JPH06192582A - カーシート用染料及び染色法 - Google Patents

カーシート用染料及び染色法

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JPH06192582A JP8386493A JP8386493A JPH06192582A JP H06192582 A JPH06192582 A JP H06192582A JP 8386493 A JP8386493 A JP 8386493A JP 8386493 A JP8386493 A JP 8386493A JP H06192582 A JPH06192582 A JP H06192582A
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克美 野々村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 カーシートの着色といった厳しい耐光堅ろう
度を要求される分野で実用に耐える赤色系染料及び染色
法を提供する。 【構成】 式(I)の赤色系染料およびこれを用いた染
色法。 (式中、Rは低級アルキル基またはアリール基を表わ
し、Rは低級アルキル基または水素原子を表わし、R
は水素原子または非イオン化性基を表わし、Rは低
級アルキル基またはアリール基を表わし、Rは低級ア
ルキル基または水素原子を表わし、Rは水素原子また
は非イオン化性基を表わし、RとRはヒドロキシで
置換されていても良い低級アルキル基、カルバモイルエ
チル基またはベンジル基を表わし、Xは無機酸、有機
酸由来のアニオンを表わす)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温での高耐光性が要求
されるカーシート用の染料及び染色法に関するものであ
る。さらに詳しくは、カーシート等に用いられるアクリ
ル繊維、カチオン可染型ポリエステル繊維を高温での耐
光性良く染色する染料及びそれを用いた染色法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】自動車分野におけるシート地は、車の大
衆化とともに塩ビレザーが用いられるようになったが、
乗車者の発汗を吸収せず、不快感を与えることからその
後より高級感のある繊維製に移ってきた。繊維も当初の
レーヨンからナイロンに変り、さらに現在では繊維の劣
化、耐光性の面からポリエステル繊維製になっている。
ポリエステル繊維も分散染料で染色するレギュラーポリ
エステルと、カチオン染料で染色するカチオン可染型ポ
リエステル繊維を混紡交織し、より意匠性を高めた製品
になっている。またアクリル繊維の耐熱性を高め、カー
シートに展開されようとしているのが現況である。
【0003】従来繊維製品の耐光堅ろう度はJIS−L
−0842に規定されている63±3℃の温度で露光さ
れているが、自動車の場合ドアーを密閉し夏場の直射日
光下に駐車されると、車内の温室効果とシートの裏面に
添付されたウレタンフォームの蓄熱効果により、シート
の表面は部分的に100℃近くになるので、車メーカー
からは高温での耐光性の良い染色物が要求されるように
なった。
【0004】これに対し染料メーカーは直射日光で用い
られる天幕等で実績のある染料を選択するとともに紫外
線吸収剤を併用する事で対応して来た。この分野で用い
られているアクリル繊維、カチオン可染型ポリエステル
繊維用の赤色カチオン染料の代表的なものは、C.I.
Basic Red 29である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】カチオン可染型ポリエ
ステル繊維のカーシート分野での利用は、レギュラーポ
リエステル繊維との混紡交織が多い。ところが、高温で
耐光性の良好な分散染料を用い染色されたレギュラーポ
リエステル繊維染色物に比べ、高温で耐光性が良好とさ
れるカチオン染料を用い染色されたカチオン可染型ポリ
エステル繊維染色物の高温での耐光性はやや劣るとの評
価である。三原色の内、特に赤色染料の高温での耐光性
が劣り、高温で耐光性の良好な赤色染料を開発し、高温
耐光性の良好な染色物を得る事が強く求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】レギュラーポリエステル
繊維とカチオン染料可染型ポリエステル繊維を混紡交織
して作られたカーシートの染色物の、高温での耐光性を
向上させるためには、カチオン染料可染型ポリエステル
繊維の染色に用いられるカチオン染料の耐光性を改良し
なければならない。特に三原色の内最も高温での耐光性
が劣る赤色染料の耐光性を改良しなければならない。本
発明者らは高温での耐光性が良好な赤色染料の開発に着
手した。
【0007】ところが、耐光性評価時の温度条件の耐光
性の影響はかなり大きく、通常のJIS−L−0842
の温度条件である。63±3℃での耐光堅ろう度が良好
な染料でも、高温で露光すると著しく耐光堅ろう度が低
下する場合が多く、今までの経験である63±3℃での
耐光堅ろう度の結果からは一概に予想することはできな
い。
【0008】本発明者らは高温での耐光性良好な赤色染
料を鋭意検討し本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明は、一般式(1)
【化2】
【0010】(式中、R1 は低級アルキル基またはアリ
ール基を表わし、R2 は低級アルキル基または水素原子
を表わし、R3 は水素原子または非イオン化性基を表わ
し、R4 は低級アルキル基またはアリール基を表わし、
5 は低級アルキル基または水素原子を表わし、R6
水素原子または非イオン化性基を表わし、R7 とR8
ヒドロキシで置換されていても良い低級アルキル基、カ
ルバモイルエチル基またはベンジル基を表わし、X-
無機酸、有機酸由来のアニオンを表わす)で表わされ
る、約89℃で約200時間の露光に耐える赤色系染料
からなるアクリル繊維および/またはカチオン染料可染
型ポリエステル繊維材料を素材とするカーシート用染料
及びその染料を用いた染色法である。
【0011】本発明で用いる上記染料は、グアナゾール
をテトラゾ化し、水中で酸に解離する酸基を含まないイ
ンドール誘導体とカップリングさせた後、アルキル化剤
で四級化することにより得られる。
【0012】原料として用いられるインドール誘導体
は、たとえば2−メチルインドール、1,2−ジメチル
インドール、1−メチル−2−フェニルインドール、1
−メチル−2−(4′−メチルフェニル)インドール、
1,2−ジメチル−5−クロルインドール、1,2,5
−トリメチルインドール、1−エチル−2−フェニルイ
ンドール、1−エチル−2−フェニル−5−クロルイン
ドール、1−エチル−2−フェニル−5−メトキシイン
ドール、2−フェニルインドールおよび2−エチルイン
ドールなどがあげられる。
【0013】グアナゾールのテトラゾ化反応は、グアナ
ゾールの60%酢酸溶液を−5〜0℃でニトロシル硫酸
中に滴下することにより円滑に行なうことができる。そ
してこれにつづくカップリング反応は前記アゾ成分の氷
酢酸溶液を前記グアナゾールのテトラゾニウム塩溶液の
中に加えた後、酢酸ナトリウムあるいは酢酸アンモニウ
ムで鉱酸を中和して行なうことができる。次いで生成し
たジスアゾ染料は、水中にあけて容易に単離することが
できる。
【0014】得られたジスアゾ染料は不活性有機溶媒た
とえばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、
四塩化炭素、テトラクロルエタン、クロルベンゼン、o
−ジクロルベンゼン、ジオキサンまたはジメチルホルム
アミドの中でアルキル化剤あるいはアラルキル化剤と反
応させる。
【0015】この場合不活性有機溶媒の代わりに過剰量
のアルキル化剤あるいはアラルキル化剤を使用してもよ
い。好適なアルキル化剤としては、無機酸および有機ス
ルホン酸のエステルすなわちジメチル硫酸、ジエチル硫
酸、ベンゼンスルホン酸メチルエステル、p−トルエン
スルホン酸メチル、またはエチルエステルなどを、そし
てアラルキル化剤としては、塩化ベンジルを使用するこ
とができ、アクリル酸アミド、エポキシ類も使用でき
る。
【0016】本反応は発熱反応であるが多くの場合反応
を開始させるために加熱することが必要であり、上昇さ
せた温度で反応させることが好ましい。以上のようにし
て4級化された染料塩は、不活性有機溶媒中であれば析
出沈でんするから濾別することによって容易に分離する
ことが可能であり、また一方溶媒を蒸留、たとえば真空
中または水蒸気蒸留などによって除去することもでき
る。また水と混ざり合う溶媒を使用した場合は、水溶液
中の染料塩を塩析などの方法によって分離することがで
きる。
【0017】また本発明の方法によって得られる陽イオ
ンジスアゾ染料は、その分子に対応する陰イオンを含ん
でいるが、これは一般に強無機酸または強有機酸たとえ
ば臭化水素酸、硫酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンス
ルホン酸、硫酸モノアルキルエステルなどから導かれ、
また、ナフタリンスルホン酸とホルマリンの縮合物、リ
グニン及びリグニン誘導体のスルホン化物から選ばれた
アニオン界面活性剤から導かれる。
【0018】
【実施例】次に実施例を掲げて本発明を説明するが本発
明は以下の例だけに限定されるものではない。文中部お
よび%は特別に記載のない限り重量部および重量%を意
味する。
【0019】実施例に示す耐光堅ろう度は、以下に示す
方法で測定し、判定した。 JIS−L−0842法 63±3℃ 高温フェードメーター(スガ試験機)法 83±3℃×200時間,ウレタンフォーム(10m
m)裏打ち グレースケール判定 キセノン露光法 i)ワコム製作所製 タイプII使用 89℃,144時間 グレースケール判定 ii)スガ試験機製 強エネルギーキセノンフェードメー
ター SC−700FTN使用 89℃,32サイクル 1サイクル=照射/未照射=3.8時間/1時間 ウレタンフォーム(10mm)裏打ち グレースケール判定
【0020】実施例1
【0021】下記構造式
【化3】 で示される染料1部を氷酢酸2.5部を含む温水500
0部で溶解し、染料液を調整する。
【0022】(染色法−1)上記染料液に酢酸ナトリウ
ム0.5部、無水硫酸ナトリウム15部、シバテックス
LF−N(紫外線吸収剤,CIBA−Geigy製)2
部を加え染浴を調整する。これに120℃染色型のカチ
オン染料可染型ポリエステル繊維100部を70℃で浸
漬し、1℃/1分で120℃まで昇温させ120℃で6
0分染色後、染色物を水洗し、乾燥する。
【0023】(染色法−2)上記染料液に酢酸ナトリウ
ム0.5部、シバテックスCF−N 2部を加え染浴を
調整する。これに耐熱性アクリル繊維100部を70℃
で浸漬し1℃/1分で120℃まで昇温させ、120℃
で60分染色後染色物を水洗し乾燥する。比較例として
C.I.Basic Red 29 1.7部も同様に
して染色し耐光性を比較した。それらの結果を(表1)
として示す。
【0024】
【表1】
【0025】実施例1で用いた染料は、比較例として用
いたC.I.Basic Red29と比較し高温での
耐光性が良好であった。
【0026】実施例2〜19 以下に示す染料についても実施例1と同様に(染色法−
1)、(染色法−2)で染色し、耐光性を評価したとこ
ろ、高温での耐光性が良好であった。それらの結果を
(表2)〜(表11)に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】
【表7】
【0033】
【表8】
【0034】
【表9】
【0035】
【表10】
【0036】
【表11】
【0037】上記の表2〜11から、実施例2〜19の
染料も実施例1と同様に高温での耐光性が良好であっ
た。
【0038】
【発明の効果】カチオン染料で染色されたカチオン染料
可染型ポリエステル繊維染色物は、分散染料で染色され
たレギュラーポリエステル繊維染色物に比べ、高温での
耐光性が劣ると評価されているが、当発明の染料を用い
ることにより改善され、高温耐光性が向上した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 久美子 東京都北区神谷三丁目7番6号 保土谷化 学工業株式会社東京工場研究部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は低級アルキル基またはアリール基を表わ
    し、R2 は低級アルキル基または水素原子を表わし、R
    3 は水素原子または非イオン化性基を表わし、R4 は低
    級アルキル基またはアリール基を表わし、R5 は低級ア
    ルキル基または水素原子を表わし、R6 は水素原子また
    は非イオン化性基を表わし、R7 とR8 はヒドロキシで
    置換されていても良い低級アルキル基、カルバモイルエ
    チル基またはベンジル基を表わし、X- は無機酸、有機
    酸由来のアニオンを表わす)で表わされる、約89℃で
    約200時間の露光に耐える赤色系染料からなるアクリ
    ル繊維および/またはカチオン染料可染型ポリエステル
    繊維材料を素材とするカーシート用染料。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式(1)で表わさ
    れる赤色系染料を用いることを特徴とする超耐光性に優
    れたアクリル繊維および/またはカチオン染料可染型ポ
    リエステル繊維の染色法。
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