JPH06195777A - 情報処理装置および走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents
情報処理装置および走査型プローブ顕微鏡Info
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- JPH06195777A JPH06195777A JP34675492A JP34675492A JPH06195777A JP H06195777 A JPH06195777 A JP H06195777A JP 34675492 A JP34675492 A JP 34675492A JP 34675492 A JP34675492 A JP 34675492A JP H06195777 A JPH06195777 A JP H06195777A
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- Japan
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- circuit
- probe
- correction
- probes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 小型で高精度のマルチプローブの制御回路を
提案し、これを具備する各種情報処理装置を実現するこ
と。 【構成】 複数のプローブのうちの所定のプローブを順
次選択する選択回路と、プローブと媒体との間に生じる
信号を検出する信号検出回路と、信号検出回路の出力を
補正する補正回路と、補正回路信号出力に基づいてプロ
ーブと媒体間の位置を制御する信号を発生する制御回路
と、複数のプローブについてそれぞれ設けられ、各プロ
ーブを移動させて媒体との距離を変える複数のアクチュ
エータと、制御回路の出力信号をアクチュエータに印加
する切り替え回路と、各回路の一連の動作が実行されて
いる間にプローブと媒体間に印加する電圧を変化させた
ときに制御回路から出力される制御信号に基づいて各プ
ローブ毎の補正量を測定する補正量測定回路と、上記各
回路における動作を制御する制御装置とを有する。
提案し、これを具備する各種情報処理装置を実現するこ
と。 【構成】 複数のプローブのうちの所定のプローブを順
次選択する選択回路と、プローブと媒体との間に生じる
信号を検出する信号検出回路と、信号検出回路の出力を
補正する補正回路と、補正回路信号出力に基づいてプロ
ーブと媒体間の位置を制御する信号を発生する制御回路
と、複数のプローブについてそれぞれ設けられ、各プロ
ーブを移動させて媒体との距離を変える複数のアクチュ
エータと、制御回路の出力信号をアクチュエータに印加
する切り替え回路と、各回路の一連の動作が実行されて
いる間にプローブと媒体間に印加する電圧を変化させた
ときに制御回路から出力される制御信号に基づいて各プ
ローブ毎の補正量を測定する補正量測定回路と、上記各
回路における動作を制御する制御装置とを有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数のプローブと記録媒
体との物理的相互作用により情報の書き込みまたは読み
出しを行なう記録再生装置、あるいは走査型トンネル顕
微鏡(STM)あるいはSTMを応用した情報処理装置
に関し、より詳しくは、記録再生に用いられる複数のプ
ローブの制御方法に関する。
体との物理的相互作用により情報の書き込みまたは読み
出しを行なう記録再生装置、あるいは走査型トンネル顕
微鏡(STM)あるいはSTMを応用した情報処理装置
に関し、より詳しくは、記録再生に用いられる複数のプ
ローブの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、導体の表面原子の電子構造を直接
観察できる走査型トンネル顕微鏡(以後、STMと略
す)が開発され[G.Bining et al.Ph
ys.Rev.Lett,49,57(1982)]、
単結晶、非晶質を問わず実空間像の高い分解能の測定が
できるようになった。
観察できる走査型トンネル顕微鏡(以後、STMと略
す)が開発され[G.Bining et al.Ph
ys.Rev.Lett,49,57(1982)]、
単結晶、非晶質を問わず実空間像の高い分解能の測定が
できるようになった。
【0003】STMは金属の探針(プローブ電極)と導
電性物質間に電圧を加えて1nm程度の距離まで近づけ
るとトンネル電流が流れることを利用している。この電
流は両者の距離変化に非常に敏感である。トンネル電流
を一定に保つように探針を走査することにより実空間の
全電子雲に関する種々の情報をも読み取ることができ
る。このとき面内方向の分解能は0.1nm程度であ
る。
電性物質間に電圧を加えて1nm程度の距離まで近づけ
るとトンネル電流が流れることを利用している。この電
流は両者の距離変化に非常に敏感である。トンネル電流
を一定に保つように探針を走査することにより実空間の
全電子雲に関する種々の情報をも読み取ることができ
る。このとき面内方向の分解能は0.1nm程度であ
る。
【0004】したがって、STMの原理を応用すれば十
分に原子オーダー(サブ・ナノメートル)での高密度記
録再生を行うことが可能である。例えば、特開昭61−
80536号に開示されている記録再生装置では、電子
ビーム等によって媒体表面に吸着した原子粒子を取り除
く書き込み動作を行ない、STMによりこのデータを再
生している。
分に原子オーダー(サブ・ナノメートル)での高密度記
録再生を行うことが可能である。例えば、特開昭61−
80536号に開示されている記録再生装置では、電子
ビーム等によって媒体表面に吸着した原子粒子を取り除
く書き込み動作を行ない、STMによりこのデータを再
生している。
【0005】また記録層として電圧電流のスイッチング
特性に対してメモリ効果を持つ材料、例えばπ電子系有
機化合物やカルコゲン化合物類の薄膜層を用いて、記録
・再生をSTMで行なう方法が以下に提案されている
[特開昭63−161552号公報、特開昭63−16
1553号公報]。
特性に対してメモリ効果を持つ材料、例えばπ電子系有
機化合物やカルコゲン化合物類の薄膜層を用いて、記録
・再生をSTMで行なう方法が以下に提案されている
[特開昭63−161552号公報、特開昭63−16
1553号公報]。
【0006】上記の方法によれば、記録のビットサイズ
を10nmとして、1012bit/cm2もの大容量記
録再生が可能である。さらに、小型化を目的として複数
のプローブを半導体基板上に形成し、これと対向する記
録媒体を変位させて記録を行う装置が以下に提案されて
いる(特開平1−196751号公報)。
を10nmとして、1012bit/cm2もの大容量記
録再生が可能である。さらに、小型化を目的として複数
のプローブを半導体基板上に形成し、これと対向する記
録媒体を変位させて記録を行う装置が以下に提案されて
いる(特開平1−196751号公報)。
【0007】複数のプローブによって、記録、再生を行
う装置においては、例えば、1cm 2角のシリコンチッ
プ上に、1プローブ当たり400Mbitの記録再生能
力を有する2500本のプローブを50×50のマトリ
ックス配置したマルチプローブヘッドと上述したメモリ
効果を持つ材料を組み合わせることにより、総記録容量
1Tbitのディジタルデータの記録再生が行える。
う装置においては、例えば、1cm 2角のシリコンチッ
プ上に、1プローブ当たり400Mbitの記録再生能
力を有する2500本のプローブを50×50のマトリ
ックス配置したマルチプローブヘッドと上述したメモリ
効果を持つ材料を組み合わせることにより、総記録容量
1Tbitのディジタルデータの記録再生が行える。
【0008】上記の記録再生を行うプローブを駆動する
方法としては、圧電体で構成された長さ数100μm程
度のカンチレバー(片持ちばり)上に取り付け、このカ
ンチレバーを駆動する方法が考えられている。従来この
ようなカンチレバーの作製法としては、半導体プロセス
を応用し、一つの基板上に微細加工を施す加工技術を用
いて圧電体薄膜、金属膜等の多層構造を有するカンチレ
バーを作成する方法があった(T.R.Albrecht et al. "Mi
crofabrication of integrated scanning tunnering mi
croscope" ; Proceedings of 4th International Confe
rence on scanning tunneling microscope/spectroscop
y 1990)。
方法としては、圧電体で構成された長さ数100μm程
度のカンチレバー(片持ちばり)上に取り付け、このカ
ンチレバーを駆動する方法が考えられている。従来この
ようなカンチレバーの作製法としては、半導体プロセス
を応用し、一つの基板上に微細加工を施す加工技術を用
いて圧電体薄膜、金属膜等の多層構造を有するカンチレ
バーを作成する方法があった(T.R.Albrecht et al. "Mi
crofabrication of integrated scanning tunnering mi
croscope" ; Proceedings of 4th International Confe
rence on scanning tunneling microscope/spectroscop
y 1990)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
複数のプローブを有するマルチプローブヘッドとこれに
対向する媒体を組み合わせて記録再生等の情報処理を行
うためには以下の問題点があった。
複数のプローブを有するマルチプローブヘッドとこれに
対向する媒体を組み合わせて記録再生等の情報処理を行
うためには以下の問題点があった。
【0010】(1)記録再生等の情報処理時には、マル
チプローブヘッドの各プローブと対向する媒体間の距離
(Z方向)を精度よく制御する必要がある。このため
に、例えばプローブ毎にプローブと媒体間のZ方向制御
を行う制御系をそれぞれ設け、各制御系からなる制御部
をプローブヘッドの外に設けることが考えられる。この
場合には、マルチプローブヘッドを小さく構成すること
ができても装置外部に置かれる制御部がプローブの本数
分だけ大型となり、STMの特徴を生かした小型の情報
処理装置の実現が困難になるという問題点がある。
チプローブヘッドの各プローブと対向する媒体間の距離
(Z方向)を精度よく制御する必要がある。このため
に、例えばプローブ毎にプローブと媒体間のZ方向制御
を行う制御系をそれぞれ設け、各制御系からなる制御部
をプローブヘッドの外に設けることが考えられる。この
場合には、マルチプローブヘッドを小さく構成すること
ができても装置外部に置かれる制御部がプローブの本数
分だけ大型となり、STMの特徴を生かした小型の情報
処理装置の実現が困難になるという問題点がある。
【0011】(2)また複数本のプローブをICプロセ
ス等の微細加工で作成する場合、加工プロセスにバラつ
きが発生することを避けることはできない。このプロセ
スでのバラつきは、例えば圧電体カンチレバー等のアク
チュエータの変位感度のバラつきやプローブ先端のティ
ップの感度すなわち、仕事関数値のバラつきを招き、複
数本のプローブの性能が異なってしまい、これらのプロ
ーブを最適な状態で制御することが難しくなるという問
題点がある。
ス等の微細加工で作成する場合、加工プロセスにバラつ
きが発生することを避けることはできない。このプロセ
スでのバラつきは、例えば圧電体カンチレバー等のアク
チュエータの変位感度のバラつきやプローブ先端のティ
ップの感度すなわち、仕事関数値のバラつきを招き、複
数本のプローブの性能が異なってしまい、これらのプロ
ーブを最適な状態で制御することが難しくなるという問
題点がある。
【0012】本発明は上述したような従来の技術が有す
る問題点に鑑みてなされたものであって、小型で高精度
のマルチプローブの制御回路を提案し、これを具備する
各種情報処理装置を実現することを目的とする。
る問題点に鑑みてなされたものであって、小型で高精度
のマルチプローブの制御回路を提案し、これを具備する
各種情報処理装置を実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の情報処理装置
は、対向配置された複数本のプローブと媒体との間に物
理現象により生じる信号を用いて記録情報の再生を行う
情報処理装置において、複数のプローブのうちの所定の
プローブを順次選択する選択回路と、選択回路により選
択された所定のプローブと媒体との間に生じる信号を検
出する信号検出回路と、選択回路により選択されたプロ
ーブに対応して信号検出回路の出力を補正する補正回路
と、補正回路信号出力に基づいて選択回路により選択さ
れたプローブと媒体間の位置を制御する信号を発生する
制御回路と、複数のプローブについてそれぞれ設けら
れ、各プローブを移動させて媒体との距離を変える複数
のアクチュエータと、制御回路の出力信号を選択回路に
より選択されたプローブに対応して設けられたアクチュ
エータに印加する切り替え回路と、選択回路、制御回路
および切り替え回路の一連の動作が実行されている間に
プローブと媒体間に印加する電圧を変化させたときに制
御回路から出力される制御信号に基づいて各プローブ毎
の補正量を測定する補正量測定回路と、選択回路、補正
回路、切り替え回路および補正量測定回路における選択
動作、補正動作、切り替え動作および補正量測定動作を
制御する制御装置とを有する。
は、対向配置された複数本のプローブと媒体との間に物
理現象により生じる信号を用いて記録情報の再生を行う
情報処理装置において、複数のプローブのうちの所定の
プローブを順次選択する選択回路と、選択回路により選
択された所定のプローブと媒体との間に生じる信号を検
出する信号検出回路と、選択回路により選択されたプロ
ーブに対応して信号検出回路の出力を補正する補正回路
と、補正回路信号出力に基づいて選択回路により選択さ
れたプローブと媒体間の位置を制御する信号を発生する
制御回路と、複数のプローブについてそれぞれ設けら
れ、各プローブを移動させて媒体との距離を変える複数
のアクチュエータと、制御回路の出力信号を選択回路に
より選択されたプローブに対応して設けられたアクチュ
エータに印加する切り替え回路と、選択回路、制御回路
および切り替え回路の一連の動作が実行されている間に
プローブと媒体間に印加する電圧を変化させたときに制
御回路から出力される制御信号に基づいて各プローブ毎
の補正量を測定する補正量測定回路と、選択回路、補正
回路、切り替え回路および補正量測定回路における選択
動作、補正動作、切り替え動作および補正量測定動作を
制御する制御装置とを有する。
【0014】この場合、補正回路が各プローブに対応し
たゲイン補正を行うこととしてもよい。
たゲイン補正を行うこととしてもよい。
【0015】さらに、補正回路が各プローブに対応した
補正を行うための各プローブに対応した補正量をストア
するメモリを設けてもよい。
補正を行うための各プローブに対応した補正量をストア
するメモリを設けてもよい。
【0016】本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記の
ように構成された情報処理装置を有する。
ように構成された情報処理装置を有する。
【0017】
【作用】媒体と各プローブとの間の距離制御について、
補正量測定回路によって各プローブ毎に適切な補正量を
測定し、その補正量に基づいて各プローブ毎に異なる補
正が補正回路によってなされるので、各プローブの制御
性能にバラつきが生じることがない。このような補正を
行うためにプローブを選択することは、各プローブのそ
れぞれに制御系を設けることなく、選択回路および切り
替え回路によって順次切り替えられて行われるので、装
置が大型化することはない。
補正量測定回路によって各プローブ毎に適切な補正量を
測定し、その補正量に基づいて各プローブ毎に異なる補
正が補正回路によってなされるので、各プローブの制御
性能にバラつきが生じることがない。このような補正を
行うためにプローブを選択することは、各プローブのそ
れぞれに制御系を設けることなく、選択回路および切り
替え回路によって順次切り替えられて行われるので、装
置が大型化することはない。
【0018】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
て説明する。
【0019】[実施例1]図1は、本発明の第1の実施
例におけるマルチプローブの制御回路の構成例を示す図
である。
例におけるマルチプローブの制御回路の構成例を示す図
である。
【0020】本実施例に示す制御回路は、トンネル電流
を検出する複数本のプローブを対向する媒体間の距離制
御回路および補正量測定回路に関するものである。
を検出する複数本のプローブを対向する媒体間の距離制
御回路および補正量測定回路に関するものである。
【0021】本実施例では制御CPU114を用いて、
各プローブからのトンネル電流信号をデジタル信号に変
換し、この信号から制御CPU114からのタイミング
により各プローブを順次Z方向制御する制御信号を発生
するデジタルサーボ系を構成した。
各プローブからのトンネル電流信号をデジタル信号に変
換し、この信号から制御CPU114からのタイミング
により各プローブを順次Z方向制御する制御信号を発生
するデジタルサーボ系を構成した。
【0022】図1を用いてマルチプローブのZ方向制御
について詳細に説明する。
について詳細に説明する。
【0023】マルチプローブ101を構成する複数のプ
ローブ1011,1012,・・・101nのそれぞれ
は、選択回路102と接続され、各々媒体100に対向
配置されており、両者間にはバイアス電圧が印加されて
いる。選択回路102は制御CPU114からのタイミ
ングにしたがい各マルチプローブ1011〜101nのう
ちのいずれか一本、例えばn番目のプローブを選択す
る。選択されたn番目のプローブにて検出されたトンネ
ル電流信号Inは電圧値変換された後に、A/D変換器
103にてデジタル値In(t)に変換される(tは、
所定のサンプリング時刻)。
ローブ1011,1012,・・・101nのそれぞれ
は、選択回路102と接続され、各々媒体100に対向
配置されており、両者間にはバイアス電圧が印加されて
いる。選択回路102は制御CPU114からのタイミ
ングにしたがい各マルチプローブ1011〜101nのう
ちのいずれか一本、例えばn番目のプローブを選択す
る。選択されたn番目のプローブにて検出されたトンネ
ル電流信号Inは電圧値変換された後に、A/D変換器
103にてデジタル値In(t)に変換される(tは、
所定のサンプリング時刻)。
【0024】デジタル化されたトンネル電流信号は、対
数変換回路104により、プローブ−媒体間の距離に対
する線形化信号に変換される[図中:logIn
(t)]。対数変換回路104の出力は、サーボ回路の
設定値との比較器105に入力され、誤差信号[図中:
errn(t)]となる。このとき、制御CPU114
は選択しているプローブの番号メモリ111をアドレッ
シングし、メモリ111はプローブ番号に応じた補正量
(g1〜gn)を補正回路106に出力する。
数変換回路104により、プローブ−媒体間の距離に対
する線形化信号に変換される[図中:logIn
(t)]。対数変換回路104の出力は、サーボ回路の
設定値との比較器105に入力され、誤差信号[図中:
errn(t)]となる。このとき、制御CPU114
は選択しているプローブの番号メモリ111をアドレッ
シングし、メモリ111はプローブ番号に応じた補正量
(g1〜gn)を補正回路106に出力する。
【0025】補正回路106は、比較器105出力er
rn(t)にメモリ111からの補正係数gnを乗じ、
補正誤差信号[:en(t)]とする。107はこの補
正誤差信号をゼロとする距離制御信号[図中:Un
(t)]を生成する制御回路で、具体的にはPI(Pr
oporttional+Integral)制御回路
である。このPI制御回路107はメモリ112,11
3にストアされたサンプリング時刻(t−1)における
距離制御信号及び補正誤差信号データと、サンプリング
時刻(t)における補正誤差信号en(t)から時刻
(t)における新たな距離制御信号Un(t)を生成す
る。同時にメモリ112,113の値を更新する。
rn(t)にメモリ111からの補正係数gnを乗じ、
補正誤差信号[:en(t)]とする。107はこの補
正誤差信号をゼロとする距離制御信号[図中:Un
(t)]を生成する制御回路で、具体的にはPI(Pr
oporttional+Integral)制御回路
である。このPI制御回路107はメモリ112,11
3にストアされたサンプリング時刻(t−1)における
距離制御信号及び補正誤差信号データと、サンプリング
時刻(t)における補正誤差信号en(t)から時刻
(t)における新たな距離制御信号Un(t)を生成す
る。同時にメモリ112,113の値を更新する。
【0026】距離制御信号Un(t)は、D/A変換器
108で再びアナログ信号に変換された後、切り替え回
路109により対応する番号のプローブをZ方向に駆動
するアクチュエータ(不図示)に印加される。制御CP
U114は順次選択するプローブを切り替え、全てのプ
ローブのZ方向制御をする。なお、一度アクチュエータ
に信号が印加された後、再び同じアクチュエータに信号
が印加されるまでの間、アクチュエータはフローティン
グ状態になる。この間はアクチュエータの電極間の容量
により制御電圧が保持されており、アクチュエータの変
位は保たれる。上記の103〜108までのディジタル
演算/変換回路は、サンプリング周期に対し、それぞれ
十分に速い速度で動作させてもよいが、それぞれの各演
算毎にデータ保持メモリを設ける、いわゆるパイプライ
ン処理を行ってもよい。パイプライン処理を用いること
によって103〜108の各演算/変換回路は動作周波
数をサンプリング周波数まで低速化できるため、回路の
小型化、低コスト化がはかられる。
108で再びアナログ信号に変換された後、切り替え回
路109により対応する番号のプローブをZ方向に駆動
するアクチュエータ(不図示)に印加される。制御CP
U114は順次選択するプローブを切り替え、全てのプ
ローブのZ方向制御をする。なお、一度アクチュエータ
に信号が印加された後、再び同じアクチュエータに信号
が印加されるまでの間、アクチュエータはフローティン
グ状態になる。この間はアクチュエータの電極間の容量
により制御電圧が保持されており、アクチュエータの変
位は保たれる。上記の103〜108までのディジタル
演算/変換回路は、サンプリング周期に対し、それぞれ
十分に速い速度で動作させてもよいが、それぞれの各演
算毎にデータ保持メモリを設ける、いわゆるパイプライ
ン処理を行ってもよい。パイプライン処理を用いること
によって103〜108の各演算/変換回路は動作周波
数をサンプリング周波数まで低速化できるため、回路の
小型化、低コスト化がはかられる。
【0027】以上のようにして、複数プローブのうち所
定のプローブが選択され、媒体と選択されたプローブ間
に流れるトンネル電流をもとに、選択されたプローブに
応じた補正量により補正された値にしたがって最終的に
選択されたプローブのアクチュエータが駆動されること
によって、媒体とプローブの間の距離が制御される。た
だし、各プローブに応じた補正量は、制御CPU114
に接続された補正量測定回路110により決定される。
定のプローブが選択され、媒体と選択されたプローブ間
に流れるトンネル電流をもとに、選択されたプローブに
応じた補正量により補正された値にしたがって最終的に
選択されたプローブのアクチュエータが駆動されること
によって、媒体とプローブの間の距離が制御される。た
だし、各プローブに応じた補正量は、制御CPU114
に接続された補正量測定回路110により決定される。
【0028】補正量の測定は、測定するプローブを選択
し、制御CPU114の指令に従って上述したように媒
体と選択されたプローブ間の距離制御を実行しながら、
補正量測定回路110から媒体100に供給されている
バイアス電圧Vbを変調したときに同期して得られる距
離制御信号Unの変調成分を調べることにより行われ
る。
し、制御CPU114の指令に従って上述したように媒
体と選択されたプローブ間の距離制御を実行しながら、
補正量測定回路110から媒体100に供給されている
バイアス電圧Vbを変調したときに同期して得られる距
離制御信号Unの変調成分を調べることにより行われ
る。
【0029】図2は、図1に示した制御回路構成図の制
御系をブロック線図表示したものである。
御系をブロック線図表示したものである。
【0030】ここで図1のサーボ制御系はディジタルサ
ーボ系であるものの、通常サンプリング間隔が数μse
cと制御信号帯域に比べ十分低いためアナログサーボ系
と近似して考えてもよい。図2により図1の補正回路1
06の動作を詳細に説明する。
ーボ系であるものの、通常サンプリング間隔が数μse
cと制御信号帯域に比べ十分低いためアナログサーボ系
と近似して考えてもよい。図2により図1の補正回路1
06の動作を詳細に説明する。
【0031】Ga(s):200は、マルチプローブの
変位→トンネル電流変換特性を示すブロック、Gb
(s):201は対数変換回路特性を示すブロック、G
c(s):202は補正回路を示すブロック、Gd
(s):203はPI制御回路を示すブロック、Ge
(s):204はマルチプローブのZ駆動素子の電圧→
変位変換特性を示すブロックである。ただしVbはプロ
ーブ媒体間のバイアス電圧、φ1〜φnは各プローブの
仕事関数値、G1(s)〜Gn(s)は各マルチプロー
ブのZ駆動素子の電圧→変位変換特性を示すブロック、
a,Kp,Kiは定数である。
変位→トンネル電流変換特性を示すブロック、Gb
(s):201は対数変換回路特性を示すブロック、G
c(s):202は補正回路を示すブロック、Gd
(s):203はPI制御回路を示すブロック、Ge
(s):204はマルチプローブのZ駆動素子の電圧→
変位変換特性を示すブロックである。ただしVbはプロ
ーブ媒体間のバイアス電圧、φ1〜φnは各プローブの
仕事関数値、G1(s)〜Gn(s)は各マルチプロー
ブのZ駆動素子の電圧→変位変換特性を示すブロック、
a,Kp,Kiは定数である。
【0032】前述した通り、プローブが複数本ある場
合、Z駆動素子の変位感度やプローブ先端のティップの
感度すなわち仕事関数値はバラつき、仕事関数値φ1〜
φn及びZ駆動素子の電圧→変位変換特性G1(s)〜
Gn(s)は各プローブ毎に異なる。
合、Z駆動素子の変位感度やプローブ先端のティップの
感度すなわち仕事関数値はバラつき、仕事関数値φ1〜
φn及びZ駆動素子の電圧→変位変換特性G1(s)〜
Gn(s)は各プローブ毎に異なる。
【0033】このとき図2の閉ループにおいてPI制御
回路203出力Unから対数変換回路201出力のVn
への伝達特性を考えると、 Vn=Gb(s)×Ga(s)×Ge(s)×Un =log10{VB・exp(−a・φn1/2・Gn・Un)} =A・φn1/2・Gn・Un+B (A,Bは定数) と表される。
回路203出力Unから対数変換回路201出力のVn
への伝達特性を考えると、 Vn=Gb(s)×Ga(s)×Ge(s)×Un =log10{VB・exp(−a・φn1/2・Gn・Un)} =A・φn1/2・Gn・Un+B (A,Bは定数) と表される。
【0034】すなわち、プローブ毎のφ及びGのバラつ
きは、閉ループ伝達特性のゲインバラつきになり、この
ままPI制御回路203でサーボをかけられると個々の
プローブによってサーボの応答周波数が異なってしま
う。そこで、本実施例では補正回路202によりこのゲ
インバラつきを補正し、補正後の誤差信号をPI制御回
路203に入れることで全てのプローブを同程度の精度
でサーボ制御を行った。前述のように補正回路202で
は、比較器出力にプローブ毎異なる補正量(:gn)を
乗じている。この補正量の測定方法について詳しく説明
する。
きは、閉ループ伝達特性のゲインバラつきになり、この
ままPI制御回路203でサーボをかけられると個々の
プローブによってサーボの応答周波数が異なってしま
う。そこで、本実施例では補正回路202によりこのゲ
インバラつきを補正し、補正後の誤差信号をPI制御回
路203に入れることで全てのプローブを同程度の精度
でサーボ制御を行った。前述のように補正回路202で
は、比較器出力にプローブ毎異なる補正量(:gn)を
乗じている。この補正量の測定方法について詳しく説明
する。
【0035】まず、全てのプローブからトンネル電流を
検出しトンネル電流が一定になるように媒体と各プロー
ブの距離制御を行うよう閉ループでサーボをかける。た
だし、このとき補正回路は動作することなく全てのプロ
ーブに対し同一のゲインが乗じられるよう設定されてい
る。距離制御を実行している状態で制御CPU114か
ら補正量測定回路110を通じて、Z駆動素子の応答周
波数以下のバイアス電圧Vb変調信号を発生し、媒体1
00に印加する(ΔVb)。この場合、サーボ制御が行
われているため、Vb変調信号に同期して各プローブか
らのトンネル電流が変化し、それに応じてPI制御回路
107から距離制御信号が出力される。このとき各プロ
ーブからの距離制御信号出力(ΔUn)をモニタし、各
プローブについてバイアス電圧VbからPI制御出力U
nの伝達特性Gmulti=ΔUn/ΔVbを測定した。こ
れが全てのプローブで一定となるように各プローブの補
正量(:gn)を決定した。
検出しトンネル電流が一定になるように媒体と各プロー
ブの距離制御を行うよう閉ループでサーボをかける。た
だし、このとき補正回路は動作することなく全てのプロ
ーブに対し同一のゲインが乗じられるよう設定されてい
る。距離制御を実行している状態で制御CPU114か
ら補正量測定回路110を通じて、Z駆動素子の応答周
波数以下のバイアス電圧Vb変調信号を発生し、媒体1
00に印加する(ΔVb)。この場合、サーボ制御が行
われているため、Vb変調信号に同期して各プローブか
らのトンネル電流が変化し、それに応じてPI制御回路
107から距離制御信号が出力される。このとき各プロ
ーブからの距離制御信号出力(ΔUn)をモニタし、各
プローブについてバイアス電圧VbからPI制御出力U
nの伝達特性Gmulti=ΔUn/ΔVbを測定した。こ
れが全てのプローブで一定となるように各プローブの補
正量(:gn)を決定した。
【0036】図3は本発明による情報処理装置であり、
上記のような制御回路およびマルチプローブを備えたS
TMの一つの実施形態の構成を示す図である。
上記のような制御回路およびマルチプローブを備えたS
TMの一つの実施形態の構成を示す図である。
【0037】301はマルチプローブヘッドであり、マ
ルチプローブヘッド301の作成について図4を用いて
説明する。
ルチプローブヘッド301の作成について図4を用いて
説明する。
【0038】図4(a)は、マルチプローブヘッドの一
本のプローブ構造を示す図であり、図4(b)は、図4
(a)中A−Bの断面図である。
本のプローブ構造を示す図であり、図4(b)は、図4
(a)中A−Bの断面図である。
【0039】図中、401はSi基板、402,408
はSiNx層、403,405,407は駆動用電極、
404,406は圧電体薄膜、409はプローブ先端の
ティップ、410はティップ用電極である。
はSiNx層、403,405,407は駆動用電極、
404,406は圧電体薄膜、409はプローブ先端の
ティップ、410はティップ用電極である。
【0040】このカンチレバーは、バイモルフ構造を有
し逆圧電効果により電圧印加で変位する。以下にその作
製行程を記す。
し逆圧電効果により電圧印加で変位する。以下にその作
製行程を記す。
【0041】まず、Si(100)基板(厚さ0.5μ
m)上に、CVD法によりSi3N4膜を0.15μmの
厚さに成膜した。使用した原料ガスはSiH2C12:N
H3(1:9)であり、基板温度800℃であった。次
に、フォトリソグラフィー及びCF4ドライエッチング
により、Si3N4を所望の形状にパターニングした。続
いてCr0.0lμm,Au0.09μmを成膜し、フ
ォトリソグラフィー及びウェットエッチングによりパタ
ーニングした。
m)上に、CVD法によりSi3N4膜を0.15μmの
厚さに成膜した。使用した原料ガスはSiH2C12:N
H3(1:9)であり、基板温度800℃であった。次
に、フォトリソグラフィー及びCF4ドライエッチング
により、Si3N4を所望の形状にパターニングした。続
いてCr0.0lμm,Au0.09μmを成膜し、フ
ォトリソグラフィー及びウェットエッチングによりパタ
ーニングした。
【0042】次に、スパッタ法で圧電体薄膜AlNを
0.3μm成膜した。ターゲットはAlを用い、Ar+
N2雰囲気でスパッタした。さらにフォトリソグラフィ
ーとAl用エッチング液によるウェットエッチングでパ
ターニングした。その後、上記工程を繰り返し、結局S
i基板−Au/Cr−AlN−Au/Cr−AlN−A
u/Crのバイモルフ構造を形成した。さらに保護層と
してアモルファスSiNを0.15μmCVD法により
成膜した。その後、タングステン(W)ティップを蒸着
法で作製した後、KOHによるSiの異方性エッチング
を用いて、Si3N4がついていない部分を除去し、カン
チレバーを作製した。最後にWティップをPtコーティ
ングした。一本のカンチレバーの寸法は、長さ700×
幅230μmでZ方向の共振周波数3.3kHz,1V
印加時のバイモルフの平均変位量は1.75μmであっ
た。このカンチレバー型プローブを5×5ケ、計25個
マトリックス状に作製し、さらにSiウエハ上のカンチ
レバー型プローブ近傍にICプロセスを用いてトンネル
電流検出アンプを構成しマルチプローブヘッド301
(図3参照)とした。このとき光学的手法で25本のプ
ローブの変位感度を測定したところ約20%のバラつき
があった。
0.3μm成膜した。ターゲットはAlを用い、Ar+
N2雰囲気でスパッタした。さらにフォトリソグラフィ
ーとAl用エッチング液によるウェットエッチングでパ
ターニングした。その後、上記工程を繰り返し、結局S
i基板−Au/Cr−AlN−Au/Cr−AlN−A
u/Crのバイモルフ構造を形成した。さらに保護層と
してアモルファスSiNを0.15μmCVD法により
成膜した。その後、タングステン(W)ティップを蒸着
法で作製した後、KOHによるSiの異方性エッチング
を用いて、Si3N4がついていない部分を除去し、カン
チレバーを作製した。最後にWティップをPtコーティ
ングした。一本のカンチレバーの寸法は、長さ700×
幅230μmでZ方向の共振周波数3.3kHz,1V
印加時のバイモルフの平均変位量は1.75μmであっ
た。このカンチレバー型プローブを5×5ケ、計25個
マトリックス状に作製し、さらにSiウエハ上のカンチ
レバー型プローブ近傍にICプロセスを用いてトンネル
電流検出アンプを構成しマルチプローブヘッド301
(図3参照)とした。このとき光学的手法で25本のプ
ローブの変位感度を測定したところ約20%のバラつき
があった。
【0043】再び図3にもどり本実施例の記録再生装置
について説明する。302は記録媒体であり、これに接
近してマルチプローブヘッド301が対向している。マ
ルチプローブヘッド301は微動機構であるクチュエー
タ303、さらに構造体309に取り付けられている。
アクチュエータ303は制御回路305が発生するアク
チュエータ制御信号S31によって制御される。
について説明する。302は記録媒体であり、これに接
近してマルチプローブヘッド301が対向している。マ
ルチプローブヘッド301は微動機構であるクチュエー
タ303、さらに構造体309に取り付けられている。
アクチュエータ303は制御回路305が発生するアク
チュエータ制御信号S31によって制御される。
【0044】表面観察時、マルチプローブヘッド301
と記録媒体302の間にバイアス電圧を印加した状態で
Z方向アクチュエータ303を傾きを補正しながら動か
し、全てのプローブからトンネル電流が流れる程度まで
マルチプローブヘッド301を記録媒体302に近づけ
る。さらに、図1で詳細を説明した制御回路304に具
備されたZ方向制御回路304により全てのプローブと
対向する記録媒体302間の距離を一定とするようにサ
ーボをかける。この状態で制御回路305はXY走査信
号S32を発生する。XY走査信号S32は、構造体3
09に取り付けられたXY走査機構310に印加され、
試料302の載った基台307を二次元に走査する。こ
のとき、試料302の表面の微小な凹凸により変化する
トンネル電流が検出される。検出されたトンネル電流を
制御回路305に取り込み、XY走査信号S32に同期
させて処理することで25本のプローブからのSTM像
が得られた。
と記録媒体302の間にバイアス電圧を印加した状態で
Z方向アクチュエータ303を傾きを補正しながら動か
し、全てのプローブからトンネル電流が流れる程度まで
マルチプローブヘッド301を記録媒体302に近づけ
る。さらに、図1で詳細を説明した制御回路304に具
備されたZ方向制御回路304により全てのプローブと
対向する記録媒体302間の距離を一定とするようにサ
ーボをかける。この状態で制御回路305はXY走査信
号S32を発生する。XY走査信号S32は、構造体3
09に取り付けられたXY走査機構310に印加され、
試料302の載った基台307を二次元に走査する。こ
のとき、試料302の表面の微小な凹凸により変化する
トンネル電流が検出される。検出されたトンネル電流を
制御回路305に取り込み、XY走査信号S32に同期
させて処理することで25本のプローブからのSTM像
が得られた。
【0045】さらに、STM像は二次元FFT等の画像
処理を行い、25全画面分を合成してディスプレイ30
8に表示した。また、観察場所を変えるときには図示せ
ぬXY粗動機構により試料302を移動して観察を行っ
た。
処理を行い、25全画面分を合成してディスプレイ30
8に表示した。また、観察場所を変えるときには図示せ
ぬXY粗動機構により試料302を移動して観察を行っ
た。
【0046】本実施例においてZ方向制御回路304で
マルチプローブヘッド301からのトンネル電流信号を
補正してZ方向制御を行った。Z方向制御を行うための
補正データはメモリ311に格納し、図1で説明したよ
うなZ方向制御を行った。本実施例においては補正デー
タを得るために、表面観察に先立って、広い面積にわた
って平坦なHOPG、Si等の標準試料にマルチプロー
ブを対向させ、全てのプローブから検出されるトンネル
電流が一定となるように制御回路305によってサーボ
をかけた。その後、この標準試料に印加しているバイア
ス電圧を変調する(ΔVb)。このとき、各プローブか
らのトンネル電流信号、対数変換回路出力、さらにPI
制御出力(△Un)をモニタし、各プローブについてバ
イアス電圧VbからPI制御出力Unの伝達特性Gmult
i=ΔUn/ΔVbを測定し、補正量を決定した。この
結果、約20%の変位感度バラつきが影響することな
く、全てのプローブからおなじようにSTM像が得られ
た。
マルチプローブヘッド301からのトンネル電流信号を
補正してZ方向制御を行った。Z方向制御を行うための
補正データはメモリ311に格納し、図1で説明したよ
うなZ方向制御を行った。本実施例においては補正デー
タを得るために、表面観察に先立って、広い面積にわた
って平坦なHOPG、Si等の標準試料にマルチプロー
ブを対向させ、全てのプローブから検出されるトンネル
電流が一定となるように制御回路305によってサーボ
をかけた。その後、この標準試料に印加しているバイア
ス電圧を変調する(ΔVb)。このとき、各プローブか
らのトンネル電流信号、対数変換回路出力、さらにPI
制御出力(△Un)をモニタし、各プローブについてバ
イアス電圧VbからPI制御出力Unの伝達特性Gmult
i=ΔUn/ΔVbを測定し、補正量を決定した。この
結果、約20%の変位感度バラつきが影響することな
く、全てのプローブからおなじようにSTM像が得られ
た。
【0047】本発明の走査型トンネル顕微鏡を用いるこ
とにより、復数本のプローブを有するマルチプローブヘ
ッドを小型制御回路で制御し、広い面積の試料を短時間
で表面観察を行うことが可能となった。
とにより、復数本のプローブを有するマルチプローブヘ
ッドを小型制御回路で制御し、広い面積の試料を短時間
で表面観察を行うことが可能となった。
【0048】本発明で用いたカンチレバーは、AlN、
ZnO等の圧電体薄膜、金属膜の薄膜を積層しているた
め、数Vの電圧印加により電圧破壊を起こしやすく、容
易に静電気や帯電等で圧電体薄膜の破壊を招いていた。
本実施例のようにサーボ系の入力部でゲイン補正を行う
場合、アクチュエータを絶縁破壊させることなく複数の
プローブを制御できるという実施例特有の効果がある。
ZnO等の圧電体薄膜、金属膜の薄膜を積層しているた
め、数Vの電圧印加により電圧破壊を起こしやすく、容
易に静電気や帯電等で圧電体薄膜の破壊を招いていた。
本実施例のようにサーボ系の入力部でゲイン補正を行う
場合、アクチュエータを絶縁破壊させることなく複数の
プローブを制御できるという実施例特有の効果がある。
【0049】なお、本発明ではZ方向アクチュエータと
して圧電体の逆電圧効果を利用したカンチレバー型アク
チュエータを用いたが、アクチュエータはこれに限定さ
れることはなく、例えば静電力を用いたものでも良い。
また、STMに代わり、マルチプローブを有する原子間
力顕微鏡(AFM)を用いて、プローブの弾性定数バラ
つきを補正する回路を有するプローブ−試料間の距離制
御回路に応用しても良い。
して圧電体の逆電圧効果を利用したカンチレバー型アク
チュエータを用いたが、アクチュエータはこれに限定さ
れることはなく、例えば静電力を用いたものでも良い。
また、STMに代わり、マルチプローブを有する原子間
力顕微鏡(AFM)を用いて、プローブの弾性定数バラ
つきを補正する回路を有するプローブ−試料間の距離制
御回路に応用しても良い。
【0050】さらに、本発明では、補正回路としてZサ
ーボ回路の閉ループゲインを調整する回路を構成した
が、単なるゲイン調整だけでなく、制御対象であるアク
チュータの機械的Q値のバラつきによる変位の過度特性
を補正するフィルタ回路、位相補償等の補正回路を構成
してもよい。また、カンチレバーの反りのバラつきを補
正するためにD/A変換器108の入力に各カンチレバ
ーの反り量に対応するオフセット値を重畳視補正する回
路を設けてもよい。
ーボ回路の閉ループゲインを調整する回路を構成した
が、単なるゲイン調整だけでなく、制御対象であるアク
チュータの機械的Q値のバラつきによる変位の過度特性
を補正するフィルタ回路、位相補償等の補正回路を構成
してもよい。また、カンチレバーの反りのバラつきを補
正するためにD/A変換器108の入力に各カンチレバ
ーの反り量に対応するオフセット値を重畳視補正する回
路を設けてもよい。
【0051】[実施例2]図5は、本発明による情報処
理装置である記録再生装置の第2の実施例の概略図であ
る。
理装置である記録再生装置の第2の実施例の概略図であ
る。
【0052】図中、501は記録媒体であり、これに接
近して実施例1と同様のマルチプローブヘッド502が
対向している。マルチプローブヘッド502は図示せぬ
積層型圧電素子等の微動機構に取り付けられ、微動機構
はマルチプローブヘッド502を記録媒体501に接近
させる。
近して実施例1と同様のマルチプローブヘッド502が
対向している。マルチプローブヘッド502は図示せぬ
積層型圧電素子等の微動機構に取り付けられ、微動機構
はマルチプローブヘッド502を記録媒体501に接近
させる。
【0053】また、503はXY走査回路、504,5
05は記録媒体501の載ったステージ506をそれぞ
れX方向,Y方向にそれぞれ駆動するアクチュエータで
ある。507は各プローブ毎のデータ入出力とZ方向制
御を行う制御回路である。
05は記録媒体501の載ったステージ506をそれぞ
れX方向,Y方向にそれぞれ駆動するアクチュエータで
ある。507は各プローブ毎のデータ入出力とZ方向制
御を行う制御回路である。
【0054】記録媒体501として、電圧電流のスイッ
チ特性に対し、メモリ効果をもつ材料を基板上に形成し
たものを用いた。本実施例では、ガラスや雲母等の平坦
な基板上に金をエピタキシャル成長させた基板を用意
し、この基板上に電圧電流のスイッチング特性に対しメ
モリ効果をもつ材料としてスクアリウム−ビス−6−オ
クチルアズレンを用い、ラングミュア・プロジェット法
(LB法)により、単分子膜2層の累積膜を基板電極上
に形成した。また記録媒体501上には凹状の溝もしく
は表面電子状態の異なるトラッキングパターン508が
刻まれている。そしてプローブのトンネル電流変化から
トラッキングパターンエッジ位置をトラッキング制御回
路509で検出し、トラッキングずれをトラッキングア
クチュエータ510で補正する。
チ特性に対し、メモリ効果をもつ材料を基板上に形成し
たものを用いた。本実施例では、ガラスや雲母等の平坦
な基板上に金をエピタキシャル成長させた基板を用意
し、この基板上に電圧電流のスイッチング特性に対しメ
モリ効果をもつ材料としてスクアリウム−ビス−6−オ
クチルアズレンを用い、ラングミュア・プロジェット法
(LB法)により、単分子膜2層の累積膜を基板電極上
に形成した。また記録媒体501上には凹状の溝もしく
は表面電子状態の異なるトラッキングパターン508が
刻まれている。そしてプローブのトンネル電流変化から
トラッキングパターンエッジ位置をトラッキング制御回
路509で検出し、トラッキングずれをトラッキングア
クチュエータ510で補正する。
【0055】この記録再生装置を用い、以下のように記
録再生をの実験を行った。
録再生をの実験を行った。
【0056】マルチプローブヘッド502と試料の間に
バイアス電圧を100mV印加し、この状態で図示せぬ
積層型圧電素子等の微動機構により全てのプローブから
トンネル電流が流れる程度までマルチプローブヘッド5
02を記録媒体501に近づける。さらに制御回路50
7中にあり図1で詳細を説明したZ方向制御回路により
全てのプローブと対向する試料間の距離を一定とするよ
うにサーボをかけておく。この状態でXY走査回路50
3はXY走査信号S51を発生する。XY走査信号S5
1はアクチュエータ504,505に印加され、記録媒
体501が載置されたステージ506を二次元に走査す
る。
バイアス電圧を100mV印加し、この状態で図示せぬ
積層型圧電素子等の微動機構により全てのプローブから
トンネル電流が流れる程度までマルチプローブヘッド5
02を記録媒体501に近づける。さらに制御回路50
7中にあり図1で詳細を説明したZ方向制御回路により
全てのプローブと対向する試料間の距離を一定とするよ
うにサーボをかけておく。この状態でXY走査回路50
3はXY走査信号S51を発生する。XY走査信号S5
1はアクチュエータ504,505に印加され、記録媒
体501が載置されたステージ506を二次元に走査す
る。
【0057】記録は以下のように行った。全てのプロー
ブから1nAのトンネル電流が流れる程度までサーボを
かけ、近づけておく。この状態で記録媒体501の所望
の位置までプローブを移動後、バイアス電圧を変調し、
6Vのパルス電圧をプローブ1と記録媒体3の間に印加
すると、瞬間的に約0.1μAの電流が流れる大きさ1
0nmφのビットが形成(記録)され、パルス電圧の印
加後、走査を行ったところ、その状態を保持した(再
生)。そこでこの低抵抗状態にあるビットを“1”に対
応づけ、高抵抗状態の“0”と区別する。そして記録デ
ータに符号器で“0”“1”のデータへのコード化を行
い2値化記録再生を行った。
ブから1nAのトンネル電流が流れる程度までサーボを
かけ、近づけておく。この状態で記録媒体501の所望
の位置までプローブを移動後、バイアス電圧を変調し、
6Vのパルス電圧をプローブ1と記録媒体3の間に印加
すると、瞬間的に約0.1μAの電流が流れる大きさ1
0nmφのビットが形成(記録)され、パルス電圧の印
加後、走査を行ったところ、その状態を保持した(再
生)。そこでこの低抵抗状態にあるビットを“1”に対
応づけ、高抵抗状態の“0”と区別する。そして記録デ
ータに符号器で“0”“1”のデータへのコード化を行
い2値化記録再生を行った。
【0058】本実施例でもマルチプローブからのトンネ
ル電流信号を補正してZ方向制御を行っている。このた
めの補正データはメモリ511に格納されている。本実
施例においては補正データを得るために、記録再生に先
立って記録媒体501上で全てのプローブをZ方向に変
調する(ΔVb)。このとき各プローブからのトンネル
電流信号、対数変換回路出力、さらにPI制御出力(Δ
Un)をモニタし、各プローブについてバイアス電圧V
bからPI制御出力Unの伝達特性Gmulti=ΔUn/
ΔVbを測定し、補正量を決定した。
ル電流信号を補正してZ方向制御を行っている。このた
めの補正データはメモリ511に格納されている。本実
施例においては補正データを得るために、記録再生に先
立って記録媒体501上で全てのプローブをZ方向に変
調する(ΔVb)。このとき各プローブからのトンネル
電流信号、対数変換回路出力、さらにPI制御出力(Δ
Un)をモニタし、各プローブについてバイアス電圧V
bからPI制御出力Unの伝達特性Gmulti=ΔUn/
ΔVbを測定し、補正量を決定した。
【0059】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
【0060】請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載の
ものにおいては、複数のプローブの特性バラつきの影響
を廃し、複数のプローブを用いて安定な位置制御を行う
ことができる小型の情報処理装置を実現できる。
ものにおいては、複数のプローブの特性バラつきの影響
を廃し、複数のプローブを用いて安定な位置制御を行う
ことができる小型の情報処理装置を実現できる。
【0061】請求項4に記載のものにおいては、上記効
果を奏する走査型プローブ顕微鏡を実現することができ
る効果がある。
果を奏する走査型プローブ顕微鏡を実現することができ
る効果がある。
【図1】本発明の第1の実施例におけるマルチプローブ
の制御回路の構成例を示す図である。
の制御回路の構成例を示す図である。
【図2】図1に示した制御回路構成図の制御系をブロッ
ク線図表示したものである。
ク線図表示したものである。
【図3】図1および図2に示した制御回路およびマルチ
プローブを備え、STMを用いた情報処理装置の一つの
実施形態の構成を示す図である。
プローブを備え、STMを用いた情報処理装置の一つの
実施形態の構成を示す図である。
【図4】(a)は、マルチプローブヘッドの一本のプロ
ーブ構造であり、(b)は、(a)中A−Bの断面図で
ある。
ーブ構造であり、(b)は、(a)中A−Bの断面図で
ある。
【図5】本発明による情報処理装置である記録再生装置
の第2の実施例の概略図である。
の第2の実施例の概略図である。
100 媒体 101 マルチプローブ 102 選択回路 103 A/D変換器 104 対数変換回路 105 比較器 106 補正回路 107 PI制御回路 108 D/A変換器 109 切り替え回路 111〜113 メモリ 114 制御CPU 301 マルチプローブヘッド 302 試料 304 Z方向制御回路 305 制御回路 306 XY走査信号 307 基台 308 ディスプレイ 311 メモリ 501 記録媒体 502 マルチブローブヘッド 503 XY走査回路 507 制御回路 508 トラッキングパターン 509 トラッキング制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山野 明彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 紫藤 俊一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 畑中 勝則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 対向配置された複数本のプローブと媒体
との間に物理現象により生じる信号を用いて記録情報の
再生を行う情報処理装置において、 前記複数のプローブのうちの所定のプローブを順次選択
する選択回路と、 前記選択回路により選択された所定のプローブと前記媒
体との間に生じる信号を検出する信号検出回路と、 前記選択回路により選択されたプローブに対応して前記
信号検出回路の出力を補正する補正回路と、 前記補正回路信号出力に基づいて前記選択回路により選
択されたプローブと媒体間の位置を制御する信号を発生
する制御回路と、 前記複数のプローブについてそれぞれ設けられ、各プロ
ーブを移動させて前記媒体との距離を変える複数のアク
チュエータと、 前記制御回路の出力信号を前記選択回路により選択され
たプローブに対応して設けられたアクチュエータに印加
する切り替え回路と、 前記選択回路、制御回路および切り替え回路の一連の動
作が実行されている間にプローブと前記媒体間に印加す
る電圧を変化させたときに制御回路から出力される制御
信号に基づいて各プローブ毎の補正量を測定する補正量
測定回路と、 前記選択回路、補正回路、切り替え回路および補正量測
定回路における選択動作、補正動作、切り替え動作およ
び補正量測定動作を制御する制御装置とを有することを
特徴とする情報処理装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の情報処理装置において、 補正回路が各プローブに対応したゲイン補正を行うこと
を特徴とする情報処理装置。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の情報処
理装置において、 補正回路が各プローブに対応した補正を行うための各プ
ローブに対応した補正量をストアするメモリを有するこ
とを特徴とする情報処理装置。 - 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
の情報処理装置を有することを特徴とする走査型プロー
ブ顕微鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34675492A JPH06195777A (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 情報処理装置および走査型プローブ顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34675492A JPH06195777A (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 情報処理装置および走査型プローブ顕微鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06195777A true JPH06195777A (ja) | 1994-07-15 |
Family
ID=18385591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34675492A Pending JPH06195777A (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 情報処理装置および走査型プローブ顕微鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06195777A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100580651B1 (ko) * | 2004-06-03 | 2006-05-16 | 삼성전자주식회사 | 프로브를 이용한 정보저장시스템의 위치오차 검출 장치 및방법, 이를 이용한 정보저장시스템의 정보 추종 장치 및방법 |
-
1992
- 1992-12-25 JP JP34675492A patent/JPH06195777A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100580651B1 (ko) * | 2004-06-03 | 2006-05-16 | 삼성전자주식회사 | 프로브를 이용한 정보저장시스템의 위치오차 검출 장치 및방법, 이를 이용한 정보저장시스템의 정보 추종 장치 및방법 |
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