JPH06198400A - 連続鋳造中の鋼種変更鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造中の鋼種変更鋳造方法

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JPH06198400A
JPH06198400A JP34962892A JP34962892A JPH06198400A JP H06198400 A JPH06198400 A JP H06198400A JP 34962892 A JP34962892 A JP 34962892A JP 34962892 A JP34962892 A JP 34962892A JP H06198400 A JPH06198400 A JP H06198400A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異鋼種を継ぐ連続鋳造において、前次取鍋の
終了より鋳造速度を減速しながらタンデッシュ内溶鋼を
最少量とし、中間成分の鋳片の発生を減少する鋼種変更
鋳造方法を提供する。 【構成】 前次取鍋からタンデッシュへの注入完了後、
所定の残量となるまで定常の速度で鋳造し、その後鋳造
速度を0.10〜0.60m/min で減速して0.13〜
0.17m/min にして、溶滓が流出しない最少量になる
と今次取鍋を注入開始して、その後タンデッシュ内へ最
大量となる様に注入して、かつ急速に増速して行き今次
取鍋での定常速度に到達させること、およびモールド下
二次冷却帯を前次取鍋について強冷のみとし、、今次は
強冷または徐冷とする組合せによって成分の混合した中
間成分鋳片を最少とする連続鋳造中の鋼種変更鋳造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続鋳造中の異鋼種連々
鋳等における、前鍋と後鍋の成分の混合を最小限とする
鋼種変更鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の連続鋳造中の鋼種変更連続鋳造方
法は、前次取鍋連続鋳造の溶鋼が取鍋からタンデッシュ
に注入完了しタンデッシュからモールドに注入完了した
後、今次の連続鋳造溶鋼を収容した取鍋に交換しタンデ
ッシュ内溶鋼に注入開始する際に、鋳造を一旦停止す
る。そして、モールド内の前次取鍋連続鋳造溶鋼の最終
湯面に仕切り鉄板を浸漬凝固させ、その上に今次連続鋳
造溶鋼をタンデッシュから注入しながら鋳造速度を連続
的にまたは階段状に増速して今次の定常鋳造速度にする
と共にタンデッシュ内湯面レベルを定常設定レベルに復
帰させていた。
【0003】この従来方法においては、鋳造を停止する
ために前次取鍋と今次取鍋の成分の混合域が拡大される
傾向にあって、その中間成分の鋳片の処置に問題があっ
た。さらに仕切り鉄板を使用するにはその作業性に多大
の労力を要し、また連続鋳造を停止することにより生産
性に多大の影響を与えていた。またタンデッシュ内溶鋼
の残量をほぼ空の状態とするために、残溶鋼と溶滓とが
混合してその残溶滓の処置にも問題があり、このため従
来より鋼種変更連続鋳造方法には問題が多く、この解決
のための技術は未だなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来の問
題点を解決するものであり、前次取鍋注入完了後にタン
デッシュ内溶鋼をほぼ空にする程度に減少する必要がな
い。さらに残溶鋼および残溶滓の処置を簡略化し、かつ
鋳造を停止することに起因する段継ぎ鋳片の発生もな
い。また過冷却による継ぎ目の品質の劣化を防止して、
さらに継ぎ目に使用していた鉄板の浸漬作業を省略して
作業環境を改善可能なる連続鋳造中の鋼種変更連続鋳造
方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するためになされたもので、その要旨は、連続鋳造中の
前次取鍋からタンデッシュへの注入完了後、今次鋼種変
更して連続鋳造を継続するに際し、タンデッシュ内溶鋼
残量が所定量に減少するまでモールド湯面レベルを維持
して、鋳造速度を0.10〜0.60m/min の割合で
0.13〜0.17m/min まで減速すると共に、タンデ
ッシュ内湯面レベルを溶滓が流出しない最少量に調整し
て、次いでモールド湯面レベルと鋳造速度を保持しつ
つ、今次取鍋からタンデッシュへ定常湯面レベルまで最
大注入速度で注入し、タンデッシュ内の前次鋼種の溶鋼
残量を今次溶鋼で希釈して今次取鍋主成分の許容範囲と
なる量に達する時点で、鋳造速度を0.10〜0.20
m/min の割合で今次定常鋳造速度まで増速して定常のタ
ンデッシュ内湯面レベルに復帰せしめると共に、モール
ド下側の二次冷却帯が前次を強冷のみとし、かつ今次を
強冷または徐冷とする組合せでなされることを特徴とす
る連続鋳造中の鋼種変更鋳造方法である。
【0006】すなわち、本発明は前次取鍋の残溶鋼を最
少量にするまで、鋳造速度を減速して今次取鍋の初期注
入時に最大注入速度で注入して、継ぎ目の量を最少とな
るように調整するものである。このため、本発明では継
ぎ目の中間成分である鋳片の発生を極力防止して、かつ
連続鋳造法を停止しないで継続して鋳造することによっ
て生産性を改善して、かつ継ぎ目材を浸漬挿着する作業
を省略する。以下に本発明の構成要件についてその限定
理由を説明する。鋳造速度を減速するのは、鋳造速度が
ある速度より遅い場合は凝固シェルが溶鋼メニスカス側
にモールドから離れて倒れる現象いわゆるシェル倒れ現
象が発生したり、鋳片ソリが凝固収縮量が大きくなって
モールドとシェル間に発生する。これらが発生すると冷
却はより不均一冷却となり、ついにはブレークアウトに
至り操業に支障となる。この原因は冷却水の減量調整に
遅れが存在して鋳片に過冷却が起こるためである。
【0007】この対策として、鋳造速度を所定の減速度
で減速することによって、未凝固位置をトップ側すなわ
ち内部方向に移動させることでシェル倒れの発生を抑え
ることが可能である。しかしある減速度以上でないとこ
の効果が得られない、また未凝固部の長さを短くするこ
とによって成分の混合域を最小限とすることが有利とな
る。本発明はこれらを勘案して0.10〜0.60m/mi
n を鋳造速度の減速度に限定した。最低鋳造速度につい
ては、0.13m/min 以下では凝固シェル表面に横シワ
を発生せしめることと、注入ノズルの開閉具がスライデ
ィングゲートの場合は滴下流となりこれがノズル内に固
着し溶鋼注入流をストップさせてしまう、これはタンデ
ッシュに設けた注入ノズルの限界の流量である。また
0.17m/min 以上ではノズルからモールドへの注入流
を上昇に向かう反転流の他に、下降流を発生させてしま
いモールド内での成分の混合域を最小限とすることが難
しくなるため、本発明では0.13〜0.17m/min の
範囲に限定した。次にタンデッシュ内湯面レベルを溶滓
を、流出させない最少量とした理由について説明する。
【0008】タンデッシュ底部形状によってヘッド高さ
および最少量に差異を生ずるが、鋳片の品質から溶滓を
巻き込むことは問題があり、このヘッド高さより高く残
溶鋼を残留させることは、成分の混合域を増大して中間
成分の鋳片量を増加するので好ましくない。このため残
溶鋼量は最小限として限定した。次に、取鍋からタンデ
ッシュに定常湯面レベルまでを最大注入速度で注入する
理由は、タンデッシュ内での攪拌力を増大して成分の希
釈を図るためである。すなわち、今次の溶鋼は前次取鍋
の終了後ただちに注入しても良く、その際タンデッシュ
へは最大速度で注入することによって出来るだけ速く希
釈し、かつタンデッシュ内に残っているものに対して攪
拌力を付与することが必要である。また、これは早期希
釈と今次取鍋の定常状態への復帰を早期にするためであ
る。しかし、前次取鍋と今次取鍋の成分がある程度接近
している同志を組み合わせる方が、成分差が大きいもの
より有利であることはもちろんである。
【0009】また、今次鋳造速度の加速度0.10〜
0.20m/min とする理由は、ある加速度以上で増速す
る必要があり、0.10m/min 未満ではスライディング
ノズル詰まりが発生し、0.20m/min 以上では取鍋主
成分の混合を助長して中間成分の鋳片が増加することを
避けるためである。さらに、図面にもとずいて本発明に
ついて詳述する。図1は本発明の代表的パターンである
前次取鍋と今次取鍋での鋳造速度とタンデッシュ内溶鋼
量の説明図である。図1よりタンデッシュ内残溶鋼を1
2tとして、この時点より鋳造速度は低下してくる。こ
の図では減速度は階段状におこなっているが連続的であ
ってもよい。図1では徐々に速度を下げ0.15m/min
になった時点で今次取鍋の注入を開始する。この時のタ
ンデッシュ内溶鋼量は約6tである。今次取鍋の注入開
始から速やかに溶鋼量20tに達している。この点から
増速を開始して階段状に鋳造速度を上げて最終的には今
次取鍋の定常速度まで達して後、定常状態の鋳造を継続
することになる。
【0010】さらに本発明者らは、モールドの冷却特に
モールド下の2次冷却帯の冷却能と鋳造条件との関係か
ら、成分の混合する中間成分鋳片の発生を規制できると
の知見を得た。このため本発明においては、前次取鍋お
よび今次取鍋ともに強冷却とするか、もしくは前次取鍋
を緩冷却としかつ今次取鍋を強冷却とするとすることに
よって、さらに混合域を減少することを可能とした。以
下に本発明について一実施例にもとずき作用効果を詳述
する。
【0011】
【実施例】本発明の一実施例を表1および表2に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】 以上の実施例からあきらかの如く、本発明によって成分
の中間材の発生を抑え、かつ生産性において従来より改
善できることはあきらかである。
【0014】
【発明の効果】本発明は鋼種変更時に鋳造速度を徐々に
減少するとともに、タンデッシュ内溶鋼を最少量とする
ことおよび、その後に鋳造速度を定常状態に出来るだけ
速く達することによって、継ぎ目鋳片品質の成分の安定
性を向上しかつ、鋼種変更の連々鋳作業の効率を高める
とともに作業環境の改善がはかることを可能とした工業
的意味は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋳造速度とタンデッシュ内溶鋼残
量との関係を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 耕造 大阪府堺市築港八幡町1番地 新日本製鐵 株式会社堺製鐵所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造中の前次取鍋からタンデッシュ
    への注入完了後、今次鋼種変更して連続鋳造を継続する
    に際し、タンデッシュ内溶鋼残量が所定量に減少するま
    でモールド湯面レベルを維持して、鋳造速度を0.10
    〜0.60m/min の割合で0.13〜0.17m/min ま
    で減速すると共に、タンデッシュ内湯面レベルを溶滓が
    流出しない最少量に調整して、次いでモールド湯面レベ
    ルと鋳造速度を保持しつつ、今次取鍋からタンデッシュ
    へ定常湯面レベルまで最大注入速度で注入し、タンデッ
    シュ内の前次鋼種の溶鋼残量を今次溶鋼で希釈して今次
    取鍋主成分の許容範囲となる量に達する時点で、鋳造速
    度を0.10〜0.20m/min の割合で今次定常鋳造速
    度まで増速して定常のタンデッシュ内湯面レベルに復帰
    せしめると共に、モールド下側の二次冷却帯が前次を強
    冷のみとし、かつ今次を強冷または徐冷とする組合せで
    なされることを特徴とする連続鋳造中の鋼種変更鋳造方
    法。
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