JPH0576763A - 炭化水素油用水素化脱硫触媒組成物の製造法 - Google Patents

炭化水素油用水素化脱硫触媒組成物の製造法

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JPH0576763A
JPH0576763A JP3269974A JP26997491A JPH0576763A JP H0576763 A JPH0576763 A JP H0576763A JP 3269974 A JP3269974 A JP 3269974A JP 26997491 A JP26997491 A JP 26997491A JP H0576763 A JPH0576763 A JP H0576763A
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catalyst
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JP3269974A
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English (en)
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Ichiji Usui
一司 薄井
Etsuo Suzuki
悦夫 鈴木
Katsumi Oki
勝美 大木
Takashi Fujikawa
貴志 藤川
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SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Cosmo Oil Co Ltd
Japan Petroleum Energy Center JPEC
Original Assignee
SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Cosmo Oil Co Ltd
Petroleum Energy Center PEC
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 活性金属である第6B族金属および第8族金
属成分を極めて高い濃度で含有しながら表面積や細孔容
積等の物理特性に優れ高い脱硫活性を長期間に亘って維
持できる脱硫触媒の新しい製造法を与える。 【構成】 有機溶媒と(a)環状アルミニウムオリゴマ
ーの均一液相に、さらに(b)第6B族金属の化合物お
よび(c)第8族金属の化合物を共存せしめ、水の存在
下攪拌することにより有効成分である沈澱を生ぜしめ、
この沈澱を乾燥、焼成することからなる炭化水素油用水
素化脱硫触媒組成物の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は従来の触媒に較べて、飛
躍的に脱硫活性を向上させた水素化脱硫触媒組成物の製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化水素油は一般に硫黄化合物を含み、
それらの油を燃料として使用した場合には、硫黄化合物
中に存在する硫黄は硫黄酸化物に転化して大気中に排出
される。これらの硫黄化合物を含む炭化水素油は、燃焼
した場合の大気の汚染を考慮すれば硫黄含有量ができる
限り少ないことが望ましい。これは炭化水素油を接触水
素化脱硫することによって達成することができる。
【0003】酸性雨や窒素酸化物等の環境問題が地球規
模で取り上げられている昨今、現状の技術レベル以上の
更なる硫黄分の除去が望まれている。炭化水素油中の硫
黄分をより低下させるには、水素化脱硫の運転条件、例
えば、LHSV、温度、圧力を過酷にすることである程
度、達成することができる。しかし、このような方法
は、触媒上に炭素質が析出し、触媒の活性を急速に低下
させる。特に、炭化水素油が軽質留分の場合、色相安定
性や貯蔵安定性等の性状面への悪影響もある。このよう
に、水素化脱硫操作における運転条件を苛酷にすること
による深度な脱硫には限度がある。したがって、最も良
い方策は、格段に優れた脱硫活性を有する触媒を開発す
ることである。
【0004】ところで、従来、水素化脱硫触媒調製の一
般的方法としては、周期律表第8族金属塩及び周期律表
第6B族金属塩の水溶液を担体に含浸させた後、乾燥及
び焼成するいわゆる「含浸法」、アルミナあるいはアル
ミナゲルを分散した水溶液中に、周期律表第6B族金属
塩の水溶液及び周期律表第8族金属塩の水溶液を加え、
金属化合物を沈澱させる「共沈澱法」、さらに、アルミ
ナあるいはアルミナゲル、周期律表第6B族金属塩の水
溶液及び周期律表第8族金属塩の水溶液の混合ペースト
を混練しながら加熱、水分除去を行う「混練法」がある
(「触媒調製化学」、尾崎萃講談社サイエンティフィ
ク、250頁〜252頁)。
【0005】しかし、これらの方法では比較的多量の金
属化合物を分散性よく担体上に担持させることが困難で
ある。たとえ過剰の触媒金属化合物を担体に担持させた
としても、触媒の比表面積を減少せしめるため触媒の脱
硫活性向上に限界があるという問題があった。すなわ
ち、これまでは、比較的多量の活性金属の含有が可能で
ある旨の記載があったとしても、現実に使用できる金属
量の限界値はせいぜいCoO含有量約5〜8wt%、Mo
3含有量19〜20wt%であった。
【0006】脱硫率を考えてみても、従来の触媒を使用
する限り、例えば軽油の水素化脱硫の場合、原料油の硫
黄分1.3wt%の軽油を液空間速度4hr-1、反応温度3
50℃、水素化圧力35kg/cm2の反応条件下で接触水
素化脱硫を行ったとき、生成油の硫黄含有量をせいぜい
0.13〜0.19wt%とするのが限界である。また、
減圧軽油(VGO)の水素化脱硫の場合、原料油の硫黄
分2.50wt%のVGOを液空間速度0.4hr-1、反応
温度350℃、水素化圧力52kg/cm2の反応条件下で
接触水素化脱硫を行ったとき、生成油の硫黄含有量をせ
いぜい0.15〜0.18wt%とするのが限界である。
さらに、常圧残油の水素化脱硫の場合、原料油の硫黄分
3.8wt%の常圧残油を液空間速度1.0hr-1、反応温
度361℃、水素化圧力150kg/cm2の反応条件下で
接触水素化脱硫を行ったとき、生成油の硫黄含有量をせ
いぜい0.9〜1.0wt%とするのが限界である。
【0007】上記の生成油の硫黄含有量が軽油で0.0
5〜0.09wt%、VGOで0.08〜0.10wt%、
常圧残油で0.6〜0.8wt%にまで苛酷度を上げない
で容易に脱硫できれば、運転の苛酷度を上げる必要がな
いため触媒の寿命等の点で極めて経済的であるばかりで
なく、これらの燃料油を用いれば、大気汚染を抑制でき
るという多大なメリットが生まれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、本発明者らが先の出願(特願平2−746
22)で開示した新規な触媒、すなわち多量の活性金属
の含有が可能で、広い表面積を有し、通常の運転条件下
で極めて高い脱硫活性を示す触媒の新規な製造法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、上記した先の
出願で開示した(a′)周期律表第6B族金属の少なく
とも1種の化合物、(b′)周期律表第8族金属の少な
くとも1種の化合物および(c′)アルミニウムアルコ
キシドまたはアルミニウムキレート化合物もしくはその
混合物を有機溶媒中にて混合し、この混合により生じる
有効成分を乾燥、焼成すると言う水素化脱硫触媒組成物
の製造方法に対し、上記(c′)成分を環状アルミニウ
ムオリゴマーに置き換えても高活性を示す触媒組成物を
製造し得ることを見出し本発明を完成するに至ったもの
である。
【0010】すなわち、本発明の要旨は、有機溶媒と
(a)環状アルミニウムオリゴマーの均一液相に、さら
に(b)周期律表第6B族金属の化合物の少なくとも1
種および(c)周期律表第8族金属の化合物の少なくと
も1種を共存せしめ、水の存在下攪拌することにより有
効成分である沈澱を生ぜしめ、この沈澱を乾燥、焼成す
ることにより周期律表第6B族金属、周期律表第8族金
属およびアルミニウムを含む金属酸化物の複合体を得る
ことを特徴とする炭化水素油用水素化脱硫触媒組成物の
製造法に存する。
【0011】次に本発明を詳細に説明する。本発明方法
により得られる炭化水素油用水素化脱硫触媒組成物は、
上記のとおりの製法で得ることができ、この触媒組成物
は実質上周期律表第6B族金属、周期律表第8族金属お
よびアルミニウムよりなる複合金属酸化物である。
【0012】本発明方法においては(a)成分として環
状アルミニウムオリゴマーの使用が不可欠である。
【0013】環状アルミニウムオリゴマーは、公知の方
法により得ることができる。例えばアルミニウムアルコ
キシドを部分的に加水分解することにより製造すること
ができる。このようにして製造された環状アルミニウム
オリゴマーは、一般に環状アルミニウムオキサイドアル
キレートと呼ばれ、下記の一般式(I)で示される。
【0014】
【化1】
【0015】上式でRはアルキル基であり、炭素数2〜
4のアルキル基が好ましく、殊にイソプロピル基である
ことが好ましく、これは一般に環状アルミニウムオキサ
イドイソプロピレートと呼ばれている。
【0016】上記一般式(I)で示される環状アルミニ
ウムオキサイドアルキレートは、さらにステアリン酸等
の種々の脂肪酸と反応させると一般式(II)で示される
脂肪酸塩型となった環状アルミニウムオリゴマーとする
ことができる。
【0017】
【化2】
【0018】上式において、R′は一価の脂肪族炭化水
素基であり、好ましくは炭素数13〜19の一価の脂肪
族炭化水素基であり、殊に炭素数17の一価の飽和脂肪
族炭化水素基が好ましく、これは一般に環状アルミニウ
ムオキサイドステアレートと呼ばれている。
【0019】上記した(a)成分である環状アルミニウ
ムオリゴマーは、水または水と有機溶媒の混合溶液(具
体的には有機溶媒/水の容量比が約10以下の混合溶
液)には溶けない。
【0020】(b)成分である周期律表第6B族金属と
しては、好ましくは、クロム、モリブデン、タングステ
ン、さらに好ましくは、モリブデン、タングステンを用
いる。
【0021】(c)成分である周期律表第8族金属とし
ては、好ましくは鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウ
ム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、
白金、さらに好ましくは、鉄族金属のコバルト、ニッケ
ルを用いる。
【0022】(b)、(c)の2成分の化合物は、原料
溶液の調製に用いる溶媒(水または有機溶媒)に可溶の
ものであればどのような化合物でもよい。さらに具体的
に述べれば上記の周期律表第6B族金属および周期律表
第8族金属化合物は、有機溶媒または水に可溶であるこ
とが必要であり、例えば硝酸塩、塩化物、硫酸塩、酢酸
塩、アセチルアセトナート、これら金属の酸のアンモニ
ウム塩等が用いられる。水溶性の化合物を用いるか有機
溶媒に可溶な化合物を用いるかは、以下に述べるA〜D
法のいずれを選択するかによって決定される。
【0023】上記(a)、(b)、(c)の3成分の混
合は、これら成分の1種もしくは2種を含む2種または
3種の原料溶液を混合することが好ましく、その態様と
しては、例えば下記の「A法」、「B法」、「C法」及
び「D法」等がある。
【0024】すなわち、本発明の方法は次のようにして
実施することができる。 「A法」:環状アルミニウムオリゴマーと周期律表第8
族金属の化合物の少なくとも1種およびこれらを溶解し
得る有機溶媒の混合溶液を一定時間混合、攪拌し均一溶
液とする。次にこの溶液に周期律表第6B族金属の化合
物の少なくとも1種の水溶液を攪拌下に加え、これらの
混合によって生じる有効成分を乾燥し、さらに焼成す
る。
【0025】「B法」:環状アルミニウムオリゴマーと
周期律表第6B族金属の化合物の少なくとも1種及びこ
れらを溶解し得る有機溶媒の混合溶液を一定時間混合、
攪拌し均一溶液とする。次にこの溶液に周期律表第8族
金属の化合物の少なくとも1種の水溶液を攪拌下に加
え、これらの混合によって生じる有効成分を乾燥し、さ
らに焼成する。
【0026】「C法」:環状アルミニウムオリゴマーお
よびそれを溶解し得る有機溶媒の混合溶液を一定時間混
合、攪拌し均一溶液とする。次にこの溶液に(イ)周期
律表第6B族金属の化合物の少なくとも1種と周期律表
第8族金属の化合物の少なくとも1種の混合水溶液ある
いは(ロ)周期律表第6B族金属の化合物の少なくとも
1種の水溶液と周期律表第8族金属の化合物の少なくと
も1種の水溶液を攪拌下に加え、これらの混合によって
生じる有効成分を乾燥、焼成する。
【0027】「D法」:環状アルミニウムオリゴマーと
周期律表第8族金属の化合物の少なくとも1種および周
期律表第6B族金属の化合物の少なくとも1種およびこ
れらを溶解し得る有機溶媒の混合溶液を一定時間混合、
攪拌し均一溶液とする。この溶液に攪拌下に水を加え、
これにより生じる有効成分を乾燥しさらに焼成する。
【0028】本製法は、環状アルミニウムオリゴマーを
必須成分として用いるが、環状アルミニウムオリゴマー
の1部に変えてケイ素、チタン、ジルコニウム、ホウ
素、ガリウム、マグネシウム、ハフニウムのアルコキシ
ドまたはキレート化合物の中から選ばれる少なくとも1
種以上を用いることができる。その割合はいずれの割合
でもよいが、用いるとすれば酸化物換算で環状アルミニ
ウムオリゴマー90〜95部に対し、ケイ素、チタン、
ジルコニウム、ホウ素、ガリウム、マグネシウム、ハフ
ニウムのアルコキシドまたはキレート化合物5〜10部
がよい。
【0029】環状アルミニウムオリゴマーおよび必要に
応じて周期律表第6B族金属化合物および/または周期
律表第8族金属化合物を溶解し得る有機溶媒は、これら
を均一溶液としたり、後のゲル化等を円滑にするために
用いる。これらの有機溶媒としては、アルコール類、エ
ーテル類、ケトン類、芳香族類を用いることができ、好
ましくはアセトン、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、i
so−ブタノール、ヘキサノール、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等を使用することができ、これらを単独
または混合して使用することもできる。
【0030】なお、これらを溶解し得る有機溶媒の量
は、アルミニウム成分、および必要に応じて周期律表第
6B族金属および/または周期律表第8族金属化合物が
溶解するに十分な量であれば良い。また、これらの混合
方法は通常の攪拌方法を用いれば良く、均一になるまで
十分に攪拌する。攪拌条件は、好ましくは約20〜30
0℃、さらに好ましくは、50〜200℃がよく、時間
は、十数分から1時間で通常均一溶液となる。
【0031】A法、B法、C法およびD法における有機
溶媒混合液への水溶液または水の混合は、好ましくは徐
々に行い、さらに好ましくは、滴下による方法がよい。
一度に混合すると反応が十分均一に行われない。このた
め、この方法により得られた触媒は、各々の金属酸化物
の分布が不均一となりやすく好ましくない。温度は約2
0〜約300℃、好ましくは約50〜約200℃であ
る。
【0032】有機溶媒の混合溶液と水溶液または水との
混合により、有効成分が生成する。さらに、攪拌を続け
るとスラリー状となる。この有効成分を取り出す方法と
しては、いかなる方法も使用可能であり、例えば、ロー
タリーエバポレーターを使い、減圧下、約50〜200
℃で溶媒を除去し、乾燥ゲルを得る方法がある。また、
ロ紙によるロ過にて有効成分を取り出す方法等公知の手
段を用いることができる。
【0033】上記の方法により得られた可塑性を有する
乾燥ゲルは、必要に応じて空気中にて、約200〜80
0℃の温度で約1〜24時間焼成し、さらに必要に応じ
て、約150〜700℃の条件下で硫化処理を行い活性
化した後、反応に用いる。
【0034】本発明方法で得られる触媒は、従来のもの
に比して、はるかに高い量の活性金属を含有でき、か
つ、高い量の活性金属を含有する割には高い表面積と細
孔容積を有する。
【0035】本触媒の活性金属量は、酸化物として触媒
基準で、周期律表第6B族金属は約10〜60重量%、
好ましくは約15〜55重量%、さらに好ましくは約2
0〜50重量%であり、周期律表第8族金属は約3〜2
0重量%、好ましくは約5〜18重量%である。少ない
と十分な効果が得られず、多過ぎると触媒強度が弱くな
るばかりでなくそれ程顕著な活性の向上も得られない。
【0036】本発明方法で得られる触媒では、大量の活
性金属成分を含有していても触媒の比表面積が低下しな
いのは、上記の製法に起因するもので、従来の水素化脱
硫触媒と構造が異なるためである。すなわち、従来のも
のは、アルミナ等の担体に活性金属が担持されていると
いう構成をとり、このため、いくら活性金属を多く担持
してもそれが比表面積を低下させるため、その担持量に
は、限界があった。しかしながら、本発明の触媒は上記
した全く新しい発想による製法をとり入れたため、担体
という概念がなく、金属担持という形でもない。これは
例えば、アルミニウム、コバルト、モリブデンの金属酸
化物が混然一体となった金属酸化物の複合体の形態をと
るか、あるいは混然一体とならないまでも、主にアルミ
ニウムの酸化物と活性金属酸化物とが錯綜した形態で配
位して活性を高めているものと考えられる。
【0037】本触媒は、平均細孔径約73〜108Åを
有し、例えば長さ約3.2〜3.6mm、直径約1.4〜
1.6mmの円筒形に成型した場合、充填かさ密度約0.
76〜0.80g/ml、側面破壊強度約1.1〜1.4
kg/mmの特性を有し、これらは従来の水素化脱硫触媒と
比べて何等劣ることがない。
【0038】本発明方法で得られる触媒は、実際のプロ
セスに用いる場合は、公知の触媒あるいは公知の無機質
酸化物担体と混合して用いても良い。
【0039】本発明における炭化水素油とは、原油の常
圧蒸留あるいは減圧蒸留で得られる軽質留分や常圧蒸留
残渣、および減圧蒸留残渣を意味し、勿論コーカー軽
油、溶剤脱瀝油、タールサンド油、シェールオイル、石
炭液化油をも包含するものである。
【0040】なお、本発明における「水素化脱硫」と
は、主に水素化による脱硫反応を意味するが、通常はそ
の際同時に水素化脱窒素、脱金属等も併起するし、また
水素化分解等を同時に伴っても良い。すなわち、ここに
言う「水素化脱硫」とは、広義の水素化精製と実質的に
同義である。
【0041】商業規模での接触水素化処理による脱留装
置は、触媒を適当なる反応器において粒子の固定床、移
動床または流動床として使用し、該反応器に処理すべき
油を導入し、高温高圧および相当の水素分圧の条件下で
処理して所望の脱硫を行う。最も一般的には、触媒を固
定床として維持し、油が該固定床を下方に通過するよう
にする。触媒は、単独の反応器で使用することもできさ
らに連続したいくつかの反応器を使用することもでき
る。特に原料油が重質油の場合には、多段反応器を使用
するのが極めて好ましい。反応の好ましい例としては、
炭化水素油を約200〜500℃、より好ましくは25
0〜400℃の温度で、液空間速度が約0.05〜5.
0hr-1、より好ましくは0.1〜5.0hr-1および水素
圧力が約30〜200kg/cm2Gで、より好ましくは3
5〜180kg/cm2Gの条件下で触媒と接触させる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって説
明するが、これらは単に例示であって、本発明はこれら
によって制限されるものではない。触媒の調製法を実施
例1および実施例2に示す。
【0043】実施例1 三角フラスコ中で環状アルミニウムオキサイドイソプロ
ピレート75.0g(0.243mol)とコバルトアセ
チルアセトナート55g(0.19mol)をキシレン2
000ccに溶解させた溶液を120℃で1時間攪拌し
た。また、別にパラモリブデン酸アンモニウム51.7
g(0.042mol)をイオン交換水280gの中に加
え、約80℃に加熱し、激しく攪拌して溶解させた。こ
の溶液を攪拌中の上記キシレン溶液へ徐々に滴下すると
紫色のゼラチン状の沈澱が生じた。さらに攪拌を続ける
と最終的に紫色を帯びた乳白色のスラリーとなった。こ
のスラリーをさらに80℃で3時間攪拌した。得られた
スラリーをフィルターによりロ別後、加温濃縮して可塑
性のあるゲルとした。このゲルを押出成形器を用い、直
径1.6mm(1/16インチ)の柱状に成形した。この
成形物を蒸発皿に広げ、マッフル炉で500℃、4時間
熱処理を行い、CoO(15重量%)−MoO3(45
重量%)−Al23(40重量%)の複合金属酸化物
(触媒A)を得た。この触媒の表面積は232m2/g、
細孔容積は0.50cc/gであった。
【0044】実施例2 実施例1において、環状アルミニウムオキサイドイソプ
ロピレート75.0gの替わりに環状アルミニウムオキ
サイドステアレート239.5g(0.243mol)を
用いた以外は同様の方法により触媒を調製した。その結
果CoO(15重量%)−MoO3(45重量%)−A
23(40重量%)の複合金属酸化物(触媒B)を得
た。この触媒の表面積は221m2/g、細孔容積は0.
52cc/gであった。
【0045】比較例1 細孔容積0.7123ml/g、表面積336m2/gの
アルミナ担体(実質的にはγ−Al23からなる)を用
いた。ナス型フラスコ中でパラモリブデン酸アンモニウ
ム4.7gをイオン交換水14.5mlに溶解し、この溶
液に上記担体20gを浸漬した。1時間浸漬後風乾し、
マッフル炉で500℃、10時間焼成した。さらに、硝
酸コバルト5gをイオン交換水14.5mlに溶解した水
溶液に上記で得た焼成物を浸漬してコバルトを担持し
た。風乾後、500℃で10時間焼成して触媒を得た。
得られた触媒の組成は、CoO(5重量%)−MoO3
(15重量%)−Al23(80重量%)であった(触
媒C)。この触媒の表面積は266m2/g、細孔容積は
0.55cc/gであった。
【0046】比較例2 コバルトアセチルアセトナート55gを3.15g
(0.00841mol)とし、パラモリブデン酸アンモ
ニウム51.7gを2.47g(0.014mol)とし
て用いた以外は、実施例1と同様の方法により触媒を調
製した。その結果CoO(2重量%)−MoO3(5重
量%)−Al23(93重量%)の複合金属酸化物(触
媒D)を得た。この触媒の表面積は308m2/g、細孔
容積は0.66cc/gであった。
【0047】比較例3 コバルトアセチルアセトナート55gを109.9g
(0.309mol)とし、パラモリブデン酸アンモニウ
ム51.7gを103.4g(0.00837mol)と
し、環状アルミニウムオキサイドイソプロピレートを用
いなかった以外は、実施例1と同様の方法により触媒を
調製した。その結果CoO(25重量%)−MoO
3(75重量%)の複合金属酸化物(触媒E)を得た。
この触媒の表面積は99m2/g、細孔容積は0.30cc
/gであった。
【0048】上記実施例1〜2および比較例1〜3で得
られた触媒A〜Eを用い、下記の運転条件にて炭化水素
油の水素化脱硫を行い、下記の方法で触媒A〜Eの評価
を行った。
【0049】実施例3、4および比較例4〜6 (軽油の水素化脱硫反応) 原料油;LGO(比重(15/4℃)0.851、硫黄
分1.35wt%、窒素分20ppm、粘度(@30℃)
5.499cSt) 反応条件;反応温度:350℃、反応圧力:35kg/cm
2、液空間速度:4hr-1、装置:固定床方式による高圧
流通式反応装置、触媒:触媒A、B、C、D、E 評価方法;上記運転条件下、100時間通油後の生成油
の硫黄含有量を調べた。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】実施例5、6および比較例7〜9 (VGOの水素化脱硫反応) 原料油;VGO(比重(15/4℃)0.916、硫黄
分2.53wt%、窒素分780ppm、粘度(@30℃)
28.8cSt) 反応条件;反応温度:350℃、反応圧力:52kg/cm
2、液空間速度:0.4hr-1、装置:固定床方式による
高圧流通式反応装置、触媒:触媒A、B、C、D、E 評価方法;上記運転条件下、100時間通油後の生成油
の硫黄含有量を調べた。結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】実施例7、8および比較例10 (重質油の水素化脱硫反応) 原料油;クウェート産原油の常圧蒸留残渣油(比重(1
5/4℃)0.956、硫黄分3.77wt%、アスファ
ルテン3.9wt%、バナジウム48ppm、ニッケル14p
pm) 反応条件;反応温度:361℃、反応圧力:150kg/
cm2、水素/炭化水素油:830Nm3/Kl、水素濃度:9
0mol%、液空間速度:1.0hr-1、装置:固定床方式
による高圧流通式反応装置、触媒:触媒A、B、C 評価方法;上記運転条件下、100時間通油後の生成油
の硫黄含有量を調べた。結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明方法で得られる触媒は、比較的簡
単な工程にて調製することができるにもかかわらず、従
来の触媒に比して、同一反応条件下、速度定数から求め
た脱硫活性は著しく高い値を示す。例えば、軽油(原料
油の硫黄分1.3wt%)の場合、生成油で従来せいぜい
0.13wt%のものが0.09wt%まで、VGO(原料
油の硫黄分2.5wt%)の場合、生成油で従来0.15
wt%のものが0.10wt%まで、重質油(原料油の硫黄
分3.8wt%)の場合、生成油で従来0.9wt%のもの
が0.7wt%まで苛酷度を上げないで容易に脱硫するこ
とができ、したがってまた、触媒の活性は経時的にも非
常に安定化している。このため、長期の運転にあっても
運転条件を苛酷にする必要もなく、経済的効果は莫大で
ある。さらに、硫黄含有量の少ない燃料油の製造が可能
なため、大気汚染を抑制できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤川 貴志 埼玉県幸手市権現堂1134−2

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶媒と(a)環状アルミニウムオリ
    ゴマーの均一液相に、さらに(b)周期律表第6B族金
    属の化合物の少なくとも1種および(c)周期律表第8
    族金属の化合物の少なくとも1種を共存せしめ、水の存
    在下攪拌することにより有効成分である沈澱を生ぜし
    め、この沈澱を乾燥、焼成することにより周期律表第6
    B族金属、周期律表第8族金属およびアルミニウムを含
    む金属酸化物の複合体を得ることを特徴とする炭化水素
    油用水素化脱硫触媒組成物の製造法。
  2. 【請求項2】 該有効成分を得る工程が、環状アルミニ
    ウムオリゴマーと周期律表第8族金属の化合物の少なく
    とも1種との有機溶媒溶液に周期律表第6B族金属の化
    合物の少なくとも1種の水溶液を攪拌下に添加すること
    からなる請求項1の製造法。
  3. 【請求項3】 該有効成分を得る工程が、環状アルミニ
    ウムオリゴマーと周期律表第6B族金属の化合物の少な
    くとも1種との有機溶媒溶液に周期律表第8族金属の化
    合物の少なくとも1種の水溶液を攪拌下に添加すること
    からなる請求項1の製造法。
  4. 【請求項4】 該有効成分を得る工程が、環状アルミニ
    ウムオリゴマーの有機溶媒溶液に、(イ)周期律表第6
    B族金属の化合物の少なくとも1種と周期律表第8族金
    属の化合物の少なくとも1種との水溶液または(ロ)周
    期律表第6B族金属の化合物の少なくとも1種の水溶液
    と周期律表第8族金属の化合物の少なくとも1種の水溶
    液を攪拌下に添加することからなる請求項1の製造法。
  5. 【請求項5】 該有効成分を得る工程が、環状アルミニ
    ウムオリゴマー、周期律表第8族金属の化合物の少なく
    とも1種および周期律表第6B族金属の化合物の少なく
    とも1種の有機溶媒溶液に水を攪拌下に添加することか
    らなる請求項1の製造法。
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