JPH06192808A - 溶融錫メッキ銅線及びその製造方法 - Google Patents

溶融錫メッキ銅線及びその製造方法

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JPH06192808A
JPH06192808A JP4345396A JP34539692A JPH06192808A JP H06192808 A JPH06192808 A JP H06192808A JP 4345396 A JP4345396 A JP 4345396A JP 34539692 A JP34539692 A JP 34539692A JP H06192808 A JPH06192808 A JP H06192808A
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JP
Japan
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tin
copper wire
layer
copper
alloy layer
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Application number
JP4345396A
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English (en)
Inventor
Seiichi Doi
誠一 土井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 錫粉末の発生量が少なく、従って撚線工程等
で断線しない溶融錫メッキ銅線を提供する。 【構成】 銅線1上に銅錫合金層8と錫層9とが順次形
成された溶融錫メッキ銅線において、銅線1の直径が
0.3mmφ以下で、銅錫合金層8の厚さを 0.5μm以下、
錫層9の厚さを1μm以下、錫層9と銅錫合金層8の厚
さの比率を3〜0.2の範囲内にする。 【効果】 溶融錫メッキ銅線の表面に硬質の銅錫合金層
8が適度に露出して、軟質の錫層9を保護し、前記錫層
9が治具と直接接触して粉末化するのを抑える。これに
より、撚線工程で撚り口に錫粉末が詰まって断線するよ
うなことがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撚線工程等における錫
粉末の発生量が少ない良質の溶融錫メッキ銅線及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子・電気機器の高機能化に伴
い、これら機器の内部又は機器間の配電線は益々細線化
が進んでいる。そしてこの配電線には半田付性に優れた
錫メッキ銅線が多用されている。又前記錫メッキ銅線に
は、製造コストの安い溶融錫メッキ銅線が主に使用され
ている。上記の溶融錫メッキ銅線は、被メッキ線の銅線
を脱脂洗浄槽と焼鈍炉に順次通して洗浄と焼鈍を施した
のち、溶融錫浴にて錫を付着せしめ、次いで絞りダイス
を通して前記付着錫を所定厚さに絞る方法により製造さ
れている。このような方法により製造された錫メッキ銅
線は、図2にその断面図を例示したように、銅線1上
に、銅錫合金層(η相,Cu6 Sn5 化合物)8及び錫
層9が順次形成されたものである。尚、前記の銅錫合金
層8は、銅線1上に溶融錫を付着する際、双方の界面に
必然的に反応生成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、溶融錫メッ
キ銅線は、これに撚線等の加工を施していくと、錫粉末
が発生し、この錫粉末が撚口ダイス孔やガイド孔に詰ま
ってくると断線の原因になるという問題があり、この問
題は、電子・電気機器用配電線が細線化するにつれ、解
決すべき最重要課題として浮上してきた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような状況
に鑑み鋭意研究を行ない、銅線上に形成される銅錫合金
層の厚さにより、撚線工程等での錫粉末の発生量が左右
されることを知見し、更に研究を重ねて本発明を完成す
るに至ったものである。即ち、本発明は、銅線上に銅錫
合金層と錫層とが順次形成された溶融錫メッキ銅線にお
いて、銅線の直径が 0.3mmφ以下で、銅錫合金層の厚さ
が 0.5μm以下、錫層の厚さが1μm以下、錫層と銅錫
合金層の厚さの比率が3〜0.2 の範囲内にあることを特
徴とする溶融錫メッキ銅線である。
【0005】本発明は、溶融錫メッキ銅線のメッキ層の
錫層と銅錫合金層の厚さ及び両者の厚さの比率を所定範
囲内に限定することにより、溶融錫メッキ銅線の表面に
硬質の銅錫合金層を適度に露出させ、前記銅錫合金層に
より軟質の錫層を保護し、前記錫層が治具と直接接触し
て粉末化するのを抑制するようにしたものである。本発
明において、メッキ層に占める錫層の厚さを1μm以
下、銅錫合金層の厚さを0.5 μm以下、錫層と銅錫合金
層の厚さの比率αを3〜0.2 に限定した理由は、錫層の
厚さが1μmを超えても又前記比率αが3を超えても、
錫層の露出面積が増加して錫粉末の発生量が増大する為
である。又銅錫合金層が 0.5μmを超えても又前記比率
αが 0.2未満でも、硬質の銅錫合金層の露出面積が増加
して、曲げ等の加工によりメッキ層表面に亀裂が発生す
る為である。本発明において、メッキ層表面に銅錫合金
層が露出することにより半田付性が悪化するようなこと
は全く認められない。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の溶融錫メッ
キ銅線の製造方法である。即ち、所定温度に保持した溶
融錫浴に銅線をディップして前記銅線上に錫を付着さ
せ、前記付着錫を絞りダイスに通して錫層を所定厚さに
形成する溶融錫メッキ銅線の製造方法において、絞りダ
イスを、錫の融点以上 390℃以下の温度範囲に加熱する
ことを特徴とするものである。
【0007】本発明方法において、線材を、錫浴にディ
ップしたあと、絞りダイスに通すのは、メッキ厚さを所
定厚さに形成するとともに、銅錫合金層を露出させる為
であり、更に、絞りダイスを錫の融点以上の温度に加熱
する理由は、銅錫合金層の成長を促す為である。前記絞
りダイスは、錫浴の保持温度以上に加熱するのが、銅錫
合金層の成長が促進されて好ましい。しかしながら、前
記絞りダイスを 390℃を超えて加熱すると銅錫合金層が
厚くなり過ぎて錫メッキ層に亀裂が入るようになる。絞
りダイスを錫の融点以上の温度に加熱すると、絞りダイ
ス通過時に表面に露出した錫層が再溶融して平滑化し
て、錫層が粉末化し難くなる効果もある。本発明は、被
メッキ線材が銅合金線の場合にも有効であり、又被メッ
キ線材の線径は断線し易くなる 0.3mmφ以下の細径にお
いて特にその効果が現れる。
【0008】
【作用】本発明の溶融錫メッキ銅線は、メッキ層の錫層
と銅錫合金層の厚さ及び両者の厚さの比率を所定範囲内
に限定したので、メッキ層表面に硬質の銅錫合金層が適
度に露出し、この銅錫合金層が軟質の錫層を保護し、前
記錫層が治具等と直接接触して粉末化するのが抑制され
る。前記溶融錫メッキ銅線は、錫浴ディップ後のメッキ
線材を錫の融点以上の所定温度に加熱した絞りダイスを
通すことにより容易に製造することができる。
【0009】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。 実施例1 図1に示した溶融錫メッキ方法に従って、銅線上に錫を
溶融メッキした。即ち、被メッキ線の銅線1を脱脂洗浄
槽2及び焼鈍炉3に順次通して洗浄と焼鈍処理を施し、
次に溶融錫浴4にて銅線1表面に錫を付着させ、次いで
絞りダイス5を通して、前記付着錫を所定厚さに絞って
溶融錫メッキ銅線6となした。前記絞りダイス5の周囲
にはニクロム線7を巻いて、絞りダイス5を所定温度に
加熱設定できるようにした。上記において、銅線には線
径が0.26〜0.05mmφのタフピッチ銅線を用いた。ディッ
プ条件及び絞りダイスの温度は種々に変化させた。絞り
ダイスの穴径と銅線とのクリアランスは、銅線径に応じ
て種々に変化させた。得られた溶融錫メッキ銅線につい
て、撚線工程での錫粉末の発生量及び自己径巻付けテス
トにより可撓性を調べた。錫粉末の発生量は銅線10kg当
たりの重量で示した。結果を表1に示した。
【0010】
【表1】
【0011】表1より明らかなように、本発明例品(No
1〜7)は、いずれも錫粉末の発生量が少なく、撚線時
に断線するようなことがなかった。錫粉末の発生量が少
なかったのは、銅錫合金層がメッキ層表面に適度に露出
して錫の治具等との接触が抑えられた為である。No1,
2は銅錫合金層がやや露出し過ぎて自己巻付け時に微小
亀裂が少し発生した。尚、前記7種類の溶融錫メッキ銅
線について、半田濡れ性をテストしたが、いずれも良好
な濡れ性を示し、半田付性が悪化するようなことはなか
った。これに対し、比較例品のNo8は、絞りダイスを加
熱しなかった為、錫層が厚く形成されて錫粉末が大量に
発生し、撚線時に断線が多発した。又No9は、絞りダイ
スを 400℃の高温に加熱した為銅錫合金層が厚くなり過
ぎて自己径巻付けテストでメッキ層に亀裂が多発した。
以上、被メッキ線材にタフピッチ銅線を用いた場合につ
いて説明したが、0.3%Sn入り銅合金線に本発明の溶
融錫メッキ方法を適用したところ、タフピッチ銅線の場
合と同様の錫粉末の発生が少なく、可撓性に優れたもの
が得られた。
【0012】
【効果】以上述べたように、本発明の溶融錫メッキ銅線
は、錫粉末の発生量が少なく、従って撚線工程等での断
線が防止される。又前記溶融錫メッキ銅線は、溶融錫メ
ッキ銅線製造時の絞りダイスを錫の融点以上に加熱する
ことにより容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶融錫メッキ銅線の製造方法の実施例
を示す工程説明図である。
【図2】錫メッキ銅線の断面説明図である。
【符号の説明】 1 銅線 2 脱脂洗浄槽 3 焼鈍炉 4 溶融錫浴 5 絞りダイス 6 溶融錫メッキ銅線 7 ニクロム線 8 銅錫合金層 9 錫層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅線上に銅錫合金層と錫層とが順次形成
    された溶融錫メッキ銅線において、銅線の直径が 0.3mm
    φ以下で、銅錫合金層の厚さが 0.5μm以下、錫層の厚
    さが1μm以下、錫層と銅錫合金層の厚さの比率が3〜
    0.2 の範囲内にあることを特徴とする溶融錫メッキ銅
    線。
  2. 【請求項2】 所定温度に保持した溶融錫浴に銅線をデ
    ィップして前記銅線上に錫を付着させ、前記付着錫を絞
    りダイスに通して錫層を所定厚さに形成する溶融錫メッ
    キ銅線の製造方法において、絞りダイスを、錫の融点以
    上 390℃以下の温度範囲に加熱することを特徴とする請
    求項1に記載の溶融錫メッキ銅線の製造方法。
JP4345396A 1992-12-01 1992-12-01 溶融錫メッキ銅線及びその製造方法 Pending JPH06192808A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008192385A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Fuji Densen Kogyo Kk 同軸ケーブル、及び同軸ケーブル用内部導体の製造方法

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