JPH06197922A - 物理量制御装置 - Google Patents

物理量制御装置

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JPH06197922A
JPH06197922A JP5000251A JP25193A JPH06197922A JP H06197922 A JPH06197922 A JP H06197922A JP 5000251 A JP5000251 A JP 5000251A JP 25193 A JP25193 A JP 25193A JP H06197922 A JPH06197922 A JP H06197922A
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  • Domestic Hot-Water Supply Systems And Details Of Heating Systems (AREA)
  • Electric Stoves And Ranges (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記憶容量が少なくても数多くのゆらぎパター
ンを持つ物理刺激を使用者に与え快適感を持続させるこ
とが可能な物理量制御装置を提供する。 【構成】 各種物理量を操作する操作手段2,3と、非
線形常微分方程式の解の時系列データに基づいてゆらぎ
信号を発生し操作手段2,3を駆動制御する信号発生手
段4とで構成する。この時系列データは初期値、係数値
に敏感である。従って初期値あるいは係数値のみを変更
することで数多くの時系列データパターンが得られ、こ
の時系列に基づいて信号を発生し操作手段を駆動制御す
れば、少ない記憶容量で済む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気ストーブ、電子カ
ーペット、石油ストーブ等の発熱量、エアコンにより空
調されている空間の温度、湿度、気流、扇風機等の風
量、電動マッサージ機、バイレータ等の振動、押圧刺激
量など人に快感をもたらすための刺激としての物理量
を、その発生段階で制御する物理量制御装置に関する。
【0002】
【従来技術】人に快感をもたらすため刺激としての物理
量を、その発生時に制御する装置は家電製品として多く
利用されている。例えば暖をとるための電気カーペッ
ト、涼風を得る扇風機、冷暖房のエアコンがあり、人に
心地よさ、爽快感、快適感を与えている。
【0003】これらが人に与える刺激量は一般に定常的
である。例えば扇風機は設定された強さの一定風量の風
を送る。使用者は、当初この風により爽快感を得るが、
体感上の馴化現象により次第にこの爽快感は薄れてい
く。そして不快感にまで達する場合すらある。このよう
な現象は他の色々な刺激にもみられる。
【0004】一方自然の風に対しては上記の現象はみら
れない。自然の風を心地良く感じるのはこの風速風向等
がたえず変化しているためと言われる。つまり刺激とし
ての物理量が揺らいでいるためと言われる。
【0005】自然の風の風速変動のパワースペクトルを
観測すると、図47に示すようにパワーが周波数の逆数
に比例する1/fゆらぎが見られる。図47は、横軸に
風速変動の周波数をとり、縦軸に風速のパワーをとって
示した風速変動のパワースペクトル図である。この1/
fゆらぎは風の他に川のせせらぎ、波の音など多くの自
然現象にみられる。また人の心拍変動、発声ピッチの変
動、小鳥のさえずりにも見られ自然や生き物に共通した
特性である。
【0006】これらのゆらぎを取り入れ、先の馴化現象
を防止し、常に爽快感を与える製品が開発されている。
例えば松下技報(武田他「扇風機における1/fゆらぎ
の快適性追究」松下技報35巻6号1989年11月)
に紹介される扇風機がある。
【0007】このゆらぎを与えるための技術としては特
公昭61−56805号公報に開示されるものがある。
ここでは物理量を操作する操作手段と、パワースペクト
ルが互いに異なる不規則信号を発生し、これで前記操作
手段を制御する手段と、が示されている。具体的実施例
として電気ストーブを例に発熱量大小の二つのヒータを
先の不規則信号で切り替えるものが記載されている。
【0008】またこれら不規則信号の発生は複数の不規
則データ系列を記憶した読出し専用メモリと、読出し専
用メモリをアドレスするカウンタと、不規則データの一
つを選択するスイッチで構成される。そしてこの構成で
発熱量に色々なゆらぎを与え、使用者の馴化現象を緩和
し、快適感を与えることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では次のような問題がある。上記特公昭61−5
6805号公報記載の従来技術においては、物理量を操
作する操作手段を制御し、物理量にゆらぎを与えるため
の不規則信号発生手段を持っている。そしてこの発生手
段の中に複数の不規則データ系列を記憶した読み出し専
用メモリを持ち、予め前記メモリにパワースペクトルが
周波数fに反比例するような時系列データを記憶する。
例えば1/f、1/f2 となる時系列データを記憶させ
ておく。このための記憶容量を概算すると次のようにな
る。
【0010】今、風の場合を考え、風速ゆらぎの周波数
の範囲を図47に示すように上限約1Hz、下限0.0
1Hzまでとする。この上限周波数までのゆらぎを再現
するためには、標本化定理から少なくともこの2倍の周
波数成分を持つような細かさで時系列データを記憶する
必要がある。つまりデータ系列の最小時間単位は500
msとなる。
【0011】またデータ系列の最大時間長は、先の下限
周波数、つまり一番ゆるやかなゆらぎ周波数をどこまで
とするかという観点と、このデータ系列は繰り返し使用
されるためにこの繰り返しが人に検知されない時間、つ
まりひとの記憶に対して繰り返し感を与えない時間とい
う観点から決められる。普通この時間は数百秒である。
また人間の感覚検知周波数の下限はこの時間とほぼ同じ
である。
【0012】この時間を200秒とすれば、データ系列
の個数つまり記憶容量がきめられる。上記例では200
/0.5=400個のデータが必要となる。1データの
ビット数を8ビットとすれば3.2キロバイトもの大き
なの記憶容量が必要になる。複数のデータ系列を持てば
さらに3.2キロバイト単位で記憶容量が増加すること
になる。
【0013】また固定された時系列データであるため与
えることが可能なゆらぎの数はデータ系列の種類数に限
られ、使用者の選択の幅は狭い。例えば365日毎日ゆ
らぎの形を変えること膨大な記憶容量を必要とする。
【0014】また使用者の健康状態、活動状態、心理状
態によってゆらぎの種類(パターン)を変化させること
には言及されていない。人の感じる快適感はその人の状
態で変化する。したがって人の状態でゆらぎの種類(パ
ターン)を変化させた方がより快適に感じるはずであ
る。
【0015】また季節、時間、天候によってゆらぎの種
類(パターン)を変化させることについても言及されて
いない。例えば自然の風を考えれば、季節、時間、天候
によって次々に変化する。したがって人に自然な快適感
を与えるためには季節、時間、天候などによってゆらぎ
の種類(パターン)を変化させた方が好ましい。
【0016】さらに上記不規則データ系列が1/fのパ
ワースペクトルを有していても、物理量操作手段の特性
によっては人に与えられる刺激物理量が1/fのパワー
スペクトルを有しない場合が生ずる。上記従来技術は図
48に示す簡単なシステムと見なすことができる。
【0017】図48は、従来技術による物理量制御装置
の簡略モデルを示すブロック図である。同図において、
不規則データ系列aが入力であり、物理量操作手段Eに
おける物理量制御手段bに入力され、電気エネルギーが
供給されているアクチュエータcを駆動制御し、人に物
理的刺激dを与えるシステムであることが認められるで
あろう。
【0018】ここで物理量制御手段b、アクチュエータ
c、アクチュエータcから人までの空間伝達路を1つの
伝達関数とみなせば、図48に示すように単純化される
わけである。このシステムにおいて、人への物理的刺激
dの周波数特性は、入力である不規則データ系列aの周
波数特性と前記伝達関数の周波数特性が掛け合わされた
ものであるのは明らかである。つまり不規則データ系列
のパワースペクトルは修正されて人への物理刺激とな
る。
【0019】上記従来例では、単に不規則データ系列に
1/fのパワースペクトルを持たせることにしか言及し
ておらず、前述した理由で使用者に意図したパワースペ
クトルを持つ物理刺激を与えることができない場合があ
る。また物理刺激のパワースペクトルの傾きを変化させ
る方法は、予め記憶する不規則データ系列の種類を変え
ることにしか言及されておらず、このためには先に述べ
たように膨大な記憶容量が必要となる。
【0020】また物理刺激のパワースペクトルの傾きを
使用者の健康状態、活動状態、心理状態によって変化さ
せることには言及されていない。人の感じる快適感はそ
の人の状態で変化する。したがって人の状態で物理刺激
のパワースペクトルの傾きを変化させた方がより快適に
感じるはずである。
【0021】また季節、時間、天候によって物理刺激の
パワースペクトルの傾きを変化させることについても言
及されていない。例えば自然の風を考えれば、季節、時
間、天候によって次々に変化する。したがって人に自然
な快適感を与えるためには季節、時間、天候などによっ
て物理刺激のパワースペクトルの傾きを変化させた方が
好ましい。
【0022】本発明の目的は、上記問題点を解決し、記
憶容量が少なくても数多くの、変化がある(ゆらぎを持
つ)物理刺激を使用者に与え、快適感を持続させるるこ
とが可能な物理量制御装置を提供することにある。
【0023】また使用者の生理状態、心理状態、あるい
は季節、時間帯、天候などによっても先のゆらぎパター
ンを変化させ、常に最適な快適感を得る物理刺激を与え
ることが可能な物理量制御装置を提供することにある。
さらに物理刺激のパワースペクトルの傾きを使用者の生
理状態、心理状態、あるいは季節、時間帯、天候などに
よって変化させ、常に最適な快適感を得る物理刺激を与
えることが可能な物理量制御装置を提供することにあ
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明による物理量制御装置は、各種アクチュエータを制
御して発熱量、温度、湿度、気流、振動、あんま刺激量
などの物理量を操作する操作手段と、非線形常微分方程
式あるいは非線形差分方程式の解を求め、その解として
の時系列データを出力する演算手段と、解の時系列デー
タを電気信号に変換する変換手段と、変換された電気信
号を前記操作手段に供給して該操作手段による物理量操
作の程度を時間の経過とともに制御する駆動制御手段
と、で構成される。
【0025】そしてこの構成により、記憶容量が少なく
ても数多くの、不規則な変化がある(ゆらぎを持つ)物
理刺激パターンを使用者に与え、快適感を持続させるる
ことが可能な物理量制御装置を提供することができる。
【0026】さらに押しボタンなどにより使用者が物理
量のゆらぎパターンを選択可能とする選択手段を設け、
前記選択手段の出力により、前記駆動制御手段による物
理量操作の程度を制御し、記憶容量が少なくても種々の
物理量ゆらぎパターンの中からから使用者が好みの一つ
を選択することを可能にした。
【0027】さらに年月日時間をデータとして出力する
カレンダー手段を備え、前記カレンダー手段の出力に依
存して前記駆動制御手段による物理量操作の程度を制御
し、季節あるいは日時で物理量操作の程度を変化させる
ことにより、記憶容量が少なくても季節あるいは日によ
って変化するゆらぎある物理刺激を使用者に与えること
を可能にした。
【0028】さらに室外の温度、湿度、気圧、気流など
を検出する外気状態検出手段を備え、前記外気状態検出
手段の検出出力に依存して、前記駆動制御手段による物
理量操作の程度を制御し、天候によって物理量操作の程
度を変化させることにより、記憶容量が少なくても天候
によって変化するゆらぎある物理刺激を使用者に与える
ことを可能にした。
【0029】さらに人の動きである活動量を検出する活
動量検出手段を備え、前記活動量検出手段の検出出力に
依存して、前記駆動制御手段による物理量操作の程度を
制御し、活動量によって物理量操作の程度を変化させる
ことにより、記憶容量が少なくても人の動きにしたがっ
て変化するゆらぎある物理刺激を使用者に与えることを
可能にした。
【0030】さらに血圧、心拍数、体温などから人の生
理状態を検出する生理状態検出手段を備え、前記生理状
態検出手段の検出出力に依存して、前記駆動制御手段に
よる物理量操作の程度を制御し、使用者の生理状態によ
って物理量操作の程度を変化させることにより、記憶容
量が少なくても使用者の健康状態に合わせて変化するゆ
らぎある物理刺激を使用者に与えることを可能にした。
【0031】さらに脳波、心拍数、発汗量などから人の
心理状態を検出する心理状態検出手段を備え、前記心理
状態検出手段の検出出力に依存して、前記駆動制御手段
による物理量操作の程度を制御し、使用者の心理状態に
よって物理量操作の程度を変化させることにより、記憶
容量が少なくても使用者の心理状態に合わせて変化する
ゆらぎある物理刺激を使用者に与えることを可能にし
た。
【0032】さらに操作手段の周波数応答特性を表わす
伝達関数と逆の伝達関数を持つ周波数応答補正手段を備
え、前記操作手段に与えられる電気信号を前記周波数応
答補正手段により補正して加えることにより、前記駆動
制御手段による物理量操作のパワースペクトルを正しく
再現した物理刺激を使用者に与えることを可能にした。
【0033】さらに外部パラメータでその周波数応答特
性を変更できるフィルタ手段を備え、前記選択手段、カ
レンダー手段、外気状態検出手段、活動量検出手段、生
理状態検出手段、心理状態検出手段の検出出力に依存し
て、前記外部パラメータを変化させ、前記駆動制御手段
による物理量操作のための信号を前記フィルタ手段を介
して前記操作手段に加えることにより、使用者に与える
物理刺激のパワースペクトルの傾きを変化させることを
可能にした。
【0034】
【作用】物理量を操作する操作手段は、モータ、ヒー
タ、バイブレータ、圧縮機、熱交換機などのアクチュエ
ータで構成され、使用者に発熱量、温度、湿度、気流、
振動、あんま刺激などの物理的刺激をあたえる。
【0035】演算手段は、マイクロプロセッサなどで構
成され、非線形微分方程式あるいは非線形差分方程式の
解法がプログラムされ、その係数および初期値を与えら
れれば、所定の時間きざみ幅で繰り返し演算を行うこと
により、方程式の解としての時系列データを出力する。
【0036】変換手段はDA(ディジタル/アナログ)
変換器などで構成され、解の時系列データを電気信号に
変換する。駆動制御手段は、先の解の時系列データに基
づいた電気信号を操作手段に出力し、各種アクチュエー
タを駆動制御する。
【0037】これら方程式は簡単なものであっても、係
数がある範囲の時、上記演算で得られる時系列データが
不規則であり、二度と同じパターンを繰り返さず、方程
式の初期値あるいは係数値に敏感であり、パワースペク
トルが連続であり、方程式によって時系列データのスペ
クトルが種々異なるという性質を持つ。従ってROMな
どの記憶手段に予め初期値あるいは係数値のみ記憶し、
これを演算手段に与えることで種種の不規則データを発
生する。
【0038】そしてこの不規則データ信号は前記操作手
段に駆動制御信号として加えられる。操作手段は前記不
規則データ信号で駆動され、使用者に変化がある(ゆら
ぎを持つ)物理刺激を与え、かつ快適感を持続させるる
ことが可能となる。
【0039】選択手段は押しボタンなどで構成され、使
用者の選択結果を演算手段に知らせる。そして使用者の
好みにより予め記憶手段に記憶されている複数の初期値
或いは係数値の中の少なくとも一つを選択可能としてお
く。複数の初期値或いは係数値としては、予め前記方程
式の繰り返し演算で得られる時系列のパターンを検討し
て代表的なものを記憶させておく。そして押しボタンな
どにそれを指示する表示を付与しておく。こうして使用
者は好みに応じて自由に時系列のパターンの一つを選択
し、好みのゆらぎパターンを持つ物理刺激を得ることが
可能となる。
【0040】カレンダー手段は、年月日、時間などのデ
ータを出力する公知のカレンダーICなどで構成され、
このデータを用いる。前記方程式の繰り返し演算で得ら
れる時系列のパターンを検討して代表的なものを複数、
それらが得られた初期値或いは係数値を記憶手段に記憶
させておく。カレンダー手段の出力に依存して、季節或
いは時間帯に適したゆらぎ時系列を出力する初期値或い
は係数値を少なくとも一つ記憶手段から選択し、これを
用いて前記方程式の繰り返し演算をおこなう。そしてこ
のとき得られる不規則データ信号で操作手段を駆動制御
する。
【0041】こうして季節あるいは時間帯に応じて最適
なゆらぎパターンを持つ物理刺激を使用者に与えること
が可能となる。またカウンタ手段を設ける。そしてカレ
ンダー手段の出力データの一つである日時データを利用
し、毎日午前零時にカウンター手段をカウントアップ
し、前記方程式の解の時系列が初期値あるいは係数値に
敏感であることを利用して、前記カウンター手段で初期
値あるいは係数値を設定する。こうすることにより毎日
異なるゆらぎパターンの物理刺激を使用者に与えること
も可能となる。
【0042】外気状態検出手段は、温度センサ、湿度セ
ンサ、気圧センサ、風速センサなどで構成され、室外の
温度、湿度、気圧、気流などを検出し、そのデータを出
力する。予め前記方程式の繰り返し演算で得られる時系
列のパターンを検討して代表的なものを複数、それらが
得られた初期値或いは係数値として記憶手段に記憶させ
ておく。例えば夏の暑い天候には秋風を連想させる小刻
み、すなわちゆらぎの幅が小さくかつ変化時間の短い時
系列パターン、冬の寒い天候には春風を連想する、ゆる
やかすなわちゆらぎの幅が小さくかつ変化時間が長い時
系列パターンを生じる初期値あるいは係数値を記憶して
おく。
【0043】外気状態検出手段の出力により天候に適し
た不規則時系列データを出力する初期値或いは係数値を
少なくとも一つ選択し、これを用いて前記方程式の繰り
返し演算をおこなう。そしてこのとき得られる不規則デ
ータ信号で操作手段を駆動制御する。こうして天候に応
じて最適なゆらぎパターンを持つ物理刺激を使用者に与
えることが可能となる。
【0044】活動量検出手段は焦電センサ(人の活動量
を表わすものとして、人から発生する赤外線を検出する
赤外線検出手段)などで構成され、人の発する赤外線の
動きによる変化から人の動きの量である活動量を検出
し、このデータを用いる。予め前記方程式の繰り返し演
算で得られる時系列のパターンを検討して代表的なもの
を複数、それらが得られた初期値或いは係数値として記
憶手段に記憶させておく。
【0045】例えば活動量が大のときは変化の激しい、
すなわちゆらぎの幅が大きくかつ変化時間の短い時系列
パターン、活動量が小のときは変化がゆるやか、すなわ
ちゆらぎの幅が小さくかつ変化時間が長い時系列パター
ンを生じる初期値あるいは係数値を記憶しておく。活動
量検出手段の出力により人の活動に適した不規則時系列
データを出力する初期値或いは係数値を少なくとも一つ
選択し、これを用いて前記方程式の繰り返し演算をおこ
なう。そしてこのとき得られる不規則データ信号で操作
手段を駆動制御する。こうして人の活動に応じて最適な
ゆらぎパターンを持つ物理刺激を使用者に与えることが
可能となる。
【0046】生理状態検出手段は血圧、心拍数、体温な
どから使用者の生理状態を検出し、このデータを出力す
る。予め前記方程式の繰り返し演算で得られる時系列の
パターンを検討して代表的なものを複数、それらが得ら
れた初期値或いは係数値として記憶手段に記憶させてお
く。例えば健康なときは普通のゆらぎを持つ時系列パタ
ーン、病気のときは変化がゆるやか、すなわちゆらぎの
幅が小さくかつ変化時間が長い時系列パターンを生じる
初期値或いは係数値を記憶しておく。
【0047】生理状態検出手段の出力により人の健康状
態に適した不規則時系列データを出力する初期値或いは
係数値を少なくとも一つ選択し、これを用いて前記方程
式の繰り返し演算をおこなう。そしてこのとき得られる
不規則データ信号で操作手段を駆動制御する。こうして
人の健康状態に応じて最適なゆらぎパターンを持つ物理
刺激を使用者に与えることが可能となる。
【0048】心理状態検出手段は脳波、心拍数、発汗量
などから使用者の心理状態を検出し、このデータを出力
する。予め前記方程式の繰り返し演算で得られる時系列
のパターンを検討して代表的なものを複数、それらが得
られた初期値或いは係数値として記憶手段に記憶させて
おく。例えば平静にくつろいでいるときは普通のゆらぎ
を持つ時系列パターン、イライラしているときは変化が
ゆるやか、すなわちゆらぎの幅が小さくかつ変化時間が
長い時系列パターンを生じる初期値或いは係数値を記憶
しておく。
【0049】心理状態検出手段の出力により人の心理状
態に適した不規則時系列データを出力する初期値あるい
は係数値を少なくとも一つ選択し、これを用いて前記方
程式の繰り返し演算をおこなう。そしてこのとき得られ
る不規則信号で操作手段を駆動制御する。こうして人の
心理状態に応じて最適なゆらぎパターンを持つ物理刺激
を使用者に与えることが可能となる。
【0050】周波数応答補正手段はディジタルフィルタ
などで構成され、これに前記方程式の解の時系列データ
に基づく電気信号が入力される。操作手段がある周波数
応答特性を持つ場合、この特性とは逆の周波数応答特性
を前記周波数応答補正手段にもたせることにより、周波
数応答補正手段と操作手段を合わせた周波数応答特性を
平坦として、操作手段に与えられる駆動信号のパワース
ペクトルを正しく再現した物理刺激を使用者に与える。
こうして操作手段に与えられる信号スペクトル形状を使
用者に与える物理刺激のスペクトル形状と一致させるこ
とが可能となる。
【0051】フィルタ手段は、ディジタルフィルタ、複
数のディジタルフィルタ係数を記憶する記憶手段などで
構成され、予めそれぞれ異なる周波数応答特性が得られ
るディジタルフィルタ係数を、外部パラメータとして前
記記憶手段に記憶しておく。例えば、前記操作手段に与
えられる信号スペクトルが平坦であり、操作手段の周波
数応答特性も平坦である場合、前記フィルタ係数として
周波数特性が1/f、1/f2 などとなるものを用意し
ておく。
【0052】そして前記選択手段、カレンダー手段、外
気状態検出手段、活動量検出手段、生理状態検出手段、
心理状態検出手段の出力に依存して、外部パラメータで
ある前記フィルタ係数の一つを選択してフィルタ手段を
動作させる。こうして各手段の出力に依存して、それぞ
れ最適なスペクトル傾斜を持つゆらぎある物理刺激を使
用者に与えることが可能になる。
【0053】
【実施例】自然現象、社会現象、生物現象などには不規
則、繁雑、不安定と見える現象が多くある。例えば物の
形にしても、雲や海岸線などの形はあまりにも複雑で従
来の幾何学的な図形とはかけはなれている。川の流れ、
天気予報のもととなる大気の流れは複雑すぎて予測困難
である。人の経済活動による株価の変動も同じである。
一見すると、ある法則に従って安定した変化を示してい
ても、これを長い時間観測して時間圧縮してみると複雑
に変動している現象は多い。先の株価変動はこの良い例
である。
【0054】近年、従来の数学或いは物理学では雑音と
して無視し避けてきた上記のような現象に光が当てられ
ている。一つはこれらの現象を幾何学的に把握する一歩
としてのマンデルブロ(Mandelbrot)の提唱
するフラクタル幾何学であり、ローレンツ(Loren
z)が単純な大気循環モデルである3変数非線形方程式
の解の挙動で見い出した奇妙な軌跡(ストレンジアトラ
クタ)に端を発し種々の先にあげたカオス的現象をある
条件での非線形現象として把握するいわゆるカオス理論
である。
【0055】本発明は、前記フラクタル幾何学、カオス
理論の考えを基本におき、これを工学的に応用したもの
であると云える。フラクタル幾何学によれば、自然界の
複雑な形は単純な規則の繰り返しで表現できる。具体例
としては、木の枝分かれの表現として再帰関数(縮小写
像)を用いた図49の(a)に示すグラフが知られてい
る。なお、図49は再帰関数による木(ツリー)を示す
説明図である。
【0056】図49の(a)に示すグラフは「ある直線
の先端からある角度で先の直線にある低減率をかけた2
本の直線を引く」という規則を繰り返すことで得られ
る。角度値、低減率を乱数などで変調すればより自然に
近い木の形(図49の(b)に示す)を得ることもでき
る。
【0057】カオス理論の例としては、先のローレンツ
の他に、個体数の増減モデルとしてのロジスティク方程
式が知られる。この方程式は、生物の増殖モデルとして
種種の実験でその有効性が確かめられている。メイはこ
の方程式をオイラーの差分法で次の数1の式に示す差分
方程式(ロジスティク写像とも呼ばれる)に直し、数値
実験を行い、条件によりカオス現象が現れるのを示して
いる。
【0058】
【数1】
【0059】上記数1の式において、Aは所与の係数で
あり、Xn の値として初期値X0 を定め演算すれば、X
0+1 の値が求まる。このX0+1 の値を更にXn の値とし
て演算すればXn+1 の値が求まる。これを繰り返すこと
により、時系列データが得られる。
【0060】図50は、上記数1の式を用いて、初期値
0 =0.3として、n=100〜200程度まで繰り
返したときに、最後に得られるXn の値を、係数Aをパ
ラメータとして変化させながらプロットしたグラフで、
ロジスティク差分方程式の分岐図と呼ばれるものであ
る。
【0061】図50から、係数Aが3.0未満の場合
は、n=100〜200程度まで繰り返したときに、最
後に得られるXn の値は、或る一定値に収束するが、係
数Aが3.0を越え3.57未満では(3.57である
係数Aをクリティカルな値という意味でAcと表わ
す)、2周期、4周期、…2n周期の周期関数が現れ
る。そして係数AがAc(つまり3.57)を越える
と、Xn の値がある範囲で不規則に分布するカオス現象
の生ずることがわかる。
【0062】図51の(a)に、A=3.7、X0
0.3の場合のカオス現象(Xn の値の時系列)を示
す。同図の(b)に、A=3.7001、X0 =0.3
の場合、同図の(c)にA=3.7、X0 =0.300
1の場合、のそれぞれカオス現象(Xn の値の時系列)
を示す。図51は、ロジスティク差分方程式を解いて得
られる解としてのXn の値の時系列データを示すグラフ
である。
【0063】このようにカオス現象は上記数1の式のよ
うな簡単な規則から作りだすことができ、それは初期
値、係数値に敏感であり、ほんの少しこれらが異なるだ
けで作成される時系列データは全く異なったパターンと
なる。
【0064】以上フラクタル幾何学、カオス理論は以下
の性質を持っている。 (1)簡単な規則を繰り返して複雑な自然現象を表現で
きる。 (2)非線形方程式は或る条件でカオス現象を生じる。 (3)この場合生じる時系列データは初期値に敏感であ
る。 (4)同様に係数値にも敏感である。 (5)またこの時系列データ信号のスペクトルは連続で
ある。
【0065】本発明は、以上の性質をもつ時系列データ
信号の発生器を設け、該信号発生器からの時系列データ
信号により、アクチュエータを制御し人に快適な物理的
刺激を与えるものである。以下実施例を詳細に説明す
る。
【0066】図1は、本発明による物理量制御装置の1
実施例であるルームエアコン(以下エアコンと呼ぶ)の
室内機を示すブロック図である。図1の実施例では、室
内ファンモータの制御に本発明を応用したわけである。
図1において、1はエアコン室内機、2はファンモー
タ、3はファンモータ駆動回路、4はファンモータ駆動
信号発生器、5は室内機全体を制御する制御回路であ
る。
【0067】ファンモータ2は、ファンモータ駆動回路
3により駆動され回転する。ファンモータ駆動回路3
は、一定電圧を印加するとファンモータ2を一定回転数
で回転させる。そして使用者に一定風速の風を送る。
【0068】図2は、図1におけるファンモータ駆動信
号発生器4の構成を示すブロック図である。図2におい
て、ファンモータ駆動信号発生器4は、マイクロプロセ
ッサ(以下MPUと呼ぶ)41、リードオンリメモリ
(以下ROMと呼ぶ)42、ランダムアクセスメモリ
(以下RAMと呼ぶ)43、DA変換器44から構成さ
れる。ROM42は、プログラムと必要な定数データを
記憶する。RAM43は、演算途上で必要となる変数な
どの一時記憶に用いられる。
【0069】上記(数1式)に示す非線形差分方程式の
解を利用して、駆動信号を発生する場合の説明を行な
う。ROM42には、予め(数1式)を計算するプログ
ラムを記憶しておく。図3は、この計算のプログラムを
示す概略フローチャートである。
【0070】図3に見られる如く、まず係数A、初期値
0 をセットして、(数1式)に従い X1 =AX
0 (1−X0 )を計算する。そしてこの値をDA変換器
44でアナログ値にして出力する。次に、X1 の値を
(数1式)に代入してX2 を計算しDA変換器44でア
ナログ値に変換して出力する。以下、これを繰り返せ
ば、図51に示す時系列データに基づく電気信号を得る
ことができる。
【0071】図3では、(数1式)の一繰り返し演算処
理に要する時間が、DA変換器44の出力である駆動信
号のホールド時間に等しいとなっている。(数1式)の
演算に要する時間と駆動信号のホールド時間は異なって
いてもよく、これはプログラムで簡単に実行できる。図
4はこの場合のプログラムを示す概略フローチャートで
ある。
【0072】図4において、m回の繰り返しの内、1回
だけDA変換出力を行うことによって、m回の演算処理
時間を1ホールド時間としている。これは(数1式)の
出力時系列を1/mに間引く処理に当たる。また(数1
式)の演算処理の前後に他の必要な処理、あるいは時間
遅れ処理を挿入すれば、ホールド時間を一演算処理時間
以上の範囲で自由に変更できることは明かである。
【0073】(数1式)から直接得られる時系列データ
と実際に使用する駆動(DA変換)信号との間には、時
間調整が必要となる場合が多い。例えば、図1におい
て、ファンモータ駆動回路3の応答時間が100mSで
あり、(数1式)の演算時間が1mSとしたら、99m
Sの時間を、他に必要な処理あるいは時間遅れ処理に振
り分ける必要がある。
【0074】上記時間調整は、図2において、DA変換
器44の後にサンプルホールド回路(図示せず)を挿入
し、MPU41の処理速度で決められる図3フローチャ
ートのDA変換器出力を、独立なクロック発振器(図示
せず)のパルスでサンプル(標本化)ホールドすること
でも可能であるのは明らかである。
【0075】(数1式)の出力であるXn とXn+1 の間
の数値をDA変換してファンモータ駆動信号とする場合
には、Xn とXn+1 の数値を直線補間あるいはスプライ
ン補間して出力すればよい。図5は、この直線補間方法
を示すフローチャートである。補間データXDAを順次D
A変換して行く。
【0076】次に、図1,図2において、DA変換器4
4で得られた駆動信号をファンモータ駆動回路3に与え
るための処理を説明する。図6は、ファンモータ駆動回
路3に与える電圧(入力電圧)とファンモータ2の回転
数の関係を示すグラフである。
【0077】図6に見られるように、ある電圧(入力電
圧)を与えるとほぼその電圧に比例した回転数を得るこ
とができる。そして得られる風速は、この回転数に比例
する。さて(数1式)を遂次演算して得られる数値は、
図50に示すように、0から1の間にある値である。D
A変換器で、この数値を図6に示す回転に必要な電圧に
変換する。
【0078】この時DA変換器44の仕様によっては演
算数値を仕様に合わせて数値変換する必要がある。例え
ばNEC社製8ビットDA変換器(μPD7001)
は、0から255の8ビットで表現されるディジタル数
値データを、0Vから外部で設定する所定のプラス電圧
(例えば4V)に変換する。このため先の演算結果の0
から1の範囲の数値を、0から255の数値に変換して
はじめて必要とする0から4Vの電圧を得ることができ
る。
【0079】図7は、この数値変換処理を含むプログラ
ムを示すフローチャートである。Xn に所定の定数をか
けた結果をDA変換する。図50に示すようにXn 値の
採り得る範囲は係数Aによって異なる。従って先の定数
は、係数Aにしたがって決める必要がある。
【0080】こうしてはじめて(数1式)の演算結果で
ある不規則な変動(ゆらぎ)が正しく駆動電圧に変換さ
れ、ファンモータ2の回転数を変動させ、人に与える刺
激としての風の強さ(風速)にゆらぎを与え、快適感を
喚起することができる。
【0081】風速の中心レベルを所定の値、その時の変
動(ゆらぎ)範囲をある幅に納めることを考える。駆動
電圧と回転数の関係を示す図6に(a)で指示するのが
中心回転数で、(b)で指示する回転数範囲で変動させ
ることを考える。今、図2のDA変換器44が、0から
255の8ビットデータ入力で、0から4Vの電圧を出
力すると考える。図6から、入力電圧として1.5から
3Vをファンモータ駆動回路3に与えれば、ファンモー
タ回転数800から1600rpmが得られる。このた
めには(数1式)の演算結果であるXn を1.5から3
Vの電圧に変換する必要がある。
【0082】図8は、かかる線形変換処理を説明するた
めの特性図である。図8において、Xn の値を比例(直
線の傾きa、切片b)関係を用いてXDAに変換し、この
値をDA変換することで必要な入力電圧を得る。図9
は、かかる線形変換処理を含むプログラムを示すフロー
チャートである。
【0083】この線形変換のためのパラメータ(図8の
変換直線の傾きaと切片b)の設定を図9のフローチャ
ートのスタートで行うようにしておき、複数のパラメー
タを予めROM42(図2)に記憶しておき、制御回路
5(図1)からファンモータ駆動信号発生器4への信号
でパラメータの一組を選択してプログラムをスタートす
ればよい。
【0084】このような処理は、DA変換器44とファ
ンモータ駆動回路3の間に電圧を変換する回路を設けて
も可能であるが、中心電圧と振幅を同時に自由に変換す
るには複雑な電子回路を必要とする。本実施例のよう
に、MPU41のプログラムで行う方がコスト、自由度
(柔軟性)の点で優れている。
【0085】図10は、ファンモータ駆動回路3に与え
る電圧(入力電圧)とファンモータ2の回転数の関係の
他の例を示すグラフである。ファンモータ駆動回路3の
入力電圧とファンモータ2の回転数の関係は、図6に示
す線形な比例関係になっていることはまれである。図1
0に示すように、入力電圧を与えても回転しない不感帯
や回転数が入力電圧の2乗に比例するという非線形な関
係にある場合もある。このため、(数1式)で得られる
時系列データ信号を歪みなく回転数に反映するために
は、この非線形性を補正する必要が生ずる。
【0086】図12は、かかる非線形性補正変換処理を
含むプログラムを示すフローチャートである。不感帯の
回避は(数1式)の演算結果に一定のオフセット値を加
算することで行うことができる。非線形性の補正は、先
の非線形性と逆の関係にある逆関数を用意し、(数1
式)の演算結果をこの逆関数で修正して出力する。
【0087】図11は、この非線形性の補正処理の一例
を説明するための特性図である。ここでは、Xn が0.
0から1.0までの範囲の値をとり、駆動回路入力電圧
とファンモータ回転数が図10の関係にあり、この時フ
ァンモータ2の回転数としてXn の値に比例する0から
1600rpmを得ることを考える。
【0088】まずXn を比例関係でDA変換器の出力と
して1から3Vの電圧を得られるように変換する(図1
1の(a)、図10の線形変換処理と同じ)。つぎにこ
れを逆非線形関数fで歪ませる(図11の(b))。そ
してこれをDA変換してファンモータ駆動回路3に入力
する(図11の(c))。
【0089】図11説明では理解を容易にするため、変
換のための入出力目盛りをすべてDA変換器の出力すな
わちファンモータ駆動回路の入力電圧に統一して示して
ある。図11の(a)(c)から逆非線形関数fを媒介
すればXn と回転数を比例関係とすることができる。駆
動入力電圧と回転数の関係が単純な非線形であれば逆非
線形関数fは解析的に簡単に求められる。例えば前者が
Y=X2 であれば、後者はY= Xである。
【0090】しかし一般には図10に示したように複雑
である。この場合には折れ線近似から数値的に求め、逆
非線形関数fをテーブルデータとして与えるのが好まし
い。MPUのように演算処理能力が低い場合には非線形
性の補正を逆関数演算で行うのは処理時間がかかりすぎ
るため望ましくはない。この場合には、予めROM42
にテーブルデータとして先の逆関数を記憶しておき、
(数1式)の演算結果をテーブル引きで修正して出力す
るのが望ましい。
【0091】このような処理はDA変換器44とファン
モータ駆動回路3の間に電圧を変換する回路を設けても
可能であるが、電圧の非線形な変換には複雑な電子回路
を必要とする。本実施例のようにMPU41のプログラ
ムで行う方がコストの点で優れている。
【0092】上記処理によって最終的には(数1式)の
演算結果を回転数に正しく反映することができる。こう
してはじめて(数1式)の演算結果である不規則な変動
(ゆらぎ)を正しく反映するファンモータ駆動電圧に変
換でき、ファンモータ2の回転数を変動させ、人に与え
る刺激としての風の強さ(風速)にゆらぎを与え、快適
感を喚起することができる。
【0093】以上動作説明を簡単にするため時間調整機
能、数値変換処理、線形変換処理、非線形性補正変換処
理を別々のフローチャートでおこなったが、1つのフロ
ーチャートに全ての処理を含ませてよいのは明らかであ
る。
【0094】図13は、フラクタル幾何学(縮小写像)
の考えに基づき、乱数データを用いて複雑な信号を作成
する場合のファンモータ駆動信号発生器を、他の一例と
して示すブロック図である。図13において、図2にお
けるのと同一符号は、同一物を示す。48は、0から1
までの一様乱数データを発生する乱数発生回路である。
【0095】次の(数2式)は、レビのダストと呼ばれ
るランダムな点の分布を作成する写像である。これは宇
宙の星の分布のモデルとして考え出されたものである。
単純な正弦波関数の振幅、角周波数を乱数で与えなが
ら、写像を繰り返すことで複雑な分布を与えることがで
きる(Xn 、Yn を座標点として平面にプロットす
る。)。次の(数2式)の変数Dはフラクタル次元であ
り、これを変えると分布の様子が変わる。
【0096】
【数2】
【0097】これは(数1式)と同様に繰り返し演算す
ることで複雑な時系列データ信号を作成することができ
る。図14は、上記(数2式)の出力時系列データXn
の一例を示すグラフである。
【0098】図15は、(数2式)を利用したファンモ
ータ駆動信号発生のプログラムを示すフローチャートで
ある。フラクタル次元D、初期値X0 を設定し、乱数値
RNDを乱数発生回路48(図13)から読み込みなが
ら上記(数2式)を繰り返し計算してDA変換すること
で図14に示す時系列データ信号を得る。
【0099】係数としてのフラクタル次元Dを変えると
で時系列パターンの様子を大きく変えることができる。
そしてこれをファンモータ駆動回路3に入力すること
で、ファンモータ2の回転数を変動させ、人に与える刺
激としての風の強さ(風速)にゆらぎを与え、快適感を
喚起することができる。なお、乱数発生回路48と同じ
動作はこれをプログラムで行うことが可能なのは明らか
で、これによれば乱数発生回路48を省略することがで
きる。
【0100】次の(数3式)は、数学者アーノルドによ
って導かれたサインサークルマップと呼ばれる写像であ
る。この写像では係数Ω、Kを所定の値にすると先の写
像で得られた連続的な時系列信号(図51、図14)と
は大きく異なる図16に示すような間欠的な時系列デー
タ信号が得られる。
【0101】即ち図16は、(数3式)を演算すること
により得られる間欠的な時系列データ信号を示すグラフ
である。図17は、この写像を用いたファンモータ駆動
信号発生のプログラムを示すフローチャートである。こ
れによってファンモータ駆動信号を発生すれば、間欠的
に風を生成し、かつその風はゆらぎを持ったものとする
ことができる。
【0102】
【数3】
【0103】以上図1の実施例によれば、大きな記憶容
量を必要とせずに、簡略なプログラムにより複雑な時系
列データ信号を作成でき、これでファンモータの回転数
を制御するため、使用者にゆらぎのある快適な風を提供
できる。
【0104】図18は、本発明の他の一実施例を示すブ
ロック図である。同図において、図1におけるのと同一
符号は同一物を示す。図18において、6は押しボタン
スイッチ、7はどの押しボタンスイッチが押されたかを
検出し、この押しボタンスイッチ情報を制御回路5に送
信するスイッチ選択情報回路である。
【0105】本実施例は使用者が好みによって、図1の
実施例で説明したゆらぎ風の中心風速、ゆらぎの幅ある
いは風のゆらぎパターンを選択できるようにしたもので
ある。例えば、押しボタンスイッチ6として強、中、弱
の3つを用意する。使用者が強ボタンを押せば、スイッ
チ選択情報回路7はこの情報を制御回路5に伝える。
【0106】そして制御回路5は、ファンモータ駆動信
号発生器4のプログラムによる現在のファンモータ駆動
信号発生を一時中止させ、ROM42に予め記憶させて
おいた線形変換のための複数のパラメータ(変換直線の
傾きa、切片b)の中から強風に相当する中心風速、ゆ
らぎの幅のパラメータを選択し、再度プログラムをスタ
ートするよう指示する。その結果ファンモータ2の回転
によって引き起こされる風は、現在の状態から強風に相
当する風の状態に遷移する。こうした動作によって使用
者は好みの風速のゆらぎ風を得ることができる。
【0107】(数1式)で出力の時系列データを変化さ
せるためには、図51に示したように初期値あるいは係
数値をほんの少しずらせばよい。例えば初期値として数
種類の値をROM42に記憶しておき、これらから1つ
を読み出し、図3のフローチャートにしたがって演算を
行えば、全く異なる時系列データを得ることができる。
係数値を数種類用意しても同様である。
【0108】上述の動作説明で明らかなように、押しボ
タンスイッチ6で初期値あるいは係数値の一つを選択で
きるようにすれば、使用者の好みで風のゆらぎパターン
を選択することができる。そして先の中心風速、ゆらぎ
の幅の選択だけでなく、ゆらぎのパターンまで選択でき
るようになる。
【0109】上記(数1式)の出力時系列データである
図51と、上記(数3式)の出力時系列の一つである図
16とを比較すると分かるように、不規則な時系列デー
タ信号を作成するに用いる非線形差分方程式の種類によ
って、時系列データのパターンは大きく異なる。非線形
差分方程式自身は簡単であり、これを実行するプログラ
ム容量は少なくて済む。そこで図19に示すように、数
種類の非線形差分方程式を予めプログラムしておき、押
しボタンスイッチ6でこの中から1種類を選択するよう
にすれば、使用者は大きく異なる不規則時系列データ信
号つまり風のゆらぎ状態を選択できるようになる。
【0110】図19は、数種類の非線形差分方程式を予
めプログラムしておき、その中から1種類を選択して不
規則時系列データ信号を発生するようにしたプログラム
を示すフローチャートである。
【0111】以上本実施例によれば、大きな記憶容量を
必要とせずに、簡略なプログラムにより複雑な時系列デ
ータ信号を作成でき、これでファンモータの回転数を制
御するため、使用者にゆらぎのある快適な風を提供でき
る。また使用者は好みによって自由に中心風量、ゆらぎ
の幅あるいはゆらぎのパターンを選択することができ
る。
【0112】図20は、本発明の他の一実施例を示すブ
ロック図である。同図において、図1におけるのと同一
符号は同一物を示す。そのほか、図20において、8は
年月日、時間データを出力するカレンダー回路である。
本実施例は、カレンダー回路8が出力する年月日、時間
データに依存して、図18の実施例で説明した中心風
量、ゆらぎの幅あるいはゆらぎのパターンを自動的に選
択するものである。
【0113】カレンダー回路8が出力する月日データか
ら季節を制御回路5が判断し、ファンモータ駆動信号発
生器4のプログラムを制御する。具体的には、図3フロ
ーチャートの係数Aあるいは初期値X0 の設定値を、季
節が変化したら代えることで季節に適したゆらぎパター
ンを自動的に選択する。設定値としては、予め方程式で
得られる時系列パターンを検討して、季節に適した代表
的のものを複数例えば4つ選びROM42に記憶してお
く。
【0114】またファンモータ駆動信号発生器4の中に
カウンタ(図示せず)を設け、カレンダー回路8の出力
する時間データにより、午前零時の度にこのカウンタを
カウントアップする。そしてこのカウンタ値を初期値と
して、図3のフローチャートに従ってファンモータ駆動
信号を発生させれば、日々異なるゆらぎパターンを得る
ことも可能である。
【0115】以上本実施例によれば、季節に適した中心
風量、ゆらぎの幅あるいはゆらぎのパターンを自動的に
選択して使用者に快適な風を送ることができる。また日
々異なるゆらぎパターンを持つ風を使用者に与えること
も可能となる。
【0116】図21は、本発明の更に他の一実施例を示
すブロック図である。同図において、図1におけるのと
同一符号は同一物を示す。図21において、そのほか、
9はエアコン室外機、10はエアコン室外機に設置さ
れ、温度、湿度、気圧センサなどから得えられる室外の
温度、湿度、気圧、風速などのデータを制御回路5に送
信する外気状態検出回路である。
【0117】図21に示す本実施例は、外気状態検出回
路10が出力する天候データで、図18の実施例で説明
した中心風量、ゆらぎの幅、あるいはゆらぎのパターン
を自動的に選択するものである。
【0118】外気状態検出回路10が出力する温度、湿
度、気圧、風速などのデータから天候を制御回路5が判
断し、ファンモータ駆動信号発生器4のプログラムを制
御する。具体的には図3のフローチャートの係数Aある
いは初期値X0 の設定値を、天候が変化したら変えるこ
とで天候に適したゆらぎパターンを自動的に選択する。
設定値としては、予め方程式で得られる時系列パターン
を検討して、天候に則した代表的のものを複数選びRO
M42に記憶しておく。
【0119】以上本実施例によれば、天候に則した中心
風量、ゆらぎの幅あるいはゆらぎのパターンを自動的に
選択して使用者に快適な風を送ることができる。
【0120】図22は、本発明のなお更に他の一実施例
を示すブロック図である。同図において、図1における
のと同一符号は同一物を示す。図22において、そのほ
か11は焦電センサ(人体がその活動の結果、発生する
赤外線を検出する赤外線センサ)などを用いて人の動き
の量である活動量を検出し、制御回路5に出力する活動
量検出回路である。本実施例は、活動量検出回路11が
出力する活動量データで、図18の実施例で説明した中
心風量、ゆらぎの幅、ゆらぎのパターンを自動的に選択
するものである。
【0121】活動量検出回路11が出力する活動量デー
タから、使用者の動きの程度を制御回路5が判断し、フ
ァンモータ駆動信号発生器4のプログラムを制御する。
具体的には、図3フローチャートの係数Aあるいは初期
値X0 の設定値を活動量値が変化したら変えることで動
きに適したゆらぎパターンを自動的に選択する。設定値
としては予め方程式で得られる時系列パターンを検討し
て、動きに適した代表的のものを複数選びROM42に
記憶しておく。
【0122】例えば活動量が大の時は変化の激しいすな
わち中心風量、ゆらぎ幅が大きく変化時間の短いパター
ンの設定値、活動量が小のときは逆に変化がゆるやかす
なわち中心風量、ゆらぎ幅が小さく変化時間の長いパタ
ーンの設定値を自動的に選択するように設計する。
【0123】以上本実施例によれば、動きに適した中心
風量、ゆらぎの幅あるいはゆらぎのパターンを自動的に
選択し、使用者の動きに応じて快適な風を送ることがで
きる。
【0124】図23は、本発明の別の一実施例を示すブ
ロック図である。同図において、図1におけるのと同一
符号は同一物を示す。図23において、そのほか、12
は温度センサ、圧力センサなどで血圧、心拍数、体温な
ど人の生理状態を検出し、検出データをデータ送信回路
13、データ受信回路14を介して制御回路5に出力す
る生理状態検出回路である。
【0125】生理状態検出回路12は、使用者に接触さ
せて使用者の体温、心拍数などを測定するため、腕時計
のような形態をとりデータ送受信は無線で行うのが望ま
しい。本実施例は、生理状態検出回路12が出力する使
用者の生理状態で、図18の実施例で説明した中心風
量、ゆらぎの幅、ゆらぎのパターンを自動的に選択する
ものである。
【0126】生理状態検出回路12が出力する生理状態
データから使用者の健康度を制御回路5が判断し、ファ
ンモータ駆動信号発生器4のプログラムを制御する。具
体的には、図3のフローチャートの係数Aあるいは初期
値X0 の設定値を、使用者の健康の度合いが変化したら
変えることで使用者の健康状態に適したゆらぎパターン
を自動的に選択する。
【0127】設定値としては予め方程式で得られる時系
列パターンを検討して、健康状態に適した代表的のもの
を複数選びROM42に記憶しておく。例えば健康な時
は普通の中心風量、ゆらぎ幅あるいはゆらぎパターンの
設定値、病気の時は刺激がゆるやかすなわち中心風量、
ゆらぎ幅が小さく変化時間の長いパターンの設定値を自
動的に選択するように設計する。
【0128】以上本実施例によれば、使用者の健康状態
に適した中心風量、ゆらぎの幅あるいはゆらぎのパター
ンを自動的に選択して使用者の健康状態に則した快適な
風を送ることができる。
【0129】図24は、本発明の更に別の一実施例を示
すブロック図である。同図において、図23におけるの
と同一符号は同一物を示す。図24において、そのほ
か、15は圧力センサ、抵抗センサ、微少電圧センサな
どで使用者の脳波、心拍数、発汗量などを検出し、これ
らのデータから人の心理状態を制御回路5に出力する心
理状態検出回路である。
【0130】本実施例は、心理状態検出回路15が出力
する使用者の心理状態データで、図18の実施例で説明
した中心風量、ゆらぎの幅あるいはゆらぎのパターンを
自動的に選択するものである。
【0131】心理状態検出回路15が出力する心理状態
データから使用者の心理状態を制御回路5が判断し、フ
ァンモータ駆動信号発生器4のプログラムを制御する。
具体的には、図3のフローチャートの係数Aあるいは初
期値X0 の設定値を使用者の心理状態が変化したら変え
ることで使用者の心理状態に適したゆらぎパターンを自
動的に選択する。
【0132】設定値としては予め方程式で得られる時系
列パターンを検討して、心理状態に適した代表的のもの
を複数選びROM42に記憶しておく。例えば平静にく
つろいでいる時は、普通の中心風量、ゆらぎ幅あるいは
ゆらぎパターンの設定値、苛々している時は落ち着かせ
るために刺激がゆるやかすなわち中心風量、ゆらぎ幅が
小さく変化時間の長いパターンの設定値を自動的に選択
するように設計する。
【0133】以上本実施例によれば、使用者の心理状態
に適した中心風量、ゆらぎの幅あるいはゆらぎのパター
ンを自動的に選択して使用者の心理状態に則した快適な
風を送ることができる。
【0134】図25は、本発明のなお更に別の一実施例
を示すブロック図である。図25において、図1におけ
るのと同一符号は同一物を示す。図25において、その
ほか、16は駆動信号発生器、17は圧縮器駆動回路、
18は圧縮器、19は熱交換器である。
【0135】図26は、図25における駆動信号発生器
16の一構成例を示すブロック図である。図26におい
て、図2におけるのと同一符号は同一物を示す。そのほ
か、45はDA変換器である。MPU41の2つのポー
トに、DA変換器44、45が接続される。
【0136】図25,図26に示す本実施例は、図1の
実施例で説明した風のゆらぎ以外に室内設定温度にも同
様なゆらぎを持たせるものである。
【0137】図25,図26を参照して、駆動信号発生
器16の動作を説明する。次の(数4式)は数学者エノ
ンにより導かれた2階差分方程式(エノン写像とも呼ば
れる)である。
【0138】
【数4】
【0139】(数4式)は(数1式)と同様に係数A、
Bを所定の値に設定し繰り返し計算することで不規則な
時系列データ信号を2つ(Xn とYn )得ることができ
る。図27は、この場合の駆動信号発生のプログラムを
示すフローチャートである。係数A、Bと初期値X0
0 を設定して、(数4式)を繰り返し計算する。計算
値Xn 、Yn はそれぞれDA変換器44、45に入力さ
れアナログ電圧のファンモータ駆動信号、圧縮器駆動信
号として、ファンモータ駆動回路3、圧縮器駆動回路1
7に出力される。
【0140】圧縮器駆動回路17は、与えられる電圧に
比例した回転数で圧縮器18のモータを回転させる。こ
の回転数に比例した圧力で封入されている冷媒材料(フ
ロン)を熱交換器19に循環させる。熱交換器19で熱
交換される熱量は、熱交換器を通過する空気量と先の圧
力に比例する。部屋の空気を熱交換器19に導き、ファ
ンモータ2で再び部屋に吹き出すことで部屋の空気温度
を冷房時には下げることができる。このことから圧縮器
駆動回路17に与える電圧に不規則なゆらぎを持たせれ
ば部屋の温度がこれに比例して不規則にゆらぐ。
【0141】図28は、駆動信号発生の他のプログラム
を示すフローチャートである。これは(数4式)で計算
される時系列データ信号の内Yn を1/mに間引いてD
A変換し、これを圧縮器駆動信号とするように図27の
フローチャートを変更したものである。
【0142】部屋の温度を変化させるには一般に長い時
間(数分から数十分)が必要となる。これはエアコンの
場合圧縮器の能力が小さくこれにくらべ部屋の熱容量が
大きいためである。一方ファンモータの回転応答は数百
msと短い。したがって図27の様に同一時間間隔でそ
れぞれの駆動信号を作成しても意味がない場合が生ず
る。
【0143】例えば図27のフローチャートで遅れ時間
処理を導入して、Xn 、Yn を100ms毎にDA変換
する。この場合ファンモータ2は出力される不規則時系
列データ信号に追従してゆらぐことができるが、室温は
できない。図28のフローチャートはこの無意味な動作
を回避する方法である。mを数百から数千の値に設定す
れば良い。
【0144】図27、図28のフローチャートには簡単
のために先に説明した時間調整機能、数値変換処理、線
形変換処理、非線形性補正変換処理が導入されていない
が、これら処理を必要であれば導入できることは明らか
である。
【0145】また、本実施例に先に説明した押しボタン
およびスイッチ選択情報回路、カレンダー回路、外部状
態検出回路、活動量検出回路、生理状態検出回路、心理
状態検出回路を設け、これらの出力により係数A、Bあ
るいは初期値X0 、Y0 の設定を変更して風と温度のゆ
らぎパターンを選択あるいは自動的に最適なものとする
ことが可能なことも明らかである。
【0146】以上本実施例によれば、大きな記憶容量を
必要とせずに、簡略なプログラムにより複雑な2系統の
時系列データ信号を作成でき、これで同時にファンモー
タの回転数および圧縮器のモータ回転数を制御し、使用
者にゆらぎのある快適な風と室内温度を提供できる。
【0147】図29は、本発明の他の一実施例を示すブ
ロック図である。本実施例は風量と同時に風向にも不規
則なゆらぎを持たせるものである。図29において、図
1におけるのと同一符号は同一物を示す。図29におい
て、そのほか、20はモータ駆動信号発生器、21は上
下ルーバ駆動回路、22は左右ルーバ駆動回路、23は
上下ルーバモータ、24は左右ルーバモータである。
【0148】上下および左右の風向きを定めることは、
ファンモータ2の風吹き出し口に設けられた上下および
左右方向に動く一連の羽根板(ルーバ)(図示せず)の
向きを変えることで可能である。このルーバの向きを変
化させるのがルーバモータであり、上下方向に可動なル
ーバを所定の角度範囲で動かすのが上下ルーバモータ2
3、左右方向に可動なルーバを所定の角度範囲で動かす
のが左右ルーバモータ24である。
【0149】図30は、図29におけるモータ駆動信号
発生器20の構成を示すブロック図である。図33にお
いて、図26におけるのと同一符号は同一物を示す。そ
のほか、46はDA変換器である。
【0150】MPU41の3つのポートにそれぞれDA
変換器44、45、46を接続しそれぞれファンモータ
駆動信号、上下ルーバ駆動信号、左右ルーバ駆動信号を
出力する。そして各信号はそれぞれファンモータ駆動回
路3、上下ルーバ駆動回路21、左右ルーバ駆動回路2
2に加えられる。
【0151】モータ駆動信号発生器20の動作を説明す
る。ファンモータ駆動信号発生器4と同様にMPU41
のソフトウエアで信号を発生する。次の(数5式)に3
階の非線形常微分方程式を示す。
【0152】
【数5】
【0153】これはローレンツが大気の循環モデルを単
純化して立てた方程式である。これは、係数Rが24.
74<R<145の範囲にある場合、時間tの無限大に
おける解がある値に漸近することもなく、周期解になる
こともなく、有限の領域を動き続けるという奇妙な挙動
を示す。それ故この解軌跡はストレンジアトラクターと
呼ばれる。そしてこの状態はカオスである。
【0154】本実施例はこの方程式のカオス状態での解
軌跡を用いて、それぞれのモータ駆動信号を発生するこ
とを特徴とする。一般に(数5式)のような非線形常微
分方程式は解析的には解けない。そこで種種の方法(例
えばルンゲクッタ法)で近似解をもとめる。時間刻み幅
を△tとして(数5式)を差分方程式に変換して数値演
算的に解く。式6にこの差分方程式の最も簡単な一例を
示す(dX/dtを(Xn+1 −Xn )/△tに変換)。
【0155】
【数6】
【0156】パラメータRを先の範囲のある値に、初期
値X0 、Y0 、Z0 をある値にきめて適当な時間刻み幅
で式6を遂次的にXn 、Yn 、Zn に求めて行く。図3
1にXn 、Yn 、Zn と時間(刻み幅△t単位)の関係
の一例を示す。
【0157】図32は、上記(数6式)を解きながら、
モータ駆動信号を発生するためのMPU41のプログラ
ムを示すフローチャートである。パラメータR、初期値
を設定し(数6式)の演算を繰り返す。各繰り返しの中
でXn 、Yn 、Zn の値を各DA変換器に出力してアナ
ログ値に変換し、ファンモータ、上下ルーバ、左右ルー
バの駆動信号として出力する。
【0158】上下ルーバ駆動回路21に正の電圧を与え
ると、所定の中心軸から電圧に比例した角度に上方向に
上下ルーバが動き、逆に負の電圧を与えると下方向に上
下ルーバが動く様に上下ルーバ駆動回路21および上下
ルーバモータ23、上下ルーバ可動機構を設計してお
く。左右ルーバ駆動回路22、左右ルーバモータ24、
左右ルーバ可動機構も同様に設計しておく。そしてDA
変換器45、46は図31の(b)、(c)の時系列デ
ータ値を入力するとそれに比例して正負のアナログ電圧
を出力するものを選択して設けておく。
【0159】こうして図32のフローがMPU41で実
行されると、図31の(b)、(C)の時系列データ信
号に比例して上下および左右のルーバが動き、上下およ
び左右方向に風向きを変化つまり風向きにゆらぎを与え
ることになる。ファンモータ2の回転動作については先
に説明したため省略する。ファンモータ2の回転数つま
り風速(風量)も同時に図31の(a)の時系列データ
に比例してゆらぐ。
【0160】図32のフローチャートには簡単のために
先に説明した時間調整機能、数値変換処理、線形変換処
理、非線形性補正変換処理が導入されていないが、これ
ら処理を必要であれば導入できることは明らかである。
【0161】また、本実施例に先に説明した押しボタン
およびスイッチ選択情報回路、カレンダー回路、外部状
態検出回路、活動量検出回路、生理状態検出回路、心理
状態検出回路を設け、これらの出力により係数Rあるい
は初期値X0 、Y0 、Z0 の設定を変更して風速および
風向のゆらぎパターンを選択あるいは自動的に最適なも
のとすることが可能なこともあきらかである。
【0162】以上本実施例によれば、大きな記憶容量を
必要とせずに、簡略なプログラムにより複雑な3系統の
不規則時系列データ信号を作成でき、これで同時にファ
ンモータの回転数およびルーバの位置を制御し、使用者
に風量と風向きが同時にゆらぐ自然の風に近い快適な風
を提供できる。
【0163】なお以上の説明では演算の結果である不規
則な時系列データ信号をDA変換器でアナログ電気信号
に変換して実際のアクチュエータ駆動に用いたが、これ
に限ることはない。例えば図51の時系列データを所定
の値と比較することで2値信号(パルス信号)に変換し
てモータなどのオン・オフ信号としてもよい。この場合
には、モータのオン時間とオフ時間が不規則に変化す
る。こうすることでもアクチュエータによる物理刺激に
ゆらぎを持たせることができるのは明らかである。
【0164】図33は、本発明の更に他の一実施例を示
すブロック図である。図33において、図1におけるの
と同一符号は同一物を示す。図33において、そのほ
か、25は周波数応答補正回路である。
【0165】図33において、ファンモータ駆動回路3
からファンモータ2の回転数にいたるまでの周波数応答
特性の一例を図34に示す。これは、一定振幅の正弦波
電圧をファンモータ駆動回路3に入力したときの正弦波
周波数とファンモータ2の回転数の変化幅の関係を示し
ている。
【0166】図34において、低い周波数(0.1Hz
以下)では入力振幅に比例した回転数変化が得られる
が、高い周波数(0.5Hz以上)では入力振幅は一定
であるにも関わらず、低い周波数に比べ回転数変化幅は
周波数に逆比例して小さくなる。これは高い周波数では
慣性力のためファンモータの回転が入力信号変化に追従
できなくなることを示している。
【0167】一般に慣性力のあるモータ回転或いは熱容
量のある発熱体の発熱現象などの多くは、図34に示す
ような一次遅れの周波数応答特性を持っている。
【0168】さてファンモータ駆動信号発生器4で得ら
れた時系列データ信号の周波数特性(スペクトルの傾
き)が、図35の(a)に示すように1/f特性であ
り、この時系列データ信号を同図の(b)に示すファン
モータ駆動回路3からファンモータ2の回転数にいたる
周波数特性の系に入力すれば、結果として得られる回転
数変化の周波数特性は、同図の(c)となる。つまり本
来、図35の(a)に示す特性の回転数変化すなわち風
速変化(ゆらぎ)を得るつもりでも、結果は同図の
(c)の特性となってしまう。
【0169】図33の周波数応答補正回路25は、ディ
ジタルフィルタあるいはアナログフィルタで構成され、
予め図35の(b)の特性を補正するよう同図(d)の
特性を持つように設計しておく。そして図35の(a)
の周波数特性を持つ時系列データ信号を周波数応答補正
回路25に入力し、同図の(e)の特性に変更し、これ
をファンモータ駆動回路3に入力する。
【0170】こうすれば、たとえ回転数周波数特性が図
35の(b)のように平坦でなくとも、同図の(f)に
示すように、時系列データ信号の周波数特性(同図の
(a))と同じ形状(スペクトルの傾き)を持つ回転数
変化すなわち風速変化(ゆらぎ)を得ることができる。
つまりファンモータ駆動信号発生器4で発生した時系列
データ信号のスペクトル形状を目標である物理刺激(風
速)のゆらぎのスペクトル形状に正しく反映させること
が可能となる。
【0171】上記では、ファンモータ駆動回路からファ
ンモータ回転数までの周波数応答特性の補正について説
明したが、さらに広く例えば使用者の位置での風速変化
を補正するようにしてもよい。
【0172】ファンモータの回転が風を起こし、その風
は空間を伝わって使用者に達する。ファンモータの直近
では回転数は風速に比例するが、空間を移動するときに
乱流化するため使用者の位置ではさらに複雑となってい
る。この場合は予め一般的な使用者の位置で風速を観測
することにより、ファンモータ駆動回路から使用者位置
までの周波数特性を測定して、前説明のごとく、これを
補正する周波数特性を周波数応答補正回路25にもたせ
ればよい。
【0173】以上本実施例によれば、駆動信号発生器4
で発生する時系列データ信号のスペクトル形状を最終目
標である物理刺激(風)のゆらぎのスペクトル形状(傾
き)に正しく反映させることができる。
【0174】図36は、本発明のなお更に別の一実施例
を示すブロック図である。図36において、図18、図
33におけるのと同一符号は同一物を示す。
【0175】本実施例はファンモータ駆動信号発生器4
の発生する不規則時系列データ信号のスペクトル傾きを
押しボタンにより使用者の好みで選択できるようにした
ものである。以下ファンモータ駆動信号発生器4の発生
する不規則時系列データ信号のスペクトル傾きを変化さ
せる方法を中心に説明する。
【0176】自然のモデルの一つであるブラウン運動を
非整数次元まで拡張したものにマンデルブロのフラクシ
ョナル・ブラウン運動(非整数ブラウン運動とも呼ばれ
る)がある。これを生成するスペクトル近似法(フーリ
エ・フィルタリング法とも呼ばれる)の考え方は、確率
過程X(t)の標本のスペクトル表現に基づいている。
【0177】過程X(t)は周波数fに関して、無限個
のサイン関数とコサイン関数の和に分解できる。そして
その各々のパワー(と振幅)はスペクトル密度S(f)
によってきまる。実際には確率過程X(t)を次の(数
7式)に示すように有限個のサイン関数とコサイン関数
の和で表わす。
【0178】
【数7】
【0179】フーリエ変換の係数ak は標本点X
(tk )に1対1に対応する。ただしtk=k/N、k
=0、1、……、N−1である。kは本質的に(数7
式)における周波数に相当するので、S(f)が1/
(fのβ乗)に比例するためには、係数ak は次の(数
8式)を満たさなければならない。
【0180】
【数8】
【0181】スペクトル近似法は上記(数8式)の期待
値に従う、ランダムな係数を抽出することで実現され
る。係数を求めた後、逆フーリエ変換により時間領域で
のX(t)をもとめる。
【0182】過程X(t)は実数のみ必要であるから、
実際には次の(数9式)の制約式を満たす実乱数Ak
k を抽出するので十分である。
【0183】
【数9】
【0184】そして、X(t)は次の(数10式)で求
まる。
【0185】
【数10】
【0186】本実施例では、ファンモータ駆動信号発生
器4内のMPU41に、(数9式)、(数10式)によ
るスペクトル近似法でスペクトルの傾きが1/(fのβ
乗)の不規則時系列データを作成し、これでファンモー
タ2の回転を駆動制御する。図37は、この場合のプロ
グラムを示すフローチャートである。
【0187】図37のフローチャートで作成される不規
則時系列データ信号のスペクトルを図38に示す。フラ
クタル次元Dに従ってスペクトルの傾きβが変化してい
るのが分かる。
【0188】図36において、周波数応答補正回路25
は、前実施例で説明したファンモータ駆動回路3からフ
ァンモータ2の回転にいたる周波数特性を補正するもの
である。ファンモータ駆動信号発生器4は、周波数応答
補正回路25を介してファンモータ駆動回路3に接続さ
れているので、ファンモータ2の回転の周波数特性はフ
ァンモータ駆動信号発生器4の発生する時系列データ信
号の周波数特性となる。
【0189】簡単のため選択できるのは図38に示す3
種類の周波数特性であるとして説明する。予め図38の
(a)、(b)、(c)にそれぞれ示す周波数特性とな
るフラクタル次元Dの値を、ファンモータ駆動信号発生
器4内のROM42に記憶しておく。また押しボタンス
イッチ6には先のゆらぎ周波数特性を示す表示を付して
おく。
【0190】図36において、使用者が1/fの表示が
ある押しボタンスイッチ6をおすと、押しボタン情報回
路7はこの情報を制御回路5に伝える。そして制御回路
5はファンモータ駆動信号発生器4を制御し、図37の
フローチャートのプログラムを一旦止め、もし現在実行
中のフラクタル次元Dと異なる押しボタンが選択された
のであれば、フローチャートのスタートに戻り、選択さ
れた押しボタンに相当するフラクタル次元の値、この場
合は2をROM42から読み込み、Dに設定して次に進
む。つまり新たに周波数特性が1/fとなる不規則時系
列データ信号の発生を開始する。こうして使用者は選択
したゆらぎの周波数特性をもつ風を得ることになる。
【0191】以上本実施例によれば、エアコンの使用者
は自分の好みに合わせて自由にゆらぎある風のスペクト
ルの傾きを選択できる。なお押しボタンによる選択手段
に代わり、前記したカレンダー回路、外気状態検出回
路、活動量検出回路、生理状態検出回路、心理状態検出
回路を設け、これらの出力信号でフラクタル次元Dを自
動的に選択しても良いのは明らかである。
【0192】図39は、本発明の別の一実施例を示すブ
ロック図である。図39において図36におけるのと同
一符号は同一物を示す。図39において、そのほか、2
6は可変周波数応答補正回路である。本実施例は、押し
ボタンにより使用者が好みで風速ゆらぎのスペクトル形
状を選択できるように構成されている。
【0193】図40は、図39における可変周波数応答
補正回路26の構成を示すブロック図である。図40に
おいて、51はレジスタ52、乗算器53、加算器54
で構成されるFIRディジタルフィルタ、55はフィル
タ係数を記憶する係数データメモリ、56はAD変換
器、57はDA変換器である。
【0194】フィルタ係数は乗算器の乗数として与えら
れFIRディジタルフィルタ51の周波数特性を決定す
る。AD変換器56は、ファンモータ駆動信号発生器4
の出力するアナログ信号をディジタル信号に変換しFI
Rディジタルフィルタ51でデイジタルフィルタ演算を
可能ならしめるものである。DA変換器57は、FIR
ディジタルフィルタ51のディジタルフィルタ演算結果
をアナログ信号に変換するものである。
【0195】今ファンモータ駆動信号発生器4の出力で
ある時系列データが図35の(a)の周波数特性を持
ち、ファンモータ駆動回路3の入力からファンモータ2
の回転数までが同図の(b)の周波数特性をもつものと
する。そして最終的にファンモータ2の回転数の変化、
すなわち風速のゆらぎの周波数特性を 1/f、1/f1.5 、1/f2 の3種類に切り替えることを考える。
【0196】予め図41の(a)、(b)、(c)に示
す周波数特性となるFIRディジタルフィルタ51のフ
ィルタ係数を、係数データメモリ55に記憶しておく。
また押しボタンスイッチ6には先のゆらぎ周波数特性を
示す表示を付しておく。
【0197】使用者が1/fの表示がある押しボタンス
イッチ6をおすと、押しボタン情報選択回路7は、この
情報を制御回路5に伝える。そして制御回路5は、可変
周波数応答補正回路26を制御し、FIRデイジタルフ
ィルタ51の周波数特性が図41の(a)となるフィル
タ係数を、係数データメモリ55から引き出し乗算器5
3の乗数として与える。そしてFIRディジタルフィル
タは、図41の(a)の周波数特性をもつフィルタとし
て動作する。
【0198】ファンモータ駆動信号発生器4が発生する
信号(図35の(a)の周波数特性)は、可変周波数応
答補正回路26に入力され、その周波数特性が補正され
る。補正された信号は、ファンモータ駆動回路3に入力
され、ファンモータ2を回転させ風を発生する。回転特
性は図35の(a)特性、同図(b)の特性、図41の
(a)の特性が掛け合わされたものであり、結果として
風のゆらぎに1/fの周波数特性が得られる。図41に
示すように可変周波数応答補正回路26にはファンモー
タ駆動回路3の入力からファンモータ2の回転までの周
波数特性を補正する特性を含ませておく。
【0199】他の押しボタンスイッチが押された場合も
同様であるため説明を省略する。可変周波数応答補正回
路26は、他の型のディジタルフィルタ例えばIIR型
であってもよい。そしてハードウエアで構成せずにMP
Uのプログラムで実行できるのも明かである。MPU4
1のプログラムで構成すれば、ファンモータ駆動信号発
生器4内のDA変換器および可変周波数応答補正回路2
6内のAD変換器を省略できる。
【0200】またアナログフィルタで構成してもよい
が、この場合には周波数特性を可変するために素子の切
り替えなどが必要となり複雑な回路構成となる。ファン
モータ駆動信号発生器4は、図3のフローチャートに示
すように非線形差分方程式の繰り返し演算で不規則時系
列データ信号を発生するとして説明したが、これに限る
ことはない。乱数はカオス現象の極端な例と考えられ、
この乱数発生をMPU41のプログラムで行ない不規則
時系列データ信号を得ても良い。
【0201】以上本実施例によれば、使用者は好みによ
りゆらぎの周波数特性を選択できより快適な風を得るこ
とが可能となる。
【0202】図42は、本発明のなお更に別の実施例を
示すブロック図である。図42において、図20、図3
9におけるのと同一符号は同一物を示す。本実施例は、
カレンダー回路8の出力する年月日、時間データで図3
9で説明した風速のゆらぎ周波数特性(スペクトルの傾
き)を可変するものである。
【0203】予め可変周波数応答補正回路26内の係数
データメモリ55に、季節に適した風の周波数特性が得
られる係数データを複数記憶しておく。例えば、春夏秋
冬それぞれ自然の風のスペクトルを観測して代表的なも
の4種類の係数データを記憶しておく。例えば夏に適す
るものとしては高原の風の平均スペクトル、冬に適する
ものとして春風の平均スペクトルの係数データなどを記
憶しておく。
【0204】カレンダー回路8が出力する月日データか
ら季節を制御回路5が判断し、可変周波数応答補正回路
26を制御する。具体的には、可変周波数応答補正回路
26内の係数データメモリ55から季節に適した風の周
波数特性が得られる係数データを選択し、これでFIR
ディジタルフィルタ51を動作させる。
【0205】以上本実施例によれば、ゆらぎ風のスペク
トル傾きを自動的に季節に適したものとすることができ
る。
【0206】図43は、本発明の更に他の実施例を示す
ブロック図である。図43において、図21、図39に
おけるのと同一符号は同一物を示す。本実施例は、外気
状態検出回路9の出力する室外の温度、湿度、気圧、風
速などの天候データで図39で説明した風速のゆらぎ周
波数特性(スペクトルの傾き)を天候に合わせて可変す
るものである。
【0207】予め可変周波数応答補正回路26内の係数
データメモリ55に、天候に適した風の周波数特性が得
られる係数データを複数記憶しておく。例えば晴れ、曇
り、雨、雪に対してそれぞれ4種類の係数データを記憶
しておく。例えば晴れに適するものとして普通の1/f
特性が得られる係数データ、雪に適するものとしてゆる
やかなゆらぎである1/f2 が得られる係数データを記
憶しておく。
【0208】外気状態検出回路9が出力する室外の温
度、湿度、気圧、風速などのデータから天候を制御回路
5が判断し、可変周波数応答補正回路26を制御する。
具体的には、可変周波数応答補正回路26内の係数デー
タメモリ55から天候に適した風の周波数特性が得られ
る係数データを選択し、これでFIRディジタルフィル
タ51を動作させる。
【0209】以上本実施例によればゆらぎ風のスペクト
ル傾きを自動的に天候に適したものとすることができ
る。
【0210】図44は本発明のなお更に他の実施例を示
すブロック図である。図44において、図22、図39
におけるのと同一符号は同一物を示す。本実施例は、活
動量検出回路11の活動量データで図39で説明した風
速のゆらぎ周波数特性(スペクトルの傾き)を人の動き
量である活動量に合わせて可変するものである。
【0211】予め可変周波数応答補正回路26内の係数
データメモリ55に人の活動量に適した風の周波数特性
が得られる係数データを複数記憶しておく。例えば、活
動量大である激しい動きに適したものとして平坦特性が
得られる係数データ、活動量小である、くつろいだ状態
に適したものとして1/f特性が得られる係数データを
記憶しておく。
【0212】活動量検出回路11が出力する活動量デー
タから使用者の活動状態を制御回路5が判断し、可変周
波数応答補正回路26を制御する。具体的には、可変周
波数応答補正回路26内の係数データメモリ55から活
動状態に適した風の周波数特性が得られる係数データを
選択し、これでFIRディジタルフィルタ51を動作さ
せる。
【0213】以上本実施例によれば、ゆらぎ風のスペク
トル傾きを自動的に使用者の動きに適したものとするこ
とができる。
【0214】図45は本発明の別の実施例を示すブロッ
ク図である。図45において、図23、図39における
のと同一符号は同一物を示す。本実施例は、生理状態検
出回路12の出力する血圧、心拍数、体温などのデータ
で図39で説明した風速のゆらぎ周波数特性(スペクト
ルの傾き)を使用者の健康状態に合わせて可変するもの
である。
【0215】予め可変周波数応答補正回路26内の係数
データメモリ55に使用者の健康状態に適した風の周波
数特性が得られる係数データを複数記憶しておく。例え
ば、健康な時に適したものとして普通の1/f特性が得
られる係数データ、病気で熱がある時に適したものとし
てゆったりとした、ゆらぎである1/f2 特性が得られ
る係数データを記憶しておく。
【0216】生理状態検出回路12が出力する体温、血
圧、心拍数などのデータから使用者の健康状態を制御回
路5が判断し、可変周波数応答補正回路26を制御す
る。具体的には、可変周波数応答補正回路26内の係数
データメモリ55から使用者の健康状態に適した風の周
波数特性が得られる係数データを選択し、これでFIR
ディジタルフィルタ51を動作させる。
【0217】以上本実施例によれば、ゆらぎ風のスペク
トル傾きを自動的に使用者の健康状態に適したものとす
ることができる。
【0218】図46は本発明の別の実施例を示すブロッ
ク図である。図46において、図24、図39における
のと同一符号は同一物を示す。本実施例は、心理状態検
出回路15の出力する脳波、心拍数、発汗量などのデー
タで図39で説明した風速のゆらぎ周波数特性(スペク
トルの傾き)を使用者の心理状態に合わせて可変するも
のである。
【0219】予め可変周波数応答補正回路26内の係数
データメモリ55に、使用者の心理状態に適した風の周
波数特性が得られる係数データを複数記憶しておく。例
えば平静な状態に適するものとして普通の1/f特性が
得られる係数データ、苛々した状態に適するものとして
落ち着かせるためのゆったりとした1/f2 特性が得ら
れる係数データを記憶しておく。
【0220】心理状態検出回路15が出力する使用者の
脳波、心拍数、発汗量などのデータから使用者の心理状
態を制御回路5が判断し、可変周波数応答補正回路26
を制御する。具体的には、可変周波数応答補正回路26
内の係数データメモリ55から使用者の心理状態に適し
た風の周波数特性が得られる係数データを選択し、これ
でFIRディジタルフィルタ51を動作させる。
【0221】以上本実施例によれば、ゆらぎ風のスペク
トル傾きを自動的に使用者の心理状態に適したものとす
ることができる。
【0222】以上実施例では、エアコン室内機を例に、
その風および温度変化について本発明の動作を説明した
が、これに限ることはなく、たとえば、ヒータを用いた
電気こたつ、バイブレータを用いたあんま機でも、同様
に本発明を適用できるのは明らかである。特にあんま機
などは使用者の健康状態で物理刺激を変えた方が望まし
い。
【0223】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、簡
単な規則(繰り返し演算)で不規則時系列データ信号を
発生するため、記憶容量が少なくても数多くの変化があ
る(ゆらぎを持つ)物理刺激を使用者に与え、快適感を
持続させることが可能な物理量制御装置を提供できる。
【0224】またゆらぎパターンを使用者の好み、季
節、時間帯、天候さらには健康状態、心理状態によって
最適なものに設定でき、使用者に快適な物理刺激を与え
ることができる。さらに物理刺激のパワースペクトルの
傾き(形状)を使用者の好み、季節、時間帯、天候さら
には健康状態、心理状態によって最適なものに設定で
き、使用者に快適な物理刺激を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてエアコン室内機の構成
を示すブロック図である。
【図2】図1におけるファンモータ駆動信号発生器の構
成を示すブロック図である。
【図3】ファンモータ駆動信号発生のプログラムの一例
を示すフローチャートである。
【図4】ファンモータ駆動信号発生のプログラムの別の
例を示すフローチャートである。
【図5】ファンモータ駆動信号発生のプログラムの更に
別の例を示すフローチャートである。
【図6】駆動回路入力電圧とファンモータ回転数の関係
を示す特性図である。
【図7】ファンモータ駆動信号発生のプログラムの他の
例を示すフローチャートである。
【図8】線形変換処理の手法を示す説明図である。
【図9】ファンモータ駆動信号発生のプログラムの更に
他の例を示すフローチャートである。
【図10】駆動回路入力電圧とファンモータ回転数の関
係を示す特性図である。
【図11】非線形性補正変換処理の手法を示す説明図で
ある。
【図12】ファンモータ駆動信号発生のプログラムのな
お更に他の例を示すフローチャートである。
【図13】ファンモータ駆動信号発生器の他の構成を示
すブロック図である。
【図14】乱数と縮小写像(レビのダスト)による時系
列データ信号を示すグラフである。
【図15】ファンモータ駆動信号発生のプログラムの別
の例を示すフローチャートである。
【図16】サインサークルマップによる時系列データ信
号を示すグラフである。
【図17】ファンモータ駆動信号発生プログラムの更に
別の例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の他の実施例としてのエアコン室内機
の構成を示すブロック図である。
【図19】ファンモータ駆動信号発生プログラムのなお
更に別の例を示すフローチャートである。
【図20】本発明の更に他の実施例としてのエアコン室
内機の構成を示すブロック図である。
【図21】本発明のなお更に他の実施例としてのエアコ
ンの構成を示すブロック図である。
【図22】本発明の別の実施例としてのエアコン室内機
の構成を示すブロック図である。
【図23】本発明の更に実施例としてのエアコンの構成
を示すブロック図である。
【図24】本発明のなお更に実施例としてのエアコンの
構成示すブロック図である。
【図25】本発明の他の実施例としてのエアコンの構成
示すブロック図である。
【図26】図25における駆動信号発生器の構成を示す
ブロック図である。
【図27】駆動信号発生プログラムの例を示すフローチ
ャートである。
【図28】駆動信号発生プログラムの他の例を示すフロ
ーチャートである。
【図29】本発明の更に他の実施例としてのエアコン室
内機の構成を示すブロック図である。
【図30】駆動信号発生器の構成例を示すブロック図で
ある。
【図31】ローレンツ方程式の解の時系列データ信号を
示すグラフである。
【図32】モータ駆動信号発生のプログラムの別の例を
示すフローチャートである。
【図33】本発明のなお更に他の実施例としてのエアコ
ン室内機の構成を示すブロック図である。
【図34】ファンモータ回転の周波数応答特性を示す特
性図である。
【図35】周波数応答補正の手法を示す説明図である。
【図36】本発明の別の実施例としてのエアコン室内機
の構成を示すブロック図である。
【図37】ファンモータ駆動信号発生のプログラムの別
の例を示すフローチャートである。
【図38】ファンモータ駆動信号時系列データ信号のス
ペクトルを示すスペクトル図である。
【図39】本発明の更に別の実施例としてのエアコン室
内機の構成を示すブロック図である。
【図40】図39の可変周波数応答補正回路の構成を示
すブロック図である。
【図41】FIRディジタルフィルタの周波数応答を示
す特性図である。
【図42】本発明のなお更に別の実施例としてのエアコ
ン室内機の構成を示すブロック図である。
【図43】本発明の他の実施例としてのエアコンの構成
を示すブロック図である。
【図44】本発明の更に他の実施例としてのエアコン室
内機の構成を示すブロック図である。
【図45】本発明の別の実施例としてのエアコンの構成
を示すブロック図である。
【図46】本発明の更に別の実施例としてのエアコンの
構成を示すブロック図である。
【図47】風のパワースペクトルを示すスペクトル図で
ある。
【図48】従来の物理量制御装置の簡略モデルを示すブ
ロック図である。
【図49】再帰関数による木(ツリー)を示す説明図で
ある。
【図50】ロジスティック方程式の分岐図である。
【図51】ロジスティック方程式の解の時系列データを
示すグラフである。
【符号の説明】
1…エアコン室内機、2…ファンモータ、3…ファンモ
ータ駆動回路、4…ファンモータ駆動信号発生器、5…
制御回路、6…押しボタンスイッチ、7…押しボタン情
報選択回路、8…カレンダー回路、9…エアコン室外
機、10…外気状態検出回路、11…活動量検出回路、
12…生理状態検出回路、15…心理状態検出回路、1
6…駆動信号発生器、17…圧縮器駆動回路、18…圧
縮器、19…熱交換器、20…モータ駆動信号発生器、
21…上下ルーバ駆動回路、22…左右ルーバ駆動回
路、23…上下ルーバモータ、24…左右ルーバモー
タ、25…周波数応答補正回路、26…可変周波数応答
補正回路、41…MPU、42…ROM、43…RA
M、44…DA変換器、48…乱数発生回路、51…F
IRディジタルフィルタ、55…係数データメモリ
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F24D 19/10 C 6909−3L F24F 11/02 Z G05B 19/02 C 7361−3H

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱量、温度、風量、あんま刺激量等の
    如き人体に刺激をもたらす物理量を操作する操作手段
    と、非線形方程式を解きその解として時系列データを出
    力する演算手段と、該時系列データを電気信号に変換す
    る変換手段と、変換された電気信号を前記操作手段に供
    給して該操作手段による物理量操作の程度を時間の経過
    とともに制御する駆動制御手段と、から成ることを特徴
    とする物理量制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の物理量制御装置におい
    て、前記方程式は、その解の時系列データが非周期的デ
    ータとなる如き係数を持つ方程式から成ることを特徴と
    する物理量制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の物理量制御装置におい
    て、前記演算手段は、非線形方程式を解きその解として
    出力する時系列データを、時間伸長或いは圧縮して出力
    する時間調整手段を含むことを特徴とする物理量制御装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の物理量制御装置におい
    て、前記演算手段は、非線形方程式を解きその解を出力
    する際、その解を線形変換して出力する線形変換手段を
    含むことを特徴とする物理量制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の物理量制御装置におい
    て、前記演算手段は、前記操作手段の入出力特性の非線
    形性を補正する非線形性補正手段を持ち、非線形方程式
    を解きその解を出力する際、その解を前記非線形性補正
    手段により補正して出力することを特徴とする物理量制
    御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の物理量制御装置におい
    て、押しボタンによる如き選択手段と、複数の数値を記
    憶する記憶手段と、とを備え、前記選択手段により前記
    記憶手段に記憶された数値の中の少なくとも一つを選択
    し、前記方程式の初期時間変数値或いは係数値として与
    えることを特徴とする物理量制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の物理量制御装置におい
    て、乱数発生手段を備え、前記方程式の初期時間変数値
    或いは係数値を前記乱数発生手段により発生させた乱数
    によって与えることを特徴とする物理量制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の物理量制御装置におい
    て、年月日日時をデータとして出力するカレンダー手段
    を備え、前記方程式の初期時間変数値或いは係数値を、
    前記カレンダー手段から出力される年月日日時データに
    依存して与えることを特徴とする物理量制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の物理量制御装置におい
    て、該制御装置の設置されている室の外の温度、湿度、
    気圧、気流などをデータとして検出する外気状態検出手
    段を備え、前記方程式の初期時間変数値或いは係数値
    を、前記外気状態検出手段により検出されたデータに依
    存して与えることを特徴とする物理量制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の物理量制御装置にお
    いて、人の動きである活動量を検出する活動量検出手段
    を備え、前記方程式の初期時間変数値或いは係数値を、
    前記活動量検出手段により検出された活動量に依存して
    与えることを特徴とする物理量制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の物理量制御装置にお
    いて、血圧、心拍数、体温など人の生理状態を検出する
    生理状態検出手段を備え、前記方程式の初期時間変数値
    或いは係数値を、前記生理状態検出手段により検出され
    た生理状態に依存して与えることを特徴とする物理量制
    御装置。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の物理量制御装置にお
    いて、脳波、心拍数、発汗量など人の心理状態を検出す
    る心理状態検出手段を備え、前記方程式の初期時間変数
    値或いは係数値を、前記心理状態検出手段により検出さ
    れた心理状態に依存して与えることを特徴とする物理量
    制御装置。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の物理量制御装置にお
    いて、前記操作手段の周波数応答を表わす伝達関数と逆
    の伝達関数を持つ周波数応答補正手段を備え、前記操作
    手段に与えられる電気信号を前記周波数応答補正手段に
    より補正することを特徴とする物理量制御装置。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の物理量制御装置にお
    いて、外部パラメータによりその周波数応答特性を変更
    できるフィルタ手段を備え、前記操作手段に与えられる
    電気信号を前記フィルタ手段を介して与えることを特徴
    とする物理量制御装置。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の物理量制御装置に
    おいて、押しボタンによる如き選択手段と、複数のデー
    タを記憶する記憶手段と、を備え、前記選択手段により
    前記記憶手段に記憶されるデータの中の少なくとも一つ
    を選択し、選択された該データをパラメータとして前記
    フィルタ手段に与えることを特徴とする物理量制御装
    置。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の物理量制御装置に
    おいて、年月日日時をデータとして出力するカレンダー
    手段と、複数のデータを記憶する記憶手段と、を備え、
    前記カレンダー手段から出力されたデータに依存して、
    前記記憶手段に記憶されたデータの中の少なくとも一つ
    を選択し、選択された該データをパラメータとして前記
    フィルタ手段に与えることを特徴とする物理量制御装
    置。
  17. 【請求項17】 請求項14に記載の物理量制御装置に
    おいて、該制御装置の設置されている室の外の温度、湿
    度、気圧、気流などを検出する外気状態検出手段と、複
    数のデータを記憶する記憶手段と、を備え、前記外気状
    態検出手段により検出された外気状態に依存して前記記
    憶手段に記憶されたデータの中の少なくとも一つを選択
    し、選択された該データをパラメータとして前記フィル
    タ手段に与えることを特徴とする物理量制御装置。
  18. 【請求項18】 請求項14に記載の物理量制御装置に
    おいて、人の動きである活動量を検出する活動量検出手
    段と、複数のデータを記憶する記憶手段と、を備え、前
    記活動量検出手段により検出された活動量に依存して前
    記記憶手段に記憶されたデータの中の少なくとも一つを
    選択し、選択された該データをパラメータとして前記フ
    ィルタ手段に与えることを特徴とする物理量制御装置。
  19. 【請求項19】 請求項14に記載の物理量制御装置に
    おいて、血圧、心拍数、体温など人の生理状態を検出す
    る生理状態検出手段と、複数のデータを記憶する記憶手
    段と、を備え、前記生理状態検出手段により検出された
    生理状態に依存して前記記憶手段に記憶されたデータの
    中の少なくとも一つを選択し、選択された該データをパ
    ラメータとして前記フィルタ手段に与えることを特徴と
    する物理量制御装置。
  20. 【請求項20】 請求項14に記載の物理量制御装置に
    おいて、脳波、心拍数、発汗量などから人の心理状態を
    検出する心理状態検出手段と、複数のデータを記憶する
    記憶手段と、を備え、前記心理状態検出手段により検出
    された心理状態に依存して前記記憶手段に記憶されたデ
    ータの中の少なくとも一つを選択し、選択された該デー
    タをパラメータとして前記フィルタ手段に与えることを
    特徴とする物理量制御装置。
  21. 【請求項21】 発熱量、温度、風量、あんま刺激量等
    の如き人体に刺激をもたらす物理量を操作する操作手段
    と、乱数値を発生する乱数発生手段と、発生された該乱
    数値の時系列を電気信号に変換する変換手段と、外部パ
    ラメータによりその周波数応答特性を変更できるフィル
    タ手段と、前記変換手段により変換された電気信号を前
    記フィルタ手段を介して取込み前記操作手段に供給して
    該操作手段による物理量操作の程度を時間の経過ととも
    に制御する駆動制御手段と、から成ることを特徴とする
    物理量制御装置。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の物理量制御装置に
    おいて、押しボタンによる如き選択手段と、複数のデー
    タを記憶する記憶手段と、を備え、前記選択手段により
    前記記憶手段に記憶されたデータの中の少なくとも一つ
    を選択し、選択された該データをパラメータとして前記
    フィルタ手段に与えることを特徴とする物理量制御装
    置。
  23. 【請求項23】 請求項21に記載の物理量制御装置に
    おいて、年月日日時をデータとして出力するカレンダー
    手段と、複数のデータを記憶する記憶手段と、を備え、
    前記カレンダー手段から出力された年月日日時データに
    依存して前記記憶手段に記憶されたデータの中の少なく
    とも一つを選択し、選択された該データをパラメータと
    して前記フィルタ手段に与えることを特徴とする物理量
    制御装置。
  24. 【請求項24】 請求項21に記載の物理量制御装置に
    おいて、該制御装置の設置された室の外の温度、湿度、
    気圧、気流などを検出する外気状態検出手段と、複数の
    データを記憶する記憶手段と、を備え、前記外気状態検
    出手段により検出された外気状態に依存して前記記憶手
    段に記憶されたデータの中の少なくとも一つを選択し、
    選択された該データをパラメータとして前記フィルタ手
    段に与えることを特徴とする物理量制御装置。
  25. 【請求項25】 請求項21に記載の物理量制御装置に
    おいて、人の動きである活動量を検出する活動量検出手
    段と、複数のデータを記憶する記憶手段と、を備え、前
    記活動量検出手段により検出された活動量に依存して前
    記記憶手段に記憶されたデータの中の少なくとも一つを
    選択し、選択された該データをパラメータとして前記フ
    ィルタ手段に与えることを特徴とする物理量制御装置。
  26. 【請求項26】 請求項21に記載の物理量制御装置に
    おいて、血圧、心拍数、体温など人の生理状態を検出す
    る生理状態検出手段と、複数のデータを記憶する記憶手
    段と、を備え、前記生理状態検出手段により検出された
    生理状態に依存して前記記憶手段に記憶されたデータの
    中の少なくとも一つを選択し、選択された該データをパ
    ラメータとして前記フィルタ手段に与えることを特徴と
    する物理量制御装置。
  27. 【請求項27】 請求項21に記載の物理量制御装置に
    おいて、脳波、心拍数、発汗量などから人の心理状態を
    検出する心理状態検出手段と、複数のデータを記憶する
    記憶手段と、を備え、前記心理状態検出手段により検出
    された心理状態に依存して前記記憶手段に記憶されたデ
    ータの中の少なくとも一つを選択し、選択された該デー
    タをパラメータとして前記フィルタ手段に与えることを
    特徴とする物理量制御装置。
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