JPH06166073A - 発泡射出圧縮成形方法 - Google Patents

発泡射出圧縮成形方法

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JPH06166073A
JPH06166073A JP4320649A JP32064992A JPH06166073A JP H06166073 A JPH06166073 A JP H06166073A JP 4320649 A JP4320649 A JP 4320649A JP 32064992 A JP32064992 A JP 32064992A JP H06166073 A JPH06166073 A JP H06166073A
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JP
Japan
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cavity
injection
molding material
molten resin
foaming
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JP4320649A
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Inventor
Katsutoshi Sakashita
勝敏 坂下
Akira Yokota
明 横田
Masayuki Oishi
真之 大石
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒケ,ソリのない偏肉成形品を簡便かつ安価
に成形するとともにその偏肉成形品の外観品質を向上さ
せる。 【構成】 目的の成形品容積を超えるキャビティ容積の
キャビティ18内にそのキャビティ18内にて発泡しな
い非発泡溶融樹脂を射出充填した後、このキャビティ1
8内にそのキャビティ18内にて発泡する発泡溶融樹脂
を射出充填し、さらにそのキャビティ18内にそのキャ
ビティ18内にて発泡しない非発泡溶融樹脂を射出充填
した後、前記キャビティ容積が目的の成形品容積に至る
までキャビティ18内の非発泡溶融樹脂および発泡溶融
樹脂を圧縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に偏肉成形品の成形
に適用される発泡射出圧縮成形方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、TVのキャビネット,OA機器の
ハウジング,自動車の内外装部品,家電製品の部品,家
具等として偏肉成形品が広く用いられている。この偏肉
成形品の成形方法としては、次のような技術が知られて
いる。
【0003】(1)射出圧縮成形法 この射出圧縮成形法は、金型の目的の成形品容積を超え
るキャビティ容積のキャビティ内に成形材料(溶融樹
脂)を射出充填して、前記キャビティ容積が目的の成形
品容積に至るまで前記キャビティ内の溶融樹脂を圧縮す
るものである。この射出圧縮成形法としては例えば特開
昭61−22917号公報に開示されている技術が知ら
れており、この技術によれば前記キャビティ容積の拡
縮,溶融樹脂のキャビティ内への供給(射出充填)タイ
ミング等を制御することにより外観,物性の良好な偏肉
成形品が得られる。 (2)ガスインジェクション法 このガスインジェクション法(例えばCINPRES
法)は、金型の目的の成形品容積に相応するキャビティ
容積のキャビティ内に所定容量の溶融樹脂を射出充填し
た後、この溶融樹脂の内部に加圧気体を導入してその加
圧気体の圧力によりその溶融樹脂を保圧する間に冷却す
るものである。このガスインジェクション法によれば、
例えば NIKKEI NEW MATERIALS (1991年 5月20日号、P11
8-119)に記載されているように、保圧に利用される加
圧気体は前記金型のキャビティ内に射出充填された溶融
樹脂の内部にて温度が高く粘度が低い部分、言い換えれ
ば最も抵抗が少ない部分に選択的に注入される。したが
って、冷却速度が相対的に遅い厚肉の部分に前記加圧気
体が注入されることになり、従来その厚肉の部分に生起
し易かったヒケ,ソリ等の欠陥が解消された偏肉成形品
が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(1)
射出圧縮成形法では、相対的に厚肉の部分を末端に有す
る偏肉成形品についてヒケの発生を防止することが困難
である、(2)ガスインジェクション法では、加圧気体
の発生装置,圧力制御装置等の高価な付属装置を必要と
するため、成形工程が複雑になるとともにコストアップ
となるという問題点がある。
【0005】本発明は、以上のような問題点に鑑みてな
されたものであって、ヒケ,ソリのない偏肉成形品を簡
便かつ安価に成形する発泡射出圧縮成形方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による発泡射出圧
縮成形方法は、第一に、射出ユニットから金型の目的の
成形品容積を超えるキャビティ容積のキャビティ内にそ
のキャビティ内にて発泡しない非発泡成形材料を射出充
填した後、このキャビティ内にそのキャビティ内にて発
泡する発泡成形材料を射出充填し、この後、前記キャビ
ティ容積が目的の成形品容積に至るまで前記キャビティ
内の非発泡成形材料および発泡成形材料を圧縮すること
を特徴とする。
【0007】また、本発明による発泡射出圧縮成形方法
は、第二に、射出ユニットから金型の目的の成形品容積
を超えるキャビティ容積のキャビティ内にそのキャビテ
ィ内にて発泡しない非発泡成形材料を射出充填した後、
このキャビティ内にそのキャビティ内にて発泡する発泡
成形材料を射出充填し、さらにそのキャビティ内にその
キャビティ内にて発泡しない非発泡成形材料を射出充填
した後、前記キャビティ容積が目的の成形品容積に至る
まで前記キャビティ内の非発泡成形材料および発泡成形
材料を圧縮することを特徴とする。
【0008】
【作用】第一に、まず、成形品の表層(スキン層)を形
成するために、射出ユニットから金型の目的の成形品容
積を超えるキャビティ容積のキャビティ内にそのキャビ
ティ内にて発泡しない非発泡成形材料が射出充填され
る。次に、この非発泡成形材料が射出充填されたキャビ
ティ内にそのキャビティ内にて発泡する発泡成形材料が
射出充填される。これにより、この発泡成形材料が前記
非発泡成形材料をスキン層とする成形品の内部に注入さ
れてその発泡成形材料により前記成形品の芯材(コア)
が形成される。こうして、このコアを形成する発泡成形
材料の発泡圧により前記スキン層を形成する非発泡成形
材料が金型の内壁面側に押圧されるため、前記成形品に
ヒケ等が生起するのが抑止される。次いで、前記非発泡
成形材料および発泡成形材料が射出充填されたキャビテ
ィのキャビティ容積が目的の成形品容積に至るまで前記
キャビティ内の非発泡成形材料および発泡成形材料が圧
縮される。
【0009】また、第二に、前述された第一と同様にし
て、前記非発泡成形材料および発泡成形材料が射出充填
されたキャビティ内にさらにそのキャビティ内にて発泡
しない非発泡成形材料が射出充填されてその非発泡成形
材料により前記コアを形成する発泡成形材料が被覆され
る。したがって、この発泡成形材料が前記成形品の表面
に現出されなくなるため、この成形品の外観品質が向上
される。なお、他は第一の場合と同様である。
【0010】ところで、前記非発泡成形材料および発泡
成形材料の前記キャビティ内への射出充填は、1基の射
出ユニットに発泡剤が添加されている成形材料を未発泡
の状態で蓄積することにより行うことができ、この場
合、前記発泡成形材料の前記キャビティ内への射出充填
に際しては前記発泡剤を流路抵抗による剪断発熱により
熱分解させることによって前記成形材料を発泡させると
よい。ここで、前記成形材料は一般に短時間で前記キャ
ビティ内に射出充填されるため、前記発泡剤の剪断発熱
による熱分解はそのキャビティ内にて行われる。したが
って、前記成形材料は前記キャビティ内にて発泡される
ことになる。
【0011】前記非発泡成形材料および発泡成形材料の
キャビティ内への射出充填は、2基の射出ユニットの一
方に発泡剤が添加されていない成形材料を蓄積するとと
もに、他方に発泡剤が添加されている成形材料を蓄積
し、かつその発泡剤が添加されている成形材料が蓄積さ
れる射出ユニットをその発泡剤の分解開始温度以上に加
熱することにより行うことができる。この場合、前記非
発泡成形材料のキャビティ内への射出充填に際しては、
前記一方の射出ユニットに蓄積される発泡剤が添加され
ていない成形材料を前記キャビティ内に射出充填し、前
記発泡成形材料のキャビティ内への射出充填に際して
は、前記他方の射出ユニットに蓄積される発泡剤が添加
されている成形材料を前記キャビティ内に射出充填す
る。ここで、前記発泡剤が添加されている成形材料は前
記他方の射出ユニットにてその発泡剤の分解開始温度以
上に加熱されているが、この他方の射出ユニットはその
成形材料を前記キャビティ内に射出充填するための射出
圧が付加されて高圧のため、この他方の射出ユニット内
にて発泡剤の分解は抑制されている。しかしながら、前
記成形材料はその他方の射出ユニットに比べて低圧のキ
ャビティ内に射出充填されると前記発泡剤の分解が抑制
されなくなるためそのキャビティ内にて発泡されること
になる。
【0012】
【実施例】次に、本発明による発泡射出圧縮成形方法の
具体的実施例について図面を参照しつつ説明する。
【0013】本発明の発泡射出圧縮成形方法が適用され
る第一実施例の射出成形機の要部概略図が図1に示され
ている。この射出成形機11は例えば型締め力:80
t,射出容量:120mlの性能を有し、例えば偏肉成
形品(以下、成形品と記す。)を成形する金型12に射
出成形機本体11aのノズル部13が接合されている。
この射出成形機本体11aは1基の射出ユニット14を
具え、この射出ユニット14のシリンダ15内には、例
えば180℃の設定温度に加熱されているそのシリンダ
15内において材料ホッパ16から供給される発泡剤
(例えば、ADCA(アゾジカルボンアミド)系発泡
剤,分解開始温度:200℃,1phr(parts per hu
ndred parts of resin))が添加されている成形材料と
しての溶融樹脂(例えばポリプロピレン(三井石油化学
株式会社製,J440))を混練しつつ、この混練され
ている溶融樹脂を計量してノズル部13に穿設される流
路17、さらには金型12のキャビティ18内に射出充
填する例えばダブルフライトタイプのスクリュー19が
内装されている。また、ノズル部13には前記溶融樹脂
に剪断発熱を生起させる流路抵抗としてのロータリーバ
ルブ20が配設され、このロータリーバルブ20のバル
ブ開度が制御されることにより流路17における流路抵
抗値の大きさが変化される。なお、このロータリーバル
ブ20のバルブ開度の制御は図示されない制御装置によ
り行われる。
【0014】ここで、シリンダ15の設定温度は発泡剤
の分解開始温度未満、好ましくはその分解開始温度より
も20℃程度低い温度とされる。すなわち、前記設定温
度を発泡剤の分解開始温度近傍にすれば、シリンダ15
内にてその発泡剤の分解が進行する可能性があり、ま
た、前記設定温度を低くしすぎると前記溶融樹脂の流動
性が低下するためである。
【0015】スクリュー19の溶融樹脂の混練等のため
の回転はスクリュー回転モータ21により行われ、これ
らスクリュー19およびスクリュー回転モータ21は基
盤22に取付けられている。この基盤22は図示されな
い駆動装置および制御装置により図1において左右方向
に駆動される。言い換えれば、前記溶融樹脂の金型12
のキャビティ18内への射出充填等のためのスクリュー
19のノズル部13に向かっての進退、さらにはシリン
ダ15内の溶融樹脂を所定射出圧とするためのスクリュ
ー19に対する所定押圧力の付与等は前記駆動装置およ
び制御装置により基盤22を介して行われる。
【0016】金型12は射出成形機本体11aのノズル
部13に接合している固定金型23とキャビティ18を
形成する中間金型24および可動金型25とより構成さ
れ、この可動金型25の進退によりキャビティ18のキ
ャビティ容積が拡縮される。なお、図中符号18aはゲ
ート部である。この可動金型25は圧縮シリンダ26の
ピストンロッド27に係合され、このピストンロッド2
7は図示されない制御装置により図1において左右方向
へ駆動される。すなわち、このピストンロッド27が右
方向へ駆動されれば、可動金型25は前進してキャビテ
ィ18のキャビティ容積が縮小される。一方、ピストン
ロッド27が左方向へ駆動されれば、可動金型25は後
退して前記キャビティ容積は拡大される。
【0017】また、可動金型25の前面側すなわち中間
金型24側にはリターンピン28が設けられており、こ
のリターンピン28が可動金型25の前進の際にその中
間金型24に当接することにより可動金型25の前進を
規制してキャビティ18の目的の成形品容積が確保され
るようになっている。また、可動金型25の背後にはス
トッパ29が設けられており、このストッパ29に可動
金型25の後退の際にその可動金型25が当接すること
により可動金型25の後退を規制してキャビティ18の
キャビティ容積のさらなる拡大を規制している。
【0018】次に、このように構成された射出成形機1
1の作動について説明する。なお、この射出成形機11
を用いて成形しようとする成形品は例えば断面コ字状の
偏肉成形品である(図2参照)。
【0019】公知の手段により、キャビティ18のキャ
ビティ容積が目的の成形品容積を超えるように固定金型
23に対して中間金型24,可動金型25を離間させて
金型12を開く。この金型12の初期型開き量は例えば
10mmに設定される。こうして、キャビティ18のキ
ャビティ容積が初期キャビティ容積に確保される(図3
(a))。
【0020】次に、ロータリーバルブ20のバルブ開度
を100%(全開)に設定しつつシリンダ15からキャ
ビティ18内に発泡剤が添加されている溶融樹脂を射出
充填する。なお、この射出充填における射出圧は例えば
70%に、射出速度は例えば50%に設定されている。
この際、ロータリーバルブ20のバルブ開度は100%
に設定されているため前記溶融樹脂には剪断発熱が生起
されず、この溶融樹脂はキャビティ18内にて発泡しな
い(図3(b))。
【0021】次いで、この発泡しない溶融樹脂(以下、
第一の非発泡溶融樹脂と表記する。)が射出充填された
キャビティ18内に、ロータリーバルブ20のバルブ開
度を例えば30%に設定しつつシリンダ15から発泡剤
が添加されている溶融樹脂を射出充填する。この際、ロ
ータリーバルブ20のバルブ開度が30%に設定されて
いるため、前記溶融樹脂がそのロータリーバルブ20を
通過するにその溶融樹脂には剪断発熱が生起される。し
たがって、この剪断発熱により前記発泡剤が熱分解され
て、前記溶融樹脂はキャビティ18内にて発泡する(図
3(c))。
【0022】ところで、このようなロータリーバルブは
図4に示されているようにそのバルブ開度に対応してそ
のロータリーバルブを通過する溶融樹脂に剪断発熱を生
起させてその溶融樹脂の温度を上昇させるものである。
したがって、バルブ開度を例えば30%に設定すれば前
記溶融樹脂が約60℃加熱されることになる。なお、こ
のようなロータリーバルブは図4からわかるように例え
ば約80℃の範囲で前記溶融樹脂の温度上昇度を制御す
ることができる。また、前記剪断発熱の発熱量はそのロ
ータリーバルブを通過する溶融樹脂の種類,このロータ
リーバルブの形状等により変化するため、予めその発熱
量についてのデータをとっておいて、このデータに基づ
いてシリンダの設定温度を決定する必要がある。
【0023】また、前述された剪断発熱による溶融樹脂
の温度上昇度は一般に次式で表される。 ΔT∝ΔP=f(η、Pi 、Vi 、r) 但し、ΔT:剪断発熱による溶融樹脂の温度上昇度 ΔP:流路抵抗における圧力損失 η:溶融樹脂の粘度 Pi :射出成形機の射出圧 Vi :射出成形機の射出速度 r:流路抵抗の形状係数 この式から、剪断発熱による溶融樹脂の温度上昇度は流
路抵抗における圧力損失に比例し、この圧力損失は溶融
樹脂の粘度、射出成形機の射出圧,射出速度、流路抵抗
の形状係数により決定されることがわかる。したがっ
て、剪断発熱による溶融樹脂の温度上昇度(ΔT)を大
きくするには、例えば従来の射出成形機(射出圧,射出
速度等の射出成形条件は変えないものとする。)のノズ
ル部に流路抵抗を設け、この流路抵抗における圧力損失
(ΔP)を大きくすればよいことになる。特に、この流
路抵抗を流路面積が制御されるバルブ、例えばロータリ
ーバルブで構成すれば、このロータリーバルブのバルブ
開度を制御することにより前記圧力損失を制御して前記
溶融樹脂の温度上昇度を制御することができ、さらには
そのロータリーバルブを全閉とすることによりノズル部
先端からの溶融樹脂の樹脂漏れ,金型から射出成形機本
体側への溶融樹脂の逆流等が防止される。
【0024】次いで、前記第一の非発泡溶融樹脂および
発泡する溶融樹脂(以下、発泡溶融樹脂と表記する。)
が射出充填されたキャビティ18内に、ロータリーバル
ブ20のバルブ開度を100%に設定しつつシリンダ1
5から発泡剤が添加されている溶融樹脂を射出充填す
る。この際、ロータリーバルブ20のバルブ開度は10
0%に設定されているため前述されたように前記溶融樹
脂はキャビティ18内にて発泡しない(図3(d))。
このようにして、この発泡しない溶融樹脂(以下、第二
の非発泡溶融樹脂と表記する。)により前記発泡溶融樹
脂が被覆されるとともに、目的の成形品容積に相応する
所定容量の溶融樹脂が射出充填される。
【0025】次に、金型12のキャビティ18内の溶融
樹脂は固化しないが、ゲート部18aの溶融樹脂が固化
する程度経過後に、ピストンロッド27を図1において
右方向へ駆動させて可動金型25に右方向への押圧力を
付加する。この押圧力の付加により可動金型25はキャ
ビティ18のキャビティ容積が目的の成形品容積に至る
までそれら第一の非発泡溶融樹脂,発泡溶融樹脂および
第二の非発泡溶融樹脂を圧縮するように前進される(図
3(e))。なお、この際、可動金型25の前進速度、
すなわち金型12の型閉じ速度は例えば5mm/sec
とされる。
【0026】金型12のキャビティ18内の溶融樹脂の
冷却後、公知の手段により、固定金型23に対して中間
金型24,可動金型25およびストッパ29を離間させ
て金型12を開く。この金型12を開いた後、ピストン
ロッド27を図1において右方向へ駆動させて可動金型
25を前進させることにより中間金型24に保持されて
いる前記第一の非発泡溶融樹脂,発泡溶融樹脂および第
二の非発泡溶融樹脂からなる成形品を背後から突出して
金型12から離型させる。次に、ピストンロッド27を
図1において左方向へ駆動させて可動金型25を後退さ
せ、次の成形サイクルに備える。
【0027】本発明の発泡射出圧縮成形方法が適用され
る第二実施例の射出成形機の要部概略図が図5に示され
ている。なお、前述された第一実施例の射出成形機と同
一部分については同一符号を付すにとどめ説明を省略す
る。
【0028】この射出成形機11’はコインジェクショ
ン型と呼ばれるものであって、射出成形器本体11a’
は例えば型締め力:120t,射出容量:250mlの
性能を有するとともに、2基の射出ユニット14a,1
4bを具える。これら射出ユニット14a,14bそれ
ぞれには発泡剤が添加されていない溶融樹脂,発泡剤が
添加されている溶融樹脂が蓄積され、これら射出ユニッ
ト14a,14bそれぞれの先端部は金型12のキャビ
ティ18内に射出充填されるそれら溶融樹脂の切換えを
行う切換部30を介してノズル部13の流路17に連通
されている。また、これら射出ユニット14a,14b
のシリンダ15a,15bそれぞれは180℃,220
℃の設定温度に加熱されている。ここで、前記発泡剤,
溶融樹脂としては前述された第一実施例と同様のADC
A系発泡剤,ポリプロピレンが用いられている。なお、
これら射出ユニット14a,14bの構成は第一実施例
の射出ユニット14の構成と基本的に同一であるため、
これら射出ユニット14a,14bに対応して各部分そ
れぞれにa,bの符号を付し説明を省略する。
【0029】次に、このように構成された射出成形機1
1’の作動について説明する。この射出成形機11’を
用いて成形しようとする成形品は第一実施例と同様の断
面コ字状の偏肉成形品である(図2参照)。
【0030】第一実施例と同様に、公知の手段により初
期型開き量(例えば10mm)だけ金型12を開く。こ
うして、キャビティ18のキャビティ容積が目的の成形
品容積を超える初期キャビティ容積に確保される(図3
(a)参照)。次いで、シリンダ15aからキャビティ
18内に発泡剤が添加されていない溶融樹脂を切換部3
0を介して射出充填する(図3(b)参照)。
【0031】次に、この発泡剤が添加されていない溶融
樹脂(以下、第一の非発泡溶融樹脂と表記する。)が射
出充填されたキャビティ18内に、シリンダ15bから
発泡剤が添加されている溶融樹脂を切換部30を介して
射出充填する。ここで、前記発泡剤が添加されている溶
融樹脂はシリンダ15b内にてその発泡剤の分解開始温
度以上に加熱されているが、このシリンダ15bは高圧
とされているため、前述のように前記溶融樹脂はそのシ
リンダ15bに比べて低圧のキャビティ18内にて発泡
する(図3(c)参照)。
【0032】次いで、前記第一の非発泡溶融樹脂および
発泡する溶融樹脂(以下、発泡溶融樹脂と表記する。)
が射出充填されたキャビティ18内にシリンダ15aか
らさらに発泡剤が添加されていない溶融樹脂を切換部3
0を介して射出充填する(図3(d)参照)。こうし
て、この発泡剤が添加されていない溶融樹脂(以下、第
二の非発泡溶融樹脂と表記する。)により前記発泡溶融
樹脂が被覆されるとともに、目的の成形品容積に相応す
る所定容量の溶融樹脂が射出充填されることになる。
【0033】次いで、第一実施例と同様に、金型12の
キャビティ18内の溶融樹脂は固化しないが、ゲート部
18aの溶融樹脂が固化する程度経過後に、このキャビ
ティ18内の第一の非発泡溶融樹脂,発泡溶融樹脂およ
び第二の非発泡溶融樹脂をそのキャビティ18のキャビ
ティ容積が目的の成形品容積に至るまで圧縮する(図3
(e)参照)。なお、他は前述された第一実施例と同様
である。
【0034】ここで、前述された第一実施例,第二実施
例の射出成形機11,11’を用いて成形された成形品
と、従来の射出成形機(図示せず)を用いて成形された
成形品とについての成形条件および評価結果を表1に示
す。なお、表1中、射出工程における3段切換えとは、
第一実施例においてはロータリーバルブ20のバルブ開
度を100%→30%→100%のように初回を含めて
3回切換えることを示し、第二実施例においてはシリン
ダ15a,15bそれぞれから切換部30を介してキャ
ビティ18に溶融樹脂を射出充填する際に、まずシリン
ダ15aから、次にシリンダ15bから、次いで再びシ
リンダ15aからというようにその切換部30を初回を
含めて3回切換えることを示す。また、比較例1乃至4
の射出成形機は1基の射出ユニットを具えるものであっ
て、この射出ユニットのシリンダ内に発泡剤が添加され
ている溶融樹脂が蓄積される。なお、比較例1,3は従
来の射出成形法により、比較例2は従来の射出圧縮成形
法により、比較例4は従来の発泡射出成形法により成形
されたものをさらに圧縮することにより成形品を成形し
たものである。
【0035】
【表1】
【0036】この評価結果からもわかるように、第一実
施例,第二実施例において射出成形機11,11’を用
いて成形された成形品は、リブ裏のヒケ量が極めて少な
く、かつ外観品質に優れている。前記第一実施例および
第二実施例によれば、まず、金型12のキャビティ18
内に射出充填される第一の非発泡溶融樹脂により成形品
のスキン層が形成され、この第一の非発泡溶融樹脂をス
キン層とする成形品の内部に発泡溶融樹脂が注入される
ため、この発泡溶融樹脂の発泡圧により前記第一の非発
泡溶融樹脂が金型12の内壁面側に押圧され、成形品に
ヒケ等が発生するのが抑止される。さらに、この発泡溶
融樹脂が第二の非発泡溶融樹脂により被覆されて成形品
の表面に現出されないため、この成形品の外観品質が向
上される。
【0037】一方、比較例1,2,3の成形品では、発
泡剤が添加されている溶融樹脂が蓄積されるシリンダの
設定温度が前記発泡剤の分解開始温度未満とされている
とともにその溶融樹脂が前記キャビティ内に射出充填さ
れる際にその溶融樹脂に剪断発熱が生起されない、すな
わち熱が付加されないため、この溶融樹脂は前記キャビ
ティ内にて発泡しないことになる。したがって、これら
比較例1乃至3の成形品は外観品質に優れるが、リブ裏
のヒケ量が大きくなる。また、比較例4の成形品では、
発泡剤が添加されている溶融樹脂が蓄積されるシリンダ
の設定温度がその発泡剤の分解開始温度以上とされてい
るため、この溶融樹脂は前記キャビティ内にて発泡す
る。しかしながら、この発泡した溶融樹脂が成形品の表
面に現出するため、この比較例4の成形品の表面にスワ
ールマークが生起してその成形品の外観品質が不可とな
る。
【0038】なお、本発明の発泡射出圧縮成形方法によ
り成形される成形品において金型12のゲート部18a
近傍に相応する部分について特に外観品質が要求されな
い場合には、前述された第一実施例および第二実施例に
おいて発泡溶融樹脂のキャビティ18内への射出充填
後、この発泡溶融樹脂を被覆する第二の非発泡溶融樹脂
をそのキャビティ18内に射出充填する必要はなく、前
記発泡溶融樹脂の射出充填後、前記第一の非発泡溶融樹
脂および発泡溶融樹脂を圧縮するようにしてもよい。
【0039】なお、第一実施例においてはロータリーバ
ルブを用いて溶融樹脂に剪断発熱を生起させているが、
これに限定されるものではなく、流路抵抗値の大きさを
変更可能なバルブであれば他のバルブを用いることもで
きる。また、第一実施例および第二実施例においてスク
リューとしてダブルフライトタイプのものを用いている
が、シングルフライトタイプのものを用いることもでき
る。また、発泡剤としてADCA系発泡剤を用いている
が、DNPT(N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラ
ミン)等の他の発泡剤を用いることができることは言う
までもない。
【0040】
【発明の効果】以上のように構成された本発明によれ
ば、成形品のスキン層を形成する非発泡成形材料がその
成形品のコアを形成する発泡成形材料の発泡圧により金
型の内壁面側に押圧されるためその成形品にヒケ等が生
起するのが抑止される。また、この発泡成形材料をさら
に非発泡成形材料により被覆することで、この発泡成形
材料が成形品の表面に現出されなくなり、成形品の外観
品質が向上される。また、キャビティ内への成形材料の
射出充填が簡便となり、例えばガスインジェクション法
のようにコストアップとならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発泡射出圧縮成形方法が適用され
た第一実施例の射出成形機の要部概略図である。
【図2】本発明による発泡射出圧縮成形方法により成形
される成形品の斜視図である。
【図3】本発明による発泡射出圧縮成形方法により偏肉
成形品を成形する際の工程を説明する図である。
【図4】本発明に係るロータリーバルブにおけるバルブ
開度とそのロータリーバルブを通過する溶融樹脂の温度
上昇度との関係を示すグラフ図である。
【図5】本発明による発泡射出圧縮成形方法が適用され
た第二実施例の射出成形機の要部概略図である。
【符号の説明】
11,11’ 射出成形機 11a’,11a,11b 射出成形機本体 12 金型 13 ノズル部 14,14a,14b 射出ユニット 15,15a,15b シリンダ 16,16a,16b 材料ホッパ 17 流路 18 キャビティ 19,19a,19b スクリュー 20 ロータリーバルブ 21,21a,21b スクリュー回転モータ 22,22a,22b 基盤 23 固定金型 24 中間金型 25 可動金型 26 圧縮シリンダ 27 ピストンロッド 28 リターンピン 29 ストッパ 30 切換部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出ユニットから金型の目的の成形品容
    積を超えるキャビティ容積のキャビティ内にそのキャビ
    ティ内にて発泡しない非発泡成形材料を射出充填した
    後、このキャビティ内にそのキャビティ内にて発泡する
    発泡成形材料を射出充填し、この後、前記キャビティ容
    積が目的の成形品容積に至るまで前記キャビティ内の非
    発泡成形材料および発泡成形材料を圧縮することを特徴
    とする発泡射出圧縮成形方法。
  2. 【請求項2】 射出ユニットから金型の目的の成形品容
    積を超えるキャビティ容積のキャビティ内にそのキャビ
    ティ内にて発泡しない非発泡成形材料を射出充填した
    後、このキャビティ内にそのキャビティ内にて発泡する
    発泡成形材料を射出充填し、さらにそのキャビティ内に
    そのキャビティ内にて発泡しない非発泡成形材料を射出
    充填した後、前記キャビティ容積が目的の成形品容積に
    至るまで前記キャビティ内の非発泡成形材料および発泡
    成形材料を圧縮することを特徴とする発泡射出圧縮成形
    方法。
  3. 【請求項3】 前記非発泡成形材料および発泡成形材料
    の前記キャビティ内への射出充填は、1基の射出ユニッ
    トに発泡剤が添加されている成形材料を未発泡の状態で
    蓄積し、前記発泡成形材料の前記キャビティ内への射出
    充填に際しては前記発泡剤を流路抵抗による剪断発熱に
    より熱分解させることによって前記成形材料を発泡させ
    る請求項1または2に記載の発泡射出圧縮成形方法。
  4. 【請求項4】 前記非発泡成形材料および発泡成形材料
    の前記キャビティ内への射出充填は、2基の射出ユニッ
    トの一方に発泡剤が添加されていない成形材料を蓄積す
    るとともに、他方に発泡剤が添加されている成形材料を
    蓄積し、かつその発泡剤が添加されている成形材料が蓄
    積される射出ユニットをその発泡剤の分解開始温度以上
    に加熱することにより行われる請求項1または2に記載
    の発泡射出圧縮成形方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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