JPH06187053A - 湯水混合装置 - Google Patents

湯水混合装置

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JPH06187053A
JPH06187053A JP35590692A JP35590692A JPH06187053A JP H06187053 A JPH06187053 A JP H06187053A JP 35590692 A JP35590692 A JP 35590692A JP 35590692 A JP35590692 A JP 35590692A JP H06187053 A JPH06187053 A JP H06187053A
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JP
Japan
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temperature
hot
cold water
target temperature
value
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Application number
JP35590692A
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English (en)
Inventor
Toshio Eki
驛  利男
Toshiharu Otsuka
俊治 大塚
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度制御に必要な消費電力を少なくする。 【構成】 高精度にフィードバック制御を行なう温度領
域である温度TLから温度THの温度範囲(高精度領
域)に目標温度TPがあるときには(ステップS33
0,S340)、基準偏差に相当する閾値TR2を値T
1とし(ステップS350)、高精度領域に目標温度T
Pがないときには閾値TR2を値T1より大きな値T2
とする(ステップS360)。温度偏差ΔTが閾値TR
2以上となるときのみ(ステップS370)、予荷重調
節モータ105を駆動して温度偏差ΔTを解消する(ス
テップS380,S390)。この結果、高精度領域に
目標温度TPがないときには、予荷重調節モータ105
を駆動する頻度を少なくすることができ、消費電力を少
なくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湯水混合装置に関し、
詳しくは温度によってばね定数が変化する素材からなる
ばねを用いて温度制御する湯水混合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の湯水混合装置としては、
湯と水の混合比を決定する可動弁体を温度によって形状
が変化する形状記憶合金を用いて付勢することにより、
湯水混合物の温度を一定に制御する自動温度調節式湯水
混合栓が提案されている(実公昭61−44062)。
これは、形状記憶合金が、特定の温度下で一定の形状に
セットしておくと、その他の温度下で物理的に形状を変
化させても当初のセット温度を与えることにより、再び
セット時の形状に復元するという特徴を有し、従来の感
温素子、例えば、ワックスサーモ等より熱容量が小さ
く、温度変化に対して敏感に作動することを利用したも
のである。
【0003】この混合栓では、可動弁体の一方をコイル
状形状記憶合金で付勢し、他方をコイルスプリングで付
勢するように構成されており、コイル状形状記憶合金は
湯水混合物に直接接触するよう配置されている。また、
コイル状形状記憶合金は、一定温度で一定コイル長にな
るとされており、このコイル状形状記憶合金は、湯水混
合物の温度の変化により、次のように作動するとされて
いる。
【0004】湯水混合物の温度が設定温度で定常状態に
あるとき、可動弁体はコイル状形状記憶合金とコイルス
プリングとの釣り合いの位置で停止している。定常状態
にあった湯水混合物の温度が外乱等により変化して一定
の温度になると、コイル状形状記憶合金は、その温度で
セットされた一定のコイル長に復元しようとして、形状
復元力を発生する。この形状復元力は、定常状態にあっ
たコイルスプリングとの釣り合いを崩して、可動弁体を
コイルスプリング側またはコイル状形状記憶合金側へ駆
動する。ここで、コイル状形状記憶合金に対して、設定
温度近傍で、連続的にコイル長をセットすれば、湯水混
合物の温度が設定温度近傍での変化に対して、コイル状
形状記憶合金は、温度変化に伴ってコイル長を変化さ
せ、連続的な形状復元力を発生する。従って、可動弁体
が湯水混合物の温度変化に対応して変位し、湯水の割合
を変化させるので、湯水混合物の温度を設定温度に保持
することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
形状記憶合金を用いた湯水混合装置では、湯水混合物の
設定温度の変更は、弁体を付勢するばねに手動で予荷重
を加えることにより行なわれるため、リモコン装置など
を用いて外部からの設定により所望の出湯温度を得るこ
とができないという問題があった。また、形状記憶合金
による温度制御のみでは、所望の出湯温度からずれた温
度で形状記憶合金の形状復元力とコイルスプリングの弾
力が釣り合ったときは、湯水混合物の温度と目標温度と
に温度偏差を生じて所望の出湯温度とすることができな
いという問題があった。
【0006】そこで、こうした湯水混合装置に電気的な
制御を組み合わせることが考えられるが、湯水混合装置
の設置場所を考えると、商用交流の使用は困難であり、
フローティングされた小電力の電源か電池の使用が前提
になる。この場合、限られた電力で動作し得るように
し、更に、電池の取り替えといった手間を減らすために
も、できる限り少ないエネルギーで作動する必要があっ
た。
【0007】本発明の湯水混合装置は、こうした問題を
解決し、少ないエネルギー消費量で湯水混合物の温度を
目標温度に保持することを目的としてなされ、次の構成
を採った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の湯水混合装置
は、図1に例示するように、湯水の混合比を調節する可
動弁体を有する湯水混合弁MVと、所定の温度範囲にお
いて温度に応じてばね定数が変化する材料からなり、前
記混合弁MVから流出する湯水混合物の温度上昇に伴い
湯の割合を減少させる方向に前記可動弁体を付勢する第
1のばねSP1と、前記可動弁体を前記方向とは反対方
向に付勢する第2のばねSP2と、前記第1および第2
のばねの少なくとも一方の予荷重を調節可能な予荷重調
節手段M1と、前記湯水混合物の目標温度を設定する温
度設定手段M2と、前記湯水混合物の温度を検出する温
度検出手段M3と、前記温度設定手段M2により設定さ
れた目標温度と前記温度検出手段M3により検出された
湯水混合物の温度との偏差が、所定の基準偏差以上であ
る場合には、該偏差を打ち消す側に前記予荷重調節手段
M1を制御する予荷重制御手段M4と、前記基準偏差
を、前記目標温度に基づいて決定する基準偏差決定手段
M5とを備えたことを要旨とする。
【0009】ここで、前記湯水混合装置において、基準
偏差決定手段M5は、前記温度設定手段M2により設定
された目標温度が所定の温度範囲内にあるときは基準偏
差を第1の値とし、該目標温度が該温度範囲外にあると
きは基準偏差を第1の範囲より大きな第2の値とする構
成とすることもできる。
【0010】また、前記湯水混合装置において、少なく
とも予荷重制御手段M4は、所定のクロックに基づいて
動作する論理演算装置により実現され、基準偏差決定手
段M5に代えて、前記論理演算装置の処理速度を前記目
標温度に基づいて調整する処理速度調整手段を備える構
成とすることもできる。
【0011】この基準偏差決定手段M5に代えて処理速
度調整手段を備えた前記湯水混合装置において、処理速
度調整手段は、前記目標温度が所定の温度範囲内にある
ときは処理速度を第1の値とし、前記目標温度が該温度
範囲外にあるときは処理速度を第1の値より小さな第2
の値とする構成とすることもできる。
【0012】また、基準偏差決定手段M5に代えて処理
速度調整手段を備えた前記湯水混合装置において、処理
速度調整手段は、前記目標温度が所定の温度範囲内にあ
るときは前記論理演算装置の動作を停止する構成とする
こともできる。
【0013】
【作用】以上のように構成された本発明の湯水混合装置
は、第1のばねSP1が湯水混合物の温度に応じてばね
定数を変化させ、湯水の混合比を調節する可動弁体を付
勢して、温度設定手段M2により設定された目標温度へ
湯水混合物の温度を制御する。温度検出手段M3により
検出された湯水混合物の温度と該目標温度との偏差が、
基準偏差決定手段M5により該目標温度に基づいて決定
された基準偏差以上である場合には、該偏差を打ち消す
側に予荷重制御手段M4が予荷重調節手段M1を制御し
て、湯水混合物の温度を目標温度とする。従って、湯水
混合物の温度が目標温度に基づいて決定された基準偏差
を越えない場合は、予荷重調節手段M1は動作しない。
【0014】湯水混合装置が基準偏差決定手段M5に代
えて処理速度調整手段を備えるときは、所定のクロック
に基づいて動作する論理演算装置により実現された予荷
重制御手段M4の処理速度を、目標温度に基づいて処理
速度調整手段が調整する。処理速度が調整されることに
より、予荷重制御手段M4の消費電力は、目標温度によ
り調整されることになる。
【0015】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。図2は本発明の一実施例である湯水混合装置の
模式図であり、図3はこの湯水混合装置の斜視図であ
る。
【0016】湯水混合装置10は、水道管から水が給水
される給水用脚金具11と、図示しない給湯機から湯が
給湯される給湯用脚金具12と、湯水の混合を行なう弁
ユニット15と、湯水の混合比を電気的に制御する制御
ユニット18とから構成されている。弁ユニット15
は、機能的には、給水用脚金具11から給水される水お
よび給湯用脚金具12から給水される湯を混合する湯水
混合弁60と、湯水混合弁60に組み込まれた可動弁体
70の位置を調節する予荷重調節機構100と、湯水混
合物温度TCを検出する温度センサ110と、シャワー
130またはカラン140からの混合湯水の選択および
止水をする切換え/止水弁120とを有する。これらの
具体的な構成については後述する。また、制御ユニット
18は、目標温度TPを表示する液晶表示部(LCD)
160と、目標温度TPの設定および吐水の選択等の操
作を行なうパネル操作部170と、温度センサ110に
よって検出される温度信号とパネル操作部170からの
信号を入力して予荷重調節機構100と切換え/止水弁
120とLCD160へ出力信号を出力する電子制御装
置150とを有する。更に、湯水混合装置10は電池1
80に接続されており、各部に必要な電源を供給する構
成となっている。
【0017】制御ユニット18を構成するパネル操作部
170は、図3に示すように、LCD160に表示され
る目標温度TPをデクリメントするスイッチ171と、
目標温度TPをインクリメントするスイッチ172と、
シャワー130からの吐水を選択するシャワー選択スイ
ッチ175と、カラン140からの吐水を選択するカラ
ン選択スイッチ176と、止水を選択する止水スイッチ
177から構成されている。
【0018】次に、給水用脚金具11の拡大断面図であ
る図4を用いて給水用脚金具11の構造について説明す
る。給水用脚金具11は、同図に示すように、水道管に
接続される入口21と湯水混合弁60に接続される出口
29とが形成されたハウジング20を有し、ハウジング
20には、止水弁22と圧力制御弁30が組み込まれて
いる。
【0019】止水弁22は、ハウジング20に液密に締
結されたキャップ27と、キャップ27とハウジング2
0にガイドされた弁体23と、ストレーナ28とを有す
る。弁体23は、ハウジング20とのガイド部24と端
部26とを有しており、ガイド部24には通水時に水の
通路となる開口部25が設けてある。ガイド部24はハ
ウジング20とねじで噛み合っており、弁体23を回転
させることにより弁体23が回転軸方向に変位する構造
になっている。従って、弁体23を回転させて、端部2
6とハウジング20を着脱させることにより、止水また
は通水する。通水時には、端部26とハウジング20と
の隙間から流入した水が開口部25を通り、ストレーナ
28によりゴミを除去した後に圧力制御弁30に流れ込
む。
【0020】圧力制御弁30は、弁ユニット15に供給
する水側圧力を制御する弁であり、ハウジング20内部
に環状に形成された弁座31、この弁座31と協動して
水の流れを制御する弁部材32、弁部材32を摺動可能
に収納するガイド部材35、弁部材32に固定された弁
軸40、弁軸40の末端が組み付けられる金属ベローズ
45等から構成されている。弁部材32は、ナット34
により弁軸40が固定される本体部32Aと、弁座31
と反対方向に延長する円筒形のスカート33とを有し、
このスカート33はハウジング20に液密に締結された
ガイド部材35のボア36内に若干のクリアランスをも
って収納されている。従って、弁部材32とスカート3
3とガイド部材35とで形成された二次圧力室37内に
は弁座31下流の給水二次圧力P2が導入される。
【0021】弁軸40には、弁部材32と反対側の端に
ばね受け41が設けられており、ハウジング20には、
ばね受け41に対峙してキャップ42が液密に締結され
ている。ばね受け41とキャップ42との間には金属ベ
ローズ45が液密に配置してあり、背圧室46を形成し
ている。金属ベローズ45は一定のばね定数を有するば
ねで、有効受圧面積は弁座31の有効面積に等しくなる
ように設定されている。背圧室46には、給湯用脚金具
12に接続されている圧力導入管58により給湯機から
の給湯圧力P3が導入されている。
【0022】こうして構成された圧力制御弁30は次の
ように作動する。弁部材32は、給水一次圧力P1によ
り開弁方向に作用する力と二次圧力室37の給水二次圧
力P2により閉弁方向に作用する力とを受ける。ばね受
け41は、給水一次圧力P1により閉弁方向に作用する
力と、金属ベローズ45により開弁方向に作用するばね
力と、背圧室46内の給湯圧力P3により開弁方向に作
用する力とを受ける。弁部材32とばね受け41は弁軸
40によって結合しているので、弁部材32の給水一次
圧力P1による開弁方向に作用する力とばね受け41の
給水一次圧力P1による閉弁方向に作用する力とはほぼ
釣り合い、二次圧力室37の給水二次圧力P2による閉
弁方向に作用する力に対して、金属ベローズ45による
開弁方向に作用するばね力と背圧室46内の給湯圧力P
3による開弁方向に作用する力との合力が釣り合う。従
って、給水二次圧力P2は金属ベローズ45のばね力だ
け給湯圧力P3より高くなり、水道管からの給水一次圧
力P1および給湯機からの給湯圧力P3が変動しても、
給水二次圧力P2と給湯圧力P3との差圧は一定とな
る。
【0023】尚、給湯用脚金具12の構成は特に図示し
ないが、給水用脚金具11に組み込まれた止水弁22と
同様の止水弁52が組み込まれている。
【0024】次に、弁ユニット15の拡大断面図である
図5を用いて、弁ユニット15の構造について説明す
る。弁ユニット15は同図に示すように、ハウジング6
1を有し、これに、湯水混合弁60,予荷重調節機構1
00,温度センサ110および切換え/止水弁120が
組み込まれている。ハウジング61には、水入口85と
湯入口95が形成されており、水入口85には給水用脚
金具11の出口29が接続され、湯入口95には給湯用
脚金具12の出口59が接続される。
【0025】湯水混合弁60は、水入口85および湯入
口95に夫々連通する環状通路86および96と、可動
弁体70を軸方向摺動自在に収容する弁室63と、湯水
混合室64を有する。弁室63は、湯水混合弁60の軸
線に垂直な水側弁座87および湯側弁座97と、軸方向
のボア62によって画定されている。可動弁体70は、
円筒部71と半径方向のウェブ72とを有する。円筒部
71の外径とボア62の内径との間には微小なクリアラ
ンスが設けてある。可動弁体70のウェブ72には複数
の開口73が設けてあり、湯入口95から弁室63内に
流入した湯は、開口73を通って湯水混合室64に流れ
込み、水と混合される。水と湯との混合の割合は、可動
弁体70が軸方向に変位することによって変化する。
尚、可動弁体70が水側弁座87と係合する位置まで変
位して水を遮断すれば湯のみが流れ出ることになり、可
動弁体70が湯側弁座97と係合する位置まで変位して
湯を遮断すれば水のみが流れ出ることになる。
【0026】可動弁体70は、湯水混合室64内に配置
された感温コイルスプリング80と弁室63内に配置さ
れた第2コイルスプリング90の力の釣り合いによって
位置決めされる構造となっている。このため、感温コイ
ルスプリング80の一端は止め輪74によりハウジング
61に固定されたばね受け75に支承され、他端は可動
弁体70に固定されたばね受け76に支承されている。
また、第2コイルスプリング90の一端は可動弁体70
と連動するばね受け77に支承され、他端は予荷重調節
機構100の可動ばね受け102に支承されている。組
立の便宜のため、ばね受け76はウェブ72を貫通し、
ばね受け77と螺合する構造になっている。
【0027】感温コイルスプリング80は温度に応じて
ばね定数が変化する金属によって形成されており、第2
コイルスプリング90は温度に関して一定のばね定数を
有する通常のばね材料によって形成されている。温度に
応じてばね定数が変化する金属材料としては、ニッケル
・チタン合金からなる形状記憶合金(SMA)の範疇に
属する合金が知られている。この種のSMAは温度に応
じて弾性係数が変化し、その結果、SMAからなる感温
コイルスプリング80のばね定数が温度に応じて変化す
る。SMAからなる所望の温度特性を有する温度応答性
の感温コイルスプリング80は、種々の供給者から入手
することができる。例えば、関東特殊製鋼株式会社の
「KTS−SMアロイ」がある。
【0028】また、予荷重調節機構100に消費される
電池180のエネルギを節減するために、感温コイルス
プリング80のばね定数と予荷重は、そのばね力(発生
荷重)が充分小さくなるように設定する必要がある。一
方、感温コイルスプリング80は、水のみを吐出すべき
低温条件下(この時には、第2コイルスプリング90に
加える予荷重はゼロにすることができ、可動弁体70は
感温コイルスプリング80のばね力のみによって湯側弁
座97に押圧される)においては、湯の流入を遮断する
に充分な力で可動弁体70を湯側弁座97に押圧するば
ね力を発生する必要がある。このため、感温コイルスプ
リング80のばね定数と予荷重は、低温時(例えば、給
水温度が5℃の時)に発生するばね力が500g以下、
好ましくは300g以下になるように設定する。
【0029】予荷重調節機構100は、予荷重調節モー
タ105をいずれかの方向に回転させることにより、第
2コイルスプリング90の予荷重を可変可能に構成され
ている。このため、ハウジング61に液密に締結された
端部部材101には、可動ばね受け102が軸方向変位
自在、かつ回転不能にスプライン嵌合してあり、この可
動ばね受け102の内ねじには予荷重調節モータ105
の出力軸103に形成されたウォーム104が噛み合っ
ている。また、予荷重調節モータ105の出力軸103
はOリング106によって軸封されている。
【0030】こうして構成された予荷重調節機構100
は、予荷重調節モータ105を所定方向に回転させて、
可動ばね受け102を図5右方に変位させることによ
り、第2コイルスプリング90の予荷重を増大させ、予
荷重調節モータ105を反対方向に回転させて、可動ば
ね受け102を左方に変位させることにより、第2コイ
ルスプリング90の予荷重を減少させる。
【0031】温度センサ110は、その感温部が湯水混
合弁60から流出する混合湯水が直接接触するように、
湯水混合弁60の出口であるばね受け75の下流側に配
置され、ハウジング61に液密に締結されている。
【0032】切換え/止水弁120は温度センサ110
の下流側に配置されており、ハウジング61に固定され
た固定ディスク121と、この固定ディスク121に擦
り合わさった状態で回転する回転ディスク125と、こ
の回転ディスク125を回転駆動する切換え/止水モー
タ127とを有する。固定ディスク121は、図6に示
すように2つの吐水ポート122および123を有し、
一方の吐水ポート122は接続金具131とシャワーホ
ース132(図3参照)を介してシャワー130に接続
され、他方の吐水ポート123は接続金具141と図示
しないスイベル継手を介してカラン140に接続されて
いる。回転ディスク125は、図7に示すように湯水混
合弁60の湯水混合室64に連通する唯一の吐水ポート
126を有する。切換え/止水モータ127を回転させ
て回転ディスク125の吐水ポート126を固定ディス
ク121の吐水ポート122に整合させると、混合湯水
はシャワー130に供給され、吐水ポート126を固定
ディスク121の吐水ポート123に整合させると混合
湯水はカラン140に供給され、吐水ポート126を固
定ディスク121のいずれの吐水ポート122および1
23からもオフセットさせると止水される。
【0033】制御ユニット18を構成する電子制御装置
150は、図8に示すようにマイクロコンピュータを中
心とする論理演算回路として構成される。詳しくは、予
め設定された制御プログラムに従って出湯を制御するた
めの各種演算処理を実行するCPU150a、CPU1
50aで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログ
ラムや制御データ等が予め格納されたROM150b、
同じくCPU150aで各種演算処理を実行するのに必
要な各種データが一時的に読み書きされるRAM150
c、電源オフ時においてもデータを保持可能なバックア
ップRAM150d、パネル操作部170からのスイッ
チ信号を入力するスイッチ入力回路150e、温度セン
サ110からの信号を入力する温度センサ入力回路15
0f、CPU150aでの演算結果に応じて予荷重調節
モータ105に駆動信号を出力するモータ駆動回路15
0g、パネル操作部170の吐水選択スイッチ175,
176や止水スイッチ177の入力に応じて切換え/止
水モータ127に駆動信号を出力するモータ駆動回路1
50hおよびLCD160に表示信号を出力するLCD
駆動回路150i等を備える。これらの素子・回路はバ
ス150xで相互に接続されている。また、電子制御装
置150は、電池180に接続された定電圧回路150
jを備えている。
【0034】次に、こうして構成された湯水混合装置1
0の作動を図9,図10,図11に示すフローチャート
に基づいて説明する。
【0035】図9は、出湯を開始するときに実行される
出湯開始時処理ルーチンを示す。このルーチンは、パネ
ル操作部170のシャワー選択スイッチ175またはカ
ラン選択スイッチ176が押され、スイッチ信号がスイ
ッチ入力回路150eを介して入力されることにより実
行される。
【0036】先ず、混合湯水の目標温度TPとしてRO
M150bに格納されたデフォルト値TD(例えば、4
0℃)と、バックアップRAM150dに格納された現
在の予荷重調節量である現予荷重調節量FDとを読み込
む処理を実行し(ステップS100,S110)、デフ
ォルト値TDをLCD160に表示する(ステップS1
20)。次いで、湯水混合物温度TCと予荷重調節量F
Sとの関係を表わす図示しないマップにより、デフォル
ト値TDに対応した予荷重調節量FSを求める(ステッ
プS130)。求めた予荷重調節量FSと現予荷重調節
量FDとの差を実予荷重調節量ΔFにセットし(ステッ
プS140)、現予荷重調節量FDを実予荷重調節量Δ
Fだけ増加させる(ステップS150)。すなわち、予
荷重調節モータ105を実予荷重調節量ΔFに対応した
分だけ駆動させることにより、ウォーム104が回転
し、可動ばね受け102が軸方向位置を変え、第2コイ
ルスプリング90の予荷重量が調節される。
【0037】ここで、デフォルト値TDは何度に設定さ
れていてもよいが、出湯開始時に熱水または冷水がシャ
ワー等から出湯するのを防止するために、通常使用する
湯水混合物温度TCとすることが望ましい。また、デフ
ォルト値TDがない構成でもよいが、出湯を終了する時
に通常使用する湯水混合物温度TCとなるよう可動弁体
70を調節する構成も望ましい。この場合は、ステップ
S100ないしS150は不要である。
【0038】次に、シャワー選択スイッチ175とカラ
ン選択スイッチ176とのどちらのスイッチが押された
かを判定する(ステップS160)。スイッチの判定に
従い、切換え/止水モータ127を駆動して、押された
スイッチの側の吐水ポートに回転ディスク125の吐水
ポート126を整合する(ステップS170,S18
0)。吐水ポート122または123と回転ディスク1
25の吐水ポート126が整合されることにより、シャ
ワー130またはカラン140から出湯が開始され、本
ルーチンを終了する。
【0039】次に、目標温度の設定が変更されたときの
処理を、図10に示す目標温度変更時処理ルーチンによ
り説明する。このルーチンは、混合湯水の目標温度TP
を設定するためのスイッチ171または172が押され
たときに実行される。
【0040】先ず、設定された目標温度TPと現予荷重
調節量FDとを読み込む処理を実行し(ステップS20
0,210)、湯水混合物温度TCと予荷重調節量FS
との関係を表わす前記のマップにより目標温度TPに対
応した予荷重調節量FSを求める(ステップS22
0)。次いで、求めた予荷重調節量FSと現予荷重調節
量FDとの差を実予荷重調節量ΔFにセットし(ステッ
プS230)、現予荷重調節量FDを実予荷重調節量Δ
Fだけ増加させて(ステップS240)、本ルーチンを
終了する。
【0041】以上、説明した図9および図10の処理に
より、目標温度TPを設定するためのスイッチ171,
172によって、設定された温度で混合湯水が吐水され
る。このときの出湯温度の調整はSMAを用いた感温コ
イルスプリング80により行なわれる。次に、この動作
について説明する。
【0042】湯水混合物温度TCが目標温度TPとなっ
て、給湯機からの給湯温度、水道水温または流量等の条
件が定常状態にある時には、可動弁体70は、湯水混合
室64内の混合湯水により感温コイルスプリング80に
発生するばね力と第2コイルスプリング90のばね力
(予荷重)との釣り合いにより位置が決定され、静止し
ている。この状態から、給湯機からの給湯温度、水道水
温または流量等の条件が外乱により変動すると、この変
動に応じて湯水混合室64内の湯水混合物温度TCが目
標温度TPからずれて温度偏差ΔTを生じる。感温コイ
ルスプリング80は、この温度変化に応じてばね定数を
変化させ、その結果、感温コイルスプリング80のばね
力が変化する。得られる湯水混合物温度TCが目標温度
TPより高い場合には、感温コイルスプリング80のば
ね力が増大し、第2コイルスプリング90の予荷重を増
加させながら可動弁体70を図5左方に変位させるの
で、湯の割合が減少し、湯水混合物温度TCが低下す
る。反対に、湯水混合物温度TCが目標温度TPより低
い場合には、感温コイルスプリング80のばね力が減少
し、第2コイルスプリング90の作用により可動弁体7
0が図5右方に変位するのを許容するので、水の割合が
減少し、湯水混合物温度TCが上昇する。こうした感温
コイルスプリング80の作用により湯水混合物温度TC
は目標温度TPに保持される。
【0043】出湯開始時処理ルーチンにより出湯が開始
された後または目標温度変更時処理ルーチンにより目標
温度TPが変更された後は、図11に示すフィードバッ
ク制御ルーチンにより、湯水混合物温度TCが制御され
る。本ルーチンは所定時間毎、例えば100ms毎に実
行される。
【0044】本ルーチンでは、先ず、目標温度TPと温
度センサ110により検出される湯水混合物温度TCを
読み込む処理を実行し(ステップS300)、目標温度
TPと湯水混合物温度TCの差を温度偏差ΔTとして算
出する(ステップS310)。算出された温度偏差ΔT
の絶対値を閾値TR1と比較し(ステップS320)、
温度偏差ΔTの絶対値が閾値TR1以上のときは、フィ
ードバック制御を行なう領域にないとして本ルーチンを
終了する。
【0045】ここで、閾値TR1は、フィードバック制
御の開始を判定する値であって、出湯開始時処理ルーチ
ンまたは目標温度変更時処理ルーチンにより初期設定さ
れた位置で可動弁体70が定常状態になったときの目標
温度TPと湯水混合物温度TCとの偏差よりは大きい値
として定められている。この偏差は、感温コイルスプリ
ング80および第2コイルスプリング90の製品毎のバ
ラツキや、経年変化による感温コイルスプリング80の
ばね定数の変化等により定まる。従って、閾値TR1
は、この偏差に若干の余裕を加えた値とするのが好まし
い。
【0046】温度偏差ΔTの絶対値が閾値TR1以上の
ときは、まだ給湯管等の死水の吐水中か予荷重調節モー
タ105の作動中である。このときにフィードバック制
御を行なうと、死水吐水等が完了すれば適正な予荷重調
節量FSであるものを、過渡期の湯水混合物温度TCに
より不適正な予荷重調節量FSとしてしまい、かえっ
て、湯水混合物温度TCを目標温度TPとするのが遅れ
ることになる。従って、この場合にはフィードバック制
御を行なわないのである。
【0047】一方、温度偏差ΔTの絶対値が閾値TR1
より小さいときは(ステップS320)、目標温度TP
が下限値TLから上限値THの範囲に入っているか否か
の判定を行なう(ステップS330,S340)。この
下限値TLおよび上限値THは、フィードバック制御を
高精度に行なう領域(高精度領域)を設定する値で、そ
の高精度領域の下限値および上限値である。この高精度
領域は、湯水混合物温度TCを目標温度TPからの許容
誤差を小さくして制御する領域であり、具体的には、人
が直接混合湯水に接触して使用し、湯水混合物温度TC
を敏感に感じる領域である。実施例では、一般的に使用
される温度である40℃を中心とした35℃から45℃
の温度領域を高精度領域として設定した。高精度領域
は、温度制御の精度を高く保つ領域なので、消費電力が
大きく、電池の取り替え時期を早める。従って、高精度
領域の範囲は消費電力および電池の取り替え時期とを考
慮して決定されるものである。
【0048】目標温度TPが、この高精度領域にあると
きは、基準偏差に相当する閾値TR2に所定値T1をセ
ットし(ステップS350)、目標温度TPが高精度領
域にないときは、閾値TR2に所定値T2をセットする
(ステップS360)。次に、温度偏差ΔTの絶対値と
閾値TR2とを比較する(ステップS370)。温度偏
差ΔTの絶対値が閾値TR2より大きいときは、温度偏
差ΔTに比例定数Kを乗じて実予荷重調節量ΔFを算出
し(ステップS380)、現予荷重調節量FDを実予荷
重調節量ΔFだけ増加する(ステップS390)。温度
偏差ΔTの絶対値が閾値TR2より小さいときは、基準
偏差内であるのでフィードバック制御を行なわず、本ル
ーチンを終了する。
【0049】ここで、閾値TR2は、湯水混合物温度T
Cが目標温度TPから許容される温度偏差の最大値(許
容温度偏差)である。従って、閾値TR2を高精度領域
では所定値T1に設定し、高精度領域外では所定値T2
に設定することにより、高精度領域か否かで温度制御の
精度を変えることができる。所定値T1は、高精度の制
御を要求される領域での許容温度偏差なので、制御可能
な範囲で小さい方が好ましく、予荷重調節モータ105
を駆動制御できる最小値および感温コイルスプリング8
0の特性等により定められる。所定値T2は、高精度の
制御を要求されない領域での許容温度偏差なので、予荷
重調節モータ105が頻繁に駆動しない範囲、すなわ
ち、ある程度の外乱を許容する範囲で定められる。従っ
て、所定値T2は所定値T1より大きな値である。
【0050】実施例では、温度偏差ΔTと実予荷重調節
量ΔFとの関係を比例定数Kにより算出したが、温度偏
差ΔTにより比例定数Kの値が異なる構成でもよく、温
度偏差ΔTに無関係に一定値の実予荷重調節量ΔFを設
定する構成、一定範囲内の温度偏差ΔTには第1の実予
荷重調節量ΔF1で、それ以上の温度偏差ΔTには第2
の実予荷重調節量ΔF2とする構成等も好適である。
【0051】以上説明した実施例の湯水混合装置の動作
の一例を図12を用いて説明する。図12(a)は、フ
ィードバック制御を行なわない場合の湯水混合物温度T
Cの変化を示したものである。湯水混合物温度TCの変
化は、例えば、湯側温度または給水圧力が変動すること
により生じる。これを、外乱G1,G2として図示し
た。
【0052】図12(b)は、閾値TR2を値T1とし
てフィードバック制御した場合(高精度領域に目標温度
TPがある場合)に、図12(a)と同一の外乱が生じ
たときの湯水混合物温度TCの変化と予荷重調節モータ
105の動作を示したものである。外乱G1が生じる
と、図12(a)と同様に湯水混合物温度TCは降下す
る。湯水混合物温度TCの降下に対して感温コイルスプ
リング80による温度制御が行なわれるが、感温コイル
スプリング80による温度制御によっても、なお、湯水
混合物温度TCの目標温度TPからの偏差が生じる場合
があり、この偏差が閾値TR2以上となると、予荷重調
節モータ105が駆動され、湯の割合を増して、湯水混
合物温度TCを上昇させる。外乱G1がおさまり、給湯
状態がもとの状態に戻ると、湯水混合物温度TCが上昇
する。湯水混合物温度TCの目標温度TPからの偏差が
閾値TR2以上となると、予荷重調節モータ105が駆
動し、湯の割合を減じ、湯水混合物温度TCを降下させ
る。外乱G2に対しても同様の動作により、湯水混合物
温度TCを目標温度TPから閾値TR2以内に制御す
る。従って、値T1を小さくすることにより、感温コイ
ルスプリング80の動作と共に予荷重調節モータ105
を駆動して、湯水混合物温度TCを高精度に目標温度T
Pで制御することができる。
【0053】図12(c)は、閾値TR2を値T2とし
てフィードバック制御した場合(高精度領域に目標温度
TPがない場合)に、図12(a)と同一の外乱が生じ
たときの湯水混合物温度TCの変化と予荷重調節モータ
105の動作を示したものである。外乱G1に対して
は、湯水混合物温度TCの目標温度TPからの偏差が閾
値TR2以内にあるので、予荷重調節モータ105は駆
動されない。一方、外乱G1より大きな外乱G2に対し
ては、湯水混合物温度TCの目標温度TPからの偏差が
閾値TR2以上となるので、予荷重調節モータ105を
駆動して、湯の割合を減じ、湯水混合物温度TCを降下
させる。外乱G2がおさまり、給湯状態がもとの状態に
戻った場合でも、湯水混合物温度TCの目標温度TPか
らの偏差が閾値TR2以内にあるときには、予荷重調節
モータ105は駆動されない。従って、値T2を大きく
することにより、湯水混合物温度TCの制御の精度は落
ちるが、閾値TR2を値T1とした場合(図12
(a))に比べて、予荷重調節モータ105が駆動する
回数を少なくすることができ、制御に要する電力を少な
くすることができる。
【0054】以上、説明した実施例の湯水混合装置10
によれば、高精度に湯水混合物温度TCの温度制御を行
なうことが要求される温度範囲では許容温度偏差を小さ
くし、それ以外の温度範囲では許容温度偏差を大きくし
てフィードバック制御するので、高精度の温度制御が要
求されない温度範囲では、予荷重調節モータ105が頻
繁に駆動することがなく、消費電力を小さくすることが
できる。従って、電池の取り替え時期を遅くすることが
できる。
【0055】もとより、ばね定数が温度によって変化す
るSMAを材料とした感温コイルスプリング80を用い
たので、外乱等により湯水混合物温度TCが変化して
も、感温コイルスプリング80のばね定数が温度に応じ
て変化することにより可動弁体70を温度変化を打ち消
す側に変位させて、湯水混合物温度TCを目標温度TP
とすることができる。また、感温コイルスプリング80
は熱容量の小さいSMAを材料とし、混合湯水に直接接
触する構成としたので、湯水混合物温度TCの変化に素
早く応じることができる。
【0056】また、外乱等により湯水混合物温度TCと
目標温度TPに温度偏差ΔTが生じ、感温コイルスプリ
ング80による温度制御だけでは温度偏差ΔTを解消す
ることができないときには、フィードバック制御を行な
うことにより温度偏差ΔTを解消するので、湯水混合物
温度TCを常に目標温度TPに制御することができる。
【0057】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。第2実施例の湯水混合装置は、第1実施例と同一
のハードウエア構成に、CPU150aの処理速度を決
定する周波数可変発振器150kを備えたものである。
図13は、CPU150aを中心とする制御系の電気的
な構成の一部を示すブロック図である。図13に示すよ
うにCPU150aと周波数可変発振器150kはバス
150xで接続されている。周波数可変発振器150k
は、CPU150aからの信号に基づいて、CPU15
0aの動作クロックとなるクロック周波数CRを変化さ
せる。動作クロックの周波数が変更されると、CPU1
50aの処理速度も変化する。
【0058】こうした構成を有する第2実施例は、第1
実施例の図9に示す出湯開始時処理ルーチンおよび図1
0に示す目標温度変更時処理ルーチンと同一の処理を実
行する。また、第2実施例では第1実施例の図11に示
すフィードバック制御ルーチンに代えて、図14に示す
フィードバック制御ルーチンを実行する。第2実施例の
フィードバック制御ルーチンは、第1実施例の同ルーチ
ンのステップS350およびS360が異なるのみで、
他はすべて同じである。従って、図14の同ルーチンの
ステップ番号は図11の同ルーチンと同じ部分について
は同一のステップ番号を付した。以下、異なる部分につ
いてのみ説明する。
【0059】ステップS330およびS340の判定に
より、目標温度TPが高精度領域にあるときにはクロッ
ク周波数CRを値C1とし(ステップS351)、目標
温度TPが高精度領域にないときはクロック周波数CR
を値C2とする(ステップS361)。ここで、値C1
およびC2はクロック周波数CRの設定値で、値C1は
値C2よりも高く設定されている。また、値C1および
C2は、クロック周波数CRと消費電力の関係およびフ
ィードバック制御の精度等によって定められる。
【0060】以上、説明した第2実施例の湯水混合装置
によれば、高精度に湯水混合物温度TCの温度制御を行
なうことが要求される温度範囲ではクロック周波数CR
を高くし、それ以外の温度範囲ではクロック周波数CR
を低くしてフィードバック制御を行なうので、高精度の
温度制御が要求されない温度範囲ではCPU150aの
処理速度が遅くすることにより消費電力を小さくするこ
とができる。従って、電池180の取り替え時期を遅く
することができる。尚、その他の効果については、第1
実施例と同一である。
【0061】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。第3実施例の湯水混合装置は、第1実施例と同一
のハードウエア構成のうちCPU150aに代えてCP
U150Aを備えたものに、CPU150Aにスリープ
信号を出力するフリップフロップ150mを加えたもの
である。図15は、CPU150Aを中心とする制御系
の電気的な構成の一部を示すブロック図である。第3実
施例で用いたCPU150Aは、スリープ端子SLPを
有し、この端子がハイレベル(HI)になると、現在実
行中のマシンサイクルの終了後、その動作を停止する機
能を備える。CPU150Aの停止中は、CPU150
Aの消費電力は動作時の1/10から1/100以下と
なる。
【0062】図15に示すように、バス150xにはレ
ジスタ150nが接続されており、CPU150Aがレ
ジスタ150nに所定のデータを書き込むことにより、
フリップフロップ150mのセット入力端子/Sはハイ
レベル(HI)からローレベル(LO)となる。尚、端
子名称の前に付けられた符号「/」は負論理であること
を示している。セット入力端子/SがLOとなることに
より、フリップフロップ150mの出力端子Qからの出
力がHIとなり、CPU150Aにスリープ信号を出力
する。この結果、CPU150Aは停止する。
【0063】一方、フリップフロップ150mのリセッ
ト入力端子/Rには、パネル操作部170に設けられた
アンドゲート190の出力が接続されている。このアン
ドゲート190の各入力端子は、スイッチ171等とス
イッチ入力回路150eとの接続線に接続されている。
従って、スイッチ171,172等のいずれかが操作さ
れると、フリップフロップ150mのリセット入力端子
/RがHIからLOとなることにより、フリップフロッ
プ150mの出力端子Qからの出力はLOに反転する。
この結果、CPU150Aのスリープ端子SLPがLO
となり、CPU150Aは、先に停止した時点から動作
を再開する。
【0064】こうした構成を有する第3実施例は、第1
実施例の図9に示す出湯開始時処理ルーチンおよび図1
0に示す目標温度変更時処理ルーチンと同一の処理を実
行する。また、第3実施例では第1実施例の図11に示
すフィードバック制御ルーチンに代えて、図16に示す
フィードバック制御ルーチンを実行する。以下、フィー
ドバック制御ルーチンを図16に基づいて説明する。本
ルーチンが実行されると、先ず、第1実施例の同ルーチ
ンのステップS300ないしS340と同一の処理が実
行される(ステップS400ないしS440)。
【0065】ステップS430およびS440の高精度
領域を判定する処理で、目標温度TPが高精度領域にあ
ると判定されたときは、次に、温度偏差ΔTの絶対値と
閾値TR2とを比較する(ステップS470)。温度偏
差ΔTの絶対値が閾値TR2以下のときは、本ルーチン
を終了し、温度偏差ΔTの絶対値が閾値TR2より大き
いときは、温度偏差ΔTに比例定数Kを乗じて実予荷重
調節量ΔFを算出し(ステップS480)、現予荷重調
節量FDを実予荷重調節量ΔFだけ増加する(ステップ
S490)。ここで、閾値TR2は、第1実施例と同様
に、湯水混合物温度TCが目標温度TPから許容される
温度偏差の最大値(許容温度偏差)である。
【0066】目標温度TPが高精度領域にないと判定さ
れたときは、次に、出湯開始時または目標温度変更時か
ら所定時間TSが経過したか否かを判定する(ステップ
S500)。ここで、所定時間TSとは、出湯開始後ま
たは目標温度変更後に湯水混合物温度TCが目標温度T
Pとなるのに十分な時間である。この所定時間TSを経
過していないときは、高精度領域と同一な処理(ステッ
プS470ないしS490)を行ない、所定時間TSを
経過した後は、レジスタ150nに所定のデータを書き
込む処理を実行する(ステップS510)。このレジス
タ150nに所定のデータを書き込むことにより、CP
U150aの動作が停止し(スリープモード)、パネル
操作部170のスイッチ171等が操作されるまで、フ
ィードバック制御は行なわれない。
【0067】以上、説明した第3実施例の湯水混合装置
によれば、高精度に湯水混合物温度TCの温度制御を行
なうことが要求される温度範囲では、常にフィードバッ
ク制御により湯水混合物温度TCを監視するので、湯水
混合物温度TCを目標温度TPに保持することができ
る。一方、高精度な温度制御が要求されない温度範囲で
は、湯水混合物温度TCが目標温度TPに落ち着いた時
点でCPU150aの動作を停止するので、消費電力を
小さくすることができる。従って、電池の取り替え時期
を遅くすることができる。尚、その他の効果について
は、第1実施例と同一である。
【0068】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、例えば、湯水混合物温度が目標温度に落ち着いた時
点で目標温度に関係なくCPUのクロック周波数を低く
する構成またはCPUの動作を停止する構成など、本発
明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる態様で
実施し得ることは勿論である。
【0069】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の湯水混合
装置では、湯水混合物の温度が目標温度から許容される
基準偏差を、目標温度に基づいて決定するので、高精度
の制御を必要とする温度範囲に目標温度を設定したとき
は基準偏差を小さくして制御し、それ以外の温度範囲に
目標温度を設定したときは基準偏差を大きくして制御す
ることができる。この結果、高精度の制御を必要としな
い温度範囲に目標温度を設定したときは、予荷重を調節
する頻度が低くなるので、消費電力を小さくすることが
できる。
【0070】湯水混合装置が処理速度調整手段を備える
ときは、論理演算装置により実現された予荷重制御手段
M4の処理速度を目標温度に基づいて調整するので、高
精度の制御を必要とする温度範囲に目標温度を設定した
ときは早い処理速度で制御し、それ以外の温度範囲に目
標温度を設定したときは遅い処理速度で制御することが
できる。この結果、高精度の制御を必要としない温度範
囲に目標温度を設定したときは、遅い処理速度で制御す
るので、消費電力を小さくすることができる。また、高
精度の制御を必要としない温度範囲に目標温度を設定し
たときは、予荷重制御手段M4の動作を停止することも
できるので、この場合、さらに消費電力を小さくするこ
とができる。
【0071】もとより、本発明の湯水混合装置では、所
定の温度範囲内において温度に応じてばね定数が変化す
る材料からなるばねを用いて湯水混合物の温度を制御す
ることができる。また、目標温度からずれた温度で第1
のばねと第2のばねのばね力が釣り合うことにより、湯
水混合物の温度と目標温度に偏差を生じた場合には、偏
差を打ち消す側に予荷重調節手段M1を制御するので、
湯水混合物の温度を目標温度とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湯水混合装置の基本的構造を例示する
ブロック図である。
【図2】本発明の湯水混合装置10を例示する模式図で
ある。
【図3】図2に示した湯水混合装置10の斜視図であ
る。
【図4】湯水混合装置10を構成する給水用脚金具11
の断面図である。
【図5】湯水混合装置10を構成する弁ユニット15の
拡大断面図である。
【図6】切換え/止水弁120に組み込まれた固定ディ
スク121の構造図である。
【図7】切換え/止水弁120に組み込まれた回転ディ
スク125の構造図である。
【図8】CPU150aを中心とした制御系の電気的な
構成を例示するブロック図である。
【図9】電子制御装置150により実行される出湯開始
時処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】電子制御装置150により実行される目標温
度変更時処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】電子制御装置150により実行されるフィー
ドバック制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】湯水混合物温度TCの変化と予荷重調節モー
タ105の動作を例示するグラフである。
【図13】第2実施例におけるCPU150aを中心と
する制御系の電気的な構成の一部を示すブロック図であ
る。
【図14】第2実施例の電子制御装置150により実行
されるフィードバック制御ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図15】第3実施例におけるCPU150Aを中心と
する制御系の電気的な構成の一部を示すブロック図であ
る。
【図16】第3実施例の電子制御装置150により実行
されるフィードバック制御ルーチンを示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
M1…予荷重調節手段 M2…温度設定手段 M3…温度検出手段 M4…予荷重制御手段 M5…基準偏差決定手段 MV…湯水混合弁 10…湯水混合装置 11…給水用脚金具 12…給湯用脚金具 15…弁ユニット 18…制御ユニット 20…ハウジング 21…入口 22…止水弁 23…弁体 24…ガイド部 25…開口部 26…端部 27…キャップ 28…ストレーナ 29…出口 30…圧力制御弁 31…弁座 32…弁部材 33…スカート 34…ナット 35…ガイド部材 36…ボア 37…二次圧力室 40…弁軸 41…ばね受け 42…キャップ 45…金属ベローズ 46…背圧室 52…止水弁 58…圧力導入管 59…出口 60…湯水混合弁 61…ハウジング 62…ボア 63…弁室 64…湯水混合室 70…可動弁体 71…円筒部 72…ウェブ 73…開口 74…止め輪 75,76,77…ばね受け 80…感温コイルスプリング 85…水入口 86,96…環状通路 87…水側弁座 90…第2コイルスプリング 95…湯入口 97…湯側弁座 100…予荷重調節機構 101…端部部材 102…可動ばね受け 103…出力軸 104…ウォーム 105…予荷重調節モータ 106…Oリング 110…温度センサ 120…切換え/止水弁 121…固定ディスク 122,123,126…吐水ポート 125…回転ディスク 127…切換え/止水モータ 130…シャワー 131…接続金具 132…シャワーホース 140…カラン 141…接続金具 150…電子制御装置 150a…CPU 150b…ROM 150c…RAM 150d…バックアップRAM 150e…スイッチ入力回路 150f…温度センサ入力回路 150g…モータ駆動回路 150h…モータ駆動回路 150i…LCD駆動回路 150j…定電圧回路 150k…周波数可変発振器 150m…フリップフロップ 150n…レジスタ 150x…バス 160…LCD 170…パネル操作部 171,172…スイッチ 175…シャワー選択スイッチ 176…カラン選択スイッチ 177…止水スイッチ 180…電池

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湯水の混合比を調節する可動弁体を有す
    る湯水混合弁と、 所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化す
    る材料からなり、前記混合弁から流出する湯水混合物の
    温度上昇に伴い湯の割合を減少させる方向に前記可動弁
    体を付勢する第1のばねと、 前記可動弁体を前記方向とは反対方向に付勢する第2の
    ばねと、 前記第1および第2のばねの少なくとも一方の予荷重を
    調節可能な予荷重調節手段と、 前記湯水混合物の目標温度を設定する温度設定手段と、 前記湯水混合物の温度を検出する温度検出手段と、 前記温度設定手段により設定された目標温度と前記温度
    検出手段により検出された湯水混合物の温度との偏差
    が、所定の基準偏差以上である場合には、該偏差を打ち
    消す側に前記予荷重調節手段を制御する予荷重制御手段
    と、 前記基準偏差を、前記目標温度に基づいて決定する基準
    偏差決定手段とを備えた湯水混合装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の湯水混合装置であって、 基準偏差決定手段は、前記温度設定手段により設定され
    た目標温度が所定の温度範囲内にあるときは基準偏差を
    第1の値とし、該目標温度が該温度範囲外にあるときは
    基準偏差を第1の範囲より大きな第2の値とする手段で
    ある湯水混合装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の湯水混合装置であって、 少なくとも予荷重制御手段は、所定のクロックに基づい
    て動作する論理演算装置により実現され、 基準偏差決定手段に代えて、前記論理演算装置の処理速
    度を前記目標温度に基づいて調整する処理速度調整手段
    を備えた湯水混合装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の湯水混合装置であって、 処理速度調整手段は、前記目標温度が所定の温度範囲内
    にあるときは処理速度を第1の値とし、前記目標温度が
    該温度範囲外にあるときは処理速度を第1の値より小さ
    な第2の値とする手段である湯水混合装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の湯水混合装置であって、 処理速度調整手段は、前記目標温度が所定の温度範囲内
    にあるときは前記論理演算装置の動作を停止する手段で
    ある湯水混合装置。
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