JPH06186672A - 帯電防止されたフィルム及びハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

帯電防止されたフィルム及びハロゲン化銀写真感光材料

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JPH06186672A
JPH06186672A JP34060592A JP34060592A JPH06186672A JP H06186672 A JPH06186672 A JP H06186672A JP 34060592 A JP34060592 A JP 34060592A JP 34060592 A JP34060592 A JP 34060592A JP H06186672 A JPH06186672 A JP H06186672A
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film
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silver halide
photographic
binder
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JP34060592A
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Ikuo Kurachi
育夫 倉地
Kaoru Yaegashi
馨 八重樫
Yoichi Saito
洋一 斎藤
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電防止剤の粉落ちが生ずることなく、低湿
度下でも高い帯電防止性能を有するフィルム及びハロゲ
ン化銀写真感光材料を提供する。 【構成】 (1) 結晶性多孔質微粒子を含有するフィル
ム。 (2) 結晶性多孔質微粒子と導電性高分子を含有するフ
ィルム。 (3) (1)または(2)を用いたハロゲン化銀写真感光材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は湿度変化の影響が少なく
なるように帯電防止性能を改良したプラスチックフィル
ムに関するものであり、一般に支持体上に一層以上薄膜
を積層した形で用いられ、磁気テープ、フロッピーディ
スク、フレキシブル基板、メンズレンスイッチ用基材、
プリンター記録紙などに用いる事ができ、特に透明性を
損なわないフィルムも提供できるので、OHP用フィル
ム、液晶表示装置、タッチパネル、ステンドグラスなど
の用途をはじめ、その優れた透明性が写真特性に悪影響
を与える事無く良好なので写真感光材料にも用いる事が
できる。
【0002】
【従来の技術】一般にプラスチックフィルムは帯電性が
強く、この物性を利用した用途以外は使用上制限をうけ
る場合が多い。例えば、写真感光材料は、一般に電気絶
縁性を有する支持体としてプラスチックフィルムが用い
られ、この支持体と写真感光材料層からなっているいわ
ゆる複合材料であるので、写真感光材料の製造工程中並
びに使用時に、同種又は異種物質の表面との間の接触摩
擦又は剥離の際に帯電しやすい。帯電により蓄積された
静電電荷は多くの障害を引き起こす。最も重大な障害
は、現像処理前に蓄積された静電電荷が放電することに
より感光性乳剤層が感光し、写真感光材料を現像処理し
た際にいわゆるスタチックマークと呼ばれている点状ス
ポット又は樹枝状や羽毛状の線斑を生ずることである。
例えばこの現象が医療用又は工業用X線フィルム等に現
れた場合には非常に危険な判断につながる。この現象は
現像してみて初めて明らかになるもので非常に厄介な問
題の一つである。また、これらの蓄積された静電荷によ
り、フィルム表面へゴミが付着したり、フィルム表面へ
の均一な塗布が行えない等の故障が生じる原因にもな
る。かかる帯電による故障は、前述した以外にも数多く
発生する。例えば製造工程においては写真フィルムとロ
ーラーとの接触摩擦あるいは写真フィルムの巻き取り、
巻き戻し工程中での支持体面と乳剤面の分離等によって
生じる。また仕上がり製品においては写真フィルムを巻
き取り、切換えを行った場合のベース面と乳剤面との分
離によって、またはX線フィルムの自動撮影中での機械
部分、あるいは蛍光増感紙との間の接触分離等が原因と
なって発生する。その他包装材料との接触等でも発生す
る。かかる静電電荷の蓄積によって誘起される写真感光
材料のスタチックマークは、写真感光材料の感度が上昇
し、処理速度が増加するに従って顕著となる。特に最近
においては、写真感光材料の高度化及び高速塗布、高速
撮影、高速自動処理等による過酷な取扱いを受ける機会
が多くなったことによって、一層スタチックマークの発
生が出易くなっている。
【0003】更に現像処理後のゴミ付着も近年大きな問
題となっており、現像処理後にも帯電防止性を保持する
ような改良が要求されている。
【0004】これらの静電気による障害をなくすのに最
も良い方法は、物質の電気伝導性を上げて、蓄積電荷が
放電する前に静電電荷を短時間に散逸せしめるようにす
ることである。
【0005】従って、従来から写真感光材料の支持体や
各種塗布表面層の導電性を向上させる方法が考えられ種
々の吸湿性物質や水溶性無機塩、ある種の界面活性剤、
ポリマー等の利用が試みられてきた。例えば、特開昭49
-91165号及び同49-121523号にはポリマー主鎖中に解離
基を有するイオン型ポリマーを適用する例が開示されて
いる。その他特開平2-9689号、特開平2-182491号に記載
されているような導電性ポリマー、特開昭63-55541号、
特開昭63-148254号、特開昭63-148256号、特開平1-3141
91号等に記載されているような界面活性剤に関する発明
等が知られている。
【0006】しかしながら、これら多くの物質は、フィ
ルム支持体の種類や写真組成物の違いによって特異性を
示し、ある特定のフィルム支持体及び写真乳剤やその他
の写真構成要素には良い結果を与えるが、他の異なった
フィルム支持体及び写真構成要素では帯電防止に全く役
に立たないばかりでなく、写真性に悪影響を及ぼす場合
がある。さらに重要な欠点として、これらの多くの物質
は、低湿度下では導電層としての機能を失ってしまう。
【0007】この低湿度下での性能劣化を改善する目的
で、特公昭35-6616号と特公平1-20735号には金属酸化物
を帯電防止処理剤として用いる技術について記載されて
いる。前者の技術は、コロイド状のゾル分散液を用いる
方法が開示され、後者においては、前者の導電性の問題
点改善を目的として高温度で処理を行った結晶性の高い
金属酸化物粉体を用いる方法が開示された。しかし後者
の技術は結晶性の高い粉末を用いているので光散乱に対
して、粒子径と粒子/バインダーの比などを考慮する必
要のあることが述べられている。また特開平4-29134号
においては、低湿度下での性能改善のみならず他の欠点
の改善を目的として、写真感光材料に用いる導電性素材
に、粒子状の金属酸化物と繊維状の金属酸化物を用いる
方法が開示されているが、添加量の問題が残されてい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、導電性金
属微粒子を含有する層を設けた写真感光材料に関して
は、特公昭35-6616号が開示されて以来、低湿度下での
性能劣化を改善する手段として30年以上の長期にわたり
研究されてきたにもかかわらず、いまだに問題解決され
ないまま現在に到っている。
【0009】例えばかかる導電性金属微粒子を含有する
層をハロゲン化銀と接して設けた場合には、取扱い中に
摩擦される事によって画像に圧力カブリ若しくはスリキ
ズが生じ易いという問題、あるいは、バインダーに混合
して使用した場合には、製造工程或いは取扱い中の摩擦
により、表面に存在する微粒子が脱落するので、製造工
程においてはローラーに付着して搬送する製品にキズを
つけるという問題などである。
【0010】金属酸化物の粉落ちやハロゲン化銀への圧
力カブリやスリキズを防止するために特開昭57-104931
号において、バック層に結晶性の酸化亜鉛、酸化第二錫
及び酸化インジウム等の金属酸化物を用いる事が開示さ
れている。しかしながら導電性を有する金属酸化物は一
般に着色しているために感材中に含有させた場合に、着
色によるカブリとなり大きな問題となる。特開昭57-104
931号に記載されている方法によるとこれらの金属酸化
物を実施例中に記載のごとく約1g必要としその着色
(暗青色)はカブリとして、大きく写真性能(透過性)
を損うものである。
【0011】従って本発明の目的は、帯電防止剤の粉落
ちが生ずることなく、低湿度下でも高い帯電防止性能を
有するフィルム及びハロゲン化銀写真感光材料を提供す
ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、結
晶性多孔質微粒子を含有することを特徴とするフィルム
及び該フィルムを用いたハロゲン化銀写真感光材料によ
って達成された。これは、特定の結晶性多孔質微粒子を
用いることにより、帯電防止性と従来から存在していた
前記の問題を解決したものである。
【0013】なお、フィルムに結晶性多孔質微粒子と、
導電性高分子を含有することが好ましい態様である。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明におけるフィルムは、一般に支持体
上に一層以上の薄膜が塗布された材料を意味する。
【0016】公知のように材料の導電性は、陽イオン、
陰イオンもしくは、電子、正孔など粒子中に存在する電
荷担体により発現する。その全電気伝導率は、次のよう
に表される。
【0017】σt=σc+σa+σn+σp σc 陽イオンの電気伝導率 σa 陰イオンの電気伝導率 σn 電子の電気伝導率 σp 正孔の電気伝導率 主な電荷担体がイオンのとき固体電解質となり、電荷担
体が電子の場合は、半導体となる。通常は両者の混合の
導電体であり、結晶性粒子の場合、酸素不足酸化物、金
属過剰酸化物、金属不足酸化物、酸素過剰酸化物などの
不定比化合物が半導体となる。ゆえに微粒子結晶内部に
電荷担体が存在しないか、拡散しにくい場合には絶縁体
となる。一般に絶縁体粒子は、帯電防止剤としてしられ
ていないが、多孔質材料の場合には (1)同一組成の結晶質材料に比較して、表面積が大き
い。
【0018】(2)同一組成の結晶質材料の表面に比較
して、反応性等の活性が高い。
【0019】ことが知られている。発明者らは、多孔質
材料のこの特性に着目して従来帯電防止剤として利用さ
れた事例の無い結晶性多孔質微粒子を鋭意検討し本発明
を完成させた。
【0020】すなわち、結晶性多孔質微粒子を含有する
帯電防止の改良された光学特性の良好なフィルムを発明
した。
【0021】本発明で用いる結晶性多孔質微粒子として
は、結晶性アルミノ珪酸塩であるゼオライト、またこの
AlやSiをBe,B,Ga,Cr,Fe,Ge,T
i,Pなどの元素で同形イオン置換した化合物を挙げる
事ができる。これらの化合物の表面は、結晶性であるに
も関わらず、活性点が数多く存在し、また多孔質なので
比表面積も大きく、有機高分子をバインダーとして透明
フィルムへ塗布した時に、バインダーとの相互作用によ
り導電性を発現する可能性がある。また、多孔質ゆえ
に、水分子等の導電性キャリアとなる低分子を吸着しや
すく、これらのキャリアによっても、導電性を発現する
可能性がある。
【0022】また、表面が活性ゆえにバインダーである
高分子との接着性も良好となり、粉落ち防止に寄与す
る。
【0023】本発明に用いる導電性高分子化合物は、例
えばポリビニルベンゼンスルフォン酸塩類、ポリビニル
ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、4級塩ポリ
マー類、ポリマーラテックス等を用いる事ができる。ポ
リアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラ
フェニレン等の電子伝導性高分子として知られている化
合物、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミン、ポリ
スルフィドを基本骨格もしくは側鎖基とするイオン伝導
性高分子も用いる事ができる。導電性高分子の電気特性
は、たとえば室温の体積固有抵抗で1011Ωcm以下好まし
くは1010Ωcm以下さらに好ましくは109Ωcm以下が良
い。
【0024】体積抵抗率の値に関しては、粉体の状態で
一定圧力をかけて得られた成形体の体積固有抵抗を102
で除した値を採用する。一定圧力については、特に制限
をしないが、好ましくは10kg/cm2以上の圧力が良く、
さらに好ましくは、100kg/cm2以上の圧力をかけて成形
した材料の体積固有抵抗を102で除した値を採用する。
一般に粉体にかけられた圧力とその成形体の体積固有抵
抗に関しては、圧力が高くなると、体積固有抵抗が低く
なる傾向にある。しかし、静水圧加圧装置で3t/cm2
等方圧をかけた場合でも、単結晶で得られる体積固有抵
抗値よりも低い値は得られず、100倍程度高い値とな
る。ゆえに、粉体の状態で一定圧力をかけて得られた成
形体の体積固有抵抗を102で除した値を採用する。ま
た、測定に際しては、20℃乾燥雰囲気下、好ましくは20
%以下の条件で測定する。
【0025】また、一般に半導体とは、体積固有抵抗で
1012Ωcm未満の材料を、導体とは、10Ωcm未満の材料を
意味する。
【0026】これら結晶性多孔質微粒子及び導電性高分
子化合物は、バインダー中に分散又は溶解させて用いら
れる。
【0027】次に、本発明のフィルムの製造方法につい
て詳細に記述する。
【0028】本発明に用いられる多孔質微粒子に関し
て、その平均粒径は、5μm以下が望ましく、さらに好
ましくは1μm以下、さらに好ましくは、0.5μm以下が
透明性などを考慮すると好ましい。また、その微粒子の
添加量であるが、塗布乾燥後のポリマー中の体積分率で
60%以下好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以
下で十分に発明の目的は達成される。しかし、このよう
な粉末は、そもそもより添加量が少ない方が好ましいの
で、30%以下が好適である。さらに好ましくは20%以下
でも良い。しかし、体積分率で0.1%以上の添加は必要
である。粒子によっては1%以上の添加が必要の場合も
あるが、添加量に関しては、本発明に特に制限を加える
ものではない。
【0029】本発明で用いる結晶性多孔質材料として
は、結晶性アルミノ珪酸塩であるゼオライト、またこの
AlやSiをBe,B,Ga,Cr,Fe,Ge,T
i,Pなどの元素で同形イオン置換した化合物、パーラ
イトなどの岩石を焼成した多孔質材料等を挙げる事がで
きる。この中で、孔の形状の制御されかつ、微粒子化の
容易なゼオライトが特に好ましい。ゼオライトに関して
は、古くから分子ふるいと呼ばれ利用されてきた天然ゼ
オライト、近年触媒等の目的で合成され利用されている
合成ゼオライト、またこのAlやSiをBe,B,G
a,Cr,Fe,Ge,Ti,Pなどの元素で同形イオ
ン置換したゼオライト類縁化合物群があり、いずれのゼ
オライトでもよい。但し、天然ゼオライトの場合には、
粉砕処理、分級処理等の粒度調整をした微粒子が好まし
い。合成ゼオライトに関しては、粉砕処理、分級処理等
の粒度調整をしても良いが、好ましくは分級処理などの
粒度調整をしなくとも微粒子で得られるゼオライトが好
ましい。
【0030】ゼオライト微粒子の導電性に関しては、絶
縁性の微粒子でも良いが、好ましくは体積固有抵抗で10
11Ωcm未満がよく、さらに好ましくは、108Ωcm以下が
良い。
【0031】ここで体積抵抗率の値に関しては、粉体の
状態で一定圧力をかけて得られた成形体の体積固有抵抗
を102で除した値を採用する。一定圧力については、特
に制限をしないが、好ましくは10Kg/cm2以上の圧力が
良く、さらに好ましくは、100Kg/cm2以上の圧力をかけ
て成形した材料の体積固有抵抗を102で除した値を採用
する。一般に粉体にかけられた圧力とその成形体の体積
固有抵抗に関しては、圧力が高くなると、体積固有抵抗
が低くなる傾向にある。しかし、静水圧加圧装置で3t
/cm2の等方圧をかけた場合でも、大きな単結晶を測定
して得られる体積固有抵抗値よりも低い値は得られず、
100倍程度高い値となる。ゆえに、粉体の状態で一定圧
力をかけて得られた成形体の体積固有抵抗を102で除し
た値を採用する。
【0032】この体積分率から、使用量はフィルム1平
方メートル当たり0.00005〜1g程度となり、この範囲
が良好な透明性と帯電防止性が得られ、写真感光材料取
扱い中の、圧力カブリ、スリキズ等の発生を防止するの
に好ましい。
【0033】結晶性多孔質粉体及び導電性高分子化合物
は、バインダー中に分散又は溶解させて導電層に添加す
ることが好ましい。
【0034】本発明において使用するバインダーは、フ
ィルム形成能を有する物であれば特に限定されるもので
はないが、例えばゼラチン、カゼイン等のタンパク質、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、アセチルセルロース、ジアセチルセルロース、ト
リアセチルセルロース等のセルロース化合物、デキスト
ラン、寒天、アルギン酸ソーダ、デンプン誘導体等の糖
類、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアク
リル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチ
レン、ポリアクリルアミド、ポリ−N−ビニルピロリド
ン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸等
の合成ポリマー等を挙げる事ができる。
【0035】特に、ゼラチン(石灰処理ゼラチン、酸処
理ゼラチン、酵素分解ゼラチン、フタル化ゼラチン、ア
セチル化ゼラチン等)、アセチルセルロース、ジアセチ
ルセルロース、トリアセチルセルロース、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ブチル、ポ
リアクリルアミド、デキストラン等が好ましい。
【0036】導電体もしくは半導体粒子を含有する導電
層は、本発明においては、写真感光材料の構成層として
少なくとも一層設ける。例えば、表面保護層、バック
層、中間層、下引き層などのいずれでも良いが、必要に
応じて2層以上設ける事もできる。
【0037】本発明で使用する支持体としては、例え
ば、セルロースナイトレートフィルム、セルロースアセ
テートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィ
ルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、
ポリスチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム、ポリカーボネートフィルム、その他これらの積
層物等がある。更に詳細には、バライタ又はα−オレフ
ィンポリマー、特にポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−ブテンコポリマー等、炭素原子2〜10個のα
−オレフィンのポリマー等を塗布又はラミネートした紙
等をあげることができる。
【0038】フィルムとしての多くの用途には、これら
の支持体に本発明の導電層を形成することにより目的は
達せられるが、OHP用フィルム、液晶表示装置、タッ
チパネル、写真材料の中でとりわけ、複雑な写真用途に
関し、以下に説明する。
【0039】これらの支持体は写真感光材料の使用目的
に応じて、透明なものと不透明なものの中から適宜選択
をして用いられる。また透明な支持体は無色透明のもの
だけでなく、染料、顔料を添加して着色透明にすること
ができる。
【0040】また、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,1,1-トリメチロールプロパン等、ポリオー
ル化合物を本発明の保護層あるいは他の層に添加するこ
とができ、こうすることによってもさらに好ましい帯電
防止効果を得る事ができる。
【0041】本発明にかかる感光材料としては、通常の
白黒ハロゲン化銀感光材料(例えば、撮影用白黒感材、
X−線用白黒感材、印刷用白黒感材等通常の多層カラー
感光材料(例えば、カラーリバーサルフィルム、カラー
ネガティブフィルム、カラーポジティブフィルム等)、
種々の感光材料を挙げる事ができる。特に、高温迅速処
理用ハロゲン化銀感光材料、高感度ハロゲン化銀感光材
料に効果が大きい。
【0042】以下に本発明に係るハロゲン化銀感光材料
について説明する。
【0043】写真層のバインダーとしてはゼラチン、カ
ゼイン等のタンパク質、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン等のセルロ
ース化合物、寒天、アルギン酸ソーダ、デンプン誘導体
等の糖誘導体、合成親水性コロイド例えばポリビニルア
ルコール、ポリ-N-ビニルピロリドン、ポリアクリル酸
共重合体、ポリアクリルアミドまたはこれらの誘導体及
び部分加水分解物等を併用することができる。
【0044】ここにいうゼラチンはいわゆる石灰処理ゼ
ラチン、酸処理ゼラチン及び酵素処理ゼラチンを指す。
【0045】本発明の写真構成層には他の公知の界面活
性剤を単独又は混合して添加しても良い。それらは塗布
助剤として用いられるものであるが、時として他の目的
例えば乳化分散、増感その他の写真特性の改良等のため
にも適用される。
【0046】本発明の写真感光材料は、写真構成層中
に、米国特許第3,411,911に記載のポリマーラテックス
を含む事ができる。
【0047】乳剤中のハロゲン化銀粒子は立方体、八面
体のような規則的な結晶形を有するものでも良く、また
球状、板状、じゃがいも状などのような変則的な結晶形
を有するものでも或いはこれらの結晶形の複合形を有す
るものでもよく、種々の結晶形の粒子の混合から成って
もよい。また粒子径が粒子厚みの5倍以上の平板状粒子
は、本発明に対し好ましく用いられる。
【0048】本発明において、感光性ハロゲン化銀乳剤
は、2種類以上のハロゲン化銀乳剤を混合して用いても
よい。混合する乳剤の粒子サイズ、ハロゲン組成、感度
等が異なっていても良い。感光性乳剤に実質的に非感光
性の乳剤を混合して用いても良いし別の層に分けて用い
ても良い。例えば、球状もしくはじゃがいも状の感光性
乳剤と粒子径が粒子厚みの5倍以上の平板粒子からなる
感光性ハロゲン化銀乳剤と同一層、もしくは異なった層
に用いてもよい。異なった層に用いた場合、平板状粒子
からなる感光性ハロゲン化銀乳剤は支持体に近い側にあ
っても良いし、逆に遠い側にあってもよい。
【0049】
【実施例】次に本発明について実施例により詳しく説明
するが、本発明に制限を加えるものではない。
【0050】(実施例1)以下で粉末P1は、本願発明
のゼオライト−A、粉末P2はソーダライトを粉砕し、
それぞれの平均粒径を0.2μmに調製したものである。
【0051】試料No.1の作成 (支持体の作成)2軸延伸・熱固定後の厚さ100μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルムの両面に8W分/m
2のコロナ放電処理を施し、一方の面に特開昭59-19941
号記載のように下記下引き塗布液B−1を乾燥膜厚0.8
μmになるよう下引き層B−1として塗布し、100℃1分
間乾燥した。またポリエチレンテレフタレートフィルム
に対し下引き層B−1と反対側の面に特開昭59-77439号
記載のように下記下引き塗布液B−2を乾燥膜厚0.8μm
になるように下引き層B−2として塗布100℃1分間乾
燥した。
【0052】下引き第1層 <下引き塗布液B−1> ブチルアクリレート30重量%、t-ブチルアクリレート20重量%、 スチレン25重量%及び2-ヒドロキシエチルアクリレート25重量% の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g 化合物A 0.6g ヘキサメチレン-1,6-ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1リットルに仕上げる。
【0053】 <下引き塗布液B−2> ブチルアクリレート40重量%、スチレン20重量%及び グリジルアクリレート40重量%の共重合体ラテックス液 (固形分30%) 270g 化合物A 0.6g ヘキサメチレン-1,6-ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1リットルに仕上げる。
【0054】下引き第2層 さらに上記下引き層B−1及びB−2の上に8W分/m
2のコロナ放電を施し、下記塗布液B−3を乾燥膜厚0.1
μmになるように塗布し、100℃1分間乾燥した。
【0055】 <下引き塗布液B−3> ゼラチン 10g 化合物A 0.4g 化合物B 0.1g 平均粒径3μmのシリカ粒子 0.1g 粉末P1 15g ポリビニルベンゼンスルホン酸 5g 水で1リットルに仕上げる。
【0056】(乳剤調製)pH3.0の酸性雰囲気下でコ
ントロールダブルジェット法によりロジウムを銀1モル
当たり1.0×10-5モル含有する粒子を作成した。粒子の
成長は、ベンジルアデニンを1%のゼラチン水溶液1リ
ットル当たり30mg含有する系で行った。銀とハライドと
の混合後6-メチル-4-ヒドロキシ-1,3a,3,7-テトラザイ
ンデンをハロゲン化銀1モル当たり600mg加え、その後
水洗、脱塩した。
【0057】次いで、ハロゲン化銀1モル当たり60mgの
6-メチル-4-ヒドロキシ-1,3,3a,7-テトラザインデンを
加えた後、イオウ増感をした。イオウ増感後安定剤とし
て6-メチル-4-ヒドロキシ-1,3,3a,7-テトラザインデン
を加えた。
【0058】(ハロゲン化銀乳剤層)前記各乳剤に添加
剤を下記の付量になるように調製添加し、前記、支持体
上に塗布した。
【0059】 ラテックスポリマー:スチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸3元共重合 ポリマー 1.0g/m2 テトラフェニルホスホニウムクロライド 30mg/m2 サポニン 200mg/m2 ポリエチレングリコール 100mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 100mg/m2 ハイドロキノン 200mg/m2 フェニドン 100mg/m2 スチレンスルホン酸ナトリウム−マレイン酸共重合体(Mw=25万) 200mg/m2 没食子酸ブチルエステル 500mg/m2 テトラゾリウム化合物 30mg/m2 5-メチルベンゾトリアゾール 30mg/m2 2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スルホン酸 30mg/m2 イナートオセインゼラチン(等電点4.9) 1.5g/m2 1-(p-アセチルアミドフェニル)-5-メルカプトテトラゾール 30mg/m2 銀量 2.8g/m2 (乳剤層保護膜)乳剤層保護膜として、下記の付量にな
るよう調製塗布した。
【0060】 フッ素化ジオクチルスルホコハク酸エステル 300mg/m2 マット剤:ポリメタクリル酸メチル(平均粒径3.5μm) 100mg/m2 硝酸リチウム塩 30mg/m2 酸処理ゼラチン(等電点7.0) 1.2g/m2 コロイダルシリカ 50mg/m2 スチレンスルホン酸ナトリウム−マレイン酸共重合体 100mg/m2 媒染剤 30mg/m2 染料 30mg/m2 (バッキング層)乳剤層とは反対側の支持体に、下記組
成のバッキング染料を塗布した。ゼラチン層はグリオキ
ザール及び2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-s-トリアジンナ
トリウム塩及びヒドロキシ含有エポキシ化合物である
(d)で硬膜した。
【0061】 ハイドロキノン 100mg/m2 フェニドン 30mg/m2 ラテックスポリマー:ブチルアクリレート−スチレン共重合体 0.5g/m2 スチレン−マレイン酸共重合体 100mg/m2 クエン酸 40mg/m2 ベンゾトリアゾール 100mg/m2 スチレンスルホン酸−マレイン酸共重合体 100mg/m2 硝酸リチウム 30mg/m2 バッキング染料(a) 40mg/m2 バッキング染料(b) 30mg/m2 バッキング染料(c) 30mg/m2 オセインゼラチン 2.0g/m2 このようにして作成した写真感光材料を試料No.1とす
る。次に、試料No.1に用いた組成物の構造式を示す。
【0062】
【化1】
【0063】
【化2】
【0064】
【化3】
【0065】試料No.2の作成 試料作成条件は、下引き第2層として下引き塗布液B−
3の代わりに下記下引き塗布液B−4を用いた以外試料
No.1と同様に作成した。
【0066】 <下引き塗布液B−4> ゼラチン 10g 化合物A 0.4g 化合物B 0.1g 平均粒径3μmのシリカ粒子 0.1g 粉末P2 5g ポリビニルベンゼンスルホン酸 3g 水で1リットルに仕上げる。
【0067】試料No.3の作成 試料作成条件は、下引き第2層として下引き塗布液B−
3の代わりに下引き塗布液B−5を用いた以外試料No.
1と同様に作成した。
【0068】 <下引き塗布液B−5> ゼラチン 10g 化合物B 0.1g 平均粒径3μmのシリカ粒子 0.1g 粉末P2 3g ポリビニルベンゼンスルホン酸 2g 水で1リットルに仕上げる。
【0069】試料No.4(比較試料)の作成 試料作成条件は、下引き第2層として下引き塗布液B−
3の代わりに下引き塗布液B−0を用いた以外試料No.
1と同様に作成した。
【0070】 <下引き塗布液B−0> ゼラチン 10g 化合物A 0.4g 化合物B 0.1g 平均粒径3μmのシリカ粒子 0.1g 水で1リットルに仕上げる。
【0071】以上のようにして得られた試料No.1〜4
を全面露光し下記に示す現像液、定着液を使用して現像
処理した後、表面比抵抗試験並びに灰付着テストを行っ
た。
【0072】又、未露光で下記の現像処理を施した試料
についてヘーズ試験を行った。
【0073】 <現像液処方> ハイドロキノン 25g 1-フェニル-4,4ジメチル-3-ピラゾリドン 0.4g 臭化ナトリウム 3g 5-メチルベンゾトリアゾール 0.3g 5-ニトロインダゾール 0.05g ジエチルアミノプロパン-1,2-ジオール 10g 亜硫酸カリウム 90g 5-スルホサリチル酸ナトリウム 75g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム 2g 水で1リットルに仕上げた。
【0074】pHは苛性ソーダで11.5とした。
【0075】 <定着液処方> (組成A) チオ硫酸アンモニウム(72.5w%水溶液) 240ml 亜硫酸ナトリウム 17g 酢酸ナトリウム・三水塩 6.5g ほう酸 6g クエン酸ナトリウム・二水塩 2g 酢酸(90w% 水溶液) 13.6ml (組成B) 純水(イオン交換水) 17ml 硫酸(50w%の水溶液) 3.0g 硫酸アルミニウム(Al23換算含量が8.1w%の水溶液) 20g 定着液の使用時に水500ml中に上記組成A、組成Bの順
に溶かし、1リットルに仕上げて用いた。この定着液の
pHは約5.6であった。
【0076】(現像処理条件) (工程) (温度) (時間) 現像 40℃ 8秒 定着 35℃ 8秒 水洗 常温 10秒 (帯電防止性能の評価:灰付着テスト法)23℃、20%
R.H.の条件下で、現像済試料の乳剤側面をゴムロー
ラーで数回こすり、タバコの灰を近づけて、フィルムに
くっつくかどうかを下記評価に従って調べた。
【0077】○ :1cmまで近づけても全く付着しな
い ○△ :1cm〜4cmまで近づけると付着する △ :4cm〜10cmまで近づけると付着する × :10cm以上でも付着する ○△以上ならば実用上支障がない。
【0078】(表面比抵抗測定法)川口電機社製 テラ
オームメーターVE−30を用い、印加電圧100V、23
℃、20%R.H.の条件下で測定した。
【0079】(ヘーズ試験)東京電色株式会社製濁度計
Model T−2600 DAを用いて測定してヘーズを
%で表示した。
【0080】各試料の評価結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】表から本発明の試料は比較試料に比し、透
明性、帯電防止性能とも優れていることがわかる。
【0083】さらに試料No.1〜3は粒子を添加したに
もかかわらず透明性の評価結果であるヘイズの劣化もな
く良好である。
【0084】
【発明の効果】本発明により、透明性の優れた、低湿度
下でも高い帯電防止性能を有するフィルム及びハロゲン
化銀写真感光材料を提供できた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性多孔質微粒子を含有することを特
    徴とするフィルム。
  2. 【請求項2】 導電性高分子化合物を含有することを特
    徴とする請求項1に記載のフィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のフィルムを用
    いることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996013459A1 (en) * 1994-10-31 1996-05-09 Kodak-Pathe New polymeric conductive alumino-silicate material, element comprising said material, and process for preparing it
EP1324120A3 (en) * 2001-12-28 2004-01-21 Eastman Kodak Company Silver halide imaging element containing sequestered silver ions

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