JP3058292B2 - ポリエステル系農業用フィルム - Google Patents

ポリエステル系農業用フィルム

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JP3058292B2 JP3145181A JP14518191A JP3058292B2 JP 3058292 B2 JP3058292 B2 JP 3058292B2 JP 3145181 A JP3145181 A JP 3145181A JP 14518191 A JP14518191 A JP 14518191A JP 3058292 B2 JP3058292 B2 JP 3058292B2
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農園芸用ハウスに用い
て好適な農業用フィルム、さらに詳しくは簡便かつ安価
なため汎用されているパイプハウスやトンネルに自在に
展張しうるポリエステル系農業用フィルムに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】これまで農業用フィルムとしては、主と
して軟質ポリ塩化ビニルフィルムが使用されているが、
このものは使用済の廃棄物を焼却する際、有毒な塩化水
素ガスを発生するため、環境汚染防止に関し、特別の配
慮を払う必要がある。
【0003】そこで、ポリエチレンやエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)のようなポリエチレン系フィル
ム及びそれらの複層フィルム(特公昭60−37792
号公報)、ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィ
ルム(特公昭58−38303号公報)などが提案され
ている。
【0004】しかしながら、これらのフィルムはポリ塩
化ビニルフィルムに比べ、農業用フィルムとしての物性
が著しく劣り、実用上必ずしも満足しうるものとはいえ
ない。例えば、オレフィン系フィルムは耐候性、透明
性、柔軟性が不十分であるし、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムは耐候性、透明性は良好であるが、柔軟性
を欠くため、特殊な専用治具を用いる固定張りで張設す
るほかはなく、用途が制限されるのを免れない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑み、従来の軟質ポリ塩化ビニル系農業用フィル
ムに匹敵する物性を有し、しかも廃棄物として焼却処理
する際に有毒なガスの発生を伴わない農業用フィルムを
提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、優れた物性
を有し、かつ環境汚染の原因とならない農業用フィルム
を開発するために鋭意研究を重ねた結果、特定の物理的
性質をもつポリエステルを用いることにより、その目的
を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明
をなすに至った。
【0007】すなわち、本発明は、DSCで測定される
ガラス転移温度が0〜35℃であって、かつ120〜2
20℃の温度範囲に少なくとも1個以上の融解ピークを
有し、降温時の結晶化ピークの発熱量が2〜25j/g
であるポリエステルからなり、その縦横両方向のF−5
値が3.5kg/mm2以下、かつ引張破断伸びが80
%以上であるポリエステル系農業用フィルムを提供する
ものである。
【0008】本発明の農業用フィルムに用いるポリエス
テルは、DSCで測定されるガラス転移温度が0〜35
℃、好ましくは5〜30℃、より好ましくは10〜25
℃で、融解ピークが120〜220℃の温度範囲に少な
くとも1個以上あり、降温時の結晶化ピークの発熱量が
2〜25j/g、好ましくは5〜20j/gであること
が必要である。これらの要件を満たすことにより、十分
な柔軟性と透明性を保持しながら、フィルムの粘着性を
抑制し、かつ所要の強度及び性能を確保することができ
る。
【0009】上記ガラス転移温度が35℃を超えると柔
軟性が低下するし、また0℃未満ではフィルム化が困難
となる。また、上記融解ピークが220℃を超えるとヒ
ートシールによる接着が困難になるし、また120℃未
満では使用中に日光の直射による加熱で軟化してフィル
ム強度が低下する。融解ピークが存在しないポリエステ
ルは結晶性を全く有しないため、フィルム化した場合粘
着性が大きいばかりでなく、熱固定を実施しても依然熱
収縮率が大きく農業用フィルムには使用できない。さら
に、降温時の結晶化ピークの発熱量が25j/gを超え
ると結晶性が高くなりすぎて失透や柔軟性低下を起こす
し、また2j/g未満では結晶性が乏しいためにフィル
ムの粘着性が大きすぎる上に強度及び寸法安定性が低下
する。このようにフィルムの粘着性を抑制し、かつ所要
の強度及び寸法安定性を保つためにはフィルムに適度の
結晶性が必要であるが、結晶性が高すぎると延伸前のフ
ィルム化の際に結晶化して失透したり、また延伸、熱固
定後にフィルムの配向結晶化が進み柔軟性が失われる。
【0010】また、冷結晶化ピークは40〜100℃に
少なくとも1個存在するのがさらに良好な強度や寸法安
定性が得られるので望ましい。
【0011】このようなポリエステルをフィルム化する
際には、フィルムの縦横両方向のF−5値を3.5kg
/mm2以下、好ましくは3.0kg/mm2以下、かつ
引張破断伸びを80%以上、好ましくは100%以上と
することが重要である。このF−5値が3.5kg/m
2を超えると柔軟性に乏しくなるし、またパイプハウ
スやトンネルなどに展張する際、その形状に沿うよう十
分に引っ張って延伸させることが困難になるためフィル
ムに弛みやしわが生じ、日光による劣化や風雨等による
フィルムの破断や裂開を誘発しやすくなるばかりではな
く、ハウスなどに展張したフィルムの内面の水滴の流れ
が良好でなくなっていわゆるぼた落ちなどの現象を引き
起こすので好ましくない。また、引張破断伸びが80%
未満ではハウスなどに展張する際にその形状に沿うよう
に引っ張って延伸させようとするとフィルムが破れやす
く、使用中に風雨などによって破れやすくなり好ましく
ない。
【0012】本発明フィルムに用いるポリエステルを構
成する酸成分としては、テレフタル酸(T)、イソフタ
ル酸(I)、ビフェニルジカルボン酸、5−第三ブチル
イソフタル酸、2,2,6,6−テトラメチルビフェニ
ルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,
5−ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸
(A)、セバシン酸(S)、アゼライン酸、1,10−
デカン二酸、トリメリット酸、1,2,4,5−ベンゼ
ンテトラカルボン酸などが、またジオール成分として
は、エチレングリコール(E)、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール
(B)、ネオペンチルグリコール(N)、1,6−ヘキ
サンジオール(H)、シクロヘキサンジメタノール、キ
シリレングリコール、ポリエチレングリコール(PE
G)、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロ
ールプロパンなどがそれぞれ用いられる。
【0013】具体的なポリエステルとしては、酸成分と
してT、I及びSを共重合成分として用い、ジオール成
分としてE、N及びBを共重合成分として用いたポリエ
ステル〔P(E・N・B)(T・I・S)と表示す
る〕、P(E・N・B)(T・I・A)、P(E・N・
B・PEG)(T・I)、P(E・H・B)(T・I・
S)などが挙げられる。
【0014】これらのポリエステルは、単独で用いても
よいが、好ましくは混合物で用いられる。この混合物と
しては、2種以上のポリエステルのブレンドにより、上
記の具体的なポリエステルとして例示した多元共重合ポ
リエステルの構成成分を有せしめたものも包含される。
混合物が有利なのは、結晶性のコントロールがしやす
く、ガラス転移温度をある程度結晶性と切り離して上下
させることができるからである。
【0015】2種のポリエステルを混合して用いる場
合、比較的高いガラス転移温度をもち、かつ非晶質であ
るポリエステル(I)と、比較的低いガラス転移温度を
もち、かつ結晶性の高いポリエステル(II)を重量%で
20/80〜80/20、好ましくは30/70〜70
/30の割合で混合される。この割合を逸脱すると、結
晶性が高すぎたり、あるいは低すぎたりして好ましくな
い。
【0016】このポリエステル(I)は、好ましくガラ
ス転移温度が40℃以上、より好ましくは45℃以上、
65℃以下で、かつ融解ピーク、降温時の結晶化ピーク
が認められない非晶質ポリエステルであって、具体的に
は、P(E・N)(T・A)、P(E・N)(T・
S)、P(E)(T・I・A)、P(E)(T・I・
S)、P(E・N)(T・I・A)、P(E・N)(T
・I・S)、P(E・H)(T・I・A)、P(E・
H)(T・I・S)、P(E・N・H)(T・I・
A)、P(E・N・H)(T・I・S)などが挙げられ
る。
【0017】また、ポリエステル(II)は、好ましくガ
ラス転移温度が25℃以下、より好ましくは15℃以下
で、かつ融解ピークが120℃〜220℃の温度範囲に
あり、降温時の結晶化ピークが25j/g以上、好まし
くは30j/g以上の結晶性ポリエステルであって、具
体的には、P(B)(T・A)、P(B)(T・S)、
P(B・PEG)(T・A)、P(B・PEG)(T・
S)、P(B・H)(T・A)、P(B・H)(T・
S)などが挙げられる。
【0018】本発明に用いるポリエステルを製造するに
は、通常のポリエステルの製造法に従い、前記の酸成分
とジオール成分とを重縮合反応させればよい。この際、
必要ならば、酸成分としてジカルボン酸の反応性官能性
誘導体、例えば酸ハロゲン化物や酸エステルを用いるこ
ともできるし、反応溶媒、縮合剤、触媒などの存在下で
反応させることもできる。本発明のポリエステルの重合
度は特に制限されないが、固有粘度が0.50〜1.2
0、好ましくは0.60〜1.10であるのが望まし
い。
【0019】本発明においては、ポリエステルに耐候性
を付与するために、重合工程又はフィルム成形時に紫外
線吸収剤、又はヒンダードアミンやNiクエンチャーな
どの光安定剤類を少なくとも1種含有させるのが望まし
い。また、必要に応じて、ヒンダードフェノール、含硫
化合物、含リン化合物などの抗酸化剤、防カビ剤、防藻
剤、防霧剤、界面活性剤、顔料などを加えることがで
き、またフィルムの滑り性を改善するために、無機物の
微粒子や架橋した微粒子状の有機物などを加えることも
できる。
【0020】本発明の農業用フィルムを製造するには、
例えば前記ポリエステル又はそれらの混合物を乾燥後、
150〜300℃の温度で溶融押出し、表面温度が5〜
50℃のキャスティングドラム上に、厚さ50〜200
0μmのフィルムを形成させたのち、40〜100℃で
縦横それぞれ1.5〜5倍、好ましくは2〜4倍に二軸
延伸し、次いでDSCで降温時に測定される結晶化温度
以上の温度で熱固定するなどの方法が用いられる。
【0021】本発明の農業用フィルムは、その熱収縮率
が80℃において縦横両方向共に10%以下、特に5%
以下であるのが好ましい。この熱収縮率が10%を超え
ると保管中や展張後に収縮を起こし、寸法に狂いを生じ
やすいので好ましくない。また、該フィルムの透明性
は、550nmの全光線透過率で80%以上、特に85
%以上であるのが好ましい。この透過率が80%未満で
は、透明性が不足するために作物に必要な日光の照射量
を確保しにくい。
【0022】本発明の農業用フィルムの厚さは特に限定
されないが、通常は20〜200μm、好ましくは30
〜150μmの範囲で選ばれる。また、本発明の農業用
フィルムは、その内面に防曇性コーティングを施して水
滴の流れを良好にしたり、外面にガラス転移温度のより
高いポリエステルやアクリル樹脂、含フッ素系樹脂、シ
リコン系樹脂などのコーティングを行うことにより防塵
性を高めることができる。その他、必要に応じてコロナ
放電、プラズマ照射処理などの表面処理や、上記以外の
各種コーティング処理を行い、滑り性、アンチブロッキ
ング性、易シール性、静電防止性などを改良することも
できる。
【0023】
【発明の効果】本発明のポリエステル系農業用フィルム
は、従来のポリ塩化ビニル系農業用フィルムに匹敵する
物性、すなわち耐候性、透明性及び柔軟性を有し、しか
も廃棄物として焼却処理する際に塩化水素ガスのような
有毒なガスを発生することがないという利点を有し、パ
イプハウスのような農園芸用ハウスやトンネルに展張す
る農業用フィルムとして好適である。
【0024】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明する。本発明における特性値の測定方法は以下のとお
りである。
【0025】(1)DSC測定;パーキンエルマー社製
DSC測定装置を用い、窒素気流下に−50℃から20
℃/分の速度で270℃まで昇温してそのまま5分間保
持後、200℃/分の速度で−50℃まで急冷し、5分
後に再び20℃/分の速度で280℃まで昇温してその
際のガラス転移温度(中点)、冷結晶化ピークの温度と
発熱量、融解ピークの温度と吸熱量を算出し、さらにそ
のまま280℃に5分間保持後、−20℃/分の速度で
0℃まで降温してその際の結晶化ピークの温度と発熱量
を算出した。
【0026】(2)引張試験;JIS−C2813に従
い、縦横それぞれ長さ200mm、幅15mmにカット
したサンプルの中央に50mm間隔で標線を付け、ロー
ドセル式引張試験機を用いて、その間隔を100mmに
調整したチャックにセットし、200mm/分の速度で
引っ張ってF−5値(5%伸長時の応力)、破断強度及
び伸びを測定した。
【0027】(3)熱収縮率;100mm角に裁断した
サンプルを、80℃に調整した水浴中に30秒間浸漬し
たのち、縦及び横の寸法を測定し、次式に従って求め
た。 熱収縮率=〔(浸漬前の寸法)−(浸漬後の寸法)/浸
漬前の寸法〕×100
【0028】(4)全光線透過率;積分球付き330型
自記分光光度計(日立製作所製)を用い、550nmの
全光線透過率を測定する。
【0029】(5)耐候性試験;フィルムをサンシャイ
ン・ウェザオメーターに入れ、400時間照射したの
ち、その縦方向の引張破断伸びを測定し、次式に従って
伸び残率を求めた。 伸び残率(%)=(400時間照射後の引張破断伸び/
照射前の引張破断伸び)×100
【0030】実施例1 ステンレス鋼製オートクレーブに、所定量のテレフタル
酸、イソフタル酸、アジピン酸、エチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオールから
なる混合物を入れ、常法に従って、固有粘度が0.80
に達するまで重縮合反応を行わせることにより、酸成分
がテレフタル酸単位75モル%、イソフタル酸単位15
モル%、アジピン酸単位10モル%からなり、ジオール
成分がエチレングリコール単位20モル%、ネオペンチ
ルグリコール単位30モル%、ブタンジオール単位50
モル%からなるポリエステル重合体(A)を得た。この
ポリエステルのDSC測定結果を表1に示す。
【0031】このポリエステルをペレット化し、乾燥
後、230℃でTダイを用いて表面温度10℃のキャス
ティングドラム上に溶融押出し、厚さ450μmのフィ
ルムを形成させた。次いで、このフィルムを45℃でロ
ール式縦延伸機を用いて縦方向に3倍延伸したのち、同
温度でテンター式横延伸機を用いて横方向に3倍延伸
し、次いで150℃で熱固定して厚さ50μmのフィル
ムを得た。このフィルムの物性を表2に示す。このフィ
ルムをヒートシールしてつぎ合わせ、小型パイプハウス
に展張したところ、軟質ポリ塩化ビニルフィルムと同様
に、しわなく簡単に展張することができた。このフィル
ムの耐候性試験結果を表3に示す。
【0032】実施例2 実施例1と同様にしてそれぞれ原料混合物を変えて重合
を行い、固有粘度が0.70であり、酸成分がテレフタ
ル酸単位55モル%、イソフタル酸単位37モル%、ア
ジピン酸単位8モル%からなり、ジオール成分がエチレ
ングリコール単位40モル%、ネオペンチルグリコール
単位60モル%からなるポリエステル重合体(B)、及
び固有粘度が0.95であり、酸成分がテレフタル酸単
位90モル%、アジピン酸単位10モル%からなり、ジ
オール成分が1,4−ブタンジオール単位100モル%
からなるポリエステル重合体(C)を得た。
【0033】このポリエステル重合体(B)60重量
%、ポリエステル重合体(C)40重量%及び高分子量
型ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(商品名、旭電化
社製アデカスタブLA−31)0.2重量%を混合し、
乾燥後、230℃で溶融押出し、ポリエステル樹脂混合
体ペレット(D)を作成した。これらのポリエステル
(B)、(C)、(D)のDSC測定結果を表1に示
す。 このペレットを乾燥後、実施例1と同様にフィル
ム化し、同条件で延伸、熱固定して厚さ50μmのフィ
ルムを得た。このフィルムの物性を表2に示す。このフ
ィルムについてもヒートシールしてつぎ合わせ、小型パ
イプハウスに展張したところ、軟質ポリ塩化ビニルフィ
ルムと同様に、しわなく簡単に展張することができた。
このフィルムの耐候性試験結果を表3に示す。
【0034】比較例1 ポリエステル重合体(B)を実施例1と同様にフィルム
化し、延伸温度を60℃と変更したこと以外は実施例1
と同様にして延伸、熱固定して厚さ50μmのフィルム
を得た。このフィルムの物性を表2に示す。
【0035】比較例2 ポリエステル重合体(C)を実施例1と同様にフィルム
化し、実施例1と同様にして延伸、熱固定して厚さ50
μmのフィルムを得た。このフィルムの物性を表2に示
す。
【0036】比較例3 市販の農業用ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚
さ150μm)のDSC測定結果を表1に、フィルムの
物性を表2に、耐候性試験結果を表3に示す。
【0037】比較例4,5 農業用軟質ポリ塩化ビニルフィルム(厚さ50μm)、
農業用オレフィン系複層フィルム(厚さ50μm)の耐
候性試験結果を表3に示す。
【表1】
【表2】
【表3】 表1、2から明らかなように、本発明のポリエステル系
農業用フィルムは、透明性、柔軟性に優れている。それ
に対し、比較例1のフィルムは柔軟性、寸法安定性に劣
り、比較例2のフィルムは透明性に劣る。また、比較例
3のフィルムは柔軟性を全く有しない。また、表3から
明らかなように、本発明のポリエステル系農業用フィル
ムは、農業用軟質ポリ塩化ビニルフィルムよりも良好な
耐候性を有している。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DSCで測定されるガラス転移温度が0
    〜35℃であって、かつ120〜220℃の温度範囲に
    少なくとも1個以上の融解ピークを有し、降温時の結晶
    化ピークの発熱量が2〜25j/gであるポリエステル
    からなり、その縦横両方向のF−5値が3.5kg/m
    2以下、かつ引張破断伸びが80%以上であるポリエ
    ステル系農業用フィルム。
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