JPH0618684U - ペースト状物移送用ポンプ - Google Patents
ペースト状物移送用ポンプInfo
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- JPH0618684U JPH0618684U JP5649592U JP5649592U JPH0618684U JP H0618684 U JPH0618684 U JP H0618684U JP 5649592 U JP5649592 U JP 5649592U JP 5649592 U JP5649592 U JP 5649592U JP H0618684 U JPH0618684 U JP H0618684U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 歯科材料等のペースト状物を連続移送するた
めのコンパクトなポンプを提供する。 【構成】 トロコイド歯車型ポンプにおいて、吐出孔2
40が、深さ1mm以下の凹状段部230内に、アウタ
ーローターの歯型面310より中央内側に位置するよう
に設けられると共に、該吐出孔の吸入孔210に対する
開口面積比が0.6以下に構成されてなるペースト状物
移送用ポンプ。
めのコンパクトなポンプを提供する。 【構成】 トロコイド歯車型ポンプにおいて、吐出孔2
40が、深さ1mm以下の凹状段部230内に、アウタ
ーローターの歯型面310より中央内側に位置するよう
に設けられると共に、該吐出孔の吸入孔210に対する
開口面積比が0.6以下に構成されてなるペースト状物
移送用ポンプ。
Description
【0001】
本考案は、ペースト状物移送用ポンプに関し、就中、ペースト状の歯科材料を 混合装置を用いて混合する際に、混合部に移送するために好適なポンプを提供す る。
【0002】
一般に、歯科材料例えばアルジネート印象材は、アルギン酸塩、水、不活性粉 体を主成分とした基材と硫酸カルシウム、硬化調整剤、有機溶媒を主成分とした 硬化材の二種類のペースト状物を混合硬化して得られる。
【0003】 従来これらのペースト状物を移送する場合、一般にピストンポンプが利用され ている。
【0004】 しかし乍ら、ピストンポンプは、シリンダーとピストンからなり比較的大型で あって、またシリンダー内のペーストを押し出した後に、再度シリンダー内にペ ーストを充填する必要があり、連続運転ができず運転効率上、必ずしも充分に満 足されるものではなかった。
【0005】
本考案は、かかる従来の問題点に対処して、コンパクトであって連続運転が可 能な歯科材料を初めとするペースト状物移送用ポンプを提供することを目的とす る。
【0006】
本考案者は、上記目的のために種々検討した結果、トロコイド歯車型ポンプを 利用することにより良好な結果が得られることを見出した。即ち、 本考案は、トロコイド歯車型ポンプにおいて、吐出孔が、深さ1mm以下の凹 状段部内に、アウターローターの歯型面より中央内側に位置するように設けられ ると共に、該吐出孔の吸入孔に対する開口面積比が0.7以下に構成されている ことを特徴とするペースト状物移送用ポンプである。
【0007】 一般に、トロコイド歯車型ポンプは、コンパクトで連続運転ができる利点があ る。しかし、従来のトロコイド歯車型ポンプの移送用ポンプとしての利用は、移 送用対象物が専ら油類である。
【0008】 かかる従来のトロコイド歯車型ポンプをそのまま本考案で対象とする歯科材料 等のペースト状物の移送用ポンプとして利用しようとすると次のような問題が生 ずる。即ち、ポンプの一時停止後の再起動時などにポンプ内に空気を巻き込み易 く、一旦、空気が巻き込まれるとポンプが空回りしてポンプを駆動してもペース ト状物が吐出孔に向けて流れ難くなる流動障害がみられる。
【0009】 更にまた、経時的な吐出量の低下が著しく、通常、60時間連続運転後の吐出 量は、初期の吐出量の10%程度に大幅に低下する。かかる吐出量の著しい低下 は、運転中にアウターローターの歯型面に負荷されるペースト状物の応力変化に より、アウターローターが偏心振れを起し、ポンプ内壁面上を摺動するアウター ローターの外周面が摩耗することが原因とみられる。
【0010】 然るに、前記のようにトロコイド歯車型ポンプの設計仕様を従来のものと全く 異なる仕様とすることによって、ペースト状物の流動障害もみられず、経時的な 吐出量の低下も著しく改善されることが判明した。
【0011】 以下、添付図面に準じて本考案を説明する。
【0012】 図1は、本考案の代表的実施態様のペースト状物移送用ポンプの概略側面図で ある。本考案のポンプは、トロコイド歯車型ポンプであって、アウターローター 3とインナーローター4が内蔵された基部1と蓋部2より構成される。なお、図 1においては、アウターローター3とインナーローター4は、破線で示す。また 、符号410で示すのは、インナーローターの回転軸である。
【0013】 図2は、図1における蓋部2の基部1に対面する内側面を示した図面である。 破線で囲まれた部分300は、アウターローターの位置を示し、インナーロータ ーの位置は略称してある。ペースト状物は、アウターローター3とインナーロー ター4の両歯型面間に形成される吸引空間と圧縮空間の吸引圧縮作用により、吸 入孔210から吸入され吸入孔側の凹状段部220を通り、吸引空間、圧縮空間 を経て吐出孔側の凹状段部230を通り吐出孔240から吐出される。なお、符 号250で示すのは、インナーローターの回転軸受けである。
【0014】 本考案における第一の特徴は、まず、吐出孔240が、深さ1mm以下の吐出 孔側の凹状段部230内に、吐出孔の吸入孔に対する開口面積比が0.7以下に なる如く設けられることである。即ち、図2において、吐出孔側の凹状段部23 0が深さ1mm以下の凹状段部として形成され、該段部内に吐出孔240が設け られている。
【0015】 該吐出孔側の凹状段部230の深さは、1mm以下であることが必須の要件で ある。
【0016】 従来のトロコイド歯車型ポンプでは、凹状段部が設けられる場合、該凹状段部 の深さは、一般に10mm程度以上であったが、かかる深さの大きい凹状段部で は、ペースト状物が吐出孔240に向けて流れ難く、就中、ポンプの一時停止後 の再起動などによりポンプ内に空気を巻き込んだ場合、該ペースト状物の流動障 害は著しいものとなる。
【0017】 然るに、本考案における如く、凹状段部の深さを1mm以下とし、且つこれに 加えて吐出孔240の吸入孔230に対する開口面積比を0.7以下に構成する ことにより、ペースト状物の流動障害が解消され、円滑に吐出孔240に圧送さ れる。
【0018】 かかるペースト状物の吐出孔240への円滑な圧送は、深さ1mm以下の凹状 段部の形成と吐出孔の吸入孔に対する開口面積比を0.7以下に構成することの いずれか一方のみによっては達成されず、これら両者によって初めて達成される 。
【0019】 一般に、吐出孔側の凹状段部230の深さが1mmを越える場合は、ペースト 状物の流動障害が充分に解消されず、空気抜きも不充分となるが、一方過度に浅 い場合は、凹状段部としての機能を有さず、最も好しい深さの範囲は、対象とす る具体的なペースト状物の種類等によっても異なるが通常は、0.5mm〜0. 3mm程度の深さとするのが良好である。
【0020】 なお、吸入孔側の凹状段部220の深さについては、何ら制限されず所望の任 意の深さが採用される。
【0021】 また、該吐出孔側の凹状段部230の面積(吐出孔の部分を含む)は、一般に 吐出孔面積に対する面積比が2.3〜3.4の範囲内にあるのが好しく、上限を 越える場合は空気抜きが不充分となり、下限未満では、ポンプ吸入側のアウター ローターと接触する部分が摩耗し経時的な吐出量の低下が著しくなる傾向が見ら れる。
【0022】 また吐出孔、吸入孔の開口面積とは、本考案のポンプの外部から内部に蓋部等 を貫通して形成される吐出孔、吸入孔の夫々の長さ方向に対する垂直断面積のう ち最小のものであって、貫通孔としての有効断面積である。図2に示す実施態様 では、吐出孔240は、蓋部2の表裏方向に貫通し、吸入孔210は、蓋部2の 側面から半径方向に吸入孔側の凹状段部220内に貫通する態様で設けられてい る。
【0023】 従来、一般に、吐出孔と吸入孔の開口面積は、ほぼ同程度であったが、本考案 においては、吐出孔の吸入孔に対する開口面積比を0.7以下、更に好しくは0 .4〜0.6の範囲に構成することにより、吐出孔側の凹状段部の深さの要件と 相俟ってペースト状物の流動障害等が解消される。
【0024】 次に本考案の第2の特徴は、吐出孔240が、凹状段部230内に、アウター ローターの歯型面310より中央内側に位置するように設けられていることであ る。即ち、アウターローター3が回転するとアウターローターの歯型面310の 任意の点は、一定の軌跡を描くが、これらのいずれの軌跡よりも中央内側の位置 に吐出孔240が設けられることが必要である。
【0025】 一般に、従来のトロコイド歯車型ポンプにおいては、吐出孔はアウターロータ ー歯型面の軌跡群上に設けられていた。しかし、かかる態様では、従来の移送対 象物の油類と異なり、ペースト状物の場合、運転中にアウターローターの歯型面 にペースト状物の可成りの応力変化が負荷され、このためアウターローターが偏 心振れを起し、アウターローターの外周面が摩耗を生ずる。その結果、経時的な 吐出量の著しい低下を招く。
【0026】 なお、本考案のポンプは、歯科材料以外に、接着剤やシーリング材など工業用 その他一般のペースト状物の移送用ポンプとしても有用である。
【0027】
本考案のトロコイド歯車型ポンプは、吐出孔240が、深さ1mm以下の凹状 段部230内に、吐出孔240の吸入孔210に対する開口面積比が0.7以下 に構成されているために、両歯型面間に形成される吸引空間と圧縮空間の吸引圧 縮作用時の圧縮応力がペースト状物に効果的に負荷され、ペースト状物が吐出孔 240に向けて良好に流動すると共に、空気を巻き込んだ場合も空気抜きが容易 である。
【0028】 また、吐出孔240が、凹状段部230内に、アウターローターの歯型面31 0より中央内側に位置するように設けられているために、該歯型面310が吐出 孔240上を横断する際に生ずるアウターローターの偏心振れが殆んど起らず、 アウターローターの外周面の経時的な摩耗が著しく減少する。このため該摩耗に 起因する経時的な吐出量の低下が、顕著に改善される。
【0029】
実施例1 図1、図2に基づいて、吐出孔を凹状段部内にアウターローターの歯型面より 中央円側に設け、凹状段部の深さが0.5mmかつ該吐出孔の吸入孔に対する開 口面積比を0.6とした鋳鉄製のトロコイドポンプを作製した。
【0030】 アルギン酸ナトリウム10重量部、ピロリン酸ナトリウム3重量部、ケイソウ 土50重量部、水100重量部からなるペーストを作製した。トロコイドポンプ 吸入孔にペースト注入用の容器を装着し、この容器にペーストを入れた後、トロ コイドポンプを起動させた。インナーローターの回転数を130rpmとした。 最初、ペーストが空気と混合された状態で3秒間吐出した後、ペーストのみが勢 いよく吐出した。ポンプ内の空気抜きは非常に良好であった。
【0031】 更に連続して、60時間トロコイドポンプを稼動させ、上記ペーストを吐出さ せた。初期の吐出度は8.0g/秒で、60時間稼動後の吐出速度は6.4g/ 秒であった。続いて60時間、合計120時間稼動させた後の吐出速度は5.9 g/秒であった。このトロコイドポンプは吐出量の経時変化が小さいことがわか った。
【0032】 実施例2 開口面積比と凹状段部の深さを表1に示す値とした以外は、実施例1と同様な 鋳鉄製のトロコイドポンプを作製した。
【0033】 実施例1と同様な方法でペーストを作製し、トロコイドポンプによって移送し た。その結果を表1に示す。
【0034】 全て、ポンプ内の空気抜きは非常に良好で、吐出量の経時変化は小さかった。
【0035】
【表1】
【0036】 比較例1〜3 開口面積比と凹状段部の深さ及び吐出孔の設置位置を表2に示すようにした以 外は実施例1と同様な鋳鉄製のトロコイドポンプを作製した。
【0037】 実施例1と同様な方法でペーストを作製し、トロコイドポンプによって移送し た。その結果を表2に示す。比較例1,2の場合、ポンプを一時停止後の再起動 の際に、空気抜きの時間が長時間乃至空気が殆んど抜けず実用に供し難い状況で あった。
【0038】
【表2】
【0039】
本考案のペースト状物移送用ポンプは、トロコイド歯車型であるためにコンパ クトであり、また従来と全く異なる特定の仕様とすることにより、吐出孔へ向け ての流動障害も生ぜず、更にポンプの一時停止後の再起動時などの空気巻き込み に対しても、空気抜きが容易である。
【0040】 また、アウターローターの偏心振れが殆んど起らず、アウターローターの外周 面の磨耗に起因する経時的な吐出量の低下も顕著に改善され、更に、吐出量の脈 動もみられず、良好な長時間の連続運転が得られる。
【図1】本考案の代表的実施態様のペースト状物移送用
ポンプの概略側面図である。
ポンプの概略側面図である。
【図2】図1における蓋部2の基部1に対面する内側面
を示す図面である。
を示す図面である。
【符号の説明】 1 基部 2 蓋部 210 吸入孔 220 吸入孔側の凹状段部 230 吐出孔側の凹状段部 240 吐出孔 250 インナーローターの回転軸受け 3 アウターローター 300 アウターローターの位置 310 アウターローターの歯型面 4 インナーローター 410 インナーローターの回転軸
Claims (1)
- 【請求項1】 トロコイド歯車型ポンプにおいて、吐出
孔が、深さ1mm以下の凹状段部内に、アウターロータ
ーの歯型面より中央内側に位置するように設けられると
共に、該吐出孔の吸入孔に対する開口面積比が0.7以
下に構成されていることを特徴とするペースト状物移送
用ポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992056495U JP2534884Y2 (ja) | 1992-08-11 | 1992-08-11 | ペースト状物移送用ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992056495U JP2534884Y2 (ja) | 1992-08-11 | 1992-08-11 | ペースト状物移送用ポンプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0618684U true JPH0618684U (ja) | 1994-03-11 |
JP2534884Y2 JP2534884Y2 (ja) | 1997-05-07 |
Family
ID=13028684
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992056495U Expired - Lifetime JP2534884Y2 (ja) | 1992-08-11 | 1992-08-11 | ペースト状物移送用ポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2534884Y2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012154269A (ja) * | 2011-01-27 | 2012-08-16 | Daihatsu Motor Co Ltd | 内接歯車式オイルポンプ |
JP5550789B2 (ja) * | 2011-08-10 | 2014-07-16 | 株式会社トクヤマデンタル | ペースト練和装置 |
-
1992
- 1992-08-11 JP JP1992056495U patent/JP2534884Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012154269A (ja) * | 2011-01-27 | 2012-08-16 | Daihatsu Motor Co Ltd | 内接歯車式オイルポンプ |
JP5550789B2 (ja) * | 2011-08-10 | 2014-07-16 | 株式会社トクヤマデンタル | ペースト練和装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2534884Y2 (ja) | 1997-05-07 |
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