JPH06190856A - 発泡射出成形方法 - Google Patents

発泡射出成形方法

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JPH06190856A
JPH06190856A JP4347043A JP34704392A JPH06190856A JP H06190856 A JPH06190856 A JP H06190856A JP 4347043 A JP4347043 A JP 4347043A JP 34704392 A JP34704392 A JP 34704392A JP H06190856 A JPH06190856 A JP H06190856A
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JP
Japan
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molten resin
heat generation
injection
cavity
injection molding
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Application number
JP4347043A
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English (en)
Inventor
Katsutoshi Sakashita
勝敏 坂下
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒケ等が無く外観品質がより向上された発泡
成形品を安価に成形する。 【構成】 シリンダ15から金型12キャビティ18内
に発泡剤が添加されている溶融樹脂をロータリーバルブ
20のバルブ開度を調整することによりその溶融樹脂に
生起される剪断発熱の発熱量を小さくするように制御し
て射出充填し、このキャビティ18内に前記溶融樹脂を
ロータリーバルブ20のバルブ開度を調整することによ
りその溶融樹脂に生起される剪断発熱の発熱量を大きく
するように制御して射出充填した後、さらにそのキャビ
ティ18内に前記溶融樹脂をロータリーバルブ20のバ
ルブ開度を調整することによりその溶融樹脂に生起され
る剪断発熱の発熱量を小さくするように制御して射出充
填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡成形品の成形に適
用される発泡射出成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、TVのキャビネット,OA機器の
ハウジング,自動車の内外装部品,家具等として発泡成
形品が広く用いられている。この発泡成形品の成形法と
しては次のような成形法が知られている。 (1)射出ユニットにて発泡剤が添加されている溶融樹
脂をその発泡剤の分解開始温度以上の温度に加熱し、こ
の加熱された溶融樹脂を金型のキャビティ内に射出充填
する成形法(発泡射出成形:森隆「初歩のプラスチック
成形加工」(1985-5-20) 工業調査会 p.63-64)。 (2)2基の射出ユニットを具える射出成形機を用い、
一方の射出ユニットに発泡剤が添加されていない溶融樹
脂(発泡剤無添加溶融樹脂)を蓄積するとともに、他方
の射出ユニットに発泡剤が添加されている溶融樹脂(発
泡剤添加溶融樹脂)を蓄積し、かつその他方の射出ユニ
ットを前記発泡剤の分解開始温度以上の温度に加熱した
後、まず前記一方の射出ユニットから発泡剤無添加溶融
樹脂を金型のキャビティ内に射出充填してその発泡剤無
添加溶融樹脂により成形品の表層(スキン層)を形成
し、次にそのキャビティ内に前記他方の射出ユニットか
ら発泡剤添加溶融樹脂を射出充填してその発泡剤添加溶
融樹脂により前記成形品の芯材(コア)を形成する成形
法(サンドイッチ成形法:「プラスチックエージ」1990
年 3月号 p.161-162)。この成形法によれば、発泡剤無
添加溶融樹脂により成形品の緻密なスキン層が形成さ
れ、このスキン層がコアを形成する発泡剤添加溶融樹脂
の発泡圧により金型の内壁面側に押圧されることになる
ため、ヒケ等が無く外観の良い成形品が得られる。 (3)射出ユニットにて発泡剤が添加されている溶融樹
脂をその発泡剤の分解開始温度未満の温度に加熱し、こ
の加熱された溶融樹脂に溶融樹脂供給流路に設けられる
流路抵抗により剪断発熱を生起させつつその溶融樹脂を
金型のキャビティ内に射出充填する成形法(米国特許第
3776989号明細書)。この成形法によれば、溶融樹脂供
給流路にて流路抵抗により剪断発熱が生起された溶融樹
脂は前記キャビティ内にて発泡するがその溶融樹脂の金
型の内壁面に接する部分は瞬時に冷却固化されることに
なるためほとんど発泡しない。したがって、このほとん
ど発泡しない溶融樹脂により成形品のスキン層が形成さ
れるためその成形品の外観は比較的良くなる。また、前
記溶融樹脂供給流路に設けられる流路抵抗により前記溶
融樹脂に剪断発熱を生起させてその溶融樹脂を発泡させ
ているため、比較的安価に成形品を成形することができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述さ
れた成形法では次のような問題点がある。(1)に記載
された成形法(発泡射出成形)では、射出ユニットにて
発泡剤が添加されている溶融樹脂がその発泡剤の分解開
始温度以上の温度に加熱されているためその射出ユニッ
トにて既に前記溶融樹脂の発泡が起こっている。このた
め、この発泡した溶融樹脂が金型のキャビティ内に射出
充填されて成形品の表面に現出し、この成形品の表面に
シルバーストリーク(銀条)が発生するためその成形品
の表面が外観不良となる。さらに、この成形品に外観品
質が要求される場合にはその成形品の表面に対して研
磨,塗装等の後処理が必要となり生産性の低下とコスト
アップが避けられない。(2)に記載された成形法(サ
ンドイッチ成形法)では、ヒケ等が無く外観の良い成形
品が得られるが、2基の射出ユニットを必要とするた
め、射出成形機の構造が複雑になるとともにその射出成
形機が高価なものとなってコストアップを招く。(3)
に記載された成形法では、スキン層が僅かながら発泡し
ているため、成形品に対する外観品質の要求を十分に満
足できない。
【0004】本発明は、以上のような問題点に鑑みてな
されたものであって、ヒケ等が無く外観品質をより向上
させた発泡成形品を安価に成形することができる発泡射
出成形方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による発泡射出成
形方法は、第一に、発泡剤が添加されているとともにそ
の発泡剤の分解開始温度未満の温度で溶融されている溶
融樹脂を金型のキャビティ内に射出充填する際、この溶
融樹脂に剪断発熱を生起させることにより前記発泡剤を
熱分解させる発泡射出成形方法であって、射出充填初期
に前記剪断発熱の発熱量を小さくするように制御する工
程を行い、この後、少なくとも前記剪断発熱の発熱量を
大きくするように制御する工程を行うことを特徴とす
る。
【0006】また、本発明による発泡射出成形方法は、
第二に、発泡剤が添加されているとともにその発泡剤の
分解開始温度未満の温度で溶融されている溶融樹脂を金
型のキャビティ内に射出充填する際、この溶融樹脂に剪
断発熱を生起させることにより前記発泡剤を熱分解させ
る発泡射出成形方法であって、射出充填初期に前記剪断
発熱の発熱量を小さくするように制御する工程を行い、
この後、少なくとも前記剪断発熱の発熱量を大きくする
ように制御する工程を行った後、射出充填終期に前記剪
断発熱を小さくするように制御する工程を行うことを特
徴とする。
【0007】前記剪断発熱の発熱量の制御は、溶融樹脂
供給流路に設けられる流路抵抗によるその溶融樹脂供給
流路の流路面積の調整、前記溶融樹脂を前記キャビティ
内に射出充填する際の射出圧力,射出速度の調整により
行うようにするのがよい。
【0008】
【作用】本発明の第一の特徴を有する発泡射出成形方法
では、発泡剤が添加されているとともにその発泡剤の分
解開始温度未満の温度で溶融されている溶融樹脂が剪断
発熱を生起されつつ金型のキャビティ内に射出充填され
る際に、射出充填初期には前記剪断発熱の発熱量を小さ
くするように制御する工程が行われる。この工程では前
記溶融樹脂により成形品のスキン層が形成されるが、前
記剪断発熱の発熱量が小さくされているため前記発泡剤
が熱分解されず、これにより前記溶融樹脂は前記キャビ
ティ内にて発泡しないため、緻密なスキン層が形成され
ることになる。この後、前記剪断発熱の発熱量を大きく
するように制御する工程が行われる。この工程では前記
剪断発熱の発熱量が大きくされているため前記発泡剤が
熱分解され、これにより前記溶融樹脂は前記キャビティ
内にて発泡し、この発泡した溶融樹脂により前記成形品
のコアが形成される。こうして、発泡しない溶融樹脂に
より緻密なスキン層が形成され、このスキン層が前記コ
アを形成する発泡した溶融樹脂の発泡圧により金型の内
壁面側に押圧されるため、ヒケ等が無く外観品質が向上
された発泡成形品が得られる。また、前記剪断発熱の発
熱量を小さくするように制御する工程を行った後、例え
ば前記剪断発熱の発熱量を大きくするように制御する工
程もしくはその発熱量を大きくするように制御する工程
を、タイミングを制御しつつ順次に複数回行うことで、
成形品の形状,用途に応じてその成形品の所定箇所に前
記発泡した溶融樹脂を存在させることができ、これによ
りその成形品の所定箇所におけるヒケ等の生起が抑止さ
れる。
【0009】また、本発明の第二の特徴を有する発泡射
出成形方法では、前記の第一の特徴を有する発泡射出成
形方法と同様にして前記剪断発熱の発熱量を小さくする
ように制御する工程が行われ、この後、少なくとも前記
剪断発熱の発熱量を大きくするように制御する工程が行
われた後、射出充填終期に前記剪断発熱の発熱量を小さ
くするように制御する工程が行われる。この射出充填終
期に行われる工程では前記剪断発熱の発熱量が小さくさ
れているため前記発泡剤が熱分解されず、これにより前
記溶融樹脂は前記キャビティ内にて発泡せず、この発泡
しない溶融樹脂によりコアを形成している発泡した溶融
樹脂が被覆される。こうして、発泡した溶融樹脂が成形
品の表面に現出されなくなり、この成形品の外観品質を
より向上させることが可能となる。
【0010】ところで、前記剪断発熱による溶融樹脂の
温度上昇度は一般に次式で与えられる。 ΔT∝ΔP=f(η,r,Pi ,Vi ) 但し、ΔT:剪断発熱による溶融樹脂の温度上昇度 ΔP:流路抵抗部における圧力損失 η:溶融樹脂の粘度 r:流路抵抗部の形状係数 Pi :射出成形機の射出圧力 Vi :射出成形機の射出速度 この式から、剪断発熱による溶融樹脂の温度上昇度は流
路抵抗部における圧力損失に比例し、この圧力損失はそ
の溶融樹脂の粘度、流路抵抗部の形状係数、射出成形機
の射出圧力,射出速度により決定されることがわかる。
したがって、前記剪断発熱の発熱量の制御は、溶融樹脂
供給流路に設けられる流路抵抗によるその溶融樹脂供給
流路の流路面積の調整、前記溶融樹脂を前記キャビティ
内に射出充填する際の射出圧力,射出速度の調整により
行うと好適である。
【0011】
【実施例】次に、本発明による発泡射出成形方法の具体
的実施例について図面を参照しつつ説明する。
【0012】本発明の発泡射出成形方法が適用される射
出成形機の要部概略図が図1に示されている。この射出
成形機11は例えば型締め力:80t,射出容量:12
0mlの性能を有し、射出成形機本体11aと、この射
出成形機本体11aのノズル部12に接続される金型1
3とを具えている。
【0013】射出成形機本体11aは射出ユニット14
を具え、この射出ユニット14のシリンダ15は例えば
180℃の設定温度に加熱されている。このシリンダ1
5の上部には、発泡剤(例えばADCA(アゾジカルボ
ンアミド)系発泡剤,分解開始温度:200℃)が3p
hr(parts per hundred parts of resin)添加されて
いる溶融樹脂(例えばポリプロピレン(三井石油化学株
式会社製,J440))をそのシリンダ15内に供給す
るための材料ホッパ16が配設され、またそのシリンダ
15には前記溶融樹脂を混練してノズル部12に穿設さ
れる溶融樹脂供給流路(以下、流路と表記する。)17
を介して金型13の目的とする成形品容積に相応するキ
ャビティ容積を有するキャビティ18内に射出充填する
例えばダブルフライトタイプのスクリュー19が内装さ
れている。また、ノズル部12には流路抵抗としてのロ
ータリーバルブ20が配設され、このロータリーバルブ
20のバルブ開度を調整することにより流路17の流路
面積が変化される。なお、このロータリーバルブ20の
バルブ開度の制御は図示されない制御装置により行われ
る。
【0014】スクリュー19の基部はスクリュー回転モ
ータ21に接続され、これらスクリュー19およびスク
リュー回転モータ21は基盤22に取り付けられてい
る。この基盤22は駆動制御装置23により図1におい
て左右方向に駆動される、言い換えれば前記溶融樹脂の
キャビティ18内への射出充填等のためのスクリュー1
9のノズル部12に向かっての進退、さらにはシリンダ
15内の溶融樹脂を所定の射出圧力,射出速度でキャビ
ティ18内に射出充填するためのスクリュー19に対す
る所定の押圧力の付与等は駆動制御装置23により基盤
22を介して行われる。
【0015】金型13はノズル部12に接合している固
定金型24とキャビティ18を形成する中間金型25お
よび可動金型26とにより構成され、この可動金型26
の進退によりキャビティ18のキャビティ容積が拡縮さ
れる。なお、図中符号18aはゲート部である。この可
動金型26は圧縮シリンダ27のピストンロッド28に
係合され、このピストンロッド28は図示されない駆動
制御装置により図1において左右方向に駆動される。す
なわち、このピストンロッド28が右方向へ駆動される
と可動金型26は前進してキャビティ18のキャビティ
容積が縮小され、左方向へ駆動されると可動金型26は
後退してキャビティ18のキャビティ容積が拡大され
る。また、可動金型26の前面側すなわち中間金型25
側にはリターンピン29が設けられ、このリターンピン
29が可動金型26の前進の際にその中間金型25に当
接することにより可動金型26の前進を規制してキャビ
ティ18の目的とする成形品容積が確保されるようにな
っている。また、可動金型26の背後にはストッパ30
が設けられており、このストッパ30に可動金型26の
後退の際にその可動金型26が当接することによりその
可動金型26の後退を規制してキャビティ18のキャビ
ティ容積のさらなる拡大を規制している。
【0016】シリンダ15の設定温度は前記発泡剤の分
解開始温度未満の温度、好ましくはその分解開始温度よ
りも20℃程度低い温度とされる。これは、前記設定温
度が発泡剤の分解開始温度の近傍になるとシリンダ15
内にてその発泡剤の熱分解が進行する可能性があり、ま
た、前記設定温度が低くなりすぎると溶融樹脂の流動性
が低下するためである。
【0017】次に、このように構成された射出成形機1
1の作動について説明する。
【0018】(第一実施例)この第一実施例では、射出
成形機11の射出圧力,射出速度を通常の射出成形条件
に設定し、ロータリーバルブ20のバルブ開度を調整す
ることにより剪断発熱の発熱量を制御する場合について
説明する。
【0019】まず、公知の手段によりキャビティ18の
キャビティ容積が目的とする成形品容積となるように固
定金型24に対して中間金型25および可動金型26を
一体的に近づけて行き金型13の型閉じを行う。
【0020】次に、前記制御装置によりロータリーバル
ブ20のバルブ開度を100%(全開)に設定しつつシ
リンダ15からキャビティ18内に発泡剤が添加されて
いる溶融樹脂を射出充填する。この際、前記バルブ開度
が100%に設定されているため、流路17にて前記溶
融樹脂に生起される剪断発熱の発熱量は小さくなりその
溶融樹脂はキャビティ18内にて発泡しない。こうし
て、この発泡しない溶融樹脂により成形品の緻密なスキ
ン層が形成される。
【0021】次いで、この発泡しない溶融樹脂が射出充
填されたキャビティ18内に、前記制御装置によりロー
タリーバルブ20のバルブ開度を例えば30%に設定し
つつシリンダ15から前記溶融樹脂を射出充填する。こ
の際、前記バルブ開度が30%に設定されているため、
流路17にて前記溶融樹脂に生起される剪断発熱の発熱
量は大きくなりその剪断発熱によりその溶融樹脂に添加
されている発泡剤が熱分解し、この発泡剤の熱分解によ
り前記溶融樹脂がキャビティ18内にて発泡する。こう
して、この発泡した溶融樹脂により前記成形品のコアが
形成される。
【0022】ところで、このようなロータリーバルブは
図2に示されているようにそのバルブ開度に対応してそ
のロータリーバルブを通過する溶融樹脂に剪断発熱を生
起させてその溶融樹脂の温度を上昇させるものである。
したがって、バルブ開度を例えば30%に設定すれば前
記溶融樹脂が約60℃加熱されることになる。なお、こ
のようなロータリーバルブは図2からわかるようにバル
ブ開度を適宜設定することで例えば約80℃の範囲で前
記溶融樹脂の温度上昇度を制御することができる。な
お、このようなロータリーバルブにて溶融樹脂に生起さ
れる剪断発熱の発熱量はそのロータリーバルブを通過す
る溶融樹脂の種類,このロータリーバルブの形状等によ
っても変化するため、予めその発熱量についてのデータ
をとっておいてそのデータに基づいてシリンダの設定温
度を決定する必要がある。
【0023】次に、前記スキン層を形成する発泡しない
溶融樹脂およびコアを形成する発泡した溶融樹脂が射出
充填されたキャビティ18内に、前記制御装置によりロ
ータリーバルブ20のバルブ開度を再び100%に設定
しつつシリンダ15からさらに前記溶融樹脂を射出充填
する。この際、前記バルブ開度が100%に設定されて
いるため、流路17にて前記溶融樹脂に生起される剪断
発熱の発熱量は小さくなりその溶融樹脂はキャビティ1
8内にて発泡しない。こうして、この発泡しない溶融樹
脂により前記コアを形成する発泡した溶融樹脂が被覆さ
れるとともに、目的とする成形品容積に相応する容量の
溶融樹脂がキャビティ18内に射出充填されることにな
る。
【0024】次いで、キャビティ18内の溶融樹脂の冷
却固化後、公知の手段により固定金型24に対して中間
金型25,可動金型26およびストッパ30を離間させ
て金型13を開く。この後、ピストンロッド28を図1
において右方向へ駆動させて可動金型26を前進させる
ことにより中間金型25に保持される前記溶融樹脂より
なる成形品を背後から突き出して金型13から離間させ
る。
【0025】この第一実施例において射出成形機11を
用いて成形された成形品(実施例1)と、この射出成形
機11を用いてその射出成形機11のシリンダ15の設
定温度および/またはロータリーバルブ20のバルブ開
度を変更して成形された成形品(比較例1,2,3)と
についての成形条件および評価結果を表1に示す。な
お、表1のバルブ開度における矢印(→)はそのバルブ
開度の設定を変更していることを示す。
【0026】
【表1】
【0027】この評価結果からもわかるように、実施例
1の成形品ではロータリーバルブ20のバルブ開度を3
0%に設定した際にそのロータリーバルブ20を通過す
る発泡剤が添加されている溶融樹脂に生起される剪断発
熱の発熱量が大きくなり、この溶融樹脂が50℃を超え
て加熱される。これにより前記発泡剤が熱分解されてそ
の溶融樹脂がキャビティ18内にて発泡することにな
る。この実施例1の成形品は、まずロータリーバルブ2
0のバルブ開度が100%に設定されることによって前
記溶融樹脂により緻密なスキン層が形成され、この後、
ロータリーバルブ20のバルブ開度が30%に設定され
ることによって前記溶融樹脂によりコアが形成されるた
め、このコアの発泡圧により前記スキン層が金型13の
内壁面側に押圧される。そして、再びロータリーバルブ
20のバルブ開度が100%に設定されることによって
前記溶融樹脂により前記コアが被覆される。こうして、
ヒケ,シルバーストリーク等が無く外観品質がより向上
された発泡成形品が得られる。
【0028】これに対して、比較例1の成形品では、ロ
ータリーバルブ20のバルブ開度が100%に固定され
ているため、前記溶融樹脂に生起される剪断発熱の発熱
量は小さくその溶融樹脂はキャビティ18内にて発泡し
ない。したがって、この成形品は、シルバーストリーク
のない緻密なスキン層は形成されるがヒケが発生するた
め外観品質が不良となる。また、比較例2の成形品で
は、シリンダ15の設定温度が前記発泡剤の分解開始温
度以上の240℃に設定されているためそのシリンダ1
5内にて既に前記溶融樹脂の発泡が起こっている。この
ため、この発泡した溶融樹脂がキャビティ18内に射出
充填されて成形品の表面に現出し、この成形品の表面に
シルバーストリークが発生するためその成形品の外観品
質が不良となる。また、比較例3の成形品では、ロータ
リーバルブ20のバルブ開度が30%に設定されている
ため、前記溶融樹脂に生起される剪断発熱の発熱量は大
きくその溶融樹脂はキャビティ18内にて発泡するが、
その溶融樹脂の金型13の内壁面に接する部分、すなわ
ち成形品のスキン層を構成する部分は瞬時に冷却固化さ
れてほとんど発泡しない。このため、比較的外観品質の
良い成形品が得られる。しかしながら、前記スキン層は
僅かながら発泡しているため、前記成形品は外観品質の
要求を十分に満足できるものではない。
【0029】(第二実施例)この第二実施例では、射出
成形機11の射出圧力を通常の射出成形条件に設定する
とともにロータリーバルブ20のバルブ開度を50%に
設定し、前記射出成形機11の射出速度を調整すること
により剪断発熱の発熱量を制御する場合について説明す
る。
【0030】まず、前記第一実施例と同様に、公知の手
段によりキャビティ18のキャビティ容積が目的とする
成形品容積となるように金型13の型閉じを行う。
【0031】次に、駆動制御装置23により射出成形機
11の射出速度を通常の射出成形条件の例えば30%に
設定しつつシリンダ15からキャビティ18内に発泡剤
が添加されている溶融樹脂を射出充填する。この際、前
記射出速度が30%に設定されているため、流路17に
て前記溶融樹脂に生起される剪断発熱の発熱量は小さく
なりその溶融樹脂はキャビティ18内にて発泡しない。
こうして、この発泡しない溶融樹脂により成形品の緻密
なスキン層が形成される。
【0032】次いで、この発泡しない溶融樹脂が射出充
填されたキャビティ18内に、駆動制御装置23により
前記射出速度を通常の射出成形条件の70%に設定しつ
つシリンダ15から前記溶融樹脂を射出充填する。この
際、前記射出速度が70%に設定されているため、流路
17にて前記溶融樹脂に生起される剪断発熱の発熱量は
大きくなりその剪断発熱によりその溶融樹脂に添加され
ている発泡剤が熱分解し、この発泡剤の熱分解により前
記溶融樹脂がキャビティ18内にて発泡する。こうし
て、この発泡した溶融樹脂により前記成形品のコアが形
成される。 なお、前記射出速度を適宜設定することに
より流路にて溶融樹脂に生起される剪断発熱の発熱量は
その流路を通過する溶融樹脂の種類,ロータリーバルブ
のバルブ開度等によっても変化するため、予めその発熱
量についてのデータをとっておいてそのデータに基づい
てシリンダの設定温度を決定する必要がある。
【0033】次に、前記スキン層を形成する発泡しない
溶融樹脂およびコアを形成する発泡した溶融樹脂が射出
充填されたキャビティ18内に、駆動制御装置23によ
り前記射出速度を再び30%に設定しつつシリンダ15
からさらに前記溶融樹脂を射出充填する。この際、前記
射出速度が30%に設定されているため、流路17にて
前記溶融樹脂に生起される剪断発熱の発熱量は小さくな
りその溶融樹脂はキャビティ18内にて発泡しない。こ
うして、この発泡しない溶融樹脂により前記コアを形成
する発泡した溶融樹脂が被覆されるとともに、目的とす
る成形品容積に相応する容量の溶融樹脂がキャビティ1
8内に射出充填されることになる。
【0034】次いで、前記第一実施例と同様にして、前
記溶融樹脂よりなる成形品を金型13から離間させる。
【0035】この第二実施例において射出成形機11を
用いて成形された成形品(実施例2)と、この射出成形
機11を用いてその射出成形機11の射出速度を変更し
て成形された成形品(比較例4,5)とについての成形
条件および評価結果を表2に示す。なお、表2の射出速
度における矢印(→)はその射出速度の設定を変更して
いることを示す。
【0036】
【表2】
【0037】この評価結果からもわかるように、実施例
2の成形品では射出成形機11の射出速度を70%に設
定した際にロータリーバルブ20を通過する発泡剤が添
加されている溶融樹脂に生起される剪断発熱の発熱量が
大きくなり、この溶融樹脂が50℃を超えて加熱され
る。これにより前記発泡剤が熱分解されてその溶融樹脂
がキャビティ18内にて発泡することになる。この実施
例2の成形品は、まず前記射出速度が30%に設定され
ることによって前記溶融樹脂により緻密なスキン層が形
成され、この後、前記射出速度が70%に設定されるこ
とによって前記溶融樹脂によりコアが形成されるため、
このコアの発泡圧により前記スキン層が金型13の内壁
面側に押圧される。そして、再び前記射出速度が30%
に設定されることによって前記溶融樹脂により前記コア
が被覆される。こうして、ヒケ等が無く外観品質がより
向上された発泡成形品が得られる。
【0038】これに対して、比較例4の成形品では、前
記射出速度が30%に固定されているため、前記溶融樹
脂に生起される剪断発熱の発熱量は小さくその溶融樹脂
はキャビティ18内にて発泡しない。したがって、この
成形品は、シルバーストリークのない緻密なスキン層は
形成されるがヒケが発生するため外観品質が不良とな
る。また、比較例5の成形品では、前記射出速度が70
%に設定されているため、前記溶融樹脂に生起される剪
断発熱の発熱量は大きくその溶融樹脂はキャビティ18
内にて発泡するが、その溶融樹脂の金型13の内壁面に
接する部分、すなわち成形品のスキン層を構成する部分
は瞬時に冷却固化されてほとんど発泡しない。このた
め、比較的外観品質の良い成形品が得られる。しかしな
がら、前記スキン層は僅かながら発泡しているため、前
記成形品は外観品質の要求を十分に満足できるものでは
ない。
【0039】ここで、前記剪断発熱の発熱量を小さくす
るように制御して成形品のスキン層を形成する工程を行
った後、例えば前記剪断発熱の発熱量を大きくするよう
に制御して成形品のコアを形成する工程もしくはその発
熱量を小さくするように制御する工程を、タイミングを
制御しつつ順次に複数回行うことで、成形品の形状,用
途に応じてその成形品の所定箇所に前記発泡した溶融樹
脂を存在させることができ、これによりその成形品の所
定箇所におけるヒケ等の生起が抑止される。
【0040】前記剪断発熱の発熱量の制御は、射出成形
機の射出圧力を調整することによっても行うことがで
き、またロータリーバルブのバルブ開度、射出成形機の
射出圧力,射出速度の調整を組み合わせることによって
もその剪断発熱の発熱量の制御を行うことができる。な
お、ロータリーバルブが配設されていない射出成形機に
ついては前記射出圧力および/または射出速度を調整す
ることにより容易に前記剪断発熱の発熱量の制御を行う
ことができる。
【0041】なお、前記各実施例において、成形品の金
型13のゲート部18aの近傍に相応する部分について
特に外観品質が要求されない場合には、前記コアが形成
された成形品に対してそのコアを被覆する溶融樹脂をキ
ャビティ18内に射出充填する必要はない。また、流路
17にて溶融樹脂に剪断発熱を生起させるためにロータ
リーバルブ20を用いているが、これに限定されるもの
ではなく、流路抵抗値の大きさを制御可能なバルブであ
れば他のバルブを用いることもできる。また、スクリュ
ーとしてダブルフライトタイプのものを用いているが、
シングルフライトタイプのものを用いることもできる。
また、発泡剤としてADCA系発泡剤を用いているが、
例えばDNPT(N,N’−ジニトロソペンタメチレン
テトラミン)等の他の発泡剤を用いることができるのは
言うまでもない。
【0042】
【発明の効果】以上のように構成された本発明によれ
ば、射出充填初期に剪断発熱の発熱量を小さくするよう
に制御することにより成形品の緻密なスキン層が形成さ
れ、次いで前記剪断発熱の発熱量を大きくするように制
御することにより成形品のコアが形成されるため、この
コアの発泡圧により前記スキン層が金型の内壁面側に押
圧されてヒケ等が無く外観品質が向上された発泡成形品
を安価に得ることができる。また、前記剪断発熱の発熱
量を小さくするように制御する工程を行った後、例えば
前記剪断発熱の発熱量を大きくするように制御する工程
もしくはその発熱量を小さくするように制御する工程
を、タイミングを制御しつつ順次に複数回行うことで、
成形品の形状,用途に応じてその成形品の所定箇所に前
記発泡した溶融樹脂を存在させることができ、これによ
りその成形品の所定箇所においてヒケ等が生起するのを
抑止することができる。
【0043】また、少なくとも前記剪断発熱の発熱量を
大きくするように制御する工程を行った後、射出充填終
期に前記剪断発熱の発熱量を小さくするように制御する
工程を行うことで、前記コアを発泡しない溶融樹脂によ
り被覆することができ、この結果、前記コアが成形品の
表面に現出されなくなり、この成形品の外観品質をより
向上させることができる。
【0044】また、ロータリーバルブ等の流路抵抗を用
いて前記溶融樹脂に対する剪断発熱の発熱量の制御を行
っているため、射出成形機の装置的なコストアップを抑
えることができる。また、射出成形機の射出圧力および
/または射出速度を調整することによっても前記剪断発
熱の発熱量を制御することができることから、ロータリ
ーバルブが配設されていない従来の射出成形機に対して
も適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発泡射出成形方法が適用される射
出成形機の要部概略図である。
【図2】本発明に係るロータリーバルブにおけるバルブ
開度とそのロータリーバルブを通過する溶融樹脂の温度
上昇度との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
11 射出成形機 11a 射出成形機本体 12 ノズル部 13 金型 14 射出ユニット 15 シリンダ 16 材料ホッパ 17 流路(溶融樹脂供給流路) 18 キャビティ 19 スクリュー 20 ロータリーバルブ 21 スクリュー回転モータ 22 基盤 23 駆動制御装置 24 固定金型 25 中間金型 26 可動金型 27 圧縮シリンダ 28 ピストンロッド 29 リターンピン 30 ストッパ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤が添加されているとともにその発
    泡剤の分解開始温度未満の温度で溶融されている溶融樹
    脂を金型のキャビティ内に射出充填する際、この溶融樹
    脂に剪断発熱を生起させることにより前記発泡剤を熱分
    解させる発泡射出成形方法であって、 射出充填初期に前記剪断発熱の発熱量を小さくするよう
    に制御する工程を行い、この後、少なくとも前記剪断発
    熱の発熱量を大きくするように制御する工程を行うこと
    を特徴とする発泡射出成形方法。
  2. 【請求項2】 発泡剤が添加されているとともにその発
    泡剤の分解開始温度未満の温度で溶融されている溶融樹
    脂を金型のキャビティ内に射出充填する際、この溶融樹
    脂に剪断発熱を生起させることにより前記発泡剤を熱分
    解させる発泡射出成形方法であって、 射出充填初期に前記剪断発熱の発熱量を小さくするよう
    に制御する工程を行い、この後、少なくとも前記剪断発
    熱の発熱量を大きくするように制御する工程を行った
    後、射出充填終期に前記剪断発熱を小さくするように制
    御する工程を行うことを特徴とする発泡射出成形方法。
  3. 【請求項3】 前記剪断発熱の発熱量の制御は、溶融樹
    脂供給流路に設けられる流路抵抗によりその溶融樹脂供
    給流路の流路面積を調整することにより行われる請求項
    1または2に記載の発泡射出成形方法。
  4. 【請求項4】 前記剪断発熱の発熱量の制御は、前記溶
    融樹脂を前記キャビティ内に射出充填する際の射出圧力
    を調整することにより行われる請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の発泡射出成形方法。
  5. 【請求項5】 前記剪断発熱の発熱量の制御は、前記溶
    融樹脂を前記キャビティ内に射出充填する際の射出速度
    を調整することにより行われる請求項1乃至4のいずれ
    かに記載の発泡射出成形方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1204530A1 (en) * 1999-06-22 2002-05-15 Exatec, LLC. Process for manufacturing a molded plastic window for an automotive vehicle and window produced thereby

Cited By (2)

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EP1204530A4 (en) * 1999-06-22 2002-09-04 Exatec Llc METHOD FOR PRODUCING AN INJECTION MOLDED PLASTIC WINDOW FOR AN AUTOMOTIVE, AND WINDOW PRODUCED BY THIS METHOD

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