JPH06190514A - 急冷薄帯の剥離、誘導方法及び装置 - Google Patents

急冷薄帯の剥離、誘導方法及び装置

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JPH06190514A
JPH06190514A JP5228977A JP22897793A JPH06190514A JP H06190514 A JPH06190514 A JP H06190514A JP 5228977 A JP5228977 A JP 5228977A JP 22897793 A JP22897793 A JP 22897793A JP H06190514 A JPH06190514 A JP H06190514A
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peeling
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quenched ribbon
cooling roll
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JP5228977A
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Masao Yukimoto
正雄 行本
Michiharu Ozawa
三千晴 小沢
Kiyoshi Shibuya
清 渋谷
Toru Sato
徹 佐藤
Saburo Moriwaki
三郎 森脇
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Kawasaki Steel Corp
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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H2301/00Handling processes for sheets or webs
    • B65H2301/50Auxiliary process performed during handling process
    • B65H2301/52Auxiliary process performed during handling process for starting
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Abstract

(57)【要約】 【目的】溶融金属より急冷凝固した急冷薄帯を冷却ロー
ル表面から剥離誘導するにあたり、急冷薄帯を冷却ロー
ル表面から確実に剥離し、さらに巻取機まで安定的に搬
送し、そのパスラインを安定させる。 【構成】Fe:82原子%,Si:8原子%,B:10
原子%の成分組成からなるアモルファス急冷薄帯104
を高速回転する単ロールで製造し、冷却ロール102か
らドクターブレード12を用いて剥離し、ブロワ20に
て吸引された固定フード14を用いてピンチロール16
まで誘導する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単ロール法等を用いて
溶融金属から製造したアモルファス急冷薄帯を冷却ロー
ルから安定的に剥離、誘導する方法及び冷却ロールから
確実に剥離し、巻取り系などへスムーズに誘導する装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融金属から直接金属薄帯を製造する方
法としては、高速回転する冷却ロールの周面に溶融金属
をノズルから流下させて周面上で急冷凝固させる方法が
よく知られている。この冷却ロールを用いる方法には単
ロール法と双ロール法の2つの方法がある。
【0003】このうち単ロール法は、広幅の金属薄帯を
製造するのに適している。単ロール法は、溶融金属をノ
ズルから高速回転するロールに向けて噴出させる。溶融
金属はロール表面に付着しながら薄く伸ばされ、冷却ロ
ールがある距離だけ回転する間に急冷凝固し非晶質金属
となる。この非晶質金属はロールの回転による遠心力に
よって順次ロール表面より剥離され薄帯となる。
【0004】単ロール法による薄帯製造においては、通
常、製板速度が20m/sec以上で、非常に高速であ
り、これに加えて、得られる薄帯の板厚が50μm以下
であるため、薄帯製造後に、冷却ロールから確実に剥離
し、ピンチロールや巻取り系へ薄帯をスムーズに搬送す
るのが困難であった。従来より急冷薄帯冷却ロールから
強制剥離したアモルファス急冷薄帯の搬送巻き取りに関
して多くの提案がなされている。中でも急冷薄帯冷却ロ
ールから強制剥離し、飛翔する急冷薄帯を誘導し、ピン
チロールでキャッチングし、さらに巻取リールまで誘導
搬送する方法が実用化されつつある。例えば、特開昭6
1−167248号公報及び特開平1−143720号
公報の急冷薄帯には、巻取装置等にこのような手段が開
示されている。しかしながら、これらの手段では急冷薄
帯をピンチロールに安定して誘導し、挾み込み、キャッ
チすることが難しく、時間を多く費やし、その間製造し
たアモルファス急冷薄帯を無駄にするといった問題があ
った。
【0005】冷却ロールからのアモルファス急冷薄帯の
剥離に関しては、高速噴流エアノズルを用いる方法が提
案されている(特開昭57−39030号公報、特開昭
57−94453号公報)。高速噴流エアノズルを用い
る方法では急冷薄帯の剥離点が安定せず、また広幅急冷
薄帯では剥離後の急冷薄帯が蛇行、ローリング等により
破断する問題があった。この原因としては冷却ロールと
急冷薄帯の密着力が時間と共に変化し、かつ急冷薄帯幅
方向に密着力差が発生し、剥離が不安定になるためであ
る。これは特に幅150mm以上の急冷薄帯の製板時に
大きな問題点となる。
【0006】さらに、特開昭54−50433号公報、
特開昭59−27720号公報では、マグネットロール
やマグネットコンベヤを用いて、急冷薄帯を剥離搬送す
る方法が提案されている。このような方式は、狭幅急冷
薄帯のように、冷却ロールとの密着力が小さく、また幅
方向の密着力の差が小さい場合には有効である。しか
し、幅150mm以上の広幅急冷薄帯の剥離誘導の場合
には操業が不安定であり、仮に剥離誘導できたとしても
急冷薄帯に過度の張力が加わり、板破断が生じるという
問題がある。
【0007】また、実開昭61−63347号公報では
冷却ロールにスクレーパを押し当て巻取りドラムに誘導
する方法が提案されている。この方法は幅50mm以下
の狭幅急冷薄帯では有効な方法であるが、幅150mm
以上の急冷薄帯剥離ではスクレーパ先端に急冷薄帯が停
滞し、安定した急冷薄帯搬送ができない。その上、渋滞
した急冷薄帯先端がスクレーパ先端をかいくぐることも
あり、安定した剥離ができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は急冷薄帯先端
のキャッチング及び急冷薄帯剥離点の変動と冷却ロール
の表面の性状を考慮して、安定した急冷薄帯誘導を行う
ものである。すなわち、本発明の目的は、急冷薄帯を冷
却ロール表面から確実に誘導し、さらに巻取機まで安定
して搬送するため、そのパスラインを安定させる方法を
提供することである。
【0009】本発明の他の目的は上記問題を解決し、単
ロール法を用いて溶融金属から製造したアモルファス急
冷薄帯を製造後に冷却ロールから確実に剥離し、巻取り
系などへスムーズに誘導する装置を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の急冷薄帯の剥
離、誘導方法は、溶融金属より急冷凝固した急冷薄帯を
冷却ロール表面から剥離誘導するにあたり、次の
(a),(b)の技術手段を講じたこと特徴とする。 (a)冷却ロールに接触させたドクターブレードにより
冷却ロールから急冷薄帯を剥離する。本発明のドクター
ブレードは従来技術のスクレーパとは異なり、高精度の
剥取り専用の刃(ブレード)である。ドクターブレード
はグラファイトカーボン、耐熱樹脂及びファイバ、ステ
ンレス鋼、燐青銅等、冷却ロールを傷つけない材質を用
いる。ドクターブレードは適正な押付力を付加し、幅方
向に走査移動する。 (b)引き続き搬送ガイドにより急冷薄帯先端を牽引す
る。この搬送ガイドとしては、ブロワにて吸引された固
定フード、磁石ロールに非磁性ベルトを巻掛けたベルト
コンベヤ、永久磁石もしくは電磁石を内部に固定し外筒
のスリーブが高速回転する磁石ロール、真空吸着部材を
内部に固定接地したベルトコンベヤ、真空吸着部材を内
部に固定し外筒のスリーブが高速回転する真空吸着ロー
ル、又は、噴射スリットを通る噴流のコアンダ効果によ
る沿面噴出流動を用いるフローティングノズルでもよ
い。また、搬送ガイドにより急冷薄帯先端を牽引する張
力としては5〜50g/mm2 程度が適正である。
【0011】また、本発明の装置は、単ロール法により
溶融金属より急冷凝固した金属薄帯を冷却ロール表面か
ら剥離して下流の装置へ誘導する装置であって、冷却ロ
ールに近接して急冷薄帯を剥離、牽引、誘導する剥離、
牽引、誘導手段を設けるとともに、前記冷却ロールに接
触するドクターブレードを設けたことを特徴とする急冷
薄帯の剥離、誘導装置である。
【0012】この装置に、さらに前記剥離、牽引誘導手
段と前記下流の装置の間に、薄帯を搬送するための真空
吸引コンベヤを設けてもよい。前記剥離、牽引、誘導手
段としては、永久磁石もしくは電磁石が内部に固定さ
れ、外筒が高速回転する磁石ロール、又は真空吸引パッ
ドが内部に固定され、外筒が高速回転する真空吸引ロー
ル、又は真空吸引パッドが内部に固定され、外側のコン
ベヤベルトが高速回転する真空吸引コンベヤを用いるこ
とができる。
【0013】ドクターブレードは前述のように、材質が
グラファイトカーボン、耐熱樹脂及びファイバ、ステン
レス鋼、燐青銅等冷却ロールを傷つけない材質を用い、
かつブレードの先端は30〜50°の鋭角で精密研磨加
工にて1S以下に加工された表面を有するものが好まし
い。またドクタブレードに適正な押付力を付加する押圧
力付加手段を備え、さらに幅方向に往復移動する往復移
動手段を設けることが好ましく、押圧力付加手段に付加
する押付力は80〜150g/cm、ドクタブレードの
往復移動手段の移動速度は1〜20m/sが適当であ
る。
【0014】
【作用】以下本発明方法及び装置をさらに詳しく述べ
る。図1〜図15は本発明に従う急冷薄帯の剥離誘導方
法及び装置を単ロール法を例にして示したものである。
図1に示すように、注湯ノズル100より冷却ロール1
02の直上に注湯された溶融金属は、急冷凝固して急冷
薄帯104となる。急冷薄帯104は冷却ロール102
と接触し、冷却ロール102の回転に伴い密着して搬送
される。このとき、急冷薄帯104はある程度接触させ
た後、ドクターブレード12により冷却ロール102の
表面より剥離し、固定フード14を通して、ピンチロー
ル16に誘導される。又は図2に示すように巻取機18
に誘導される。このときフード14内はピンチロール1
6もしくは巻取機18の後方に配置された吸引ブロワ2
0にて吸引される。吸引ブロワ20は急冷薄帯104の
先端にある程度の張力を付加する。具体的には急冷薄帯
104の先端に付与する張力としては5〜50g/mm
2 程度が適正である。
【0015】図3、図4は冷却ロール102から急冷薄
帯104をドクターブレード12により剥離し、ロール
形状の磁石ロール30に非磁性ベルト32を巻掛けたベ
ルト装置にて急冷薄帯104の先端を牽引し、ある程度
の張力を付加する装置である。ベルト32の周速を冷却
ロール102の周速と同一にして回転させ、このベルト
にて、ドクターブレード12により剥離した急冷薄帯1
04を、図3ではピンチロール16に、図4では巻取機
18に誘導する。
【0016】図5、図6、図7には、冷却ロール102
から急冷薄帯104をドクターブレード12により剥離
し、磁石ロール40にて急冷薄帯104の先端にある程
度の張力を付加するものを示した。磁石ロール40は図
6に示すように、永久磁石もしくは電磁石402を内部
に固定し外筒のスリーブ404が高速回転する構造にな
っている。ドクターブレード12により剥離した急冷薄
帯104は冷却ロール102の周速より約1〜10%大
きい周速で回転する磁石ロール40によってピンチロー
ル16(図5)もしくは巻取機18(図7)に誘導され
る。この時の永久磁石または電磁石402としては例え
ば吸着力500g程度のアルニコ磁石等を適用すること
ができる。
【0017】急冷薄帯104の先端を冷却ロール102
から安定して剥離するために、冷却ロール102に接触
してドクターブレード12が設けられている。ドクター
ブレード12には、冷却ロール102への押付力を付加
し、さらに幅方向に往復移動する。押付力は80〜15
0g/cm、往復速度は1〜20m/sが好ましい。磁
石ロール40及びドクターブレード12により、冷却ロ
ール102から剥離した急冷薄帯104は、磁石ロール
40により張力を付加されながらピンチロール16に誘
導される。磁石ロール40により急冷薄帯104の先端
に付与する張力は、5〜50g/mm2 程度が適正であ
る。
【0018】外筒404は例えばS45C等の銅製で、
内部の磁石402との隙間は0.5〜2mmが適切であ
る。隙間が小さいと高速回転のため大きな駆動力が必要
で、またゴミ等が詰まるというメンテナンス上の問題が
ある。ドクターブレード12の材質は、グラファイトカ
ーボン、耐熱樹脂及びファイバ、ステンレス鋼、燐青銅
等冷却ロールを傷付けない材質とする必要がある。ブレ
ードの先端は30〜50°の鋭角に精密研磨加工にて1
S以下に加工する。
【0019】図8、図9は冷却ロール102から急冷薄
帯104をドクターブレード12により剥離し、真空吸
着ロール50にて急冷薄帯104の先端にある程度の張
力を付加するものである。真空吸着ロール50は真空吸
着部材を内部に固定し、外筒のスリーブが高速回転する
ものである。ドクターブレード12により剥離した急冷
薄帯104は冷却ロール102の周速と同一にして回転
させた真空吸着ロール50にて図8に示すようにピンチ
ロール16に誘導されるか又は巻取機に誘導される。こ
の時の真空吸着ロール50は例えば吸着力500g程度
が適当で真空度は50Torrが適している。
【0020】真空吸着ロール50は、急冷薄帯104の
先端を冷却ロール102から剥離し、かつ急冷薄帯10
4の先端に張力を付加する。真空吸着ロール50の吸引
力は、約500gが適当である。真空吸着ロール50の
周速は、冷却ロール102の周速よりも約1〜10%大
きくする。真空吸着ロール50は、図9に示すように、
多数の孔54をあけた真空吸引パッド52を内部にも
ち、多数の孔58をあけた外筒56が高速回転する構造
になっている。パッド52の端部から100〜500m
mAqの吸引ブロアで真空引きする。外筒56及びパッ
ド52はS45C等の鋼製で孔54、58の直径は1〜
3mmとする。外筒56とパッド52との隙間は2〜5
mmが適切である。外筒56とパッド52間の隙間が5
mmを超えた場合や、パッド52の孔54が1mm未満
では所定の吸引力が働かない。逆に外筒56とパッド5
2との隙間が2mm未満や、パッド52の孔54が3m
mを超えると過大な吸引力が働き、急冷薄帯104の微
妙な張力制御が難しくなる。
【0021】急冷薄帯104の先端を冷却ロール102
から安定して剥離するために、冷却ロール102に接触
してドクターブレード12を設けた。ドクターブレード
12には、冷却ロール102の押付力を付加し、さらに
幅方向に往復移動する。押付力は80〜150g/c
m、往復速度は1〜20m/sが好ましい。真空吸着ロ
ール50及びドクターブレード12により、冷却ロール
102から剥離した急冷薄帯104は、真空吸着ロール
50により張力を付加されながらピンチロール16に誘
導される。
【0022】真空吸着ロール50により急冷薄帯104
の先端に付加する張力は、5〜50g/mm2 程度が適
正である。図10、図11は冷却ロール102から急冷
薄帯104をドクターブレード12により剥離し、真空
吸着部材62を内部に固定設置したベルトコンベヤ60
にて急冷薄帯104の先端にある程度の張力を付加する
ものである。ベルトコンベヤ60は真空吸着部材62を
内部に固定し、ベルトが走行する。ドクターブレード1
2により剥離した急冷薄帯104は冷却ロール102の
周速に対して5%速いベルト速度に調整する。
【0023】ベルトコンベヤ60はメッシュベルトとす
るとよい。真空吸着部材62の吸引力は、約500gが
適当である。真空吸着ロール50の周速は、冷却ロール
102の周速よりも約5%大きくする。ベルトコンベヤ
60は、図11に示すように、冷却ロール102に近接
するプーリーを真空吸着ロールとし、真空吸着部材62
を兼用するものとしてもよい。この真空吸引ロールは、
図9に示すような、多数の孔をあけた真空吸引パッドを
内部にもち、メッシュベルトが高速移動する構造とすれ
ばよい。
【0024】次に、図12、図13に示したものは、冷
却ロール102から急冷薄帯104をドクターブレード
12により剥離し、噴射スリットを通る噴流のコアンダ
効果による沿面噴出流動を用いたフローティングノズル
70により急冷薄帯104の先端にある程度の張力をか
け、誘導するものである。このフローティングノズル7
0は冷却ロール軸中心から200mmの位置に配置さ
れ、スリットノズルのスリット間隔d=3mm、スリッ
ト幅W=250mm、湾曲曲面の半径r=9mmの広幅
空気噴流用スリットノズルである。このノズル出口下流
の一方の壁面が湾曲した凸面(コアンダ曲面)を有し、
急冷薄帯の搬送方向に角度θに配置した搬送ガイド(ス
タビライザ)72から構成されている。前記広幅空気噴
流用スリットノズルの出側圧力は300mmH2 O、空
気噴流の風速は50m/sであり、搬送ガイド(スタビ
ライザ)72の調整角度θ=15度、搬送ガイド72の
長さは100mmである。ドクターブレード12により
剥離した急冷薄帯104は高速噴流を有するコアンダ式
フローティングノズル70によりピンチロール16(図
12)もしくは巻取機18(図13)に誘導される。
【0025】図14は、冷却ロール102に近接して真
空吸引コンベヤ80を設け、急冷薄帯104をピンチロ
ールへ誘導する場合を示す。真空吸引コンベヤ80は、
急冷薄帯104の先端を冷却ロール102から剥離し、
急冷薄帯104の先端に張力を付加する。真空吸引コン
ベヤ80の吸引力は約500gが適当である。真空吸引
コンベヤ80の周速は、冷却ロール102の周速よりも
約5%大きくする。真空吸引コンベヤ80には、コンベ
ヤベルト82の上側の裏面に近接して真空パッド84が
設けられている。真空パッド84は銅製のボックスで表
面に1〜3mmの多数の孔があり、出側を100〜50
0mmAqの吸引ブロアで真空引きしている。
【0026】コンベヤベルト82はメッシュ形状で低摩
擦材が適しており、具体的には材質は樹脂、ゴムがよ
く、メッシュは1〜5mm角孔がよい。コンベヤベルト
82と真空パッド84間の隙間は1〜5mmが適切であ
る。コンベヤベルト82のメッシュが1mm未満の場合
や、コンベヤベルト82と真空パッド84間の隙間が5
mmを超えた場合や、真空パッド84の孔が1mm未満
では所定の吸引力が働かない。逆にメッシュが5mmを
超えたり、コンベヤベルト82と真空パッド84との隙
間が1mm未満の場合や、真空パッド84の孔が3mm
を超えると過大な吸引力が働き、急冷薄帯104の微妙
な張力制御が難しくなる。
【0027】急冷薄帯104の先端を冷却ロール102
から安定して剥離するために、冷却ロール102に接触
してドクターブレード12を設けている。ドクターブレ
ード12には、冷却ロール102への押付力を付加し、
さらに幅方向に往復移動する。押付力は80〜150g
/cm、往復速度は1〜20m/sが好ましい。図15
は、別の実施例装置を概略的に示した図である。
【0028】磁石ロール40と巻取機18の間に真空吸
引コンベヤ90を設けている。磁石ロール40及びドク
ターブレード12により冷却ロール102から剥離した
急冷薄帯104は磁石ロール40により張力を付加され
ながら真空吸引コンベヤ90により巻取機18に向かっ
て誘導される。真空吸引コンベヤ90には、コンベヤベ
ルト92の上側の裏側に近接して真空パッド94が設け
られている。コンベヤベルト92はメッシュ形状であ
る。
【0029】
【実施例】
実施例−1 Fe:82原子%,Si:8原子%,B:10原子%の
成分組成からなるアモルファス急冷薄帯を、ロール径1
mで高速回転する単ロール法装置で製造した。冷却ロー
ルから剥離する手段として、ドクターブレード(実施
例)、エアナイフ(比較例)を用いて急冷薄帯を剥離誘
導した。このとき、ロール周速は30m/s、ギャップ
0.3mm、作成された急冷薄帯厚み20μm、幅20
0mmであった。
【0030】表1に実施例及び比較例を示す。表1中の
No.1〜5は本発明の実施例であり、ドクターブレー
ドの剥取り刃としてはグラファイトカーボンを用い、冷
却ロールとドクターブレードとのなす角度は10〜30
°とし、例えば、80〜150g/cmの適正な押付力
を付加し、幅方向に1〜20m/secの速度で走査移
動した。急冷薄帯の先端に付与する張力としてはいずれ
も5〜50g/mm2 程度の適正値である。
【0031】一方、No.6〜13は比較例である。ま
ずNo.6〜10は剥離にエアナイフを用いた場合で、
剥離が難しく、ほとんどの場合急冷薄帯が冷却ロールに
巻付き、バドルブレークを発生、実験が失敗に終わって
いる。また、No.11〜13は磁力又は真空吸着のみ
で剥離、搬送させるものであるが、5秒以下で同時に巻
付きのため実験は失敗している。
【0032】
【表1】
【0033】実施例−2 実施例−1と同様の成分組成のアモルファス合金の薄帯
を図6、8、14に示すそれぞれの装置を使用して製造
し、薄板を製造開始してからピンチロールでキャッチす
るまでの時間を測定した。このとき、冷却ロールの周速
は30m/s、製造した薄帯の厚みは20μm、幅は2
00mmであった。測定結果を表2のNo.21〜24
に示す。
【0034】急冷薄帯の先端に付与する張力は、何れも
5〜50g/mm2 とした。またドクタープレードの材
質はグラファイトファイバを用いた。プレードの先端は
30〜50°の鋭角に精密研磨加工にて1S以下に加工
した。冷却ロールとドクタープレードとのなす角度は1
0〜30°とした。ドクタープレードの冷却ロールへの
押付力は、80〜150g/cmとした。ドクタープレ
ードの幅方向への往復速度は1〜20m/sとした。
【0035】実施例のNo.21〜24の場合はいずれ
も短時間にピンチロールで薄帯をキャッチすることがで
きた。また比較例を表2に示併せて示した。表2におい
て、No.25〜27はそれぞれ図5、7、12に示す
装置において、ドクターブレードの代わりにエアーナイ
フを使用した場合である。いずれの場合にも、ピンチロ
ールで薄帯をキャッチすることができなかった。
【0036】次に表2においてNo.28〜30はそれ
ぞれ図5、7、12に示す装置においてドクターブレー
ドもエアーナイフも使用しなかった場合である。いずれ
の場合にも、ピンチロールによる薄帯の短時間キャッチ
ングに失敗した。表2のNo.31は、冷却ロールとピ
ンチロール間にフードを設け、ブロアーでフード内の薄
帯を吸引した場合である。この場合には、ピンチロール
で薄帯をキャッチするのに90秒以上かかった。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、単ロール法により溶融
金属より製造した急冷薄帯を冷却ロールから容易に剥離
した後、早期に確実にピンチロールや巻取機に誘導、搬
送することができるので、アモルファス急冷薄帯を製造
するにあたって歩留り、生産性、品質向上を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の急冷薄帯の剥離、誘導装置の側面図
(固定フード式)である。
【図2】本発明の急冷薄帯の剥離、誘導装置の側面図
(固定フード式)である。
【図3】本発明の急冷薄帯の剥離、誘導装置(磁石ロー
ルに非磁性ベルトを巻きかけた装置)の側面図である。
【図4】本発明の急冷薄帯の剥離、誘導装置(磁石ロー
ルに非磁性ベルトを巻きかけた装置)の側面図である。
【図5】本発明の急冷薄帯の剥離、誘導装置(磁石ロー
ル)の側面図である。
【図6】本発明の急冷薄帯の剥離、誘導装置(磁石ロー
ル)の側面図である。
【図7】本発明の急冷薄帯の剥離、誘導装置(磁石ロー
ル)の側面図である。
【図8】本発明の急冷薄帯の剥離、誘導装置(真空ロー
ル)の側面図である。
【図9】本発明の真空ロールの側面図である。
【図10】本発明の急冷薄帯の剥離、誘導装置(真空ベ
ルトコンベヤ)の側面図である。
【図11】本発明の急冷薄帯の剥離、誘導装置(真空ベ
ルトコンベヤ)の側面図である。
【図12】本発明の急冷薄帯の剥離、誘導装置(コアン
ダ式フローティングノズル)の側面図である。
【図13】本発明の急冷薄帯の剥離、誘導装置(コアン
ダ式フローティングノズル)の側面図である。
【図14】本発明の急冷薄帯の剥離、誘導装置(真空吸
引コンベヤ)の側面図である。
【図15】本発明の急冷薄帯の剥離、誘導装置(真空吸
引コンベヤ)の側面図である。
【符号の説明】
12 ドクターブレード 14 固定フード 16 ピンチロール 18 巻取機 20 吸引ブロワ 30 磁石ロール 32 ベルト 40 磁石ロール 50 真空吸着ロール 52 真空吸引パッド 54 孔 56 外筒 58 孔 60 ベルトコンベヤ 62 真空吸着部材 70 コアンダ式フローティングノズル 72 搬送ガイド(スタビライザ) 80 真空吸引コンベヤ 82 コンベヤベルト 84 真空パッド 100 注湯ノズル 102 冷却ロール 104 急冷薄帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋谷 清 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 佐藤 徹 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 森脇 三郎 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属より急冷凝固した急冷薄帯を冷
    却ロール表面から剥離誘導するにあたり、冷却ロールに
    接触させたドクターブレードにより前記冷却ロールから
    急冷薄帯を剥離し、次いで剥離した急冷薄帯の先端を搬
    送ガイドにより牽引、誘導することを特徴とする急冷薄
    帯の剥離、誘導方法。
  2. 【請求項2】 前記搬送ガイドがブロワの吸引フードで
    あることを特徴とする請求項1記載の急冷薄帯の剥離、
    誘導方法。
  3. 【請求項3】 前記搬送ガイドが磁石ロールに非磁性ベ
    ルトを巻掛けたベルトコンベヤであることを特徴とする
    請求項1記載の急冷薄帯の剥離、誘導方法。
  4. 【請求項4】 前記搬送ガイドが永久磁石又は電磁石を
    内蔵し、外筒のスリーブが高速回転する磁石ロールであ
    ることを特徴とする請求項1記載の急冷薄帯の剥離、誘
    導方法。
  5. 【請求項5】 前記搬送ガイドが真空吸着部材を内部に
    固定設置したベルトコンベヤであることを特徴とする請
    求項1記載の急冷薄帯の剥離、誘導方法。
  6. 【請求項6】 前記搬送ガイドが真空吸着部材を内部に
    固定し、外筒のスリーブが高速回転する真空吸着ロール
    であることを特徴とする請求項1記載の急冷薄帯の剥
    離、誘導方法。
  7. 【請求項7】 前記搬送ガイドが噴射スリットを通る噴
    流のコアンダ効果による沿面噴出流動を用いるフローテ
    ィングノズルであることを特徴とする請求項1記載の急
    冷薄帯の剥離、誘導方法。
  8. 【請求項8】 単ロール法により溶融金属より急冷凝固
    した金属薄帯を冷却ロール表面から剥離して下流の装置
    へ誘導する装置であって、冷却ロールに近接して急冷薄
    帯を剥離、牽引、誘導する、剥離、牽引、誘導手段を設
    けると共に、前記冷却ロールに接触するドクタープレー
    ドを設けたことを特徴とする急冷薄帯の剥離、誘導装
    置。
  9. 【請求項9】 前記剥離、牽引、誘導手段と前記下流の
    装置の間に、薄帯を搬送するための真空吸引コンベヤを
    設けたことを特徴とする請求項8記載の急冷薄帯の剥
    離、誘導装置。
  10. 【請求項10】 剥離、牽引、誘導手段は永久磁石もし
    くは電磁石が内部に固定され、外筒が高速回転する磁石
    ロールであることを特徴とする請求項8記載の急冷薄帯
    の剥離、誘導装置。
  11. 【請求項11】 剥離、牽引、誘導手段は真空吸引パッ
    トが内部に固定され、外筒が高速回転する真空吸引ロー
    ルであることを特徴とする請求項8記載の急冷薄帯の剥
    離、誘導装置。
  12. 【請求項12】 剥離、牽引、誘導手段は真空吸引パッ
    トが内部に固定され、外側のコンベヤベルトが高速回転
    する真空吸引コンベヤであることを特徴とする請求項8
    記載の急冷薄帯の剥離、誘導装置。
  13. 【請求項13】 ドクターブレードはグラファイトカー
    ボン、耐熱樹脂及びファイバー、ステンレス鋼、又は燐
    青銅から成り、先端が30〜50°の鋭角で1S以下に
    精密研磨加工された表面を有することを特徴とする請求
    項8から12のいずれかに記載の急冷薄帯の剥離、誘導
    装置。
  14. 【請求項14】 ドクターブレードは押付力付加手段と
    幅方向往復移動手段を備えたことを特徴とする請求項8
    から13のいずれかに記載の急冷薄帯の剥離、誘導装
    置。
  15. 【請求項15】 押圧力付加手段の押付力は80〜15
    0g/cm、往復移動手段の移動速度は1〜20m/s
    であることを特徴とする請求項14記載の急冷薄帯の剥
    離、誘導装置。
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