JP2016082878A - 米に含まれるタンパク質の回収方法及び該方法により得られるタンパク質 - Google Patents

米に含まれるタンパク質の回収方法及び該方法により得られるタンパク質 Download PDF

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剛志郎 梶山
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Abstract

【課題】本発明は、米に含まれるプロラミンを高純度かつ高回収率で回収することを可能とするタンパク質回収方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、米にデンプン分解酵素を作用させ、該米に含まれるデンプンを分解して除去するデンプン分解・除去工程と、前記デンプン分解・除去工程でデンプンを除去して得られる固形物にアルカリ溶液及びアルコール溶液を加えてタンパク質を溶解させるタンパク質溶解工程と、前記タンパク質溶解工程で得られる上清を酸で中和し、プロラミン以外のタンパク質を沈殿させるタンパク質分離工程と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、米に含まれるタンパク質を回収する方法及び該方法により得られるタンパク質に関し、特に、米に含まれるプロラミンを高純度かつ高回収率で回収することを可能とするタンパク質回収方法及び該方法により得られるタンパク質に関する。
従来、米に含まれるタンパク質が、コレステロールの低下や白血病の抑制等、人体に有用な機能を有することが知られている(特許文献1,2参照。)。
特許文献1には、米をアルカリ溶液に溶解させた後、固液分離操作を行って上澄液と沈殿物に分離し、該上澄液を酸で中和して得られた沈殿物を洗浄・乾燥することによって、米に含まれるタンパク質を回収する方法が記載されている。
また、特許文献2には、米にddHOを加えてアルブミン抽出液を分離し、その沈殿物にNaClを加えてグロブリン抽出液を分離し、その沈殿物にNaOHを加えてグルテン抽出液を分離し、さらにその沈殿物にエタノールを加えてプロラミン抽出液を分離することによって、4種のタンパク質を米から順次回収する方法が記載されている。
上記特許文献1に記載された方法によれば、米に含まれるタンパク質を高回収率で回収できることが期待される。
しかしながら、上記特許文献1に記載された方法は、タンパク質を選択的に回収できるものでなく、プロラミンに着目した場合、回収されるプロラミンの純度が低くなる問題がある。
また、上記特許文献2に記載された方法によれば、プロラミンを高純度で回収できることが期待される。
しかしながら、上記特許文献2に記載された方法は、工程の数だけ回収ロスが発生し、前記プロラミンの回収率が低下する懸念がある。
他方、蒸し米や炊きあげた米のほか、米粉、米糠、米粉糖化粕、酒粕、みりん粕、しょうちゅう粕など、米由来の原料を用いて、難消化性成分含有素材を製造する方法が知られている(特許文献3参照。)。
特許文献3に記載された方法は、米由来の原料をデンプン分解酵素処理及び蛋白分解酵素処理し、次いで、固液分離した後、液体成分を除去して難消化性成分を含有する素材を製造するものである。
上記特許文献3に記載された方法によれば、米に含まれるタンパク質を前記難消化性成分の一成分として回収することができる。
しかしながら、上記特許文献3に記載された方法は、複数の酵素を使用するためコスト高となる問題がある。
また、上記特許文献3に記載された方法は、回収されるタンパク質の純度が必ずしも高いといえるものでなく(実施例2〜4、7,8)、タンパク質を選択的に回収できるものでもないため、プロラミンに着目した場合、回収されるプロラミンの純度が低下する問題がある。
さらに、上記特許文献3にはタンパク質の回収率について記載されていない。
特開2006−273840号公報 特開2011−157341号公報 特開2008−189625号公報
そこで、本発明は、米に含まれるプロラミンを高純度かつ高回収率で回収することを可能とするタンパク質回収方法及び該方法により得られるタンパク質を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、米にデンプン分解酵素を作用させてデンプンを除去し、該デンプンを除去して得られる固形物にアルカリ溶液及びアルコール溶液を加えてタンパク質を溶解させることが、米に含まれるプロラミンを高純度かつ高回収率で回収することを可能とすることを見出し、以下の発明を完成するに至った。
ここで、本発明において、米とは、生米、炊飯米や蒸し米等の加熱処理された米の他、米糠、米粉糖化粕、酒粕、みりん粕、しょうちゅう粕酒粕等の米由来の原料を含むものである。
本発明のタンパク質回収方法は、
米にデンプン分解酵素を作用させ、該米に含まれるデンプンを分解して除去するデンプン分解・除去工程と、
前記デンプン分解・除去工程でデンプンを除去して得られる固形物にアルカリ溶液及びアルコール溶液を加えてタンパク質を溶解させるタンパク質溶解工程と、
前記タンパク質溶解工程で得られる上清を酸で中和し、プロラミン以外のアルコール溶液に不溶なタンパク質を沈殿させるタンパク質分離工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明のタンパク質回収方法は、
前記米が、加熱処理された米、例えば炊飯米であることが好ましい。
本発明のタンパク質回収方法は、
前記タンパク質分離工程で得られる上清からプロラミンを回収するプロラミン回収工程を備えることが好ましい。
本発明のタンパク質回収方法は、
前記プロラミン回収工程が、前記タンパク質分離工程で得られる上清からアルコール溶液を留去することで、アルコール溶液に溶解したプロラミンを沈殿させることが好ましい。
本発明のタンパク質回収方法は、
前記タンパク質溶解工程が、前記アルカリ溶液を加えて水素イオン濃度指数(pH)を調整した後に前記アルコール溶液を加えることが好ましい。
本発明のタンパク質回収方法は、
前記プロラミンが、13kDaプロラミンであることが好ましい。
本発明のタンパク質回収方法は、
前記タンパク質分離工程で得られる沈殿物からプロラミン以外のタンパク質を回収するタンパク質回収工程を備えることが好ましい。
本発明のタンパク質は、前記いずれかの方法により得られるプロラミンである。
また、本発明のタンパク質は、前記いずれかの方法により得られるタンパク質である。
ここで、本発明において、プロラミンの純度とは、プロラミン回収工程で回収される回収物中に含まれるプロラミンの質量割合(%)である。また、プロラミンの回収率とは、原料となる米に含まれるプロラミンに対する前記回収物に含まれるプロラミンの質量割合(%)である。
本発明のタンパク質回収方法は、米にデンプン分解酵素を作用させ、該米に含まれるデンプンを分解して除去するデンプン分解・除去工程を備えるので、米からのタンパク質の抽出を容易とすることができる。
そして、本発明のタンパク質回収方法は、前記デンプン分解・除去工程でデンプンを除去して得られる固形物にアルカリ溶液及びアルコール溶液を加えてタンパク質を溶解させるタンパク質溶解工程と、前記タンパク質溶解工程で得られる上清を酸で中和し、プロラミン以外のアルコール溶液に不要なタンパク質を沈殿させて、前記タンパク質をプロラミンとプロラミン以外のタンパク質に分離させるタンパク質分離工程と、を備えるので、米に含まれるプロラミンを高純度かつ高収率で回収することが可能となる。
本発明のタンパク質回収方法は、
前記米が、加熱処理された米、例えば炊飯米であれば、前記加熱処理によりα化したデンプンを分解して除去することができるため、前記加熱処理された米からのタンパク質の抽出を容易とすることができる。
そして、本発明のタンパク質回収方法によれば、前記タンパク質分離工程で得られる上清から、米に含まれるプロラミンを高純度かつ高収率で回収することができる。
また、本発明のタンパク質回収方法によれば、前記タンパク質分離工程で得られる沈殿物から、米に含まれるプロラミン以外のタンパク質を回収することができる。
本発明のタンパク質回収方法により得られるプロラミンは、純度の高い機能性タンパク質として広く利用できる。
本発明の実施例における米に含まれるタンパク質の回収方法のフロー図。 比較例1における米に含まれるタンパク質の回収方法のフロー図。 比較例2における米に含まれるタンパク質の回収方法のフロー図。 比較例3における米に含まれるタンパク質の回収方法のフロー図。 比較例4における米に含まれるタンパク質の回収方法のフロー図。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
図1は本発明の実施例におけるタンパク質回収方法のフローを示す。
本実施例では、難消化性タンパク質であるプロラミンを効率良く得るため、難消化性タンパク質高含有米であるLGCソフト(品種名)の玄米を使用することとし、前記玄米を90%精米した後に炊飯した。そして、炊飯米を原料とし、以下の各工程を経てプロラミンを抽出・回収した。
(1)デンプン分解・除去工程
炊飯米100gに対しデンプン分解酵素(アミラーゼ、例えば、α-アミラーゼ、β−アミラーゼまたはグルコアミラーゼ)を0.5g添加し、ミキサーにより粉砕した後、水1Lを加え、25〜40℃の恒温庫内で4〜16時間撹拌した。その間、前記デンプン分解酵素の作用により、前記炊飯米に含まれるデンプンは分解・糖化されてオリゴ糖が生成される。その後、3080×gの遠心力で5分間遠心分離を行い、前記オリゴ糖、即ちデンプンが分離・除去された沈殿物を回収した。さらに、前記沈殿物に水1Lを加え、酸により水素イオン濃度指数をpH2.0に調整し、すすぎを行った後、遠心分離を行い、さらにデンプンが除去された沈殿物を回収した。そして、前記沈殿物に水1Lを加え、すすぎを行った後、3080×gの遠心力で5分間遠心分離を行うことでデンプンが除去された沈殿物を得た。
(2)タンパク質溶解工程
前記デンプン分解・除去工程で得られた沈殿物に対し水400mLを加え、強アルカリ(NaOH)水溶液を使い水素イオン濃度指数をpH12.5に調整した。次いで、アルコール(エタノール)600mLを加え、40℃の恒温庫内で2時間攪拌した。その後、3080×gの遠心力で5分間遠心分離を行い、上清を回収した。
(3)タンパク質分離工程
前記上清に強酸(塩酸)を滴下して中和し水素イオン濃度指数をpH3に調整した。その後、3080×gの遠心力で5分間遠心分離を行い、プロラミンを含む上清と、プロラミン以外のエタノールに不溶なタンパク質を含む沈殿物とを分離回収した。
(4)プロラミン回収工程
減圧濃縮機(湯浴40℃、圧力90hPa)を使い、前記プロラミンを含む上清からエタノールを留去した後、3080×gの遠心力で5分間遠心分離を行い、沈殿物を回収した。そして、前記沈殿物にエタノール10mLを加え、ボルテックスミキサーで混合した後、遠心分離を行い、沈殿物を回収した(洗浄、脱脂の準備)。その後、前記沈殿物にn−ヘキサン10mLを加え、ボルテックスミキサーで混合した後、遠心分離を行い、沈殿物を回収した(脱脂)。さらに、前記沈殿物にエタノール10mLを加え、ボルテックスミキサーで混合した後、遠心分離を行い、沈殿物を回収した(洗浄、乾燥準備)。そして、前記沈殿物を乾燥することで抽出物を得た。
[実施例2]
本実施例では、実施例1で使用した玄米を90%精米した後に製粉機で米粉にし、前記米粉を原料として、実施例1と同様の工程を経てプロラミンを抽出・回収した。
[比較例1]
図2は比較例1におけるタンパク質回収方法のフローを示す。比較例1は、上記特許文献1に記載された方法に基づくものである。
比較例1では、実施例2と同じ米粉を原料とし、該米粉にn−ヘキサンを加えて脱脂を行い、水とNaOHを加えてpH12.5に調整し、4時間撹拌した。その後、遠心分離を行い、上清に硫酸を滴下して中和しpH3に調整し、さらに遠心分離を行い、沈殿物を回収した。そして、前記沈殿物を実施例1,2と同様に乾燥することで抽出物を得た。
[比較例2]
図3は比較例2におけるタンパク質回収方法のフローを示す。比較例2は、上記特許文献2に記載された方法に基づくものである。
比較例2では、実施例2と同じ米粉を原料とし、該米粉にn−ヘキサンを加えて脱脂した後、脱イオン蒸留水(ddH2O)を加えて4時間揺らし、その後、遠心分離を行い、沈殿物を回収した。
次に、前記沈殿物にddH2Oを加え、前記作業を繰り返した後の沈殿物にNaClを加え、4時間揺らし、その後、遠心分離を行い、沈殿物を回収した。
次に、前記沈殿物にNaClを加え、前記作業を繰り返した後の沈殿物にNaOHを加え、30分間揺らし、その後、遠心分離を行い、沈殿物を回収した。
次に、前記沈殿物にNaOHを加え、前記作業を繰り返した後の沈殿物にエタノールを加え、4時間揺らし、その後、遠心分離を行い、沈殿物を回収した。
そして、前記沈殿物にエタノールを加え、前記作業を繰り返し、該作業の2回の上清を混合した抽出液から、実施例1,2と同様のプロラミン回収工程を経て抽出物を得た。
[比較例3]
図4は比較例3におけるタンパク質回収方法のフローを示す。
比較例3では、比較例1において得られた抽出物にエタノールを加えた後、遠心分離を行い、回収した上清から、図4に示すプロラミン回収工程を経て抽出物を得た。
[比較例4]
図5は比較例4におけるタンパク質回収方法のフローを示す。
比較例4では、比較例2において脱脂した後の原料米粉に直接エタノールを加え、遠心分離を行い、沈殿物を回収した。
そして、前記沈殿物にエタノールを加えることで、前記作業を繰り返し、該作業の2回の上清を混合した抽出液から、実施例1,2と同様のプロラミン回収工程を経て抽出物を得た。
[比較例5]
比較例5は、上記特許文献3に記載された実施例2の結果である。
[比較例6]
比較例6は、上記特許文献3に記載された実施例3,4の結果である。
Figure 2016082878
表1は、実施例1,2及び比較例1〜4の抽出物におけるプロラミン純度(含有率)及びプロラミン回収率を示す。
ここで、前記プロラミン純度は、抽出物におけるプロラミンの質量割合(%)であり、前記プロラミン回収率は、原料に含まれるプロラミンに対する抽出物に含まれるプロラミンの質量割合(%)である。
なお、実施例1,2及び比較例1〜4により得られるプロラミンは13kDaプロラミンである。
表1に示されるように、比較例1により得られたプロラミンは、回収率は高いものの純度が低いことが分かる。また、比較例2により得られたプロラミンは、回収率が著しく低く、純度も期待したほど高くないことが分かる。
他方、比較例3及び4により得られたプロラミンは、純度はある程度高いものの、比較例3では回収率が低く、比較例4では回収率が著しく低いことが分かる。
これに対し、実施例1により得られたプロラミンは、純度88.5%、回収率44.9%、実施例2により得られたプロラミンは、純度85.7%、回収率46.7%であり、ともに純度及び回収率が高いことが分かる。
したがって、本発明のタンパク質回収方法は、高純度のプロラミンを効率よく回収する方法として優れていることが理解できる。
Figure 2016082878
表2は、比較例5、比較例6であって、それぞれ特許文献3の実施例2、特許文献3の実施例3及び4において調製された難消化成分粉末における粗タンパク質含有率を示す。
表2に示されるように、比較例5により得られる粗タンパク質の含有率は69.4%、比較例6により得られる粗タンパク質の含有率は56.6〜63.9%である。
したがって、実施例1,2により得られたプロラミンは、比較例5,6により得られる粗タンパク質の含有率と比較しても純度が著しく高いことが分かる。
以上の結果から、米にデンプン分解酵素を作用させてデンプンを除去すること、及び前記デンプンを除去して得られた固形物にアルカリ溶液及びアルコール溶液を加えてタンパク質を溶解させることが、米に含まれるプロラミンを高純度かつ高収率で回収することを可能とすることを見出すことができる。
特に、本発明のタンパク質回収方法は、前記米が、炊飯米等の加熱処理された米であっても、α化したデンプンを分解して除去することができるため、タンパク質の抽出を容易とすることができる。
なお、上記実施例1,2では、炊飯米及び米粉を原料として使用したが、蒸し米等のその他の加熱処理された米やその他の生米を原料として使用してもよい。
また、本発明では、原料として、生米や加熱処理された米の他、米糠、米粉糖化粕、酒粕、みりん粕、しょうちゅう粕酒粕等を用いることもできる。
ここで、本発明において、米とは、生米、炊飯米や蒸し米等の加熱処理された米の他、米糠、米粉糖化粕、酒粕、みりん粕、しょうちゅう粕酒粕等の米由来の原料を含むものである。
上記各実施例では、炊飯米又は米粉を原料とし、デンプン分解・除去工程で得られた沈殿物にNaOHを加えた後にエタノールを加えたが、NaOHとエタノールを同時に加えた場合、エタノールを加えた後にNaOHを加えた場合、及び塩酸もしくは硫酸で中和する前の上清にエタノールを加えた場合でも、米に含まれるプロラミンを高純度かつ高収率で回収することができる。
また、上記各実施例は、プロラミンが60〜90%エタノール(アルコール)に溶解する性質を利用するものであり、プロラミン回収工程において、前記プロラミンを含む上清からエタノールを留去して該エタノールの濃度を下げることでプロラミンの沈殿物を回収することとしたが、前記上清に大量の水を加えてエタノールの濃度を低下させたり、エタノールを加えて濃度を90%以上に上昇させたりすることでプロラミンの沈殿物を回収することもできる。
さらに、上記各実施例におけるプロラミン回収工程は、エタノール濃度の調整に代えて、塩析により前記プロラミンを含む上清からプロラミンの沈殿物を回収することとしてもよい。
上記各実施例では、前記タンパク質分離工程で回収される上清からプロラミンを抽出・回収したが、前記タンパク質分離工程で回収される沈殿物からプロラミン以外のタンパク質を回収することもできる。
その場合、例えば、特許文献2に記載された方法(図3を参照。)の他、公知の方法を利用して前記沈殿物からプロラミン以外のタンパク質を回収することとすればよい。
本発明のタンパク質回収方法は、米に含まれるプロラミンを高純度かつ高収率で回収することが可能であり、極めて利用価値が高い。

Claims (7)

  1. 米にデンプン分解酵素を作用させ、該米に含まれるデンプンを分解して除去するデンプン分解・除去工程と、
    前記デンプン分解・除去工程でデンプンを除去して得られる固形物にアルカリ溶液及びアルコール溶液を加えてタンパク質を溶解させるタンパク質溶解工程と、
    前記タンパク質溶解工程で得られる上清を酸で中和し、プロラミン以外のタンパク質を沈殿させるタンパク質分離工程と、
    を備えることを特徴とするタンパク質回収方法。
  2. 前記米は、加熱処理された米である請求項1記載のタンパク質の回収方法。
  3. 前記タンパク質分離工程で得られる上清からプロラミンを回収するプロラミン回収工程を備える請求項1又は2記載のタンパク質回収方法。
  4. 前記プロラミンは、13kDaプロラミンである請求項1乃至3のいずれか一項記載のタンパク質回収方法。
  5. 前記タンパク質分離工程で得られる沈殿物からプロラミン以外のタンパク質を回収するタンパク質回収工程を備える請求項1乃至4のいずれか一項記載のタンパク質回収方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項記載の方法により得られるプロラミン。
  7. 請求項1乃至5のいずれか一項記載の方法により得られるタンパク質。
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