JPH06191604A - ボックス型パレット - Google Patents

ボックス型パレット

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JPH06191604A
JPH06191604A JP4346275A JP34627592A JPH06191604A JP H06191604 A JPH06191604 A JP H06191604A JP 4346275 A JP4346275 A JP 4346275A JP 34627592 A JP34627592 A JP 34627592A JP H06191604 A JPH06191604 A JP H06191604A
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hook
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box
lever
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ボックス体10に回転自在に取り付けられた
後向フック51の上部に連結レバー52の下端を固定
し、その連結レバー52の上端に連結ロッド55の前端
を回転自在に取り付けるとともに、連結ロッド55の後
端を操作レバー54の下部に回転自在に取り付ける。そ
して、操作レバー54の回転操作により、連結ロッド5
5を後退させて、フック51を連結レバー54を介して
係合解除方向に回転させるようにする。 【効果】 連結レバー54等によって規定される梃の作
用により、小さい操作力によってもフック51に多大な
回転力が発生する。このため、フック51に底蓋20等
の荷重が加わってフック51とフック受金具22との間
に多大な摩擦力が発生するような場合でも、両者間の係
合をスムーズに解除でき、パレット吊持状態において
も、底蓋20を簡単に開くことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば工場廃棄物の
一時収納や、パーツの搬送等に使用されるボックス型パ
レットに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、工場廃棄物の一時収納用としてボ
ックス型パレットの需要が増加している。ボックス型パ
レットは、上下両端が開放されたボックス体の下端後縁
部に、底蓋の後縁部が回転自在に取り付けられて、底蓋
によりボックス体の下端開口部が開閉自在となるように
構成されている。そのようなパレットを工場内に載置し
て、工場で発生した廃棄物をボックス型パレット内に収
納しておく。そして、廃棄物を工場から搬出するために
トラックに積み込む場合には、例えばフォークリフトト
ラックによりボックス型パレットを持ち上げてトラック
荷台上に載置し、ボックス型パレットをその底蓋を開放
させながら上方に持ち上げ、パレット内の廃棄物をトラ
ック荷台上に落とし込むようにして積み込む。
【0003】このようなボックス型パレットの底蓋を閉
成状態にロックする底蓋ロック装置としては、例えば特
公昭52−23489号公報に開示されている。この底
蓋ロック装置では、底蓋側にフック受金具が固定される
一方、ボックス体側に揺動自在に取り付けられたフック
を前記フック受金具に係合させて、底蓋をロックするよ
うにしている。またこの装置では、フックを係合解除方
向に揺動させるためのカムが取り付けられており、操作
レバーを介してカムを回転させてフックを揺動させるこ
とにより、フックとフック受金具との係合を解除し、こ
うして底蓋を開くようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記底
蓋ロック装置において、パレットを吊持した状態では、
底蓋の荷重の多くは、フックのフック受金具との係合部
に加わり、特にパレット内に廃棄物が収納されている
と、その廃棄物の荷重もフックに加わって、フックとフ
ック受金具とは相互に強い力で圧接されて両者間に多大
な摩擦力が発生する。このため、フックを揺動させてフ
ック受金具との係合を解除する際に、多大な操作力を必
要とし、底蓋を開く時の操作性を良好に確保できないと
いう問題があった。
【0005】一方、一般にボックス型パレットでは、底
蓋を開いた時に、底蓋後端部をボックス体側の受止部位
に当接させて、底蓋を所定の開き角度に保持するように
しているが、底蓋を開いた時に底蓋および収納廃棄物の
荷重がボックス体側の受止部位に瞬時に集中して加わ
り、その部位が早期に劣化する。したがって、底蓋受止
部位の早期劣化を防止して、耐久性を向上させることが
従来より望まれている。
【0006】さらに近年になって、複数のボックス型パ
レットを多段に積み重ねて使用するような場合、上下の
パレット間での位置決め、特に水平四方向すべての位置
決めを図ることができる手段の開発等も望まれている。
【0007】この発明の第1の目的は、上記従来技術の
問題を解消し、底蓋を開いた時の操作性を良好に確保で
きて、例えばパレット吊持状態においても、底蓋を簡単
に開くことができるボックス型パレットを提供すること
である。
【0008】この発明の第2の目的は、上記第1の目的
を達成した上でさらに、耐久性を向上させることができ
るボックス型パレットを提供することである。
【0009】この発明の第3の目的は、上記第1または
第2の目的を達成した上でさらに、多段に積み重ねて使
用する際に、上下間での位置決めをスムーズに行うこと
ができるボックス型パレットを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、請求項1記載の発明は、上下両端が開放された
ボックス体の下端後縁部に、底蓋の後縁部を回転自在に
取り付けて、その底蓋により前記ボックス体の下端開口
部を開閉自在に構成したボックス型パレットであって、
前記底蓋の側部前端にフック受具が固定され、前記ボッ
クス体の側板外面における下縁部前端に後向フックの上
部が回転自在に取り付けられるとともに、付勢機構の付
勢力によって後方に回転付勢された前記後向フックに前
記フック受具が係合されることにより、前記底蓋が閉成
状態にロックされる一方、操作レバーの下端が前記ボッ
クス体の側板外面における下縁部後端に回転自在に取り
付けられるとともに、前記後向フックの上端に連結レバ
ーの下端が取り付けられる一方、連結ロッドの前端が前
記連結レバーの上端に回転自在に取り付けられるととも
に、前記連結ロッドの後端が前記操作レバーの下部に回
転自在に取り付けられて、前記操作レバーの回転操作に
より、前記連結ロッドを後退させて、前記連結レバーを
前記後向フックとともに前記付勢機構の付勢力に抗して
回転させて、前記フック受具の前記後向フックへの係合
を解除するようになされている。
【0011】上記第2の目的を達成するため、請求項2
記載のボックス型パレットは、請求項1記載の発明にお
いて、前記底蓋の下面側における後部両側に当り金具が
取り付けられる一方、前記ボックス体の下端後縁部に固
定された後脚部の両側に、ストッパープレートの一縁部
がそれぞれ溶接されるとともに、各ストッパープレート
の他縁部が前記ボックス体の下端両側にそれぞれ溶接さ
れ、前記ストッパープレートの前記当り金具に対向する
領域に、それぞれ緩衝部材を取り付けて、前記底蓋が開
いた状態では、前記当り金具が前記緩衝部材を介してス
トッパープレートに当接して、前記底蓋が所定の開き角
度で保持されるようになされている。
【0012】上記第3の目的を達成するため、請求項3
記載のボックス型パレットは、請求項1または2記載の
発明において、前記ボックス体の前板および後板のそれ
ぞれの両側位置にフォーク差込孔が形成される一方、前
記底蓋の下面前縁部に固定された前脚部と、前記底蓋の
下面両側縁部にそれぞれ固定された両側脚部と、前記後
脚部とで形成される4つのコーナー部内側にそれぞれ対
応して、前記ボックス体上端の4つのコーナー部内側
に、略上方に向けて突出するように位置決め部材がそれ
ぞれ取り付けられている。
【0013】
【作用】請求項1記載のボックス型パレットにおいて
は、底蓋側のフック受具に対応せさてボックス体側に後
向フックを回転自在に取り付けるとともに、そのフック
の上端に連結レバーの下端を固定し、連結レバーの上端
に連結ロッドの前端を回転自在に取り付けるとともに、
連結ロッドの後端を操作レバーの下部に回転自在に取り
付けて、操作レバーの回転操作により、連結ロッドを後
退させて、後向フックを連結レバーを介して係合解除方
向へ回転させるようになされている。このため、連結レ
バー等によって規定される梃の作用により、小さい操作
力によってもフックに多大な回転力が発生する。
【0014】請求項2記載のボックス型パレットにおい
ては、底蓋の下面両側後部に当り金具を取り付ける一
方、その当り金具を受け止めるためのストッパープレー
トを、ボックス体の下端および後脚部の2か所に溶接し
ているため、当り金具が当接してストッパープレートに
底蓋等の荷重が加わったときに、その荷重はボックス体
の下端と後脚部とに分散する。しかも、ストッパープレ
ートの当り金具との当接領域に緩衝部材を取り付けてい
るため、当り金具の当接時におけるストッパープレート
への衝撃力が緩和される。
【0015】請求項3記載のボックス型パレットにおい
ては、前脚部、両側脚部および後脚部とで形成される4
つのコーナー部内側にそれぞれ対応して、ボックス体上
端の4つのコーナー部内側に、位置決め部材をそれぞれ
取り付けているため、複数のボックス型パレットを積み
重ねる際に、下側のパレットの4つの位置決め部材が上
側のパレットの前脚部、両側脚部および後脚部によって
形成される4つのコーナー部内側にそれぞれ係止するこ
とになる。
【0016】
【実施例】図1はこの発明の一実施例であるボックス型
パレットを示す斜視図、図2はそのパレットの側面図で
ある。両図に示すように、このパレットは、ボックス体
(10)と、底蓋(20)とを有している。ボックス体
(10)は、上下両端が開放された角筒状に形成されて
おり、前板(10a)、両側板(10b)および後板
(10c)とで構成される一方、底蓋(20)は、ボッ
クス体(10)の下端開口部の形状に倣って方形状に形
成されている。ボックス体(10)の下端にはその後縁
に沿って蝶番軸(11)が取り付けられており、この軸
(11)に底蓋(20)の後縁部が回転自在に取り付け
られ、これによりボックス本体(10)の下端開口部を
底蓋(20)により開閉できるように構成される。
【0017】ボックス本体(10)の下端後縁部には、
後脚部(33)が溶接処理により固定される。さらに底
蓋(20)の下面前縁部には、前脚部(31)が溶接処
理により固定されるとともに、底蓋(20)の下面両側
部には、それらの後端を除いて両側脚部(32)がそれ
ぞれ溶接処理により固定される。底蓋(20)の下面両
側部において、その後端位置から両側脚部(32)の後
端面にかけて厚さ16mmのL字型当り金具(40)が
溶接処理により取り付けられている。
【0018】図3に示すように、ボックス体(10)の
下端両側部の後端には、厚さ4.5mmのストッパープ
レート(41)の上縁が溶接処理により固定される。ス
トッパープレート(41)は、前記当り金具(40)を
外側方から被覆するように配置されており、当り金具
(40)に対向する領域が内方に折り曲げられ、その折
曲片(41a)の先端縁が、ボックス体(10)の後脚
部(33)の両側端面に溶接処理により固定される。こ
のとき、ストッパープレート(41)の折曲片(41
a)は所定の傾斜角度で前方に向けて傾斜するように配
置されている。さらに折曲片(41a)の傾斜面上に
は、硬質ウレタンゴム等からなる緩衝部材(42)がボ
ルト等の固着具(43)により固定されている。なお図
1および図2において、ボックス型パレットの図示され
ていない反対側の側面も、上記と同様に構成されてい
る。
【0019】この構成により、ボックス型パレットが吊
持された状態で、図1ないし図3に示すように底蓋(2
0)が開くと、当り金具(40)(40)が緩衝部材
(42)(42)をそれぞれ介してストッパープレート
(41)(41)にそれぞれ当接して支持され、底蓋
(20)が所定の開き角度に保持されることとなる。
【0020】底蓋(20)の上面両側縁部には、それら
の縁部に沿って立ち上がるようにして、ガイドプレート
(21)(21)が固定される。さらに、前脚部(3
1)の両側端面には、それぞれフック受金具(22)が
側方にそれぞれ突出するようにして固定されるととも
に、各フック受金具(22)の上方に配置されるガイド
板(23)(23)は、前方にそれぞれ傾斜する姿勢
で、前脚部(31)の両側端面に固定されている。
【0021】一方図1、図2および図4に示すように、
ボックス体(10)の下端前縁部には、その前縁部に沿
って回転軸(24)が回転自在に取り付けられる。この
回転軸(24)の両端には、前記フック受金具(22)
(22)にそれぞれ対応してフック(51)(51)の
上部がそれぞれ固定されて、各フック(51)(51)
の下端に形成された係合片(51a)(51a)がそれ
ぞれ後方に向くように配置される。この場合、両フック
(51)(51)は、回転軸(50)の回転に伴ってそ
の軸(50)を支点として相互に同期しながら、ボック
ス体(10)の両側面に沿って回転するように構成され
ている。
【0022】また、ボックス体(10)の一側面側にお
いて、フック(51)の上端には、連結レバー(52)
の下端が固定される。一方、ボックス体(10)の一側
面側における下端後部には、支持部材(53)が固定さ
れており、この支持部材(53)に操作レバー(54)
の下端が回転自在に取り付けられて、操作レバー(5
4)がその下端を支点としてボックス体(10)の一側
面に沿って回転できるように構成される。さらに、操作
レバー(54)の下部には、連結ロッド(55)の後端
が回転自在に取り付けられるとともに、その連結ロッド
(55)の前端が連結レバー(52)の上端に回転自在
に取り付けられる。
【0023】また、連結ロッド(55)の略中央下方位
置にはシリンダ(56)等からなる付勢機構が配置され
ている。すなわち、ボックス体(10)の一側面には、
シリンダ(56)が後向きの状態で固定されている。こ
のシリンダ(56)の内部には図示しない引張ばねが収
容されるとともに、その引張ばねの付勢力によりシリン
ダロッドが収納方向に付勢されている。さらにシリンダ
ロッドの先端は連結部材(57)を介して連結ロッド
(55)の略中央部に連結され、これにより連結ロッド
(55)がシリンダ(56)内の引張ばねの付勢力によ
り前方に向けて進出付勢される。
【0024】そして図2および図4の実線に示すよう
に、底蓋(20)を閉成した状態では、シリンダ(5
6)による連結ロッド(55)の進出付勢により、連結
レバー(52)が後向フック(51)(51)ととも
に、図2の紙面に向かって反時計方向、すなわち係合方
向に回転付勢されて、フック(51)(51)の係合片
(51a)(51a)に底蓋(20)側のフック受金具
(22)(22)が係合される。これにより、底蓋(2
0)が閉成状態にロックされる。
【0025】またこの底蓋ロック状態から、図4の想像
線に示すように、操作レバー(54)を、シリンダ(5
6)の付勢力に抗して、図2の紙面に向かって時計方向
に所定量、回転操作すると、連結ロッド(55)が後退
して、連結レバー(52)がフック(51)(51)と
ももに、図2の時計方向、すなわち係合解除方向に回転
し、フック(51)(51)のフック受金具(22)
(22)への係合がそれぞれ解除される。このとき、ボ
ックス型パレットが吊持されていると、底蓋(20)は
自重により開くことになる。
【0026】なお先述したように、底蓋(20)は開放
時に所定の開き角度で保持されているため、この状態の
ままボックス型パレットを地上に降ろすと、底蓋(2
0)の前脚部(31)が地面により上方に押し上げられ
て、底蓋(20)が閉成する。このとき、フック受金具
(22)(22)の上方に配置されたガイド部材(2
3)(23)の傾斜面に沿って、フック(51)(5
1)が一旦係合解除方向に回転した後、係合片(51
a)(51a)がフック受金具(22)(22)を乗り
越えたところで、シリンダ(56)の付勢力により、フ
ック(51)(51)が係合方向に回転して、フック
(51)(51)の係合片(51a)(51a)にフッ
ク受金具(22)(22)が係合される。このように底
蓋(20)の閉成と同時に、底蓋(20)がロックされ
る。
【0027】図5および図6に示すように、操作レバー
(54)の下端後方位置には、ストッパー(61)等か
らなる安全装置が設けられる。ストッパー(61)は、
変形扇状に形成されており、その外周部が、短辺部(6
6)と、その短辺部(66)よりも長い寸法に設定され
た長辺部(67)と、短辺部(66)および長辺部(6
7)を略円弧状に結ぶ弧部(68)とで構成されてい
る。さらに、ストッパー(61)には、弧部(68)の
長辺部(67)側の端部に回転過多防止用突起(64)
が形成されるとともに、一主面に操作用レバー(65)
が突設される。そして、ストッパー(61)の短辺部
(66)および長辺部(67)が交わる部分で規定され
る頂部(62)が、ボックス体(10)の一側面に支持
軸(70)を介して回転自在に取り付けられて、ストッ
パー(61)がボックス体(10)の一側面に沿って回
転自在に構成される。この場合、ストッパー(61)
は、その短辺部(66)が、長辺部(67)に対し、図
5の紙面に向かって反時計方向側に位置するように配置
されて、弧部(68)の支持軸(70)からの距離が時
計方向に向かうにしたがって、増加するように構成され
ている。
【0028】そして、図5の実線に示すように、操作用
レバー(65)を手で摘んで、ストッパー(61)を同
図反時計方向に回転させて、ストッパー(61)を支持
軸(70)と操作レバー(54)との間に介入させる
と、操作レバー(54)がストッパー(61)および支
持軸(70)を介してボックス体(10)に係止され
て、操作レバー(54)の後方への移動が規制されると
ともに、フック(51)の係合解除方向への回転および
連結ロッド(55)の後退もそれぞれ規制されて、底蓋
(20)の開放が規制される。またその底蓋開放規制状
態から、図5の想像線に示すようにストッパー(61)
を同図時計方向に回転させると、操作レバー(54)と
支持軸(70)との間からストッパー(61)が抜け出
して、操作レバー(54)の移動規制が解除されて、操
作レバー(54)の操作により底蓋(20)を開くこと
ができる状態となる。この場合、ストッパー(61)が
時計方向に勢い良く回転して、ストッパー(61)が、
下方側から操作レバー(54)および支持軸(70)間
に介入してようとしても、回転過多防止用突起(64)
が支持部材(53)に当接することにより、下方側から
ストッパー(61)が操作レバー(54)および支持軸
(70)間へ介入するのを防止できる。
【0029】ところで、ストッパー(61)は前記した
ように変形扇状に形成して、短辺部(66)を、操作レ
バー(54)および支持軸(70)間への介入方向側に
配置するとともに、長片部(67)を介入方向に対し反
対側に配置しているため、ストッパー(61)が操作レ
バー(54)および支持軸(70)間に介入した底蓋開
放規制状態において、例えばボックス型パレットに振動
等が発生した場合、その振動によりストッパー(61)
は、自重により下方に位置ずれしていく。このとき、前
記したように弧部(68)の支持軸(70)からの距離
が図5の時計方向に向かうにしたがって増加するため、
操作レバー(54)はストッパー(61)の弧部(6
8)に沿って前方に押し込まれていき、底蓋(20)の
開放をより確実に規制することとなる。このように振動
等に対しても、ストッパー(61)による開放規制状態
が解除されることはなく、充分な安全性を具備してい
る。
【0030】図7にボックス型パレットの上部の斜視図
を示す。同図に示すように、ボックス体(10)の前板
(10a)および後板(10c)には、それぞれ両側位
置にフォークリフトトラックのフォークを挿脱自在なフ
ォーク差込孔(12)が形成される。さらにボックス体
(10)上端の4つのコーナー部のやや内側に、吊金具
を兼用する段積時位置決め部材(13)がそれぞれ略上
方に突出するようにして取り付けられている。この位置
決め部材(13)は、クレーン等による吊り上げ時に吊
金具として利用できることはもちろんのこと、図7の想
像線に示すように複数のボックス型パレットを積み重ね
る際に、下側のパレットの4つの位置決め部材(13)
が、上側のパレットの前脚部(31)、両側脚部(3
2)および後脚部(33)によって形成される4つのコ
ーナー部内側にそれぞれ係止することにより、水平四方
向の位置決めがすべて図られることになる。
【0031】なお、図1において、(80)は操作レバ
ー(54)を遠隔から操作するための紐、(81)は操
作レバー(54)の操作方向をガイドするとともに、操
作量を規制するためのガイド部材である。
【0032】このボックス型パレットを、例えば工場の
廃棄物一時収納用として使用する場合には、底蓋(2
0)を閉成するとともに、ストッパー(61)を図6の
実線に示すように開放規制状態にセットし、その状態で
工場内に載置しておく。そして、工場で発生した廃棄物
をボックス型パレットの上端開口部からパレット内に収
納する。この収納時において、このボックス型パレット
では、ボックス体(10)の上端の4コーナー部にそれ
ぞれ位置決め部材(13)を取り付けているため、廃棄
物の収納作業をスムーズに行える。すなわち、仮に位置
決め部材が前板および後板の中央近くに取り付けられて
いると、その位置決め部材に廃棄物が当接することによ
り廃棄物の収納が妨げられるが、このパレットでは、位
置決め部材(13)がコーナー部に位置しているため、
収納時に廃棄物が位置決め部材(13)に当接すること
はほとんどなく、廃棄物の収納作業をスムーズに行うこ
とができる。
【0033】次に、ボックス型パレット内に収納された
廃棄物を、工場外に排出するためにトラックの荷台に積
み込む場合、ストッパー(61)を回転させて図6の想
像線に示すように開放許容状態に設定してから、フォー
クリフトトラックのフォークを、ボックス型パレットの
フォーク差込孔(12)内に差し込んで、ボックス型パ
レットを、トラック荷台の上方まで持ち上げる。そし
て、操作レバー(54)をそれに接続された紐(80)
を介して後方に引っ張って、底蓋(20)を開く。この
場合、フック(51)の上端に連結レバー(52)の下
端を回転自在に取り付けて、連結レバー(52)の回転
によりフック(51)を係合解除方向に回転させるよう
にしているため、連結レバー(52)等によって規定さ
れる梃の作用により、小さい操作力によってもフック
(51)に多大な回転力を発生させることができる。こ
のため、フック(51)に底蓋(20)および廃棄物の
荷重が加わって、フック(51)とフック受金具(2
2)との間に多大な摩擦力が発生するような場合でも、
両者間の係合をスムーズに解除できる。したがって、バ
ックス型パレットを吊持したままの状態であっても、底
蓋(20)を開くことができる等、底蓋を開く時の操作
性を良好に確保できる。もっとも、底蓋(20)の開く
場合、必ずしもパレットを吊持した状態で行う必要はな
く、パレットをトラック荷台上に載置した状態で底蓋
(20)のロックを解除して、パレットを持ち上げなが
ら底蓋(20)を開くようにしてもよい。
【0034】こうして、底蓋(20)が開放されると、
ボックス型パレット内に収納された廃棄物がボックス体
(10)の下端開口部から落とし出されて、底蓋(2
0)の上面を滑り落ちてトラック荷台上に積み込まれ
る。このとき、底蓋(20)の上面両側縁部にはガイド
プレート(21)(21)が取り付けられているため、
そのガイドプレート(21)(21)により廃棄物の散
乱が防止されて、廃棄物を荷台上の所望位置に正確にガ
イドすることができる。
【0035】また、底蓋(20)の下面両側後部に当り
金具(40)を取り付ける一方、その当り金具(40)
を受け止めるストッパープレート(41)を、ボックス
体(10)の下端および後脚部(33)の2か所に溶接
しているため、当り金具(40)が当接してストッパー
プレート(41)に底蓋(20)および廃棄物の荷重が
加わったときに、その荷重はボックス体(10)の下端
と後脚部(33)とに分散される。このため、荷重の局
部集中が回避され、ストッパープレート(41)等の底
蓋支持部位の早期劣化が防止されて耐久性能が向上す
る。しかも、ストッパープレート(41)の当り金具
(40)との当接領域に硬質ウレタンゴム等の緩衝部材
(42)を取り付けているため、その緩衝部材(42)
により、当り金具(40)の当接時におけるストッパー
プレート(41)への衝撃力が緩和されて、この点から
もストッパープレート(41)の早期劣化が防止され
て、一層耐久性が向上する。
【0036】廃棄物をトラックの荷台上に積み込んだ後
は、前記したようにボックス型パレットを、荷台上に一
旦下ろして底蓋(20)を閉成してから、所定箇所に戻
すことになる。
【0037】なお、このような廃棄物の処理において、
フォークリフトトラックに代えて、クレーンを使用する
場合には、クレーンのフックをボックス型パレット上端
の位置決め部材(13)に掛止して、パレットの昇降お
よび水平移動を行うようにすればよい。
【0038】一方、工場に載置したボックス型パレット
を、例えばフォークリフトトラック等を利用して配置位
置を変更する場合、パレット搬送中にボックス型パレッ
トのフック(51)、連結レバー(52)、操作レバー
(54)および連結ロッド(55)等の底蓋開放機構
が、作業者の身体や周辺機器等に誤って接触したとして
も、ストッパー(61)を図5の実線に示す底蓋開放規
制状態にセットしておけば、底蓋開放機構の作動が防止
されて、底蓋(20)が不用意に開くを防止できる。
【0039】なお、上記実施例においては、ボックス型
パレットを、廃棄物処理用として使用しているが、それ
だけに限られず、パーツ等の小物搬送用としても使用で
きる。
【0040】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載のボックス
型パレットによれば、底蓋側のフック受具に対応せさて
ボックス体側に後向フックを回転自在に取り付けるとと
もに、そのフックの上端に連結レバーの下端を固定し、
連結レバーの上端に連結ロッドの前端を回転自在に取り
付けるとともに、連結ロッドの後端を操作レバーの下部
に回転自在に取り付けて、操作レバーの回転操作によ
り、連結ロッドを後退させて、後向フックを連結レバー
を介して係合解除方向へ回転させるようにしているた
め、連結レバー等によって規定される梃の作用により、
小さい操作力によってもフックに多大な回転力が発生す
る。このため、底蓋を開く時の操作性を良好に確保で
き、例えばフックに底蓋等の荷重が加わってフックとフ
ック受具との間に多大な摩擦力が発生するような場合で
も、両者間の係合をスムーズに解除できるので、パレッ
ト吊持状態においても、底蓋を簡単に開くことができ
る。
【0041】請求項2記載のボックス型パレットによれ
ば、底蓋の下面両側後部に当り金具を取り付ける一方、
その当り金具を受け止めるためのストッパープレート
を、ボックス体の下端および後脚部の2か所に溶接して
いるため、当り金具が当接してストッパープレートに底
蓋等の荷重が加わったときに、その荷重はボックス体の
下端と後脚部とに分散するので、荷重の局部集中が回避
され、ストッパープレート等の底蓋受止部位の早期劣化
が防止されて耐久性が向上する。しかも、ストッパープ
レートの当り金具との当接領域に緩衝部材を取り付けて
いるため、当り金具の当接時におけるストッパープレー
トへの衝撃力が緩和されて、この点からもストッパープ
レートの早期劣化が防止されて、一層耐久性が向上す
る。
【0042】請求項3記載のボックス型パレットによれ
ば、前脚部、両側脚部および後脚部とで形成される4つ
のコーナー部内側にそれぞれ対応して、ボックス体上端
の4つのコーナー部内側に、位置決め部材をそれぞれ取
り付けているため、複数のボックス型パレットを積み重
ねる際に、下側のパレットの4つの位置決め部材が上側
のパレットの前脚部、両側脚部および後脚部によって形
成される4つのコーナー部内側にそれぞれ係止すること
により、水平四方向の位置決めをすべて図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるボックス型パレット
を示す斜視図である。
【図2】実施例のボックス型パレットを示す側面図であ
る。
【図3】実施例のボックス型パレットの下端後側の一コ
ーナー部を示す斜視図である。
【図4】実施例のボックス型パレットの底蓋開放機構を
示す斜視図である。
【図5】実施例のボックス型パレットのストッパー周辺
部を示す側面図である。
【図6】実施例のボックス型パレットのストッパーを示
す斜視図である。
【図7】実施例のボックス型パレットの上部を示す斜視
図である。
【符号の説明】
10…ボックス体 10a…前板 10c…後板 12…フォーク差込孔 13…位置決め部材 20…底蓋 22…フック受金具 40…当り金具 41…ストッパープレート 42…緩衝部材 51…フック 52…連結レバー 55…連結ロッド 56…シリンダ(付勢機構) 54…操作レバー
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】また、連結ロッド(55)の略中央下方位
置にはシリンダ(56)等からなる付勢機構が配置され
ている。すなわち、ボックス体(10)の一側面には、
シリンダ(56)が後向きの状態で固定されている。こ
のシリンダ(56)の内部には図示しない引張ばねが収
容されるとともに、その引張ばねの付勢力によりシリン
ダロッドが収納方向に付勢されている。さらにシリンダ
ロッドの先端は連結部材(57)を介して連結ロッド
(55)の略中央部に連結され、これにより連結ロッド
(55)がシリンダ(56)内の引張ばねの付勢力によ
り前方に向けて進出付勢される。なお付勢機構は、当然
のことながらこのような構成のものだけに限られず、オ
イルダンパ、ガススプリングを利用したものの他、従来
から周知の弾性部材等を利用したものによって構成して
もよいことはもちろんである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】一方、工場に載置したボックス型パレット
を、例えばフォークリフトトラック等を利用して配置位
置を変更する場合、パレット搬送中にボックス型パレッ
トのフック(51)、連結レバー(52)、操作レバー
(54)および連結ロッド(55)等の底蓋開放機構
が、作業者の身体や周辺機器等に誤って接触したとして
も、ストッパー(61)を図5の実線に示す底蓋開放規
制状態にセットしておけば、底蓋開放機構の作動が防止
されて、底蓋(20)が不用意に開くを防止できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下両端が開放されたボックス体の下端
    後縁部に、底蓋の後縁部を回転自在に取り付けて、その
    底蓋により前記ボックス体の下端開口部を開閉自在に構
    成したボックス型パレットにおいて、 前記底蓋の側部前端にフック受具が固定され、 前記ボックス体の側板外面における下縁部前端に後向フ
    ックの上部が回転自在に取り付けられるとともに、付勢
    機構の付勢力によって後方に回転付勢された前記後向フ
    ックに前記フック受具が係合されることにより、前記底
    蓋が閉成状態にロックされる一方、 操作レバーの下端が前記ボックス体の側板外面における
    下縁部後端に回転自在に取り付けられるとともに、前記
    後向フックの上端に連結レバーの下端が取り付けられる
    一方、連結ロッドの前端が前記連結レバーの上端に回転
    自在に取り付けられるとともに、前記連結ロッドの後端
    が前記操作レバーの下部に回転自在に取り付けられて、
    前記操作レバーの回転操作により、前記連結ロッドを後
    退させて、前記連結レバーを前記後向フックとともに前
    記付勢機構の付勢力に抗して回転させて、前記フック受
    具の前記後向フックへの係合を解除するようになされて
    いることを特徴とするボックス型パレット。
  2. 【請求項2】 前記底蓋の下面側における後部両側に当
    り金具が取り付けられる一方、 前記ボックス体の下端後縁部に固定された後脚部の両側
    に、ストッパープレートの一縁部がそれぞれ溶接される
    とともに、各ストッパープレートの他縁部が前記ボック
    ス体の下端両側にそれぞれ溶接され、 前記ストッパープレートの前記当り金具に対向する領域
    に、それぞれ緩衝部材を取り付けて、前記底蓋が開いた
    状態では、前記当り金具が前記緩衝部材を介してストッ
    パープレートに当接して、前記底蓋が所定の開き角度で
    保持されるようになされた請求項1記載のボックス型パ
    レット。
  3. 【請求項3】 前記ボックス体の前板および後板のそれ
    ぞれの両側位置にフォーク差込孔が形成される一方、 前記底蓋の下面前縁部に固定された前脚部と、前記底蓋
    の下面両側縁部にそれぞれ固定された両側脚部と、前記
    後脚部とで形成される4つのコーナー部内側にそれぞれ
    対応して、前記ボックス体上端の4つのコーナー部内側
    に、略上方に向けて突出するように位置決め部材がそれ
    ぞれ取り付けられてなる請求項1または2記載のボック
    ス型パレット。
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