JPH06192397A - エポキシ樹脂用硬化剤 - Google Patents

エポキシ樹脂用硬化剤

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JPH06192397A
JPH06192397A JP10493792A JP10493792A JPH06192397A JP H06192397 A JPH06192397 A JP H06192397A JP 10493792 A JP10493792 A JP 10493792A JP 10493792 A JP10493792 A JP 10493792A JP H06192397 A JPH06192397 A JP H06192397A
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喜一 長谷川
Akinori Fukuda
明徳 福田
Katsuichi Otsuki
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 N−ヒドロキシフェニルマレイミドの単独重
合体(式(I))または該マレイミドとビニル化合物と
の共重合体からなるエポキシ樹脂用硬化剤である。 【化1】 【効果】 該硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物は、耐
熱性、機械的強度に優れ、種々な分野に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂用硬化
剤、および該硬化剤とエポキシ樹脂とからなるエポキシ
樹脂組成物に関する。更に詳しくは、ノボラック硬化型
エポキシ樹脂の硬化に際し硬化促進剤を使用しなくとも
速やかに硬化が進行する硬化剤、および耐熱性ならびに
機械的性質の両者に優れた組成物を与える、該硬化剤と
エポキシ樹脂とからなるエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】エポキシ
樹脂は硬化特性に優れ、かつ得られた硬化物は接着性、
機械的特性、耐薬品性、電気的特性等の諸物性に優れて
いるため、工業材料として従来より広範な産業分野に使
用されている。例えば、エポキシ樹脂を用いた成形品
は、電気・電子部品分野において絶縁材料として利用さ
れている。特に、半導体封止材料としての需要の伸びは
著しく、そのほとんどはノボラック(ノボラック型フェ
ノール樹脂)を硬化剤とした系である。この場合、通常
では、硬化反応を促進し成形サイクルを短くするため硬
化促進剤が配合されている。また、近年では、用途のさ
らなる拡大を目的として、耐熱性および機械的強度のよ
り一層の向上が要望されている。耐熱性を向上させる手
法としては、主鎖にイミド骨格やナフタレン骨格のよう
な剛直な骨格構造の導入、ノボラック型エポキシ樹脂の
ような多官能性樹脂による架橋密度の向上等の手段が用
いられてきた。しかし、多くの場合、これらの手段では
耐熱性は向上するものの、得られた組成物の曲げ強度お
よび耐衝撃性をはじめとする機械的性質が低下するなど
実用化において問題点が多かった。また、エポキシ樹脂
組成物の機械的強度を向上させる方法として、CTBN
(Liquid Carboxyl Terminated Butadiene Acrylonitri
le Random Copolymer)
【化3】 のような液状ゴムや特開昭62−22822にみられる
耐熱性熱可塑性樹脂の添加等の手段が用いられてきた。
しかし多くの場合、これらの手段では機械的強度は向上
するものの耐熱性や成形性が低下する欠点がある。即
ち、耐熱性の向上と機械的強度の向上や成形性の向上と
は両立し難く、多くの場合一方を向上させると他方が低
下するという欠点があった。それゆえ、優れた耐熱性と
機械的強度とを同時に備えたエポキシ樹脂組成物の開発
が望まれていた。
【0003】本発明は、かかる実状に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、ノボラック硬化型
エポキシ樹脂の硬化に際し硬化促進剤を使用しなくとも
硬化が速やかに進行する硬化剤、および耐熱性ならびに
機械的性質の両者がともに優れた組成物を与える、該硬
化剤とエポキシ樹脂とから成るエポキシ樹脂組成物を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のノ
ボラック硬化型エポキシ樹脂において、公知の硬化剤で
あるノボラックを改良し、硬化促進剤を使用しなくとも
速やかに硬化を進行せしめ、また耐熱性および機械的性
質の両者に優れた組成物を与える硬化剤を得るべく研究
を行なった。本発明に於て、驚くべきことは、フェニル
マレイミドの重合体は、エポキシ樹脂の硬化促進作用を
有しないが、ヒドロキシフェニルマレイミドの重合体は
その硬化促進作用を有することを見出した事である。こ
のヒドロキシフェニルマレイミドの硬化促進作用が本発
明の硬化剤の特徴を示す主因である。
【0005】かくして、この発明によれば、 一般式(I)
【化4】 (kは1又は2の整数、mは2以上の整数)で示される
ヒドロキシフェニルマレイミドの単独重合体及び/又は 一般式(II)
【化5】 〔式中、kは1または2の整数、mとnはそれぞれ2以
上の数、R1〜R4は水素原子、アルキル基、カルボキシ
基、アルコキシカルボニル基、カルボニルメチル基、ア
ルコキシカルボニルメチル基、シアノ基又はアリール基
を意味する。〕で示されるヒドロキシフェニルマレイミ
ドのビニル化合物との共重合体からなるエポキシ樹脂用
硬化剤が提供される。さらに、エポキシ樹脂とそれを硬
化するに十分な量の上記硬化剤とからなるエポキシ樹脂
組成物が提供される。この発明におけるヒドロキシフェ
ニルマレイミドとビニル化合物との共重合体とは、これ
ら2つのモノマーから誘導される分子を繰り返し単位と
して有し、一般には上記式(II)で表わすことができ
る。
【0006】上記の単独重合体及び共重合体は、それぞ
れ公知の原料から公知の重合方法(例えば乳化重合、懸
濁重合、溶液重合)で製造することができる。
【0007】本発明において使用できる単独重合体を製
造し得ることが可能なヒドロキシフェニルマレイミドと
しては、N−2−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−
3−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−4−ヒドロキ
シフェニルマレイミド、N−3,5−ジヒドロキシフェ
ニルマレイミドが例示でき、これらのうち1種または2
種以上が使用される。
【0008】また、共重合体の製造に用いうるビニル化
合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニ
ルベンゼン、アクリル酸およびそのエステル、メタクリ
ル酸およびそのエステル、アクリロニトリル、マレイン
酸およびそのエステル、フマル酸およびそのエステル、
イタコン酸およびそのエステル、脂肪酸のビニルエステ
ル、マレイミド誘導体が例示できるが、これらに限定さ
れるものではない。マレイミド誘導体としては、N−フ
ェニルマレイミド、N−2−メチルフェニルマレイミ
ド、N−3−メチルフェニルマレイミド、N−4−メチ
ルフェニルマレイミド、N−2,4−ジメチルフェニル
マレイミド、N−2,6−ジメチルフェニルマレイミ
ド、N−2,4,6−トリメチルフェニルマレイミド、
N−2−エチルフェニルマレイミド、N−3−エチルフ
ェニルマレイミド、N−4−エチルフェニルマレイミ
ド、N−2,4−ジエチルフェニルマレイミド、N−
2,6−ジエチルフェニルマレイミド、N−2,4,6
−トリエチルフェニルマレイミド、N−2−クロロフェ
ニルマレイミド、N−3−クロロフェニルマレイミド、
N−4−クロロフェニルマレイミド、N−2,4−ジク
ロロフェニルマレイミド、N−2,6−ジクロロフェニ
ルマレイミド、N−2,4,6−トリクロロフェニルマ
レイミド、N−2−ブロモフェニルマレイミド、N−3
−ブロモフェニルマレイミド、N−4−ブロモフェニル
マレイミド、N−2,4−ジブロモフェニルマレイミ
ド、N−2,6−ジブロモフェニルマレイミド、N−
2,4,6−トリブロモフェニルマレイミドが例示でき
るが、これらに限定されるものではない。ビニル化合物
はこれらからなる群より選ばれた少なくとも1種が用い
られる。
【0009】本発明の硬化剤としての単独重合体および
共重合体の数平均分子量は、特に限定されないが、好適
には単独重合体では1,000〜10,000であり、共重合体で
は1,000〜100,000である。単独重合体および共重合体の
数平均分子量がそれぞれ1,000未満であると、得られた
エポキシ樹脂組成物の機械的強度が低下する傾向にあ
り、また、単独重合体および共重合体の数平均分子量が
それぞれ10,000および100,000を越えると組成物のガラ
ス転移温度が上昇し過ぎて成形性が悪くなる。
【0010】本発明の硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂
を硬化させるのに十分な量が用いられる。その量は、エ
ポキシ樹脂中のエポキシ基1個に対し、硬化剤のフェノ
ール性水酸基が約0.8〜1.2個となる量であるのが
適当である。
【0011】本発明の単独重合体および共重合体は、エ
ポキシ樹脂に対する公知の硬化剤、例えばノボラック
(フェノールノボラック、クレゾールノボラック)等と
組合せて用いることができる。
【0012】また、本発明の単独重合体および共重合体
は、ノボラックと組合せて用いる場合、ノボラックに対
し1重量%以上100重量%以下が好ましく、更に好ま
しくは25重量%以上80重量%以下である。該単独重
合体あるいは共重合体の混合比が1重量%未満である
と、該硬化剤の硬化促進作用がなくなり、また得られた
エポキシ樹脂組成物の耐熱性および機械的性質の向上は
見られない。さらに該単独重合体あるいは共重合体の混
合比が80重量%を超えると、エポキシ樹脂組成物の機
械的性質が低下することがある。
【0013】なお、本発明の硬化剤には、硬化速度を調
整するために、通常の硬化促進剤、例えばイミダゾー
ル、三級アミン、三フッ化ホウ素のアミン塩、トリフェ
ニルホスフィン等を使用することもできる。
【0014】本発明の単独重合体または共重合体と組成
物を形成し得るエポキシ樹脂としては、多価エポキシ樹
脂であれば一般的に使用されるエポキシ樹脂が使用可能
であり、1分子中に2個以上の活性水素を有する化合
物、例えばビスフェノールA、ビスヒドロキシジフェニ
ルメタン、レゾルシン、ビスヒドロキシジフェニルエー
テル、テトラブロモビスフェノールA等の多価フェノー
ル類、またはそのノボラック類およびエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、ジエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加
物、テトラブロモビスフェノールA−エチレンオキサイ
ド付加物、トリスヒドロキシエチルイソシアネート等の
多価アルコール、エチレンジアミン、アニリン等のポリ
アミノ化合物、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸等
の多価カルボキシ化合物等とエピクロロヒドリンまたは
2−メチルエピクロルヒドリンとを反応させて得られる
グリシジル型のエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンジ
オキサイド等の如き脂肪族または脂環族のエポキシ樹脂
等から選ばれた1種以上のエポキシ樹脂を使用すること
ができる。
【0015】本発明においては、単独重合体または共重
合体を形成するモノマーとしてはN−4−ヒドロキシフ
ェニルマレイミド(以下、4−HPMIと記す。)が好
適に用いられる。また、共重合体を形成するためのビニ
ル化合物としてはスチレン、α−メチルスチレン、アク
リル酸およびそのエステル、メタクリル酸およびそのエ
ステル、マレイミド誘導体が好適に用いられる。また、
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロル
ヒドリンとからなるエポキシ樹脂が好適に用いられる。
【0016】本発明の硬化剤は、エポキシ樹脂に混合し
硬化させることにより、従来の硬化剤に比べて耐熱性お
よび機械的性質を向上させることができる。この理由
は、該単独重合体および該共重合体が耐熱性骨格と適度
の可撓性とを合わせ持ち、しかもエポキシ樹脂と相溶し
て速やかに反応し、架橋構造を形成し得るためと考えら
れる。さらに、本発明の硬化剤はノボラックおよびエポ
キシ樹脂と相溶性があること、エポキシ樹脂と速やかに
反応すること、およびエポキシ樹脂の成形性を低下させ
ないなどの利点を有する。
【0017】該本発明の硬化剤を用いて得られる組成物
は通常の成形法に従って成形することができ、耐熱性お
よび機械的強度の両者が優れたエポキシ樹脂組成物とし
て種々の分野に利用することができる。
【0018】
【実施例】次に本発明を参考例と実施例を用いて説明す
る。以下の記載で「部」は、全て重量部を示す。 参考例フェノールノボラックの製造 攪拌棒、冷却管、温度計付き三口フラスコに、 フェノール 910 (9.68モル) 37%ホルマリン 548 (6.76モル) シュウ酸 14 を同時に仕込み、反応温度を室温から50℃までゆっく
りと上げ、次に約1時間を要して100℃まで上げた。
100℃の温度で5時間反応させた。次に、減圧水蒸気
蒸留法によって水とフェノールを除去した。同蒸留は6
0〜70℃、15〜20mmHgの条件で5時間行なっ
た。収率は約80%であった。次に、フラスコ中の反応
生成物を適当な大きさのポリプロピレン製パンに注ぎ、
冷却後固体を砕き粉末にした後、常法に従って分子量を
測定した。 数平均分子量=340 重量平均分子量=1500 以下、ここに得られた製品をフェノールノボラックとし
て使用した。N−4−ヒドロキシフェニルマレイミド単独重合体の製
攪拌機および還流冷却管を備えた反応器にN−4−ヒド
ロキシフェニルマレイミド(以下、4−HPMIと言
う)224.7部、2,2′−アゾビスイソブチロニト
リル32.9部、N,N−ジメチルホルムアミド100
0部を加え、窒素雰囲気下において70℃にて6時間攪
拌反応を行なった。反応終了後、反応混合物を水中に滴
下して重合体を析出させた。その重合体を濾別した後、
真空乾燥したところ、淡黄色の4−HPMI重合体20
6.7部が得られた。この重合体をGPC(ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー)にて分析したところ、
数平均分子量は3800であり、重量平均分子量は10
000であった。以下、ここに得られた製品を4−HP
MI単独重合体として使用した。N−4−ヒドロキシフェニルマレイミド/スチレン共重
合体の製造 攪拌機および還流冷却管を備えた反応器に4−HPMI
219.2部、スチレン120.6部、2,2′−アゾ
ビスイゾブチロニトリル9.0部、N,N−ジメチルホ
ルムアミド2700部を加え、窒素雰囲気下において7
0℃にて6時間攪拌反応を行った。反応終了後、反応混
合物を水中に滴下して共重合体を析出させた。その重合
体を濾別した後、真空乾燥したところ、4−HPMI/
スチレン共重合体310.0部が得られた。この共重合
体をGPCにて分析したところ、数平均分子量は200
00であり、重量平均分子量は100000であった。
以下、ここに得られた製品を4−HPMI/スチレン共
重合体として使用した。N−4−ヒドロキシフェニルマレイミド/n−ブチルア
クリレート共重合体の製造 攪拌機および還流冷却管を備えた反応器に4−HPMI
219.2部、n−ブチルアクリレート148.5部、
2,2′−アゾビスイゾブチロニトリル9.0部、N,
N−ジメチルホルムアミド2700部を加え、窒素雰囲
気下において70℃にて6時間攪拌反応を行った。反応
終了後、反応混合物を水中に滴下して共重合体を析出さ
せた。その重合体を濾別した後、真空乾燥したところ、
4−HPMI/n‐ブチルアクリレート共重合体33
5.0部が得られた。この共重合体をGPCにて分析し
たところ、数平均分子量は5000であり、重量平均分
子量は11000であった。以下、ここに得られた製品
を4−HPMI/n‐ブチルアクリレート共重合体とし
て使用した。
【0019】実施例1 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 エポキシ樹脂として、ビスフェノールAとエピクロルヒ
ドリンとを反応させて得られるグリシジル型化合物(ダ
ウケミカル日本社製DER331J、エポキシ当量は1
87、以下の実施例中においても同様)を100.0
部、硬化剤として上記の4−HPMI単独重合体(水酸
基当量は189であり、以下の実施例中においても同
様)を101.1部(エポキシ樹脂のエポキシ基数と4
−HPMIの水酸基数とが等量となるような量)、強化
材としてガラス繊維を201.1部(エポキシ樹脂と硬
化剤の合計と等量であり、以下の実施例中においても同
様)、滑剤としてステアリン酸亜鉛1.0部を配合し、
80〜90℃に加熱した熱ロールを用いて混練した。混
練物を取り出して粉砕した後、圧縮成形機により150
℃、100kgf/cm2 にて10分間加熱、加圧して
成形し、試験片を得、150℃で2時間、165℃で2
時間、さらに180℃で2時間、後硬化を行なった。こ
の試験片を用いて、JIS K−6911の方法によ
り、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。その結果、
曲げ強度は15.2kgf/mm2 、曲げ弾性率は14
40kgf/mm2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、強化材および滑剤を使用
しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形して
試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定装
置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラス
転移温度は140℃であった。これらの結果を表1に示
す。
【0020】実施例2 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として4−HPMI単独重合体を63.3部、お
よびフェノールノボラック(水酸基当量は106であ
り、以下の実施例中においても同様)を21.1部(エ
ポキシ樹脂のエポキシ基数と、4−HPMI単独重合体
およびフェノールノボラックの水酸基数の合計とが等量
となるような量であり、以下の実施例中においても同
様)、強化材を184.4部としたこと以外は実施例1
と同様にしてエポキシ樹脂組成物を製造し、成形して試
験片を得、150℃で2時間、165℃で2時間、さら
に180℃で2時間、後硬化を行なった。この試験片を
用いて、実施例1と同様の方法により、曲げ強度および
曲げ弾性率を測定した。その結果、曲げ強度は16.2
kgf/mm2 、曲げ弾性率は1440kgf/mm2
であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、強化材および滑剤を使用
しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形して
試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定装
置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラス
転移温度は139℃であった。これらの結果を表1に示
す。
【0021】実施例3 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として4−HPMI単独重合体を36.3部、お
よびフェノールノボラックを36.3部、強化材を17
2.6部としたこと以外は実施例1と同様にしてエポキ
シ樹脂組成物を製造し、成形して試験片を得、150℃
で2時間、165℃で2時間、さらに180℃で2時
間、後硬化を行なった。この試験片を用いて、実施例1
と同様の方法により、曲げ強度および曲げ弾性率を測定
した。その結果、曲げ強度は15.0kgf/mm2
曲げ弾性率は1370kgf/mm2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、強化材および滑剤を使用
しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形して
試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定装
置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラス
転移温度は136℃であった。これらの結果を表1に示
す。
【0022】実施例4 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として4−HPMI単独重合体を15.9部、お
よびフェノールノボラックを47.7部、強化材を16
3.6部としたこと以外は実施例1と同様にしてエポキ
シ樹脂組成物を製造し、成形して試験片を得、150℃
で2時間、165℃で2時間、さらに180℃で2時
間、後硬化を行なった。この試験片を用いて、実施例1
と同様の方法により、曲げ強度および曲げ弾性率を測定
した。その結果、曲げ強度は13.4kgf/cm2
曲げ弾性率は1160kgf/cm2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、強化材および滑剤を使用
しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形して
試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定装
置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラス
転移温度は130℃であった。これらの結果を表1に示
す。
【0023】実施例5 エポキシ樹脂に対し、硬化剤(4−HPMI単独重合体
とフェノールノボラックの使用割合を変化させたもの)
を各種割合で配合した際のゲル化時間を測定した結果を
表2に示す。表2から明らかなように4−HPMI単独
重合体の配合によりゲル化時間が促進される。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】実施例6 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 エポキシ樹脂として、ビスフェノールAとエピクロルヒ
ドリンとを反応させて得られるグリシジル型化合物(ダ
ウケミカル日本社製DER331J、エポキシ当量は1
87、以下実施例13まで同様)を100部、硬化剤と
して上記の4−HPMI/スチレン共重合体(水酸基当
量は293であり、以下実施例9まで同様)を156.
7部(エポキシ樹脂のエポキシ基数と、4−HPMI/
スチレン共重合体の水酸基数とが等量となるような
量)、強化材としてガラス繊維を256.7部(エポキ
シ樹脂と硬化剤の合計と等量であり、以下実施例13ま
で同様)、滑剤としてステアリン酸亜鉛1.0部を配合
し、80〜90℃に加熱した熱ロールを用いて混練し
た。混練物を取り出して粉砕した後、圧縮成形機により
150℃、100kgf/cm2 にて10分間加熱、加
圧して成形し、試験片を得、150℃で2時間、165
℃で2時間、さらに180℃で2時間、後硬化を行っ
た。この試験片を用いて、JIS K−6911の方法
により、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。その結
果、曲げ強度は19.2kgf/mm2 、曲げ弾性率は
1930kgf/mm2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、強化材および滑剤を使用
しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形して
試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定装
置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラス
転移温度は175℃であった。これらの結果を表3に示
す。
【0027】実施例7 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として4−HPMI/スチレン共重合体を81.
6部、および上記のフェノールノボラック(水酸基当量
は106であり、以下実施例21まで同様)を27.2
部(エポキシ樹脂のエポキシ基数と、4−HPMI/ス
チレン共重合体およびフェノールノボラックの水酸基数
の合計とが等量となるような量であり、以下実施例9ま
で同様)、強化材を208.8部としたこと以外は実施
例6と同様にしてエポキシ樹脂組成物を製造し、成形し
て試験片を得、150℃で2時間、165℃で2時間、
さらに180℃で2時間、後硬化を行った。この試験片
を用いて、実施例6と同様の方法により、曲げ強度およ
び曲げ弾性率を測定した。その結果、曲げ強度は16.
6kgf/mm2 、曲げ弾性率は1630kgf/mm
2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、強化材および滑剤を使用
しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形して
試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定装
置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラス
転移温度は150℃であった。これらの結果を表3に示
す。
【0028】実施例8 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として4−HPMI/スチレン共重合体を41.
8部、およびフェノールノボラックを41.8部、強化
材を183.6部としたこと以外は実施例7と同様にし
てエポキシ樹脂組成物を製造し、成形して試験片を得、
150℃で2時間、165℃で2時間、さらに180℃
で2時間、後硬化を行った。この試験片を用いて、実施
例6と同様の方法により、曲げ強度および曲げ弾性率を
測定した。その結果、曲げ強度は14.0kgf/mm
2 、曲げ弾性率は1420kgf/mm2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、強化材および滑剤を使用
しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形して
試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定装
置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラス
転移温度は139℃であった。これらの結果を表3に示
す。
【0029】実施例9 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として4−HPMI/スチレン共重合体を16.
9部、およびフェノールノボラックを50.7部、強化
材を167.6部としたこと以外は実施例7と同様にし
てエポキシ樹脂組成物を製造し、成形して試験片を得、
150℃で2時間、165℃で2時間、さらに180℃
で2時間、後硬化を行った。この試験片を用いて、実施
例6と同様の方法により、曲げ強度および曲げ弾性率を
測定した。その結果、曲げ強度は13.8kgf/mm
2 、曲げ弾性率は1250kgf/mm2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、強化材および滑剤を使用
しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形して
試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定装
置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラス
転移温度は134℃であった。これらの結果を表3に示
す。
【0030】実施例10 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として上記の4−HPMI/n−ブチルアクリレ
ート共重合体(水酸基当量は317であり、以下実施例
13まで同様)を169.5部、強化材を269.5部
としたこと以外は実施例6と同様にしてエポキシ樹脂組
成物を製造し、成形して試験片を得、150℃で2時
間、165℃で2時間、さらに180℃で2時間、後硬
化を行った。この試験片を用いて、実施例6と同様の方
法により、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。その
結果、曲げ強度は11.5kgf/mm2 、曲げ弾性率
は960kgf/mm2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、強化材および滑剤を使用
しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形して
試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定装
置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラス
転移温度は167℃であった。これらの結果を表4に示
す。
【0031】実施例11 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として4−HPMI/n−ブチルアクリレート共
重合体を84.9部、およびフェノールノボラックを2
8.3部、強化材を213.2部としたこと以外は実施
例7と同様にしてエポキシ樹脂組成物を製造し、成形し
て試験片を得、150℃で2時間、165℃で2時間、
さらに180℃で2時間、後硬化を行った。この試験片
を用いて、実施例6と同様の方法により、曲げ強度およ
び曲げ弾性率を測定した。その結果、曲げ強度は11.
5kgf/mm2 、曲げ弾性率は1067kgf/mm
2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、強化材および滑剤を使用
しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形して
試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定装
置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラス
転移温度は141℃であった。これらの結果を表4に示
す。
【0032】実施例12 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として4−HPMI/n−ブチルアクリレート共
重合体を42.5部、およびフェノールノボラックを4
2.5部、強化材を185.0部としたこと以外は実施
例7と同様にしてエポキシ樹脂組成物を製造し、成形し
て試験片を得、150℃で2時間、165℃で2時間、
さらに180℃で2時間、後硬化を行った。この試験片
を用いて、実施例6と同様の方法により、曲げ強度およ
び曲げ弾性率を測定した。その結果、曲げ強度は10.
9kgf/mm2 、曲げ弾性率は1047kgf/mm
2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、強化材および滑剤を使用
しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形して
試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定装
置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラス
転移温度は130℃であった。これらの結果を表4に示
す。
【0033】実施例13 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として4−HPMI/n−ブチルアクリレート共
重合体を17.0部、およびフェノールノボラックを5
1.0部、強化材を168.0部としたこと以外は実施
例7と同様にしてエポキシ樹脂組成物を製造し、成形し
て試験片を得、150℃で2時間、165℃で2時間、
さらに180℃で2時間、後硬化を行った。この試験片
を用いて、実施例6と同様の方法により、曲げ強度およ
び曲げ弾性率を測定した。その結果、曲げ強度は12.
4kgf/mm2 、曲げ弾性率は1030kgf/mm
2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、強化材および滑剤を使用
しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形して
試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定装
置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラス
転移温度は130℃であった。これらの結果を表4に示
す。
【0034】実施例14 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 エポキシ樹脂として、o−クレゾールノボラックとエピ
クロルヒドリンとを反応させて得られるグリシジル型化
合物(大日本インキ化学工業社製エピクロンN−66
5、エポキシ当量は211、以下実施例21まで同様)
を100部、硬化剤として4−HPMI単独重合体(水
酸基当量は189であり、以下実施例17まで同様)を
89.6部(エポキシ樹脂のエポキシ基数と、4−HP
MI単独重合体の水酸基数とが等量となるような量)、
充填材として破砕形溶融シリカ(平均粒径は15ミクロ
ン)を568.8部(エポキシ樹脂と硬化剤との合計の
3倍量であり、以下実施例21まで同様)、離型剤(ヘ
キストワックスHOE WAX E PDR)1.0部を配合し、10
0〜110℃に加熱した熱ロールを用いて混練した。混
練物を取り出して粉砕した後、トランスファ成形機によ
り170℃、100kgf/cm2 にて10分間加熱、
加圧して成形し、試験片を得、170℃で2時間、19
0℃で4時間、後硬化を行った。この試験片を用いて、
JIS K−6911の方法により、シャルピー衝撃強
度、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。その結果、
シャルピー強度は3.59kgf・cm/cm2 、曲げ
強度は9.5kgf/mm2 、曲げ弾性率は1771k
gf/mm2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、充填材および離型剤を使
用しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形し
て試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定
装置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラ
ス転移温度は208℃であった。これらの結果を表5に
示す。
【0035】実施例15 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として4−HPMI単独重合体を56.1部、お
よびフェノールノボラックを18.7部(エポキシ樹脂
のエポキシ基数と、4−HPMI単独重合体およびフェ
ノールノボラックの水酸基数の合計とが等量となるよう
な量であり、以下実施例17まで同様)、充填材を52
4.4部としたこと以外は実施例14と同様にしてエポ
キシ樹脂組成物を製造し、成形して試験片を得、170
℃で2時間、190℃で4時間後硬化を行った。この試
験片を用いて、実施例14と同様の方法により、シャル
ピー衝撃強度、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
その結果、シャルピー衝撃強度は3.36kgf・cm
/cm2 、曲げ強度は10.6kgf/mm2 、曲げ弾
性率は1968kgf/mm2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、充填材および離型剤を使
用しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形し
て試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定
装置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラ
ス転移温度は164℃であった。これらの結果を表5に
示す。
【0036】実施例16 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として4−HPMI単独重合体を32.2部、お
よびフェノールノボラックを32.2部、充填材を49
3.2部としたこと以外は実施例15と同様にしてエポ
キシ樹脂組成物を製造し、成形して試験片を得、170
℃で2時間、190℃で4時間後硬化を行った。この試
験片を用いて、実施例14と同様の方法により、シャル
ピー衝撃強度、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
その結果、シャルピー衝撃強度は3.20kgf・cm
/cm2 、曲げ強度は11.3kgf/mm2 、曲げ弾
性率は1992kgf/mm2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、充填材および離型剤を使
用しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形し
て試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定
装置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラ
ス転移温度は156℃であった。これらの結果を表5に
示す。
【0037】実施例17 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として4−HPMI単独重合体を14.1部、お
よびフェノールノボラックを42.3部、充填材を46
9.2部としたこと以外は実施例15と同様にしてエポ
キシ樹脂組成物を製造し、成形して試験片を得、170
℃で2時間、190℃で4時間後硬化を行った。この試
験片を用いて、実施例14と同様の方法により、シャル
ピー衝撃強度、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
その結果、シャルピー衝撃強度は3.01kgf・cm
/cm2 、曲げ強度は11.7kgf/mm2 、曲げ弾
性率は1903kgf/mm2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、充填材および離型剤を使
用しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形し
て試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定
装置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラ
ス転移温度は151℃であった。これらの結果を表5に
示す。
【0038】実施例18 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として4−HPMI/スチレン共重合体(水酸基
当量は317であり、以下実施例21まで同様)を13
8.9部、充填材を716.7部としたこと以外は実施
例14と同様にしてエポキシ樹脂組成物を製造し、成形
して試験片を得、170℃で2時間、190℃で4時間
後硬化を行った。この試験片を用いて、実施例14と同
様の方法により、シャルピー衝撃強度、曲げ強度および
曲げ弾性率を測定した。その結果、シャルピー衝撃強度
は3.24kgf・cm/cm2 、曲げ強度は11.4
kgf/mm2 、曲げ弾性率は1680kgf/mm2
であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、充填材および離型剤を使
用しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形し
て試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定
装置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラ
ス転移温度は221℃であった。これらの結果を表6に
示す。
【0039】実施例19 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として4−HPMI/スチレン共重合体を72.
3部、およびフェノールノボラックを24.1部(エポ
キシ樹脂のエポキシ基数と、4−HPMI/スチレン共
重合体およびフェノールノボラックの水酸基数の合計と
が等量となるような量であり、以下実施例21まで同
様)、充填材を589.2部としたこと以外は実施例1
8と同様にしてエポキシ樹脂組成物を製造し、成形して
試験片を得、170℃で2時間、190℃で4時間後硬
化を行った。この試験片を用いて、実施例14と同様の
方法により、シャルピー衝撃強度、曲げ強度および曲げ
弾性率を測定した。その結果、シャルピー衝撃強度は
3.39kgf・cm/cm2 、曲げ強度は12.7k
gf/mm2 、曲げ弾性率は1867kgf/mm2
あった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、充填材および離型剤を使
用しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形し
て試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定
装置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラ
ス転移温度は184℃であった。これらの結果を表6に
示す。
【0040】実施例20 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として4−HPMI/スチレン共重合体を36.
9部、およびフェノールノボラックを36.9部、充填
材を521.4部としたこと以外は実施例19と同様に
してエポキシ樹脂組成物を製造し、成形して試験片を
得、170℃で2時間、190℃で4時間後硬化を行っ
た。この試験片を用いて、実施例14と同様の方法によ
り、シャルピー衝撃強度、曲げ強度および曲げ弾性率を
測定した。その結果、シャルピー衝撃強度は3.15k
gf・cm/cm2 、曲げ強度は12.4kgf/mm
2 、曲げ弾性率は1881kgf/mm2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、充填材および離型剤を使
用しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形し
て試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定
装置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラ
ス転移温度は170℃であった。これらの結果を表6に
示す。
【0041】実施例21 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 硬化剤として4−HPMI/スチレン共重合体を14.
9部、およびフェノールノボラックを44.7部、充填
材を478.8部としたこと以外は実施例19と同様に
してエポキシ樹脂組成物を製造し、成形して試験片を
得、170℃で2時間、190℃で4時間後硬化を行っ
た。この試験片を用いて、実施例14と同様の方法によ
り、シャルピー衝撃強度、曲げ強度および曲げ弾性率を
測定した。その結果、シャルピー衝撃強度は2.96k
gf・cm/cm2 、曲げ強度は12.3kgf/mm
2 、曲げ弾性率は1890kgf/mm2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、充填材および離型剤を使
用しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形し
て試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定
装置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラ
ス転移温度は160℃であった。これらの結果を表6に
示す。
【0042】比較例1 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 エポキシ樹脂(ビスフェノールAとエピクロルヒドリン
とを反応させて得られるグリシジル型化合物、ダウケミ
カル日本社製DER331J、エポキシ当量は187)
を100部、硬化剤としてフェノールノボラック(水酸
基当量は106)を56.7部(エポキシ樹脂のエポキ
シ基数と、硬化剤の水酸基数の合計とが等量となるよう
な量)、強化剤を156.7部とし、さらに硬化促進剤
として2−エチル−4−メチルイミダゾールを1.0部
用いたこと以外は実施例6と同様にしてエポキシ樹脂組
成物を製造し、成形して試験片を得、150℃で2時
間、165℃で2時間、さらに180℃で2時間、後硬
化を行った。この試験片を用いて、実施例6と同様の方
法により、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。その
結果、曲げ強度は13.4kgf/mm2 、曲げ弾性率
は1000kgf/mm2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、強化材および滑剤を使用
しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形して
試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定装
置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラス
転移温度は116℃であった。これらの結果を表3およ
び表4に示す。
【0043】比較例2 (1)機械的強度測定用試料の調製および評価 エポキシ樹脂(o−クレゾールノボラックとエピクロル
ヒドリンとを反応させて得られるグリシジル型化合物、
大日本インキ化学工業社製エピクロンN−665、エポ
キシ当量は211)を100部、硬化剤としてフェノー
ルノボラック(水酸基当量は106)を50.0部(エ
ポキシ樹脂のエポキシ基数と、硬化剤の水酸基数の合計
とが等量となるような量)、充填剤を450.0部と
し、さらに硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイ
ミダゾールを1.0部用いたこと以外は実施例14と同
様にしてエポキシ樹脂組成物を製造し、成形して試験片
を得、170℃で2時間、190℃で4時間後硬化を行
った。この試験片を用いて、実施例14と同様の方法に
より、シャルピー衝撃強度、曲げ強度および曲げ弾性率
を測定した。その結果、シャルピー強度は2.38kg
f・cm/cm2 、曲げ強度は11.5kgf/mm
2 、曲げ弾性率は1853kgf/mm2 であった。 (2)耐熱性測定用試料の調製および評価 (1)項における配合のうち、充填材および離型剤を使
用しない組成物を、(1)項と同様の方法で圧縮成形し
て試験片を得た。この試験片を用いて、動的粘弾性測定
装置によりガラス転移温度を測定した。その結果、ガラ
ス転移温度は145℃であった。これらの結果を表5お
よび表6に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】実施例および比較例から明らかなように、
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤は、エポキシ樹脂に配合
することにより硬化促進剤を用いなくとも速やかに硬化
し、その組成物の曲げ強度および曲げ弾性率のような機
械的強度が向上し、なおかつ、ガラス転移温度で示され
る耐熱性が向上するエポキシ樹脂組成物を与える。従っ
て、エポキシ樹脂と、本発明のエポキシ樹脂用硬化剤と
から成るエポキシ樹脂組成物は、機械的強度および耐熱
性の両者を必要とする分野に使用可能である。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、エポキシ樹脂に本発明
の硬化剤を配合することによって、硬化促進剤を用いる
ことなく速やかに硬化し、かつ機械的強度および耐熱性
が優れたエポキシ樹脂組成物を得ることができ、例え
ば、機械部品、電気・電子部品分野等の広い分野へ好適
に用いることができる。
フロントページの続き (72)発明者 福田 明徳 奈良県生駒市新生駒台6番21号 (72)発明者 大槻 勝一 大阪府東大阪市長堂3丁目6番1号 大八 化学工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (kは1又は2の整数、mは2以上の整数)で示される
    ヒドロキシフェニルマレイミドの単独重合体及び/又は 一般式(II) 【化2】 〔式中、kは1または2の整数、mとnはそれぞれ2以
    上の数、R1〜R4は水素原子、アルキル基、カルボキシ
    基、アルコキシカルボニル基、カルボニルメチル基、ア
    ルコキシカルボニルメチル基、シアノ基又はアリール基
    を意味する。〕で示されるヒドロキシフェニルマレイミ
    ドのビニル化合物との共重合体からなるエポキシ樹脂用
    硬化剤。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂とそれを硬化するに十分な
    量の請求項1に記載のエポキシ樹脂用硬化剤とからなる
    エポキシ樹脂組成物。
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