JPH06197699A - 高純度米蛋白質の製造方法 - Google Patents

高純度米蛋白質の製造方法

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JPH06197699A
JPH06197699A JP4359745A JP35974592A JPH06197699A JP H06197699 A JPH06197699 A JP H06197699A JP 4359745 A JP4359745 A JP 4359745A JP 35974592 A JP35974592 A JP 35974592A JP H06197699 A JPH06197699 A JP H06197699A
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protein
bran
rice bran
amylase
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Shiyuuhachi Kiriyama
修八 桐山
Tatsuya Morita
達也 森田
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Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 耐熱性アミラーゼを水に溶解し、これに酒造
米の精米工程で生ずる米ぬかを添加して分散させ、60℃
以上に加熱して米でん粉を糊化こせ、固形分を分取し、
これを乾燥することによりなる高純度米蛋白質の製造
法。 【効果】 簡単な操作により高純度の米蛋白質を短時間
のうちに高収率で得ることができる。得られる米蛋白質
は健康食品の原料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高純度米蛋白質の製造
法に関する。本発明の米蛋白質は健康食品の原料として
有用である。
【0002】
【従来の技術】玄米の外層部のぬか層は、蛋白質、脂
肪、無機成分、ビタミン類等などの栄養素を多く含んで
いるが、食味がわるくまた消化もよくないので、米油の
原料とされたり、一部は漬物用等の限られた用途にのみ
に用いられている。特に日本酒の製造においては、これ
らの蛋白質や脂質が日本酒の香味、色調を劣化させ、ま
た灰分、ビタミン等が酵母や麹菌の生育を過度にするの
で、これらの成分を充分に除く必要があり、精米歩合75
〜70%位まで精白した白米、特に吟醸酒では精米歩留60
〜65%といった高度に精米した白米が用いられている。
その結果、生じた米ぬかは上記のような栄養成分を含ん
でいるにもかかわらず、糊料、飼料、菓子等の原料とし
て利用される程度であり、米ぬかの利用価値は低いもの
であった。
【0003】また、米から蛋白質を分取しようとする試
みがなされている。例えば、ハンセン(Hansen)等〔Food
technology.35(11),38-42(1981)〕チェン(Chen)等〔J.
Sci.Food Agric.35,1128-1135 (1984)〕あるいはチャン
(Chang)等〔Journal of Food Science.51(2),464-467
(1986)〕はミル粉砕した米を加熱してゼラチン化させた
後α−アミラーゼを作用させてでんぷん含量を減少さ
せ、米粉に対する蛋白含量を増加させて高蛋白含量の米
粉を製造している。しかし、この方法では蛋白質含量は
25〜38%程度と低く、また製造工程も煩雑であり、食品
原料として好ましい米蛋白質を製造することはできなか
った。また、米を粉砕することなく蛋白質を抽出する方
法も知られているが(特公昭60−2023号公報)、この方
法では米の抽出処理に40時間以上も要する等必ずしも簡
単で実用的な米蛋白質の製造方法ということはできなか
った。
【0004】さらに、精米した米とぬかとを所定時間膨
潤後磨砕し、液化酵素で処理し、蛋白をぬかの凝固性に
よって凝集させ、でんぷん質を液化して分離し、米蛋白
と糖液とを得る方法が知られているが(特公昭58-11979
号公報)、この方法では蛋白質の純度、回収率等につい
ては何も記載されておらず、工程数が多く、実用的な方
法ではなかった。このように従来の米蛋白質の製造法
は、実用的な方法ではなく、得られる米蛋白質も不純物
を多く含み、米蛋白質を高純度高収率で製造することは
できなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、米から
米蛋白質を得るに当り、このような従来の欠点を除去す
べく鋭意検討を重ねた。その結果、原料として利用価値
の低い米ぬかを用い高純度の米蛋白質を少ない工程で高
収率に得ることに成功した。すなわち、本発明の課題
は、米ぬかから高純度の米蛋白質を高い収率で得ること
のできる新規な製造法を提供することである。また、本
発明の製造法は少ない工程で短時間の酵素処理により高
純度の米蛋白質を製造することを目的としている。さら
に、本発明は、大きな設備を必要とせず、簡単な装置で
大量生産に適した実用性の高い米蛋白質の製造法を提供
することを目的としている。本発明の方法で製造された
米蛋白は、従来の米蛋白にくらべて蛋白質含量が高く、
高純度であり、種々の有用性を有しているので、健康食
品の原料、各種食品の食材として利用価値の高いもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するためになされたものであって、米ぬかと耐熱性
α−アミラーゼとを水に分散溶解させ、この水溶液を加
熱して耐熱性α−アミラーゼの作用によって米ぬか中の
でん粉を消化させ、消化物中から固形分を分取し、これ
を乾燥することよりなる高純度米蛋白質の製造法であ
る。本発明における米ぬかは精米時に生ずる米ぬかを用
いるものであるが、特に酒造米の精米工程で生ずる米ぬ
かを用いることが望ましい。このような酒を製造するさ
いに大量に生成する米ぬかは用途に乏しく、きわめて安
価に入手でき、本発明の米蛋白質の製造原料として望ま
しいものである。米ぬかには赤ぬか(100−90%精米過程
で生ずるぬか)、中ぬか(90-80%精米過程で生ずるぬ
か)、上ぬか(80-70%精米過程で生ずるぬか)および特
上ぬか(70-35%精米過程で生ずるぬか)等がある。
【0007】米ぬか成分の分析結果を表1に示す。米粉
の蛋白質含量は 6.4〜6.5 %であるが、表に示されるよ
うに、米ぬかは米粉にくらべて約2倍近くの蛋白質を含
むので米蛋白質の製造原料として好ましい。しかし、赤
ぬかは脂質成分および繊維質が多く、これが酵素反応を
低下させるので好ましくない。従って、蛋白質含量の高
い中ぬか、上ぬか、特上ぬかを用いることが好ましく、
特に上ぬかまたは特上ぬかが好適である。さらに特上ぬ
かは蛋白質含量が10.3%と多く、反面繊維含量が 0.2%
と低いものであるので、この画分のぬかを使用すると、
米蛋白質の収量を他の米ぬかを用いた場合にくらべて2
倍近く向上することができる。
【0008】
【表1】
【0009】本発明における酵素はα−アミラーゼ、特
に米ぬかとアミラーゼとの分散液を加熱するので耐熱性
α−アミラーゼが使用される。耐熱性α−アミラーゼと
しては公知のいずれの耐熱性α−アミラーゼを使用する
ことができるが、例えばターマミル(Termamyl)120L (商
品名、ノボ社製)が高温で安定であり、また高い酵素活
性を示すので特に好ましい。ターマミル120L (ターマミ
ル120Lは 120KNO/1.0gターマミルを意味する。また1KN
O は、メルク社のでん粉5.26gを0.003Mのカルシウムの
存在下、37℃、pH5.6 において1時間で完全に消化する
能力である)の添加量は、ターマミル120Lを米ぬかに対
し 0.2〜0.7 %程度添加するとでん粉を分解し純度80%
以上の米蛋白質が得られるので、この程度の添加量で使
用することが好ましい。添加量が 0.2%より少ないとで
ん粉の残存量が多くなり得られる米蛋白質中の蛋白含量
が低下し、また 0.7%より多くなると蛋白含量はほとん
ど向上せず、これらの点からみて上記の添加量を用いる
ことが好ましい。
【0010】本発明における酵素反応は、耐熱性アミラ
ーゼを含む水溶液中に米ぬかを分散させ、加熱処理を行
なう。このようにするとでん粉の糊化(ゼラチン化)と
酵素反応とが同時に進行し、反応時間を短縮し、蛋白純
度を向上し、反応液の量を少なくすることができる。特
に精白により一部のでん粉がα化した米ぬかを用いる
と、米ぬかはでん粉のα化によってアミラーゼ作用を受
けやすくなっているので、加熱前の耐熱性アミラーゼ溶
液中でも一部酵素作用が進行し、米ぬかの分散及び酵素
処理を容易にすることができる。
【0011】本発明の分散液における米ぬかと水との比
率は、米ぬか1重量部に対し水 1.5〜3重量であること
がよく、また分散液の加熱は60℃以上に加熱して米ぬか
でん粉を糊化し酵素作用を受けやすくすることが望まし
い。この好ましい温度は90〜100 ℃であり、反応時間は
20分以上〜1時間程度で米ぬかでん粉が充分消化分解さ
れるまで行なう。でん粉が充分消化分解された後、この
消化液から固形分を分取する。固形分の分取手段として
濾過により消化液と固形分とを分離し、米蛋白質を主成
分とする固形分とでん粉消化液の濾液とに分離すること
が望ましい。このようにして得られた米蛋白質を主成分
とする固形分は洗浄を行って固形分に付着するでん粉消
化物等を除去して蛋白質の純度を高めるようにすると一
層高純度の米蛋白質を得ることができる。このさい、洗
浄は、60℃以上の熱水で行なうとよく、また洗浄回数は
3回以上行なうと米蛋白質とでん粉消化物との分離を効
率的に行なうことができ、高純度の米蛋白質を得ること
ができる。得られた固形物は、乾燥し、必要に応じて粉
砕して米蛋白質を得る。乾燥は、エタノール等の無毒揮
発性有機溶媒で洗浄して行なう方法、凍結乾燥、真空乾
燥、低温温風乾燥等適宜の手段を用いることができる。
【0012】本発明の方法で得られた米蛋白質は、植物
蛋白として、例えば大豆蛋白のような青臭さがなく、無
味無臭であり、後の実験で示すように栄養バランスもよ
く、コレステロール低下作用、発癌抑制作用等の生理活
性を有しており、栄養強化食品あるいは健康食品の原料
として有用性が高い。さらにまた文献〔「農産食品科学
と応用」P50-53(1984)〕に記載されるように特に上ぬ
か、特上ぬか部分は米アレルギーの原因となるグロブリ
ン含有量が低く、これらを原料とする本発明米蛋白は低
アレルギー食品としても有用である。例えば本発明の方
法によって得られた米蛋白質は、チーズ、ミルク、トウ
フ等の加工食品の原料としてあるいは大豆アレルギー、
牛乳アレルギー等の代替蛋白源として利用することがで
きる。
【0013】本発明について実施例を挙げて具体的に説
明する。
【実施例1】 米蛋白質の調製 耐熱性α−アミラーゼ〔ターマミル120L(商品名)ノボ
社製〕を蒸留水に 0.6%分散溶解させた酵素液10lに、
70−35%精製過程で生じた米ぬか5kgを加えて撹拌し、
蒸留水中に米ぬかを分散させ、この分散液を沸騰水浴上
で2時間加熱して米でん粉を完全に分解させ、米蛋白質
及び米シロップよりなる反応生成混合物を得た。この混
合物を濾過し、残渣の固形分を濾取し、70℃以上の熱湯
5lを3回にわたって注加して洗浄を行い、エタノール
5lを3回にわたって加えて脱水させ、風乾を行って米
蛋白質粉末を得た。この粉末中の蛋白質含量をケールダ
ール法で測定したところ、蛋白質含量80〜83%の高純度
のものであった。上記のようにしてロットA〜Eの米ぬ
かを用い米蛋白質粉末の収量及び蛋白純度及び収量を算
出した。この結果を表2に示す。表にみられるように、
米蛋白質の収量は用いた米ぬか中の蛋白質含量と比例
し、353-507gの範囲で変動したが、水分を除いた場合の
蛋白質の純度はほぼ一定で90%前後であった。また得ら
れた米蛋白中のその他の成分について測定したところ、
それぞれの平均値は水分8.9%、糖質 2.6%、脂質 0.6
%、灰分 1.3%及び粗センイ素 1.4%(いずれも重量
%、以下同じ)であった。表3に上記の方法で得られた
米蛋白質100g当りのアミノ酸含量を示した。また、日本
標準食品成分表(1986)に示されるカゼイン及び大豆蛋白
質の分析結果を同時に示した。この表からわかるよう
に、米蛋白質中のリジン含量は2.25g/100gであっ
て、カゼインあるいは大豆蛋白質のそれ(7.10g/100g及
び5.20g/100g)に比して低い値を示すが、それ以外
のアミノ酸については万べんなく含有しており、栄養食
品としてよいものであった。
【0014】
【表2】 実施例1による米蛋白質粉末中の蛋白含量及び収率 ───────────────────────────────── 米糠ロット(5kg) 収量 水分 蛋白質 蛋白質 蛋白質含量 (%) (g) 含量(%) 純度(%) 回収率(%) ───────────────────────────────── A 6.57 353 8.8 89.6 87.7 B 8.47 462 8.8 92.8 92.3 C 9.36 507 9.5 89.0 87.5 D 8.11 429 8.7 90.6 87.5 E 9.62 505 8.8 88.9 85.2 ─────────────────────────────────
【0015】
【表3】 実施例1による米蛋白質粉末のアミノ酸組成(アミノ酸g/蛋白100g) ────────────────────────────────── アミノ酸 米蛋白質粉末 カゼイン 大豆蛋白 ────────────────────────────────── 分岐アミノ酸 Leu 7.09 8.40 6.70 Ile 3.37 4.90 4.10 Val 4.87 6.00 4.10 含硫アミノ酸 Met 2.13 2.60 1.10 Cys 1.82 0.43 1.10 芳香族アミノ酸 Phe 4.52 4.50 4.50 Tyr 4.47 5.00 3.20 ────────────────────────────────── その他のアミノ酸 Lys 2.25 7.10 5.20 Thr 2.87 3.70 3.00 Trp 1.11 1.10 1.10 His 2.04 2.70 2.30 Arg 7.15 3.30 6.60 Ser 4.31 4.60 4.20 Ala 4.47 2.70 3.40 Pro 3.75 16.00 4.60 Gly 3.57 1.60 3.40 Glu 14.60 19.00 17.00 Asp 7.37 6.30 9.90 ───────────────────────────────────
【0016】
【実施例2】耐熱性アミラーゼ、ターマミル(Tarmamyl)
120L 0.5mlを蒸留水 150mlに添加し、この溶液に米ぬか
50gを加えて分散させ、30分間加熱して澱粉を糊化する
と同時にアミラーゼの酵素反応を行わせた。反応溶液の
温度が90℃に達したのは加熱開始後10分後であり、その
後90℃で20分間、合計30分間加熱した。この加熱反応生
成物を実施例1と同様にして純度80.5%の米蛋白質粉末
を得た。
【0017】
【比較例1】比較のために実施例2で用いた米ぬかと同
じ米ぬか7.5-50g を蒸留水150ml に分散させ90℃に加熱
してそのでん粉を糊化し、その後ターマミル0.5ml を添
加し、90℃で30分間酵素反応を行い、以下、実施例1と
同様に蛋白質画分を濾取し、熱水で洗浄後乾燥を行っ
た。この結果を図1に示す。比較例のように米ぬかので
ん粉を糊化した後ターマミルを添加する系では蛋白質純
度80%以上の米蛋白質粉末を得るには、米ぬか粉末1重
量部に対して酵素反応溶液20重量部以上が必要であり、
この結果反応系を大容量とする必要があった。これに対
し、実施例2 のようにでん粉の糊化の前にターマミルを
添加しておくと、米ぬか1/反応溶液3の割合でも純度80
%を越える蛋白質粉末を得ることができた。従って、本
発明のように耐熱性のアミラーゼを添加した水溶液を用
いると反応溶液量を少なくすることができた。
【0018】
【実施例3】あらかじめ耐熱性αアミラーゼ、ターマミ
ル0.5ml を蒸留水に添加した水溶液150ml に米ぬか50g
を分散させ、これを30-120分間加熱してでん粉を糊化さ
せると同時に酵素反応を行った。反応液の温度が90℃に
達したのは加熱開始後10分したときであった。このよう
にした反応液を実施例1と同様にして米蛋白質粉末を得
た。得られた蛋白質粉末の純度を図2に示す。
【0019】
【比較例2】米ぬか50gを蒸留水150ml に分散させ90℃
で糊化した後、耐熱性ターマミル0.5ml を添加して30-1
20分間酵素反応を行った。このようにして得られた反応
液を実施例1と同様にして米蛋白質粉末を得た。得られ
た蛋白質粉末の純度を図2に示す。図2に示すとおり、
実施例3では蛋白質純度80%以上の米蛋白質粉末は、反
応時間30分間で得られているのに対し、比較例2のよう
に米ぬかのでん粉質を糊化した後、ターマミルを添加し
た場合は、純度80%以上の蛋白質粉末を得るには最低60
分間を必要とした。なお、従来の米蛋白質中の調製方法
の概要とその蛋白含量を示すと、表4のようである。
【0020】
【表4】
【0021】
【実施例4】米蛋白質の栄養評価 SD系、雄性ラット(初期体重:47.4-58.0g) 、36匹を
用い、標準飼料で3日間予備飼育の後、体重に従い実施
例1によって得られた米蛋白質を標準飼料に10%、20
%、30%、40%および50%配合した飼料群、並びに25%
カゼインを配合した飼料群の6群に分け、飲料水、飼料
ともに自由摂取条件下で2週間飼育した。飼育はステン
レス製個別ケージで行い、飼育室は23±2℃、湿度60±
10%、12時間照明(8:00-20:00)に調節した。
【0022】25%カゼイン飼料群を対照に米蛋白質をタ
ンパク質源にした時のラットの成長速度について調べ
た。その結果を図3に示す。実験開始後2日目から14日
目まで、25%カゲイン飼料群の一日当りの体重増加量(B
ody weight gain/day; BWG) は、7.0-9.0gであった。こ
れに対し米蛋白質10,20,30,40 および50%配合飼料群の
BWG は、それぞれ0.5-1.0 、1.0-5.0 、5.0-7.0 、7.0-
8.5 および7.0-8.5gであり、米蛋白質配合飼料群の最大
成長速度は40%添加レベルで達成されることが明らかに
なった。また40および50%米蛋白質配合飼料群と25%カ
ゼイン配合飼料群の成長速度に有意な差は認められなか
った。また、飼育終了時のラットの血中脂質レベルにつ
いて検討した結果、表5に示すように米蛋白質は動物性
タンパク質であるカゼインに比して、血中脂質レベル
(特にコレステロール トリグリセライド値)を、より
低い値に維持することが明らかになった。
【0023】
【表5】
【0024】
【実施例5】米蛋白質による発ガン抑制効果 SD系、雌性ラット (初期体重:100-118g)、72匹を用い、
標準飼料で4日間予備飼育の後、体重に従い10%脂肪食
(5%コーン油、5 %ラード) を基本とした30%カゼイン
(C) 、30%大豆タンパク(Soybean protein isolate; SP
I)および30%米蛋白質 (実施例1のもの)飼料群の3群
に分け、飲料水、飼料ともに自由摂取条件下で9週間飼
育した。発ガン物質、 7,12-ジメチルベンズアンスラセ
ン〔7,12-dimethyl-benzanthracene(DMBA)〕はコーン油
に溶解し、実験開始後、1,2 および3週間目にラット1
匹当り5mg(0.3ml) を経口的に投与した。ガン形成の有
無は実験開始後4週目より触診により判定した。実験終
了後、剖検によりラット1匹当りの全腫瘍数および腫瘍
重量を求めた。
【0025】図4に示すように実験終了時における各飼
料摂取群の体重および体重増加量に有意な差は認められ
なかった。しかし、図5に示すように各飼料摂取群の発
ガン時期には差異が認められ、カゼイン群の50%発ガン
(ラット18例中 9例) 時期がDMBA投与開始後4週間目で
あったのに対し、米蛋白質群の50%発ガン時期は6週間
目であった。米蛋白質群の発ガン率は実験期間の延長に
伴い上昇したが、カゼイン群の発ガン率が 100%に達し
た実験終了時においても米蛋白質群の発ガン率はそれぞ
れ80%にとどまった。一方、SPI 群は発ガン初期におい
ては米蛋白質群と同等の発ガン抑制作用を示したが、実
験終了時における発ガン率はカゼイン群と変わらなかっ
た。この様な各飼料摂取群における発ガン時期の差異
は、剖検時におけるラット当りの全腫瘍数および腫瘍重
量にも反映され、図6に示すように、米蛋白質群および
SPI 群のラット当りの腫瘍数はカゼイン群に比して有意
に低値(p<0.05)を示した。また、図7に示すように腫瘍
重量では群間に有意な差は認められなかったが、米蛋白
質群の腫瘍重量はカゼイン群の55-65 %程度であった。
【0026】
【実施例6】実施例1で調製した米蛋白質粉末にコーン
スターチを等量加え、更に、賦形剤として乳糖を少量加
え、混合したものを、常法により打錠機にて成形するこ
とにより錠剤形態の製品を得た。
【0027】
【実施例7】米蛋白質粉末 1.4kg、食用油 1.2kg及び乳
糖75gに水17.325kgを加えて混合し、80℃に加熱して30
分間殺菌を行い、250 〜300kg/cm2 の加圧下でホモゲナ
イズを行った。得られた乳化液を35℃まで冷却した。こ
の乳化液に、9.5 %脱脂粉乳水溶液に混合乳酸菌少量を
加えたバルク 450mlと酵素75mlとを添加して一夜発酵を
行い、発酵液をプレスして脱水し、基材を調製した。前
記基材の水分含量を68%に調整し、この 200gに、カラ
ギーナン2.25g、ペクチン2g、モナードガム 0.3g、
食塩 2.7g、β−カロチン80μl(10%溶液)、食用油50
g、みそ3g、みりん3mlを加えて加熱しながらよく混
合し、炭酸ナトリウムを適量入れ、pH5.6 に調整した。
pH調整後、これに乳化剤(脂肪酸モノグリセリド)6
g、バターフレーバー 0.5g、ミルクフレーバー 0.5
g、ミラクワール 1.8g、バニラエクストラクト3mlを
加え、水を加えて全量を86mlに調整した。これを温度80
℃で15分間加熱殺菌し、ホモブレンダーでホモジナイズ
して4℃に冷却し、最終水分62〜63%のスプレッドを調
整した。
【0028】
【実施例8】実施例7によって得られた基材に水を加え
水分含量82%に調整した。この300gに、増粘剤 1.6g及
び砂糖80gを加えよく混合し、適量の炭酸ナトリウムを
加えpH6.3 に調整した。pH調整後、乳化剤 2.5g、ミル
クフレーバー0.7ml 、カスタードフレーバー0.3ml を加
え、よく混合し、80℃で35分間加熱殺菌し、ホモブレン
ダーでホモジナイズし、4℃に冷却して固化し、プリン
を調製した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得られた米蛋白質粉末(×)と比較
例1で得られた米蛋白質粉末(●)との蛋白質純度の比
較を示す。
【図2】実施例3で得られた米蛋白質粉末(○)と比較
例2で得られた米蛋白質粉末(●)との反応時間と蛋白
質純度との関係を示す。
【図3】実施例4のラットの飼育期間と体重の増加との
関係を示す。〔−●− 25 %カゼイン配合飼料、−◇−
10%米蛋白質 (rice protein isolate、以下 RPIと略
す)配合資料、−×−20%PRI 配合資料、−◆−30%PR
I 配合飼料、−○−40%RPI 配合飼料、−□−50%RPI
配合飼料〕
【図4】実施例5のラット飼育期間と体重の増加との関
係を示す。〔−●−カゼイン配合飼料、−◆−SPI 配合
飼料、−○−RPI 配合飼料〕。
【図5】実施例5のラット飼育期間と発ガン時期との関
係を示す。〔−●−カゼイン配合飼料、−◆−SPI 配合
飼料、−○−RPI 配合飼料〕。
【図6】実施例5の飼料と発症腫瘍数との関係を示す。
【図7】実施例5の飼料と腫瘍重量との関係を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性α−アミラーゼを水に分散溶解さ
    せ、この水溶液に米ぬかを添加して分散させ、分散液を
    加熱して耐熱性α−アミラーゼの作用によって米ぬか中
    のでんぷんを消化させ、消化物中から固形分を分取し、
    これを乾燥することを特徴とする高純度米蛋白質の製造
    法。
  2. 【請求項2】 米ぬかが酒造米の精米工程で生ずる米ぬ
    かである請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 米ぬかが上ぬか及び/または特上ぬかで
    ある請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】 米ぬかを 1.5〜3重量倍の耐熱性アミラ
    ーゼ水溶液に分散させる請求項1記載の製造法。
  5. 【請求項5】 耐熱性α−アミラーゼがターマミル(Ter
    mamyl)120Lである請求項1記載の製造法。
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