JPH06192650A - ポンプ圧送性に優れた透水性組成物 - Google Patents
ポンプ圧送性に優れた透水性組成物Info
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- JPH06192650A JPH06192650A JP4359010A JP35901092A JPH06192650A JP H06192650 A JPH06192650 A JP H06192650A JP 4359010 A JP4359010 A JP 4359010A JP 35901092 A JP35901092 A JP 35901092A JP H06192650 A JPH06192650 A JP H06192650A
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Abstract
砂などについて、流動性、ポンプ圧送性を改良し、充填
性を向上すると共に長距離輸送を可能にした、ポンプ圧
送性に優れた透水性組成物を提供する。 【構成】この透水性組成物は、砂、土砂、礫またはこれ
らの混合物などの骨材と、水溶性セルロースエーテルお
よび水溶性ポリアクリルアミドからなる増粘剤と、水と
からなるものである。
Description
等における地下水位の低下などを目的とした地中の排
水、また油井やトンネル等の掘削に際しての排水を円滑
に進めるための、ポンプ圧送性に優れた透水性組成物に
関するものである。
砂の摩擦力と粘着力の低下によって起こるため、その防
止には、土地改良等における地下水位の低下と同様、地
層内の水を抜き出す方法が採用されてきた。これには古
くから塩ビ管などの排水管を地山の側面からやや上向き
に傾斜して地中内に挿入する方法が行われていたが、土
砂が地下水と共に流出して地山が緩んだり、配水管が詰
まって用をなさなくなるという欠点があった。また、油
井やトンネル等の掘削に際しての排水には、地山の排水
経路に、水は透過させるが土砂の細粒子は流出させない
フィルター機能を持った透水材料を充てんする方法が採
られてきた。この透水材料には水透過能力を持つ所定の
空隙率を持ったコンクリート組成物に粘結剤として樹脂
を加え、材料の分離を防止できるように調整し、ポンプ
により圧送、使用されてきた。
クリート材料を例にとると、細骨材と粗骨材の配合量や
水セメント比を変えて粗骨材粒子表面にセメントペース
トを付着させ、このペーストが付着した粗骨材同士の間
で空隙を形成させるようにしたものにおいて、コンクリ
ート表面が水に洗われ排水通路を塞ぐのを防止するため
に、さらに水溶性セルロースエーテルなどの増粘剤を使
用することが示されている。これらのセメントや樹脂な
どをバインダーとして用いた透水性材料は、ポンプ輸送
が可能な反面、バインダー自体の透水係数が低いため、
透水性材料として限界があり、排水能力的に十分な成果
を上げるには至らなかった。
セメントなどのバインダーを用いずに突き固めた場合に
は、高い透水係数を持つ透水性組成物が得られるが、こ
れらの材料のみではポンプによる輸送は不可能であり、
人手による作業に頼っていたのでは大型工事に適用でき
ないという問題があった。一方、特開平4-64625号公報
には水溶性セルロースエーテルを添加することで土砂な
どのポンプ圧送性を改善する方法が開示されている。こ
の方法は無添加の場合と比べて多少の改善はされるもの
の、砂などを粘結する力が弱く、とくに排水性の良好な
材料である礫には使用困難である。また、砂などの排水
材料と水溶性セルロースエーテルとを混合する際に発生
する気泡が、ポンブ圧送時にベアリング効果を果たすも
のの、水溶性セルロースエーテル単独では、この気泡を
材料内に閉じ込める力が弱く長距離輸送には不適当であ
った。
目的は、本来、高い透水性を持つ材料である砂などにつ
いて、従来の欠点であった流動性、ポンプ圧送性を改良
し、充填性を向上すると共に長距離輸送を可能にした、
ポンプ圧送性に優れた透水性組成物を提供しようとする
ものである。
組成物は、砂、土砂、礫またはこれらの混合物などの骨
材と、水溶性セルロースエーテルおよび水溶性ポリアク
リルアミドからなる増粘剤と、水とからなるものであ
る。
透水性組成物が上記課題の解決に有用な理由は次の挙動
を示すためと考えられる。すなわち、透水性組成物中に
おいて水溶性セルロースエーテルの粘性と水溶性ポリア
クリルアミドの曳糸性とが組み合わされて増粘剤が納豆
状のものとなり、これが砂、土砂、礫またはこれらの混
合物などの骨材を包み込み、あるいはこれらを緩く結合
し、骨材同士の分離を抑制する。さらに、混合時に連行
される空気も納豆状の増粘剤中に包み込まれ、この空気
の泡が一種のベアリング効果を呈すると共に骨材表面に
潤滑性のある層を形成し、骨材同士の摩擦力を軽減す
る。これによって長距離のポンプ圧送を可能にすると共
に、透水性組成物が可塑性に富むようになることから、
地山の狭い空隙に充填できるようになる。なお、この透
水性組成物を空隙へ充填した後は、増粘性は最早不要で
あり、より高い透水性を確保するには水溶性セルロース
エーテルが流出して速やかに低粘着性となることが好ま
しい。この点、水溶性セルロースエーテルは自然界にお
いて酵素により分解するほか、セルラーゼなどの分解酵
素によって分解を促進できるので極めて好都合である。
礫またはこれらの混合物などの骨材としては、土木・建
築材料として一般に広く用いられているものが使用可能
であり、これらを任意に選択することにより所望の透水
係数を有する透水性組成物を得ることができる。
性ポリアクリルアミドとの組み合わせで使用されるが、
その配合比率は、水溶性セルロースエーテル99.9〜40重
量%に対し水溶性ポリアクリルアミド 0.1〜60重量%、
とくには水溶性セルロースエーテル99〜70重量%に対し
水溶性ポリアクリルアミド1〜30重量%とするのが好ま
しい。
イオン性、イオン性のいずれを問わず使用可能であり、
これには非イオン性のメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒド
ロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、
およびイオン性のカルボキシメチルセルロースなどが挙
げられる。これらの内では、前述した空気泡によるベア
リング効果を有効に働かせるため空気連行性に優れたヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースがとくに好ましい。
また、水溶性ポリアクリルアミドとしてはノニオン系、
アニオン系、カチオン系のいずれも使用可能であり、こ
れにはポリアクリルアミド、ポリアクリルアミドとアク
リル酸ソーダとの共重合物、ポリアクリルアミドの部分
加水分解物などが挙げられる。
合量は、砂、土砂、礫またはこれらの混合物などの骨材
1m3に対して 0.1〜50kg程度が好ましい。これが 0.1kg
未満では流動性、分離抵抗性の改良が不十分であり、ポ
ンプ圧送時に閉塞を起こす可能性がある。また、添加量
が50kgを超えると増粘性が大きくなり、それにつれてポ
ンプの負荷も大きくなって圧送性が悪くなるほか、経済
性にも乏しくなる。
溶解して粘性を発現し、そのバインダー効果により砂な
どの分離を防ぐと共に、ポンプ圧送時の骨材同士の摩擦
抵抗を軽減する作用をなす。このことから砂、土砂、礫
またはこれらの混合物などのポンプ圧送できない材料で
も、ポンプでの長距離輸送を可能にし、また狭い空隙へ
の充填を可能にする可塑性を付与する。
較例により説明する。 実施例1〜6、比較例1〜5 まず信濃川産川砂(比重:2.60)1073kgと表1に示す種
類と量の増粘剤とをホバート式ミキサーで30秒間混合し
た後、水 267kgを加えて、さらに3分間混合し、得られ
た透水性組成物について下記の方法でフロー値(流動
性)とポンプ圧送性の測定を行い、その結果を表1に併
記した。また、実施例1〜3で得られた材料について透
水係数を測定したところ、いずれも1×10-2cm/sec以上
の値が得られた。
ほかは JIS R 5201 によるフロー試験に準じて行った。 ・ポンプ圧送性:圧送ポンプ(チューブポンプ)で50リ
ットル/分の量をポンプ圧送した時の圧送ポンプの吐出
状態を下記の評価基準で判定した。 ◎‥‥極めて良好、 ○‥‥良好、 △‥‥吐
出困難、×‥‥骨材が沈降し、吐出不能。 なお、表中の増粘剤における略号は下記を意味する。 ・WSC:水溶性セルロースエーテル HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロース HEC :ヒドロキシエチルセルロース CMC :カルボキシメチルセルロース MC :メチルセルロース ・PAAm:アニオン性ポリアクリルアミド(水溶性ポ
リアクリルアミド)
としてヒドロキシプロピルメチルセルロースを、実施例
4はヒドロキシエチルセルロースを、実施例5はカルボ
キシメチルセルロースを、実施例6はメチルセルロース
をそれぞれ用いたもので、いずれも流動性、ポンプ圧送
性共、良好である。とくに実施例1〜3のヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースを用いたものが優れた結果が得
られた。比較例1は水溶性ポリアクリルアミドの割合が
60%を超えるもの、比較例2、3は水溶性セルロースエ
ーテルの単独使用のもの、比較例4は水溶性ポリアクリ
ルアミドの単独使用のもので、いずれも流動性、ポンプ
圧送性共に劣っている。比較例5は増粘剤を全く添加し
なかったもので、可塑性がなくポンプ圧送ができなかっ
た。
たはこれらの混合物などの骨材と、水溶性セルロースエ
ーテルと水溶性ポリアクリルアミドの2種の増粘剤と、
水とからなるものであるため、透水性組成物中で増粘剤
が納豆状となり、そのバインダー効果により材料の分離
を防止し、また潤滑性および巻き込まれる空気泡による
ベアリング効果により、ポンプ圧送時の摩擦抵抗を低減
してポンプの圧送性を改善し、短時間で所定の場所に充
填することを可能とした。また、充填性に優れるため、
狭い空隙にも充填可能となった。さらに、この増粘剤は
分解するため、後に残った骨材成分が高い透水係数を示
し良好な排水性を確保することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】砂、土砂、礫またはこれらの混合物などの
骨材と、水溶性セルロースエーテルおよび水溶性ポリア
クリルアミドからなる増粘剤と、水とからなるポンプ圧
送性に優れた透水性組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4359010A JP3027064B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | ポンプ圧送性に優れた透水性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4359010A JP3027064B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | ポンプ圧送性に優れた透水性組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06192650A true JPH06192650A (ja) | 1994-07-12 |
JP3027064B2 JP3027064B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=18462280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4359010A Expired - Lifetime JP3027064B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | ポンプ圧送性に優れた透水性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3027064B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014145217A (ja) * | 2013-01-30 | 2014-08-14 | Toa Harbor Works Co Ltd | 砂質土の改質方法 |
EP3476813A1 (en) | 2017-10-31 | 2019-05-01 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Thickeners and hydraulic compositions |
JP2019104805A (ja) * | 2017-12-12 | 2019-06-27 | ケミカルグラウト株式会社 | 充填材 |
JP2019206814A (ja) * | 2018-05-28 | 2019-12-05 | 株式会社不動テトラ | 流動化砂の製造方法及び流動化砂 |
JP2020090777A (ja) * | 2018-12-03 | 2020-06-11 | ケミカルグラウト株式会社 | 充填材 |
-
1992
- 1992-12-25 JP JP4359010A patent/JP3027064B2/ja not_active Expired - Lifetime
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KR20190049588A (ko) | 2017-10-31 | 2019-05-09 | 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 | 수경성 조성물용 증점제 및 이것을 포함하는 수경성 조성물 |
US10858287B2 (en) | 2017-10-31 | 2020-12-08 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Thickeners and hydraulic compositions |
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JP3027064B2 (ja) | 2000-03-27 |
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