JP4459088B2 - 異鋼種連々続鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、異鋼種連々続鋳造方法に関する。
従来より、連続鋳造装置において鋼種の異なる2つのチャージ(溶鋼)、すなわち、前チャージと後チャージとを連続的に鋳造する異鋼種の連々続鋳造が行われている(特許文献1)。
具体的には、タンディッシュ内の前チャージを鋳型に供給して前チャージの鋳造を行った後、鋳型への前チャージの供給を一旦停止して、鋳型にシーケンスブロック(継ぎ手金物)を投入すると共に、鋼種の異なる後チャージをタンディッシュに供給し、タンディッシュ内の後チャージを鋳型に供給することで、前チャージに引き続き後チャージの鋳造を連続的に行っている。
前チャージや後チャージは、鋳型内で冷却されて周囲が固まりシェル化し、下流にいくにしたがって次第にその凝固シェルが成長して最終的に鋳片となる。
特開平02−70360号公報
従来の異鋼種の連々続鋳造方法では、鋳型への前チャージの供給を停止した時、鋳型内において凝固シェルが十分に成長していないために、その凝固シェルが鋳型の側壁から剥がれ、鋳型の内側に倒れ込むことがある。
凝固シェルの倒れ込み量が大きい状態で後チャージを鋳型に供給した場合、凝固シェルと鋳型の側壁との間に、後チャージが入り込んで鋳型から後チャージが漏れ出すという湯漏れ(漏鋼)を引き起こしてしまう可能性が大である。
さらに、凝固シェルの倒れ込み量が大きいと、凝固シェルの倒れ込みにより前チャージの浴面の面積が小さくなり、シーケンスブロックをその浴面に投入しようとしても、そのシーケンスブロックが投入できない可能性があった。
そこで、本発明では、凝固シェルの倒れ込みを可能な限り抑制して、連々続鋳造をスムーズに行うことができる異鋼種連々続鋳造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、タンディッシュ内の前チャージを鋳型に供給して前チャージの鋳造を行った後に、鋳型への前チャージの供給を停止し、鋼種の異なる後チャージを前記タンディッシュに供給し、タンディッシュ内の後チャージを鋳型に供給することで後チャージの鋳造を連続的に行う異鋼種連々続鋳造方法において、前記鋳型内での前チャージが装入された凝固シェルの倒れ込みを抑制するために、前記鋳型への前チャージの供給を停止する前から前チャージを貯留したタンディッシュ重量に基づいて前チャージの鋳造速度を減速しつつ鋳造を行う点にある。
これにより、鋳型への前チャージの供給を停止したとき、凝固シェルの倒れ込みを少なくすることができ、連々続鋳造をスムーズに行うことができる。
まず、発明者らは、前チャージの供給を停止したとき、凝固シェルが鋳型内で十分に成長してその厚みが大きければ、前チャージの供給を停止しても凝固シェルの倒れ込みが少なくなると考え、前チャージの供給停止時に凝固シェルの厚みを増加させるためには、鋳型への前チャージの供給を停止する前(最終の前チャージを鋳造する際)に、鋳造速度を定常状態から減速させれば良いと考えた。
即ち、発明者らは、最終の前チャージを鋳造する際に、前チャージの鋳造速度を減速しながら鋳造を行えば、鋳型内において前チャージの抜熱を十分に行うことができることから、この前チャージの抜熱により凝固シェルの成長を促進し、最終的には、鋳型内での凝固シェル厚を増加させて凝固シェルの倒れ込みの抑制できると考えた。
さて、鋳造速度は様々な鋳造条件で決定されるが、最終の前チャージを鋳造するときは、タンディッシュ内の前チャージ量は徐々に少なくなりタンディッシュ重量は徐々に減少するので、発明者らは、タンディッシュ重量に基づいて前チャージの鋳造速度を減速すれば、凝固シェルの倒れ込みの抑制ができることを見いだした。
前チャージの鋳造速度Vは、次式を満たす範囲内であることが好ましい。
前チャージの炭素含有量が0.2%以上のとき,
0.017×TD+0.1≦V≦0.017×TD+0.45 ・・・(1)
前チャージの炭素含有量が0.2%未満のとき,
0.017×TD+0.1≦V≦0.017×TD+0.27 ・・・(2)
ただし、TD:前チャージを貯留したタンディッシュ重量(ton),0≦TD≦30 V:鋳造速度(m/min)
発明者らは、最終の前チャージを鋳造する工程において、前チャージを貯留したタンディッシュ重量をパラメータとし、そのタンディッシュ重量に応じて前チャージにおける鋳造速度を徐々に低減した実験を数々行った。その結果、凝固シェルの倒れ込みを所定値以下、即ち、凝固シェルの倒れ込みによる湯漏れをなくするためには、前チャージの炭素含有量が0.2%以上のときは、その鋳造速度(V)を0.017×TD+0.45m/min以下にすることで達成でき、前チャージの炭素含有量が0.2%未満のときは、その鋳造速度(V)を0.017×TD+0.27m/min以下にすることで達成できることを見いだした。
このように、タンディッシュ重量に応じて鋳造速度を徐々に低減することで、凝固シェルの倒れ込みによる湯漏れの発生は無くなったが、鋳造速度を遅くし過ぎると、前チャージを鋳型に供給するための浸漬ノズルに前チャージが留まる時間が長くなって、浸漬ノズルから前チャージが抜けてしまわない間に、浸漬ノズル内で前チャージが凝固し、浸漬ノズルが詰まってしまうことが分かった。
そこで、発明者らは様々な実験を繰り返し、浸漬ノズルの詰まりが発生しないようにす
るには、前チャージの鋳造速度の下限値を、前チャージの炭素含有量が0.2%以上のときは、0.017×TD+0.1m/minにすることで達成でき、前チャージの炭素含有量が0.2%未満のときは、0.017×TD+0.1m/minにすることで達成できることを見いだした。
なお、本発明における課題解決のための最も好ましい技術的手段として、タンディッシュ内の前チャージを鋳型に供給して前チャージの鋳造を行った後に、鋳型への前チャージの供給を停止し、鋼種の異なる後チャージを前記タンディッシュに供給し、タンディッシュ内の後チャージを鋳型に供給することで後チャージの鋳造を連続的に行う異鋼種連々続鋳造方法において、前記鋳型内での前チャージの凝固シェルの倒れ込みを抑制するために、前記鋳型への前チャージの供給を停止する前から前チャージを貯留したタンディッシュ重量に基づいて前チャージの鋳造速度を減速しつつ鋳造を行い、前記前チャージの鋳造速度Vを、前チャージの炭素含有量が0.2%以上のとき、式(1)を満たしつつ減速し、前チャージの炭素含有量が0.2%未満のとき、式(2)を満たしつつ減速することを採用できる。
0.017×TD+0.1≦V≦0.017×TD+0.45 ・・・(1)
0.017×TD+0.1≦V≦0.017×TD+0.27 ・・・(2)
ただし、
TD:前チャージを貯留したタンディッシュ重量(ton),0≦TD≦30
V:鋳造速度(m/min)
本発明によれば、前チャージの鋳造速度の適正化を図ることにより、倒れ込みを抑制して連々続鋳造をスムーズに行うことができる。
まず、本発明の異鋼種連々続鋳造方法で使用する連続鋳造装置の一例について説明する。ただし、本発明はこの設備を使用するものに限定されるものではない。
図1に示すように、連続鋳造装置1は、転炉(図示省略)で精錬された溶鋼(チャージ)2を貯留する取鍋3と、該取鍋3を載置する受台4と、取鍋3から注入されるチャージ2を貯留するタンディッシュ5と、該タンディッシュ5から供給されるチャージ2を成型する鋳型6と、該鋳型6により成型された鋳片7を引き出し且つサポートする複数のサポートロール8とを有している。
タンディッシュ5は全体として有底箱形となっており、このタンディッシュ5には、浸漬ノズル10が設けられている。図2に示すように、浸漬ノズル10はスライドバルブ11を介して開閉自在となっており、タンディッシュ5による鋳型6へのチャージ2の注入が前記スライドバルブ11によって停止又は再開できるようになっている。
連続鋳造装置1では、図2に示すように、先のチャージ(以降、前チャージ2a)を鋳造した後に、この前チャージ2aの後に鋼種の異なるチャージ(以降、後チャージ2b)鋳造することが可能である。
異鋼種連々続鋳造方法では、図2(a)に示すように、タンディッシュ5内の前チャージ2aを鋳型6に供給して前チャージ2aでの鋳片7をサポートロール8で引き抜くことで前チャージ2aの鋳造を行う。図2(b)に示すように、タンディッシュ5内の前チャージ2aが少なくなった時点でスライドバルブ11を閉塞して前チャージ2aの供給を停止し、鋳型6の前チャージ2a内にシーケンスブロック12を投入すると共に、タンディッシュ5に取鍋3から後チャージ2bを供給する。図2(c)に示すように、スライドバルブ11を開いて後チャージ2bを鋳型6に供給して後チャージ2bの鋳造を行う。
本発明の異鋼種連々続鋳造方法では、図2(a)に示すような鋳型6への前チャージ2aの供給を停止する前、即ち、最後の前チャージ2aを鋳造する工程では、その前チャージ2aを貯留したタンディッシュ5の重量に基づいて、前チャージ2aの鋳造速度(鋳型6での鋳片7の引き抜き速度)を低減しつつ鋳造を行うことで、図3に示すように、鋳型6への前チャージ2aの供給を停止したときの前チャージ2aの凝固シェル13の倒れ込み(倒れ込み量H)を抑制している。
具体的には、最後の前チャージ2aを鋳造する工程での鋳造速度Vを、下記[式1],[式2]の範囲内で減速している。
前チャージの炭素含有量が0.2%以上のとき,
0.017×TD+0.1≦V≦0.017×TD+0.45 ・・・(1)
前チャージの炭素含有量が0.2%未満のとき,
0.017×TD+0.1≦V≦0.017×TD+0.27 ・・・(2)
ただし、
TD:前チャージを貯留したタンディッシュ重量(ton),0≦TD≦30 V:鋳造速度V(m/min)
前記[式1],[式2]の導出過程について説明する。
発明者らは、前チャージ2aの供給停止時に凝固シェル13の倒れ込みを抑制するためには、前チャージ2aの供給を停止する前に、前チャージ2aの鋳造速度Vを低減しながら鋳造し、これにより、凝固シェル13の成長を促進して、その厚みを増加させればよいと考えた。一方で、発明者らは、前チャージ2aが凝固シェル13へ凝固する凝固過程を考えたとき、その凝固過程で前チャージ2aに含まれる炭素含有量が0.2%前後(即ち、亜包晶溶鋼と過包晶溶鋼)では塑性の度合いが異なることから凝固シェル13の厚みが同じであっても倒れ込み量が異なると考え、まず、鋳造条件を同じ状態にして、前チャージ2aの炭素含有量と、凝固シェル13の倒れ込み量との関係を知るために実験機を用いて様々な実験を行った。
図3に示すように、実験では、鋳型6内におけるチャージ2の凝固シェル13の端部と、鋳型6内の側壁との距離を凝固シェル13の倒れ込み量Hとし、炭素含有量の異なる様々なチャージ2を一定の鋳造条件下で鋳造して、炭素含有量と倒れ込み量とについてまとめた。
図4に示すように、発明者らの実験では、鋳造条件が一定であっても、チャージ2の炭素含有量が0.2%を境として倒れ込み量が異なることが分かった。即ち、実験では、炭素含有量が0.2%以上のものは、炭素含有量が0.2%未満のものに比べ、凝固シェル13の倒れ込み量が小さかった。
そこで、発明者らは、前記実験を基に鋳造する方法を、炭素含有量が0.2%以上の前チャージ2aを鋳造する場合と、炭素含有量が0.2%未満の前チャージ2aを鋳造する場合との2パターンに分けたうえで、鋳造速度Vを前チャージ2aを貯留したタンディッシュ重量に基づいて変化させるという実験を実験機によって行った。
即ち、図5に示すように、炭素含有量が0.2%以上の前チャージ2aを鋳造する際に、タンディッシュ重量の変化に応じて定常状態から鋳造速度Vを減速するという実験を行った。
図5のケース1では、前チャージ2aを鋳造するにあたって、タンディッシュ重量(図ではTD重量)が約11トンになった時点から前チャージ2aの鋳造速度Vをケース1の直線に沿うように徐々に減速していき、タンディッシュ5内の溶鋼重量が0になった時に前チャージ2aの鋳造を停止(前チャージ2aの鋳型6への供給を停止)し、その後、後チャージ2bをタンディッシュ5を介して鋳型6に供給した。ケース2〜8では、鋳造速度Vの減速を開始する時点でのタンディッシュ重量を徐々に増加させていき、言い換えれば、タンディッシュ重量が重い時点から鋳造速度Vの減速を開始し、ケース1と同じようにそれぞれ各ケースの直線に沿うようにその鋳造速度Vを徐々に減速しながら鋳造を行った。
図5で示すように、ケース1〜3では前チャージの供給を停止した後、後チャージ2bを鋳型6に供給すると湯漏れが発生した。これは前チャージ2aを鋳造する際に、鋳造速度Vの減速を十分に行っていなかったため、鋳造終了後における凝固シェル13の厚みが十分でなく、その結果、凝固シェル13の倒れ込み量が大きくなって湯漏れが発生したと考えられる。
ケース4〜8では、前チャージの供給を停止した後、後チャージ2bを鋳型6に供給しても湯漏れは発生しなかった。これは前チャージ2aを鋳造する際に、鋳造速度Vの減速を十分に行ったことで、鋳造終了後における凝固シェル13の厚みがケース1〜3に比べ厚くなり、その結果、凝固シェル13の倒れ込み量が小さくなり、湯漏れが発生しなかったと考えられる。
したがって、減速しながら前チャージ2aを鋳造するにあたっては、その鋳造速度Vをケース4の直線式である0.017×TD+0.45m/min以下になるように減速すれば良いことが分かった。
一方で、ケース6〜8では、鋳造速度Vの減速を十分に行ったことで湯漏れが発生しなくなったものの、前チャージ2aを鋳型6に供給する際に、タンディッシュ5の浸漬ノズル10が詰まってしまう問題が発生した。これは、急激に鋳造速度Vの減速を行ったために、浸漬ノズル10内に前チャージ2aが長い間滞ることになり、浸漬ノズル10内の前チャージ2aの温度が低下して凝固してしまったことが要因と考えられる。
そこで、鋳造速度Vの下限値はケース5の直線式である0.017×TD+0.1にしなければならないことが分かった。
以上の実験により、湯漏れやノズル詰まりを起こさないようにするためには、炭素含有量が0.2%以上の前チャージ2aでは、その鋳造速度Vとタンディッシュ重量との関係は最適範囲A[0.017×TD+0.1≦V≦0.017×TD+0.45]であることが必要で、鋳造速度Vを最適範囲A内に留めつつ徐々に減速すればよいことが分かった。
図6は比較例を示している。例えば、図6のケース9では、タンディッシュ重量が約13トンになるまでは、鋳造速度Vを最適範囲A内に入るように制御し、タンディッシュ重量が約13トンから約9トンまでは鋳造速度Vが最適範囲Aから外れるように制御して前チャージ2aを鋳造したものである。この図から分かるように、ケース9では鋳造速度VがP1からP2まで最適範囲A内から一時的に外れているために、ケース9では湯漏れが発生した。また、ケース10〜14のように、前チャージ2aを鋳造するにあたって鋳造速度Vが最適範囲A内から一時的でも外れれば、湯漏れやノズル詰まりが発生している。
次に、図7に示すように、炭素含有量が0.2%未満の前チャージ2aを鋳造する場合においても、上記ケース1〜8に示したものと同じ方法で、タンディッシュ重量の変化に応じて鋳造速度Vを減速するという実験を行った。なお、炭素含有量が0.2%未満の前チャージ2aは、炭素含有量が0.2%以上の前チャージ2aよりも凝固シェル13が倒れ易いことが分かっているので、この実験では、図5に示した実験よりもタンディッシュ重量が重い時点で鋳造速度Vの減速を開始することとした。
図7のケース15では、前チャージ2aを鋳造するにあたって、タンディッシュ重量が約19トンになった時点から前チャージ2aの鋳造速度Vをケース15の直線に沿うように徐々に減速していき、タンディッシュ5内の溶鋼重量が0になった時に前チャージ2aの鋳造を完了して、前チャージ2aの鋳型6への供給停止し、その後、後チャージ2bをタンディッシュ5を介して鋳型6に供給した。
図7に示すように、ケース15〜17では前チャージ2aの供給を停止した後、後チャージ2bを鋳型6に供給すると湯漏れが発生した。ケース18〜22では、前チャージ2aの供給を停止した後、後チャージ2bを鋳型6に供給しても湯漏れは発生しなかった。
したがって、炭素含有量が0.2%未満の前チャージ2aを鋳造する場合は、その鋳造速度Vをケース18の直線式である0.017×TD+0.27m/min以下になるように減速すれば良いことが分かった。
一方で、上記ケース6〜8と同様に、ケース20〜22では湯漏れが発生しないものの、前チャージ2aを鋳型6に供給する際に、タンディッシュ5の浸漬ノズル10が詰まってしまう問題が発生した。炭素含有量が0.2%未満の前チャージ2aを鋳造する場合でも、上記と同様に、鋳造速度Vの下限値をケース19の直線式である0.017×TD+0.1にする必要であることが分かった。
以上の実験により、湯漏れやノズル詰まりを起こさないようにするためには、炭素含有量が0.2%未満の前チャージ2aでは、その鋳造速度Vとタンディッシュ重量との関係は最適範囲B[0.017×TD+0.1≦V≦0.017×TD+0.27]であることが必要で、鋳造速度Vを最適範囲B内で徐々に減速すればよいことが分かった。
表1及び図8〜9は、鋳型6の厚みが380mmで、鋳型幅600mmのブルーム連続鋳造装置を用い実際に操業したものを示している。表1のパターンAでは、前チャージ2aの鋳造の際の鋳造速度Vを[式1]を満たす範囲で減速し、パターンBでは、鋳造速度Vを[式2]を満たす範囲で減速し、パターンCでは、鋳造速度Vを[式1]を満たさないように減速したものである。なお、図8は、表1でのパターンA〜Cまでの鋳造速度Vを示したもので、図9(a)は、表1のパターンAでの鋳造速度Vを図示したものであり、図9(b)は、表1のパターンBでの鋳造速度Vを図示したものである。
ブルーム連続鋳造装置では、取鍋3を介して約20トン以上の前チャージ2aをタンディッシュ5に供給し、その注入が完了した後、タンディッシュ5の浸漬ノズル10を介して前チャージ2aを鋳型6に供給し鋳造を行った。
図8,9(a)に示すように、パターンAでは、タンディッシュ重量が12.5トンになるまでは、鋳造速度Vを0.6m/minと一定にしておき、タンディッシュ重量が12.5トンになった時点で鋳造速度Vを0.6m/minから0.5m/minに減速し、タンディッシュ重量が7.2トンになった時点で鋳造速度Vを0.5m/minから0.4m/minに減速し、タンディッシュ重量が4.7トンになった時点で鋳造速度Vを0.4m/minから0.3m/minに減速し、最終的に、タンディッシュ重量が2.0トンになるまで前チャージ2aの鋳造を行い、タンディッシュ重量が2.0トンになったところで鋳造を停止した。
図8,9(b)に示すように、パターンBでは、タンディッシュ重量が20トンになるまでは、鋳造速度Vを0.6m/minと一定にしておき、タンディッシュ重量が20トンになった時点で鋳造速度Vを0.6m/minから0.5m/minに減速し、タンディッシュ重量が13.5トンになった時点で鋳造速度Vを0.5m/minから0.4m/minに減速し、タンディッシュ重量が7.0トンになった時点で鋳造速度Vを0.4m/minから0.3m/minに減速し、最終的に、タンディッシュ重量が2.0トンになるまで前チャージ2aの鋳造を行い、タンディッシュ重量が2.0トンになったところで鋳造を停止した。なお、パターンCは鋳造が終了するまで一定の速度、即ち、0.6m/minで鋳造を行った。パターンA及びパターンBにおける鋳造速度Vは、タンディッシュ重量をロードセルで測定してそれぞれのタンディッシュ重量に応じて自動制御又はオペレータの手動により変化させている。
前チャージ2aの供給停止後は、パターンA,Bについては、鋳型6内にシーケンスブロック12を装入した後に、タンディッシュ5内の後チャージ2bを鋳型6に供給し、後チャージ2bの鋳造を行った。
図10は、前チャージ2aの供給停止時におけるパターンA〜Cでの凝固シェル13の倒れ込み量を示している。これから分かるように、パターンA,Bのように鋳造速度Vを[式1][式2]を満たす範囲で減速した場合は倒れ込み量は10mm以下であり、湯漏れと共に浸漬ノズル10の詰まりも発生しなかった。パターンCでは倒れ込み量は20mmであり、後チャージ2bを鋳型6に供給した場合、湯漏れが発生する危険性が非常に大であるため鋳造を中止した。
本発明の異鋼種連々続鋳造方法では、鋳型6への前チャージ2aの供給を停止する前から前チャージ2aを貯留したタンディッシュ重量に基づいて前チャージ2aの鋳造速度Vを減速しつつ鋳造を行うことで、鋳型6内での前チャージ2aの凝固シェル13の倒れ込みを抑制することができた。
本発明上記の実施の形態に限定されるものではない。即ち、前チャージ2aを鋳造する際の鋳造速度Vの減速は、上記実施の形態に示したように、最適範囲A又はB内であれば段階的に行っても良いし、タンディッシュ重量に応じて連続的に行っても良い。また、前チャージ2aを鋳造する際の鋳造速度Vは、最適範囲A又はB内であれば一時的に増加してもよい。
また、鋳型への前チャージの供給を停止する前から前チャージを貯留したタンディッシュ重量に基づいて前チャージの鋳造速度Vを減速しつつ鋳造を行うことで、凝固シェルの倒れ込みによる湯漏れや浸漬ノズル詰まりを防止すればよく、上記[式1],[式2]は限定されず、他の式であってもよい。
連続鋳造装置の概念図である。 異鋼種連々続鋳造方法の説明図である。 凝固シェルの倒れ込み量の説明図である。 炭素含有量に対する凝固シェルの倒れ込み量の比較図である。 炭素含有量が0.2%以上の前チャージを鋳造する際の鋳造速度実験図である。 図5の実験における比較図である。 炭素含有量が0.2%未満の前チャージを鋳造する際の鋳造速度実験図である。 実施例の鋳造速度の減速図である。 実施例におけるパターンA及びBの鋳造速度の減速図である。 倒れ込み量を示す図である。
符号の説明
2a 前チャージ
2b 後チャージ
5 タンディッシュ
6 鋳型
13 凝固シェル

Claims (1)

  1. タンディッシュ内の前チャージを鋳型に供給して前チャージの鋳造を行った後に、鋳型への前チャージの供給を停止し、鋼種の異なる後チャージを前記タンディッシュに供給し、タンディッシュ内の後チャージを鋳型に供給することで後チャージの鋳造を連続的に行う異鋼種連々続鋳造方法において、
    前記鋳型内での前チャージの凝固シェルの倒れ込みを抑制するために、前記鋳型への前チャージの供給を停止する前から前チャージを貯留したタンディッシュ重量に基づいて前チャージの鋳造速度を減速しつつ鋳造を行い、
    前記前チャージの鋳造速度Vを、前チャージの炭素含有量が0.2%以上のとき、式(1)を満たしつつ減速し、前チャージの炭素含有量が0.2%未満のとき、式(2)を満たしつつ減速する
    ことを特徴とする異鋼種連々続鋳造方法。
    0.017×TD+0.1≦V≦0.017×TD+0.45 ・・・(1)
    0.017×TD+0.1≦V≦0.017×TD+0.27 ・・・(2)
    ただし、
    TD:前チャージを貯留したタンディッシュ重量(ton),0≦TD≦30
    V:鋳造速度(m/min)
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