JPH06136318A - コーティング用組成物 - Google Patents

コーティング用組成物

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JPH06136318A
JPH06136318A JP5138665A JP13866593A JPH06136318A JP H06136318 A JPH06136318 A JP H06136318A JP 5138665 A JP5138665 A JP 5138665A JP 13866593 A JP13866593 A JP 13866593A JP H06136318 A JPH06136318 A JP H06136318A
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JP
Japan
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coating
film
trade name
lens
fine particles
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JP5138665A
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English (en)
Inventor
Katsuyoshi Takeshita
克義 竹下
Mikito Nakajima
幹人 中島
Satoshi Kubota
聡 久保田
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、塗膜に良好な透明性、染色性、耐
久性と同時に無機物からなる反射防止膜との密着性、耐
久性とを兼ね備えることを実現し、且つ塗液のポットラ
イフも室温保存で1ヶ月以上と長いことを実現する。 【構成】 本発明は、少なくとも下記の成分(A),
(B),(C),(D)および(E)を主成分とするこ
とを特徴とするコーティング用組成物に関するものであ
る。 (A).粒径1〜100ミリミクロンの無機酸化物微粒
子 (B).少なくとも一個以上の重合可能な反応基を有す
るシラン化合物 (C).多官能性エポキシ化合物 (D).過塩素酸マグネシウム (E).ヒンダードアミン系光安定剤

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明なプラスチック材
料等の基材表面に塗布し、硬化させることにより得られ
た塗膜が、優れた透明性、耐久性、染色性と同時に無機
物質からなる反射防止コート薄膜(以後無機蒸着膜と呼
ぶ)との密着性及び耐久性を兼ね備え、且つ塗液のポッ
トライフが非常に長いことを特徴とするコーティング用
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在使用されているプラスチック材料の
中で、アクリル系、メタクリル系、ビニル系、ポリカ−
ボネ−ト系、ウレタン系およびアリル系の透明なプラス
チック材料は、ガラスに較べ、耐衝撃性、軽量性、加工
性、被着色性等の性質が優れている為、レンズ、透過ガ
ラス等、光学用材料として無機ガラスに替って多量に使
用されている。しかし、これらは無機ガラスに較べ、耐
擦傷性、耐薬品性が劣るという欠点を有する。比較的、
耐擦傷性に優れている樹脂として、ジエチレングリコー
ルビスアリルカーボネート樹脂があるが、これも実用上
充分とはいえない。プラスチック材料のこれらの欠点を
改良する手段として、例えば、特公昭57−2735号
広報には、コロイダルシリカとエポキシ基含有アルコキ
シシランからなる非染タイプの熱硬化塗料が、また、特
公昭56−34033、同55−29102号広報等に
は、エポキシ基含有アルコキシシランとテトラアルコキ
シシランを主成分とする非染タイプの熱硬化塗料が、ま
た、特開昭59−231501号広報等には、コロイダ
ルシリカとエポキシ基含有アルコキシシランと多官能性
エポキシ化合物からなる可染タイプの熱硬化塗料が、ま
た、特公昭57−43578、同57−15608、同
57−20968号広報等には、光重合塗料がそれぞれ
開示されており、それぞれ、耐薬品性、耐擦傷性の向上
がはかられている。一方、特開平3−145602号広
報等には、これらの熱硬化と光硬化の併用で、プラスチ
ック基材への密着が優れるとする可染タイプの硬化塗料
が提案されている。また、高屈折率塗料においては、特
公昭63−37412号広報に、Sb25微粒子とエポ
キシ基等含有アルコキシシランからなる非染タイプの熱
硬化塗料が、また、特公平3−29833号広報には、
無機微粒子とエポキシ基含有アルコキシシランとテトラ
アルコキシシラン等のケイ素化合物を主成分とする非染
タイプの熱硬化塗料が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の熱硬化
性塗料は、塗膜の染色性(本発明での染色性とは塗膜形
成後の染色性を示す)と耐擦傷性及び塗膜と無機蒸着膜
との密着性、耐久性の全てを充分に満足させるものは得
られていない。また、光硬化性塗料は、塗膜の染色性お
よび無機蒸着膜との密着性に乏しく、塗膜の硬度、耐久
性は向上するものの、本発明が目的とする、染色性、耐
擦傷性および無機蒸着膜との密着性、耐久性の向上は得
られない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決するため鋭意検討を行なったところ、無機
酸化物微粒子、重合可能な反応基を有するシラン化合
物、多官能性エポキシ化合物、過塩素酸マグネシウム、
ヒンダードアミン系光安定剤を主成分とする組成物を熱
硬化することにより得られるコーティング被膜が、透明
性、各種耐久性に優れ、且つ染色性及び無機蒸着膜との
密着性、耐久性ともに優れる性能が得られ、更に塗液の
ポットライフが室温保存で1ヶ月以上と非常に長く生産
性に優れていることを見い出した。
【0005】すなわち本発明は、少なくとも下記の成分
(A),(B),(C),(D)および(E)を主成分
とすることを特徴とするコーティング用組成物に関する
ものである。 (A).粒径1〜100ミリミクロンの無機酸化物微粒
子 (B).少なくとも一個以上の重合可能な反応基を有す
るシラン化合物 (C).多官能性エポキシ化合物 (D).過塩素酸マグネシウム (E).ヒンダードアミン系光安定剤 本発明で使用する(A)成分の粒径1〜100ミリミク
ロンの無機酸化物微粒子の具体的な例としては、SiO
2、ZrO2、TiO2、SnO2、Sb25、CeO2
Al23、ZnO等が挙げられる。また、該微粒子の複
合酸化物ならびに該微粒子もしくは該微粒子の複合酸化
物を酸化ケイ素および/または有機ケイ素化合物および
/または有機金属化合物により処理してなる微粒子も含
まれる。使用に際しては、該微粒子粉末を直接用いて
も、また水、アルコール系もしくはその他の有機溶媒に
予め分散させたコロイド状で用いてもよい。また、これ
らを2種類以上混合して用いることも可能である。
【0006】ここで用いる複合酸化物とは、微粒子の製
造段階で2種以上の無機酸化物を混合させたものであ
る。例えばCeO2とTiO2との複合酸化物微粒子、S
iO2とCeO2とTiO2との複合酸化物微粒子等が挙
げられる。また、酸化ケイ素による処理とは、該微粒子
を含む分散媒体中で該微粒子表面に、酸化ケイ素微粒子
を公知の方法で成長させることである。有機ケイ素化合
物、有機金属化合物による処理とは、該微粒子を含む分
散媒体中で化合物を添加し、加熱攪拌することによる方
法である。この発明の目的のためには平均粒子径1〜1
00ミリミクロンのものが使用されるが、好ましくは5
〜30ミリミクロンの径のものが使用される。粒子径が
1ミリミクロン以下であると無機酸化物微粒子が安定に
存在せず、一定した品質が得られない。また100ミリ
ミンクロン以上であるとコーティング被膜が白濁すると
いう問題が生じる。
【0007】また、使用量は塗膜固形分の10〜50重
量%であることが望ましい。すなわち、10重量%未満
では、無機蒸着膜との密着性が不充分となるか、もしく
は、塗膜の耐擦傷性が不充分となる。また50重量%を
越えると、塗膜にクラックが生じるか、もしくは、染色
性が不充分となる。
【0008】続いて、(B)成分は、ビニル基、アリル
基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、メルカプ
ト基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基等の重合可能
な反応基を有するシラン化合物であり、その具体的なも
のとして、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリク
ロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シ
ラン、アリルトリアルコキシシラン、γ−アクリルオキ
シプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリルオキ
シプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリルオキ
シプロピルジアルコキシメチルシラン、γ−グリシドオ
キシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドオキ
シプロピルメチルジアルコキシシラン、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラ
ン、メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリアルコキシシラン、N−β(アミノエ
チル)−γ−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン
等がある。
【0009】この(B)成分は、2種以上混合して用い
ることも可能である。また、加水分解を行なってから用
いるか、もしくは硬化した後の被膜に酸処理を行なう
か、どちらかの方法を取った方がより有効である。
【0010】(B)成分の使用量は、塗膜固形分の20
〜70重量%であることが望ましい。すなわち、20重
量%未満であると、無機蒸着膜との密着性が不充分とな
りやすい。また70重量%を越えると、硬化被膜にクラ
ックを生じさせる原因となり好ましくない。
【0011】(C)成分の多官能性エポキシ化合物は、
塗料、接着剤、注型用などに広く実用されているもの
で、例えば過酸化法で合成されるポリオレフィン系エポ
キシ樹脂、シクロペンタジエンオキシドやシクロヘキセ
ンオキシドあるいはヘキサヒドロフタル酸とエピクロル
ヒドリンから得られるポリグリシジルエステルなどの脂
環式エポキシ樹脂、ビスフェノールAやカテコール、レ
ゾシノールなどの多価フェノールあるいは(ポリ)エチ
レングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、ソルビ
トールなどの多価アルコールとエピクロルヒドリンから
得られるポリグリシジルエーテル、エポキシ化植物油、
ノボラック型フェノール樹脂とエピクロルヒドリンから
得られるエポキシノボラック、フェノールフタレインと
エピクロルヒドリンから得られるエポキシ樹脂、グリシ
ジルメタクリレートとメチルメタクリレートアクリル系
モノマーあるいはスチレンなどの共重合体、さらには上
記エポキシ化合物とモノカルボン酸含有(メタ)アクリ
ル酸とのグリシジル基開環反応により得らるエポキシア
クリレートなどが挙げられる。
【0012】(C)成分の使用量は、塗膜固形分の3〜
30重量%であることが望ましい。すなわち、3重量%
未満であると染色ムラが出やすくなり又耐水性が低下す
ると同時に塗液のポットライフが短くなる。また、30
重量%を越えると無機蒸着膜との密着性が不充分とな
る。
【0013】次に(D)成分の過塩素酸マグネシウム
は、シラノールあるいはエポキシ基の硬化触媒である。
一般にシラノールあるいはエポキシ基の硬化触媒として
は、アミノ酸、金属アセチルアセトネート、有機酸金属
塩、ルイス酸等が知られている。これらの触媒でも塗膜
の特性には大きな問題点はないが、ポットライフ等を含
めたあらゆる特性において過塩素酸マグネシウムが最も
優れている。
【0014】(D)成分の使用量は、塗膜固形分の0.
1〜5重量%であることが望ましい。すなわち、0.1
重量%未満であると塗膜が硬化不良となる。5重量%を
越えて添加してもなんの意味も持たない。
【0015】続いて、(E)成分の使用量は、塗膜固形
分の0.5〜10重量%であることが必要である。すな
わち0.5重量%未満であると染色性が不充分となる。
また、10重量%を越えると、塗膜の耐擦傷性が不充分
となり好ましくない。
【0016】このようにして得られるコーティング用組
成物は、必要に応じ、溶剤に希釈して用いることができ
る。溶剤としては、水、アルコール類、エステル類、ケ
トン類、エーテル類、ジメチルホルムアミド、芳香族類
等の溶剤が目的に応じて用いられる。必要に応じて混合
溶媒を用いることも可能である。
【0017】また、塗膜にさらなる染色性を付与するた
めに、多価アルコール、多価カルボン酸または多価カル
ボン酸無水物を添加することも有用である。多価アルコ
ールとしては、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)
プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、カテ
コール、レゾルシノール、アルカンジオール等の二官能
性アルコールまたは、グリセリン、トリメチロールプロ
パン等の三官能性アルコールまたは、ポリビニルアルコ
ール等が挙げられる。多価カルボン酸としては、マロン
酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、酒石酸、リンゴ酸、無
水マレイン酸等が挙げられる。
【0018】また、塗布面の欠陥を改良するためのシリ
コーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤や非イオン系
界面活性剤、チキソトロピー剤、スリップ剤としてシリ
コンオイルや帯電防止剤等を添加することも有用であ
る。
【0019】また、更に塗膜の耐候性を向上させるため
に、紫外線吸収剤や酸化防止剤を併用することも可能で
ある。
【0020】本発明における硬化被膜の膜厚としては、
0.05〜30μであることが好ましい。すなわち、
0.05μ未満では、基本となる性能が出ず、30μを
越えると、表面の平滑性が損なわれたり、光学的歪が発
生する為好ましくない。その塗布方法としては、浸漬
法、スプレ−法、ロ−ルコ−ト法、スピンコ−ト法、フ
ロ−コ−ト法等が挙げられる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】実施例−1 (1)塗液の調整 イソプロピルセロソルブ68.5g、ジメチルホルムア
ミド68.5g、水分散コロイダルシリカ(触媒化成工
業(株)製、商品名「Cataloid SN」固形分
濃度20wt%)263.0g混合した後、γ−グリシ
ドキシプロピルメチルジエトキシシラン62.1gを混
合した。この混合液に0.05N塩酸水溶液11.0g
を攪拌しながら滴下し、さらに4時間攪拌後一昼夜熟成
させた。この液に1,6−ヘキサンジオールジグリシジ
ルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名「デナコ
ール EX−212」)28.8gおよび過塩素酸マグ
ネシウムを1.8g添加した後、ヒンダードアミン系光
安定剤(三共株式会社、商品名「サノールLS−77
0」)0.8g、シリコン系界面活性剤(日本ユニカー
(株)製、商品名「L−7001」)0.1gおよびヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤(日本チバガイギー
(株)製、商品名「IRGANOX1010」)0.7
gを添加し4時間攪拌後一昼夜熟成させて塗液とした。
【0023】(2)塗布および硬化 このようにして得られた塗液で、アルカリ処理を施した
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂製眼
鏡レンズにスピンナー法にて塗布を行なった。
【0024】コーティング条件は以下の通りである。
【0025】回転数 500rpmで5秒(この間
に塗液を塗布) 回転数 2000rpmで 1秒 回転数 500rpmで 5秒 塗布後80℃で20分間風乾した後、130℃で120
分間焼成を行なった。このようにして得られた硬化被膜
の厚みは約2.3ミクロンであり、外観、染色性共に優
れたものであった。
【0026】実施例−2 実施例−1で得られたレンズに、それぞれ以下の方法で
無機物質からなる反射防止コート薄膜の形成を行なっ
た。
【0027】(1)反射防止薄膜の形成 得られたレンズをプラズマ処理(アルゴンプラズマ40
0W×60秒)を行なった後、基板から大気にむっかて
順に、SiO2、ZrO2、SiO2、ZrO2、SiO2
の5層からなる反射防止多層膜を真空蒸着法(真空器械
工業(株)製;BMC−1000)にて形成を行なっ
た。各層の光学的膜厚は、最初のSiO2層、次のZr
2とSiO2の等価膜層および次のZrO2層、最上層
のSiO2層がそれぞれλ/4となる様に形成した。な
お、設計波長λは520nmとした。
【0028】得られた多層膜の反射干渉色は緑色を呈
し、全光線透過率は98%であった。
【0029】(2)試験および評価結果 実施例−1で得られたレンズ(以下ハードコートレンズ
と呼ぶ)および実施例−2で得られたレンズ(以下ハー
ドマルチコートレンズと呼ぶ)をそれぞれ次に述べる方
法で試験を行ない、その結果を表1に示した。
【0030】(a)耐摩耗性:# 0000スチールウー
ルで1Kgの荷重をかけ、10往復、表面を摩擦し、傷
ついた程度を目視で次の段階に分けて評価した。
【0031】A:1cm*3cmの範囲に全く傷がつか
ない。
【0032】B:上記範囲内に1〜10本の傷がつく。
【0033】C:上記範囲内に10〜100本の傷がつ
く。
【0034】D:無数の傷がついているが、平滑な表面
が残っている。
【0035】E:表面についた傷のため、平滑な表面が
残っていない。
【0036】(b)耐水・耐薬品性:水、アルコール、
灯油中に48時間浸漬し、表面状態に変化のないものを
良とした。
【0037】(c)耐酸・耐洗剤性:0.1N塩酸及び
1%ママレモン(ライオン油脂(株)製)水溶液に12
時間浸漬し、表面状態に変化のないものを良とした。
【0038】(d)密着性:基材とハードコート膜およ
びハードコート膜とマルチコート膜との密着性は、JI
SD−0202に準じてクロスカットテープ試験によっ
て行なった。即ち、ナイフを用い基材表面に1mm間隔
に切れ目を入れ、1平方mmのマス目を100個形成さ
せる。次に、その上へセロファン粘着テープ(ニチバン
(株)製 商品名「セロテープ」)を強く押し付けた
後、表面から90度方向へ急に引っ張り剥離した後コー
ト被膜の残っているマス目をもって密着性指標とした。
【0039】(e)耐候性:キセノンランプによるサン
シャインウェザーメーターに400時間暴露した後の表
面状態に変化のないものを良とした。
【0040】(f)耐熱性(冷却サイクル性):70℃
の温風中に1時間保存した後表面状態を調べた。更に−
5℃で15分、60℃で15分のサイクルを5回繰り返
し、表面状態に変化のないものを良とした。
【0041】(g)耐久性:耐久性は本質的に密着性の
接続であると考え、(a)から(f)の試験を行なった
ものについて、上記のクロスカットテープ試験を行ない
コート膜に剥離のないものを良とした。
【0042】(h)染色性(ハードコートレンズの
み):92℃の純水1リットルに、セイコープラックス
ダイヤコート用染色剤アンバーDを2g分散させ染色液
を調整した。
【0043】この染色液に、5分間浸漬させ染色を行な
い、染色ムラがなく、かつ全光線透過率が染色前と染色
後の差が30%以上のものを良とした。
【0044】(i)塗液のポットライフ:調整した塗液
を5℃にて1ヵ月保管した後、初期と同様の方法で塗布
および硬化を行ない、上記(a)〜(h)の試験結果を
初期の結果と比較し有意差のないものを良とした。
【0045】実施例−3 (1)塗液の調整 イソプロピルアルコール258.0g,イソプロピルア
ルコール分散コロイダルシリカ(触媒化成工業(株)
製、商品名「オスカル1432」固形分濃度30wt
%)486.3gを混合した後、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン168.3gを混合した。この
混合液に0.05N塩酸水溶液47.0gを攪拌しなが
ら滴下を行ない4時間攪拌後一昼夜熟成させた。この液
にペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(ナ
ガセ化成工業(株)製、商品名「デナコール EX−4
11」)35.0gおよび過塩素酸マグネシウム6.3
g、ヒンダードアミン系光安定剤(三共株式会社、商品
名「サノールLS−2626」)4.0g、シリコン系
界面活性剤(日本ユニカー(株)製;商品名「FZ−2
110」)0.2gおよび フェノール系酸化防止剤
(川口化学工業(株)製、商品名「アンテージクリスタ
ル」)0.7gを添加し4時間攪拌後一昼夜熟成させて
塗液とした。
【0046】(2)塗布および硬化 このようにして得られた塗液で、アルカリ処理を施した
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂製眼
鏡レンズに浸漬法にて塗布を行なった。引き上げ速度
は、20cm/minとした。塗布後80℃で20分間
風乾した後130℃で120分間焼成を行なった。この
ようにして得られた硬化被膜の厚みは約2ミクロンであ
り、外観、染色性共に優れたものであった。
【0047】(3)試験および評価結果 このようにして得られたレンズは実施例−1と同様の方
法で試験を行ない、その結果を表1に示した。
【0048】実施例−4 (1)反射防止薄膜の形成 実施例−3で得られたレンズを実施例−2と同様の方法
で、無機物からなる反射防止コート薄膜の形成を行っ
た。
【0049】(2)試験および評価結果 このようにして得られたレンズは実施例−2と同様の方
法で試験を行ない、その結果を表1に示した。
【0050】実施例−5 (1)塗液の調整 ブチルセロソルブ287.5g、純水74.3gおよび
メチルセロソルブ分散コロイダルシリカ(触媒化成工業
(株)製;商品名「オスカル1832」固形分濃度30
wt%)434.1gを混合した後、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン183.0gを混合した。
この混合液に0.05N塩酸水溶液50.5gを攪拌し
ながら滴下した。さらに5時間攪拌後一昼夜熟成させ
た。この液にグリセロールトリグリシジルエーテル(ナ
ガセ化成工業(株)製、商品名「デナコール EX−3
14」)40.3g、ヒンダードアミン系光安定剤(三
共株式会社、商品名「サノールLS−770」)1.8
gおよび過塩素酸マグネシウム4.6gおよびシリコン
系界面活性剤(日本ユニカー(株)製;商品名「L−7
604])0.1gを添加し4時間攪拌後一昼夜熟成さ
せて塗液とした。
【0051】(2)塗布および硬化 このようにして得られた塗液で、インジェクション成形
したアクリル板(三菱レイヨン(株)製;商品名「アク
リペットVH」100mm*100mm*3mmt)に
スプレー法にて塗布を行なった。
【0052】スプレーは、イワタワイダー61(岩田塗
装機(株)製;ノズル口径1mm)を用い、スプレー圧
力3Kg/平方cm、塗料吐出量100ml/minで
おこなった。
【0053】塗布後50℃で10分間風乾した後80℃
で4時間焼成を行なった。このようにして得られた硬化
被膜の厚みは約4ミクロンであり、外観、染色性共に優
れたものであった。
【0054】(3)試験および評価結果 このようにして得られたレンズは実施例−1と同様の方
法で試験を行ない、その結果を表1に示した。
【0055】実施例−6 (1)反射防止薄膜の形成 実施例−5で得られたハードコートレンズを実施例−2
と同様の方法で無機物からなる反射防止コート薄膜の形
成を行なった。
【0056】(2)試験および評価結果 このようにして得られたレンズは実施例−2と同様の方
法で試験を行ない、その結果を表1に示した。
【0057】実施例−7 (1)塗液の調整 イソプロピルセロソルブ68.5g、ジメチルホルムア
ミド68.5g、メチルセロソルブ分散二酸化チタン/
二酸化セリウム/二酸化ケイ素複合微粒子ゾル(TiO
2/CeO2/SiO2=50/20/30(重量比)
固形分濃度20wt%)263.0g混合した後、γ−
グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン62.1
gを混合した。この混合液に0.05N塩酸水溶液1
1.0gを攪拌しながら滴下し、さらに4時間攪拌後一
昼夜熟成させた。この液に1,6−ヘキサンジオールジ
グリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名
「デナコール EX−212」)28.8gおよび過塩
素酸マグネシウムを1.8g添加した後、ヒンダードア
ミン系光安定剤(三共株式会社、商品名「サノールLS
−770」)0.8g、シリコン系界面活性剤(日本ユ
ニカー(株)製、商品名「L−7001」)0.1gお
よびヒンダードフェノール系酸化防止剤(日本チバガイ
ギー(株)製、商品名「IRGANOX1010」)
0.7gを添加し4時間攪拌後一昼夜熟成させて塗液と
した。
【0058】(2)塗布および硬化 このようにして得られた塗液で、セイコーハイロードS
MX用の生地レンズ(セイコーエプソン(株)製)にス
ピンナー法にて塗布を行なった。
【0059】コーティング条件は以下の通りである。
【0060】回転数 500rpmで10秒(この
間に塗液を塗布) 回転数 2500rpmで 1秒 回転数 500rpmで 5秒 塗布後80℃で20分間風乾した後、110℃で180
分間焼成を行なった。このようにして得られた硬化被膜
の厚みは約2.1ミクロンであり、外観、染色性共に優
れたものであった。
【0061】(3)試験および評価結果 このようにして得られたレンズは実施例−1と同様の方
法で試験を行ない、その結果を表1に示した。
【0062】実施例−8 (1)反射防止薄膜の形成 実施例−5で得られたハードコートレンズを実施例−2
と同様の方法で無機物からなる反射防止コート薄膜の形
成を行なった。
【0063】(2)試験および評価結果 このようにして得られたレンズは実施例−2と同様の方
法で試験を行ない、その結果を表1に示した。
【0064】比較例−1 実施例−3において、ヒンダードアミン系光安定剤(三
共株式会社、商品名「サノールLS−2626」)を添
加しないこと以外はすべて同様な方法でレンズに塗布を
行なった。
【0065】このようにして得られたレンズを実施例−
3と同様の方法で試験を行ない、その結果を表1に示し
た。
【0066】比較例−2 実施例−5において、グリセロールトリグリシジルエー
テル(ナガセ化成工業(株)製、商品名「デナコール
EX−314」)を添加しないこと以外はすべて同様な
方法でアクリル板に塗布を行なった。このようにして得
られたアクリル板を実施例−5と同様の方法で試験を行
ない、その結果を表1に示した。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、塗
膜の良好な透明性、染色性、耐久性と同時に無機物から
なる反射防止膜との密着性とを同時に得ることができ、
また塗液のポットライフも室温保存で1ヶ月以上と長
く、生産性向上等による効果は大きい。即ちプラスチッ
クレンズ材料として、染色の可能なレンズ基材は勿論、
染色が不可能なレンズ基材にも、プラスッチクレンズの
特徴を失うことなく、しかも低コストで生産が可能とな
った。
【0069】優れた耐擦傷性と良好な染色性および良好
な無機物からなる反射防止膜との耐久性を兼ね備えたプ
ラスッチク材料は、眼鏡レンズ、カメラレンズ、光ビー
ム集光レンズや光拡散用レンズとして民生用或いは産業
用に広く応用することができる。更に本発明による効果
は、ウォッチガラスやディスプレイ用カバーガラス等の
透明ガラスやカバーガラス等の光学用途の透明プラスッ
チク全般に応用利用が可能であり、得られる効果は多大
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 1/10 Z 7132−2K

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記の成分(A),(B),
    (C),(D)および(E)を主成分とすることを特徴
    とするコーティング用組成物。 (A).粒径1〜100ミリミクロンの無機酸化物微粒
    子 (B).少なくとも一個以上の重合可能な反応基を有す
    るシラン化合物 (C).多官能性エポキシ化合物 (D).過塩素酸マグネシウム (E).ヒンダードアミン系光安定剤
JP5138665A 1992-09-09 1993-06-10 コーティング用組成物 Pending JPH06136318A (ja)

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