JP3537937B2 - 軽油の水素化脱硫触媒 - Google Patents

軽油の水素化脱硫触媒

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JP3537937B2
JP3537937B2 JP33776695A JP33776695A JP3537937B2 JP 3537937 B2 JP3537937 B2 JP 3537937B2 JP 33776695 A JP33776695 A JP 33776695A JP 33776695 A JP33776695 A JP 33776695A JP 3537937 B2 JP3537937 B2 JP 3537937B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、深度脱硫領域にお
いて難脱硫性とされる硫黄化合物をも効果的に除去する
ことができる軽油の水素化脱硫触媒およびその製造方法
に関する。
【0002】
【技術背景】炭化水素油は一般に硫黄化合物を含み、そ
れらの油を燃料として使用した場合には、硫黄化合物中
に存在する硫黄が硫黄酸化物に転化し大気中に排出され
る。従って、燃焼した場合の大気の汚染を考慮すれば、
炭化水素油中の硫黄含有量は、できる限り少ないことが
望ましい。硫黄含有量の低減は、炭化水素油を接触水素
化脱硫することによって達成することができる。
【0003】また、環境問題から商品軽油中に含まれる
硫黄分に対する規制がより厳しくなる(従来の0.2w
t%から0.05wt%に規制される)のに伴い、一層
の深度脱硫が要求されており、この領域において難脱硫
性物質とされる4−MDBT(4メチルジベンゾチオフ
ェン)や4,6−DMDBT(4,6ジメチルジベンゾ
チオフェン)が中心となった難脱硫性物質の処理が必要
となっている。
【0004】このような深度脱硫を意図した水素化脱硫
に使用されている触媒は、周期表第VI族(以下、「第
6族」と記す)金属と周期表第VIII族(以下、「第
8族」と記す)金属を活性金属とし、アルミナ、マグネ
シア、シリカ等の酸化物担体上に担持した触媒であり、
一般に、第6族金属としてはMoが用いられ、第8族金
属としてはCoやNiが用いられている。
【0005】また、この触媒すなわちCoMo系あるい
はNiMo系触媒による重質油の水素化脱硫、水素化分
解の活性向上のために、燐、ホウ素等の添加が報告され
ている(特開昭52−13503)。
【0006】さらに、炭化水素油の水素化脱硫のための
第6族、第8族の組合せ系触媒にタングステンを混入さ
せる技術が報告されている(Applied Cata
lysis A:General 109(1994)
195〜210)。しかし、この技術は、重質油の脱ア
スファルテンを主目的としたものであり、軽油の深度脱
硫、さらには難脱硫性物質の脱硫を目的としたものでは
ない。
【0007】加えて、本発明者等は、特願平7−168
296において、CoMoW系あるいはNiMoW系の
触媒を用いることにより、軽油の脱硫において一定レベ
ルの脱硫が達成できることを報告している。この技術を
踏まえ、実装置での触媒量の低減、反応条件の緩和等の
観点から、より一層脱硫活性の高い触媒が提供されるこ
とが望まれている。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記の要請に応えるべく、深
度脱硫領域においてより一層優れた脱硫活性を有する、
軽油の水素化脱硫触媒提供することを目的とする。
【0009】
【発明の概要】本発明者らは、上記目的を達成するため
に検討を重ねた結果、タングステンとリン(以下、
「W」、「P」と記載することもある)が同一触媒内に
担持されることにより、難脱硫性硫黄化合物の水素化脱
硫に効力を発揮することに着目し、(1)Pを予め担持
した担体に、一定の割合で、先ずMoとWを担持させ、
その後にCoおよびNiの双方またはいずれか一方を担
持させるか、(2)一定の割合で、Mo、W、Coおよ
びNiの双方またはいずれか一方、Pを同時に含浸担持
させたところ、(3)特定の平均細孔径を有するもの
が、深度脱硫領域において難脱硫性硫黄化合物をも効果
的に除去し得る、との知見を得た。
【0010】本発明は、上記の知見に基づくもので、無
機酸化物担体に、触媒基準で、コバルトおよびニッケル
の双方またはいずれか一方を酸化物換算で1〜10質量
%、リンを酸化物換算で1〜5質量%、モリブデンを酸
化物換算で10〜25質量%、およびタングステンとモ
リブデンの質量比が酸化物換算で0.01〜0.2とな
るようにタングステンを担持し、かつ触媒の平均細孔径
70〜80Åであって、 〔1〕上記の無機酸化物担体に、1段目でリンを担持
し、2段目でモリブデンとタングステンを担持し、3段
目でコバルトおよびニッケルの双方またはいずれか一方
を担持してなるか、 〔2〕上記の無機酸化物担体に、コバルトおよびニッケ
ルの双方またはいずれか一方、モリブデン、タングステ
ン、リンを1段で同時に担持してな る、 ことを特徴とする軽油の水素化脱硫触媒を要旨とする。
【0011】本発明において、触媒の担体は、結晶性無
機酸化物である。この無機酸化物としては、種々のもの
が使用でき、例えば、シリカ、アルミナ、ボリア、マグ
ネシア、チタニア、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネ
シア、シリカ−ジルコニア、シリカ−トリア、シリカ−
ベリリア、シリカ−チタニア、シリカ−ボリア、アルミ
ナ−ジルコニア、アルミナ−チタニア、アルミナ−ボリ
ア、アルミナ−クロミア、チタニア−ジルコニア、シリ
カ−アルミナ−トリア、シリカ−アルミナ−ジルコニ
ア、シリカ−アルミナ−マグネシア、シリカ−マグネシ
ア−ジルコニア等であり、これらは単独で、あるいは2
種以上を組合せて使用することができる。
【0012】これらの無機酸化物のうち、好ましいもの
としては、アルミナ、シリカ−アルミナ、アルミナ−チ
タニア、アルミナ−ボリア、アルミナ−ジルコニアが挙
げられ、特に好ましくはγ−アルミナである。
【0013】上記の担体(あるいは、上記の担体からな
る本発明の触媒)には、モンモリロナイト、カオリン、
ハロサイト、ベントナイト、アダバルガイト、ボーキサ
イト、カオリナイト、ナクライト、アノーキサイト等の
粘土鉱物を1種以上含ませてもよい。
【0014】これらの無機酸化物からなる担体の比表面
積は、特に限定されるものではないが、250m/g
以上が好ましい。担体の細孔容積も、特に限定されるも
のではないが、0.4〜1.2cc/gが好ましい。担
体の平均細孔径も、特に限定されるものではないが、本
発明の触媒の平均細孔径を60〜90Åとする上で、5
0〜130Åのものを使用することが好ましい。
【0015】本発明の触媒は、上記の担体に、コバルト
およびニッケルの双方またはいずれか一方と、モリブデ
ンと、タングステンと、リンとを、それぞれ特定量で担
持させたものである。
【0016】コバルトおよびニッケルの双方またはいず
れか一方の担持量は、触媒基準で、酸化物換算で、1〜
10質量%、好ましくは3〜7質量%である。コバルト
およびニッケルの双方またはいずれか一方が、1質量%
未満であると、水素化脱硫活性が発現せず、10質量%
より多くても、それに見合う該活性の向上は得られず、
経済的に不利となる。
【0017】リンの担持量は、触媒基準で、酸化物換算
で1〜5質量%、好ましくは1.5〜3質量%である。
リンが少なすぎると、タングステンを効果的に高分散化
させることができず、多すぎると、調製後の触媒の細孔
容積が減少しすぎて、触媒活性が低下する傾向がある。
【0018】モリブデンの担持量は、10〜25質量
%、好ましくは15〜20質量%である。モリブデンが
10質量%より少ないと、活性点として働くモリブデン
の絶対量が少なくなりすぎて、水素化脱硫活性が発現せ
ず、25質量%より多いと、金属モリブデンの凝集が起
こり、逆に活性点の数が減少して、水素化脱硫活性が低
下してしまう。
【0019】タングステンの担持量は、タングステンと
上記のモリブデンとの質量比が、WO:MoO
0.01:1〜0.20:1、好ましくは0.02:1
〜0.1:1、さらに好ましくは0.04:1〜0.0
7:1となるような量とする。WOとMoOとの質
量比(以下、単に「比」と記す)が0.01より少ない
と、前記した難脱硫性物質の核水素化活性が発現せず、
0.2より多いと、担持するタングステンの量が多すぎ
て、リンを上記担持量の範囲の上限値近傍で担持させた
としても、金属タングステンの凝集が生じてしまい、上
記のモリブデンの場合と同様に、活性点の数が減少し
て、水素化脱硫における難脱硫性物質の除去効率が低下
する。
【0020】本発明の触媒において、比表面積および細
孔容積は、触媒として機能することができれば特に限定
されるものではないが、難脱硫性物質を効果的に除去す
るためには、比表面積は200m/g以上、細孔容積
は0.4〜1.2cc/gが好ましい。
【0021】平均細孔径は、70〜80Åとする。平均
細孔径が70Å未満であると、反応物質が細孔内に拡散
し難く、従って難脱硫性物質の核水素化反応が効果的に
生じないばかりか、触媒として機能させるのに必要な物
性(比表面積、細孔容積)を得ようとすると、機械的強
度が不足する等、製造上困難な問題が発生する。
【0022】80Åより大きいと、細孔内への反応物質
の拡散性は良いものの、触媒の有効表面積が小さくなる
ので、やはり難脱硫性物質の除去が困難となる。より詳
細には、深度脱硫反応を行う場合は、生成軽油の色相を
悪化させずに、硫黄分を所定レベル以下まで減少させる
ことが重要であるため、液空間速度を低くした運転を行
うことが多い。この場合には、接触時間が長くなるの
で、平均細孔径が80Åよりも大きい触媒を使用して反
応物質の拡散性を良くする必要は無くなるばかりか、逆
に平均細孔径が90Åより大きい触媒を使用すると、細
孔内に拡散した反応物質と反応表面との接触効果が低下
して、活性の向上が認められなくなる。
【0023】また、触媒の細孔径分布(すなわち、平均
細孔径±15Åの細孔径を有する細孔の割合)は、70
%以上、好ましくは80%以上が適している。細孔径分
布の値が小さく、分布曲線がブロードであると、平均細
孔径が理想的な値であっても、反応に有効な細孔の数が
相対的に少なくなってしまい、高活性な触媒が期待でき
ない。
【0024】上記した本発明の触媒は、以下に詳述す
法により製造したものであることが、特にタングステ
ンの高分散性、延いては触媒の高活性を得る上で重要で
ある
【0025】すなわち、上記の担体に、各成分を、
(1)特定の順序で担持(すなわち、1段目でリンを担
持し、2段目でモリブデンとタングステンを担持し、3
段目でコバルトおよびニッケルの双方またはいずれか一
方を担持する)させる方法(以下、「(1)の方法」と
記す)によるか、あるいは(2)一度に担持させる方法
(以下、「(2)の方法」と記す)によるである。
【0026】上記の各成分の担持方法は、本発明では、
含浸方法採用、(1)の方法においては、各成分の
化合物をそれぞれ溶解した各溶液を含浸させる毎に、乾
燥、焼成を行う。具体的には、1段目でリンの溶液を含
浸させ、乾燥、焼成の後、2段目でモリブデンとタング
ステンの溶液を含浸させ、乾燥、焼成の後、3段目でコ
バルトおよびニッケルの双方またはいずれか一方の溶液
を含浸させ、乾燥、焼成を行う。(2)の方法において
は、上記の各成分を溶解した溶液を含浸させ、乾燥、焼
成を行う。
【0027】上記(1)の方法の含浸順序において、リ
ンの含浸が2段目、あるいは3段目であると、既に担持
したモリブデン、タングステン、コバルトあるいはニッ
ケル上の触媒活性点にリンが選択的に吸着してしまい、
リンによるタングステンの高分散化を得ることができな
いのみならず、むしろ活性の低い触媒となる。従って、
リンは、1段目で含浸するか、あるいはこれらの成分と
同時に含浸することにより、リンによるタングステンの
高分散化を図り、高活性な触媒作用を発現させることが
重要である。
【0028】上記の各成分の化合物において、コバルト
あるいはニッケルの化合物としては、種々の塩が使用で
き、例えば、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸鉛、燐酸塩
等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で、あるいは2
種以上を組合せて使用することができる。
【0029】リンの化合物としては、オルト燐酸、メタ
燐酸、三燐酸、四燐酸、ポリ燐酸等が挙げられ、これら
の燐酸は、単独で、あるいは2種以上を組合せて使用す
ることができる。なお、オルト燐酸を使用することが好
ましい。
【0030】モリブデンの化合物としては、種々のもの
が使用でき、例えば、(NHMo24・4H
Oで表されるモリブデン酸アンモニウム、H(PM
1240)・30HOで表されるモリブドリン
酸、MoOで表される酸化モリブデン等が挙げられ、
これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組合せ
て使用することができる。
【0031】タングステンの化合物としても、種々のも
のが使用でき、例えば、5(NHO・12WO
・11HOで表されるパラタングステン酸アンモニウ
ム、(NH13・8HOで表されるメタ
タングステン酸アンモニウム、HWOで表されるタ
ングステン酸、H(PW1240)・30HOで
表されるタングストリン酸等が挙げられ、これらは、そ
れぞれ単独で、あるいは2種以上を組合せて使用するこ
とができる。
【0032】モリブデン、タングステン、コバルトある
いはニッケル、リンの各含浸用溶液中のこれら各成分の
溶解量(すなわち、各溶液の各成分濃度)は、特に限定
するものではないが、含浸操作および乾燥焼成操作の容
易性を考慮すれば、これら各々の含浸操作における溶媒
の量を、担体100gに対して、50〜150g、好ま
しくは70〜90gとすることが適していることから、
この溶媒量を考慮して、各成分が、焼成後の触媒に対し
て、前述した酸化物換算の量となるような割合とすれば
よい。
【0033】上記各溶液を含浸させる際の各含浸条件
は、特に限定しないが、通常は、上記(1)の方法の各
段、(2)の方法のいずれにおいても、温度は、10〜
100℃、好ましくは10〜50℃、さらに好ましくは
15〜30℃とすることが適しており、時間は、15分
〜3時間、好ましくは20分〜2時間、さらに好ましく
は30分〜1時間が適している。このとき、攪拌を伴う
ことが好ましい。
【0034】また、上記(1)の方法の段、(2)の
方法のいずれにおいても、乾燥と焼成は、次のようにし
て行われる。乾燥は、風乾、熱風乾燥、加熱乾燥、凍結
乾燥等の種々の乾燥方法により行うことができる。焼成
の際の温度は、400〜500℃、好ましくは450〜
500℃が適しており、時間は、2〜10時間、好まし
くは3〜5時間が適している。
【0035】以上の本発明の触媒の形状は、特に限定さ
れるものではなく、通常の触媒形状に用いられる種々の
形状にすることができ、例えば、四葉型や円柱形等を使
用することができる。本発明の触媒の大きさは、通常、
1/10〜1/22インチが適している。
【0036】また、本発明の触媒は、公知の触媒あるい
は公知の無機質酸化物担体と混合して使用してもよい。
【0037】本発明の触媒を使用して水素化脱硫できる
原料油としては、原油の常圧蒸留で得られる直留軽油、
あるいは接触分解装置から生成する分解軽油、減圧蒸留
で得られる減圧軽油等が挙げられ、一般性状的には、沸
点が150〜600℃、好ましくは200〜400℃、
硫黄分量が3質量%以下、好ましくは2.5質量%以
下、密度(15℃)が0.94g/cm以下のものが
好適である。
【0038】本発明の触媒を、商業規模での接触水素化
処理による脱硫装置に使用する場合においては、固定
床、移動床または流動床として使用し、ここに脱硫すべ
き軽油を導入し、高温、高圧(相当の水素分圧)下で、
所望の脱硫を行う。最も一般的には、触媒を固定床とし
て維持し、軽油が該固定床を下方に通過するようにす
る。触媒は、単独の反応器で使用することもでき、さら
に連続した幾つかの反応器で使用することもできる。特
に、原料油が比較的重質の軽油の場合には、多段反応器
を使用するのが好ましい。
【0039】反応の好ましい例としては、軽油を、温度
が約200〜500℃、より好ましくは約250〜40
0℃で、液空間速度が約0.05〜5.0hr−1、よ
り好ましくは約0.1〜4.0hr−1で、水素分圧が
約1〜20MPa、より好ましくは約3〜10MPa
で、触媒と接触させる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明するが、本発明は、これらによって何ら限定さ
れるものではない。
【0041】実施例1 三角フラスコ中で、リン酸3.9gを水75gに溶解さ
せ、撹拌し、燐酸の水溶液を調製した。
【0042】別の三角フラスコ中で、本実施例の最終製
品である触媒中のWO/MoO比が0.05になる
ように、モリブデン酸アンモニウム32.7gとタング
ステン酸1.5gを水75gに溶解させ、さらにモリブ
デン酸アンモニウムとタングステン酸が完全に溶解する
までアンモニア水を加えて攪拌し、モリブデン酸アンモ
ニウムとタングステン酸の混合水溶液を調製した。
【0043】別の三角フラスコ中で、硝酸コバルト27
gを水75gに溶解させ、攪拌し、硝酸コバルトの水溶
液を調製した。
【0044】上記の燐酸水溶液を、ナス型フラスコ中
で、比表面積336m/g、細孔容積0.71cc/
g、平均細孔径85Åのγ−アルミナ担体100gに含
浸した。含浸温度は常温とし、含浸時間は1時間とし
た。この後、乾燥(風乾)し、マッフル炉中で500℃
にて4時間焼成を行い、1段目の含浸担持(燐酸水溶液
の含浸担持)を終了した。
【0045】1段目の含浸担持終了後の触媒に、ナス型
フラスコ中で、モリブデン酸アンモニウムとタングステ
ン酸の混合水溶液を、1段目の含浸操作と同様の条件で
含浸し、1段目の乾燥焼成と同様の条件で乾燥焼成し、
2段目の含浸担持(モリブデンとタングステンの混合水
溶液の含浸担持)を終了した。
【0046】2段目の含浸担持終了後の触媒に、ナス型
フラスコ中で、硝酸コバルト水溶液を1段目の含浸操作
と同様の条件で含浸し、1段目の乾燥焼成と同様の条件
で乾燥焼成し、3段目の含浸担持(コバルト水溶液の含
浸担持)を終了し、触媒Aを製造した。
【0047】実施例2 WO/MoO比が0.01になるように、モリブデ
ン酸アンモニウム32.7gを16.4gに代え、タン
グステン酸1.5gを0.2gに代える以外は実施例1
と同様の方法で触媒Bを製造した。
【0048】実施例3 WO/MoO比が0.20になるように、モリブデ
ン酸アンモニウム32.7gを40.9gに代え、タン
グステン酸1.5gを7.5gに代え、硝酸コバルト2
7gを硝酸ニッケル27gに代える以外は実施例1と同
様の方法で触媒Cを製造した。
【0049】実施例4 WO/MoO比が0.02になるように、タングス
テン酸1.5gを0.6gに代える以外は実施例1と同
様の方法で触媒Dを製造した。
【0050】実施例5 WO/MoO比が0.10になるように、タングス
テン酸1.5gを3.0gに代える以外は実施例1と同
様の方法で触媒Eを製造した。
【0051】実施例6 三角フラスコ中で、燐酸2.0g、WO/MoO
が0.05になるようにモリブドリン酸38.0gとタ
ングストリン酸1.7g、および酢酸コバルト24.1
gを水75gに溶解させ、撹拌し、4成分混合水溶液を
調製した。
【0052】上記の水溶液を、ナス型フラスコ中で、比
表面積336m/g、細孔容積0.71cc/g、平
均細孔径85Åのγ−アルミナ担体100gに含浸し
た。含浸温度は、常温とし、含浸時間は1時間とした。
この後、乾燥(風乾)し、マッフル炉中で500℃にて
4時間焼成を行い、触媒Fを製造した。
【0053】実施例7 燐酸2.0gを10.0gに代える以外は実施例6と同
様の方法で触媒Gを製造した。
【0054】実施例8 燐酸2.0gを3.2gに代える以外は実施例6と同様
の方法で触媒Hを製造した。
【0055】実施例9 燐酸2.0gを6.0gに代える以外は実施例6と同様
の方法で触媒Iを製造した。
【0056】実施例10 WO/MoO比が0.04になるようにタングステ
ン酸1.5gを1.2gに代え、硝酸コバルト27gを
16gに代える以外は実施例1と同様の方法で触媒Jを
製造した。
【0057】実施例11 WO/MoO比が0.07になるようにタングステ
ン酸1.5gを2.1gに代え、硝酸コバルト27gを
38gに代える以外は実施例1と同様の方法で触媒Kを
製造した。
【0058】実施例12 WO/MoO比が0.07になるようにタングステ
ン酸1.5gを2.1gに代え、硝酸コバルト27gを
硝酸コバルト13gに代え、硝酸ニッケル14gに代
え、比表面積が241m/g、細孔容積0.75cc
/g、平均細孔径92Aのγ−アルミナ担体を用いる以
外は実施例1と同様の方法で触媒Lを製造した。
【0059】比較例1 リンの含浸を行わない以外は実施例1と同様の方法で触
媒Mを製造した。
【0060】比較例2 タングステン酸の含浸を行わない以外は実施例1と同様
の方法で触媒Nを製造した。
【0061】比較例3 タングステン酸1.5gを3.0gに、リン酸3.9g
を20gに代える以外は実施例1と同様の方法で触媒O
を製造した。
【0062】比較例4 WO/MoO比が0.005になるようにタングス
テン酸1.5gを0.15gに代える以外は実施例1と
同様の方法で触媒Pを製造した。
【0063】比較例5 WO/MoO比が0.25になるようにタングステ
ン酸1.5gを7.5gに代える以外は実施例1と同様
の方法で触媒Qを製造した。
【0064】比較例6 WO/MoO比が0.13になるようにモリブデン
酸アンモニウム32.7gを13.1gに代える以外は
実施例1と同様の方法で触媒Rを製造した。
【0065】比較例7 WO/MoO比が0.03になるようにモリブデン
酸アンモニウム32.7gを49.1gに代える以外は
実施例1と同様の方法で触媒Sを製造した。
【0066】比較例8 1段目の含浸をコバルトの水溶液、二段目の含浸をモリ
ブデンとタングステンの混合水溶液、3段目の含浸をリ
ンの水溶液とする以外は実施例1と同様の方法で触媒T
を製造した。
【0067】比較例9 比表面積が190m/g、細孔容積0.71cc/
g、平均細孔径101Åのγ−アルミナ担体を用いる以
外は実施例1と同様の方法で行い触媒Uを製造した。
【0068】実施例1〜12および比較例1〜9で製造
した触媒A〜Uの組成を表1に、性状を表2に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】上記実施例および比較例で製造した触媒A
〜Uを用い、軽油の水素化脱硫反応を、表3に示す反応
条件で実施した。
【0072】
【表3】
【0073】触媒の性能評価は、上記の反応条件により
運転し、100時間通油後の硫黄含有量を測定し、下記
の式に基づいて反応速度定数を求め、触媒Mの値を10
0とした相対評価で行った。結果は表4に示した。
【0074】
【数1】
【0075】
【表4】
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、同一触媒内に活性金属
種であるモリブデン、タングステン、タングステンとリ
ンとの相乗効果により、反応条件下、速度定数から求め
た脱硫比活性を、従来触媒に比較して著しく高くするこ
とができる。この結果、本発明では、実際の反応装置を
小規模化でき、触媒量を少なくできる等、安価に硫黄含
有量の少ない燃料油の製造が可能となり、実用上極めて
有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 悦夫 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社 コスモ総合研究所 研究開発センター内 (72)発明者 千代田 修 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社 コスモ総合研究所 研究開発センター内 (72)発明者 井上 仁美 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社 コスモ総合研究所 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 昭52−13503(JP,A) 特開 昭63−123445(JP,A) 特開 昭63−158133(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10G 45/08 C10G 45/50 B01J 27/188

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機酸化物担体に、触媒基準で、コバル
    トおよびニッケルの双方またはいずれか一方を酸化物換
    算で1〜10質量%、リンを酸化物換算で1〜5質量
    %、モリブデンを酸化物換算で10〜25質量%、およ
    びタングステンとモリブデンの質量比が酸化物換算で
    0.01〜0.20となるようにタングステンを担持
    し、かつ触媒の平均細孔径が70〜80Åであって、 前記無機酸化物担体に、1段目でリンを担持し、2段目
    でモリブデンとタングステンを担持し、3段目でコバル
    トおよびニッケルの双方またはいずれか一方を担持して
    ることを特徴とする軽油の水素化脱硫触媒。
  2. 【請求項2】 無機酸化物担体に、触媒基準で、コバル
    トおよびニッケルの双方またはいずれか一方を酸化物換
    算で1〜10質量%、リンを酸化物換算で1〜5質量
    %、モリブデンを酸化物換算で10〜25質量%、およ
    びタングステンとモリブデンの質量比が酸化物換算で
    0.01〜0.20となるようにタングステンを担持
    し、かつ触媒の平均細孔径が70〜80Åであって、 前記無機酸化物担体に、コバルトおよびニッケルの双方
    またはいずれか一方、モリブデン、タングステン、リン
    を1段で同時に担持してなることを特徴とする軽油の水
    素化脱硫触媒
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