JPH06198185A - 水素化脱硫触媒の製法 - Google Patents

水素化脱硫触媒の製法

Info

Publication number
JPH06198185A
JPH06198185A JP4361065A JP36106592A JPH06198185A JP H06198185 A JPH06198185 A JP H06198185A JP 4361065 A JP4361065 A JP 4361065A JP 36106592 A JP36106592 A JP 36106592A JP H06198185 A JPH06198185 A JP H06198185A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
aluminum
periodic table
gel
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4361065A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Oki
勝美 大木
Takashi Fujikawa
貴志 藤川
Etsuo Suzuki
悦夫 鈴木
Osamu Chiyoda
修 千代田
Masato Watanabe
正人 渡辺
Ichiji Usui
一司 薄井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Cosmo Oil Co Ltd
Japan Petroleum Energy Center JPEC
Original Assignee
SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Cosmo Oil Co Ltd
Petroleum Energy Center PEC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER, Cosmo Oil Co Ltd, Petroleum Energy Center PEC filed Critical SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Priority to JP4361065A priority Critical patent/JPH06198185A/ja
Publication of JPH06198185A publication Critical patent/JPH06198185A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水素化脱硫触媒を一定の形状に成形して最密
充填を可能にし、低い反応温度及び反応圧力で、かつ圧
力損失を低くして、高脱硫率を得ることのできる上記触
媒の製造方法を提供する。 【構成】 (a)アルミニウムアルコキシド、アルミニ
ウムキレート化合物、環状アルミニウムオリゴマーのう
ちの少なくとも1つと、(b)周期律表第VIB族金属
の少なくとも1種と、(c)周期律表第VIII族金属
の少なくとも1種との混合物を有機溶媒中において混合
し、これにより生じる有効成分を乾燥してゲルとし、こ
れを焼成して、周期律表第VIB族金属、周期律表第V
III族金属およびアルミニウムを含む複合酸化物から
なる上記触媒を製造する方法であって、前記の焼成前の
ゲルを触媒径:触媒長=1:1〜3の比率となるように
成形し、この成形体を焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来の水素化脱硫触媒
に比べて、脱硫活性が飛躍的に向上した水素化脱硫触媒
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化水素油は、一般に硫黄化合物を含
み、それらの油を燃料として使用した場合には、硫黄化
合物中に存在する硫黄が、硫黄酸化物に転化して大気中
に排出される。このような硫黄化合物を含む炭化水素油
は、燃焼した場合の大気汚染を考慮すれば、硫黄含有量
ができるだけ少ないことが望ましい。この硫黄含有量の
低減化は、炭化水素油を接触水素化脱硫することによっ
て達成することができる。
【0003】最近、酸性雨あるいは窒素酸化物や硫黄酸
化物などに起因する環境問題が地球的規模で取り上げら
れ、現状の技術レベル以上での硫黄分の除去が望まれて
いる。炭化水素油中の硫黄分をより低下させることは、
炭化水素油の接触水素化脱硫反応の際の運転条件、例え
ば、LHSV、温度、圧力を過酷にすることで、ある程
度達成することができる。しかし、このような技法で
は、反応に用いる装置をより耐圧性のものに増強する必
要があるのみならず、触媒上に炭素質が析出し、触媒の
活性を急速に低下させる。特に、炭化水素油が軽質留分
の場合、色相安定性や貯蔵安定性などの性状面での悪影
響も大きい。このように、運転条件での深度な脱硫に
は、限度がある。したがって、最も良い方策は、格段に
優れた脱硫活性を有する触媒を開発することである。
【0004】従来の水素化脱硫触媒を調製する一般的な
方法としては、(1)周期律表第VIII族金属塩、お
よびCrやMoなどの周期律表第VIB族金属塩の水溶
液を担体に含浸させた後、乾燥し、焼成する「含浸
法」、(2)アルミナあるいはアルミナゲルを分散した
水溶液中に、周期律表第VIB族金属塩および周期律表
第VIII族金属塩の水溶液を加え、金属化合物を沈澱
させる「共沈澱法」、(3)アルミナあるいはアルミナ
ゲル、周期律表第VIB族金属塩および周期律表第VI
II族金属塩の水溶液の混合ペーストを混練しながら加
熱し、水分除去を行う「混練法」、が知られている
(「触媒調製化学」尾崎萃編、講談社サイエンティフィ
ック、205頁〜252頁)。
【0005】しかし、これらの方法では、比較的多量の
金属化合物を分散良く担体上に担持させることが困難で
ある。たとえ過剰の触媒金属化合物を担体に担持させる
ことができたとしても、これらの方法では、触媒の比表
面積を減少させるため、触媒の脱硫活性向上に限界があ
る。
【0006】そこで、本発明者らは、接触水素化脱硫反
応の際の運転条件の過酷度を上げることなく、生成油の
硫黄含有量を、例えば、軽油で0.05wt%程度、V
GOで0.08〜0.10wt%程度、常圧残油で0.
6〜0.8wt%程度にまで低減することのできる水素
化脱硫触媒として、先の出願において、第VIII族金
属、第VIB金属およびアルミニウムを含む金属酸化物
の複合物であって、その金属量が従来の水素化脱硫触媒
に比して、はるかに高い触媒と、その製造法とを提案し
た(特開昭3−275142号公報参照−以下、この提
案を「先願」と記す−)。この触媒は、X線回折パター
ンにおいて実質的にγ−Alのピークを示さず、
また活性金属を多量に含有するにもかかわらず、高い表
面積をも有するため、運転条件を過酷にすることなく、
通常の運転条件下で、極めて高い脱硫活性を示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の炭化
水素油の脱硫技術の分野においては、それほど高度な脱
硫が要求されなたっかことから、これに使用される水素
化脱硫触媒も、ラフな成形方法により製造されるのが一
般的である。すなわち、上記した本発明者らによる先願
の方法の場合では、原料(第VIII族金属、第VIB
金属およびアルミニウム源)を溶媒中で混合して得られ
る有効成分を取り出し、乾燥してゲル化させ、これを長
尺紐状体に押出成形した後、焼成し、適宜の手段にて破
砕する方法であって、所定の大きさのもののみを製品触
媒とする方法である。
【0008】しかし、このようなラフな成形方法による
触媒の場合、形が一定でないことから、反応装置への最
密充填が不可能である。触媒の最密充填が不可能な場
合、言い換えれば触媒が不規則に充填されている場合、
反応効率が低く、所望の脱硫率を得るためには、反応温
度や反応圧力を高くする必要があり、通常の運転条件下
でも高い脱硫活性を示すと言う先願の水素化脱硫触媒の
特性を十分に生かすことができない。
【0009】しかも、粒子形状の固体触媒を必要とする
特定の反応(例えば、炭化水素油の脱硫反応)において
は、反応原料(炭化水素油など)が触媒粒子に入る際の
拡散速度と、反応生成物(脱硫された製品炭化水素油)
が触媒粒子を出る際の拡散速度とにより、反応効率(脱
硫率)が制限されることが知られている。したがって、
触媒粒子の表面積/体積の比率が高い値を示すような形
状に触媒粒子を成形することが有利である。このような
高表面積/体積比は、上記したラフな成形方法であって
も、粒子寸法を小さくすること(すなわち、より細かく
破砕すること)で達成することができる。しかし、余り
小さくしすぎると、触媒層における圧力損失が高くなる
ため、粒子寸法には事実上制限(下限値)が存在する。
【0010】本発明は、以上の諸点を考慮し、上記した
本発明者らによる先願の水素化脱硫触媒を、該触媒が有
している優れた特性を損なうことなく使用することがで
きるように製造する方法を提案することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、上
記目的を達成するために、(a)アルミニウムアルコキ
シド、アルミニウムキレート化合物、環状アルミニウム
オリゴマーのうちの少なくとも1つと、(b)周期律表
第VIB族金属の少なくとも1種と、(c)周期律表第
VIII族金属の少なくとも1種との混合物を有機溶媒
中において混合し、この混合によって生じる有効成分を
乾燥してゲルとし、これを焼成して、周期律表第VIB
族金属、周期律表第VIII族金属およびアルミニウム
を含む複合酸化物からなる水素化脱硫触媒を製造する方
法であって、前記の焼成前のゲルを触媒径:触媒長=
1:1〜3の比率となるように成形し、この成形体を焼
成することを特徴とする。
【0012】本発明の製造方法においては、上記の
(a),(b),(c)成分を溶媒中にて混合し、その
有効成分を乾燥し、さらに焼成するもので、これにより
製造される触媒は、実質上周期律表第VIB族金属、周
期律表第VIII族金属およびアルミニウムよりなる複
合酸化物である。上記(a),(b),(c)の3成分
の混合は、これらの3成分の1種または2種を含む2種
または3種の原料溶液を混合することが好ましく、その
態様としては、例えば、後述する「A法」〜「D法」な
どがある。なお、上記(b),(c)の2成分の化合物
は、原料溶液の調製に用いる溶媒(水または有機溶媒)
に可溶なものであればどのような化合物でもよい。
【0013】「A法」:先ず、上記(a)成分と上記
(b)成分とを、これらを溶解し得る有機溶媒に溶解し
た溶液を、一定時間混合攪拌し、均一溶液とする。次い
で、この均一溶液に上記(c)成分の水溶液を加えて混
合し、これによって生じる有効成分を乾燥し、焼成す
る。
【0014】「B法」:先ず、上記(a)成分と上記
(c)成分とを、これらを溶解し得る有機溶媒に溶解し
た溶液を、一定時間混合攪拌し、均一溶液とする。次い
で、この均一溶液に上記(b)成分の水溶液を加えて混
合し、これによって生じる有効成分を乾燥し、焼成す
る。
【0015】「C法」:(a)成分を、これを溶解し得
る有機溶媒に溶解した溶液に、(b)成分と(c)成分
の混合水溶液を加えて混合し、これによって生じる有効
成分を乾燥し、焼成する。
【0016】「D法」:先ず、(a)成分と(b)成分
と(c)成分とを、これらを溶解し得る有機溶媒に溶解
した溶液を、一定時間混合攪拌し、均一溶液とする。次
いで、この均一溶液に水を加えて混合し、これにより生
じる有効成分を乾燥し、焼成する。
【0017】本発明においては、アルミニウムアルコキ
シド、アルミニウムキレート化合物、環状アルミニウム
オリゴマーの少なくとも1つを必須成分(すなわち、
(a)成分、以下、「アルミニウム成分」と記すことも
ある)として用いるが、これらのアルミニウム成分の1
部に代えて、ケイ素、チタン、ジルコニウム、ホウ素、
ガリウム、マグネシウム、ハフニウムのアルコキシド、
キレート化合物、環状オリゴマー(以下、これらを「代
替成分」と記すこともある)から選ばれる少なくとも1
種を用いることもできる。その代替割合は、どのような
割合でもよいが、一般には、酸化物換算で、アルミニウ
ム成分90〜95重量部に対し、代替成分5〜10重量
部がよい。
【0018】アルミニウムアルコキシドとしては、どの
ようなアルミニウムアルコキシドも使用可能であるが、
乾燥などの容易さからアルコキシ基の炭素数が1〜5の
アルコキシドが好ましい。具体的には、アルミニウムメ
トキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソ
プロポキシド、アルミニウム−n−ブトキシド、アルミ
ニウム−sec−ブトキシドなどを挙げることができ
る。これらのアルミニウムアルコキシドは、チーグラー
法により調製したものを用いることができる。
【0019】アルミニウムキレート化合物としては、市
販品のアルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロ
ピレート、アルミニウムアセトアセテートジブトキシ
ド、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、ア
ルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルア
セトネートなどが使用できる。
【0020】環状アルミニウムオリゴマーは、公知の方
法、例えば、アルミニウムアルコキシドを部分的に加水
分解することなどにより得ることができる。このように
して得られる環状アルミニウムオリゴマーは、一般に、
環状アルミニウムオキサイドアルキレートと呼ばれ、化
1の一般式で示される。
【0021】
【化1】
【0022】化1の式において、Rはアルキル基であ
り、炭素数2〜4のアルキル基が好ましく、特にイソプ
ロピル基であることが好ましい。
【0023】化1の一般式で示される環状アルミニウム
オキサイドアルキレートは、さらにステアリン酸などの
種々の脂肪酸と反応させると、化2の一般式で示される
脂肪酸型となった環状アルミニウムオリゴマーとするこ
とができる。
【0024】
【化2】
【0025】化2の式において、R′は1価の脂肪族炭
化水素基であり、好ましくは炭素数13〜19の1価の
脂肪族炭化水素基であり、特に炭素数17の1価の脂肪
族炭化水素基が好ましく、これは一般に環状アルミニウ
ムオキサイドステアレートと呼ばれている。
【0026】本発明の(b)成分である周期律表第VI
B族金属は、好ましくはクロム、モリブデン、タングス
テンであり、さらに好ましくはモリブデン、タングステ
ンを用いる。これらの第VIB族金属の化合物は、前述
のとおり、有機溶媒または水に可溶であることが必要で
あり、例えば、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、アルコキシ
ド、アセチルアセトナート、これら金属の酸のアンモニ
ウム塩などが用いられる。なお、第VIB族金属化合物
を水溶液として用いる場合には、例えば、パラモリブデ
ン酸アンモニウム、重クロム酸アンモニウム、パラタン
グステン酸アンモニウムなどをイオン交換水に溶解させ
たものが好ましい。
【0027】本発明の(c)成分である周期律表第VI
II族金属は、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、
ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金
の全てを用いることができるが、好ましくは鉄族金属の
コバルト、ニッケルを用いる。これらの第VIII族金
属の化合物も、前述のとおり、有機溶媒または水に可溶
であることが必要であり、例えば、硝酸塩、塩化物、酢
酸塩、アルコキシド、アセチルアセトナート、これら金
属の酸のアンモニウム塩などが用いられる。なお、第V
III族金属化合物を水溶液として用いる場合には、例
えば、硝酸コバルト6水和物、塩化コバルト6水和物、
硝酸ニッケル6水和物、塩化ニッケル6水和物などをイ
オン交換水に溶解させたものが好ましい。
【0028】以上の(a),(b),(c)成分を溶解
させるための有機溶媒は、これらを均一溶液としたり、
後のゲル化などを円滑にするために用いられる。これら
の有機溶媒は、(a)〜(c)成分を溶解し得るもので
あればよく、アルコール類、エーテル類、ケトン類、芳
香族類を用いることができ、好ましくは、アセトン、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プ
ロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、
sec−ブタノール、ヘキサノール、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどが挙げられ、これらは単独で、また
は混合して使用することができる。なお、これらの有機
溶媒の使用量は、(a),(b),(c)各成分が溶解
するに十分な量であればよい。
【0029】前述のA法〜D法における(a)〜(c)
成分の混合割合は、酸化物として触媒基準で、(b)成
分は約10〜60重量%、好ましくは約3〜20重量%
であり、(c)成分は約3〜20、好ましくは約5〜1
8重量%であり、(a)成分は、〔100−(b)成分
−(c)成分〕重量%である。
【0030】なお、以上のA法〜D法において、各種の
有機溶媒混合液に(b),(c)成分の水溶液を混合す
る場合、あるいは(b),(c)成分の水溶液を調製す
る場合、リン酸、硝酸、塩酸などの酸、好ましくはリン
酸を添加することにより、(b),(c)成分の溶解性
が良好となったり、製品触媒の強度が高められるなどの
効果を奏することができる。酸の添加量は、微量でよ
く、好ましくは、酸化物換算で、(a)成分からもたら
されるアルミナに対し、約0.5〜5重量%とすること
が適している。多すぎると、製品触媒の活性が低下する
のみならず、強度はそれほど向上せず、不経済となる。
【0031】以上の(a)〜(c)成分の混合方法は、
A法〜D法において、通常の攪拌方法を用い、均一にな
るまで充分に攪拌すればよい。このときの温度条件は、
好ましくは約20〜300℃、さらに好ましくは約50
〜200℃であり、この程度の温度条件であれば、通
常、十数分〜約1時間の攪拌で均一溶液となる。
【0032】なお、A法〜D法において、各種の有機溶
媒混合液に(b),(c)成分の水溶液や水を添加する
場合は、好ましくは徐々に行い、さらに好ましくは滴下
による方法がよい。一度に添加すると、反応が十分に行
われず、したがって得られる触媒は、各々の金属酸化物
の分布が不均一となり好ましくない。
【0033】以上のようにして(a)〜(c)成分を溶
媒(有機溶媒や水)中で混合することにより、有効成分
が生成する。さらに攪拌を続けると、スラリー状とな
る。スラリー状となった有効成分を取り出す方法として
は、どのような方法でもよく、例えば、圧搾式のフィ
ルタープレスを用い、圧搾により溶媒を除去する方法、
ロータリーエバポレーターを用い、減圧、加熱下で溶
媒を除去する方法、濾紙による濾過で溶媒を除去する
方法などがある。
【0034】上記のようにして得られたゲルを、触媒
径:触媒長=1:1〜3の比率となるように成形する。
本発明において、触媒径:触媒長=1:1〜3の比率と
するのは、次のような理由による。すなわち、先ず、触
媒径は、あまり小さすぎると、圧損が大きくなって水素
などの原料成分が流れ難くなり、逆にあまり大きすぎる
と、嵩密度が大きくなって触媒を多量に充填することが
できなくなるため、1/22〜1/14インチ程度とす
ることが好ましい。次いで、このような触媒径におい
て、嵩密度を小さくするために、触媒長を、触媒径に対
して1〜3の比率とするのである。このような触媒径と
触媒長とすれば、(イ)触媒の粒度を小さくしないで、
表面積/体積の比率を高くすることができ、(ロ)最密
充填により、多量の触媒を充填させることができ、
(ハ)触媒の機械的強度を向上させて、触媒寿命を延長
させることができ、(ニ)通常の水素化脱硫触媒の製造
に採用されている成形装置を使用することができ、設備
コスト的にも問題ないなどの効果を得ることができる。
【0035】また、上記の比率範囲内にあれば、触媒形
状として種々のものを採用することができる。例えば、
断面が円形、三角形、四角形、その他の多角形、三つ葉
形、四葉形、ダイヤモンド形、ハート形、スペード形、
L字形、コ字形、ヨ字形、リング形(中空)などの柱状
体が挙げられる。これらのうち、断面が三つ葉形、四葉
形、ハート形、スペード形、L字形、コ字形、ヨ字形、
リング形(中空)など特殊な形状のものは、体積当たり
の外表面積が大きくなるため、触媒活性は向上するが、
機械的強度が低くなるため、運搬や充填などの際には破
壊しないような注意を要する。
【0036】さらに、以上のような寸法、形状に成形す
る方法としては、特に制限されず、各種の方法が採用で
きる。例えば、ゲルを、所定の断面形状に成形し得る押
出機から押出した直後、あるいは押出後から焼成装置へ
の装填前までの適宜の時点(ただし、ゲルが可塑性を有
している間)で、所定の長さに裁断する方法が採用され
る。このときの裁断手法としては、(α)押出機の出口
(ダイス)部に回転板を取り付けておき、該回転板を所
定の速度で回転させて出口を一定の間隔で開閉させるこ
とにより、所定長さに押出し裁断する方法、(β)押出
機の出口(ダイス)部近傍にピアノ線を回転可能に取り
付けておき、該ピアノ線を一定の速度で回転させて、押
出し直後に所定の長さに裁断する方法、(γ)押し出さ
れたものを、レーザー光、圧搾空気、ナイフなどで所定
長さに裁断する方法などが採用される。
【0037】以上のような成形に際して、ゲルは、焼成
重量減少(以下、「LOI」と記す)が約55〜80%
のものを使用することが、成形性を良好にする上で、ま
た製品触媒の物性(表面積、細孔容積、側面破壊強度な
どの触媒強度)を良好にする上で好ましい。LOIを上
記範囲に調整する方法として、前述の〜のようにし
てゲルを得る際の条件を調整する方法(本発明者らによ
る同日付けの特許願「炭化水素油用水素化脱硫触媒の製
法」参照)の他に、得られたゲルに焼成後の触媒(説明
の便宜上、以下、「焼成触媒」と記す)の粉末を添加す
る方法(本発明者らによる同日付けの特許願「水素化脱
硫触媒の製造法」参照)がある。
【0038】なお、LOIは、実際には、焼成前のゲル
の重量αと焼成後の製品触媒の重量βとから、LOI=
100−(β/α)×100(%)の式により算出され
るものである。したがって、この式からLOIが約55
〜80%となるように、前述の〜の条件を調整した
り、ゲルの重量(α1)に見合った焼成触媒の粉末の重
量(α2)を添加すればよい。
【0039】さらに、上記の焼成触媒の粉末としては、
本発明で得られる製品触媒を粉砕したものを使用しても
よいし、この製品触媒を得る工程あるいは先願や別途提
案の製造工程で派生的に生じる微粉末(例えば、ゲルを
長尺紐状に成形し、これを焼成した後、適宜の手段で破
砕して適当な大きさのもののみを製品触媒とするが、製
品触媒になり得ないほど微細に破砕されてしまったもの
など)などを使用することもできる。これら以外にも、
(a)〜(c)成分から得られる複合酸化物からなる水
素化脱硫触媒の粉末であれば、どのようなものも使用す
ることができる。ただし、添加されるゲルから得られる
焼成触媒の組成に近似した組成を有する焼成触媒の粉末
を添加することが好ましい。
【0040】以上のようにしてLOIが調整され、以上
のようにして成形されたゲルの成形体は、必要に応じて
空気中にて、約200〜800℃の温度で、約1〜24
時間焼成することにより、水素化脱硫触媒となる。
【0041】このようにして製造される水素化脱硫触媒
は、従来のものに比べ、はるかに高い量の活性金属を含
有しているのみならず、高い量の活性金属を含有する割
には大きい表面積と細孔容積とを有し、かつ高い側面破
壊強度などの触媒強度をも有している。
【0042】因みに、本発明で得られる触媒は、前述し
たように、本発明者らによる先願に係る水素化脱硫触媒
であって、X線回折パターンにおいて実質的にγ−Al
のピークを示さず、従来の一般的な含浸法で得ら
れるX線回折パターンにおいてγ−Alのピーク
を示す触媒とは、構造が異なり、その詳細な作用につい
ては明らかではないが、本発明で得られる触媒が高活性
であるのは、この構造の違いに起因するものと思われ
る。参考までに、本発明で得られる触媒と従来の含浸法
で得られる触媒の通常の条件下でのX線回折パターン
を、図1および図2に示す。図1が本発明で得られる触
媒〔組成(大略):CoO15wt%,MoO45w
t%,Al40wt%〕のX線回折パターン、図
2が従来法で得られる触媒〔組成(大略):CoO5w
t%,MoO15wt%,Al80wt%〕の
X線回折パターンである。
【0043】また、本発明で得られる触媒は、必要に応
じて、約150〜700℃の条件下で硫化処理を行い活
性化した後に、水素化脱硫反応に用いられる。
【0044】この水素化脱硫触媒は、例えば、Sock
Loading法、DenseLoading法など
により最密充填が可能であり、従来の水素化脱硫触媒に
比して、かなり多量に(一般には、10〜15%程度多
量に)、しかも圧力損失なしに、充填することができ
る。
【0045】
【実施例】
実施例1 反応容器中で、アルミニウム−iso−プロポキシド4
3.63kgと、コバルトアセチルアセトナート9.5
kgとを、iso−プロパノール440kgに溶解させ
た溶液を、80℃で、1時間攪拌した。また、別に、モ
リブデン酸アンモニウム13.35kgを、イオン交換
水81.4kgの中で、攪拌し、溶解させた。上記のi
so−プロパノール溶液を50℃に冷却し、ラインミキ
サー中に、このiso−プロパノール溶液と、上記のモ
リブデン酸アンモニウム水溶液とを、それぞれ90リッ
トル(以下、「L」と記す)/h、30L/hの速度で
滴下した。ここで1時間攪拌を行った後、80℃に昇温
し、3時間の熟成を行った。その後、再び、ラインミキ
サーにかけて1.5時間攪拌を行った。生成したスラリ
ーを、圧搾式フィルタープレスを用い、圧力15kg/
cmで、120分間の濾過濃縮を行い、可塑性のある
ゲルとした。なお、このゲルのLOIは、67%であっ
た。
【0046】このゲルを、前述の(β)の方法で、押出
し直後に裁断して成形した。すなわち、押出機のダイス
部の直後に、モーターに接続させた直径0.15mmの
ピアノ線を回転可能に取り付け、該ピアノ線を一定の速
度で回転させて、直径1・61mmまたは2.01mm
に押し出される円柱形を、長さ3〜3.5mmとなるよ
うに裁断して、2種類の寸法の円柱形成形体を調製し
た。これら2種類の成形体を、空気中で、500℃で、
4時間焼成したところ、直径1/20インチ×長さ2.
5〜3.5mmと、直径1/16インチ×長さ2.5〜
3.5mmとの2種類の大きさの円柱形であって、かつ
CoO(15wt%)−MoO(45wt%)−Al
(40wt%)の組成を有する複合金属酸化物か
らなる水素化脱硫触媒を得た。
【0047】これら2種類の水素化脱硫触媒の嵩密度
(以下、「CBD」と記す)、充填量、および側面破壊
強度(以下、「SCS」と記す)を測定した。この結果
を表1に、「本発明触媒1」および「本発明触媒2」と
して示す。なお、充填量は、上記のゲルを、直径1.6
1mmまたは2.01mmの長尺紐状体に押出成形した
後、焼成し、適宜の手段(本実施例では、機械的破砕)
にて破砕して得た水素化脱硫触媒(以下、「比較触媒
1」および「比較触媒2」と言う)を、同体積の容器内
に、Sock Loading法で最密充填したときの
量(100%)を基準にして示した。また、参考のため
に、比較触媒1および比較触媒2の粒度分布、CBS、
SCSをも、表1に併せて示す。さらに、比較触媒1お
よび比較触媒2を、それぞれ触媒長が1.5〜4.5m
mのみのものに篩分けしたときの粒度分布、CBS、S
CSおよび充填量(上記の基準による)をも、参考のた
めに、比較触媒11および比較触媒21として、表1に
併せて示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1から明らかなように、本発明により成
形された触媒1,2によれば、従来のラフな成形方法に
より成形された比較触媒1,11,2,21に比して、
CBDが大きくなり、最密充填法で充填した場合の充填
量が5%もアップし得ることが判る。この結果として、
本発明により成形される触媒では、反応効率が向上し、
反応温度や反応圧力を高くすることなく、所望の脱硫率
を得ることができるため、触媒寿命が延長し得ることが
期待できる。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により成形
される触媒によれば、次のような効果を奏することがで
きる。 (1)反応装置への最密充填が可能であり、反応効率が
高く、所望の脱硫率を低い反応温度および低い反応圧力
で得ることができ、通常の運転条件下でも高い脱硫活性
を示すと言う先願の水素化脱硫触媒の特性を十分に生か
すことができる。 (2)高い表面積/体積の比率をも有しており、圧力損
失を低く抑えたままで、高い脱硫率を得ることができ
る。 (3)工業上必要な充填量や充填密度に耐える高い側面
破壊強度などの触媒強度を有する。 (4)これらにより、触媒寿命が大幅に延長し、経済的
効果が莫大となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で得られる触媒のX線回折パターンを示
す図である。
【図2】従来の含浸法で得られる触媒のX線回折パター
ンを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千代田 修 埼玉県幸手市権現堂1134−2 (72)発明者 渡辺 正人 神奈川県横浜市鶴見区岸谷4−22−24 (72)発明者 薄井 一司 千葉県野田市岩名1−62−10

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アルミニウムアルコキシド、アル
    ミニウムキレート化合物、環状アルミニウムオリゴマー
    のうちの少なくとも1つと、(b)周期律表第VIB族
    金属の少なくとも1種と、(c)周期律表第VIII族
    金属の少なくとも1種との混合物を有機溶媒中において
    混合し、この混合によって生じる有効成分を乾燥してゲ
    ルとし、これを焼成して、周期律表第VIB族金属、周
    期律表第VIII族金属およびアルミニウムを含む複合
    酸化物からなる水素化脱硫触媒を製造する方法であっ
    て、前記の焼成前のゲルを触媒径:触媒長=1:1〜3
    の比率となるように成形し、この成形体を焼成すること
    を特徴とする水素化脱硫触媒の製法。
JP4361065A 1992-12-30 1992-12-30 水素化脱硫触媒の製法 Pending JPH06198185A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4361065A JPH06198185A (ja) 1992-12-30 1992-12-30 水素化脱硫触媒の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4361065A JPH06198185A (ja) 1992-12-30 1992-12-30 水素化脱硫触媒の製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06198185A true JPH06198185A (ja) 1994-07-19

Family

ID=18472052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4361065A Pending JPH06198185A (ja) 1992-12-30 1992-12-30 水素化脱硫触媒の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06198185A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6325919B1 (en) 1997-10-14 2001-12-04 Japan Energy Corportion Catalyst support, catalyst, reactor for hydrogenation reaction, and catalytic reaction method
JP2005000873A (ja) * 2003-06-13 2005-01-06 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 炭化水素の水素化処理触媒組成物の製造方法
JP2007022922A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Tonen Chem Corp カルボニル化合物の製造法
JP2008142607A (ja) * 2006-12-08 2008-06-26 Chiyoda Corp 金属担持触媒の製造方法
JP2008142643A (ja) * 2006-12-11 2008-06-26 Chiyoda Corp 金属担持触媒の製造方法
US8821715B2 (en) 2011-05-24 2014-09-02 Saudi Arabian Oil Company Electrochemical promotion of catalysis in hydrodesulfurization processes
JP2016117014A (ja) * 2014-12-19 2016-06-30 住友化学株式会社 触媒の充填方法
US9718046B2 (en) 2011-05-24 2017-08-01 Saudi Arabian Oil Company Bimetallic titania-based electrocatalysts deposited on ionic conductors for hydrodesulfurization reactions

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6325919B1 (en) 1997-10-14 2001-12-04 Japan Energy Corportion Catalyst support, catalyst, reactor for hydrogenation reaction, and catalytic reaction method
JP2005000873A (ja) * 2003-06-13 2005-01-06 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 炭化水素の水素化処理触媒組成物の製造方法
JP2007022922A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Tonen Chem Corp カルボニル化合物の製造法
JP2008142607A (ja) * 2006-12-08 2008-06-26 Chiyoda Corp 金属担持触媒の製造方法
JP2008142643A (ja) * 2006-12-11 2008-06-26 Chiyoda Corp 金属担持触媒の製造方法
US8821715B2 (en) 2011-05-24 2014-09-02 Saudi Arabian Oil Company Electrochemical promotion of catalysis in hydrodesulfurization processes
US9718046B2 (en) 2011-05-24 2017-08-01 Saudi Arabian Oil Company Bimetallic titania-based electrocatalysts deposited on ionic conductors for hydrodesulfurization reactions
JP2016117014A (ja) * 2014-12-19 2016-06-30 住友化学株式会社 触媒の充填方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7964524B2 (en) Hydroconversion multi-metallic catalyst and method for making thereof
AU2010241967B2 (en) Hydroconversion multi-metallic catalyst and method for making thereof
US8383543B2 (en) Hydroconversion multi-metallic catalyst and method for making thereof
US8080492B2 (en) Hydroconversion multi-metallic catalyst and method for making thereof
CA2391793C (en) Hydrofining catalyst and hydrofining process
US8058203B2 (en) Hydroconversion multi-metallic catalyst and method for making thereof
US7964526B2 (en) Hydroconversion multi-metallic catalyst and method for making thereof
JPH06198185A (ja) 水素化脱硫触媒の製法
US7931799B2 (en) Hydroconversion multi-metallic catalyst and method for making thereof
JP2556341B2 (ja) ヒドロゲルから作成した水添処理触媒の製造方法および製造された触媒
RU2623432C1 (ru) Способ приготовления носителя для катализатора гидроочистки нефтяных фракций
JPH06226101A (ja) 炭化水素油の水素化脱硫触媒の製造方法
JP3106761B2 (ja) 炭化水素油の水素化脱硫脱窒素用触媒及びその製造方法
JPH06198184A (ja) 水素化脱硫触媒の製造法
JPH06198186A (ja) 炭化水素油の水素化脱硫触媒の製造法
JP2789489B2 (ja) 炭化水素油用水素化脱硫触媒組成物およびその製法ならびにそれを用いる水素化脱硫法
JPH0576766A (ja) 炭化水素油の水素化脱硫用触媒の製造方法
JPH06198183A (ja) 炭化水素油用水素化脱硫触媒の製法
JPH0576765A (ja) 炭化水素油の水素化脱硫触媒組成物の製造法
JPH0813328B2 (ja) 炭化水素油の水素化処理用触媒組成物及びそれを使用する水素化脱硫方法
JPH0813329B2 (ja) 炭化水素油の水素化脱硫触媒組成物の製造方法
JPH0576764A (ja) 炭化水素油用水素化脱硫触媒組成物の製造方法
JPH0576763A (ja) 炭化水素油用水素化脱硫触媒組成物の製造法