JPH06193104A - 給水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】建屋内の使用水量に変動があっても配水本管下
流側に水圧変動を与えず、ポンプを省略した簡素な給水
装置を提供することを目的とする。 【構成】内部にブラダ−で密封した空気室を有すると共
に下部に流入口と流出口を有する圧力タンクと、建物外
部に設置された配水管から逆止弁を介して前記圧力タン
クに連絡する管路を設け前記流入口に接続し配水管から
の水を圧力タンク内に収容し、この圧力タンク内の水を
前記ブラダーの加圧力によって直接押し出して前記流出
口を介して建物内へ給水する給水装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はビルやマンションなどの
高層建築物へ給水するために使用する建物の給水装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の高層住宅やビルの各階へ給水する
給水装置を図３に示す。この給水装置は配水本管１から
一旦建物の最下層に設けた受水槽２へ水を貯水し、この
受水槽２内の水を揚水ポンプ３によって建築物の最上層
に設けた高置水槽４へ圧送し、この高置水槽４から各階
へ垂下した給水管５を通して建物内の各給水栓器具へ分
岐し、流下圧力により給水している。

【０００３】この給水装置では、建物の最下層と最上層
に受水槽２と高置水槽４を必要としている。そしてこの
各水槽は水面が大気に接しており、そのため露出した水
面から塵等の異物や小動物が侵入したり、また大気と接
触しているために藻や微生物が繁殖し、特に上水使用の
少ない長期の休日などは水が水槽内に停滞して水質劣化
が生じたりする。

【０００４】一方断水時に備えて実公昭５９−３４６２
８号で開示された非常用貯水装置がある。このものは図
４で示すように大径の管体を連結して貯水管６を構成
し、この管６内に給水管７、集水管８を配設して、配水
本管９（前記配水本管１と実質的に同じもの）と給水分
岐管１０及び排出分岐管１１とを夫々連通する。両分岐
管１０、１１の途中に緊急遮断弁１２、１３を夫々備え
ており、通常は弁を開いて配水管９から貯水管６へ水が
流入、流出して常に入れ替わるようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記２つの従来技術を
組み合わせて、ビルなどの近くに図４に示す貯水管６を
埋設し、建物の最上層に高置水槽４を設置し、貯水管６
の水をポンプ３によって高置水槽４へ揚水し、高置水槽
４から建物内の各給水器具へ給水することが出来る。

【０００６】ところがこの形式の場合も依然として高置
水槽４が必要で、前記のごとく露出した水面から異物や
小動物が侵入したり水質劣化が生じたりする。また貯水
管６は密閉された容器であるから、貯水管６から高置水
槽４へポンプアップしているとき、貯水管６から急速に
水が吸引されて配水本管９の下流側水圧が低下し、下流
側の使用者に悪影響をもたらす。逆に配水本管９内の圧
力変動が直接水栓に影響することがある

【０００７】本発明は上記の問題を解決して、建屋内の
使用水量に変動があっても配水本管下流側に水圧変動を
与えず、装置の構成を簡素にした給水装置を提供するこ
とを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、内部に
ブラダ−で密封した空気室を有すると共に下部に流入口
と流出口を有する圧力タンクと、建物外部に設置された
配水管から逆止弁を介して前記圧力タンクに連絡する管
路を設け前記流入口へ接続し、前記配水管からの水を圧
力タンク内に収容し、この圧力タンク内の水を前記ブラ
ダーの加圧力によって直接押し出して前記流出口を介し
て建物内へ給水するようにした給水装置である。

【０００９】

【作用】配水本管からの水は圧力タンクの流入口よりタ
ンク内に入り、タンク内のブラダ−で密閉された空気室
の圧力と均衡するまで収容される。水が使用されると、
圧力タンク内の水が流出口から押し出され建屋内の各給
水栓へ給水される。それと共にタンク内へは配水本管か
らの水が空気室の圧力と配水本管の圧力が均衡するとこ
ろでタンク内へ流入し貯水される。このため特に揚水ポ
ンプを必要としないで給水をすることができるし、水が
大気に接触する個所がないから外部からの異物侵入や水
質劣化がない。

【００１０】圧力タンク内には空気が密封封入されたブ
ラダーがあるので配水本管内の圧力変動や給水栓側の圧
力変動を吸収することが出来る。また配水本管と圧力タ
ンクとの間には逆止弁を設けてあるから、配水本管の圧
力変動があった場合でも配水本管の最高の圧力で圧力タ
ンク内に水が蓄えられる。また配水管が断水した場合で
も圧力タンクに収容されている水は建物内へ給水される
ので緊急使用出来る。

【００１１】

【実施例】本発明の一実施例を図１、図２に示す。図１
において建物１０の下部には圧力タンク２０を設置して
あり、配水本管３０から逆止弁３１を介して圧力タンク
の流入口３２へ配管接続し、配水本管３０内の水がその
水圧で圧力タンク内に流入するようになっている。圧力
タンクの流出口３３から建物側へ配管接続し、逆止弁５
０、給水管６０を通って建物１０内の各給水栓１１へ給
水する。

【００１２】図２は圧力タンク２０の断面図である。縦
型円筒状で鋼板によって作られたタンク本体２１の内壁
には薄い樹脂層２２を設けてあり、防食及び水の衛生性
を高めている。内部には樹脂又はゴム等の柔軟弾性材料
からなるブラダ−２３を設けて本体２１の上部で固定し
てあり、このブラダ−２３内に空気封入弁２４より空気
を密封封入してある。下部の容器開口部には多数の小穴
を有するリテ−ナ２５を設けて、この下面に流入口配管
２６と流出口配管２７を設けフランジ２８で密封固定し
てある。流入口配管２６のタンク側の端部はリテ−ナ２
５と接しており、流出口配管２７の端部はリテ−ナ２５
の端部より下方の位置に固定してある。

【００１３】水は配水管３０の水圧によって逆止弁３
１、流入口配管２６を通って圧力タンク２０内のブラダ
−２３と樹脂層２２の間に流入し、ブラダ−２３内の空
気圧と釣り合った位置まで収容されて静止する。なおブ
ラダー内の空気圧は配水本管の水圧よりも低く、ほぼ建
物最上階の給水栓の水頭程度の圧力としている。タンク
２０内に収容された水は流出口配管２７から前記ブラダ
ー内の空気圧による加圧力によって直接押し出され、建
物１０内の各給水栓１１へ給水される。配水本管３０と
タンク２０の間には逆止弁３１を設けてあるので、配水
本管３０側へ水が逆流することはなく、また配水本管３
０が地震等で断水した際にタンク２０内の水が逆流せ
ず、タンク内の水を緊急使用することが出来る。

【００１４】また断水等でタンク２０内へ水が流入しな
くなった場合、流出口配管２７の端部が流入口配管２６
の端部より下方にあるので、タンク内の水がブラダ−２
３によって全て吐き出される。また流入口配管２６の端
部がリテ−ナ２５に接しているので下流の配水本管３０
側に負圧が生じてもブラダ−２３がリテ−ナ２５の小穴
を塞ぎ、流入口配管２６を閉塞して流出口配管２７側の
水が配水本管３０側へ逆流するのを防止する。

【００１５】給水栓から水が使用されるとタンク２０内
の水が減少するが、随時配水本管３０の水圧によってタ
ンク２０へ水が補給され、タンク内の水圧低下が補われ
る。またタンクの収容水容量としては建物の瞬時最大使
用水量の５〜１０分程度あればよい。

【００１６】

【発明の効果】以上にごとく本発明によれば、水はブラ
ダーの加圧力によって直接押し出され給水されるのでポ
ンプなどの装置が省略できる。また配水本管や建物側の
圧力変動を吸収できるので水圧の変動を生じさせない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示す給水装置の系統図で
ある。

【図２】 図１の圧力タンクを示す断面図である。

【図３】 従来技術を示す系統図である。

【図４】 従来技術を示す系統図である。

【符号の説明】

１０ 建物 １１ 給水栓 ２０ 圧力タンク ２１ 本体 ２２ 樹脂層 ２３ ブラダ− ２４ 空気封入弁 ２５ リテ−ナ ２６ 流入口配管 ２７ 流出口配管 ２８ フランジ ３０ 配水本管 ３１ 逆止弁 ５０ 逆止弁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 紀明 東京都江東区東陽４丁目１番13号 日立機 材株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部にブラダ−で密封した空気室を有す
   ると共に下部に流入口と流出口を有する圧力タンクと、
   建物外部に設置された配水管から逆止弁を介して前記圧
   力タンクに連絡する管路を設け前記流入口へ接続し、前
   記配水管からの水を圧力タンク内に収容し、この圧力タ
   ンク内の水を前記ブラダーの加圧力によって直接押し出
   して前記流出口を介して建物内へ給水することを特徴と
   する給水装置。