JPH06198186A - 炭化水素油の水素化脱硫触媒の製造法 - Google Patents

炭化水素油の水素化脱硫触媒の製造法

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JPH06198186A
JPH06198186A JP4361066A JP36106692A JPH06198186A JP H06198186 A JPH06198186 A JP H06198186A JP 4361066 A JP4361066 A JP 4361066A JP 36106692 A JP36106692 A JP 36106692A JP H06198186 A JPH06198186 A JP H06198186A
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JP
Japan
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catalyst
temperature
aluminum
hydrodesulfurization
metal
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Application number
JP4361066A
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English (en)
Inventor
Etsuo Suzuki
悦夫 鈴木
Takashi Fujikawa
貴志 藤川
Osamu Chiyoda
修 千代田
Katsumi Oki
勝美 大木
Masato Watanabe
正人 渡辺
Ichiji Usui
一司 薄井
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SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Cosmo Oil Co Ltd
Japan Petroleum Energy Center JPEC
Original Assignee
SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Cosmo Oil Co Ltd
Petroleum Energy Center PEC
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭化水素油の水素化脱硫触媒を、優れた物性
を有して、高収率で製造する方法を提供する。 【構成】 (a)アルミニウムアルコキシド、アルミニ
ウムキレート化合物、環状アルミニウムオリゴマーのう
ちの少なくとも1つと、(b)周期律表の第VIB族金
属の少なくとも1種の化合物と、(c)第VIII族金
属の少なくとも1種の化合物と、の混合物を溶媒中にお
いて混合し、生じる有効成分を乾燥してゲルとし、これ
を焼成して、周期律表の第VIB族金属、第VIII族
金属およびアルミニウムを含む複合酸化物からなる水素
化脱硫触媒を製造する方法で、焼成を、昇温速度0.4
〜2.5℃/分で室温から400〜600℃まで昇温
後、この温度で2時間以上保持して行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭化水素油の水素化脱
硫触媒の製造方法に関し、特に、優れた物性を有する該
触媒を高収率で製造する方法に関する。
【0002】
【技術背景】炭化水素油は、一般に硫黄化合物を含み、
それらの油を燃料として使用した場合には、硫黄化合物
中に存在する硫黄が、硫黄酸化物に転化して大気中に排
出される。このような硫黄化合物を含む炭化水素油は、
燃焼した場合の大気汚染を考慮すれば、硫黄含有量がで
きるだけ少ないことが望ましい。この硫黄含有量の低減
化は、炭化水素油を接触水素化脱硫することによって達
成することができる。
【0003】最近、酸性雨あるいは窒素酸化物や硫黄酸
化物などに起因する環境問題が地球的規模で取り上げら
れ、現状の技術レベル以上での硫黄分の除去が望まれて
いる。炭化水素油中の硫黄分をより低下させることは、
炭化水素油の接触水素化脱硫反応の際の運転条件、例え
ば、LHSV、温度、圧力を過酷にすることで、ある程
度達成することができる。しかし、このような技法で
は、触媒上に炭素質が析出し、触媒の活性を急速に低下
させる。特に、炭化水素油が軽質留分の場合、色相安定
性や貯蔵安定性などの性状面での悪影響も大きい。この
ように、運転条件での深度な脱硫には、限度がある。し
たがって、最も良い方策は、格段に優れた脱硫活性を有
する触媒を開発することである。
【0004】ところで、従来、水素化脱硫触媒を調製す
る一般的な方法として、(1)周期律表第VIII族金
属塩、およびCrやMoなどの周期律表第VIB族金属
塩の水溶液を担体に含浸させた後、乾燥し、焼成する
「含浸法」、(2)アルミナあるいはアルミナゲルを分
散した水溶液中に、周期律表第VIB族金属塩および周
期律表第VIII族金属塩の水溶液を加え、金属化合物
を沈澱させる「共沈澱法」、(3)アルミナあるいはア
ルミナゲル、周期律表第VIB族金属塩および周期律表
第VIII族金属塩の水溶液の混合ペーストを混練しな
がら加熱し、水分除去を行う「混練法」、がある(「触
媒調製化学」尾崎萃編、講談社サイエンティフィック、
205頁〜252頁)。
【0005】しかし、これらの方法では、比較的多量の
金属化合物を分散良く担体上に担持させることが困難で
ある。たとえ過剰の触媒金属化合物を担体に担持させる
ことができたとしても、これらの方法では、触媒の比表
面積を減少させるため、触媒の脱硫活性向上に限界があ
る。
【0006】そこで、本発明者らは、接触水素化脱硫反
応の際の運転条件の過酷度を上げることなく、生成油の
硫黄含有量を、例えば、軽油で0.05wt%程度、V
GOで0.08〜0.10wt%程度、常圧残油で0.
6〜0.8wt%程度にまで低減することのできる水素
化脱硫触媒として、先の出願において、第VIII族金
属、第VIB金属およびアルミニウムを含む金属酸化物
の複合物であって、その金属量が従来の水素化脱硫触媒
に比して、はるかに高い触媒と、その製造法とを提案し
た(特開昭3−275142号公報参照−以下、この提
案を「先願」と記す−)。この触媒は、X線回折パター
ンにおいて実質的にγ−Alのピークを示さず、
また活性金属を多量に含有するにもかかわらず、高い表
面積をも有するため、運転条件を過酷にすることなく、
通常の運転条件下で、極めて高い脱硫活性を示す。
【0007】ところで、この先願の水素化脱硫触媒は、
一般に、原料(第VIII族金属、第VIB金属および
アルミニウム源)を溶媒中で混合して得られる有効成分
を取り出し、乾燥してゲル化させ、これを焼成すること
により製造されている。そして、この焼成は、所要時間
を短縮させるべく、室温から200〜800℃程度の焼
成温度まで、30〜60分程度のかなりの短時間(言い
換えれば、かなりの高速度)で一挙に昇温させ、この焼
成温度で1〜24時間程度保持することにより行われて
いる。
【0008】しかし、その後の本発明者らの研究によ
り、上記のような焼成方法では、得られる触媒の物性、
特に側面破壊強度などの機械的強度を著しく低下させる
上、触媒の割れが多くなり、製品触媒の収率をも著しく
低下させていることが明らかとなった。このため、上記
した先願触媒の、通常の運転条件下で極めて高い脱硫活
性を示し、したがって触媒の寿命延長が図れ、経済性が
良好であると言う折角の優れた特性を、十分に生かすこ
とが不可能ないしは極めて困難となっている。
【0009】
【発明の目的】本発明は、これらの実情を考慮し、前記
した本発明者らによる先願の水素化脱硫触媒を、機械的
強度などの物性を低下させることなく、しかも高収率で
製造することができる水素化脱硫触媒の製造方法を提案
することを目的とする。
【0010】
【目的を達成するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため研究を重ねた結果、(1)ゲルを焼成温
度まで昇温させる過程において、該ゲル中の溶媒や低沸
点成分を良好な放出態様で放出させることができれば、
触媒の物性、特に機械的強度の低下を防ぐことができる
上、表面積や細孔容積をも大きくすることができ、しか
も触媒の割れを激減させることができること、(2)こ
のような溶媒や低沸点成分の良好な態様での放出は、昇
温速度を特定の速度まで低下させることにより達成する
ことができること、(3)この低速での昇温過程におい
て、段階的に一定の保持時間を設けることにより、より
良好な態様での放出を容易に実現することができるこ
と、(4)しかも、上記の昇温過程の途上から系内に空
気を供給し、ゲルからの放出成分を一部燃焼させ、かつ
残りの放出成分および燃焼により生じたガスなどを該空
気流に同伴させて系外に排出させることが触媒の活性を
向上させる上で重要であること、の知見を得た。
【0011】本発明の製造方法は、上記の知見に基づく
もので、(a)アルミニウムアルコキシド、アルミニウ
ムキレート化合物、環状アルミニウムオリゴマーのうち
の少なくとも1つと、(b)周期律表第VIB族金属の
少なくとも1種の化合物と、(c)周期律表第VIII
族金属の少なくとも1種の化合物と、の混合物を溶媒中
において混合し、この混合によって生じる有効成分を乾
燥してゲルとし、これを焼成して、周期律表第VIB族
金属、周期律表第VIII族金属およびアルミニウムを
含む複合酸化物からなる水素化脱硫触媒を製造する方法
であって、前記の焼成を、昇温速度0.4〜2.5℃/
分で室温から400〜600℃まで昇温した後、400
〜600℃で2時間以上保持して行うことを特徴とす
る。また、本発明の製造方法は、上記の焼成を、昇温速
度0.4〜2.5℃/分で室温から400〜600℃ま
で段階的に昇温し、各段階の温度で20〜40分間保持
するとともに、400〜600℃で2時間以上保持して
行うことをも特徴とする。さらに、本発明の製造方法
は、上記の400〜600℃に達した後または昇温過程
の途中から焼成完了までを、空気流中で行うことをも特
徴とする。
【0012】本発明の製造方法においては、上記の
(a),(b),(c)成分を溶媒中にて混合し、その
有効成分を乾燥し、さらに焼成するもので、これにより
製造される触媒は、実質上周期律表第VIB族金属、周
期律表第VIII族金属およびアルミニウムよりなる複
合酸化物であって、X線回折パターンにおいて実質的に
γ−Alのピークを示さないものである。上記
(a),(b),(c)の3成分の混合は、これらの3
成分の1種または2種を含む2種または3種の原料溶液
を混合することが好ましく、その態様としては、例え
ば、後述する「A法」〜「D法」などがある。なお、上
記(b),(c)の2成分の化合物は、原料溶液の調製
に用いる溶媒(水または有機溶媒)に可溶なものであれ
ばどのような化合物でもよい。
【0013】「A法」:先ず、上記(a)成分と上記
(b)成分とを、これらを溶解し得る有機溶媒に溶解し
た溶液を、一定時間混合攪拌し、均一溶液とする。次い
で、この均一溶液に上記(c)成分の水溶液を加えて混
合し、これによって生じる有効成分を乾燥し、焼成す
る。
【0014】「B法」:先ず、上記(a)成分と上記
(c)成分とを、これらを溶解し得る有機溶媒に溶解し
た溶液を、一定時間混合攪拌し、均一溶液とする。次い
で、この均一溶液に上記(b)成分の水溶液を加えて混
合し、これによって生じる有効成分を乾燥し、焼成す
る。
【0015】「C法」:(a)成分を、これを溶解し得
る有機溶媒に溶解した溶液に(b)成分と(c)成分の
混合水溶液を加えて混合し、これによって生じる有効成
分を乾燥し、焼成する。
【0016】「D法」:先ず、(a)成分と(b)成分
と(c)成分とを、これらを溶解し得る有機溶媒に溶解
した溶液を、一定時間混合攪拌し、均一溶液とする。次
いで、この均一溶液に水を加えて混合し、これにより生
じる有効成分を乾燥し、焼成する。
【0017】本発明においては、アルミニウムアルコキ
シド、アルミニウムキレート化合物、環状アルミニウム
オリゴマーの少なくとも1つを必須成分(すなわち、
(a)成分、以下、「アルミニウム成分」と記すことも
ある)として用いるが、これらのアルミニウム成分の1
部に代えて、ケイ素、チタン、ジルコニウム、ホウ素、
ガリウム、マグネシウム、ハフニウムのアルコキシド、
キレート化合物、環状オリゴマー(以下、これらを「代
替成分」と記すこともある)から選ばれる少なくとも1
種を用いることもできる。その代替割合は、どのような
割合でもよいが、一般には、酸化物換算で、アルミニウ
ム成分90〜95重量部に対し、代替成分5〜10重量
部がよい。
【0018】アルミニウムアルコキシドとしては、どの
ようなアルミニウムアルコキシドも使用可能であるが、
乾燥などの容易さからアルコキシ基の炭素数が1〜5の
アルコキシドが好ましい。具体的には、アルミニウムメ
トキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソ
プロポキシド、アルミニウム−n−ブトキシド、アルミ
ニウム−sec−ブトキシドなどを挙げることができ
る。これらのアルミニウムアルコキシドは、チーグラー
法により調製したものを用いることができる。
【0019】アルミニウムキレート化合物としては、市
販品のアルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロ
ピレート、アルミニウムアセトアセテートジブトキシ
ド、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、ア
ルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルア
セトネートなどが使用できる。
【0020】環状アルミニウムオリゴマーは、公知の方
法、例えば、アルミニウムアルコキシドを部分的に加水
分解することなどにより得ることができる。このように
して得られる環状アルミニウムオリゴマーは、一般に、
環状アルミニウムオキサイドアルキレートと呼ばれ、化
1の一般式で示される。
【0021】
【化1】
【0022】化1の式において、Rはアルキル基であ
り、炭素数2〜4のアルキル基が好ましく、特にイソプ
ロピル基であることが好ましい。
【0023】化1の一般式で示される環状アルミニウム
オキサイドアルキレートは、さらにステアリン酸などの
種々の脂肪酸と反応させると、化2の一般式で示される
脂肪酸型となった環状アルミニウムオリゴマーとするこ
とができる。
【0024】
【化2】
【0025】化2の式において、R′は1価の脂肪族炭
化水素基であり、好ましくは炭素数13〜19の1価の
脂肪族炭化水素基であり、特に炭素数17の1価の脂肪
族炭化水素基が好ましく、これは一般に環状アルミニウ
ムオキサイドステアレートと呼ばれている。
【0026】本発明の(b)成分である周期律表第VI
B族金属は、好ましくはクロム、モリブデン、タングス
テンであり、さらに好ましくはモリブデン、タングステ
ンを用いる。これらの第VIB族金属の化合物は、前述
のとおり、有機溶媒または水に可溶であることが必要で
あり、例えば、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、アルコキシ
ド、アセチルアセトナート、これら金属の酸のアンモニ
ウム塩などが用いられる。なお、第VIB族金属化合物
を水溶液として用いる場合には、例えば、パラモリブデ
ン酸アンモニウム、重クロム酸アンモニウム、パラタン
グステン酸アンモニウムなどをイオン交換水に溶解させ
たものが好ましい。
【0027】本発明の(c)成分である周期律表第VI
II族金属は、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、
ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金
の全てを用いることができるが、好ましくは鉄族金属の
コバルト、ニッケルを用いる。これらの第VIII族金
属の化合物も、前述のとおり、有機溶媒または水に可溶
であることが必要であり、例えば、硝酸塩、塩化物、酢
酸塩、アルコキシド、アセチルアセトナート、これら金
属の酸のアンモニウム塩などが用いられる。なお、第V
III族金属化合物を水溶液として用いる場合には、例
えば、硝酸コバルト6水和物、塩化コバルト6水和物、
硝酸ニッケル6水和物、塩化ニッケル6水和物などをイ
オン交換水に溶解させたものが好ましい。
【0028】以上の(a),(b),(c)成分を溶解
し得る有機溶媒は、これらを均一溶液としたり、後のゲ
ル化などを円滑にするために用いる。これらの有機溶媒
は、アルコール類、エーテル類、ケトン類、芳香族類を
用いることができ、好ましくは、アセトン、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノ
ール、n−ブタノール、tert−ブタノール、sec
−ブタノール、ヘキサノール、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサンなどであり、これらは単独で、または混合して使
用することができる。なお、これらの有機溶媒の使用量
は、(a),(b),(c)各成分が溶解するに十分な
量であればよい。
【0029】前述のA法〜D法における(a)〜(c)
成分の混合割合は、酸化物として触媒基準で、(b)成
分は約10〜60重量%、好ましくは約3〜20重量%
であり、(c)成分は約3〜20、好ましくは約5〜1
8重量%であり、(a)成分は、〔100−(b)成分
−(c)成分〕重量%である。
【0030】なお、以上のA法〜D法において、各種の
有機溶媒混合液に(b),(c)成分の水溶液や水を混
合する場合、あるいは(b),(c)成分の水溶液を調
製する場合、リン酸、硝酸、塩酸などの酸、好ましくは
リン酸を添加することにより、(b),(c)成分の溶
解性が良好となったり、製品触媒の強度が高められるな
どの効果を奏することができる。酸の添加量は、微量で
よく、好ましくは、酸化物換算で、(a)成分からもた
らされるアルミナに対し、約0.5〜5重量%とするこ
とが適している。多すぎると、製品触媒の活性が低下す
るのみならず、強度はそれほど向上せず、不経済とな
る。
【0031】以上の(a)〜(c)成分の混合方法は、
A法〜D法において、通常の攪拌方法を用い、均一にな
るまで充分に攪拌すればよい。このときの温度条件は、
好ましくは約20〜300℃、さらに好ましくは約50
〜200℃であり、この程度の温度条件であれば、通
常、十数分〜約1時間の攪拌で均一溶液となる。
【0032】なお、A法〜D法において、各種の有機溶
媒混合液に(b),(c)成分の水溶液や水を添加する
場合は、好ましくは徐々に行い、さらに好ましくは滴下
による方法がよい。一度に添加すると、反応が十分に行
われず、したがって得られる触媒は、各々の金属酸化物
の分布が不均一となり好ましくない。
【0033】以上のようにして(a)〜(c)成分を溶
媒(有機溶媒や水)中で混合することにより、有効成分
が生成する。さらに攪拌を続けると、スラリー状とな
る。スラリー状となった有効成分を取り出す方法として
は、どのような方法でもよく、例えば、圧搾式のフィ
ルタープレスを用い、圧搾により溶媒を除去する方法、
ロータリーエバポレーターを用い、減圧、加熱下で溶
媒を除去する方法、濾紙による濾過で溶媒を除去する
方法などがある。
【0034】上記の方法により得られる可塑性を有する
ゲルは、押出成型機などで成型後、約0.4〜2.5℃
/分の昇温速度で、室温から約400〜600℃の焼成
温度まで昇温し、この温度で2時間以上保持して焼成
し、製品触媒となる。昇温速度を約0.4〜2.5℃/
分とするのは、余り高速であっても、低速であっても、
ゲルからの溶媒や低沸点成分の放出が良好な態様で行わ
れず、高速すぎる場合は、製品触媒の物性はある程度所
望のものが得られても、割れの発生が多くなって収率が
激減し、低速すぎる場合は、割れの発生は減少するが、
物性は不良となるからである。
【0035】また、焼成温度を約400〜600℃とす
るのは、約400℃より低温であると、側面破壊強度が
低下するのみならず、表面積や細孔容積も小さくなって
触媒活性が低下し、約600℃より高温であると、表面
積や細孔容積が著しく小さくなり、触媒の割れが多くな
り、製品の収率が低下してしまうからである。さらに、
保持時間を約2時間以上とするのは、触媒の物性、特に
細孔容積や機械的強度の低下を防止して、脱硫活性を向
上させるためである。なお、保持時間の上限は特に限定
しないが、余り長時間であっても、複合酸化物への転化
効果は飽和してしまい、熱経済上好ましくないため、2
4時間程度を限度とする。
【0036】上記の昇温は、上記のように、所定の昇温
速度で所定の焼成温度(すなわち、約400〜600
℃)まで直線的な昇温としてもよいが、段階的な昇温と
することもできる。一例を示せば、焼成温度を450℃
とする場合において、例えば、(イ)第1段階が室温か
ら約100℃まで、第2段階が約100℃から約200
℃まで、第3段階が約200℃から約300℃まで、第
4段階が約300℃から約450℃までの4段階で昇温
したり、(ロ)第1段階が室温から約150℃まで、第
2段階が約150℃から約350℃まで、第3段階が約
350℃から約450℃までの3段階で昇温したり、
(ハ)第1段階が室温から約200℃まで、第2段階が
約200℃から約450℃までの2段階で昇温する、な
どにより昇温する。なお、昇温段階は、これらの2〜4
段階に制限されず、4段階以上の多段階としてもよい。
段数は、一般には多い程、溶媒や低沸点成分の放出効果
は高くなるが、余り多すぎても段階的な昇温と言う概念
から掛け離れてしまうため、各段毎の温度差が少なくと
も50〜100℃程度あるような段数を選択することが
好ましい。
【0037】そして、上記の第1段階の温度において約
2〜4時間保持し、第2段階以降の各段階で約20〜4
0分間の保持を行う。例えば、上記(イ)のようにして
昇温する場合で説明すれば、第1段階で約100℃まで
所定の速度で昇温し、この温度で約3時間保持した後、
第2段階で約200℃まで所定の速度で昇温し、この温
度で再び約30分間保持した後、第3段階で約300℃
まで所定の速度で昇温し、この温度で約30分間保持し
た後、最終段階である第4段階の昇温を所定の速度で行
う。各段階での保持時間は、このように同一時間とする
必要はなく、各段階毎に異なる時間としてもよい。ただ
し、1段毎の保持時間は、余り短時間であるとゲル中の
溶媒や低沸点成分の放出が十分でなく、余り長時間であ
ってもそれ程の放出効果の向上は得られないため、20
〜40分程度とする。なお、1段毎の保持時間を長くす
るよりは、段階を多くして、各段での保持時間を20〜
40分程度とするのが好適である。
【0038】また、本発明では、上記の焼成温度である
約400〜600℃に到達した後あるいは上記の昇温過
程の途中から焼成完了までは、空気流中で行うことが好
ましい。この空気流は、ゲルから放出される溶媒や低沸
点成分の一部を燃焼させることと、残りのこれらの放出
成分および燃焼により生じるガスなどを同伴させて系外
に排出させることを目的として行われる。空気流の供給
開始は、焼成温度に達した時か、あるいは昇温過程の途
中であって、上記のようなゲルからの放出成分が燃焼し
得る温度まで昇温した時の前後とすればよい。
【0039】空気の流量が少な過ぎると、上記のような
目的が効果的に達成できず、したがって炭素分が触媒に
付着してしまい、触媒の活性を低下させる。逆に多すぎ
ると、系の温度が低下するため、系への投入熱量が増大
し、熱経済上好ましくない。これらの点を考慮し、本発
明では、触媒約100g当たり、約1〜10リットル
(以下、「L」と記す)/分以上、好ましくは約2〜8
L/分とする。
【0040】上記のような焼成工程を経ることにより、
製品水素化脱硫触媒を得ることができる。このようにし
て製造される水素化脱硫触媒は、従来の焼成方法で得ら
れる水素化脱硫触媒に比して、表面積、細孔容積、機械
的強度などの物性が優れているのみならず、触媒の割れ
の発生が激減し、高い収率を示すことができる。しか
も、従来の含浸法などにより得られる触媒に比べ、はる
かに高い量の活性金属を含有しており、かつ高い量の活
性金属を含有する割には、表面積および細孔容積が大き
く、機械的強度が高い。
【0041】因みに、本発明で得られる触媒は、前述し
たように、本発明者らによる先願に係る水素化脱硫触媒
であって、X線回折パターンにおいて実質的にγ−Al
のピークを示さず、従来の一般的な含浸法で得ら
れるX線回折パターンにおいてγ−Alのピーク
を示す触媒とは、構造が異なり、その詳細な作用につい
ては明らかではないが、本発明で得られる触媒が高活性
であるのは、この構造の違いに起因するものと思われ
る。参考までに、本発明で得られる触媒と従来の含浸法
で得られる触媒の通常の条件下でのX線回折パターン
を、図1および図2に示す。図1が本発明で得られる触
媒〔組成(大略):CoO15wt%,MoO45w
t%,Al40wt%〕のX線回折パターン、図
2が従来法で得られる触媒〔組成(大略):CoO5w
t%,MoO15wt%,Al80wt%〕の
X線回折パターンである。
【0042】また、本発明で得られる触媒は、必要に応
じて、約150〜700℃の条件下で硫化処理を行い活
性化した後に、水素化脱硫反応に用いられる。
【0043】
【実施例】
実施例1 反応容器中で、アルミニウム−iso−プロポキシド4
3.63kgと、コバルトアセチルアセトナート9.5
kgとを、iso−プロパノール440kgに溶解させ
た溶液を、80℃で、1時間攪拌した。また、別に、モ
リブデン酸アンモニウム13.35kgを、イオン交換
水81.4kgの中で、攪拌し、溶解させた。上記のi
so−プロパノール溶液を50℃に冷却し、ラインミキ
サー中に、このiso−プロパノール溶液と、上記のモ
リブデン酸アンモニウム水溶液とを、それぞれ90L/
h、30L/hの速度で滴下した。ここで1時間攪拌を
行った後、80℃に昇温し、3時間の熟成を行った。そ
の後、再び、ラインミキサーにかけて1.5時間攪拌を
行った。生成したスラリーを、フィルターにより濾別
し、加熱濃縮して可塑性のあるゲルとし、このゲルを押
出成形機にて、直径1.6mm(1/16インチ)の柱
状物に成形した。この成形物を蒸発皿に広げ、マッフル
炉で表1の要領にて焼成を行った。
【0044】
【表1】
【0045】上記のようにして製造されたCoO(15
wt%)−MoO(45wt%)−Al(40
wt%)の組成を有する複合金属酸化物からなる水素化
脱硫触媒の表面積、細孔容積、側面破壊強度、触媒のロ
ス分および脱硫率を測定した。この結果は、表3に示
す。なお、触媒のロス分は、焼成後の触媒を篩いにか
け、16〜32メッシュ(1.00〜0.50mm)以
下のものについての重量である。また、脱硫率は、表2
に示す原料油(軽油)を、表2に示す反応条件で水素化
脱硫処理し、100時間通油後の生成油の硫黄含有量を
測定して算出した。
【0046】
【表2】
【0047】実施例2 実施例1において、焼成温度を450℃とする以外は、
実施例1と同様にして水素化脱硫触媒を製造し、実施例
1と同様にして表面積、細孔容積、側面破壊強度、触媒
のロス分および脱硫率を測定した。この結果は、表3に
示す。
【0048】実施例3 実施例1において、焼成温度を600℃とする以外は、
実施例1と同様にして水素化脱硫触媒を製造し、実施例
1と同様にして表面積、細孔容積、側面破壊強度、触媒
のロス分および脱硫率を測定した。この結果は、表3に
示す。
【0049】比較例1 実施例1において、焼成温度を380℃とする以外は、
実施例1と同様にして水素化脱硫触媒を製造し、実施例
1と同様にして表面積、細孔容積、側面破壊強度、触媒
のロス分および脱硫率を測定した。この結果は、表3に
示す。
【0050】比較例2 実施例1において、焼成温度を650℃とする以外は、
実施例1と同様にして水素化脱硫触媒を製造し、実施例
1と同様にして表面積、細孔容積、側面破壊強度、触媒
のロス分および脱硫率を測定した。この結果は、表3に
示す。
【0051】比較例3 実施例2において、焼成温度450℃での保持時間を1
時間とする以外は、実施例1と同様にして水素化脱硫触
媒を製造し、実施例2と同様にして表面積、細孔容積、
側面破壊強度、触媒のロス分および脱硫率を測定した。
この結果は、表3に示す。
【0052】比較例4 実施例2において、昇温速度を5.0℃/分とする以外
は、実施例2と同様にして水素化脱硫触媒を製造し、実
施例2と同様にして表面積、細孔容積、側面破壊強度、
触媒のロス分および脱硫率を測定した。この結果は、表
3に示す。
【0053】比較例5 実施例2において、昇温速度を0.2℃/分とする以外
は、実施例2と同様にして水素化脱硫触媒を製造し、実
施例2と同様にして表面積、細孔容積、側面破壊強度、
触媒のロス分および脱硫率を測定した。この結果は、表
3に示す。
【0054】比較例6 実施例2において、空気に代えて窒素を使用する以外
は、実施例2と同様にして水素化脱硫触媒を製造し、実
施例2と同様にして表面積、細孔容積、側面破壊強度、
触媒のロス分および脱硫率を測定した。この結果は、表
3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】表3から明らかなように、本発明の範囲内
の条件で焼成を行って製造された実施例の触媒は、本発
明の範囲外の条件で焼成を行って製造された比較例の触
媒に比して、いずれも優れた物性を示し、したがって高
い脱硫率が得られることが判る。また、上記の実施例の
触媒は、上記の比較例の触媒に比して、いずれもロス分
が少なく、高い収率で得られることが判る。
【0057】実施例4 焼成温度までの昇温を表4の要領にて行う以外は、実施
例1と同様にして水素化脱硫触媒を製造し、実施例1と
同様にして表面積、細孔容積、側面破壊強度、触媒のロ
ス分および脱硫率を測定した。この結果は、表7に示
す。
【0058】
【表4】
【0059】実施例5 焼成温度までの昇温を表5の要領にて行う以外は、実施
例4と同様にして水素化脱硫触媒を製造し、実施例4と
同様にして表面積、細孔容積、側面破壊強度、触媒のロ
ス分および脱硫率を測定した。この結果は、表7に示
す。
【0060】
【表5】
【0061】実施例6 焼成温度までの昇温を表6の要領にて行う以外は、実施
例4と同様にして水素化脱硫触媒を製造し、実施例4と
同様にして表面積、細孔容積、側面破壊強度、触媒のロ
ス分および脱硫率を測定した。この結果は、表7に示
す。
【0062】
【表6】
【0063】
【表7】
【0064】表7から明らかなように、段階的に昇温
し、かつ各段階の温度で一定時間保持することにより、
得られる触媒の物性、収率、脱硫率が向上することが判
る。
【0065】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の製造方法
で得られる触媒によれば、次のような効果を奏すること
ができる。 (1)優れた物性を有しており、所望の脱硫率を低い反
応温度および低い反応圧力で得ることができ、通常の運
転条件下でも高い脱硫活性を示すと言う先願の水素化脱
硫触媒の特性を十分に生かすことができる。 (2)工業上必要な充填量や充填密度に耐える高い側面
破壊強度などの触媒強度を有しており、触媒寿命が大幅
に延長する。 (3)触媒の収率が高く、したがって製造コストを大幅
に低減することができる。 (4)以上により、本発明で得られる触媒を使用すれ
ば、炭化水素油の高度な脱硫を、低コストで実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で得られる触媒のX線回折パターンを示
す図である。
【図2】従来の含浸法で得られる触媒のX線回折パター
ンを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大木 勝美 埼玉県幸手市神明内1368 (72)発明者 渡辺 正人 神奈川県横浜市鶴見区岸谷4−22−24 (72)発明者 薄井 一司 千葉県野田市岩名1−62−10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アルミニウムアルコキシド、アル
    ミニウムキレート化合物、環状アルミニウムオリゴマー
    のうちの少なくとも1つと、(b)周期律表第VIB族
    金属の少なくとも1種の化合物と、(c)周期律表第V
    III族金属の少なくとも1種の化合物と、の混合物を
    溶媒中において混合し、この混合によって生じる有効成
    分を乾燥してゲルとし、これを焼成して、周期律表第V
    IB族金属、周期律表第VIII族金属およびアルミニ
    ウムを含む複合酸化物からなる水素化脱硫触媒を製造す
    る方法であって、 前記の焼成を、昇温速度0.4〜2.5℃/分で室温か
    ら400〜600℃まで昇温した後、400〜600℃
    で2時間以上保持して行うことを特徴とする炭化水素油
    の水素化脱硫触媒の製造法。
  2. 【請求項2】 焼成を、昇温速度0.4〜2.5℃/分
    で室温から400〜600℃まで段階的に昇温し、各段
    階の温度で20〜40分間保持するとともに、400〜
    600℃で2時間以上保持して行うことを特徴とする請
    求項1に記載の炭化水素油の水素化脱硫触媒の製造法。
  3. 【請求項3】 400〜600℃に達した後または昇温
    過程の途中から焼成完了までを、空気流中で行うことを
    特徴とする請求項1,2に記載の炭化水素油の水素化脱
    硫触媒の製造法。
JP4361066A 1992-12-30 1992-12-30 炭化水素油の水素化脱硫触媒の製造法 Pending JPH06198186A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014501610A (ja) * 2010-12-09 2014-01-23 エスケー イノベーション カンパニー リミテッド 水素処理触媒およびその製造方法

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