JPH06159536A - 回転ディスク式湯水混合装置 - Google Patents
回転ディスク式湯水混合装置Info
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- JPH06159536A JPH06159536A JP32844992A JP32844992A JPH06159536A JP H06159536 A JPH06159536 A JP H06159536A JP 32844992 A JP32844992 A JP 32844992A JP 32844992 A JP32844992 A JP 32844992A JP H06159536 A JPH06159536 A JP H06159536A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】応答性に優れ、湯水の圧力の過渡的変動の影響
を受けることのない温度制御機能に優れた湯水混合装置
を提供することを目的とする。 【構成】湯水混合装置(10;90)は、湯水の混合比を制
御する混合弁として回転式の混合弁(20)を有すると共
に、この混合弁の回転ディスク(24)の角位置は、温度
に応じてばね定数が変化する形状記憶合金からなる温度
応答性の第1の捩りバネ(44)の発生トルクと、非温度
応答性の第2の捩りバネ(46)の発生トルクとの釣り合
いにより位置決めされることを特徴とする。
を受けることのない温度制御機能に優れた湯水混合装置
を提供することを目的とする。 【構成】湯水混合装置(10;90)は、湯水の混合比を制
御する混合弁として回転式の混合弁(20)を有すると共
に、この混合弁の回転ディスク(24)の角位置は、温度
に応じてばね定数が変化する形状記憶合金からなる温度
応答性の第1の捩りバネ(44)の発生トルクと、非温度
応答性の第2の捩りバネ(46)の発生トルクとの釣り合
いにより位置決めされることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動温度調節機能を備
えた湯水混合装置に関する。
えた湯水混合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な自動温度調節式の湯水混合装置
は、熱膨脹性ワックスが封入された感温素子を備えたも
ので、使用者が温度設定ハンドルを回すことにより希望
給湯温度を設定すると、ワックス感温素子が湯水混合物
の温度に応答しながら混合弁体を位置決めして湯水混合
比を自動的に調節し、湯水混合物の温度を設定値に向っ
て機械的にフィードバック制御するようになっている。
水圧や給湯圧力や給湯機からの給湯温度や水道水温や流
量などの条件が過渡的に変動し、その結果、湯水混合物
の温度が変化すると、ワックス感温素子は温度変化に応
じて伸縮して、混合弁体を変位させて湯水の混合比を修
正し、オーバーシュートとアンダーシュートを繰り返し
ながら湯水混合物温度を次第にほぼ目標値に収斂させ
る。
は、熱膨脹性ワックスが封入された感温素子を備えたも
ので、使用者が温度設定ハンドルを回すことにより希望
給湯温度を設定すると、ワックス感温素子が湯水混合物
の温度に応答しながら混合弁体を位置決めして湯水混合
比を自動的に調節し、湯水混合物の温度を設定値に向っ
て機械的にフィードバック制御するようになっている。
水圧や給湯圧力や給湯機からの給湯温度や水道水温や流
量などの条件が過渡的に変動し、その結果、湯水混合物
の温度が変化すると、ワックス感温素子は温度変化に応
じて伸縮して、混合弁体を変位させて湯水の混合比を修
正し、オーバーシュートとアンダーシュートを繰り返し
ながら湯水混合物温度を次第にほぼ目標値に収斂させ
る。
【0003】この種の自動温調混合装置は広く普及して
いるが、ワックス感温素子の熱容量が大きいと共に熱伝
導性が良くないので、過渡的温度変化に対する応答が遅
く、かなりのオーバーシュートやアンダーシュートが生
じるという欠点がある。
いるが、ワックス感温素子の熱容量が大きいと共に熱伝
導性が良くないので、過渡的温度変化に対する応答が遅
く、かなりのオーバーシュートやアンダーシュートが生
じるという欠点がある。
【0004】ワックス感温素子の斯る欠点を改善するた
め、従来技術においては、金属製の感温素子を使用した
湯水混合栓が提案されている(実開昭57−38970
号)。この湯水混合栓は本体の軸方向に上下動するスラ
イド部材12を有し、湯の流量を調整するバルブ13が
このスライド部材に取り付けてある。スライド部材12
は形状記憶合金製の作動スプリング20により一方向に
付勢されていると共に、バイアススプリング21により
逆方向に付勢されている。湯水混合物の温度に応じて形
状記憶合金製の作動部材が本体軸方向に伸縮することに
よりバルブが変位し、湯水混合物の温度が自動調節され
るようになっている。
め、従来技術においては、金属製の感温素子を使用した
湯水混合栓が提案されている(実開昭57−38970
号)。この湯水混合栓は本体の軸方向に上下動するスラ
イド部材12を有し、湯の流量を調整するバルブ13が
このスライド部材に取り付けてある。スライド部材12
は形状記憶合金製の作動スプリング20により一方向に
付勢されていると共に、バイアススプリング21により
逆方向に付勢されている。湯水混合物の温度に応じて形
状記憶合金製の作動部材が本体軸方向に伸縮することに
よりバルブが変位し、湯水混合物の温度が自動調節され
るようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この湯水混合栓では、
作動スプリング20は形状記憶合金で形成されており、
斯る合金はワックス感温素子に比べて熱容量が小さいと
共に熱伝導性に優れているので、この湯水混合栓はワッ
クス感温素子を用いた湯水混合装置に比べて応答性が優
れているという利点がある。しかしながら、湯流量調整
バルブ13は、作動スプリング20の力とバイアススプ
リング21の力との釣り合いにより保持されているの
で、水圧や給湯圧力が過渡的に変動することにより湯水
の差圧が過渡的に変動すると、湯流量調整バルブ13が
不本意に変位し、湯水混合物の温度が目標温度からずれ
る虞れがある。
作動スプリング20は形状記憶合金で形成されており、
斯る合金はワックス感温素子に比べて熱容量が小さいと
共に熱伝導性に優れているので、この湯水混合栓はワッ
クス感温素子を用いた湯水混合装置に比べて応答性が優
れているという利点がある。しかしながら、湯流量調整
バルブ13は、作動スプリング20の力とバイアススプ
リング21の力との釣り合いにより保持されているの
で、水圧や給湯圧力が過渡的に変動することにより湯水
の差圧が過渡的に変動すると、湯流量調整バルブ13が
不本意に変位し、湯水混合物の温度が目標温度からずれ
る虞れがある。
【0006】また、湯流量調整バルブ13はリフト型の
弁であるので、弁座に強く押圧しなければ湯を遮断する
ことができないだけでなく、湯水間に差圧がある場合に
はバルブ13の外周からも湯漏れが生じる。従って、冷
水を得たい時に意に反して湯水混合物が吐出されること
になり、温度制御機能が十分でない。
弁であるので、弁座に強く押圧しなければ湯を遮断する
ことができないだけでなく、湯水間に差圧がある場合に
はバルブ13の外周からも湯漏れが生じる。従って、冷
水を得たい時に意に反して湯水混合物が吐出されること
になり、温度制御機能が十分でない。
【0007】本発明の目的は、応答性に優れ、しかも、
湯水の圧力の過渡的変動の影響を受けることのない湯水
混合装置を提供することにある。
湯水の圧力の過渡的変動の影響を受けることのない湯水
混合装置を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、湯および水の締め切
り性能に優れた湯水混合装置を提供することにある。
り性能に優れた湯水混合装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の湯水
混合装置は、湯水の混合比を制御する混合弁として回転
式の混合弁を使用すると共に、この回転式混合弁の回転
角位置を捩りバネにより制御することを特徴とするもの
である。捩りバネは、温度に応じてばね定数が変化する
形状記憶合金の範疇に属する金属からなる温度応答性の
第1の捩りバネと、非温度応答性の第2の捩りバネとを
有する。
混合装置は、湯水の混合比を制御する混合弁として回転
式の混合弁を使用すると共に、この回転式混合弁の回転
角位置を捩りバネにより制御することを特徴とするもの
である。捩りバネは、温度に応じてばね定数が変化する
形状記憶合金の範疇に属する金属からなる温度応答性の
第1の捩りバネと、非温度応答性の第2の捩りバネとを
有する。
【0010】本発明の一実施態様においては、湯水混合
装置の回転式混合弁は、湯流路および水流路に夫々連通
する湯ポートおよび水ポートが開口した弁座と、前記弁
座と協動して湯水の流れを制御する回転式の閉鎖部材と
を有する。回転式閉鎖部材は、回転ディスク、回転円
筒、又は部分球形の回転体の形を取ることができ、閉鎖
部材と協動する弁座はそれらと相補的な形状を有する。
装置の回転式混合弁は、湯流路および水流路に夫々連通
する湯ポートおよび水ポートが開口した弁座と、前記弁
座と協動して湯水の流れを制御する回転式の閉鎖部材と
を有する。回転式閉鎖部材は、回転ディスク、回転円
筒、又は部分球形の回転体の形を取ることができ、閉鎖
部材と協動する弁座はそれらと相補的な形状を有する。
【0011】回転式閉鎖部材が回転ディスクである場合
には、湯水ポートから回転ディスクに作用する流体圧力
は、回転ディスクの軸方向に作用する。回転式閉鎖部材
が回転円筒である場合には、流体圧力は回転円筒の回転
軸に向かって半径方向内向きに作用する。閉鎖部材が部
材球形である場合には、流体圧力は一般に球の中心に向
かって作用する。いづれの場合においても、回転式閉鎖
部材はその移動方向(即ち、回転方向)に流体圧力を受
けることがなく、回転式閉鎖部材の回転角位置は第1の
捩りバネのトルクと第2の捩りバネのトルクのみにより
決定され、それらのトルクが釣り合った回転角位置に閉
鎖部材は位置決めされる。このように、回転式閉鎖部材
はその回転方向に流体圧力を受けることがないので、湯
水の過渡的圧力変動により湯水間の差圧が変動しても、
閉鎖部材の角位置が不本意に変位することがない。従っ
て、温度応答性の捩りバネにより、安定した温度制御が
行われる。
には、湯水ポートから回転ディスクに作用する流体圧力
は、回転ディスクの軸方向に作用する。回転式閉鎖部材
が回転円筒である場合には、流体圧力は回転円筒の回転
軸に向かって半径方向内向きに作用する。閉鎖部材が部
材球形である場合には、流体圧力は一般に球の中心に向
かって作用する。いづれの場合においても、回転式閉鎖
部材はその移動方向(即ち、回転方向)に流体圧力を受
けることがなく、回転式閉鎖部材の回転角位置は第1の
捩りバネのトルクと第2の捩りバネのトルクのみにより
決定され、それらのトルクが釣り合った回転角位置に閉
鎖部材は位置決めされる。このように、回転式閉鎖部材
はその回転方向に流体圧力を受けることがないので、湯
水の過渡的圧力変動により湯水間の差圧が変動しても、
閉鎖部材の角位置が不本意に変位することがない。従っ
て、温度応答性の捩りバネにより、安定した温度制御が
行われる。
【0012】回転式混合弁の他の利点は、弁座と回転式
閉鎖部材との接合面を精密加工することにより、湯又は
水を容易に遮断できると共に、差圧による湯流路と水流
路との間の流体の漏れを効果的に防止できることであ
る。
閉鎖部材との接合面を精密加工することにより、湯又は
水を容易に遮断できると共に、差圧による湯流路と水流
路との間の流体の漏れを効果的に防止できることであ
る。
【0013】好ましくは、湯水混合物の目標温度を設定
するため、前記捩りバネの少なくとも一方の予荷重を調
節する予荷重調節手段を更に設ける。この予荷重調節手
段は、手動式にしてもよいし、電動式にしてもよい。
するため、前記捩りバネの少なくとも一方の予荷重を調
節する予荷重調節手段を更に設ける。この予荷重調節手
段は、手動式にしてもよいし、電動式にしてもよい。
【0014】本発明の回転式混合弁は、湯水間の漏れを
防止するに充分な程度に液密に加工することができる
が、差圧による湯水間の漏れをより完全に防止するため
には、湯水流路に供給される湯水の圧力を減圧し、又
は、等しくするのが好ましい。
防止するに充分な程度に液密に加工することができる
が、差圧による湯水間の漏れをより完全に防止するため
には、湯水流路に供給される湯水の圧力を減圧し、又
は、等しくするのが好ましい。
【0015】本発明の上記特徴や効果、ならびに、他の
特徴や利点は、以下の実施例の記載に従い更に明らかと
なろう。
特徴や利点は、以下の実施例の記載に従い更に明らかと
なろう。
【0016】
【実施例】図面を参照しながら本発明の実施例を説明す
る。本発明の第1実施例に係る湯水混合装置を示す図1
から図5を参照するに、湯水混合装置10は本体12を
備え、この本体12には湯入口14と水入口16が形成
されている。湯入口14には従来型の給湯機(図示せ
ず)からの湯が供給され、水入口16には給水系からの
水が供給される。本体12には中央ボア18が形成して
あり、このボア18内には回転式混合弁20が収蔵して
ある。
る。本発明の第1実施例に係る湯水混合装置を示す図1
から図5を参照するに、湯水混合装置10は本体12を
備え、この本体12には湯入口14と水入口16が形成
されている。湯入口14には従来型の給湯機(図示せ
ず)からの湯が供給され、水入口16には給水系からの
水が供給される。本体12には中央ボア18が形成して
あり、このボア18内には回転式混合弁20が収蔵して
ある。
【0017】回転式混合弁20は、ボア18に回転不能
に嵌合された弁座インサート22と、ボア18に回転可
能に嵌合された回転ディスク24と、回転弁軸26を有
する。弁軸26の右端は本体12に液密に固定された端
板28に回転可能に軸支してあり、左端は回転ディスク
24の角穴に嵌合してある。従って、弁軸26と回転デ
ィスク24とは本体12内で一体的に回転する。
に嵌合された弁座インサート22と、ボア18に回転可
能に嵌合された回転ディスク24と、回転弁軸26を有
する。弁軸26の右端は本体12に液密に固定された端
板28に回転可能に軸支してあり、左端は回転ディスク
24の角穴に嵌合してある。従って、弁軸26と回転デ
ィスク24とは本体12内で一体的に回転する。
【0018】弁座インサート22には湯ポート30およ
び水ポート32が形成してある。図1および図3からよ
く分かるように、夫々のポート30および32は断面円
形の開口34と断面三日月型の切欠き36からなり、こ
れらのポートはパッキン38および40の中央開口を介
して湯入口14および水入口16と夫々連通している。
図4からよく分かるように、回転ディスク24は、弁座
インサート22の切欠き36とほぼ同一寸法・同一断面
形状の唯一の開口42を有する。従って、回転ディスク
24が図4に示した回転角位置にあり、開口42が双方
のポート30および32と連通している時には、混合弁
20は湯水双方の通過を許容し、湯水を混合する。この
角位置から回転ディスク24が図4において時計方向に
回転するにつれて水の混合割合が増加し、ほぼ90°回
転すると湯は遮断される。反対に、回転ディスク24が
図4の角位置から反時計方向に回転するにつれて湯の混
合割合が増加し、ほぼ90°回転すると水が遮断され
る。弁座インサート22と回転ディスク24は緻密なセ
ラミックで形成し、それらの接合面は鏡面仕上げするの
が好ましい。そうすれば、湯ポート30と水ポート32
との間で接合面に沿って湯水が漏れるのを効果的に防止
することができる。
び水ポート32が形成してある。図1および図3からよ
く分かるように、夫々のポート30および32は断面円
形の開口34と断面三日月型の切欠き36からなり、こ
れらのポートはパッキン38および40の中央開口を介
して湯入口14および水入口16と夫々連通している。
図4からよく分かるように、回転ディスク24は、弁座
インサート22の切欠き36とほぼ同一寸法・同一断面
形状の唯一の開口42を有する。従って、回転ディスク
24が図4に示した回転角位置にあり、開口42が双方
のポート30および32と連通している時には、混合弁
20は湯水双方の通過を許容し、湯水を混合する。この
角位置から回転ディスク24が図4において時計方向に
回転するにつれて水の混合割合が増加し、ほぼ90°回
転すると湯は遮断される。反対に、回転ディスク24が
図4の角位置から反時計方向に回転するにつれて湯の混
合割合が増加し、ほぼ90°回転すると水が遮断され
る。弁座インサート22と回転ディスク24は緻密なセ
ラミックで形成し、それらの接合面は鏡面仕上げするの
が好ましい。そうすれば、湯ポート30と水ポート32
との間で接合面に沿って湯水が漏れるのを効果的に防止
することができる。
【0019】回転ディスク24の角位置の制御、従って
湯水の混合比の制御は、基本的には、弁軸26に作用す
る2種の捩りバネ44および46によって行われる。第
1の捩りバネ44は湯ポート30を閉じる方向(図4に
おいて時計方向)に回転ディスク24を回転付勢するも
ので、その一端は本体12に固定された仕切り板48に
係止してあり、その他端は弁軸26の中央フランジ50
に係止してある。この仕切り板48は本体12の内部空
洞を予備混合室52と主混合室54とに分けているが、
図5からよく分かるように、この仕切り板48には複数
の開口56が形成してあり、予備混合室52内の湯水混
合物を主混合室54に流出させるようになっている。他
方、第2の捩りバネ46は、第1捩りバネ44に予荷重
を与えるためのもので、水ポート32を閉じる方向(図
4において反時計方向)に回転ディスク24を回転付勢
する。このため、第2捩りバネ46の一端は弁軸26の
中央フランジ50に係止してあり、その他端は弁軸26
に回転可能に支持されたギヤ58に支承されている。こ
のような構成であるから、弁軸26、ひいては回転ディ
スク24は、第1捩りバネ44の回転付勢力と第2捩り
バネ46の回転付勢力とが釣り合うような回転角位置に
位置決めされる。図2からよく分かるように、ギヤ58
には目標温度設定用の手動ハンドル60と連動するウォ
ーム62が噛み合っており、温度設定ハンドル60を回
すことによりギヤ58の角位置を変更させ得るようにな
っている。手動ハンドル60を回せば、ギヤ58が回転
して第1捩りバネ44と第2捩りバネ46の予荷重を増
減し、ギヤ58の角変位のほぼ1/2だけ回転ディスク
24が角変位する。図示した実施例では、これらの捩り
バネ44および46はコイルスプリングの形に成形され
ているが、トーション・バーの形に形成することも可能
である。
湯水の混合比の制御は、基本的には、弁軸26に作用す
る2種の捩りバネ44および46によって行われる。第
1の捩りバネ44は湯ポート30を閉じる方向(図4に
おいて時計方向)に回転ディスク24を回転付勢するも
ので、その一端は本体12に固定された仕切り板48に
係止してあり、その他端は弁軸26の中央フランジ50
に係止してある。この仕切り板48は本体12の内部空
洞を予備混合室52と主混合室54とに分けているが、
図5からよく分かるように、この仕切り板48には複数
の開口56が形成してあり、予備混合室52内の湯水混
合物を主混合室54に流出させるようになっている。他
方、第2の捩りバネ46は、第1捩りバネ44に予荷重
を与えるためのもので、水ポート32を閉じる方向(図
4において反時計方向)に回転ディスク24を回転付勢
する。このため、第2捩りバネ46の一端は弁軸26の
中央フランジ50に係止してあり、その他端は弁軸26
に回転可能に支持されたギヤ58に支承されている。こ
のような構成であるから、弁軸26、ひいては回転ディ
スク24は、第1捩りバネ44の回転付勢力と第2捩り
バネ46の回転付勢力とが釣り合うような回転角位置に
位置決めされる。図2からよく分かるように、ギヤ58
には目標温度設定用の手動ハンドル60と連動するウォ
ーム62が噛み合っており、温度設定ハンドル60を回
すことによりギヤ58の角位置を変更させ得るようにな
っている。手動ハンドル60を回せば、ギヤ58が回転
して第1捩りバネ44と第2捩りバネ46の予荷重を増
減し、ギヤ58の角変位のほぼ1/2だけ回転ディスク
24が角変位する。図示した実施例では、これらの捩り
バネ44および46はコイルスプリングの形に成形され
ているが、トーション・バーの形に形成することも可能
である。
【0020】前述した第1の捩りバネ44は、温度に応
じてばね定数が変化する金属で形成されており、主混合
室54内の湯水混合物の温度に応じて異なる回転付勢力
を発生させ、回転ディスク24に作用させるようになっ
ている。温度に応じてばね定数が変化する金属材料とし
ては、ニッケル・チタン合金などからなり形状記憶合金
の範疇に属する合金が知られている。この種の合金は温
度に応じて弾性係数が変化し、その結果、形状記憶合金
からなる捩りバネ44のばね定数が温度に応じて変化す
る。一般に、ばね材料が棒状である場合の弾性係数は、
棒の捩りに関与する横弾性係数と棒の曲げ(圧縮と引っ
張り)に関与する縦弾性係数とに別けて考えることがで
きるが、図示した実施例のように第1捩りバネ44がコ
イルスプリングの形に成形されている場合には、捩りバ
ネ44のばね定数は縦弾性係数に基づいて定まる。
じてばね定数が変化する金属で形成されており、主混合
室54内の湯水混合物の温度に応じて異なる回転付勢力
を発生させ、回転ディスク24に作用させるようになっ
ている。温度に応じてばね定数が変化する金属材料とし
ては、ニッケル・チタン合金などからなり形状記憶合金
の範疇に属する合金が知られている。この種の合金は温
度に応じて弾性係数が変化し、その結果、形状記憶合金
からなる捩りバネ44のばね定数が温度に応じて変化す
る。一般に、ばね材料が棒状である場合の弾性係数は、
棒の捩りに関与する横弾性係数と棒の曲げ(圧縮と引っ
張り)に関与する縦弾性係数とに別けて考えることがで
きるが、図示した実施例のように第1捩りバネ44がコ
イルスプリングの形に成形されている場合には、捩りバ
ネ44のばね定数は縦弾性係数に基づいて定まる。
【0021】第2の捩りバネ46は通常のばね材料で形
成されており、そのばね定数は温度に関し一定である。
従って、第2捩りバネ46が発生する回転付勢力(トル
ク)は、第2捩りバネに加えられた予荷重に比例する。
成されており、そのばね定数は温度に関し一定である。
従って、第2捩りバネ46が発生する回転付勢力(トル
ク)は、第2捩りバネに加えられた予荷重に比例する。
【0022】次に、図6および図7を併せ参照してこの
湯水混合装置10の使用態様と動作を説明するに、図6
はこの湯水混合装置の応用例を示す。図7は、第1捩り
バネ44については湯水混合物温度の変化に対するその
発生トルクの変化を示し、第2捩りバネ46については
回転ディスク24の角位置の変化に対する発生トルクの
変化を示す。混合装置10は図6に示したように止水栓
兼用流量制御弁64を介してカラン66やシャワーに接
続することができる。混合弁20の回転ディスク24が
例えば図4の角位置にある時に止水栓64を開くと、湯
水は混合弁20を通過して予備混合室52および主混合
室54で混合され、出口68および止水栓64を経てカ
ラン66に供給される。
湯水混合装置10の使用態様と動作を説明するに、図6
はこの湯水混合装置の応用例を示す。図7は、第1捩り
バネ44については湯水混合物温度の変化に対するその
発生トルクの変化を示し、第2捩りバネ46については
回転ディスク24の角位置の変化に対する発生トルクの
変化を示す。混合装置10は図6に示したように止水栓
兼用流量制御弁64を介してカラン66やシャワーに接
続することができる。混合弁20の回転ディスク24が
例えば図4の角位置にある時に止水栓64を開くと、湯
水は混合弁20を通過して予備混合室52および主混合
室54で混合され、出口68および止水栓64を経てカ
ラン66に供給される。
【0023】その際、形状記憶合金からなる第1捩りバ
ネ44は混合室54内の湯水混合物の温度に感応し、そ
のばね定数は混合物温度に応じて変化するので、第1捩
りバネ44は、図7に示したように、混合物温度に対応
するトルクを発生する。他方、第2捩りバネ46は、図
7に示したように、その予荷重に応じたトルクを発生し
ている。第1捩りバネ44の発生トルクと第2捩りバネ
46の発生トルクとの間に差がある場合には、トルク差
により回転ディスク24は回転せられ、これら2つの捩
りバネの発生トルクが釣り合う角位置で回転ディスク2
4は停止する。この角位置は、図7において第1捩りバ
ネ44の発生トルクのカーブと第2捩りバネ46の発生
トルクのカーブとの交点に相当し、この角位置では混合
弁20は温度T℃の湯水混合物が得られるような混合比
で湯水を混合する。従って、混合装置10からは、T℃
の湯水混合物が吐出される。
ネ44は混合室54内の湯水混合物の温度に感応し、そ
のばね定数は混合物温度に応じて変化するので、第1捩
りバネ44は、図7に示したように、混合物温度に対応
するトルクを発生する。他方、第2捩りバネ46は、図
7に示したように、その予荷重に応じたトルクを発生し
ている。第1捩りバネ44の発生トルクと第2捩りバネ
46の発生トルクとの間に差がある場合には、トルク差
により回転ディスク24は回転せられ、これら2つの捩
りバネの発生トルクが釣り合う角位置で回転ディスク2
4は停止する。この角位置は、図7において第1捩りバ
ネ44の発生トルクのカーブと第2捩りバネ46の発生
トルクのカーブとの交点に相当し、この角位置では混合
弁20は温度T℃の湯水混合物が得られるような混合比
で湯水を混合する。従って、混合装置10からは、T℃
の湯水混合物が吐出される。
【0024】水圧や給湯圧力や給湯機からの給湯温度や
水道水温や流量などの条件が過渡的に変動し、その結
果、湯水混合物の温度が過渡的に変化すると、この温度
変化に応じて第1捩りバネ44の発生トルクが変化し、
回転ディスク24を回転させて湯水の混合比を変更す
る。例えば、湯水混合物温度がT℃より高くなった場合
には、第1捩りバネ44の発生トルクが増大し、第2捩
りバネ46の作用に抗して回転ディスク24を図4にお
いて時計方向に回転させ、混合物温度がT℃になるまで
湯の混合比を減少させる。反対に、湯水混合物温度がT
℃より低くなった場合には、第1捩りバネ44の発生ト
ルクが減少し、第2捩りバネ46の作用に応じて回転デ
ィスク24は図4において反時計方向に回転し、混合物
温度がT℃に回復するまで湯の混合比を増加させる。こ
のようにして、混合物温度はT℃に維持される。
水道水温や流量などの条件が過渡的に変動し、その結
果、湯水混合物の温度が過渡的に変化すると、この温度
変化に応じて第1捩りバネ44の発生トルクが変化し、
回転ディスク24を回転させて湯水の混合比を変更す
る。例えば、湯水混合物温度がT℃より高くなった場合
には、第1捩りバネ44の発生トルクが増大し、第2捩
りバネ46の作用に抗して回転ディスク24を図4にお
いて時計方向に回転させ、混合物温度がT℃になるまで
湯の混合比を減少させる。反対に、湯水混合物温度がT
℃より低くなった場合には、第1捩りバネ44の発生ト
ルクが減少し、第2捩りバネ46の作用に応じて回転デ
ィスク24は図4において反時計方向に回転し、混合物
温度がT℃に回復するまで湯の混合比を増加させる。こ
のようにして、混合物温度はT℃に維持される。
【0025】湯水混合物温度を変更したい場合には、使
用者が温度設定用の手動ハンドル60を回すことにより
第2捩りバネ46の予荷重を増減すると、第2捩りバネ
46の発生トルクは図7において上下に平行移動するの
で、第1捩りバネ44の発生トルクのカーブと第2捩り
バネ46の発生トルクのカーブとの交点は図7において
左右に移動し、これに対応して混合物温度を変更するこ
とができる。
用者が温度設定用の手動ハンドル60を回すことにより
第2捩りバネ46の予荷重を増減すると、第2捩りバネ
46の発生トルクは図7において上下に平行移動するの
で、第1捩りバネ44の発生トルクのカーブと第2捩り
バネ46の発生トルクのカーブとの交点は図7において
左右に移動し、これに対応して混合物温度を変更するこ
とができる。
【0026】斯る作動において、本発明の混合装置10
の混合弁20には回転ディスク24が使用してあるの
で、湯水ポート30および32から回転ディスク24に
作用する流体圧力は弁軸26に平行な方向にのみ作用す
る。つまり、流体圧力は回転ディスク24の回転方向に
作用することがない。このように、回転ディスク24は
流体圧力に起因する回転トルクを受けないので、水圧や
給湯圧力の過渡的変動により湯水の差圧が過渡的に変動
しても、不本意に回転することがない。従って、水圧や
給湯圧力の過渡的変動にも拘わらず、混合物温度を安定
に目標値に制御することができる。
の混合弁20には回転ディスク24が使用してあるの
で、湯水ポート30および32から回転ディスク24に
作用する流体圧力は弁軸26に平行な方向にのみ作用す
る。つまり、流体圧力は回転ディスク24の回転方向に
作用することがない。このように、回転ディスク24は
流体圧力に起因する回転トルクを受けないので、水圧や
給湯圧力の過渡的変動により湯水の差圧が過渡的に変動
しても、不本意に回転することがない。従って、水圧や
給湯圧力の過渡的変動にも拘わらず、混合物温度を安定
に目標値に制御することができる。
【0027】更に、温度応答性の第1捩りバネ44は金
属で形成されており、従って、従来技術のワックス感温
素子に比較してその熱容量が著しく小さいと共に熱伝導
性が良いので、第1捩りバネ44のばね定数は殆ど瞬間
的に混合物の温度変化に応答して増減し、その発生トル
クは瞬間的に変化する。従って、混合弁20は、ワック
ス感温素子によって位置決めされた従来技術の混合弁の
ようにオーバーシュートやアンダーシュートをすること
がなく、湯水混合物の過渡的温度変化に瞬間的に応答し
て混合物温度を目標値に制御する。
属で形成されており、従って、従来技術のワックス感温
素子に比較してその熱容量が著しく小さいと共に熱伝導
性が良いので、第1捩りバネ44のばね定数は殆ど瞬間
的に混合物の温度変化に応答して増減し、その発生トル
クは瞬間的に変化する。従って、混合弁20は、ワック
ス感温素子によって位置決めされた従来技術の混合弁の
ようにオーバーシュートやアンダーシュートをすること
がなく、湯水混合物の過渡的温度変化に瞬間的に応答し
て混合物温度を目標値に制御する。
【0028】前述したように、弁座インサート22と回
転ディスク24を緻密なセラミックで形成し、それらの
接合面を鏡面仕上げした場合には、湯ポート30と水ポ
ート32との間の湯水の漏れは実質的に防止することが
できる。しかし、湯水の漏れを一層完全に防止するに
は、図6に破線で示したように、湯入口14および水入
口16の上流に減圧弁70および72を配置し、湯ポー
ト30と水ポート32との間の圧力差を小さくすること
ができる。或いは、減圧弁70および72に代えて、図
8に示すような従来型の平衡弁74を配置し、湯水入口
に供給される湯水の圧力を等しくすることもできる。
転ディスク24を緻密なセラミックで形成し、それらの
接合面を鏡面仕上げした場合には、湯ポート30と水ポ
ート32との間の湯水の漏れは実質的に防止することが
できる。しかし、湯水の漏れを一層完全に防止するに
は、図6に破線で示したように、湯入口14および水入
口16の上流に減圧弁70および72を配置し、湯ポー
ト30と水ポート32との間の圧力差を小さくすること
ができる。或いは、減圧弁70および72に代えて、図
8に示すような従来型の平衡弁74を配置し、湯水入口
に供給される湯水の圧力を等しくすることもできる。
【0029】以上に説明した実施例は、手動ハンドル6
0を用いて捩りバネ44および46の予荷重を調節する
ことにより目標温度を設定するというものであった。本
発明の第2の実施例においては、図9に示したように、
第1実施例の予荷重調節用手動ハンドル60を電動モー
タ76に置換し、サーミスタ78を本体12の出口68
に設けて湯水混合物の温度を検出し、マイクロコンピュ
ータからなる制御回路80に温度設定スイッチ82から
目標温度を入力し、スイッチ82により設定された目標
温度とサーミスタ78により検出された混合物温度に基
づいて混合弁20をフィードバック制御することもでき
る。この第2実施例においては、過渡的条件変動に基づ
く温度変動は形状記憶合金からなる第1捩りバネ44に
よる機械的フィードバック制御により敏速に対処され
る。制御回路80によるフィードバック制御の主たる役
割は、形状記憶合金からなる第1捩りバネ44のヒステ
リシスを補正すること、第1捩りバネ44および第2捩
りバネ46のばね定数のバラツキに基づくオフセットを
除去すること、構成要素の経時的劣化などに起因する定
常的オフセットを除去すること等である。
0を用いて捩りバネ44および46の予荷重を調節する
ことにより目標温度を設定するというものであった。本
発明の第2の実施例においては、図9に示したように、
第1実施例の予荷重調節用手動ハンドル60を電動モー
タ76に置換し、サーミスタ78を本体12の出口68
に設けて湯水混合物の温度を検出し、マイクロコンピュ
ータからなる制御回路80に温度設定スイッチ82から
目標温度を入力し、スイッチ82により設定された目標
温度とサーミスタ78により検出された混合物温度に基
づいて混合弁20をフィードバック制御することもでき
る。この第2実施例においては、過渡的条件変動に基づ
く温度変動は形状記憶合金からなる第1捩りバネ44に
よる機械的フィードバック制御により敏速に対処され
る。制御回路80によるフィードバック制御の主たる役
割は、形状記憶合金からなる第1捩りバネ44のヒステ
リシスを補正すること、第1捩りバネ44および第2捩
りバネ46のばね定数のバラツキに基づくオフセットを
除去すること、構成要素の経時的劣化などに起因する定
常的オフセットを除去すること等である。
【0030】次に、図10および図11を参照して本発
明の第3実施例を説明する。これらの図において第1実
施例の構成要素と同一又は類似の構成要素は同じ参照番
号で示し、説明は省略する。この第3実施例は、湯水の
いづれか一方のみを混合弁20により制御するように構
成されている。このため、湯水混合装置90の本体12
には、混合弁20に供給する第1入口92と、混合室5
4に連通する第2入口94とが設けてある。第1入口お
よび第2入口のいづれの一方を湯入口とし、いづれの他
方を水入口としても良い。図11に示したように、弁座
インサート22には第1入口92に連通する唯一のポー
トが形成してある。回転ディスク24は第1実施例と同
様の形状を有する。第1実施例について前述したところ
と同様に、第3実施例においても、形状記憶合金からな
る第1捩りバネ44は混合室54内の湯水混合物温度に
応じたトルクを発生し、湯水混合物が目標温度になるよ
うに回転ディスク24の角位置を制御する。目標温度は
図2の第1実施例と同様に手動ハンドル60により設定
しても良いし、図9に示したようにスイッチ82により
設定しても良い。
明の第3実施例を説明する。これらの図において第1実
施例の構成要素と同一又は類似の構成要素は同じ参照番
号で示し、説明は省略する。この第3実施例は、湯水の
いづれか一方のみを混合弁20により制御するように構
成されている。このため、湯水混合装置90の本体12
には、混合弁20に供給する第1入口92と、混合室5
4に連通する第2入口94とが設けてある。第1入口お
よび第2入口のいづれの一方を湯入口とし、いづれの他
方を水入口としても良い。図11に示したように、弁座
インサート22には第1入口92に連通する唯一のポー
トが形成してある。回転ディスク24は第1実施例と同
様の形状を有する。第1実施例について前述したところ
と同様に、第3実施例においても、形状記憶合金からな
る第1捩りバネ44は混合室54内の湯水混合物温度に
応じたトルクを発生し、湯水混合物が目標温度になるよ
うに回転ディスク24の角位置を制御する。目標温度は
図2の第1実施例と同様に手動ハンドル60により設定
しても良いし、図9に示したようにスイッチ82により
設定しても良い。
【0031】以上には、回転式混合弁20は平坦な接合
面を有する弁座22と回転ディスク24を有するものと
して説明したが、回転ディスク24に代えて回転円筒又
は部分球形の回転体を使用できることは明らかであり、
その場合には弁座は相補的な形状に形成し、湯水ポート
を適宜配置することができる。
面を有する弁座22と回転ディスク24を有するものと
して説明したが、回転ディスク24に代えて回転円筒又
は部分球形の回転体を使用できることは明らかであり、
その場合には弁座は相補的な形状に形成し、湯水ポート
を適宜配置することができる。
【0032】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の混合装
置では、混合弁20は回転式に構成してあるので、回転
ディスク24がその回転方向に流体圧力を受けることが
ない。従って、湯水の圧力の過渡的変動により湯水間の
差圧が変動しても、回転ディスクの角位置が不本意に変
位することがなく、安定した温度制御を行うことができ
る。
置では、混合弁20は回転式に構成してあるので、回転
ディスク24がその回転方向に流体圧力を受けることが
ない。従って、湯水の圧力の過渡的変動により湯水間の
差圧が変動しても、回転ディスクの角位置が不本意に変
位することがなく、安定した温度制御を行うことができ
る。
【0033】回転式混合弁の他の利点は、弁座22とデ
ィスク24との接合面を精密加工することにより、リフ
ト型の混合弁に比べて湯および水をより完全に遮断でき
ると共に、湯水の差圧による湯ポート30と水ポートと
の間の流体漏れを実質的に防止できることである。従っ
て、高温の湯を水で希釈することなく、或いは、低温の
水を湯で希釈することなく、そのまゝ吐出することがで
きる。
ィスク24との接合面を精密加工することにより、リフ
ト型の混合弁に比べて湯および水をより完全に遮断でき
ると共に、湯水の差圧による湯ポート30と水ポートと
の間の流体漏れを実質的に防止できることである。従っ
て、高温の湯を水で希釈することなく、或いは、低温の
水を湯で希釈することなく、そのまゝ吐出することがで
きる。
【0034】また、湯水混合物温度に応答する捩りバネ
44は従来技術のワックス感温素子に比べて遥かに熱容
量が小さく、かつ、熱伝導性に優れた金属で形成されて
いるので、迅速に温度変化に応答する。従って、本発明
の混合装置はオーバーシュートおよびアンダーシュート
を伴うことなく過渡的条件変動に対して高精度の温度制
御を行うことができる。
44は従来技術のワックス感温素子に比べて遥かに熱容
量が小さく、かつ、熱伝導性に優れた金属で形成されて
いるので、迅速に温度変化に応答する。従って、本発明
の混合装置はオーバーシュートおよびアンダーシュート
を伴うことなく過渡的条件変動に対して高精度の温度制
御を行うことができる。
【0035】本発明の実施態様に従い、湯水混合物の目
標温度を設定するための予荷重調節手段を設けた場合に
は、所望の任意の温度の湯水混合物を得ることができ
る。
標温度を設定するための予荷重調節手段を設けた場合に
は、所望の任意の温度の湯水混合物を得ることができ
る。
【0036】予荷重調節手段を手動式にした場合には、
簡素で安価な混合装置を実現することができる。
簡素で安価な混合装置を実現することができる。
【0037】予荷重調節手段を電動式にし、制御回路8
0によりフィードバック制御するようにした場合には、
捩りバネ44のヒステリシスによる影響や、製造上の公
差によるばね定数のバラツキに起因する定常的オフセッ
トや、他の原因による定常的オフセットも、補正するこ
とができる。
0によりフィードバック制御するようにした場合には、
捩りバネ44のヒステリシスによる影響や、製造上の公
差によるばね定数のバラツキに起因する定常的オフセッ
トや、他の原因による定常的オフセットも、補正するこ
とができる。
【図1】図1は、本発明の湯水混合装置の第1実施例の
断面図である。
断面図である。
【図2】図2は、図1のII−II線に沿った断面図であ
る。
る。
【図3】図3は、図1のIII−III線に沿った断面図であ
る。
る。
【図4】図4は、図1のIV−IVに沿った断面図である。
【図5】図5は、図1のV−V線に沿った断面図であ
る。
る。
【図6】図6は、図1に示した混合装置の応用例を示す
模式図である。
模式図である。
【図7】図7は、2つの捩りバネの発生トルクの変動を
示すグラフである。
示すグラフである。
【図8】図8は、平衡弁の模式的断面図である。
【図9】図9は、本発明の湯水混合装置の第2実施例の
ブロック図である。
ブロック図である。
【図10】図10は、図1同様の断面図で、湯水混合装
置の第3実施例を示す。
置の第3実施例を示す。
【図11】図11は、図10のXI−XI線に沿った断
面図である。
面図である。
10、90: 湯水混合装置 12: 混合装置の本体 14: 湯流路 16: 水流路 20: 回転式湯水混合弁 22: 弁座インサート 24: 回転式閉鎖部材(回転ディスク) 30: 湯ポート 32: 水ポート 44: 温度応答性の第1捩りバネ 46: 非温度応答性の第2捩りバネ 58/60/62: 手動式予荷重調節手段 58/62/76: 電気式予荷重調節手段 70、72: 減圧手段 74: 圧力制御手段 78: 温度検出手段 80: 制御手段 82: 目標温度設定手段
Claims (11)
- 【請求項1】 湯水混合室と、前記湯水混合室に湯を供
給する湯流路と、前記湯水混合室に水を供給する水流路
と、前記湯水混合室から湯水混合物を吐出する湯水混合
物出口、とを有する本体と、 前記湯流路および水流路から湯水混合室に供給される湯
水の混合比を制御する回転式の混合弁であって、前記湯
流路および水流路に夫々連通する湯ポートおよび水ポー
トが開口した弁座と、前記弁座と協動して湯水の流れを
制御する回転式の閉鎖部材とを有するものと、 前記湯水混合物と伝熱接触関係で配置された第1の捩り
バネであって、温度に応じてばね定数が変化する金属か
らなり、前記湯水混合物の温度に応じた付勢力で前記回
転式閉鎖部材を所定の回転方向に回転付勢する温度応答
性の第1の捩りバネと、 前記回転式閉鎖部材を前記所定の回転方向とは反対方向
に回転付勢する非温度応答性の第2の捩りバネ、とを備
えてなる湯水混合装置。 - 【請求項2】 湯水混合物の目標温度を設定するため、
前記捩りバネの少なくとも一方の予荷重を調節する予荷
重調節手段を更に備えてなる請求項1に基づく湯水混合
装置。 - 【請求項3】 前記予荷重調節手段は手動式予荷重調節
手段である請求項2に基づく湯水混合装置。 - 【請求項4】 前記予荷重調節手段は電気式予荷重調節
手段であり、前記湯水混合装置は、更に、湯水混合物の
目標温度を設定する目標温度設定手段と、湯水混合物の
温度を検出する温度検出手段と、湯水混合物温度が目標
温度になるように前記電気式予荷重調節手段を制御する
制御手段、とを備えてなる請求項2に基づく湯水混合装
置。 - 【請求項5】 前記回転式混合弁の弁座は、前記湯ポー
トおよび水ポートが互いに回転角方向に配置された平坦
な接合面を有し、前記回転式閉鎖部材は、前記平坦な接
合面と係合する回転ディスクを有する請求項1から4の
いづれかに基づく湯水混合装置。 - 【請求項6】 前記回転式混合弁の弁座は、前記湯ポー
トおよび水ポートが互いに離間配置された円筒形の接合
面を有し、前記回転式閉鎖部材は、前記円筒形接合面と
係合する円筒形回転弁体を有する請求項1から4のいづ
れかに基づく湯水混合装置。 - 【請求項7】 前記回転式混合弁の弁座は、前記湯ポー
トおよび水ポートが回転角方向に配置された部分球形の
接合面を有し、前記回転式閉鎖部材は、前記球形接合面
と係合する部分球形回転弁体を有する請求項1から4の
いづれかに基づく湯水混合装置。 - 【請求項8】 湯水混合室と、前記湯水混合室に湯を供
給する湯流路と、前記湯水混合室に水を供給する水流路
と、前記湯水混合室から湯水混合物を吐出する湯水混合
物出口、とを有する本体と、 前記湯流路および水流路から湯水混合室に供給される湯
水の混合比を制御する回転式の混合弁であって、前記湯
流路および水流路のうちの一方の流路に連通するポート
が開口した弁座と、前記一方の流路を流れる流体を前記
弁座と協動して制御する回転式の閉鎖部材とを有するも
のと、 前記湯水混合物と伝熱接触関係で配置された第1の捩り
バネであって、温度に応じてばね定数が変化する金属か
らなり、前記湯水混合物の温度に応じた付勢力で前記回
転式閉鎖部材を所定の回転方向に回転付勢する温度応答
性の第1の捩りバネと、 前記回転式閉鎖部材を前記所定の回転方向とは反対方向
に回転付勢する非温度応答性の第2の捩りバネ、とを備
えてなる湯水混合装置。 - 【請求項9】 湯水混合物の目標温度を設定するため、
前記捩りバネの少なくとも一方の予荷重を調節する予荷
重調節手段を更に備えてなる請求項8に基づく湯水混合
装置。 - 【請求項10】 前記湯水流路に供給される湯水の圧力
を減圧する減圧手段を更に備えてなる請求項1から9の
いづれかに基づく湯水混合装置。 - 【請求項11】 前記湯水流路に供給される湯水の圧力
を等しくする圧力制御手段を更に備えてなる請求項1か
ら9のいづれかに基づく湯水混合装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32844992A JPH06159536A (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 回転ディスク式湯水混合装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32844992A JPH06159536A (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 回転ディスク式湯水混合装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06159536A true JPH06159536A (ja) | 1994-06-07 |
Family
ID=18210399
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32844992A Pending JPH06159536A (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 回転ディスク式湯水混合装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06159536A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101066991B1 (ko) * | 2008-10-02 | 2011-09-23 | 남성정밀 주식회사 | 자동온도조절밸브 |
CN106415093A (zh) * | 2014-05-27 | 2017-02-15 | 陶瓷技术有限责任公司 | 构造为防烫保护阀的控制筒 |
CN110359431A (zh) * | 2019-07-30 | 2019-10-22 | 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 | 高水头检修闸门中的弹簧定轮装置 |
-
1992
- 1992-11-13 JP JP32844992A patent/JPH06159536A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101066991B1 (ko) * | 2008-10-02 | 2011-09-23 | 남성정밀 주식회사 | 자동온도조절밸브 |
CN106415093A (zh) * | 2014-05-27 | 2017-02-15 | 陶瓷技术有限责任公司 | 构造为防烫保护阀的控制筒 |
CN106415093B (zh) * | 2014-05-27 | 2019-05-31 | 陶瓷技术有限责任公司 | 构造为防烫保护阀的控制筒 |
CN110359431A (zh) * | 2019-07-30 | 2019-10-22 | 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 | 高水头检修闸门中的弹簧定轮装置 |
CN110359431B (zh) * | 2019-07-30 | 2024-02-13 | 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 | 高水头检修闸门中的弹簧定轮装置 |
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