JPH06194633A - 液晶デバイスの製造方法 - Google Patents

液晶デバイスの製造方法

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Publication number
JPH06194633A
JPH06194633A JP43A JP34659792A JPH06194633A JP H06194633 A JPH06194633 A JP H06194633A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 34659792 A JP34659792 A JP 34659792A JP H06194633 A JPH06194633 A JP H06194633A
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JP
Japan
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liquid crystal
meth
crystal device
acrylate derivative
acrylate
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JP43A
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English (en)
Inventor
Hisashi Takeuchi
尚志 武内
Hiroshi Ogawa
洋 小川
Kazunori Maruyama
和則 丸山
Takeshi Kuriyama
毅 栗山
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 電極層を有する少なくとも一方が透明な2枚
の基板の一方の基板上に、単官能型(メタ)アクリレー
ト誘導体および多官能型(メタ)アクリレート誘導体を
含有する重合性組成物を重合させて形成した透明性高分
子物質の三次元網目層に液晶材料を満たし、これに他方
の基板を張り合わせる液晶デバイスの製造方法。 【効果】 ヒステリシスおよび保持率が改善され、低電
圧化された液晶デバイスの作製が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大面積になし得る液晶
デバイス及びその製造方法に関するもので、更に詳しく
は、視野の遮断、開放、及び明り若しくは照明光の透過
制限、遮断、透過を電気的に操作し得るものであって、
建物の窓やショーウインドウなどで視野遮断のスクリー
ンや、採光コントロールのカーテンに利用されると共
に、文字や図形を表示し、高速応答性を以って電気的に
表示を切り換えることによって、OA器材などのディス
プレイー等のハイインフォーメーション表示体、プロジ
ェクションの表示装置、広告板、案内板、装飾表示板等
の表示用デバイスとして利用される液晶デバイスの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高分子微多孔膜に液晶を含浸さ
せ、液晶表示素子を作製する方法は多々報告されてい
る。例えば、米国特許4411495号明細書、特開昭
56−11436号公報、特開昭56−97315号公
報、特開平2−282718号公報等が挙げられる。こ
れらの方法は物質分離のフィルター用途の高分子膜を用
いたものであり、その駆動電圧は数10〜200Vと非
常に高いものであった。
【0003】また、電極層を有する少なくとも一方が透
明な2枚の基板間に、液晶材料が連続層を形成し、この
連続層中に、三次元網目状構造を有する透明性高分子物
質を含有する調光層を有する液晶デバイスの製造方法と
しては、例えば、特開平1−198725号公報には、
電極層を有する少なくとも一方が透明性を有する2枚の
基板間に、液晶材料、重合性組成物および重合開始剤を
含有する調光層形成材料を挟持させ、透明性基板を通し
て紫外線を照射し、前記重合性組成物を重合させること
によって製造している。
【0004】しかし、この液晶デバイスには電気光学特
性において電圧の上昇時と下降時の透過率が異なった値
を示すヒステリシス現象が発生し、そのため、時分割駆
動のマージンが低下し、階調表示を行う上で問題であっ
た。液晶デバイスの製作時における光、熱その他によっ
て液晶デバイスの抵抗が低下し、その結果、消費電力が
増大し、寿命が悪化し、電圧保持率不良による表示画質
のちらつきが生ずるという問題点があった。
【0005】また、駆動電圧および使用温度範囲等の用
途に適した液晶デバイスを作製するためには、液晶とポ
リマーの組合せの変化による相溶性の変動、分散および
相分離の制御等、液晶デバイスの作製条件を充分に検討
しなければならないという煩わしさがあった。
【0006】また、特開平4−98220号公報には、
透明性電極層を有する少なくとも一方が透明な2枚の基
板と、これらの基板に挟持された液晶層を有し、前記基
板の少なくとも一方の基板の透明性電極層上に、均一な
三次元網目状高分子物質を有する層を設けた液晶デバイ
スが開示されており、製造方法もいくつか開示されてい
る。 しかしながら、このようにして作製した液晶デバ
イスの駆動電圧は低電圧と云えども8〜15Vも必要で
あり、さらなる低電圧化が望まれていた。
【0007】また、色素含有液晶組成物を用い、光重合
によって液晶デバイスを作製する方法においては、光透
過が不充分で、充分な特性のものを得難かった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、ヒステリシス現象が改善され、高い電圧保
持率を有し、低電圧で駆動し、液晶とポリマーの組合せ
による製作条件に制約を受けない液晶デバイスを提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)電極層
を有する少なくとも一方が透明な2枚の基板の少なくと
も一方の基板上に、単官能型(メタ)アクリレート誘導
体および多官能型(メタ)アクリレート誘導体を含有す
る重合性組成物を非反応性媒体中で重合してなる透明性
高分子物質からなる三次元網目層を形成する第1工程、
(2)前記基板上に形成された透明性高分子物質からな
る三次元網目層に液晶材料を満たす第2工程、及び
(3)これに他方の基板を張り合わせる第3工程を有す
ることを特徴とする液晶デバイスの製造方法を提供す
る。
【0010】すなわち、前記単官能型(メタ)アクリレ
ート誘導体として、炭素原子数8〜23の分岐基を有し
ていてもよいアルキル(メタ)アクリレート誘導体、ま
たは脂環式(メタ)アクリレート誘導体、またはフェニ
ル置換(メタ)アクリレート誘導体、またはポリオキシ
(メタ)アクリレート誘導体またはポリオキシアルキレ
ン(メタ)アクリレート誘導体を用いてデバイスを作製
することにより、よりヒステリシスが小さく、より高い
電圧保持率を有し、より低電圧で駆動する液晶デバイス
の製造方法を確立するに至った。
【0011】本発明で使用する基板は、堅固な材料、例
えば、ガラス、金属等であってもよく、柔軟性を有する
材料、例えば、プラスチックフィルムの如きものであっ
てもよい。また、その少なくとも一方は、透明性を有
し、その2枚の間に挟持される調光層を外界から視覚さ
せるものでなければならない。ただし、完全な透明性を
必須とするものではない。
【0012】もし、この液晶デバイスが、デバイスの一
方の側から他方の側へ通過する光に対して作用させるた
めに使用される場合は、2枚の基板は、共に適宜な透明
性が与えられる。この基板には、目的に応じて透明、不
透明の適宜な電極が、その全面または部分的に配置され
てもよい。
【0013】ただし、プラスチックフィルムの如き柔軟
性を有する材料の場合は、堅固な材料、例えば、ガラ
ス、金属等に固定したうえで、本発明の製造方法に用い
ることができる。
【0014】なお、2枚の基板間には、通常、周知の液
晶デバイスと同様、間隔保持用のスペーサーを挟持させ
ることもできる。
【0015】スペーサーとしては、例えば、マイラー、
アルミナ、ロッドタイプのガラスファイバー、ガラスビ
ーズ、ポリマービーズ等種々の液晶セル用のものを用い
ることができる。
【0016】基板に均一に付着させる透明性高分子物質
の厚みを制御するために、液晶材料とモノマー若しくは
オリゴマーの溶液、あるいは、有機溶剤とモノマー若し
くはオリゴマーの溶液に、スペーサーを混合してもよ
く、一方の基板上にスペーサーを塗布してもよい。
【0017】本発明で使用する液晶材料は、単一の液晶
性化合物であることを要しないのはもちろんで、2種以
上の液晶化合物や液晶化合物以外の物質も含んだ混合物
であってもよく、通常この技術分野で液晶材料として認
識されるものであればよく、そのうちの正の誘電率異方
性を有するものが好ましい。
【0018】用いられる液晶としては、ネマチック液
晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶が好まし
く、ネマチック液晶が特に好ましい。その性能を改善す
るために、コレステリック液晶、カイラルネマチック液
晶、カイラルスメクチック液晶等、カイラル化合物や2
色性染料等が適宜含まれていてもよい。
【0019】本発明で使用する液晶材料は、以下に示し
た化合物群から選ばれた1種以上の化合物からなる配合
組成物が好ましく、液晶材料の特性、すなわち、等方性
液体と液晶の相転移温度、融点、粘度、屈折率異方性
(Δn)、誘電率異方性(Δε)及び重合性組成物等と
の溶解性等を改善することを目的として適宜選択、配合
して用いることができる。
【0020】液晶材料としては、例えば、4−置換安息
香酸4’−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキ
サンカルボン酸4’−置換フェニルエステル、4−置換
シクロヘキサンカルボン酸4’−置換ビフェニルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)
安息香酸4’−置換フェニルエステル、4−(4−置換
シクロヘキシル)安息香酸4’−置換フェニルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4’−置
換シクロヘキシルエステル、4−置換4’−置換ビフェ
ニル、4−置換フェニル−4’−置換シクロヘキサン、
4−置換4”−置換ターフェニル、4−置換ビフェニル
4’−置換シクロヘキサン、2−(4−置換フェニル)
−5−置換ピリミジン等を挙げることができる。
【0021】2色性色素は、液晶用途の2色性色素であ
れば、特に制限なく使用できる。例えば、アントラキノ
ン系色素、アゾ系色素、キノフタロン系色素、ペリレン
系色素、クマリン系色素、チオインジゴ系色素、メロシ
アニン系色素、スチリル系色素、オキソノール系色素等
の2色性色素が挙げられる。
【0022】これらの2色性色素は、目的に応じて適宜
配合して用いることができる。
【0023】2色性色素の市販品としては、例えば、三
井東圧染料社製の「SI−497」(青色素)、「M−
137」(青色素)、「SI−426」(赤色素)、
「S−416」(黒色素)、「S−344」(黒色
素)、日本化薬社製の「LCD−118」(青色素)、
「LCD−208」(赤色素)、「LCD−465」
(黒色素)、住友化学社製の「CLD−506」(青色
素)等が挙げられる。
【0024】2色色素の含有量は、液晶材料に対し、0.
01〜10重量%の範囲が好ましい。
【0025】また、基板上あるいは2枚の基板間に形成
される透明性高分子物質は、三次元網目状構造を有する
ものである。
【0026】この透明性高分子物質の三次元網目状部分
には、液晶材料が満たされ、且つ、液晶材料が連続層を
形成することが好ましく、液晶材料の無秩序な状態を形
成することにより、光学的境界面を形成し、光の散乱を
発現させる上で必須である。
【0027】均一な三次元網目状構造を有する透明性高
分子物質を含有する層を基板上に形成する方法として、
一方の基板の電極層上にスピンコーター、バーコータ
ー、アプリケーター等のコーターを使用して重合性組成
物と非反応性媒体とからなる溶液を塗布し、次いで他方
の基板を重ねてもよく、これに活性光線を照射するか、
あるいは、熱的に重合硬化させて、三次元網目状の高分
子層を形成する。次に、このようにして得た三次元網目
状構造を形成した透明性高分子物質を挟持した2枚の基
板の一方を剥離した後、未硬化のモノマーあるいはオリ
ゴマーや液晶材料、溶剤等の非反応性媒体を洗浄、除去
する。なお、剥離する一方の基板に離型剤を予め、塗布
しておくと剥離段階が容易になる。
【0028】また、一方の基板の電極層上にスピンコー
ター、バーコーター、アプリケーター等のコーターを使
用して重合性組成物を塗布した後、他方の基板で挟持す
ることなく重合することは生産効率上好ましい網目形成
の方法であり、この方法において活性光線を照射し重合
させる場合は窒素雰囲気等、嫌気性条件下で重合するこ
とが好ましい。
【0029】また、非反応性媒体として液晶材料を用い
ることは均一な三次元網目構造を形成する上で大変好ま
しい。
【0030】しかしながら、三次元網目状の構造を有す
る透明性高分子物質を基板上に形成させる方法は、これ
らの方法に限定されることはない。
【0031】このような製造方法により、透明性高分子
物質によって形成された三次元網目状構造の形状の平均
径は、光の波長に比べて大きすぎたり、小さすぎる場
合、光散乱性が衰える傾向にあるので、0.2〜5μm
の範囲が好ましくさらには1〜3μが特に好ましい。ま
た、透明性高分子物質を有する層の層厚は、使用目的に
応じ、光散乱による不透明性と電気的に達成した透明性
との間の充分なコントラストを得るために、2〜30μ
mの範囲が好ましく、5〜20μmの範囲が特に好まし
い。
【0032】また、洗浄方法は、通常周知の液晶デバイ
スの電極層を有するガラス基板に対して行なう方法と同
様の方法で行ってもよく、新たな有機溶剤、蒸留水、液
晶材料の溶液を入れた後、超音波洗浄を行ってもよい。
【0033】洗浄された透明性高分子物質を有する基板
は、真空乾燥または真空加熱乾燥等の方法により、充分
に乾燥させる必要がある。
【0034】三次元網目状の構造を与えるものとして
は、高分子形成性モノマー若しくはオリゴマーを重合さ
せて得られる熱硬化型高分子または放射線硬化型の高分
子物質中でも紫外線硬化型高分子が好ましい。
【0035】このような紫外線硬化型高分子においては
(メタ)アクリレート化合物が好ましく低電圧化実現の
ためには多官能(メタ)アクリレート及び単官能(メ
タ)アクリレートが適宜配合されて用いることが必須で
ある。単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)ア
クリレートの配合比率は、その反応性媒体、非反応性媒
体との溶解性等を考慮して決められる。単官能型が多す
ぎる場合は適切な網目を形成せず、散乱性の低いものと
なり、また少なすぎる場合には、駆動電圧が高くなる。
そのような比率としては、単官能型(メタ)アクリレー
トの重量%として10〜95%で好ましくは20〜85
%である。
【0036】この三次元網目状構造を有する透明性高分
子物質は、堅固な物に限らず、目的に応じ得る限り柔軟
性、弾性を有するものであってもよいが、堅めの物が好
ましい。
【0037】多官能型(メタ)アクリレートとしては、
例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリ
コール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、トリメチロールプロパン、グリセリン、及びペ
ンタエリスリトール等のポリ(メタ)アクリレート;ネ
オペンチルグリコール1モルに2モル以上のエチレンオ
キサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得た
ジオールのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプ
ロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド若しく
はプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ
またはトリ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA1
モルに2モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピ
レンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)ア
クリレート;ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)ア
クリレート;トリス−(ヒドロキシエチル)−イソシア
ヌル酸のポリ(メタ)アクリレート;トリス−(ヒドロ
キシエチル)−リン酸のポリ(メタ)アクリレート;ジ
−(ヒドロキシエチル)−ジシクロペンタジエンのジ
(メタ)アクリレート;長鎖脂肪族ジアクリレート;カ
プロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペ
ンチルグリコールジアクリレート;ピバリン酸エステル
ネオペンチルグリコールジアクリレート;ポリオレフィ
ン変性ネオペンチルグリコールジアクリレート;ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸、さら
に場合により、ヤシ油脂肪酸等の長鎖脂肪酸をエステル
化させて得たエポキシ(メタ)アクリレート、あるいは
その長鎖脂肪酸変性物、水酸基を有するエポキシ(メ
タ)アクリレートに二塩基酸無水物、四塩基酸ジ無水
物、無水トリメリット酸を付加して得たカルボキシル基
を有するエポキシ(メタ)アクリレートの如きエポキシ
(メタ)アクリレート及びその変性物;ポリエーテル、
ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリエステルの多官能
型アクリレート等が挙げられる。
【0038】単官能アクリレートとしては以下に示すも
のが挙げられる。
【0039】炭素原子数8〜23のアルキル基を有する
単官能型アルキル(メタ)アクリレート誘導体として
は、例えば、アルキル基として、オクチル、ノニル、デ
シル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシ
ル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコシル等の如き基
を有するものが挙げられる。
【0040】アルキル基としては直鎖状に限らず枝分れ
状のものを用いることができ、例えば、2−エチルヘキ
シル、イソデシル、イソステアリル等の如き基を有する
ものが挙げられる。
【0041】単官能型脂環式(メタ)アクリレ−ト誘導
体としては、例えば下記一般式で表される物を用いるこ
とができる。
【0042】
【式3】R−X−O−A
【0043】(式中、Aは−COCH=CH2 または−
COC(CH3)=CH2を表し、Xはアルキレン、アル
キルオキシ、またはポリオキシアルキレン、または単結
合を表し、Rはシクロペンチル、シクロヘキシル、シク
ロヘプチル、ノルボルニル、ジシクロペンタジエニル、
イソボニル、テトラヒドロフルフリル、ビシクロペンタ
ン、ビシクロヘプタン、ビシクロオクタン、トリシクロ
ヘプタン、トリシクロデカン、ステロイド等の炭化水素
骨格が1個または複数個ついていればよい。)
【0044】上記の式4で表わされる単官能型脂環式
(メタ)アクリレ−ト誘導体の市販品としては、例え
ば、共栄社油脂工業社製の「IB−XA」(イソボニル
アクリレ−ト)、「IB−X」(イソボニルメタクリレ
−ト)、日立化成社製の「FA511A」(ジシクロペ
ンテニルアクリレート)及び「FA513A」(トリシ
クロ[5.2.1.02,6]デカニルアクリレート)及
び「FA513M」(トリシクロ[5.2.1.02,6]
デカニルメタアクリレート)、東亜合成化学社製の「M
−152」(ジシクロペンタジエニルオキシエチレンア
クリレ−ト)等が挙げられる。
【0045】単官能型フェニル置換(メタ)アクリレー
ト誘導体としては、下記一般式(I)で表される物を用
いることができる
【0046】
【式4】R1−Ph−X−(Q−O)n−A (I)
【0047】(式中、R1は、水素原子、または分岐基
を有していてもよい炭素原子数1〜23のアルキル基、
またはアルキルオキシ基を表わし、Aは−COCH=C
2または−COC(CH3)=CH2を表わし、Xは−
O−または−COO−または−OCO−を表し、Qは炭
素原子数2〜10のアルキレン基を表わし、nは1〜2
5の整数を表わす。)
【0048】上記一般式(I)で表される単官能型フェ
ニル置換(メタ)アクリレート誘導体の市販品として
は、例えば東亜合成社製の「M−111」(ノニルフェ
ノキシポリエチレングリコールアクリレート)、「M−
117」(ノニルフェノキシポリプロピレングリコール
アクリレート)、「M−5700」(ECH変性フェノ
キシアクリレート)、共栄社油脂工業社製の「ライトエ
ステルFM−102」、「BA−104」(ネオペンチ
ルグリコールアクリル酸安息香酸エステル)等が挙げら
れる。
【0049】単官能型ポリオキシ(メタ)アクリレート
誘導体としては、下記一般式(II)で表されるものを用
いることができる。
【0050】
【式5】R1−(O−Q)n−O−A (II)
【0051】(式中、R1は、水素原子、または分岐基
を有していてもよい炭素原子数1〜23のアルキル基を
表わし、Aは−COCH=CH2または−COC(C
3)=CH2を表わし、Qは炭素原子数2〜10のアル
キレン基を表わし、nは1〜25の整数を表わす。)
【0052】上記一般式(II)で表される単官能型ポリ
オキシアルキレン(メタ)アクリレートの市販品として
は、例えば、共栄社油脂工業社製の「ライトエステルE
C−A」、「ライトエステルMTG−A」、「ライトエ
ステルBO−A」、「ライトエステルDPM−A」、新
中村化学社製の「NKエステルAM−90G」、「NK
エステルM−20G」、「NKエステルM−40G」、
「NKエステルM−90G」「NKエステルM−230
G」、東亜合成社製の「アロニックスM−120」、大
阪有機社製の「ビスコート190」、「ビスコート2M
TA」、サトマー社製の「SR−232」、「SR−2
33」、「SR−244」、「SR−256」、日本油
脂社製の「ブレンマーPME−100」、「ブレンマー
PME−200」、「ブレンマーPME−400」等が
挙げられる。
【0053】重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
(メルク社製「ダロキュア1173」)、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ガイギー社製
「イルガキュア184 」)、1−(4−イソプロピル
フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1
−オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、ベンジ
ルジメチルケタール(チバ・ガイギー社製「イルガキュ
ア651」)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルホリノプロパノン−1(チバ・ガイ
ギー社製「イルガキュア907」)、2,4,6−トリ
メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(B
ASF社製「ルシリンTPO」)、2,4−ジエチルチ
オキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)
とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製
「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオ
キサントン(ワードプレキンソツプ社製「カンタキュア
ーITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの
混合物等が挙げられる。
【0054】重合開始剤の使用割合は、重合性組成物に
対して0.1〜10.0重量%の範囲で用いられ、好ま
しくは0.1〜5.0%の範囲が好ましい。
【0055】本発明の液晶デバイスは、例えば、上記の
方法によって得た均一な三次元網目状高分子物質を有す
る層を形成した基板と透明性電極層を有する基板を用い
て、以下に示す方法に従って製造することができる。
【0056】すなわち、(1)一方の基板が透明性電極
層上に均一な三次元網目状高分子物質を有する層を形成
した基板と、透明性電極層を有する基板とを、周知の液
晶デバイスと同様にして、張り合わせ、シール剤を用い
て固定し、パネル化する。このパネルの内部を真空減圧
し、液晶材料中にこのパネルの液晶注入口を浸した後、
通常気圧に戻すことによって、液晶材料を注入する方
法、及び(2)透明性電極層上に均一な三次元網目状高
分子物質を有する層を形成した基板または透明性電極層
を有する基板上に液晶材料を塗布した後、もう一方の基
板を重ね、真空減圧下で、充分に脱気を行い、次いで、
両基板の周囲を封止剤を用いて固定し、液晶デバイスを
製造する方法が挙げられる。
【0057】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明をさら
に具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0058】また、紫外線の強度は、ウシオ電機社製受
光器として「UVD−365PD」を備えたユニメータ
ー「UIT−101」を用いて測定した値である。
【0059】評価特性で使用される記号は、下記の表1
において意味および内容を示す。
【0060】
【表1】
【0061】使用した液晶の物性を、下記の表2におい
て示す。
【0062】
【表2】
【0063】以下文中、透過率および保持率を除いて、
「%」は「重量%」を表わす。
【0064】(実施例1)液晶材料として「PN−00
1」(ロディック社製)80.0%、「KAYARAD
−HX−620」(日本化薬社製カプロラクトン変性ヒ
ドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ
アクリレート)9.8%、ラウリルアクリレート9.8
%、及び重合開始剤として「ダロキュア1173」(メ
ルク社製2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン)0.4%からなる三次元網目層形成
材料を、11.0μのガラスファイバー製スペーサーが
散布された20cm角のITO電極を有するガラス基板
と、20cm角のポリエチレンテレフタレートシート「ル
ミラー」(東レ社製)の間にはさみ込み、基板全体を3
1℃に保ちながら、17mW/cm2の紫外線を60秒間照
射し、透明性高分子物質の層を形成した。
【0065】次いで、ポリエチレンテレフタレートシー
トを剥離し、三次元網目状高分子物質が形成されている
ITOガラス板をエタノールで洗浄し、加熱乾燥させ
た。
【0066】次に、この基板を70℃に加熱して、液晶
材料「PN−005」(ロディック社製)を浸漬させ、
11μmのスペーサー入りシール剤「TB−3051」
(スリーボンド社製)を基板の周辺部に塗布し、別のI
TO電極を有する基板を貼り合わせ、圧着しながら紫外
線を照射しシール剤を硬化し、液晶デバイスを得た。
【0067】得られた液晶デバイスの調光層を電子顕微
鏡で観察したところ、三次元網目状の透明性高分子物質
が確認できた。
【0068】この液晶デバイスの印加電圧と光透過率の
関係を測定したところ、T0=2.5%、T100=85.
6%、V10=3.1Vrms、V90=6.2Vrms、CR=3
4.2、HS50=0.1Vrmsであり、蓄積および残存電
荷量の測定によると、HV=80.5%であった。
【0069】(実施例2)液晶材料として「PN−00
1」(ロディック社製)80.0%、「KAYARAD
−HX−620」(日本化薬社製カプロラクトン変性ヒ
ドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ
アクリレート)5.9%、共栄社油脂工業社製の「IB
−XA」(イソボニルアクリレ−ト)13.7%、及び
重合開始剤として「ダロキュア1173」(メルク社製
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−
1−オン)0.4%からなる網目層形成材料を、11.
0μのガラスファイバー製スペーサーが散布された20
cm角のITO電極を有するガラス基板と、20cm角のポ
リエチレンテレフタレートシート「ルミラー」(東レ社
製)の間にはさみ込み、基板全体を33℃に保ちなが
ら、17mW/cm2の紫外線を60秒間照射し、透明性高
分子物質の層を形成した。
【0070】次いで、ポリエチレンテレフタレートシー
トを剥離し、三次元網目状高分子物質が形成されている
ITOガラス板をエタノールで洗浄し、加熱乾燥させ
た。
【0071】次に、この基板を70℃に加熱して、液晶
材料「PN−005」(ロディック社製)を浸漬させ、
11μmのスペーサー入りシール剤「TB−3051」
(スリーボンド社製)を基板の周辺部に塗布し、別のI
TO電極を有する基板を貼り合わせ、圧着しながら紫外
線を照射しシール剤を硬化し液晶デバイスを得た。
【0072】得られた液晶デバイスの調光層を電子顕微
鏡で観察したところ、三次元網目状の透明性高分子物質
が確認できた。
【0073】この液晶デバイスの印加電圧と光透過率の
関係を測定したところ、T0=2.8%、T100=86.
1%、V10=4.3Vrms、V90=7.8Vrms、CR=3
0.8、HS50=0.2Vrmsであり、蓄積および残存電
荷量の測定によると、HV=83.2%であった。
【0074】(実施例3)液晶材料として「PN−00
1」(ロディック社製)80.0%、「KAYARAD
−HX−620」(日本化薬社製カプロラクトン変性ヒ
ドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ
アクリレート)3.9%、「アロニックスM−111」
(東亜合成社製ノニルフェノキシポリエチレングリコー
ルアクリレート)15.7%、及び重合開始剤として
「ダロキュア1173」(メルク社製2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)0.4
%からなる網目層形成材料を、11.0μのガラスファ
イバー製スペーサーが散布された20cm角のITO電極
を有するガラス基板と、20cm角のポリエチレンテレフ
タレートシート「ルミラー」(東レ社製)の間にはさみ
込み、基板全体を24℃に保ちながら、17mW/cm2
紫外線を60秒間照射し、透明性高分子物質の層を形成
した。
【0075】次いで、ポリエチレンテレフタレートシー
トを剥離し、三次元網目状高分子物質が形成されている
ITOガラス板をエタノールで洗浄し、加熱乾燥させ
た。
【0076】次に、この基板を70℃に加熱して、液晶
材料「PN−005」(ロディック社製)を浸漬させ、
11μmのスペーサー入りシール剤「TB−3051」
(スリーボンド社製)を基板の周辺部に塗布し、別のI
TO電極を有する基板を貼り合わせ、圧着しながら紫外
線を照射しシール剤を硬化し液晶デバイスを得た。
【0077】得られた液晶デバイスの調光層を電子顕微
鏡で観察したところ、三次元網目状の透明性高分子物質
が確認できた。
【0078】この液晶デバイスの印加電圧と光透過率の
関係を測定したところ、T0=3.0%、T100=85.
4%、V10=4.6Vrms、V90=8.2Vrms、CR=2
8.5、HS50=0.3Vrmsであり、蓄積および残存電
荷量の測定によると、HV=82.5%であった。
【0079】(実施例4)液晶材料として「PN−00
1」(ロディック社製)80.0%、「KAYARAD
−HX−620」(日本化薬社製カプロラクトン変性ヒ
ドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ
アクリレート)3.9%、「BA−104」(共栄社油
脂工業社製ネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸
エステル)15.7%、及び重合開始剤として「ダロキ
ュア1173」(メルク社製2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン)0.4%からな
る網目層形成材料を、11.0μのガラスファイバー製
スペーサーが散布された20cm角のITO電極を有する
ガラス基板と、20cm角のポリエチレンテレフタレート
シート「ルミラー」(東レ社製)の間にはさみ込み、基
板全体を29℃に保ちながら、17mW/cm2の紫外線を
60秒間照射し、透明性高分子物質の層を形成した。
【0080】次いで、ポリエチレンテレフタレートシー
トを剥離し、三次元網目状高分子物質が形成されている
ITOガラス板をエタノールで洗浄し、加熱乾燥させ
た。
【0081】次に、この基板を70℃に加熱して、液晶
材料「PN−005」(ロディック社製)を浸漬させ、
11μmのスペーサー入りシール剤「TB−3051」
(スリーボンド社製)を基板の周辺部に塗布し、別のI
TO電極を有する基板を貼り合わせ、圧着しながら紫外
線を照射しシール剤を硬化し液晶デバイスを得た。
【0082】得られた液晶デバイスの調光層を電子顕微
鏡で観察したところ、三次元網目状の透明性高分子物質
が確認できた。
【0083】この液晶デバイスの印加電圧と光透過率の
関係を測定したところ、T0=2.7%、T100=86.
2%、V10=3.7Vrms、V90=7.7Vrms、CR=3
1.9、HS50=0.1Vrmsであり、蓄積および残存電
荷量の測定によると、HV=80.8%であった。
【0084】(実施例5)液晶材料として「PN−00
1」(ロディック社製)80.0%、「KAYARAD
−HX−620」(日本化薬社製カプロラクトン変性ヒ
ドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ
アクリレート)11.8%、「NKエステルAM−90
G」(新中村化学社製メトキシノナエチレングリコール
アクリレート)7.8%、及び重合開始剤として「ダロ
キュア1173」(メルク社製2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−フェニルプロパン−1−オン)0.4%から
なる網目層形成材料を、11.0μのガラスファイバー
製スペーサーが散布された20cm角のITO電極を有す
るガラス基板と、20cm角のポリエチレンテレフタレー
トシート「ルミラー」(東レ社製)の間にはさみ込み、
基板全体を30℃に保ちながら、17mW/cm2の紫外線を6
0秒間照射し、透明性高分子物質の層を形成した。
【0085】次いで、ポリエチレンテレフタレートシー
トを剥離し、三次元網目状高分子物質が形成されている
ITOガラス板をエタノールで洗浄し、加熱乾燥させ
た。
【0086】次に、この基板を70℃に加熱して、液晶
材料「PN−005」(ロディック社製)を浸漬させ、
11μmのスペーサー入りシール剤「TB−3051」
(スリーボンド社製)を基板の周辺部に塗布し、別のI
TO電極を有する基板を貼り合わせ、圧着しながら紫外
線を照射しシール剤を硬化し液晶デバイスを得た。
【0087】得られた液晶デバイスの調光層を電子顕微
鏡で観察したところ、三次元網目状の透明性高分子物質
が確認できた。
【0088】この液晶デバイスの印加電圧と光透過率の
関係を測定したところ、T0=2.9%、T100=85.
1%、V10=3.1Vrms、V90=5.2Vrms、CR=2
9.3、HS50=0.2Vrmsであり、蓄積および残存電
荷量の測定によると、HV=73.2%であった。
【0089】(実施例6)液晶材料として「PN−00
1」(ロディック社製)80.0%、「KAYARAD
−HX−620」(日本化薬社製カプロラクトン変性ヒ
ドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ
アクリレート)9.8%、ラウリルアクリレート9.8
%、及び重合開始剤として「ダロキュア1173」(メ
ルク社製2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン)0.4%からなる網目層形成材料
を、11.0μのガラスファイバー製スペーサーが散布
された20cm角のITO電極を有するガラス基板と、2
0cm角のポリエチレンテレフタレートシート「ルミラ
ー」(東レ社製)の間にはさみ込み、基板全体を31℃
に保ちながら、17mW/cm2の紫外線を60秒間照射
し、透明性高分子物質の層を形成した。
【0090】次いで、ポリエチレンテレフタレートシー
トを剥離し、三次元網目状高分子物質が形成されている
ITOガラス板をエタノールで洗浄し、加熱乾燥させ
た。
【0091】次に、この基板を70℃に加熱して、液晶
材料「PN−005」(ロディック社製)に2色性黒色
素「S−416」(三井東圧染料社製)を5%混合させ
たものを浸漬させ、11μmのスペーサー入りシール剤
「TB−3051」(スリーボンド社製)を基板の周辺
部に塗布し、別のITO電極を有する基板を貼り合わ
せ、圧着しながら紫外線を照射しシール剤を硬化し液晶
デバイスを得た。
【0092】得られた液晶デバイスの調光層を電子顕微
鏡で観察したところ、三次元網目状の透明性高分子物質
が確認できた。
【0093】この液晶デバイスの印加電圧と光透過率の
関係を測定したところ、T0=0.4%、T100=45.
2%、V10=4.3Vrms、V90=8.3Vrms、CR=1
13、HS50=0.4Vrmsであり、蓄積および残存電荷
量の測定によると、HV=70.5%であった。
【0094】(比較例1)液晶材料として「PN−00
1」(ロディック社製)80.0%、「KAYARAD
−HX−620」(日本化薬社製カプロラクトン変性ヒ
ドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ
アクリレート)19.6%、及び重合開始剤として「ダ
ロキュア1173」(メルク社製2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)0.4%か
らなる網目層形成材料を、11.0μのガラスファイバ
ー製スペーサーが散布された20cm角のITO電極を有
するガラス基板と、20cm角のポリエチレンテレフタレ
ートシート「ルミラー」(東レ社製)の間にはさみ込
み、基板全体を38℃に保ちながら、17mW/cm2の紫
外線を60秒間照射し、透明性高分子物質の層を形成し
た。
【0095】次いで、ポリエチレンテレフタレートシー
トを剥離し、三次元網目状高分子物質が形成されている
ITOガラス板をエタノールで洗浄し、加熱乾燥させ
た。
【0096】次に、この基板を70℃に加熱して、液晶
材料「PN−005」(ロディック社製)を浸漬させ、
11μmのスペーサー入りシール剤「TB−3051」
(スリーボンド社製)を基板の周辺部に塗布し、別のI
TO電極を有する基板を貼り合わせ、圧着しながら紫外
線を照射しシール剤を硬化し液晶デバイスを得た。
【0097】得られた液晶デバイスの調光層を電子顕微
鏡で観察したところ、三次元網目状の透明性高分子物質
が確認できた。
【0098】この液晶デバイスの印加電圧と光透過率の
関係を測定したところ、T0=2.9%、T100=85.
2%、V10=8.2Vrms、V90=18.0Vrms、CR=
29.4、HS50=0.3Vrmsであり、蓄積および残存
電荷量の測定によると、HV=82.7%であった。
【0099】(比較例2)液晶材料として「PN−00
5」(ロディック社製)80.0%、「KAYARAD
−HX−620」(日本化薬社製カプロラクトン変性ヒ
ドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ
アクリレート)9.8%、ラウリルアクリレート9.8
%、及び重合開始剤として「ダロキュア1173」(メ
ルク社製2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン)0.4%からなる網目層形成材料
を、11.0μのガラスファイバー製スペーサーの散布
された2枚のITO電極ガラス基板にはさみこみ、基板
全体を35℃に保ち、17mW/cm2の紫外線を60秒間照
射し、液晶デバイスを得た。
【0100】得られた液晶デバイスの調光層を電子顕微
鏡で観察したところ、三次元網目状の透明性高分子物質
が確認できた。
【0101】この液晶デバイスの印加電圧と光透過率の
関係を測定したところ、T0=3.2%、T100=84.
5%、V10=3.8Vrms、V90=7.2Vrms、CR=2
6.4、HS50=1.3Vrmsであり、蓄積および残存電
荷量の測定によると、HV=35.3%であった。
【0102】(比較例3)液晶材料として「PN−00
5」(ロディック社製)中に2色性黒色素「S−41
6」(三井東圧染料社製)を5%混合させたもの80.
0%、「KAYARAD−HX−620」(日本化薬社
製カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネ
オペンチルグリコールジアクリレート)11.8%、ラ
ウリルアクリレート7.8%、及び重合開始剤として
「ダロキュア1173」(メルク社製2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)0.4
%からなる網目層形成材料を、11.0μのガラスファ
イバー製スペーサーの散布された2枚のITO電極ガラ
ス基板にはさみこみ、基板全体を31℃に保ち17mW/c
m2の紫外線を60秒間照射したが、重合せず、光散乱性
液晶デバイスは得られなかった。
【0103】以上で述べた実施例および比較例の結果を
下記の表3に示す。ただし、表3中、左端欄1から6は
それぞれ実施例1〜6を表わし、〜はそれぞれ比較
例1〜3を表わす。
【0104】
【表3】
【0105】
【発明の効果】本発明の液晶デバイスは、表3から分か
るとおり、従来の光散乱型液晶デバイスと比較して、低
電圧で駆動し、挟持された液晶材料の抵抗を高くできる
ので、高い電圧保持率を有する液晶デバイスを提供する
ことができる。また、ヒステリシス現象を改善すること
ができるので、階調表示に優れた液晶デバイスを提供で
き、液晶材料と高分子物質の種々の材料の組合せによる
制約を受けないため、表示特性の改良が容易となり、優
れた液晶デバイスを提供することができる。さらに、予
め三次元網目状高分子物質中が形成されているため、液
晶を注入した後に紫外線を照射しなくてもよく、紫外線
による液晶の劣化がない。
【0106】また、2色性染料を用いる場合には、従来
の光散乱型液晶デバイスと比較して、デバイス作製にお
いて、三次元網目状高分子物質形成時における染料によ
る紫外線重合の障害がなく、三次元網目状高分子物質へ
の2色性染料の溶け込みがないため2色性比が向上す
る。また、紫外線照射による2色性染料の劣化がなくて
済む。
【0107】したがって、本発明の液晶デバイスは、コ
ンピューター端末の表示装置、プロジェクションの表示
装置として有用である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)電極層を有する少なくとも一方が
    透明な2枚の基板の一方の基板上に、単官能型(メタ)
    アクリレート誘導体および多官能型(メタ)アクリレー
    ト誘導体を含有する重合性組成物を非反応性媒体中で重
    合してなる透明性高分子物質からなる三次元網目層を形
    成する第1工程、(2)前記基板上に形成された透明性
    高分子物質からなる三次元網目層に液晶材料を満たす第
    2工程、及び(3)これに他方の基板を張り合わせる第
    3工程を有することを特徴とする液晶デバイスの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 単官能型(メタ)アクリレート誘導体
    が、分岐基を有し、かつ、炭素原子数8〜23のアルコ
    ール(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とす
    る請求項1記載の液晶デバイスの製造方法。
  3. 【請求項3】 単官能型(メタ)アクリレート誘導体
    が、脂環式(メタ)アクリレート誘導体であることを特
    徴とする請求項1記載の液晶デバイスの製造方法。
  4. 【請求項4】 単官能型(メタ)アクリレート誘導体
    が、一般式(I) 【式1】 R1−Ph−X−(Q−O)n−A (I) (式中、R1は水素原子または分岐基を有していてもよ
    い炭素原子数1〜23のアルキル基を表わし、Aは−C
    OCH=CH2または−COC(CH3)=CH2を表わ
    し、Xは−O−、−COO−または−OCO−を表し、
    Qは分岐基を有していてもよい炭素原子数2〜10のア
    ルキレン基を表わし、nは1〜25の整数を表わす。)
    で表されるフェニル置換(メタ)アクリレート誘導体で
    あることを特徴とする請求項1記載の液晶デバイスの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 単官能型(メタ)アクリレート誘導体
    が、一般式(II) 【式2】R1−(O−Q)n−O−A (II) (式中、R1は水素原子または分岐基を有していてもよ
    い炭素原子数1〜23のアルキル基を表わし、Aは−C
    OCH=CH2または−COC(CH3)=CH2を表わ
    し、Qは分岐基を有していてもよい炭素原子数2〜10
    のアルキレン基を表わし、nは1〜25の整数を表わ
    す。)で表されるアルキルオキシ(メタ)アクリレート
    又はポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート誘導体
    からなることを特徴とする請求項1記載の液晶デバイス
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 液晶中に、2色性染料を含有する請求項
    1、2、3、4または5に記載の液晶デバイスの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 電極層を有する少なくとも一方が透明な
    2枚の基板のうち一方の基板上に、単官能型(メタ)ア
    クリレート誘導体、多官能型(メタ)アクリレート誘導
    体および重合開始剤よりなる重合組成物を液晶材料中で
    重合することを特徴とする請求項1、2、3、4、5ま
    たは6に記載の液晶デバイスの製造方法。
  8. 【請求項8】 重合性組成物の重合を活性光線により行
    うことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6また
    は7に記載の液晶デバイスの製造方法。
  9. 【請求項9】 重合性組成物の重合において不活性ガス
    雰囲気下で行うことを特徴とする請求項8記載の液晶デ
    バイスの製造方法。
  10. 【請求項10】 液晶材料、重合性組成物、及び重合開
    始剤からなる高分子三次元網目形成材料が、相分離しな
    い状態において重合エネルギーを供給し重合性組成物を
    重合することを特徴とする請求項7、8または9に記載
    のの液晶デバイスの製造方法。
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