JPH06192457A - 永久歪の小さい軟質塩化ビニル系発泡成形品 - Google Patents

永久歪の小さい軟質塩化ビニル系発泡成形品

Info

Publication number
JPH06192457A
JPH06192457A JP23323393A JP23323393A JPH06192457A JP H06192457 A JPH06192457 A JP H06192457A JP 23323393 A JP23323393 A JP 23323393A JP 23323393 A JP23323393 A JP 23323393A JP H06192457 A JPH06192457 A JP H06192457A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl chloride
molded product
chloride resin
parts
molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP23323393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07107106B2 (ja
Inventor
Kazumasa Yamane
一正 山根
Shiyouzou Masakuni
正三 正国
Isao Takeshita
以佐夫 竹下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from JP61214690A external-priority patent/JPH0657759B2/ja
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP5233233A priority Critical patent/JPH07107106B2/ja
Publication of JPH06192457A publication Critical patent/JPH06192457A/ja
Publication of JPH07107106B2 publication Critical patent/JPH07107106B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡倍率が1.2 〜2.5 倍であり、しかも、永
久歪の小さい、軟質塩化ビニル系樹脂からなる発泡成形
品をうる。 【構成】 塩化ビニル系樹脂 100重量部に対して、メチ
ルエチルケトンに5〜90重量%溶解するアクリロニトリ
ル―ブタジエンゴム5〜 150重量部、メタクリル酸メチ
ルを主成分とする共重合体 0.4gを含む 100mlのベンゼ
ン溶液の30℃で測定した比粘度が 2.5以上のメタクリル
酸メチル系共重合体1〜60重量部および可塑剤20〜 200
重量部を含む軟質塩化ビニル系樹脂組成物から成形され
た発泡倍率1.2〜 2.5倍で永久歪の小さい軟質塩化ビニ
ル系発泡成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形品の発泡倍率が
1.2〜 2.5倍であり、しかも、永久歪の小さい特定の軟
質塩化ビニル系樹脂組成物からなる発泡成形品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、軟質塩化ビニル系製品の軽量
化および遮音性、断熱性、シール性などの向上を目的と
して塩化ビニル系樹脂に可塑剤を添加した、いわゆる軟
質塩化ビニル系樹脂組成物からの発泡成形品が製造さ
れ、使用されているが、緻密で均一な独立発泡セルを有
し、発泡倍率が 1.2倍以上で、しかも、永久歪が小さい
軟質塩化ビニル系発泡成形品はえられておらず、限定さ
れた範囲でしか使用されていない。
【0003】塩化ビニル系発泡成形品を製造する方法と
しては、押出発泡成形法、射出成形法、カレンダー成形
法などがあり、また蒸発型発泡剤を使用して製造する方
法と分解型発泡剤を使用して製造する方法とがある。
【0004】押出発泡成形法により分解型発泡剤を使用
して製造する方法は、従来から使用されている押出機を
若干改造するだけで転用でき、しかもプロセスが簡単で
あるという利点があるため、低発泡〜中発泡成形品の製
造に多用されている。とくに、この押出発泡成形品の分
野では、永久歪や発泡倍率、発泡セルの均一性の他、押
出形状が安定し、成形品の表面が平滑で外観の良好な成
形品が求められているが、このような発泡成形品はえら
れていない。
【0005】このような発泡成形品の発泡倍率、発泡セ
ルの均一性、押出成形における成形性などの問題を解決
しようとするとき、加工性改良剤の添加が一般に採用さ
れる方法であり、この方法がある程度有効であることは
よく知られている。たとえば、特開昭 51-5371号、特開
昭58-52327号の各公報に示されているように、まずシー
トを成形したのち発泡炉中で発泡を行なう、いわゆる二
段発泡法では、発泡成形品の発泡倍率、発泡セルの均一
性などを改良するという点ではその効果が認められてい
る。しかし、一般の押出発泡成形では、その効果は認め
られていない。
【0006】すなわち、一般の押出発泡成形法では、一
般に使用されているメタクリル酸メチルを主成分とする
共重合体で比粘度が1〜2の加工性改良剤を添加して
も、緻密で均一な独立発泡セルを有し、発泡倍率が 1.2
倍以上で、表面平滑性が極めて良好な発泡成形品をうる
ことはできない。また、射出成形法などでも、前記の比
粘度が1〜2の加工性改良剤の添加では、発泡倍率が
1.2以上で、かつ緻密で均一な独立発泡セルを有する発
泡成形品はえられていない。
【0007】一方、特開昭61-66732号公報に示されてい
るように、永久歪を小さくする目的で部分架橋のアクリ
ロニトリル−ブタジエンゴムを添加した軟質塩化ビニル
系樹脂組成物に分解型発泡剤を添加して押出発泡成形す
ると、永久歪は小さくなるが、発泡倍率が上りにくく均
一な発泡セルがえられないという問題点は、より顕著に
現われる。このため、この部分架橋のアクリロニトリル
−ブタジエンゴムの添加のみでは、圧縮永久歪が50%以
下で、かつ発泡倍率 1.2以上で緻密で均一な発泡セルを
有する発泡成形体をうることはきわめて困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、各種発泡成
形法によって軟質塩化ビニル系樹脂組成物発泡成形品を
えようとする際に、従来の技術では発泡成形品の発泡状
態を緻密で均一な独立発泡セル状態にし、発泡倍率を
1.2倍以上にし、しかも、永久歪を小さくした発泡成形
品をうることができず、限定された範囲でしか使用され
ていないという問題を解決するためになされたものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル系
樹脂 100部(重量部、以下同様)に対して、メチルエチ
ルケトン(以下、MEKという)に5〜90%(重量%、
以下同様)溶解するアクリロニトリル―ブタジエンゴム
(以下、NBRという)5〜 150部、メタクリル酸メチ
ルを主成分とする共重合体 0.4gを含む 100mlのベンゼ
ン溶液の30℃で測定した比粘度が 2.5以上のメタクリル
酸メチル共重合体1〜60部および可塑剤20〜 200部を含
む軟質塩化ビニル系樹脂組成物からなる発泡倍率 1.2〜
2.5倍で永久歪の小さい軟質塩化ビニル系発泡成形品に
関する。
【0010】
【作用および実施例】本発明に使用する塩化ビニル系樹
脂とは、塩化ビニルモノマ―を単独重合させた塩化ビニ
ル樹脂または85%以上塩化ビニルを含有する塩化ビニル
系共重合体のことであり、ゲル分を含有する部分架橋塩
化ビニル系樹脂などであってもよく、前記規定に適合す
るかぎり、従来から知られているいかなる塩化ビニル系
樹脂であっても使用しうる。
【0011】85%以上塩化ビニルを含有する塩化ビニル
共重合体の塩化ビニル以外の共重合体成分としては、た
とえば酢酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどのビニルエ
ステル類、エチレン、プロピレンなどのオレフィン類、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸 -2-エ
チルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、マ
レイン酸ブチル、マレイン酸オクチルなどのマレイン酸
エステル類、フマル酸ブチル、フマル酸オクチルなどの
フマル酸エステル類、あるいはこれらの酸などが例示さ
れるが、これらに限定されるものではない。これら塩化
ビニル以外の成分は2種以上併用してもよい。
【0012】また、ゲル分を含有する部分架橋塩化ビニ
ル系樹脂としては、たとえば架橋剤としてジアリルフタ
レート、ジアリルマレエート、ポリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1,2-ポリブタジエン類などの
多官能性化合物を使用した共重合によってえられる樹脂
などが例示されるが、これらに限定されるものではな
い。
【0013】これらの塩化ビニル系樹脂は2種以上併用
してもよく、またその併用割合も目的に応じて自由に選
択しうる。
【0014】塩化ビニル系樹脂の平均重合度は 600〜45
00であることが好ましく、1000〜3200のものがとくに好
ましい。平均重合度が 600未満のばあいには、可塑剤を
混合する際にドライアップさせることが困難であり、ま
た成形品の永久歪が大きくなり好ましくない傾向にあ
る。一方、平均重合度が4500をこえると、充分にゲル化
させることが困難となる傾向にある。
【0015】本発明に使用するNBRとは、MEKに5
〜90%(25℃)、好ましくは10〜60%溶解する部分架橋
NBRのことである。MEKに5〜90%(25℃)溶解す
る部分架橋NBRを用いると、発泡成形品の圧縮永久歪
を小さくし、応力を加えたのちの復元力を向上させるこ
とができるのみならず、発泡成形する際、溶融粘度の温
度依存性を小さくしうるため、発泡成形時の温度巾を広
げることができる。
【0016】前記NBRがMEKに90%をこえて溶解す
るばあいには、圧縮永久歪を小さくする効果および発泡
成形時の温度依存性を小さくする効果が不足し、好まし
くない。逆に、MEKに5%未満しか溶解しないばあい
には、成形性が低下し、好ましくない。
【0017】なお、MEKに溶解するとは、25℃の温度
でMEKで48時間抽出し、 100メッシュのフィルタ―を
通過することを意味する。
【0018】本発明に用いるNBRは、塩化ビニル系樹
脂 100部に対して5〜 150部、好ましくは10〜 120部使
用される。該使用量が5部未満では、圧縮永久歪を小さ
くする効果が充分えられなくなり好ましくない。逆に、
150部をこえると、ペレット製造時の混練性、発泡成形
時の成形性がわるくなり、さらに、耐熱老化性、耐オゾ
ン性、耐候性などがわるくなり好ましくない。
【0019】本発明に使用するメタクリル酸メチル系共
重合体とは、メタクリル酸メチルを主成分として、すな
わち50〜95%含有し、これとアクリル酸エステルおよび
(または)メタクリル酸エステル(メタクリル酸メチル
を除く)および(または)少量の架橋剤との共重合体あ
るいはグラフト共重合体である。
【0020】該メタクリル酸メチル系共重合体の分子量
は、該共重合体 0.4gを含む 100mlのベンゼン溶液の30
℃で測定した比粘度が 2.5以上、好ましくは 2.5〜 6.0
となるような高分子量のものであり、さらに好ましくは
ガラス転移温度が85℃以下のものである。該比粘度が
2.5未満のばあいには、発泡成形品のセルの均一性、独
立性、押出成形品の表面平滑性などが改良されず、また
発泡倍率も大きくならず、好ましくない。また、ペレッ
トコンパウンド製造時の混練性を改良するためには、ガ
ラス転移温度が85℃以下であるのが好ましい。
【0021】本発明に使用するメタクリル酸メチル系共
重合体は、塩化ビニル系樹脂 100部に対して1〜60部使
用される。該使用量が1部未満では充分な発泡倍率向上
効果が生じず、逆に60部をこえると、成形品が硬くなっ
て柔軟性がなくなり、またコストも高くなり、好ましく
ない。なお、メタクリル酸メチル系共重合体は、2種以
上併用してもよい。
【0022】本発明に使用する可塑剤は、成形品に柔軟
性、ゴム触感などを与えるために添加されるものであ
り、その具体例としては、たとえばジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、
ジイソノニルフタレート、ジウンデシルフタレート、ト
リオクチルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリ
テートなどの芳香族多塩基酸のアルキルエステル、ジブ
チルアジペート、ジオクチルアジペート、ジイソノニル
アジペート、ジブチルアゼレート、ジオクチルアゼレー
ト、ジイソノニルアゼレートなどの脂肪族多塩基酸のア
ルキルエステル、トリクレジルホスフェートなどのリン
酸アルキルエステル、さらにはポリエステル系可塑剤、
エポキシ系可塑剤、塩素化パラフィンなどの通常使用さ
れる可塑剤があげられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上併用してもよい。
【0023】可塑剤は塩化ビニル系樹脂 100部に対して
20〜 200部、好ましくは30〜 160部使用される。該使用
量が 200部をこえると、成形品の耐熱変形性、セルの独
立性が低下して、好ましくなく、一方、20部未満では成
形品に柔軟性、ゴム触感などを与えることができなくな
り、好ましくない。
【0024】本発明に使用する発泡剤としては、たとえ
ばバリウムアゾジカルボキシレート、ヒドラゾジカルボ
ンアミド、アゾジカルボンアミド、4,4'- オキシビスベ
ンゼンスルホニルセミカルバジド、N,N' -ジメチル-N,
N'-ジニトロソテレフタルアミド、N,N'- ジニトロソペ
ンタメチレンテトラミン、p-トルエンスルホニルヒドラ
ジド、ベンゼン -1,3-ジスルホニルヒドラジド、ジフェ
ニルスルホン-3、3'- ジスルホニルヒドラジド、p-トル
エンスルホニルセミカルバジドなどがあげられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を適宜選択して併用
してもよい。
【0025】発泡剤は塩化ビニル系樹脂 100部に対して
0.5〜10部、好ましくは 1.5〜5部使用される。該使用
量が 0.5部未満では、発生するガス量が少ないため、発
泡倍率が上がらず好ましくない。逆に、該使用量が10部
をこえると、過発泡となってセルの破壊、連通が発生
し、セルの均一性、独立性が低下し、好ましくない。
【0026】本発明の発泡成形品を製造する際には、必
要に応じて安定剤、滑剤、充填剤、紫外線吸収剤、顔
料、ゴム類(部分架橋NBRを除く)、ポリウレタン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン -酢酸ビニル共重
合体、塩素化ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂などを配
合して使用してもよく、さらにキッカー剤、分解抑制
剤、セル調節剤などの発泡助剤を使用してもよく、その
種類や添加量は、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0027】本発明の軟質塩化ビニル系発泡成形品を製
造する際には、たとえば一般の軟質塩化ビニル系樹脂組
成物を製造する工程を使用して成分をブレンド、ペレッ
ト化し、ついで該ペレットを発泡成形し、ついでその成
形品を加熱処理すればよい。
【0028】すなわち、ブレンドに際しては、ヘンシェ
ルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダーなど
従来から公知のブレンダーを使用し、塩化ビニル系樹脂
などの成分を投入後、可塑剤を一括、断続または連続的
に投入して80〜 150℃まで昇温して可塑剤をドライアッ
プさせ、軟質塩化ビニル系樹脂のパウダーコンパウンド
を製造する。この際、塩化ビニル系樹脂以外の成分の投
入は、ドライアップさせたのちに投入してもよく、ドラ
イアップさせる途中で投入してもよい。
【0029】ついで、該混合物を加圧ニーダー、コニー
ダー、ミキシングロール、各種押出機などに供給し、 1
00〜 200℃の温度で混練りし、軟質塩化ビニル系樹脂組
成物のペレットコンパウンドが製造される。
【0030】発泡成形法としては、押出成形法、射出成
形法、カレンダー成形法など、従来一般に使用されてい
る成形法が利用できる。
【0031】押出発泡成形法により成形するばあいに
は、該ペレットコンパウンドを成形品の目的に合わせた
各種の形状をもったダイスを取付けた各種の単軸または
二軸押出機を用いた押出発泡成形法により軟質塩化ビニ
ル系発泡成形品が製造される。押出発泡成形の際、金
属、軟質PVC、硬質PVCなどと共押出してもよい。
【0032】押出発泡成形法における成形温度は、通常
100〜 200℃の範囲で行なわれ、好ましくはダイスの温
度をシリンダー先端温度より低く設定し、しかもこの温
度差を5℃以上に保ちながら成形するのが好ましい。
【0033】スクリュー形状にはとくに限定はなく、従
来から使用されている公知のスクリュー、たとえばダル
メージ型、フルフライト型などのものを使用しうる。該
スクリューのL/Dは15〜40であるものが好ましく、と
くに15〜30のものが好ましい。また、スクリューの圧縮
比は、 1.0〜 5.0であるものが好ましく、とくに 1.5〜
3.5のものが好ましい。
【0034】このようにして、押出成形、射出成形、カ
レンダー成形などでえられた発泡倍率 1.2〜 2.5倍で、
かつ緻密で均一な独立発泡セルを有する発泡成形品を40
〜 120℃で20分間以上加熱処理をすると、永久歪が著し
く改良される。このように加熱処理によって永久歪を著
しく小さくする方法は、今まで全く知られていない。
【0035】発泡成形品の加熱処理は、40〜 120℃で20
分間以上加熱処理するかぎり連続的に処理してもよく、
断続的に処理してもよく、装置などにもとくに限定はな
く、たとえば熱風乾燥機などの加熱炉中に静置したり、
加熱炉中をゆっくりと移動させながら処理すればよい
が、60〜 100℃で1〜24時間処理するのが好ましい。該
処理温度が40℃未満であると、永久歪を小さくする効果
がほとんどなく好ましくなく、 120℃をこえると、永久
歪を小さくする効果がほとんどない上、成形品が変形し
たり、外観が悪化したりするばあいがあり、好ましくな
い。また、該処理時間が20分未満であると、永久歪を小
さくする効果がほとんどなく好ましくない。
【0036】このようにしてえられる発泡成形品は発泡
倍率 1.2〜 2.5倍、圧縮永久歪が15〜40%程度で、緻密
で均一な独立発泡セルを有しており、ゴム用弾性、シー
ル性、クッション性、遮音性、断熱性に優れたものであ
る。また、とくに押出発泡成形により成形され、加熱処
理をしてえられる成形品は、表面平滑性も極めて良好で
あり、外観の良好なことが必要な製品分野にとくに好適
である。
【0037】なお、本発明にいう圧縮永久歪は図2に示
すスペーサー3を有する装置4を用いてJIS K 63
01の圧縮永久歪の測定法と同様な方法で圧縮率53%、圧
縮条件70℃×22時間で測定した値である。
【0038】この圧縮永久歪の測定値は、成形品の形状
によってかなり異なることがあり、上記15〜40%の値も
形状によっては、たとえば10〜45%になることもある。
【0039】このようにしてえられる永久歪の小さい軟
質塩化ビニル系樹脂組成物発泡成形品は、たとえばモー
ル類、グラスランチャンネル類、ウェザーストリップ
類、トリム類、各種のクッション部材、各種のシール部
材などの自動車用部品、滑り止め用、家具類の縁取用、
シール用などの建材部品、遮音用、防振用、断熱用、保
護用、シール用、クッション用などの目的で、シート
状、チューブ状または各種の異形状の物品として、軟質
塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン、EPDMなどの成形
品が使用されている分野などに好適に利用されうる。
【0040】以下に本発明の永久歪を小さくした軟質塩
化ビニル系樹脂組成物発泡成形品を実施例により更に詳
しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0041】実施例1〜10および比較例1〜3 表1に示す平均重合度を有する塩化ビニル樹脂 100部
に、表1に示すMEKに対する溶解性を有する部分架橋
NBR(アクリロニトリル成分33%)を表1に示す量、
表1に示す比粘度およびガラス転移温度を有するメタク
リル酸メチル系共重合体を表1に示す量、ジオクチルフ
タレート(以下、DOPという)を表1に示す量、Ba
−Zn系安定剤3部、炭酸カルシウム20部、発泡剤を表
1に示す量添加し、スーパーミキサーを用いてドライア
ップさせた。えられたパウダーコンパウンドを 140℃で
10分間混練し、厚さ約3mmの素練りシートを作製したの
ち、約3mm四方に切断してペレット化し、押出発泡成形
を行なった。
【0042】押出発泡成形はL/D=22、圧縮比= 3.0
のフルフライトスクリューを使用し、50mm単軸押出機に
て、シリンダー温度をホッパー側よりC1 = 155℃、C
2 =170℃、C3 = 170℃、アダプター= 150℃、ダイ
= 140℃に設定し、スクリュー回転数40rpm で行ない、
図1に示す形の異形押出成形用金型1を用いて、自動車
用シール部材2を押出した。成形品は、空冷により自由
発泡させたのち、表1の条件で加熱処理を行ない、下記
方法による比重測定および外観評価に供したのち、その
成形品を図2に示すスペーサー3を有する装置4を用い
て、JIS K6301の圧縮永久歪の測定法と同様の方法
で永久歪を測定した(予め70℃で予熱しておいた図2に
示す装置4に、厚さ(図2の上下圧縮板間に相当)を測
った成形品2を圧縮率が53%になるように上部圧縮板で
スペーサー3まで押し、圧縮板をボルトで固定する。成
形品をセット後、直ちに70℃の恒温槽に入れる。22時間
後、成形品2をこの装置から取出し室温で放冷し、30分
後に厚さを測定し、次式により圧縮永久歪を求める。
【0043】
【数1】
【0044】(式中、t0 は成形品2のもとの厚さ(m
m)、t1 は装置4から取出した成形品2を30分間放冷
したのちの厚さ(mm)、t2 はスペーサー3の長さ(m
m)))。結果を表1に示す。
【0045】(成形品の比重および発泡倍率)JIS
K 7112の水中置換法で比重を測定し、非発泡成形品の
比重を発泡成形品の比重で除して発泡倍率を求めた。
【0046】(成形品の外観)目視観察によって行な
い、表面平滑性およびセル状態について下記基準に基づ
き評価した。なお、セル状態は成形品をカッタ―ナイフ
で切断し、その切断面を観察した。
【0047】表面平滑性 ○:平滑 △:凹凸が目立つ ×:凹凸が著しい セル状態 ○:均一な独立セル △:部分的にセルの連通がある ×:セルの連通が著しく、空洞がある
【0048】
【表1】
【0049】表1の結果から、メタクリル酸メチル系共
重合体の比粘度が 1.4〜 2.1のものを使用すると、加熱
処理前の外観がわるいが、メタクリル酸メチル系共重合
体の比粘度が 2.9以上のものを使用すると、加熱処理前
の成形品の外観が非常に良好で、かつ、発泡倍率も比較
例に比べて高くなっていることがわかる。さらに、加熱
処理前の圧縮永久歪は、実施例のものでも37〜62%と大
きいが、70℃で24時間の加熱処理を行なうことによっ
て、18〜40%とEPDMと同等の値にまで低くしうるこ
とがわかる。
【0050】実施例11〜17および比較例4〜6 表2に示す組成物を用いて実施例1と同様にして評価し
た。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】表2の結果から、加熱処理温度が低いと、
圧縮永久歪を小さくできず、逆に 130℃と高過ぎると、
圧縮永久歪を小さくできないばかりでなく、成形品の外
観が悪化することがわかる。さらに、加熱処理時間が
0.2時間と短か過ぎると、圧縮永久歪を小さくできない
ことがわかる。一方、加熱処理時間を 0.5時間以上にし
て加熱処理温度を70〜 100℃にすると、圧縮永久歪を大
幅に小さくしうることがわかる。
【0053】
【発明の効果】本発明の軟質塩化ビニル系発泡成形品
は、 1.2倍以上の発泡倍率を有しながらセルが均一で独
立性に優れており、しかも永久歪が小さいという特徴を
有するものである。
【0054】それゆえ、遮音性、防振性、断熱性、保護
性、シール性、クッション性などに優れた軟質塩化ビニ
ル系発泡成形品をうることができる。さらに、押出成形
法によって、安価に、簡単に、しかも外観の優れた成形
品を製造することが可能で、従来、EPDM、ポリウレ
タンゴムの発泡体しか使用できなかった分野においても
充分使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】軟質塩化ビニル系樹脂組成物発泡成形品の圧縮
永久歪を評価するための自動車部品用シール部材の押出
成形用金型の先端断面形状を示す説明図である。
【図2】図1に示す金型を用いて製作した試験片を用い
て圧縮永久歪を測定する方法を示す説明図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 塩化ビニル系樹脂 100重量部に対して、メチルエチ
    ルケトンに5〜90重量%溶解するアクリロニトリル―ブ
    タジエンゴム5〜 150重量部、メタクリル酸メチルを主
    成分とする共重合体 0.4gを含む 100mlのベンゼン溶液
    の30℃で測定した比粘度が 2.5以上のメタクリル酸メチ
    ル系共重合体1〜60重量部および可塑剤20〜 200重量部
    を含む軟質塩化ビニル系樹脂組成物から成形された発泡
    倍率 1.2〜 2.5倍で永久歪の小さい軟質塩化ビニル系発
    泡成形品。
JP5233233A 1986-09-11 1993-09-20 永久歪の小さい軟質塩化ビニル系発泡成形品 Expired - Fee Related JPH07107106B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5233233A JPH07107106B2 (ja) 1986-09-11 1993-09-20 永久歪の小さい軟質塩化ビニル系発泡成形品

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61214690A JPH0657759B2 (ja) 1986-09-11 1986-09-11 永久歪の小さい軟質塩化ビニル系発泡成形品の製造法
JP5233233A JPH07107106B2 (ja) 1986-09-11 1993-09-20 永久歪の小さい軟質塩化ビニル系発泡成形品

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61214690A Division JPH0657759B2 (ja) 1986-09-11 1986-09-11 永久歪の小さい軟質塩化ビニル系発泡成形品の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06192457A true JPH06192457A (ja) 1994-07-12
JPH07107106B2 JPH07107106B2 (ja) 1995-11-15

Family

ID=26520457

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5233233A Expired - Fee Related JPH07107106B2 (ja) 1986-09-11 1993-09-20 永久歪の小さい軟質塩化ビニル系発泡成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07107106B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999043741A1 (fr) * 1998-02-24 1999-09-02 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Additif pour moulage de mousse et composition a base de resine de chlorure de vinyle renfermant cet additif

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55155036A (en) * 1979-05-21 1980-12-03 Mitsubishi Monsanto Chem Co Expandable vinyl chloride resin composition
JPS6166732A (ja) * 1984-09-10 1986-04-05 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 異形押出成形品用樹脂組成物
JPS61195144A (ja) * 1985-02-26 1986-08-29 Mitsubishi Monsanto Chem Co 塩化ビニル樹脂系熱可塑性エラストマ−の製法
JPS62187742A (ja) * 1986-02-13 1987-08-17 Shin Etsu Polymer Co Ltd 発泡性塩化ビニル系樹脂組成物

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55155036A (en) * 1979-05-21 1980-12-03 Mitsubishi Monsanto Chem Co Expandable vinyl chloride resin composition
JPS6166732A (ja) * 1984-09-10 1986-04-05 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 異形押出成形品用樹脂組成物
JPS61195144A (ja) * 1985-02-26 1986-08-29 Mitsubishi Monsanto Chem Co 塩化ビニル樹脂系熱可塑性エラストマ−の製法
JPS62187742A (ja) * 1986-02-13 1987-08-17 Shin Etsu Polymer Co Ltd 発泡性塩化ビニル系樹脂組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999043741A1 (fr) * 1998-02-24 1999-09-02 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Additif pour moulage de mousse et composition a base de resine de chlorure de vinyle renfermant cet additif
US6391976B1 (en) * 1998-02-24 2002-05-21 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Processing aid for foam molding use and vinyl chloride resin composition containing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07107106B2 (ja) 1995-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3323284B2 (ja) 微孔質発泡製品の製造に適した、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、および所望によりテトラフルオロエチレンからなるエラストマー性重合体を基剤とする組成物
US3379802A (en) Foamed olefin copolymer blends
JPH0812888A (ja) シリコーンゴムスポンジ組成物
US4028449A (en) Process for preparing a highly expanded polyvinyl chloride foam product
US4956396A (en) Process for preparing rigid polyvinyl chloride stractured foams having superior surface characteristics
EP3774258B1 (en) Pvc-based composition and skin member
JPH07119341B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH06192457A (ja) 永久歪の小さい軟質塩化ビニル系発泡成形品
JPH06192458A (ja) 永久歪の小さい軟質塩化ビニル系発泡成形品
JPH0657759B2 (ja) 永久歪の小さい軟質塩化ビニル系発泡成形品の製造法
JPH0657760B2 (ja) 押出成形に用いるペレット状発泡用軟質塩化ビニル系樹脂組成物
JPH0657758B2 (ja) 永久歪の小さい軟質塩化ビニル系発泡成形品の製法
JPS63125536A (ja) 軟質塩化ビニル系発泡成形品およびその製法
JPS63139927A (ja) 軟質押出発泡用塩化ビニル系樹脂組成物
JPS63139928A (ja) 軟質塩化ビニル系樹脂発泡成形品およびその製造法
JP2002146074A (ja) Epdm系加硫発泡体
JPS58189238A (ja) 塩化ビニル系発泡樹脂組成物
US4540719A (en) Process for making foamed, sulfur-cured polymer blend compositions
JP2805681B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH0449863B2 (ja)
JPH08120108A (ja) 発泡性塩化ビニル系樹脂組成物
JPH0482034B2 (ja)
US4555528A (en) Process for making foamed, sulfur-cured polymer blend compositions
JPS61276835A (ja) 架橋された軟質ポリ塩化ビニル発泡体の製造法
JPH01287147A (ja) 軟質ポリ塩化ビニル発泡体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees