JPH06198304A - Cu、Sn含有鋼の圧延方法 - Google Patents

Cu、Sn含有鋼の圧延方法

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JPH06198304A
JPH06198304A JP34953392A JP34953392A JPH06198304A JP H06198304 A JPH06198304 A JP H06198304A JP 34953392 A JP34953392 A JP 34953392A JP 34953392 A JP34953392 A JP 34953392A JP H06198304 A JPH06198304 A JP H06198304A
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JP
Japan
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slab
rolling
heating
product
billet
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JP34953392A
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English (en)
Inventor
Yoshio Nuri
嘉夫 塗
Kazumasa Umezawa
一誠 梅沢
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 0.12〜2%のCuまたは0.02〜0.
1%のSnの1種または2種を含有するスラブ、ビレッ
トまたはブルームを圧延する際に、製品に発生する表面
欠陥を防止する圧延方法を提供する。 【構成】 上記スラブ、ビレットまたはブルームを加熱
後、圧延するに際し、加熱後、表面欠陥発生要因の上記
スラブ、ビレットまたはブルームの表面のCu、Snの
富化層および粒界侵入層を溶削また研削した後、圧延す
る。 【効果】 表面欠陥の発生しない製品の製造に大きく寄
与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CuまたはSnのいず
れか1種または2種を含有する鋼(以下単にCu、Sn
含有鋼という)の圧延方法、特に0.12〜2%のCu
または0.02〜0.1%のSnの1種または2種を含
有するスラブ、ビレットまたはブルームの圧延時に発生
する表面欠陥を防止する圧延方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Cu:0.12%以上、Sn:0.02
%以上の1種または2種を含有する鋼は、圧延製品に表
面欠陥を発生させることは公知の事実である(例えば、
大竹正ら 製鉄研究225号1958年2248頁)。
また、CuまたはSnの1種または2種を積極的に合金
成分として多量添加したり、あるいはCuまたはSnの
1種または2種を含有する安価なスクラップを多量使用
して溶製された0.12%以上のCuまたは0.02%
以上のSnの1種または2種を含有する溶鋼を連続鋳造
すると鋳片の表面に著しい割れの発生することが知られ
ている(例えば、M.Wolf Transactio
ns ISIJ 24巻 1984年351頁)。
【0003】連続鋳造された鋳片に発生する表面疵と圧
延後の製品の表面欠陥の発生を防止するには次の5つの
方法が実施されている。 割れの発生しない溶鋼成分になるように使用するスク
ラップを選別する。 割れの発生を防止する元素を添加して鋳造する。 スラブ、ビレットまたはブルーム(以下代表して単に
スラブという)の鋳造後に発生した疵を取り除いた後、
加熱炉に装入して加熱する。
【0004】割れの発生しない低温度に加熱して圧延
する。 疵発生部以外の健全部を選別し、これを製品として出
荷する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが前記5つの方
法では次の問題点がある。まずについては、使用する
スクラップの選別や管理費用が増えたり、安価なスクラ
ップ使用量が少なくなることから、スラブ、ビレットま
たはブルームの製造コストを著しく上昇させる。
【0006】次にについては、現在一般的に割れの発
生を防止する元素としてNiが効果的であることは良く
知られているが、Niを添加するためにスラブ、ビレッ
トまたはブルームの製造コストを著しく上昇させる。次
にについては、スラブ、ビレットまたはブルームの表
面に発生した表面割れを酸素を富化した高温のガスによ
り溶解して取り除いたり、グラインダーなどの機械的方
法により研削したりして鋳片の割れを取り除いた後、加
熱後圧延するが、この方法でも圧延後の製品欠陥を皆無
にすることはできない。
【0007】次にについては、圧延後の製品の表面欠
陥の発生はある程度防止できるものの、低温加熱よる圧
延であるために機械的性質向上に必要な析出物の大きさ
や量を任意に制御することが不可能になり、目標とする
材質が確保できない。次にについては、製品出荷歩留
りを著しく低下させると共に、選別や管理費用が増加す
る。
【0008】本発明は上記問題点を解消する圧延方法、
即ち0.12%以上のCuまたは0.02%以上のSn
の1種または2種を含有するスラブ、ビレットまたはブ
ルームを圧延しても製品に割れを発生させない圧延方法
を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は0.12〜2
%のCuまたは0.02〜0.1%のSnの1種または
2種を含有する溶鋼の連続鋳造後の鋳片と圧延後の製品
の表面割れの発生原因を調査したところ、次の原因で割
れが発生するという新しい知見を見出した。連続鋳造後
の鋳片と圧延後の製品の割れ発生部を切り出し、その断
面を研磨してエレクトロンマイクロアナライザーにより
割れ部を分析したところ、割れ発生部は割れ発生のない
健全部に比べてCu、Snなどが富化しているという両
者共通の事実を見出した。この富化の原因と割れの発生
は以下のメカニズムにより起こると考えた。
【0010】まず連続鋳造鋳片について述べる。Cu、
Snは高温においては酸化しない。一方、Feは鋳造時
の温度降下に伴い酸化し、酸化鉄からなるスケールを生
成する。このスケールは連続鋳造時にその厚みを増加さ
せながら成長し、鋳片の表面に残存する。このスケール
中に酸化しないCuなどの元素が濃化していき、やがて
鋳片表面近傍に富化し、スケール直下の鋳片表面に富化
層を形成する。この富化層の存在する鋳片の表面部の機
械的性質は著しく劣化する。この機械的性質が劣化した
表面部に、連続鋳造時の鋳片の表面近傍に発生する熱応
力や、湾曲型或いは垂直曲型連続鋳造機においては湾曲
状の鋳片を平らに矯正するときに発生する矯正応力が原
因で割れが発生するという知見を得た。
【0011】次に、加熱圧延後の製品について述べる。
連続鋳造されたスラブ、ビレットまたはブルームは圧延
前に1000〜1400℃の高温度で2〜7時間加熱さ
れる。この時、スケールが多量に発生し、上述したのと
同じ理由によりスケール直下の鋳片表面に富化層を形成
する。この加熱時に生成した富化層が結晶粒界に浸入
し、これが原因で粒界強度が著しく低下し、この粒界強
度が低下した部位に、加熱後の圧延時の応力により容易
に割れが発生するという知見を得た。本発明は上記の新
知見に基づきなされたもので、本発明の要旨とするとこ
ろは、Cu:0.12〜2%またはSn:0.02〜
0.1%のいずれか1種または2種を含有するスラブ、
ビレットまたはブルームを加熱後に圧延するに際し、加
熱が終了した後、上記スラブ、ビレットまたはブルーム
の表面のCu、Snの富化層および粒界浸入層を溶削あ
るいは研削した後、圧延することを特徴とするCu、S
n含有鋼の圧延方法にある。
【0012】以下に本発明について詳細に説明する。図
1と図2は本発明の実施の態様を示す説明図である。
0.12〜2%のCuまたは0.02〜0.1%のSn
の1種または2種を含有する溶鋼は鋳型1に注入され、
鋳型1を出たスラブ、ビレットまたはブルーム2は矯正
ロール3で平らに矯正される。なお、ビレットまたはブ
ルームは垂直型連続鋳造機で鋳造される場合もあり、こ
の場合は矯正する必要がない。鋳造完了後、要求される
製品の重量に応じて所定の長さに切断され、切断された
スラブ、ビレットまたはブルーム4は加熱炉5に装入さ
れる。加熱炉5で所定の温度と時間加熱されたスラブ、
ビレットまたはブルーム4は加熱炉5から抽出される。
抽出されると直ちにスラブ、ビレットまたはブルーム4
の表面は溶削装置6または研削装置7で溶削または研削
された後、圧延ロール8で製品9に圧延される。
【0013】スラブ、ビレットまたはブルーム4の表面
は酸素とプロパンガスを燃焼させた高温の炎を用いた溶
削装置6で溶削するか、或いはグラインダーなどを装備
した研削装置7のような機械的方法により研削するかの
いずれでも良い。溶削の場合はスケールを取り除いた
後、スラブ、ビレットまたはブルームの表面を溶削する
か、あるいはスケールとともに表面を同時に溶削しても
良い。また、研削の場合はスケールをスケールブレーカ
ー10で除去した後に表面を研削した方がスケール起因
の表面欠陥が製品に発生しにくい。なお、溶削或いは研
削する厚みは富化層と粒界浸入層の深さ以上にすれば良
いが、この厚みはおおむね最小0.7mmで充分であ
る。
【0014】本発明において、スラブまたはビレットま
たはブルームを圧延するに際し、加熱が終了した後に表
面を溶削または研削するのは次の理由による。表面を溶
削または研削するのは、割れ発生のメカニズムで前述し
たようにスケール直下に生成した富化層と粒界浸入層が
割れの発生の起点になることから、これを圧延前に取り
除く必要があるからである。
【0015】また、溶削または研削する時期を加熱が終
了した後にしたのは次のように従来技術の問題点が解決
できたためである。 1)使用するスクラップの選別や管理の必要がなくな
り、安価なスクラップの使用量が増やせ、これを用いて
鋳造したスラブ、ビレットまたはブルームの製造コスト
を著しく低下させることができた。
【0016】2)割れの発生を防止する元素を使用しな
いで鋳造でき、スラブ、ビレットまたはブルームの製造
コストを低下させることができた。 3)鋳造したスラブ、ビレットまたはブルームの加熱前
の表面手入れの必要性がなくなり、これによる鋳片の歩
留り低下がなくなり、生産性を著しく向上させることが
できた。
【0017】4)加熱温度と加熱時間が自由に選択でき
るようになり、材質制御に必要な析出物の量や大きさを
任意に制御できるようになった。 5)圧延製品に疵が発生しないことから、製品の疵発生
部の選別や検査の必要がなくなり、選別と検査費用が皆
無になるとともに、製品出荷量が増加した。 なお、加熱が終了して圧延開始前までにスケールと表面
を溶削または研削に必要な時間は短時間であることか
ら、本発明は従来の圧延工程に比べ生産性を阻害させる
ものではない。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。普通、連続
鋳造したスラブ、ビレットまたはブルームに発生した表
面欠陥はこれを除去した後、加熱炉に入れ、その後圧延
されるのが一般的である。この従来プロセスにより圧延
した製品の表面の割れ発生数を1とした時の製品割れ指
数を表1、表2(表1のつづき)にまとめて示した。
【0019】表1、表2から明らかなように、本発明は
異なった鋼種、異なった連続鋳造機、異なった連続鋳造
条件で鋳造され、その後、異なった加熱条件で加熱した
スラブ、ビレットまたはブルームに対して全て適用でき
るとともに、従来圧延に際して割れの発生した0.12
〜2%のCuまたは0.02〜0.1%のSnの1種ま
たは2種を含有するスラブ、ビレットまたはブルームか
ら、圧延により表面に全く割れのない製品が得られる。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明により、従来技術の問題点の解決
が可能となり、0.12〜2%のCuまたは0.02〜
0.1%のSnの1種または2種を含有するスラブ、ビ
レットまたはブルームから圧延した製品表面に全く割れ
のない製品が得られることから、本発明の効果が極めて
大きいことが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の態様を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の態様を示す説明図である。
【符号の説明】 1:鋳型 2:スラブ、ビレットまたはブルーム 3:矯正ロール 4:スラブ、ビレットまたはブルーム 5:加熱炉 6:溶削装置 7:研削装置 8:圧延ロール 9:圧延後の製品 10:スケールブレーカー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu:0.12〜2%またはSn:0.
    02〜0.1%のいずれか1種または2種を含有するス
    ラブ、ビレットまたはブルームを加熱後に圧延するに際
    し、加熱が終了した後、上記スラブ、ビレットまたはブ
    ルームの表面のCu、Snの富化層および粒界浸入層を
    溶削あるいは研削した後、圧延することを特徴とするC
    u、Sn含有鋼の圧延方法。
JP34953392A 1992-12-28 1992-12-28 Cu、Sn含有鋼の圧延方法 Pending JPH06198304A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5548882A (en) * 1991-06-25 1996-08-27 Didier Ofu Engineering Gmbh Storage oven for thin slab casting
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