JPH06198972A - 用紙停止位置調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラインプリンタなどの印字装置において、直
接機構部分に手を触れることなく比較的簡単に印字位置
の調整を行う。 【構成】 用紙上への印字位置を現在位置から遅らせる
所定量値を設定可能な設定手段（１）と、この設定手段
（１）により設定される所定量値に応じてビデリクエス
ト信号を遅らせて生成するビデオリクエスト生成手段
（２）とを備え、このビデオリクエスト生成手段（２）
により生成されるビデリクエスト信号を所定のタイミン
グでビデオデータ送出手段（４）に出力し、ビデオデー
タ送出手段（４）は、このビデオリクエスト信号に応じ
て印字部（３）にビデオデータを出力するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばラインプリンタ
のような印字装置において用紙停止時のミシン目合わせ
位置を調整する用紙停止位置調整装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ラインプリンタのような印字装
置においては、連続用紙の表面に確実に印字を行うため
に、用紙を所定ピッチで送る紙送り機構が設けられてい
る。この紙送り機構は、連続用紙の両側縁部に所定間隔
（例えば１／２インチ）毎に穿設されているフィード孔
に装着されるトラクタを備えており、このトラクタが紙
送りモータの回転によってトラクタシャフトおよび変速
機を介して駆動されるようになっている。また、前記紙
送りモータのモータシャフトには、多数のスリットが穿
設された円板状のエンコーダが取り付けられ、このエン
コーダより出力されるディテント波形によって、前記紙
送りモータを停止させたり、あるいは１／２インチずつ
前進後退制御したり、連続回転制御したりするようにさ
れている。

【０００３】ところで、前述のような紙送り装置におい
ては、その製造時における変速機等の組付け誤差の発生
が不可避であるため、この組付け誤差の調整を製造後の
最終的な試験段階において行う必要があった。従来、こ
のような調整は、印字結果を見ながら、手作業により変
速機のプーリーの位置を少しずつずらせるという方法に
より行われていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように印字結果を見ながら手作業で機構部分を調整する
方法では、機構部分に直接手を触れる必要があるととも
に、調整と印字とを何度も繰り返して行わねばならない
作業となるため、多大の時間と手間がかかってしまうと
いう問題があった。

【０００５】本発明は、前記問題点を解消するためにな
されたもので、直接機構部分に手を触れることなく比較
的簡単に印字位置の調整を行うことのできる用紙停止位
置調整装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る用紙停止位
置調整装置は、第１に、図１の発明原理図に示されてい
るように、（ａ）用紙上への印字位置を現在位置から遅
らせる所定量値を設定可能な設定手段（１）、（ｂ）こ
の設定手段（１）により設定される所定量値に応じてビ
デオリクエスト信号を遅らせて生成するビデオリクエス
ト生成手段（２）および、（ｃ）このビデオリクエスト
生成手段（２）により生成されるビデオリクエスト信号
に基づきビデオデータを印字部（３）に送出するビデオ
データ送出手段（４）を備えることを特徴とするもので
ある。

【０００７】また、同用紙停止位置調整装置は、第２
に、図２の発明原理図に示されているように、（ａ）印
字用紙を送る紙送りモータ（５）、（ｂ）この紙送りモ
ータ（５）の紙送り速度に応じてクロック信号を生成す
るクロック生成手段（６）、（ｃ）前記紙送りモータ
（５）を停止させるとともにその紙送りモータ（５）の
停止時期が異なる各疑似ディテント波形を記憶する記憶
手段（７）、（ｄ）この記憶手段（７）に記憶される各
疑似ディテント波形のうちから所要の疑似ディテント波
形を選択する選択手段（８）、（ｅ）この選択手段
（８）により選択される疑似ディテント波形を前記記憶
手段（７）から前記クロック生成手段（６）により生成
されるクロック信号に同期して読出す読出手段（９）お
よび、（ｆ）この読出手段（９）により読出されるディ
テント波形に基づき前記紙送りモータ（５）を停止させ
るモータ停止手段（１０）を備えることを特徴とするも
のである。

【０００８】

【作用】第１の発明においては、設定手段（１）により
印字位置を現在位置から遅らせる所定量値が設定される
と、この所定量値に応じてビデオリクエスト生成手段
（２）からビデオデータ送出手段（４）に出力されるビ
デオリクエスト信号が遅らされる。このビデオデータ送
出手段（４）においては、ビデオリクエスト生成手段
（２）からのビデオリクエスト信号に応じてビデオデー
タが出力されるので、印字部（３）に出力されるビデオ
データは設定手段（１）の設定値に応じて遅れることと
なる。したがって、設定手段（１）を調整するだけで用
紙の停止位置が例えばミシン目の位置に容易に合わせら
れる。

【０００９】第２の発明においては、記憶手段（７）に
記憶されている各疑似ディテント波形のうちから選択手
段（８）により所要の疑似ディテント波形が選択される
と、この選択された疑似ディテント波形がクロック生成
手段（６）により生成されるクロック信号に同期して読
出手段（９）により読出され、こうして読出されたディ
テント波形に基づきモータ停止手段（１０）が作動さ
れ、紙送りモータ（５）が制御される。したがって、所
要の疑似ディテント波形を例えば設定手段の調整により
選択するだけで用紙の停止位置が容易に合わせられる。

【００１０】

【実施例】次に、本発明による用紙停止位置調整装置の
具体的実施例について、図面を参照しつつ説明する。図
３には、本発明の用紙停止位置調整装置が適用されるラ
インプリンタの紙送り機構部の概略構成が示されてい
る。

【００１１】図示のように、この紙送り機構部は、連続
用紙の両側縁部に所定間隔（例えば１／２インチ）毎に
穿設されているフィード孔に係合するピンを有するトラ
クタ２１を備えている。このトラクタ２１は、紙送りモ
ータ２２の回転によって変速機２３およびトラクタシャ
フト２４を介して駆動される。また、前記紙送りモータ
２２のモータシャフト２５には、多数のスリットが穿設
された円板状のエンコーダ２６が取り付けられ、このエ
ンコーダ２６より出力されるディテント波形によって、
前記紙送りモータ２２の停止制御等が行われる。

【００１２】次に、このような紙送り機構部を有するラ
インプリンタに適用される本発明の第１実施例に係る用
紙停止位置調整装置を、図４に示されているシステム構
成図によって説明する。本実施例の印字装置は、光学系
を含む印字部２７と、この印字部２７を制御するメカ制
御部２８と、このメカ制御部２８からの信号に応じて電
子計算機等に記憶されているデータをそのメカ制御部２
８に受け渡すコントローラ２９とを備えている。

【００１３】ところで、メカ制御部２８には、印字位置
の調整を行うために用紙上への印字位置を現在位置から
所定量だけ遅れる方向に設定するディップスイッチ（縦
方向移動スイッチ）３０と、このディップスイッチ３０
により設定されるデータを一時的に記憶するレジスタ３
１とが設けられている。また所定プログラムを実行して
レジスタ３１に記憶されているデータを読み込み、この
読み込まれたデータに基づいてコントローラインターフ
ェイス３５を通じてコントローラ２９にビデオリクエス
ト信号を出力するＣＰＵ（中央処理装置）３２と、この
プログラムを記憶するＲＯＭ（リードオンリーメモリ）
３３と、このプログラムを実行するに必要なワーキング
メモリとしてのスタック等に使用されるＲＡＭ（ランダ
ムアクセスメモリ）３４と、前述のコントローラインタ
ーフェイス３５とが設けられている。

【００１４】本実施例の印字装置を用いて用紙停止位置
の調整を行うには、連続紙のページとページとの間にコ
ピーマークが印字されるのを利用し、このコピーマーク
の印字を行いながらそのコピーマークがミシン目の位置
に来るようにする。この調整作業の手順を図５を用いて
説明する。例えば１２インチ長の用紙を使用してミシン
目３６の位置に重なるようにコピーマーク３７の印字を
行う場合、まずミシン目３６の位置を示す用紙スケール
３８を用い、このミシン目３６の位置より上側、すなわ
ちミシン目３６の位置と距離ｄだけ離れた位置にコピー
マーク３７の印字を行う。次に、ディップスイッチ３０
により所定の移動量（遅延量）を設定し、コントローラ
インターフェイス３５を通じてコントローラ２９に出力
されるビデオリクエスト信号のタイミングを遅らせる。
そうするとそのビデオリクエスト信号に応じてビデオデ
ータは所定量遅れて印字部２７に出力され、図５（ｃ）
に示されているようにミシン目３６の位置とコピーマー
ク３７の位置とが一致するようになる。その後用紙スケ
ール３８をミシン目３６の位置すなわちコピーマーク３
７の位置に移動して設定することで、位置合わせが完了
する。

【００１５】本実施例では、用紙停止位置の調整をディ
ップスイッチ３０により行うものについて説明したが、
この調整はコントローラ２９に接続されているオペレー
タパネルにより行うようにし、コントローラインターフ
ェイス３５を通じてメカ制御部２８側にコマンドを出力
して制御することもできる。また、本実施例では、ディ
ップスイッチ３０とプログラムとによるファームウェア
制御を行うものとしたが、ハードウェア制御とすること
も可能である。

【００１６】次に、本発明の第２実施例に係る用紙停止
位置調整装置を、図６に示されているシステム構成図に
よって説明する。図６は、本実施例のラインプリンタに
おける紙送りモータ２２の制御回路を示すものである。
この図６において、紙送りモータ２２は、コントローラ
３９からモータドライバ４０に駆動信号が出力されたと
きにそのモータドライバ４０により駆動され、またその
コントローラ３９から停止信号が出力されたときに後述
のマルチプレクサ４７からの疑似ディテント波形を含む
ディテント波形によって停止される。紙送りモータ２２
のモーターシャフトに取り付けられているエンコーダ２
６からは、図７（ａ）に示される紙送りモータ２２の回
転制御用のエンコーダクロックと、図７（ｂ）〜（ｅ）
に示される紙送りモータ２２を所定位置で停止させるた
めのディテント波形とが出力される。このエンコーダ２
６より出力されるエンコーダクロックに同期してカウン
タ４１はカウントするとともに、エンコーダ２６より出
力されるエンコーダクロックおよびディテント波形に基
づいてフリップフロップ４２およびアンドゲート４３に
より形成されるリセット信号によって、ディテント波形
の立ち上がりでリセットされる。一方ＲＯＭ４４内に
は、用紙上への印字位置を現在位置から所定量だけ遅れ
る方向に設定可能なディップスイッチ４５により設定さ
れる設定値に応じて所定量ずれた形の各疑似ディテント
波形が記憶されており、このディップスイッチ４５の出
力がそれら各疑似ディテント波形のパターン選択のため
のパターン選択アドレスとなるとともに、前記カウンタ
４１からの出力がこれら各疑似ディテント波形の同期読
出しのための同期読出しアドレスとなる。なお、８入力
オアゲート４６によって、ディップスイッチ４５を使用
しないときにはエンコーダ２６からのディテント波形を
そのまま、またディップスイッチ４５を使用するときに
はＲＯＭ４４からの疑似ディテント波形をマルチプレク
サ４７を用いて選択して、この選択されたディテント波
形または疑似ディテント波形がモータドライバ４０に出
力される。このモータドライバ４０には紙送りモータド
ライブ制御カット回路４８が付設され、この回路によっ
てディップスイッチ４５の切り換え時のチャタリングに
よる紙送りモータ２２の誤動作が防がれている。

【００１７】次に、本実施例の用紙停止位置調整装置に
よる調整作業の手順を図５を用いて説明する。例えば１
１インチ長の用紙を使用してミシン目３６の位置に重な
るようにコピーマーク３７の印字を行う場合、まずミシ
ン目３６の位置が用紙スケール３８の１１インチ用紙設
定位置より上側に来るように設定する。次に、ディップ
スイッチ４５の調整により所定の移動量（遅延量）を設
定すると、マルチプレクサ４７からモータドライバ４０
への出力がＲＯＭ４４からの疑似ディテント波形に切り
換わる。この状態でコントローラ３９からの駆動信号に
より紙送りモータ２２を起動すると、この紙送りモータ
２２は回転を始めてエンコーダクロックを出力し、この
エンコーダクロックによってカウンタ４１がカウント動
作を行う。このカウンタ４１の出力とディップスイッチ
４５の出力がＲＯＭ４４のアドレスとなってそのＲＯＭ
４４に記憶されている所定の疑似ディテント波形が読み
出され、マルチプレクサ４７を通してモータドライバ４
０に出力される。そして、このディテント波形の立ち上
がりでモータドライバ４０はディテント制御を行い、紙
送りモータ２２は停止される。

【００１８】こうして、ビデオデータの送信に対して用
紙位置が所定量遅れる方向に設定され、それによって図
５（ｃ）に示されているようにミシン目３６の位置とコ
ピーマーク３７の位置とが一致する。本第２実施例にお
いても、用紙停止位置の調整は、ディップスイッチ４５
を用いて行う代わりに、コントローラに接続されている
オペレータパネルにより行うようにすることができる。

【００１９】なお、第１実施例におけるディップスイッ
チ３０，レジスタ３１は第１の発明における設定手段
（１）に、ＣＰＵ３２，ＲＯＭ３３，ＲＡＭ３４および
コントローラインターフェイス３５はビデオリクエスト
生成手段（２）に、印字部２７は印字部（３）に、コン
トローラ２９はビデオデータ送出手段（４）にそれぞれ
対応し、また第２実施例における紙送りモータ２２は第
２の発明における紙送りモータ（５）に、エンコーダ２
６はクロック生成手段（６）に、ＲＯＭ４４は記憶手段
（７）に、カウンタ４１，ディップスイッチ４５および
オアゲート４６は選択手段（８）に、マルチプレクサ４
７は読出手段（９）に、モータドライバ４０はモータ停
止手段（１０）にそれぞれ対応する。

【００２０】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ライン
プリンタなどの印字装置の位置調整を、変速機のベルト
掛け替えやトラクタシャフトの調整等を必要とせず、ス
イッチのような設定手段の設定のみで容易かつ安全に行
うことができる。それにより、印字装置の性能向上に寄
与するところの大きい用紙位置調整装置を得ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の発明による用紙停止位置調整装置の原理
構成を示す発明原理図

【図２】第２の発明による用紙停止位置調整装置の原理
構成を示す発明原理図

【図３】本発明の用紙停止位置調整装置が適用されるラ
インプリンタの紙送り機構部の概略構成図

【図４】本発明の第１実施例に係る用紙停止位置調整装
置のシステム構成図

【図５】本発明の用紙停止位置調整装置による調整作業
の手順を説明する図

【図６】本発明の第２実施例に係る用紙停止位置調整装
置のシステム構成図

【図７】本発明の第２実施例に係る用紙停止位置調整装
置のエンコーダの出力波形を示す図

【符号の説明】

１ 設定手段 ２ ビデオリクエスト生成手段 ３，２７ 印字部 ４ ビデオデータ送出手段 ５，２２ 紙送りモータ ６ クロック生成手段 ７ 記憶手段 ８ 選択手段 ９ 読出手段 １０ モータ停止手段 ２６ エンコーダ ２９ コントローラ ３０，４５ ディップスイッチ ３１ レジスタ ３２ ＣＰＵ ３３，４４ ＲＯＭ ３４ ＲＡＭ ３５ コントローラインターフェイス ４０ モータドライバ ４１ カウンタ ４２ フリップフロップ ４３ アンドゲート ４６ オアゲート ４７ マルチプレクサ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 （ａ）用紙上への印字位置を現在位置か
   ら遅らせる所定量値を設定可能な設定手段（１）、
   （ｂ）この設定手段（１）により設定される所定量値に
   応じてビデオリクエスト信号を遅らせて生成するビデオ
   リクエスト生成手段（２）および、（ｃ）このビデオリ
   クエスト生成手段（２）により生成されるビデオリクエ
   スト信号に基づきビデオデータを印字部（３）に送出す
   るビデオデータ送出手段（４）を備えることを特徴とす
   る用紙停止位置調整装置。
2. 【請求項２】 （ａ）印字用紙を送る紙送りモータ
   （５）、（ｂ）この紙送りモータ（５）の紙送り速度に
   応じてクロック信号を生成するクロック生成手段
   （６）、（ｃ）前記紙送りモータ（５）を停止させると
   ともにその紙送りモータ（５）の停止時期が異なる各疑
   似ディテント波形を記憶する記憶手段（７）、（ｄ）こ
   の記憶手段（７）に記憶される各疑似ディテント波形の
   うちから所要の疑似ディテント波形を選択する選択手段
   （８）、（ｅ）この選択手段（８）により選択される疑
   似ディテント波形を前記記憶手段（７）から前記クロッ
   ク生成手段（６）により生成されるクロック信号に同期
   して読出す読出手段（９）および、（ｆ）この読出手段
   （９）により読出されるディテント波形に基づき前記紙
   送りモータ（５）を停止させるモータ停止手段（１０）
   を備えることを特徴とする用紙停止位置調整装置。