JPH0619020B2 - 耐熱性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
耐熱性熱可塑性樹脂組成物Info
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- JPH0619020B2 JPH0619020B2 JP9635884A JP9635884A JPH0619020B2 JP H0619020 B2 JPH0619020 B2 JP H0619020B2 JP 9635884 A JP9635884 A JP 9635884A JP 9635884 A JP9635884 A JP 9635884A JP H0619020 B2 JPH0619020 B2 JP H0619020B2
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- Japan
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- resin
- pai
- aromatic
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Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、300〜400℃の温度領域において良好な
熱安定性および流動性を兼備し、かつ射出または押出成
形可能な芳香族ポリエーテルイミド樹脂(以下PEI樹
脂と略称する)の熱変形温度を改善することを目的とし
た樹脂組成物に関するものである。
熱安定性および流動性を兼備し、かつ射出または押出成
形可能な芳香族ポリエーテルイミド樹脂(以下PEI樹
脂と略称する)の熱変形温度を改善することを目的とし
た樹脂組成物に関するものである。
〈従来の技術〉 米国デュポン社商標“ベスペルSP”およびアップジョ
ン社商標“ポリイミド2080”で代表されるポリイミ
ド樹脂は、耐熱性、機械的強度、耐薬品性、電気的特性
が極めて優れているが、溶融加工性がなく、溶融成形で
きないのに対し、 一般式 (ただし、Zは少なくとも1つの炭素6員環を含む3価
の芳香族残基、Arは2価の芳香族残基、Yは2価の芳
香族および/または脂肪族残基を示す) で表わされるPEI樹脂は、ポリアミド樹脂の仲間であ
りながら溶融成形が可能であり、優れた機械的強度、耐
薬品性、電気的特性を有するため、高性能工業材料部品
を生産性の高い成形方式で供給することが可能であり、
各方面から注目されている。
ン社商標“ポリイミド2080”で代表されるポリイミ
ド樹脂は、耐熱性、機械的強度、耐薬品性、電気的特性
が極めて優れているが、溶融加工性がなく、溶融成形で
きないのに対し、 一般式 (ただし、Zは少なくとも1つの炭素6員環を含む3価
の芳香族残基、Arは2価の芳香族残基、Yは2価の芳
香族および/または脂肪族残基を示す) で表わされるPEI樹脂は、ポリアミド樹脂の仲間であ
りながら溶融成形が可能であり、優れた機械的強度、耐
薬品性、電気的特性を有するため、高性能工業材料部品
を生産性の高い成形方式で供給することが可能であり、
各方面から注目されている。
しかし、PEI樹脂は、ジフェニルエーテル結合に基づ
く良回転性構造を多用しているため、ポリイミド樹脂本
来の耐熱性が大巾に損なわれて、たとえば熱変形温度が
280℃以上の領域から200℃以下の領域に低下した
ため、熱特性と機械特性のバランスが悪く耐熱性樹脂と
してはやや実力不足の面が目立っている。
く良回転性構造を多用しているため、ポリイミド樹脂本
来の耐熱性が大巾に損なわれて、たとえば熱変形温度が
280℃以上の領域から200℃以下の領域に低下した
ため、熱特性と機械特性のバランスが悪く耐熱性樹脂と
してはやや実力不足の面が目立っている。
PEI樹脂とポリアミドイミド樹脂(以下PAI樹脂と
略称する)とのブレンド組成物は、既に公知である(特
開昭58−34828号公報)。
略称する)とのブレンド組成物は、既に公知である(特
開昭58−34828号公報)。
しかしながら、かかる組成物は、PEI樹脂とPAI樹
脂を溶液ブレンドして電線被覆エナメルワニスとするた
めのものであり、また、溶融成形できたとしても、圧縮
成形は可能であるが、射出成形や押出成形は不可能であ
った。従って、射出または押出成形可能なPAIとPE
Iとのブレンド組成物は未だ提供されていないのが現状
である。
脂を溶液ブレンドして電線被覆エナメルワニスとするた
めのものであり、また、溶融成形できたとしても、圧縮
成形は可能であるが、射出成形や押出成形は不可能であ
った。従って、射出または押出成形可能なPAIとPE
Iとのブレンド組成物は未だ提供されていないのが現状
である。
従来、公知のPAIのほとんどのものは、次の(a)〜(d)
に示す通り、そもそも射出または押出成形に不適切なも
のである。
に示す通り、そもそも射出または押出成形に不適切なも
のである。
たとえば、無水トリメチット酸モノクロリドと4・4′−
ジアミノジフェニルメタンから合成される一般式 で表わされるPAI(たとえば特公昭49−4077号
公報記載)は、メチレン結合の不安定性に起因して熱分
解開始温度が300℃以下であり、耐熱特性が不満足な
上に、流動開始温度と熱分解温度が接近しすぎているた
め溶融成形(たとえば、射出成形、押出成形など)を行
なうことは困難である。
ジアミノジフェニルメタンから合成される一般式 で表わされるPAI(たとえば特公昭49−4077号
公報記載)は、メチレン結合の不安定性に起因して熱分
解開始温度が300℃以下であり、耐熱特性が不満足な
上に、流動開始温度と熱分解温度が接近しすぎているた
め溶融成形(たとえば、射出成形、押出成形など)を行
なうことは困難である。
また、無水トリメリット酸クロリドと4・4′−ジアミノ
ジフェニルエーテルから合成される一般式 で表わされるPAI(たとえば、特公昭42−1563
7号公報記載)は、本質的に結晶性であり、その融点が
熱分解温度を越えるため溶融成形は実質上不可能であ
る。
ジフェニルエーテルから合成される一般式 で表わされるPAI(たとえば、特公昭42−1563
7号公報記載)は、本質的に結晶性であり、その融点が
熱分解温度を越えるため溶融成形は実質上不可能であ
る。
また、無水トリメリット酸クロリドと4・4′−ジアミノ
ジフェニルスルホンから合成される一般式 で表わされるPAIは、4・4′−ジアミノジフェニルス
ルホンの重合活性が本質的に低いため、重合度の低い重
合体しか得られず、たとえ溶融成形できても実用的強度
を有する成形物品用樹脂素材としては実用性がない。
ジフェニルスルホンから合成される一般式 で表わされるPAIは、4・4′−ジアミノジフェニルス
ルホンの重合活性が本質的に低いため、重合度の低い重
合体しか得られず、たとえ溶融成形できても実用的強度
を有する成形物品用樹脂素材としては実用性がない。
また、無水トリメリット酸とメタフェニレンジアミンか
ら合成される一般式 で表わされるPAI(たとえば特公昭49−4077号
公報記載)は、実用的耐熱特性を有し、しかも多少の溶
融流動性を有しているものの、溶融滞留時に三次元架橋
する傾向が強いために溶融成形することがかなりむつか
しく、たとえ成形できたとしても機械的特性が著しく悪
い成形体しか得られない。
ら合成される一般式 で表わされるPAI(たとえば特公昭49−4077号
公報記載)は、実用的耐熱特性を有し、しかも多少の溶
融流動性を有しているものの、溶融滞留時に三次元架橋
する傾向が強いために溶融成形することがかなりむつか
しく、たとえ成形できたとしても機械的特性が著しく悪
い成形体しか得られない。
すなわち、これらのPAIは、流動性または物理特性に
著しい害を与えるのでPEI樹脂用の添加剤としては不
適当なものであった。
著しい害を与えるのでPEI樹脂用の添加剤としては不
適当なものであった。
〈発明が解決しようとする問題点〉 そこで本発明者らは、上記PEI樹脂の溶融成形性を著
しく低下させることなく、熱変形温度を改善することを
目的として鋭意検討を行なった結果、特定の分子構造を
有するPAI樹脂を配合することが極めて効果的である
ことを見出し本発明に到達した。
しく低下させることなく、熱変形温度を改善することを
目的として鋭意検討を行なった結果、特定の分子構造を
有するPAI樹脂を配合することが極めて効果的である
ことを見出し本発明に到達した。
〈問題点を解決するための手段及び作用〉 すなわち、本発明は、 (イ)一般式 (ただし、Zは少なくとも1つの炭素6員環を含む3価
の芳香族残基、Arは2価の芳香族残基、Yは2価の芳香
族および/または脂肪族残基を示す)で表わされる繰返
し単位を主要構造単位として有する芳香族ポリエーテル
イミド樹脂および 一般式 または (ここで、Y′は次の構造および組成(ただし全体で1
00モル%)で構成される。
の芳香族残基、Arは2価の芳香族残基、Yは2価の芳香
族および/または脂肪族残基を示す)で表わされる繰返
し単位を主要構造単位として有する芳香族ポリエーテル
イミド樹脂および 一般式 または (ここで、Y′は次の構造および組成(ただし全体で1
00モル%)で構成される。
ただし、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数1
〜4のアルキル基またはハロゲン原子、Xは−SO2−
基、 aは1〜25、bは0または1〜4、cは0または1〜
2の整数を示す。)で表わされる非晶性熱可塑性芳香族
ポリアミドイミド樹脂からなり、全組成物中に占める割
合が(イ)芳香族ポリエーテルイミド樹脂65重量%を越
え99重量%以下および(ロ)非晶性熱可塑性芳香族ポリ
アミドイミド樹脂1重量%以上、35重量%未満からな
ることを特徴とする射出または押出成形用耐熱性熱可塑
性樹脂組成物を提供するものである。
〜4のアルキル基またはハロゲン原子、Xは−SO2−
基、 aは1〜25、bは0または1〜4、cは0または1〜
2の整数を示す。)で表わされる非晶性熱可塑性芳香族
ポリアミドイミド樹脂からなり、全組成物中に占める割
合が(イ)芳香族ポリエーテルイミド樹脂65重量%を越
え99重量%以下および(ロ)非晶性熱可塑性芳香族ポリ
アミドイミド樹脂1重量%以上、35重量%未満からな
ることを特徴とする射出または押出成形用耐熱性熱可塑
性樹脂組成物を提供するものである。
本発明で用いられるPEI樹脂は一般式 で表わされる繰返し単位を主要単位とし、エーテル結合
とイミド結合の2者を必須の結合単位として構成される
重合体である。ここでZは少なくとも1つの炭素6員環
を含む3価の芳香族基であり、そのうちの2価は、2個
のカルボニル基がZ基のベンゼン環内の隣接する炭素原
子に結合している事によって特徴づけられる。たとえ
ば、 などの構造を具体的に列挙することができる。Arは少な
くとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族基であり、
たとえば、 (QはO、S、CO、SO2、SO、炭素原子数1〜6
個のアルキル基を示す)などがあげられる。Yは2価の
芳香族および/または脂肪族残基を示し、たとえば、上
記Arと同一の官能基のほかに、 などがあげられる。
とイミド結合の2者を必須の結合単位として構成される
重合体である。ここでZは少なくとも1つの炭素6員環
を含む3価の芳香族基であり、そのうちの2価は、2個
のカルボニル基がZ基のベンゼン環内の隣接する炭素原
子に結合している事によって特徴づけられる。たとえ
ば、 などの構造を具体的に列挙することができる。Arは少な
くとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族基であり、
たとえば、 (QはO、S、CO、SO2、SO、炭素原子数1〜6
個のアルキル基を示す)などがあげられる。Yは2価の
芳香族および/または脂肪族残基を示し、たとえば、上
記Arと同一の官能基のほかに、 などがあげられる。
本発明の上記(I)式の定義にあてはまる好適なPEI樹
脂を、その構造式で例示すると次のようなものがあげら
れる。
脂を、その構造式で例示すると次のようなものがあげら
れる。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) 本発明で耐熱性向上剤として用いられる非晶性熱可塑性
芳香族PAI樹脂は一般式 または で表わされる高分子主鎖中にイミド結合およびアミド結
合を必須成分として含有する芳香族重合体類であり、式
中、ZおよびArは上記(I)式と共通であり、Y′は合成
原料として用いるジアミン(またはジイソシアネート)
から誘導される残基を示し、次の構造および組成(だた
し全体で100%)で構成される。
芳香族PAI樹脂は一般式 または で表わされる高分子主鎖中にイミド結合およびアミド結
合を必須成分として含有する芳香族重合体類であり、式
中、ZおよびArは上記(I)式と共通であり、Y′は合成
原料として用いるジアミン(またはジイソシアネート)
から誘導される残基を示し、次の構造および組成(だた
し全体で100%)で構成される。
(ただし、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数
1〜4のアルキル基またはハロゲン原子、Xは−SO2−
基、 aは1〜25、bは0または1〜4、cは0または1〜
2の整数を示す。) この式(II)および(III)の中でのイミド結合の一部(た
とえば30モル%未満)が、その閉環前駆体としてのア
ミド酸結合 の状態でとどまっているものも含まれる。上記式(II)で
示されるPAI樹脂はジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドン、クレゾールなど
の極性有機溶媒中で などの組合せを反応させることにより合成される。
1〜4のアルキル基またはハロゲン原子、Xは−SO2−
基、 aは1〜25、bは0または1〜4、cは0または1〜
2の整数を示す。) この式(II)および(III)の中でのイミド結合の一部(た
とえば30モル%未満)が、その閉環前駆体としてのア
ミド酸結合 の状態でとどまっているものも含まれる。上記式(II)で
示されるPAI樹脂はジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドン、クレゾールなど
の極性有機溶媒中で などの組合せを反応させることにより合成される。
また、上記式(III)で示されるPAI樹脂は、PAI樹
脂(II)の原料の または の一部を または で置換して反応させることにより合成される。
脂(II)の原料の または の一部を または で置換して反応させることにより合成される。
Y′単位の具体例としてはたとえば などがあげられる。
これらジアミン(またはジイソシアネート)残基Y′を
構成する成分中、(ii)の構造体が80モル%を越えると
PAIが次第に結晶性となって溶融成形性が著しく低下
するので配合剤として好ましくない。また(iii)の構造
体が60%を越えると、PAIの物性、特に強靱性が目
立って低下するので同様に配合剤として好ましくない。
構成する成分中、(ii)の構造体が80モル%を越えると
PAIが次第に結晶性となって溶融成形性が著しく低下
するので配合剤として好ましくない。また(iii)の構造
体が60%を越えると、PAIの物性、特に強靱性が目
立って低下するので同様に配合剤として好ましくない。
本発明で使用される第2成分PAI樹脂の典型例として
特開昭49−129799号公報、特公昭56−161
71号公報および特開昭56−112933号公報に開
示された次の3種をあげることができる。
特開昭49−129799号公報、特公昭56−161
71号公報および特開昭56−112933号公報に開
示された次の3種をあげることができる。
本発明の全組成物中に占める耐熱性向上剤としてのPA
I樹脂の割合は、PEI樹脂65重量%を越え99重量
%以下に対応して1重量%以下35重量%未満である。
PAI樹脂が1重量%未満では、耐熱性向上効果が実質
的に得られないので不適当である。また、PAI樹脂が
35重量%以上になると、組成物の加熱溶融時の流動性
が、もとのPEI樹脂のそれに比べて大巾に低下するた
め成形加工性が悪くなり不適当である。
I樹脂の割合は、PEI樹脂65重量%を越え99重量
%以下に対応して1重量%以下35重量%未満である。
PAI樹脂が1重量%未満では、耐熱性向上効果が実質
的に得られないので不適当である。また、PAI樹脂が
35重量%以上になると、組成物の加熱溶融時の流動性
が、もとのPEI樹脂のそれに比べて大巾に低下するた
め成形加工性が悪くなり不適当である。
本発明の組成物には必要に応じて70重量%以下の範囲
で次のような充填剤類を含有させることができる。
で次のような充填剤類を含有させることができる。
(a)耐摩耗性向上剤:グラファイト、カーボランダム、
ケイ石粉、二硫化モリブデン、フッ素樹脂など、(b)補
強剤:ガラス繊維、カーボン繊維、ボロン繊維、炭化ケ
イ素繊維、カーボンウイスカー、アスベスト繊維、石
綿、金属繊維など、(c)難燃性向上剤:三酸化アンチモ
ン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど、(d)電気
特性向上剤:クレー、マイカなど、(e)耐トラッキング
向上剤:石綿、シリカ、グラファイトなど、(f)耐酸性
向上剤:硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カリシウム
など、(g)熱伝導度向上剤:鉄、亜鉛、アルミニウム、
銅などの金属粉末、(h)その他:ガラスビーズ、ガラス
球、炭酸カルシウム、アルミナ、タルク、ケイソウ土、
水和アルミナ、マイカ、シラスバルーン、石綿、各種金
属酸化物、無機質顔料類など300℃以上で安定な合成
および天然の化合物類が含まれる。
ケイ石粉、二硫化モリブデン、フッ素樹脂など、(b)補
強剤:ガラス繊維、カーボン繊維、ボロン繊維、炭化ケ
イ素繊維、カーボンウイスカー、アスベスト繊維、石
綿、金属繊維など、(c)難燃性向上剤:三酸化アンチモ
ン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど、(d)電気
特性向上剤:クレー、マイカなど、(e)耐トラッキング
向上剤:石綿、シリカ、グラファイトなど、(f)耐酸性
向上剤:硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カリシウム
など、(g)熱伝導度向上剤:鉄、亜鉛、アルミニウム、
銅などの金属粉末、(h)その他:ガラスビーズ、ガラス
球、炭酸カルシウム、アルミナ、タルク、ケイソウ土、
水和アルミナ、マイカ、シラスバルーン、石綿、各種金
属酸化物、無機質顔料類など300℃以上で安定な合成
および天然の化合物類が含まれる。
本発明の組成物を混合調整するには、通常溶液混合法と
溶融混合法の2つの方法が用いられる。
溶融混合法の2つの方法が用いられる。
溶液混合法は、第1成分PEI樹脂および第2成分PA
I樹脂をそれぞれ別々に非プロトン性の極性溶媒たとえ
ば、N−メチル−2−ピロリドン、N・N−ジメチルホル
ムアミド、N・N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシドなどに溶解して溶液を調製し、続いてその二種
類の液を混合することによって行なわれる。
I樹脂をそれぞれ別々に非プロトン性の極性溶媒たとえ
ば、N−メチル−2−ピロリドン、N・N−ジメチルホル
ムアミド、N・N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシドなどに溶解して溶液を調製し、続いてその二種
類の液を混合することによって行なわれる。
また、溶融混合法は、通常のゴムまたはプラスチック類
を溶融ブレンドするのに用いられる装置、たとえば熱ロ
ール、バンバリーミキサー、ブラベンダー、押出機など
を利用することができる。混合操作は、均一な配合物が
得られるまで継続される。混合温度は、配合系が溶融可
能な温度以上、かつ配合系が熱分解しはじめる温度以下
に設定されるが、その温度は通常250〜400℃、好
ましくは300〜380℃の範囲から選択される。
を溶融ブレンドするのに用いられる装置、たとえば熱ロ
ール、バンバリーミキサー、ブラベンダー、押出機など
を利用することができる。混合操作は、均一な配合物が
得られるまで継続される。混合温度は、配合系が溶融可
能な温度以上、かつ配合系が熱分解しはじめる温度以下
に設定されるが、その温度は通常250〜400℃、好
ましくは300〜380℃の範囲から選択される。
本発明の組成物は均一溶融ブレンド体を形成し、生産性
の高い成形方法である射出成形または押出成形を行なう
ことが可能である。
の高い成形方法である射出成形または押出成形を行なう
ことが可能である。
本発明の組成物を成形して得られる成形物品は、耐熱
性、機械的特性、電気的特性、摺動特性、耐溶剤特性な
どのすぐれた性質を有しており、多くの用途に活用する
ことができる。
性、機械的特性、電気的特性、摺動特性、耐溶剤特性な
どのすぐれた性質を有しており、多くの用途に活用する
ことができる。
たとえば、自動車部品、電気・電子部品、給配水機器部
品、摺動部材などに有用な組成物を配合設計できる。
品、摺動部材などに有用な組成物を配合設計できる。
〈実施例〉 以下、実施例をあげて本発明をさらに詳述する。
なお、本実施例に示す%、比および部の値は、特にこと
わらない限りそれぞれ重量%、重量比および重量部を示
す。また、重合体の重合度指標である対数粘度は、溶
媒:N−メチル−2ピロリドン、温度:30℃、重合体
濃度0.5g/dの条件下に測定したものである。
わらない限りそれぞれ重量%、重量比および重量部を示
す。また、重合体の重合度指標である対数粘度は、溶
媒:N−メチル−2ピロリドン、温度:30℃、重合体
濃度0.5g/dの条件下に測定したものである。
実施例1〜3および比較例1〜2 まず、無水トリメリット酸モノクロリド、4・4′−スル
ホニルビス(パラフエニレンオキシ)ジアニリンおよび
4・4′−ジアミノジフエニルエーテル(102:50:
50モル比)を室温条件下、N・N′−ジメチルアセトア
ミド(DMAC)溶媒中で反応させて得られたポリアミ
ド酸を回収し、180〜230℃で加熱閉環させて次の
構造を有するPAI樹脂を合成した(これをPAI−A1
と略称する)。このPAI−A1の対数粘度は0.65で
あった。
ホニルビス(パラフエニレンオキシ)ジアニリンおよび
4・4′−ジアミノジフエニルエーテル(102:50:
50モル比)を室温条件下、N・N′−ジメチルアセトア
ミド(DMAC)溶媒中で反応させて得られたポリアミ
ド酸を回収し、180〜230℃で加熱閉環させて次の
構造を有するPAI樹脂を合成した(これをPAI−A1
と略称する)。このPAI−A1の対数粘度は0.65で
あった。
別途、次の一般式で表わされるPEI樹脂(ゼネラルエ
レクトリック社製“ウルテム1000”)を準備した。
レクトリック社製“ウルテム1000”)を準備した。
次に“ウルテム1000”ペレットおよびPAI−A1微
粉末を第1表の組成でドライブレンドした後、ブラベン
ダープラストグラフ押出機(処理温度320〜350
℃)に供給して均一配合ペレットを得た。得られたぺレ
ットの溶融粘度を高化式フローテスター(温度330
℃、荷重150kg)で測定した結果は、第1表のとおり
であり、比較例2は溶融粘度が実施例1〜3のそれに比
べて格段に高く、成形加工性の悪いものであった。
粉末を第1表の組成でドライブレンドした後、ブラベン
ダープラストグラフ押出機(処理温度320〜350
℃)に供給して均一配合ペレットを得た。得られたぺレ
ットの溶融粘度を高化式フローテスター(温度330
℃、荷重150kg)で測定した結果は、第1表のとおり
であり、比較例2は溶融粘度が実施例1〜3のそれに比
べて格段に高く、成形加工性の悪いものであった。
続いて、上記で得られた配合ペレットを射出成形機(パ
レル温度330〜350℃、金型温度150〜220
℃、射出圧力800〜1300kg/cm2)にかけ射出成
形試験片を作成し、熱変形温度および曲げ強度を測定し
たところ、第1表のような結果を得た。第1表からわか
るように実施例1〜3は、PAI−A1配合量に応じて比
較例1よりも熱変形温度が顕著に向上した。
レル温度330〜350℃、金型温度150〜220
℃、射出圧力800〜1300kg/cm2)にかけ射出成
形試験片を作成し、熱変形温度および曲げ強度を測定し
たところ、第1表のような結果を得た。第1表からわか
るように実施例1〜3は、PAI−A1配合量に応じて比
較例1よりも熱変形温度が顕著に向上した。
比較例3 実施例3のPAI−A1のかわりに、無水トリメリット酸
モノクロリドと4・4′−ジアミノジフエニルエーテルか
ら合成される一般式 で表わされるPAIを配合してブラベンダープラストグ
ラフ押出機で溶融ブレンドしたところ、PAI成分が全
く溶融しないために、極めて不均質なペレットしか得ら
れなかった。
モノクロリドと4・4′−ジアミノジフエニルエーテルか
ら合成される一般式 で表わされるPAIを配合してブラベンダープラストグ
ラフ押出機で溶融ブレンドしたところ、PAI成分が全
く溶融しないために、極めて不均質なペレットしか得ら
れなかった。
比較例4 実施例3のPAI−A1のかわりに、無水トリメリット酸
モノクロリドと4・4′−ジアミノジフエニルメタンから
合成される一般式 で表わされるPAIを配合してブラベンダープラストグ
ラフ押出機で溶融ブレンドしたところ、PAI成分の熱
安定性が悪く、熱分解による発泡が起ったため、スムー
スなペレット化ができなかった。
モノクロリドと4・4′−ジアミノジフエニルメタンから
合成される一般式 で表わされるPAIを配合してブラベンダープラストグ
ラフ押出機で溶融ブレンドしたところ、PAI成分の熱
安定性が悪く、熱分解による発泡が起ったため、スムー
スなペレット化ができなかった。
比較例5 実施例3のPAI−A1のかわりに、無水トリメリット酸
モノクロリドとメタフェニレンジアミンから合成される
一般式 で表わされるPAIまたは、無水トリメリット酸モノク
ロリドと4・4′−ジアミノジフエニルスルホンから合成
される一般式 で表わされるPAIを配合してブラベンダープラストグ
ラフ押出機で溶融ブレンドしたところ、一応均一ペレッ
ト化は可能であったが、配合ペレットの成形品の曲げ強
度は300〜600kg/cm2のレベルまで大巾に低下
し、実用性のないものであった。
モノクロリドとメタフェニレンジアミンから合成される
一般式 で表わされるPAIまたは、無水トリメリット酸モノク
ロリドと4・4′−ジアミノジフエニルスルホンから合成
される一般式 で表わされるPAIを配合してブラベンダープラストグ
ラフ押出機で溶融ブレンドしたところ、一応均一ペレッ
ト化は可能であったが、配合ペレットの成形品の曲げ強
度は300〜600kg/cm2のレベルまで大巾に低下
し、実用性のないものであった。
実施例4 まず、実施例1と同一のPEI樹脂(ゼネラルエレクト
リック社製“ウルテム1000”)20部をN−メチル
−2−ピロリドン80部に溶解してPEI溶液を調製し
た。別途一般式 (m/n=70/30モル比)で表わされるPAI樹脂
(アモコ社製“トーロン4000T”、対数粘度0.5
3)20部をN−メチル−2−ピロリドン80部に溶解
してPAI溶液を調製した。
リック社製“ウルテム1000”)20部をN−メチル
−2−ピロリドン80部に溶解してPEI溶液を調製し
た。別途一般式 (m/n=70/30モル比)で表わされるPAI樹脂
(アモコ社製“トーロン4000T”、対数粘度0.5
3)20部をN−メチル−2−ピロリドン80部に溶解
してPAI溶液を調製した。
次にPEI溶液とPAI溶液を70/30比で混合した
後、大量の水中に投入して重合体を回収し、洗浄/脱水
/乾燥してPEI/PAI=70/30比の配合組成物
を得た。続いて、この配合組成物を30mmφ単軸押出機
(処理温度320〜360℃)に供給してペレット化し
た後、実施例1と同一の射出成形機にかけて成形試験片
を作成して物性を測定したところ、熱変形温度は220
℃、曲げ強度は1500kg/cm2であり、比較例1に比
べて曲げ強度を維持したまま、熱変形温度を目立って向
上させる効果が得られた。
後、大量の水中に投入して重合体を回収し、洗浄/脱水
/乾燥してPEI/PAI=70/30比の配合組成物
を得た。続いて、この配合組成物を30mmφ単軸押出機
(処理温度320〜360℃)に供給してペレット化し
た後、実施例1と同一の射出成形機にかけて成形試験片
を作成して物性を測定したところ、熱変形温度は220
℃、曲げ強度は1500kg/cm2であり、比較例1に比
べて曲げ強度を維持したまま、熱変形温度を目立って向
上させる効果が得られた。
実施例5 一般式 で表わされるPEI樹脂(対数粘度0.56)25部を
N・N−ジメチルアセトアミド75部に溶解してPEI溶
液を調製した。
N・N−ジメチルアセトアミド75部に溶解してPEI溶
液を調製した。
別途一般式 で表わされるPAI樹脂(対数粘度0.51)25部を
N・N−ジメチルアセトアミド75部に溶解してPAI溶
液を調製した。次にPEI溶液とPAI溶液を3/1比
で混合後、大量の水中に投入して重合体を回収し、洗浄
/脱水/乾燥してPEI/PAI=75/25比の配合
組成物を得た。続いて実施例1と同様の条件下に押出ペ
レット化および射出成形して成形試験片を作成し、熱変
形温度を測定したところ220℃であり、PEI樹脂1
00%系の180℃よりも40℃も向上したものであっ
た。
N・N−ジメチルアセトアミド75部に溶解してPAI溶
液を調製した。次にPEI溶液とPAI溶液を3/1比
で混合後、大量の水中に投入して重合体を回収し、洗浄
/脱水/乾燥してPEI/PAI=75/25比の配合
組成物を得た。続いて実施例1と同様の条件下に押出ペ
レット化および射出成形して成形試験片を作成し、熱変
形温度を測定したところ220℃であり、PEI樹脂1
00%系の180℃よりも40℃も向上したものであっ
た。
〈発明の効果〉 本発明の樹脂組成物により、300〜400℃の温度領
域において、良好な熱安定性および流動性を兼備しかつ
射出または押出成形可能な芳香族PEI樹脂の熱変形温
度を改善することが可能となった。
域において、良好な熱安定性および流動性を兼備しかつ
射出または押出成形可能な芳香族PEI樹脂の熱変形温
度を改善することが可能となった。
Claims (1)
- 【請求項1】(イ)一般式 (ただし、Zは少なくとも1つの炭素6員環を含む3価
の芳香族残基、Arは2価の芳香族残基、Yは2価の芳
香族および/または脂肪族残基を示す)で表わされる繰
返し単位を主要構造単位として有する芳香族ポリエーテ
ルイミド樹脂および (ロ)一般式 または (ここで、Y′は次の構造および組成(ただし全体で1
00モル%)で構成される。 ただし、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素
数1〜4のアルキル基またはハロゲン原子、Xは−SO
2−基、 aは1〜25、bは0または1〜4、cは0または1〜
2の整数を示す。)で表わされる非晶性熱可塑性芳香族
ポリアミドイミド樹脂からなり、全組成物中に占める割
合が(イ)芳香族ポリエーテルイミド樹脂65重量%を
越え99重量%以下および(ロ)非晶性熱可塑性芳香族
ポリアミドイミド樹脂1重量%以上、35重量%未満か
らなることを特徴とする射出または押出成形用耐熱性熱
可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9635884A JPH0619020B2 (ja) | 1984-05-16 | 1984-05-16 | 耐熱性熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9635884A JPH0619020B2 (ja) | 1984-05-16 | 1984-05-16 | 耐熱性熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60240760A JPS60240760A (ja) | 1985-11-29 |
JPH0619020B2 true JPH0619020B2 (ja) | 1994-03-16 |
Family
ID=14162768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9635884A Expired - Lifetime JPH0619020B2 (ja) | 1984-05-16 | 1984-05-16 | 耐熱性熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0619020B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62299580A (ja) * | 1986-06-17 | 1987-12-26 | 東邦レーヨン株式会社 | サイズされた炭素繊維及びその製造法並びにサイズされた炭素繊維を含む組成物 |
JPH03177469A (ja) * | 1989-12-05 | 1991-08-01 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | ワニス |
-
1984
- 1984-05-16 JP JP9635884A patent/JPH0619020B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60240760A (ja) | 1985-11-29 |
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