)耐摩耗性:0000スチールウール
で1Kgの荷重をかけ、10往復、表面を摩擦し、傷つ
いた程度を目視で次の段階に分けて評価した。
【0032】A:1cm*3cmの範囲に全く傷がつか
ない。
【0033】B:上記範囲内に1〜10本の傷がつく。
【0034】C:上記範囲内に10〜100本の傷がつ
く。
【0035】D:無数の傷がついているが、平滑な表面
が残っている。
【0036】E:表面についた傷のため、平滑な表面が
残っていない。
【0037】(b)耐水・耐薬品性:水、アルコール、
灯油中に48時間浸漬し、表面状態に変化のないものを
良とした。
【0038】(c)耐酸・耐洗剤性:0.1N塩酸及び
1%ママレモン(ライオン油脂(株)製)水溶液に12
時間浸漬し、表面状態に変化のないものを良とした。
【0039】(d)密着性:基材とハードコート膜との
密着性は、JISD−0202に準じてクロスカットテ
ープ試験によって行なった。即ち、ナイフを用い基材表
面に1mm間隔に切れ目を入れ、1平方mmのマス目を
100個形成させる。次に、その上へセロファン粘着テ
ープ(ニチバン(株)製 商品名「セロテープ」)を強
く押し付けた後、表面から90度方向へ急に引っ張り剥
離した後コート被膜の残っているマス目をもって密着性
指標とした。
【0040】(e)耐候性:キセノンランプによるサン
シャインウェザーメーターに400時間暴露した後の表
面状態に変化のないものを良とした。
【0041】(f)耐熱性(冷却サイクル性):70℃
の温風中に1時間保存した後表面状態を調べた。更に−
5℃で15分、60℃で15分のサイクルを5回繰り返
し、表面状態に変化のないものを良とした。
【0042】(g)耐久性:耐久性は本質的に密着性の
接続であると考え、(a)から(f)の試験を行なった
ものについて、上記のクロスカットテープ試験を行ない
コート膜に剥離のないものを良とした。
【0043】(h)染色性(ハードコートレンズの
み):92℃の純水1リットルに、セイコープラックス
ダイヤコート用染色剤アンバーDを2g分散させ染色液
を調整した。
【0044】この染色液に、5分間浸漬させ染色を行な
い、染色ムラがなく、かつ全光線透過率が染色前と染色
後の差が30%以上のものを良とした。
【0045】(i)塗液のポットライフ:調整した塗液
を5℃にて1ヵ月保管した後、初期と同様の方法で塗布
および硬化を行ない、上記(a)〜(h)の試験結果を
初期の結果と比較し有意差のないものを良とした。
【0046】実施例2 実施例1で得られたレンズにそれぞれ以下の方法で無機
質から成る反射防止コート薄膜の形成を行った。
【0047】(1)反射防止膜の形成 得られたレンズをプラズマ処理(アルゴンプラズマ40
0W ×60秒)を行った後、基板から大気に向かって
順にSiO2、ZrO2、SiO2、ZrO2、SiO2
5層から成る反射防止多層膜を真空蒸着法(真空器械工
業(株)製;BMC−1000)にて形成を行った。各
層の光学的膜厚は、最初のSiO2層、次のZrO2とS
iO2の等価膜層及び次のZrO2層、最上層のSiO2
層がそれぞれλ/4と成る様に形成した。尚、設計波長
λは520nmとした。
【0048】得られた多層膜の反射干渉色は緑色を呈
し、全光線透過率は98%であった。
【0049】(2)試験及び評価結果 上記のレンズ(以下ハードマルチコートレンズと呼ぶ)
を実施例1と同様の方法で試験を行い、その結果を表1
に示す。(ただし、(d)の密着性はハードコート膜と
反射防止膜との密着性を示し、(h)の染色性の試験は
除く。) 実施例3 (1)塗液の調製 イソプロピルアルコール258.0g、イソプロピルア
ルコール分散コロイダルシリカ(触媒化成工業(株)
製、商品名「オスカル1432」固形分濃度30wt
%)486.3gを混合した後、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン168.3gを混合した。この
混合液に0.05N塩酸水溶液47.0gを攪拌しなが
ら滴下を行い4時間攪拌後、ヒンダードアミン系光安定
剤(三共株式会社、商品名「サノールLS−262
6」)4.0gを添加し一昼夜熟成させた。この液にペ
ンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(ナガセ
化成工業(株)製、商品名「デナコール EX41
1」)35.0g及び過塩素酸マグネシウム6.3g、
シリコン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名
「FZ−2110」)0.2g及びフェノール系酸化防
止剤(川口化学工業(株)製、商品名「アンテージクリ
スタル」)0.7gを添加し4時間攪拌後一昼夜熟成さ
せて塗液とした。
【0050】(2)塗布及び硬化 このようにして得られた塗液で、アルカリ処理を施した
ジエチレングリコールビスアリルカーボネイト樹脂製眼
鏡レンズに浸漬法にて塗布を行った。引き上げ速度は、
20cm/minとした。塗布後80℃で20分間風乾
した後、130℃で120分間焼成を行った。このよう
にして得られた硬化被膜の厚みは約2ミクロンであり、
外観、染色性共に優れたものであった。
【0051】(3)試験及び評価結果 このようにして得られたレンズは実施例1と同様の方法
で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0052】実施例4 (1)反射防止薄膜の形成 実施例3で得られたレンズを実施例2と同様の方法で、
無機物からなる反射防止コートの形成を行った。
【0053】(2)試験及び評価結果 このようにして得られたレンズは実施例2と同様の方法
で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0054】比較例1 (1)塗液の調整 実施例1おいて、ヒンダードアミン系光安定剤をメチル
セロソルブの後に添加する事以外はすべて同様な方法で
塗液の調製を行ったところゲル化してしまった。
【0055】比較例2 (1)塗液の調製 実施例3において、ヒンダードアミン系光安定剤を過塩
素酸マグネシウムの後に添加すること以外はすべて同様
な方法で塗膜の調製を行った。
【0056】(2)塗布及び硬化 このようにして得られた塗液で、実施例1と同様の方法
で塗布及び硬化を行った。
【0057】(3)試験及び評価結果 このようにして得られたレンズは実施例1と同様の方法
で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0058】比較例3 (1)塗液の調製 メチルセロソルブ231g、イソプロピル分散コロイダ
ルシリカ(触媒化成工業(株)製、商品名「オスカル1
432」固形分濃度30wt%)45.0g混合した
後、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
145gを混合した。この混合液に0.05N塩酸水溶
液40.0gを攪拌しながら滴下した後さらに4時間攪
拌した。この混合液にヒンダードアミン系光安定剤(三
共株式会社、商品名「サノールLS−770」)0.1
gを添加し一昼夜熟成させた。この液に1,6−ヘキサ
ンジオールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業
(株)製、商品名「デナコール EX−212」)3
2.8gおよび過塩素酸マグネシウムを3.2g、シリ
コン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L
−7001」)0.1g及びヒンダードフェノール系酸
化防止剤(日本チバガイギー(株)製、商品名「IRG
ANOX1010」)0.7gを添加し4時間攪拌後一
昼夜熟成させて塗液とした。
【0059】(2)塗布及び硬化 このようにして得られたレンズを実施例1と同様の方法
で塗布及び硬化を行った。
【0060】(3)試験及び評価 このようにして得られたレンズを実施例1と同様の方法
で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0061】比較例4 (1)反射防止膜の形成 比較例3で得られたハードコートレンズを実施例2と同
様の方法で無機物からなる反射防止コート薄膜の形成を
行った。
【0062】(2)試験及び評価 このようにして得られたレンズは実施例2と同様の方法
で試験を行い、その結果を表1に示した。 比較例5 (1)塗液の調製 メチルセロソルブ251g、イソプロピル分散コロイダ
ルシリカ(触媒化成工業(株)製、商品名「オスカル1
432」固形分濃度30wt%)151.0g混合した
後、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
74gを混合した。この混合液に0.05N塩酸水溶液
20.3gを攪拌しながら滴下した後さらに4時間攪拌
した。この混合液にヒンダードアミン系光安定剤(三共
株式会社、商品名「サノールLS−770」)0.1g
を添加し一昼夜熟成させた。この液に1,6−ヘキサン
ジオールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)
製、商品名「デナコール EX−212」)2.2gお
よび過塩素酸マグネシウムを1.2g、シリコン系界面
活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L−700
1」)0.1g及びヒンダードフェノール系酸化防止剤
(日本チバガイギー(株)製、商品名「IRGANOX
1010」)0.7gを添加し4時間攪拌後一昼夜熟成
させて塗液とした。
【0063】(2)塗布及び硬化 このようにして得られたレンズを実施例1と同様の方法
で塗布及び硬化を行った。
【0064】(3)試験及び評価 このようにして得られたレンズを実施例1と同様の方法
で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0065】比較例6 (1)塗液の調製 メチルセロソルブ196g、イソプロピル分散コロイダ
ルシリカ(触媒化成工業(株)製、商品名「オスカル1
432」固形分濃度30wt%)192.0g混合した
後、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
75.6gを混合した。この混合液に0.05N塩酸水
溶液20.75gを攪拌しながら滴下した後さらに4時
間攪拌した。この混合液にヒンダードアミン系光安定剤
(三共株式会社、商品名「サノールLS−770」)
0.1gを添加し一昼夜熟成させた。この液に1,6−
ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工
業(株)製、商品名「デナコール EX−212」)1
3.9gおよび過塩素酸マグネシウムを1.5g、シリ
コン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L
−7001」)0.1g及びヒンダードフェノール系酸
化防止剤(日本チバガイギー(株)製、商品名「IRG
ANOX1010」)0.7gを添加し4時間攪拌後一
昼夜熟成させて塗液とした。
【0066】(2)塗布及び硬化 このようにして得られたレンズを実施例1と同様の方法
で塗布及び硬化を行った。
【0067】(3)試験及び評価 このようにして得られたレンズを実施例1と同様の方法
で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、塗
膜の良好な透明性、染色性、耐久性と同時に無機物から
なる反射防止膜との密着性とに優れるコーティング組成
物を同時に得ることができる。また塗液のポットライフ
も室温保存で1ヶ月以上と長く、生産性向上等による効
果は大きい。即ちプラスチックレンズ材料として、染色
の可能なレンズ基材は勿論、染色が不可能なレンズ基材
にも、プラスッチクレンズの特徴を失うことなく、しか
も低コストで生産が可能となった。
【0070】優れた耐擦傷性と良好な染色性および良好
な無機物からなる反射防止膜との耐久性を兼ね備えたプ
ラスッチク材料は、眼鏡レンズ、カメラレンズ、光ビー
ム集光レンズや光拡散用レンズとして民生用或いは産業
用に広く応用することができる。更に本発明による効果
は、ウォッチガラスやディスプレイ用カバーガラス等の
透明ガラスやカバーガラス等の光学用途の透明プラスッ
チク全般に応用利用が可能であり、得られる効果は多大
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも下記の成分(A),(B),
    (C),(D),(E)を主成分とするコーティング用
    組成物の製造方法において、(A)(B)を混合し、
    (B)の加水分解終了後(C)を添加し、少なくとも3
    時間熟成した後(D)及び(E)を添加することを特徴
    とするコーティング用組成物の製造方法。 (A).粒径1〜100ミリミクロンの無機酸化物微粒
    子 (B).少なくとも一個以上の重合可能な反応基を有す
    るシラン化合物 (C).ヒンダードアミン系光安定剤 (D).多官能性エポキシ化合物 (E).過塩素酸マグネシウム
  2. 【請求項2】上記コーティング組成物において(A)が
    10〜50重量%、(B)が同20〜70重量%、
    (C)が同0.5〜10重量%、(D)が同3〜30重
    量%、(E)が同0.1〜5重量%であることを特徴と
    する請求項1記載のコーティング用組成物の製造方法
    (但し、各成分の比率はコーティング組成物中にしめる
    固形分を100とした場合の重量比率を示す。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10292135A (ja) * 1997-04-18 1998-11-04 Seiko Epson Corp コーティング用組成物、その製造方法および積層体
JP2006057106A (ja) * 2005-10-05 2006-03-02 Seiko Epson Corp コーティング用組成物、その製造方法および積層体

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JPH10292135A (ja) * 1997-04-18 1998-11-04 Seiko Epson Corp コーティング用組成物、その製造方法および積層体
JP2006057106A (ja) * 2005-10-05 2006-03-02 Seiko Epson Corp コーティング用組成物、その製造方法および積層体

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