JPH06199195A

JPH06199195A - 高剛性バンパー補強材

Info

Publication number: JPH06199195A
Application number: JP56993A
Authority: JP
Inventors: Yukihisa Kuriyama; 幸久栗山; Masaaki Mizumura; 正昭水村; Hirotoshi Hishida; 博俊菱田
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1993-01-06
Filing date: 1993-01-06
Publication date: 1994-07-19

Abstract

(57)【要約】【目的】断面変形を防止することにより高い剛性を有
するバンパー補強材を提供する。【構成】断面をトラス構造あるいは準トラス型にする
ことを特徴とする。【効果】断面をトラス型にすることにより、断面の偏
平・剪断変形に対する剛性を高め、全体の剛性を向上す
るものである。また、断面変形を抑えることにより、曲
げ剛性の低下も防止でき、全体剛性への寄与は大きい。
この様に剛性を向上することにより補強材の軽量化が可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車用のバンパーに
関するもので、特に、自動車用のバンパーの強度部材で
あるバンパー補強材の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年の自動車用のバンパーは、外観を保
つ外皮材、衝突のエネルギーを吸収するクッション材、
衝突時に変形をくい止める強度部材で構成されることが
多い。また、これらの機能を複合して持たせた一体構造
バンパーもある。いずれの場合も、強度を受け持つ部材
の断面形状は、ハット型、ないし概ね長方形、ないしは
長方形をリブにより補強した日字型・目字型・田字型構
造である（図１）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術によるバン
パーの強度部材の断面形状は、ハット型・長方形・長方
形をリブで補強した日字型・目字型・田字型のものであ
るが、いずれも開き断面（ハット型）ないしラーメン型
（長方形および長方形をリブで補強したもの）である。
従って、断面剛性が低く、バンパーが変形を受ける際、
断面が偏平・剪断変形し（図２）、その為断面二次モー
メントが低下し、曲げ変形が更に進行することにより、
極めて剛性が低く、補強材が大きく変形してしまい、車
体自体へ損傷を与えてしまう。本発明は、このような断
面変形を防止することにより高い剛性を有するバンパー
補強材を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、図３に
示すように、バンパーの強度部材の断面形状をトラス型
（図３（ａ），（ｂ））ないしは、準トラス型（図３
（ｃ），（ｄ））にすることにある。これにより、断面
の偏平・剪断変形に対する剛性を高め、ひいては断面二
次モーメントを初期の大きさに近い値に維持することに
より、曲げ剛性を高め、バンパーの変形を小さくするこ
とができ、また、同一変位で高い負荷荷重を支持するた
めエネルギー吸収能的にも有利である。この方法は、バ
ンパー補強材だけでなく、ドアインパクトバーなど曲げ
を主体に受ける強度部材にも有効に利用できることは明
らかである。

【０００５】

【実施例】次に、本発明の実施例について述べる。図４
は、アルミの押し出し材について実施した例を示す。図
４の（ａ），（ｂ）は従来技術であるラーメン構造の断
面の例として長方形にリブを１枚および２枚の補強を行
ったものである。図４（ｃ），（ｄ）は、本発明のトラ
ス型断面の実施例である。いずれも６０００系のアルミ
合金６０６１のＯ材を用いている。断面の代表寸法は８
０mm幅で梁高さは１２５mmであり、長さは１０００mmで
ある。重量がいずれも４．０kgとなる様に、肉厚を選定
した。（ａ）では肉厚３．０mm、（ｂ）では肉厚２．６
mm、（ｃ）では肉厚２．７mm、（ｄ）では肉厚２．８mm
である。

【０００６】図４（ａ），（ｂ），（ｃ），（ｄ）のバ
ンパー補強材を両端固定曲げした際の、荷重〜荷重点変
位の関係を図５に示す。本発明のトラス型断面のバンパ
ー補強材が同一変位で高い荷重を示し、従来技術の例で
ある（ａ），（ｂ）材より高い剛性、また、高いエネル
ギー吸収能（荷重〜変位線図の囲む面積）を持っている
ことが判る。

【０００７】

【発明の効果】以上詳述した様に、本発明の構造を採用
することにより、バンパー強度部材に高剛性・高エネル
ギー吸収を持たせることが可能である。従って、本発明
の構造とすることにより、同一の剛性・エネルギー吸収
能を持つ部材をより軽量にすることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来技術でのバンパー強度部材の代表的形状を
示す説明図で、（ａ）はハット型断面、（ｂ）は長方形
断面、（ｃ）は日字型断面、（ｄ）は目字型断面、
（ｅ）は田字型断面の説明図。

【図２】断面の変形状態を示す説明図で、（ａ）は偏平
変形を示す説明図。図中の点線は変形前の形状、実線は
変形後の形状を示す。（ｂ）は剪断変形を示す説明図。
図中の点線は変形前の形状、実線は変形後の形状を示
す。

【図３】本発明によるバンパー強度部材の代表的形状を
示す説明図で、（ａ）は外形が台形の場合、（ｂ）は外
形が長方形の場合の断面形状の代表例を示す説明図。
（ｃ）は外形が台形で準トラス型の場合、（ｄ）は外形
が長方形の場合で準トラス型の断面形状の代表例を示す
説明図。

【図４】実施例の断面形状を示す説明図で、（ａ）は従
来技術による日字型断面の実施例、（ｂ）は従来技術に
よる目字型断面の実施例を示す説明図。（ｃ）は本発明
によるトラス型断面の実施例を示す説明図。（ｄ）は本
発明による準トラス型断面の実施例を示す説明図。

【図５】図４（ａ），（ｂ），（ｃ），（ｄ）に対応す
る荷重〜荷重点変位の実測例を示す説明図。図５中の実
線は従来技術の日字型断面の実測例、点線は目字型断面
の実測例、一点鎖線は本発明によるトラス型断面の実測
例、二点鎖線は本発明による準トラス型断面の実測例を
示す。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】自動車のバンパーの強度部材であるバン
パー補強材において、断面形状をトラス構造あるいは準
トラス構造とすることを特徴とするバンパー補強材。