JP2016017692A - 温熱快適感評価方法および温熱環境コントロールシステム。 - Google Patents

温熱快適感評価方法および温熱環境コントロールシステム。 Download PDF

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Abstract

【課題】温度が変化する環境中における人間の温熱快適感をより正確に評価することができる温熱快適感評価方法およびこれを用いた温熱環境コントロールシステムを提供する。【解決手段】人間の温熱快適感を評価する温熱快適感評価方法であって、人間の周辺の温度を変数として含んだ時間xに関する関数f(x)を得る関数取得工程と、関数取得工程で得られた関数f(x)を周波数分解により周波数成分に分解する分解工程と、分解工程で得られた周波数成分の少なくとも一部に、周波数に応じて異なる係数を乗じる係数乗算工程と、係数乗算工程の後、周波数成分を周波数合成して評価関数F(x)を導出する評価関数導出工程と、評価関数導出工程で導出された評価関数F(x)を指標として人間の温熱快適感を評価する評価工程と、を有することを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、室内において人間が感じる温熱快適感を評価する温熱快適感評価方法およびこれを用いた温熱環境コントロールシステムに関する。
住宅やオフィスビル等の室内において人間が感じる温熱快適感を評価し、この評価結果に基づいて室内温熱環境を細かく制御することにより、快適な室内温熱環境を省エネルギーで達成することができる。
人間の温熱快適感を評価する指標としては、国際標準化機構(ISO)により国際規格ISO−7730として認定されている予想平均温冷感申告(PMV:Predicted Mean Vote)が知られている。予想平均温冷感申告(以下、PMVという)は、温度、湿度、気流、熱放射、代謝量および着衣量を考慮した多くの実験から導出された人間の平均的な快適感の指標であり、エアコンディショナー等の種々の温熱環境コントロール機器において、PMV値を基準とした快適制御が行われている。
しかしながら、PMVは、健康な人の平均的な温熱快適感の指標であり、個人の心理的要因や生理的要因は考慮されておらず、必ずしも個人にとって最適な温熱快適感を示す指標とはなっていないという問題点がある。そこで、人間の温熱快適感の評価に、人間の心理的、生理的な要因を反映させることにより、室内環境における人の快適性をより高めるようにした手法が開発されている。
例えば特許文献1には、居室内における人の動きを動態検知等の技術を用いて検知し、その検知結果を介して人の心理状態、健康状態を快適度として検出し、これを室内環境のコントロールに利用するようにした温熱環境コントロールシステムが記載されている。
特開平7−55226号公報
人が感じる体感温度はその人の性別や年齢等によって相違する上、同じ温度であっても、その環境への暴露時間つまり人間の温度知覚の対比的な効果によっても相違し、必ずしも物理量としての温度とは一致しない。これは、人間の温度知覚は、例えば、温度が低い環境から温度が高い環境へ短時間で移動した場合に人の体感温度が実際の温度に対して高くなり、居室内の温度を長時間かけて徐々に変化させた場合には人がその温度変化に気付きにくくなるように、温度変化に要する時間によっても変化するからである。
しかしながら、特許文献1のシステムでは、このような温度知覚の対比的な効果が考慮されないので、温度が変化する環境中における人の体感温度を考慮した真の温熱快適感を評価することはできなかった。
本発明は、このような点を解決することを課題とするものであり、その目的は、温度が変化する環境中における人間の温熱快適感をより正確に評価することができる温熱快適感評価方法およびこれを用いた温熱環境コントロールシステムを提供することにある。
本発明の温熱快適感評価方法は、人間の温熱快適感を評価する温熱快適感評価方法であって、人間の周辺の温度を変数として含んだ時間xに関する関数f(x)を得る関数取得工程と、前記関数取得工程で得られた関数f(x)を周波数分解により周波数成分に分解する分解工程と、前記分解工程で得られた周波数成分の少なくとも一部に、周波数に応じて異なる係数を乗じる係数乗算工程と、前記係数乗算工程の後、周波数成分を周波数合成して評価関数F(x)を導出する評価関数導出工程と、前記評価関数導出工程で導出された評価関数F(x)を指標として人間の温熱快適感を評価する評価工程と、を有することを特徴とする。
本発明の温熱快適感評価方法においては、前記係数は、所定の周波数帯域毎に異なる値に設定されているのが好ましい。
また、本発明の温熱快適感評価方法においては、前記係数は、所定の周波数の範囲内において、周波数が高い程に小さい値に設定されるのが好ましい。
さらに、本発明の温熱快適感評価方法においては、前記関数f(x)は、シミュレーションにより得られたものとすることができる。
さらに、本発明の温熱快適感評価方法においては、前記関数f(x)は、実測定の結果により得られたものとすることができる。
さらに、本発明の温熱快適感評価方法においては、前記関数f(x)は、実測定の結果を初期条件としたシミュレーションにより得られたものとすることができる。
さらに、本発明の温熱快適感評価方法においては、前記関数f(x)は、作用温度(OT:Operative Temperature)の時間xに関する関数または予想平均温冷感申告(PMV:Predicted Mean Vote)の時間xに関する関数とすることができる。
本発明の温熱環境コントロールシステムは、上記の温熱快適感評価方法により人間の温熱快適感を評価し、その評価結果に基づいて、室内の温熱環境をコントロールする機器の作動を制御し、または室内の温熱環境のコントロールを促すアラーム装置の作動を制御することを特徴とする。
本発明では、人間の周辺の温度を変数として含んだ時間xに関する関数f(x)を周波数分解し、その周波数成分に周波数に応じて異なる係数を乗じるようにしたので、周波数合成により導出した評価関数F(x)を、人間の温度知覚の対比的な効果が考慮されたものとして、温度が変化する実際の環境における人間の温熱快適感(体感温度)をより正確に評価することができる。したがって、温度が変化する環境中における人間の温熱快適感をより正確に評価することができる温熱快適感評価方法およびこれを用いた温熱環境コントロールシステムを提供することができる。
本発明の一実施形態である温熱快適感評価方法における関数f(x)の一例を示す特性線図である。 図1に示す関数f(x)を周波数分解した結果を示す特性線図である。 周波数成分に乗じる係数の他の実施例を示す図である。 図2に示す周波数成分に係数を乗じ、周波数合成して導出した評価関数F(x)の特性線図である。 本発明の一実施形態である温熱環境コントロールシステムの制御体系を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態である温熱環境コントロールシステムの制御体系を示すブロック図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に例示説明する。
本発明の一実施形態である人間の温熱快適感評価方法は、人間の温熱快適感を評価する温熱快適感評価方法であって、人間の周辺の温度を変数として含んだ時間xに関する関数f(x)を周波数分解し、その周波数成分に周波数に応じて異なる係数を乗じることで、当該周波数を周波数合成して導出する評価関数F(x)を、人間の温度知覚の対比的な効果が考慮されたものとし、これにより、温度が変化する実際の環境における人間の温熱快適感をより正確に評価することができるようにしたものである。この温熱快適感評価方法は、例えば、住宅やオフィスビル等の室内において人間が感じる温熱快適感を評価する際に用いることができる。
温熱快適感とは、ある温熱環境において人間が感じる、暑さ、または寒さの指標である。
本発明の温熱快適感評価方法では、まず、評価対象となる室内(温熱環境)における人間の温熱快適感の評価の基礎とするために、人間の周辺の温度を変数として含んだ時間xに関する関数f(x)を得る関数取得工程が行われる。本実施形態では、この関数f(x)として、PMVと時間との関係を表す関数を用いた場合を示す。図1は、この関数f(x)の一例を示す特性線図である。
PMVは、温度、湿度、気流、熱放射、代謝量および着衣量を考慮した多くの実験から導出された人間の平均的な温熱快適感の指標である。PMVでは、体の部位別の熱移動を、体毛、静脈・動脈、ふるえ等を考慮した部位別出力に対し、年齢、性別及び概日リズムによる代謝量の変化をかけ合わせることにより得られる調整出力値変換を有している。部位別出力は、生態内部と環境との境界の2項に分かれて算出され、生態内部では蓄熱項、熱伝導項、血液移流項、血管からの熱伝達項および産熱項からなり、環境との境界では熱伝導、対流熱伝達、放射熱伝達、蒸発に伴う熱伝達、呼吸に伴う熱伝達を適宜考慮して境界条件として設定される。境界条件モデルは、一般的なPMVの式などを用いて設定することができる。以下に、数式(1)としてPMVの算出式を示す。
Figure 2016017692
ここで、f(m)はPMV換算係数であり、以下の数式(2)から算出される。また、Lは人体表面熱収支であり、以下の数式(3)から算出される。
Figure 2016017692
Figure 2016017692
上記数式(2)、(3)において、Mは代謝発熱量(W/m2)、Cは対流放熱量(W/m2)、Dは接触放熱量(W/m2)、Rは輻射方熱量(W/m2)、Eは蒸汗放熱量(W/m2)、Cresは呼吸による顕熱放熱量(W/m2)、Eresは呼吸による潜熱放熱量(W/m2)である。
上記の代謝発熱量Mは、評価対象の環境内における人間の、想定される作業強度(運動強度)に基づいて決定することができる。この場合、代謝発熱量Mは、作業強度を示す単位であるMET(Metabolic Equivalent)を考慮して決定することができる。
また、上記対流放熱量C、接触放熱量Dおよび輻射方熱量Rは、衣服による熱抵抗を加味した人体モデルをCFDで作成し、計算によって求めることができる。この場合、衣服による熱抵抗として、着衣の断熱・保温性を示す指標であるクロ値(clo値)を用いることができる。
蒸汗放熱量Eは、以下の数式(4)から算出することができる。
Figure 2016017692
上記式(4)において、Eskは不感蒸泄量(W/m2)、Eswは快適時の発汗放熱量(W/m2)である。
快適時においては、以下の数式(5)、数式(6)が成り立つものとする。なお、tskは平均皮膚表面温度(℃)である。
Figure 2016017692
Figure 2016017692
また、呼吸による顕熱放熱量Cresは、以下の数式(7)で算出することができる。また、呼吸による潜熱放熱量Eresは、以下の数式(8)で算出することができる。さらに、不感蒸泄量(W/m2)Eskは、以下の数式(9)で算出することができる。
Figure 2016017692
Figure 2016017692
Figure 2016017692
上記数式(7)において、tsは人間の周辺の温度(℃)であり、数式(8)、(9)において、psは環境空気の水蒸気分圧(kPa)である。
上記不感蒸泄量(W/m2)Eskの式は、以下の数式(10)から導出したものとすることができる。
Figure 2016017692
上記数式(10)において、psk,sは平均皮膚表面温度における飽和蒸気圧(kPa)、paは環境における蒸気圧(kPa)、w:表面濡れ率(PMVの算出では0.06とされる)、fclは着衣表面積率、Re,clは着衣潜熱伝達抵抗(m2・kPa・W-1)、hcは対流熱伝達係数(W/(m2・K))、LRはルイス比(K/kPa)である。
上記のように、PMVは人間の周辺の温度tsを変数として含んだ式により算出される。したがって、上記式に基づいて所定の時間毎にPMVを算出することにより、図1に示すような、PMVの時間毎の変化を示す関数、つまり人間の周辺の温度tsを変数として含んだ時間xに関する関数f(x)を得ることができる。
なお、PMVは、その値が0よりも大きい程、その温熱環境における人間が暑いと感じ、その値が0よりも小さい程、その温熱環境における人間が寒いと感じることを示す。
関数f(x)は、例えば、パーソナルコンピュータ等の演算機器を用いたシミュレーションに基づいて得ることができる。この場合、種々のシチュエーションを想定したシミュレーションにおいて、時間xに応じて変化する温度ts等の環境の変化を予測し、その予測結果に基づいて所定の時間毎のPMVが算出される。そして、得られた時間毎のPMVを近似曲線処理等することで、関数f(x)を得ることができる。この場合、PMVのサンプリングタイムは、例えば100(msec)等、任意の間隔に設定することができる。
関数f(x)をシミュレーションで得ることにより、種々のシチュエーションに対応した多数の関数f(x)を容易かつ迅速に得ることができる。
また、関数f(x)は、室内において人間の周辺の温度等の必要なデータを実測定した結果により得られるものとすることもできる。すなわち、温度測定器を用いて、室内の人間の周辺の温度を所定の時間毎に測定する等して必要なデータを収集し、それらの測定結果に基づいて所定の時間毎のPMVを算出し、得られた時間毎のPMVを近似曲線処理等して関数f(x)を得ることができる。この場合、PMVのサンプリングタイムは、例えば1〜30(sec)とするなど、任意に設定することができる。
関数f(x)を実測定の結果から得ることにより、より実際の環境に則した精度の高い関数f(x)を得ることができる。
さらに、関数f(x)は、実測定の結果を初期条件としたシミュレーションにより得られたものとすることもできる。すなわち、種々のシチュエーションを想定したシミュレーションにおいて、時間xに応じて変化する温度ts等の環境の変化を予測し、その予測結果に基づいて所定の時間毎のPMVを算出するに当たり、日射量や外気温等の実測定データを用いて評価対象となる温熱環境の温度変化等のシミュレーションを行うことで、より精度の高い関数f(x)をシミュレーションにより容易かつ迅速に得ることができる。
関数取得工程において関数f(x)を得ると、次に、分解工程において、関数f(x)を周波数分解(周波数解析)により周波数成分に分解する。図2に、関数f(x)を周波数分解した結果を示す。図2に示す特性線図は、周波数と振幅の関係式となっており、周波数の値が小さい程、温度変化が短時間で行われたことを示す。
本実施形態においては、関数f(x)の周波数分解を、フーリエ変換により行うようにしている。なお、周波数分解は、フーリエ変換に限らず、関数f(x)を周波数成分に分解することができる手法であれば、例えば、ウェーブレット変換や高速フーリエ変換等の他の手法により行うこともできる。
次に、係数乗算工程において、分解工程で得られた周波数成分の少なくとも一部に、その周波数に応じて異なる係数を乗じる。本実施形態では、表1に示すように、分解した周波数を、所定数の周波数帯域に分け、これらの周波数帯域毎に異なる値の係数を設定し、当該周波数帯域における周波数成分に、それぞれ対応する係数を乗じるようにしている。
Figure 2016017692
表1に示すように、本実施形態では、係数は、周波数が高い程に小さい値となるように設定されている。つまり、周波数の値が小さい帯域の周波数成分ほど大きな係数が乗じられるようになっている。したがって、温度tsないしPMVの変化がより短時間で行われた部分に対応する周波数成分ほど、その特性の重み付けが大きくされている。
なお、係数の値は、予め行った実験等の結果に基づいて設定することができるが、その値は種々変更可能である。図3に、周波数成分に乗じる係数の他の実施例を示す。
図3に示す場合では、係数は、人間の温度変化に対する知覚が敏感な領域である周波数が0.1(Hz)前後の範囲において最大値となり、人間が温度変化をほぼ知覚できない領域である周波数0.001(Hz)および10(Hz)において係数を1とする特性に設定されている。なお、この場合においても、係数は、周波数が0.1(Hz)弱から10(Hz)の範囲に、周波数が高い程に小さい値に設定される。
なお、係数は、周波数帯域毎に設定されるものではなく、周波数に応じて変化する連続した値とすることもできる。
次に、評価関数導出工程において、係数が乗じられた周波数成分を周波数合成して、評価関数F(x)を導出する。図4に、係数が乗じられた周波数成分を周波数合成して導出した評価関数F(x)の特性線図を示す。
本実施形態においては、周波数合成は、逆フーリエ変換により行うようにしている。なお、周波数合成は、逆フーリエ変換に限らず、例えば周波数分解としてウェーブレット分解を用いた場合には周波数合成としてウェーブレット逆変換を用いるなど、分解された周波数成分を合成することができるものであれば種々の手法を用いることができる。
そして、評価関数F(x)が導出されると、評価工程において、評価関数F(x)を指標として人間の温熱快適感を評価する。
ここで、このような手順で導出された評価関数F(x)は、PMVと時間との関係を表す関数f(x)を、周波数分解するとともに周波数合成したものであるので、PMVと同様に、人間の時間変化に伴う温熱快適感の体感指数を示すものとなっている。したがって、体感指数の値が0より大きい程、その温熱環境における人間が暑いと感じ、その体感指数の値が0より小さい程、その温熱環境における人間が寒いと感じることを示す。
また、評価関数F(x)は、関数f(x)を周波数分解して得られた周波数成分を、周波数に応じて異なる係数を乗じてから、周波数合成して導出されたものであるので、人間の温度知覚の対比的な効果を考慮した、時間変化に伴う温熱快適感の体感指数を示すものとなっている。つまり、評価関数F(x)は、関数f(x)を周波数分解した周波数成分に周波数に応じて異なる係数を乗じるフィルタリング処理が施されることにより、関数f(x)に対して、人間が比較的敏感に温度変化を知覚できる領域においては温度変化に対する体感指数の変化が大きくなり、人間の温度変化に対する知覚が比較的鈍感になる領域においては温度変化に対する体感指数の変化が小さくなるように重み付けされたものとなっている。
したがって、評価工程において、評価関数F(x)を指標として人間の温熱快適感を評価することにより、当該評価を、人間の温度知覚の対比的な効果が考慮されたものとして、温度が変化する実際の環境における人間の温熱快適感を(体感温度)をより正確に評価することができる。
また、シミュレーションにより温熱環境を予測した関数f(x)を用いて人間の温熱快適感の評価を行い、住宅等の建築物の設計において居室等の断熱性を検討する際に、当該シミュレーションの結果を用いることで、より快適で省エネ化された住宅の設計を容易にすることができる。
図5は、本発明の一実施形態である温熱環境コントロールシステムの制御体系を示すブロック図である。次に、上記の温熱快適感評価方法を用いた温熱環境コントロールシステムの一例を、図5を参照しつつ説明する。
この温熱環境コントロールシステム1は、関数f(x)を実測定の結果から得るようにしたものであり、人間の周辺の温度つまり温度tsを測定する温度測定器2を備える。この温度測定器2は、例えば、人間が携帯する携帯電話や腕時計型あるいは眼鏡型のウェアラブル端末等に設けた構成とすることができるが、室内に設置した構成とすることもできる。
温度測定器2の測定結果は、制御システム3に入力される。制御システム3は、例えばマイクロコンピュータを備えたものとされる。この場合、制御システム3はCPU(中央演算処理装置)とメモリ等の記憶媒体とを備え、その記憶媒体内には、例えば、表1や図3に示すような係数のデータ、PMV算出プログラム、温熱快適感の評価プログラム等が格納される。
制御システム3は、室内に設けられた構成とすることができるが、例えば専用の端末とした構成、またはスマートフォンなどの人間に携帯される携帯端末の一部に内蔵した構成とすることもできる。この場合、制御システム3は、エアコンディショナー、換気扇、自動開閉窓等の温熱環境をコントロールする機器に、近距離無線通信により接続される構成とすることができる。
制御システム3は、温度測定器2の測定結果つまり温度tsの測定結果に基づいて、温度tsを変数として含んだ時間xに関する関数f(x)を算出することができる。例えば、上記のように、PMVを基礎とした評価を行う場合には、制御システム3は、入力された温度ts等に基づきPMVの値を算出することになる。この場合、評価対象の温熱環境における風速、湿度、放射温度等を測定する種々の測定装置(不図示)を設け、これらの測定結果を制御システム3に入力させる構成とすることもできる。そして、制御システム3は、所定時間毎にPMVを算出することで、関数f(x)を得ることができる。
制御システム3は、関数f(x)のデータがある程度蓄積されると、算出した関数f(x)を周波数分解(フーリエ変換)し、その周波数成分に、表1や図3に示すような周波数に応じて異なる係数を乗じ、次いで周波数成分を周波数合成(逆フーリエ変換)して評価関数F(x)を導出する処理を行う。そして、制御システム3は、このようにして得た評価関数F(x)に基づき、つまり、当該評価関数F(x)により表された体感温度指数を指標として、評価対象となる温熱環境における人間の温熱快適感を評価する。
制御システム3により、人間の温熱快適感が「不快」と評価されると、体感温度指数が0に向かうように、例えば、エアコンディショナー、換気扇、窓等の温熱環境をコントロール可能なコントロール機器4が制御システム3により制御される。
一方、制御システム3により、人間の温熱快適感が「快」つまり快適と評価された場合には、制御システム3は、温熱環境をコントロールする機器4を制御することなく、温熱環境を快適な状態に維持する。
このように、本発明の温熱快適感評価方法を用いて、温熱環境コントロールシステム1を制御することにより、この温熱環境の温熱快適感をより高めることができる。
図6に、本発明の他の実施形態である温熱環境コントロールシステムの制御体系を示すブロック図を示す。なお、図6においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
図5に示す温熱環境コントロールシステム1が、関数f(x)を実測定の結果から得るようにしたものであるのに対して、図6に示す温熱環境コントロールシステム11は、関数f(x)を、シミュレーションにより得るようにしたものである。
図6に示す温熱環境コントロールシステム11では、まず、日射量等を含む気象データ6に基づき、シミュレーションにより、評価対象となる室内の温度tsの変化を含む温熱環境の変化が予測される。この場合、測定器5により測定された外気温等の種々の実測定の結果を初期条件としてシミュレーションを行うこともできる。これにより、シミュレーションの精度を高めることができる。
シミュレーションの予測データは制御システム3に入力され、制御システム3は、入力された温熱環境の変化の予測に基づき、PMVの算出等から関数f(x)を取得するとともに、当該関数f(x)の周波数分解、係数乗算、周波数合成を行って評価関数F(x)を導出する。そして、当該評価関数F(x)により表された体感温度指数を指標として、評価対象となる温熱環境における人間の温熱快適感を評価する。
図6に示す温熱環境コントロールシステム11では、制御システム3により、人間の温熱快適感が「不快」と評価されると、制御システム3は、温熱環境をコントロールする機器を制御することなく、その室内の温熱環境のコントロールを促すアラーム装置7の作動を制御する。当該制御により、例えばアラーム装置7は、エアコンディショナー、換気扇、窓等の温熱環境をコントロールする機器の最適なコントロール法を提示する。当該コントロール法としては、例えば、システムに設けられた表示部に、エアコンディショナーの作動をオンにすることを促す表示をする、換気扇をオンにすることを促す表示をする、窓を空けることを促す表示をする方法の他、アラーム音を鳴らす方法を採用することができる。
このように、温熱環境をコントロールする機器を制御するのではなく、そのコントロールを促す構成としたことにより、当該機器を過度に制御することなく、自主的な判断により温熱環境を調整させることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態においては、関数f(x)はPMVと時間xに関する関数とされているが、これに限らず、例えば作用温度(OT:Operative Temperature)と時間xに関する関数とすることもでき、また、標準新有効温度(SET:Standard new Effective Temperature)、修正有効温度(CET:Corrected Effective Temperature)、有効温度(ET:Effective Temperature)等と時間xに関する関数とすることもできる。
1、11 温熱環境コントロールシステム
2 温度測定器
3 制御システム
4 コントロール機器
5 測定器
6 気象データ
7 アラーム装置

Claims (8)

  1. 人間の温熱快適感を評価する温熱快適感評価方法であって、
    人間の周辺の温度を変数として含んだ時間xに関する関数f(x)を得る関数取得工程と、
    前記関数取得工程で得られた関数f(x)を周波数分解により周波数成分に分解する分解工程と、
    前記分解工程で得られた周波数成分の少なくとも一部に、周波数に応じて異なる係数を乗じる係数乗算工程と、
    前記係数乗算工程の後、周波数成分を周波数合成して評価関数F(x)を導出する評価関数導出工程と、
    前記評価関数導出工程で導出された評価関数F(x)を指標として人間の温熱快適感を評価する評価工程と、を有することを特徴とする温熱快適感評価方法。
  2. 前記係数は、所定の周波数帯域毎に異なる値に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の温熱快適感評価方法。
  3. 前記係数は、所定の周波数の範囲内において、周波数が高い程に小さい値に設定されたことを特徴とする請求項1または2に記載の温熱快適感評価方法。
  4. 前記関数f(x)は、シミュレーションにより得られたものであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の温熱快適感評価方法。
  5. 前記関数f(x)は、実測定の結果により得られたものであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の温熱快適感評価方法。
  6. 前記関数f(x)は、実測定の結果を初期条件としたシミュレーションにより得られたものであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の温熱快適感評価方法。
  7. 前記関数f(x)は、作用温度(OT:Operative Temperature)の時間xに関する関数または予想平均温冷感申告(PMV:Predicted Mean Vote)の時間xに関する関数であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の温熱快適感評価方法。
  8. 請求項1〜7に記載の温熱快適感評価方法により人間の温熱快適感を評価し、その評価結果に基づいて、室内の温熱環境をコントロールする機器の作動を制御し、または室内の温熱環境のコントロールを促すアラーム装置の作動を制御することを特徴とする温熱環境コントロールシステム。
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