JPH06198732A - 農業用ポリエステルフイルム - Google Patents

農業用ポリエステルフイルム

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JPH06198732A
JPH06198732A JP5089048A JP8904893A JPH06198732A JP H06198732 A JPH06198732 A JP H06198732A JP 5089048 A JP5089048 A JP 5089048A JP 8904893 A JP8904893 A JP 8904893A JP H06198732 A JPH06198732 A JP H06198732A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヤング率が10〜250kg/mm、突刺
強度が10kg/mm以上の2軸配向フイルムであり、
かつ、5重量%以下の紫外線吸収剤を含有することを特
徴とする農業用ポリエステルフイルム。 【効果】 耐候性、施工性、耐久性、耐衝撃性等に優れ
たフイルムとすることができ、とくに、農業用ハウス、
テント用に好適なフイルムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農業用ポリエステルフ
イルムに関し、とくに、農業用ハウス等の形状に対しフ
イルムが良好に沿うことができ、枠張り性を良好にする
柔軟性を備え、しかも耐久性、耐候性に優れた農業用柔
軟性ポリエステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフイルムの代表例であるポ
リエチレンテレフタレート(PET)2軸延伸フイルム
は、良好な機械強度、熱的特性、湿度特性、その他の多
くの優れた特性から、工業材料、磁気記録材料、包装材
料など広い分野において使用されている。
【0003】しかしながら、農業用フイルムとしては、
農業用ハウス等の形状に良好に沿うことができる柔軟
性、気象条件等によりフイルムが折り曲げられたりする
場合、その繰り返しの外力に対抗できるだけの耐久性
(以下、耐揉み性とも言う)、また、風によるバタツキ
を吸収できるだけの柔軟性、ヒョウで破れないだけの耐
衝撃性、さらに、紫外線を良好に吸収できる性能、長期
間劣化しないだけの耐候性などが要求され、従来、塩化
ビニルフイルム、ポリエチレンフイルムが多く使用され
ており、PETフイルムはその強靭さの裏返しである硬
さ故に主な構成材として使用されることが少ない。ま
た、通常のPETフイルムは伸びが小さいので、農業用
ハウス等の形状に対しフイルムを良好に沿わせて貼るこ
とが難しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、塩化ビニルフイ
ルム等にも特性上の問題があり、特に可塑剤などの添加
物のブリードアウト、焼却時にハロゲン元素に起因する
ガス成分による環境破壊などは解決を要する問題であ
る。特に後者においては、多素材への転換が必要にな
る。一方、ポリエステルは添加剤などを容易に含有させ
ることができ、添加剤のブリードアウトもしにくい。そ
のため、ポリエステルフイルムに柔軟性と耐衝撃性及び
耐候性を付与することができれば塩化ビニルフイルムの
欠点を補い、農業用フイルムとして適したフイルムを得
ることができる。
【0005】本発明は、前述のような本来PETフイル
ムに無い、耐衝撃性だけでなく柔軟性を有するととも
に、農業用として必要な紫外線吸収性能も兼備した農業
用ポリエステルフイルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
農業用ポリエステルフイルムは、ヤング率が10〜25
0kg/mm、突刺強度が10kg/mm以上の2軸
配向フイルムであり、かつ、5重量%以下の紫外線吸収
剤を含有するものからなる。
【0007】ポリエステルフイルムにおいて、塩化ビニ
ルなどの農業用フイルムのような耐衝撃性、耐揉み性を
得ることを検討した結果、ナイロンと同程度以下の柔軟
性とナイロンと同程度以上の耐突刺性をポリエスルフイ
ルムに与えればよいことを見出した。具体的には、本発
明の柔軟性ポリエステルフイルムにおいて、ヤング率は
10〜250kg/mm、好ましくは50〜200k
g/mmであり、突刺強度は10kg/mm以上、好
ましくは15kg/mm以上、さらに好ましくは20k
g/mm以上である。ここでヤング率が低過ぎる場合
は、腰がないため取り扱い性が悪く好ましくない。通常
のPETフイルムはナイロンフイルムに対して、ヤング
率は2倍、突刺強度は1/2程度であり、本発明の柔軟
性ポリエステルフイルムとは特性上かなり異なる。突刺
強度が低いと、例えばヒョウなどでフイルムに穴が開い
たり、他の接触物に接触し破れるなど耐久性が低下する
ので好ましくない。ここで、突刺強度とは、直径40m
mのリングにフイルムをゆるみのないように張り、先端
角度60度、先端R0.1mmのサファイア製針を使
い、円の中央を50mm/分の速度で突刺し、針が貫通
する時の力をフイルム厚さ1mmに換算して求めたもの
である。なお、先端Rの大きさを0.5mmとした時の
突刺強度が50kg/mm以上であると、他の接触物に
対する耐久性に優れるので好ましい
【0008】本発明の柔軟性ポリエステルフイルムを主
として構成する柔軟性ポリエステルAについて、ポリエ
ステルを構成するジカルボン酸成分としては、芳香族ジ
カルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン
酸、多官能酸などが挙げられる。芳香族ジカルボン酸と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェン酸、およびそれらの誘導
体などがあり、脂環族ジカルボン酸としては、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸およびその誘導体などがあ
り、脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシ
ン酸、ドデカンジオン酸、エイコ酸、ダイマー酸および
それらの誘導体などがあり、多官能酸としてはトリメリ
ット酸、ピロメリット酸およびその誘導体などが代表的
なものである。アルコール成分としては、エチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、ビスフェノールおよびそれらの誘導体な
どが代表的なものである。さらに本発明に用いる柔軟性
ポリエステルAは、ポリエチレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコールのようなポリエーテルを共重合し
たポリエステルエーテルや、ポリアミドを共重合したポ
リエステルアミド、ポリカプロラクトンのような脂肪族
ポリエステルとのブロック共重合体なども含むものであ
る。
【0009】これらのポリエステルの中で、2軸延伸特
性などの製膜性、湿度特性、耐熱性、耐薬品性、低コス
ト性その他の観点からは、ポリエチレンテレフタレート
(PET)を主体とした、好ましくはポリエステルの酸
成分およびアルコール成分おのおのの50モル%以上が
テレフタル酸、エチレングリコールおよびそれらの誘導
体であるポリエステルが本発明の柔軟性ポリエステルフ
イルムに好ましく用いられる。また、ガラス転移温度
(Tg)が50℃以下であると柔軟性、突刺強度が向上
するので好ましい。
【0010】さらに、フイルムに柔軟性を付与するため
には、たとえばPETを主体とするポリエステルに脂肪
族ジカルボン酸、ポリエーテル、脂肪族ポリエステルな
どを共重合することが効果的であるが、炭素数10以
上、好ましくは20以上のアルキレン基を有する長鎖脂
肪族ジカルボン酸を共重合することが、耐候性、品質安
定性の点で好ましい。特に農業用フイルムとしての柔軟
性、枠張り性能を向上させるには、繰り返し単位の数の
15モル%以上がエチレンテレフタレート成分以外の成
分、例えばダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,
4−ブタンジオールなどの炭素数が4以上のメチレン基
を有するジオール成分、ポリエーテル成分などが共重合
された繰り返し単位を有することが好ましく、特に20
モル%以上が他の繰り返し単位であることが望ましい。
長鎖脂肪族ジカルボン酸としてはドデカンジオン酸、エ
イコ酸、ダイマー酸およびそれらの誘導体などがある
が、特に本発明ではこれらの中でも分岐状構造を有して
いる分岐脂肪族ジカルボン酸であることが、耐衝撃性を
向上させる面で好ましく、その中でもダイマー酸を用い
ることが耐熱性、透明性を良好にする上で好ましい。
【0011】ここでダイマー酸とはオレイン酸メチル等
の不飽和脂肪族ジカルボン酸を2量化・水素添加反応に
よって得られる鎖状分岐構造体と環状分岐構造体との混
合物の総称であり、メチレン鎖の炭素数が20〜80、
好ましくは30〜60のものである。また、通常不飽和
結合が残留しているが、ASTM−D−1159で測定
した臭素価を0.05〜10(g/100g)、好まし
くは0.1〜5(g/100g)としたものが耐熱性、
柔軟性に優れるため好ましい。ダイマー酸の共重合量は
酸成分について1〜40モル%、好ましくは5〜20モ
ル%である。
【0012】本発明の柔軟性ポリエステルフイルムを主
として構成する柔軟性ポリエスルAが、例えばPETを
主成分とし柔軟性を付与するための脂肪族ジカルボン酸
等との共重合ポリエステルである場合、融点、ガラス転
移点、結晶性が低下し、2軸延伸フイルム製造プロセス
において、押出キャスト時の冷却ドラムへの粘着、延伸
ロールへの粘着、テンター内のクリップへの粘着が生じ
易くなり生産性が低下することになる場合がある。さら
に共重合が多くなるとポリエステルA単体での2軸延伸
特性が悪くなり、延伸と応力の関係において両者に1対
1の対応がなくなり、いわゆるネッキング延伸となっ
て、厚み斑の悪化を招くことになる。この2軸延伸特性
の悪さは、特にポリブチレンテレフタレート(PBT)
を主成分とする柔軟性ポリエステルにおいては特に顕著
であり、例えばダイマー酸を15モル%共重合した共重
合PBTでは平滑な2軸延伸フイルムを得ることが非常
に困難である
【0013】このような点から、柔軟性ポリエステルA
の少なくとも片面にガラス転移点が45℃以上、好まし
くは55℃以上であるようなポリエステルBを積層する
ことが、ポリエステルAの好ましい延伸温度と照らし合
わせて、ロールやクリップへの粘着を防止する上で好ま
しい。
【0014】ポリエスルBについては、PETに代表さ
れる結晶性のポリエステルが粘着防止の点で好ましい。
また、融点およびガラス転移点がポリエステルAより高
ければ、フイルム全体としての熱的寸法安定性が向上す
るため好ましい。さらに、2軸延伸後にポリエステルA
より破断強度、ヤング率が大きいポリエステルを選択す
れば、フイルムの腰(スティフネス)は柔らかく保った
ままで破断強度等を向上させることが可能となるため好
ましい。したがって、ポリエステルBの積層は、単に製
膜性の向上以上に、柔軟性ポリエステルAの短所であ
る、熱的安定性、引っ張り方向の強度などを補う効果を
持たせることができる。
【0015】ポリエステルBを構成するジカルボン酸成
分、アルコール成分、ポリエーテルやポリアミドや脂肪
族ポリエスルなどの共重合成分はポリエステルAと同様
であるが、ガラス転移点のほかに、さらにポリエステル
Bとしては、2軸延伸性の悪い柔軟性ポリエステルAの
延伸特性を補助するために延伸特性の良好なポリエスル
であることが好ましい。具体的には、PETを主成分と
するポリエステル、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルとテレフタル酸からなるポリマを主成分とするポリエ
ステルなどが好ましく、PET、イソフタル酸との共重
合PET、アジピン酸、セバシン酸などの炭素数4〜8
のアルキレン基を有する脂肪族ジカルボン酸との共重合
PETなどが挙げられ、共重合体の場合、共重合成分量
は1〜40モル%、好ましくは5〜20モル%である。
【0016】ポリエステルBとしてポリエチレンテレフ
タレート、イソフタル酸共重合PET、アジピン酸、セ
バシン酸などの炭素数4〜8のアルキレン基を有する脂
肪族ジカルボン酸との共重合PETなどは突き刺し特
性、耐揉み性を良好にする上で好ましい。また、製膜等
で生じる屑の原料回収性の点からは、PET、炭素数4
〜8のアルキレン基を有する脂肪族ジカルボン酸との共
重合PETが望ましい。また、ポリエステルB層を薄膜
化することでポリエステルAとして長鎖脂肪族ジカルボ
ン酸成分を共重合したポリエステルに対しB層の原料回
収性を可能にすることができる。さらに寸法安定性と突
刺強度を向上させるために熱固定温度は170℃以上が
好ましく、熱固定後急冷することが望ましい。また、ポ
リエステルAまたはBは、2種以上のポリエステルをブ
レンドしたポリマを用いてもよい。
【0017】ポリエステルBは柔軟性ポリエステルAの
少なくとも片面に積層されるが、その厚さ比は、ポリエ
ステルAからなる層の厚さの合計とポリエステルBから
なる層の厚さの合計の比で1:1〜50:1、好ましく
は2:1〜25:1(A層合計:B層合計)である。B
層の割合が小さくなり過ぎると2軸延伸性の改良効果が
低減されるために好ましくなく、B層の割合が大きい場
合にはフイルムの柔軟性、耐衝撃性などが損なわれるた
めに好ましくない。
【0018】ポリエステルBの積層は、好ましくは柔軟
性ポリエステルAの両面に行なわれ、この時はフイルム
製造中の粘着の問題を避けることが更に容易になり、ま
た2層フイルムの場合に起こりがちなカールの問題も避
け易い。なお、柔軟性ポリエステルAの両面に積層する
ポリエステルBが本発明の範囲内において、互いの面
で、組成等が多少異なっていてもよい。また、積層フイ
ルムにおいて層間の接着性を良好にするために、例えば
柔軟性ポリエステルAとして2種のポリマA1、A2、
及びポリエステルBを用いてB/A1/A2/A1/B
のように5層積層しても良いし、2種のポリマA1、A
2を混合してB/(A1+A2)/Bのようにしてもよ
【0019】本発明の農業用ポリエステルフイルムは、
上記のような柔軟性ポリエステルフイルムに5重量%以
下の紫外線吸収剤を含有させたものである。この紫外線
吸収剤含有により、農業用フイルムとして必要な耐候性
をもたせることができ、併せて、上述の如き柔軟性をも
たせることができる。この柔軟性により、施工性を改良
でき、ヒョウで破れないだけの耐久性、風によるバタツ
キを吸収できるだけの柔軟性をもたせることができる。
特に紫外線吸収剤の添加量が5重量%を越えるとフイル
ムの透明性、強度が低下するので好ましくない。
【0020】上記紫外線吸収剤は、本発明の農業用ポリ
エステルフイルムが単層フイルムからなる場合には、該
フイルムに含有されるが、積層フイルムからなる場合に
は、表層側に集中的に添加することが好ましい。このよ
うにすることにより、コストダウンがはかれるととも
に、透明性が改良される(耐候剤添加フイルムは一般に
黄色っぽくなりやすいが、それを抑えることができ
る)。
【0021】この表層側への紫外線吸収剤の集中添加
は、たとえば、次のように行われる。前述のポリエステ
ルBからなる層には紫外線吸収剤を1〜10重量%含有
させ、ポリエステルAからなる層には紫外線吸収剤を含
有しないか、B層より少なく含有させることにより、達
成される。
【0022】さらに、本発明のフイルムの少なくとも片
面に防曇コート層を積層すると、例えば農業用ハウスの
中の水分の蒸発によりフイルム面上に水滴が生成し光線
透過率を低下させることを防ぐことができるので好まし
い。本発明で防曇コート層として使用される物質は特に
限定されないが、例えば、ポリエチレングリコールなど
を共重合したポリエステル、ポリビニルアルコールアク
リル酸またはアクリル酸誘導体、メタクリル酸またはメ
タクリル酸誘導体などのような親水性高分子化合物が挙
げられる。さらに、親水化助剤、流動調整剤、硬化促進
剤などを含有してもよい。防曇コート層は、通常、水ま
たは水と混合可能な有機溶媒、有機溶媒に分散させた処
理剤を塗布する方法によって形成させることができる。
その方法としては、スプレー法、グラビアロールコータ
ー、フレードコーター等の方法が挙げられる。
【0023】本発明においてポリエステルBからなるB
層に不活性粒子を添加することは、滑り性を向上させる
上で有効である。ここで不活性粒子としては、酸化珪
素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウムなどの無機化合物、あるいは架
橋ポリスチレン、架橋ジビニルベンゼン、ベンゾグアナ
ミン、シリコーン等の不溶融性有機化合物が挙げられ
る。特にコロイダルシリカ、粉砕シリカ、架橋ポリスチ
レン、シリコーンなどが透明性の点で好ましい。フイル
ムの滑り性を良好にするために好ましい粒子径として
は、平均粒子径が0.01〜10μm、好ましくは0.
1〜8μmである。添加量としては0.001〜10重
量%、好ましくは0.01〜5重量%である。なお、ポ
リエステルAについてもポリエステルBに添加する前述
した粒子を含有していてもよい。
【0024】本発明の柔軟性ポリエステルフイルムに
は、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、耐
候剤、顔料、染料などの添加剤を本発明の目的を損なわ
ない程度において用いることができる。また、コロナ放
電処理、プラズマ処理、アルカリ処理などの表面処理を
必要に応じて施してもよい。さらに、本発明の柔軟性ポ
リエステルフイルムに易接着処理剤、帯電防止剤、離型
剤、粘着剤、接着剤、難燃剤、マット化剤、顔料、染
料、あるいは耐候剤を有するポリマ層をコーティングし
てもよく、その目的、方法については上記に限定されな
い。
【0025】本発明の柔軟性ポリエステルフイルムの厚
さは特に限定はないが、1〜1000μm、好ましくは
5〜500μmで有効に使用される。
【0026】また、2軸配向ポリエステルフイルムの常
温でのヤング率を20kg/mm以上とすれば、耐揉
み性等を向上させることができる。
【0027】次に本発明の農業用柔軟性ポリエステルフ
イルムの製造方法について述べるがこれに限定されるも
のではない 紫外線吸収剤を1〜10重量%含有させたポリエステル
B、ポリエステルAには紫外線吸収剤を含有しないか、
ポリエステルBより少なく含有させたポリエステルAを
準備し、ポリエステルAとポリエステルBを別々の押出
機によって溶融押出し、フィードブロックあるいはマニ
ホールド複合口金を用いて2種のポリマをシート状に複
合押出し、急冷キャストする。得られたキャストシート
は縦延伸、横延伸、更に熱処理を行なう通常の逐次2軸
延伸製膜プロセスによって製造される。なお、この他に
同時2軸延伸プロセス、チューブラープロセスなどを採
用することもできる。
【0028】上記の逐次2軸延伸プロセス、同時2軸延
伸プロセスなどにおいて、本発明の柔軟性ポリエステル
フイルムの物性値を達成するには、延伸倍率、および熱
処理温度が重要である。実験を重ねた結果、ポリエステ
ルAのTgが50℃より低い場合、特に延伸温度がポリ
エステルAのTg+10℃以上130℃以下、好ましく
はTg+20℃以上120℃以下、より好ましくはTg
+30℃以上110℃以下であると製膜性、柔軟性が良
好となり突刺強度が向上する。熱処理温度は170〜2
35℃であることが柔軟性、寸法安定性に優れ、突刺強
度が向上する。本発明の熱処理温度とは、示差走査型熱
量計を用いて観測される、ポリエステルの熱処理時の熱
履歴として残存している熱結晶化に伴うメタクリスタル
の融解ピークの温度を意味し、必ずしも製膜中の熱処理
ロールあるいはオーブン中の雰囲気温度に一致するもの
ではない。
【0029】本発明の農業用ポリエステルフイルムは、
農業用ハウス(外貼り、カーテン)は勿論のこと、テン
ト等にも好適に使用される。このような用途に適用され
ると、とくに耐候性、施工性、耐衝撃性、耐揉み性等に
優れたものが得られ、通常のPETフイルムでは得られ
ない優れた特性が得られる。
【0030】〔物性、特性の測定、評価方法〕以下に、
本発明の説明、あるいは後述の実施例の説明に用いた各
物性、特性の測定、評価方法について説明する。 (1)融点(Tm)、ガラス転移温度(Tg) 示差走査型熱量計DSC(パーキンエルマー社製)を用
いて測定した。サンプ10mgを窒素気流下で280
℃、5分間溶融保持し、ついで液体窒素で急冷した。得
られたサンプルを10℃/分の速度で昇温する過程でガ
ラス状態からゴム状態への転移に基づく比熱変化を読取
りこの温度をガラス転移温度(Tg)とし、結晶融解に
基づく吸熱ピーク温度を融点(Tm)とした。
【0031】(2)機械特性 引っ張りヤング率、破断強度、破断伸度についてはAS
TM−D−882−81(A法)に準じて測定した。
【0032】(3)突刺強度 直径40mmのリングにフイルムを弛みのないように張
り、先端角度60度、先端R0.1mmのサファイア製
針を使い、円の中央を50mm/分の速度で突刺し、針
が貫通する時の力をフイルム厚さ1mmに換算して突刺
強度とした。さらに、先端Rの大きさを0.5mmとし
た時の突刺強度についても測定し、表中( )内の値と
して示した。
【0033】(4)ヘイズ値JIS−K−6714に準
じて測定し、100μm換算のヘイズ値(H100)を
次式で求めた。 H100(%)=H×100/d ただし、Hはヘイズの実測値(%)、dは該ヘイズ測定
部のフィルム厚み(μm)である。
【0034】(5)耐久性 フイルムを1m四方の枠に張り、上から土砂を落下させ
た後のフイルムの外観を観察してフイルムの耐久性を次
のように判定した。 フイルムに穴や破れなどの欠陥がまったくない。 :A
級 フイルムに少し傷が入るが、使用上問題ない。 :B
級 フイルムに穴や破れなどの欠陥が生じる。 :C
【0035】(6)耐候性 サンシャインウエザーメータによる耐候性テストを行
い、500時間後と初期の破断伸度の保持率を計算し
た。
【0036】
【実施例】以下に実施例によって本発明を説明する。 実施例1 ジカルボン酸成分としてテレフタル酸80モル%と炭素
数36の水添ダイマー酸20モル%、ジオール成分とし
てエチレングリコール100モル%を用いて公知の方法
で極限粘度0.75の共重合ポリエステルA(Tm21
0℃、Tg1℃)を得た。一方、ジカルボン酸成分とし
てテレフタル酸90モル%とセバシン酸10モル%、ジ
オール成分としてエチレングリコール100モル%、平
均粒径2μmの酸化珪素を0.1重量%となるように添
加し公知の方法で極限粘度0.80の共重合ポリエステ
ルB(Tm233℃、Tg55℃)を得た。このうちポ
リエステルBにはベンゾフェノン系紫外線吸収剤(商品
名“マークLA”)を対ポリマー重量で3%添加混合し
た。
【0037】これら2種類の共重合ポリエステルを公知
の真空乾燥機で乾燥後、ポリエステルAは90mmφの
押出機に、ポリエステルBは40mmφの押出機に供給
し、ポリエステルAは260℃、ポリエステルBは27
0℃で溶融押出し、ポリエステルB/ポリエステルA/
ポリエステルB(積層厚み比1:5:1)となるよう3
層に積層後、口金内で巾方向に拡大、1.0mmのスリ
ットからシート状に吐出した。該シートに正電荷を印加
しながら25℃に保ったキャスティングドラム上に密着
冷却固化させ、ついで延伸ロールで60℃で3.4倍の
縦延伸、テンター内で70℃で3.6倍の横延伸、20
0℃で5秒間の熱処理を行ない、2軸延伸された厚さ7
5μmの柔軟性ポリエステルフイルム(熱処理温度18
5℃)を得た。
【0038】得られたフイルムの各特性について表1に
示す。サンシャインウエザーメータによる耐侯性試験を
行ったところ、500時間後の初期値に対する破断伸度
の保持率は75%と優れた耐候性を示し、耐久性も良好
であった。
【0039】実施例2 ポリエステルAのダイマー酸共重合量を10モル%(テ
レフタル酸90モル%)(Tm234℃、Tg33
℃)、ポリエステルBをポリエチレンテレフタレート
(Tm258℃、Tg76℃)とし、ポリエステルBへ
の紫外線吸収剤の添加混合量を4.5重量%に、ポリエ
ステルAへの紫外線吸収剤の添加混合量を1.5重量%
に、積層厚み比を1:20:1(B層:A層:B層)と
し、縦延伸温度が75℃、横延伸温度が90℃、熱処理
温度が200℃となるように製膜する以外は実施例1と
同様にして厚さ75μmの柔軟性ポリエステルフイルム
を得た。
【0040】得られたフイルムは耐侯性試験の結果、5
00時間後の伸度保持率81%、良好な耐候性、耐久性
を示した。
【0041】実施例3 実施例2で用いたポリエステルA(ダイマー酸10モル
%共重合PET)に紫外線吸収剤を1.5%添加混合
し、単層で押出して実施例1と同様の条件で製膜を行な
い、75μmの柔軟性フイルムを得た。さらに、グラビ
アロールコーターで約1.5重量%のポリビニルアルコ
ール水溶液を0.5g/mで塗布し、熱風乾燥し防曇
コート層を設けた。
【0042】得られたフイルムは耐侯性試験の結果、5
00時間後の伸度保持率75%と、良好な耐候性、耐久
性を示した。さらに、実施例1のフイルムと水蒸気を吹
きかけて防曇性を比較するとこのフイルムは曇りが生じ
なかった。
【0043】比較例1 実施例3で用いたポリエステルをポリエチレンテレフタ
レートとし、紫外線吸収剤の添加量は同じにして縦延伸
温度95℃、横延伸温度110℃とした以外は実施例3
と同様に75μmのフイルムを得た。得られたフイルム
は、耐候性試験の結果、500時間後の伸度保持率が7
4%であったが、耐久性が不良となった。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の農業用ポ
リエステルフイルムによるときは、ヤング率が10〜2
50kg/mm、突刺強度10kg/mm以上の柔軟
性に優れた2軸配向ポリエステルフイルムに5重量%以
下の紫外線吸収剤を含有したので、耐候性、施工性、耐
久性、耐衝撃性等に優れたフイルムとすることができ、
とくに、農業用ハウス、テント用に好適なフイルムが得
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 7/04 CFD S // B29K 67:00 B29L 7:00 4F 9:00 4F C08L 67:00 8933−4J

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヤング率が10〜250kg/mm
    突刺強度が10kg/mm以上の2軸配向フイルムであ
    り、かつ、5重量%以下の紫外線吸収剤を含有すること
    を特徴とする農業用ポリエステルフイルム。
  2. 【請求項2】 前記2軸配向フイルムが、ポリエチレン
    テレフタレートを主成分とする柔軟性ポリエステルAか
    らなる請求項1の農業用ポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】 前記柔軟性ポリエステルAが炭素数10
    以上のアルキレン基を有する長鎖脂肪族ジカルボン酸を
    1〜40モル%含有する請求項2の農業用ポリエステル
    フイルム。
  4. 【請求項4】 前記長鎖脂肪族ジカルボン酸成分がダイ
    マー酸成分である請求項3の農業用ポリエステルフイル
    ム。
  5. 【請求項5】 前記2軸配向フイルムが、柔軟性ポリエ
    ステルAの少なくとも片面に、ガラス転移点が45℃以
    上のポリエステルBを積層してなる請求項1ないし4の
    いずれかに記載の農業用ポリエステルフイルム。
  6. 【請求項6】 前記ポリエステルBがポリエチレンテレ
    フタレートを主成分とする請求項5の農業用ポリエステ
    ルフイルム。
  7. 【請求項7】 前記ポリエステルBからなる層には紫外
    線吸収剤を1〜10重量%含有し、ポリエステルAから
    なる層には紫外線吸収剤を含有しないか、B層より少な
    く含有する請求項5又は6の農業用ポリエステルフイル
    ム。
  8. 【請求項8】 フイルムの少なくとも片面に防曇コート
    層を積層してなる請求項1ないし7のいずれかに記載の
    農業用ポリエステルフイルム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07227949A (ja) * 1994-02-21 1995-08-29 Toyobo Co Ltd ポリエステル複合フィルム
JPH1086307A (ja) * 1996-04-18 1998-04-07 Mitsui Petrochem Ind Ltd 脂肪族ポリエステル塗工フィルム
US7514141B2 (en) * 2006-04-08 2009-04-07 Mitsubishi Polyester Film Gmbh Polyester film with low mechanical strength
WO2024058100A1 (ja) * 2022-09-14 2024-03-21 東洋紡株式会社 積層フィルム、織編物、及び施設園芸用フィルム

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