JPH09117984A - 帯電防止されたプラスチックフィルム材料およびそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

帯電防止されたプラスチックフィルム材料およびそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料

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JPH09117984A
JPH09117984A JP7277659A JP27765995A JPH09117984A JP H09117984 A JPH09117984 A JP H09117984A JP 7277659 A JP7277659 A JP 7277659A JP 27765995 A JP27765995 A JP 27765995A JP H09117984 A JPH09117984 A JP H09117984A
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Ikuo Kurachi
育夫 倉地
Hidetoshi Ezure
秀敏 江連
Kamiyuki Sasaki
頂之 佐々木
Masayoshi Yamauchi
正好 山内
Hitoshi Adachi
仁 安達
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、導電性粒子の添加量が多い
事により引き起こされる透明性、塗布液の安定性、作業
性などの問題を解決し、低湿度下でも高い帯電防止性能
を有する透明プラスチックフィルム材料、および特に
は、それを用いたハロゲン化銀写真感光材料を提供する
ことにある。 【構成】 少なくとも1層の導電性層を有するフィルム
材料であって、該導電性層が導電体粒子および半導体粒
子から選ばれる少なくとも一つと、平均粒径が0.01
ミクロン以上5ミクロン以下の高分子粒子との少なくと
も2成分からなる混合物を用いて、該導電性層が、導電
体粒子および半導体粒子から選ばれる少なくとも一つを
該導電性層の1vol%以上50vol%以下含み、か
つ該フィルム材料の周波数20Hzにおけるインピーダ
ンスの絶対値が4×105Ω以上1×1020Ω以下であ
ることを特徴とする帯電防止されたプラスチックフィル
ム材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は湿度変化の影響が少なく
なるように帯電防止性能を改良したプラスチックフィル
ムに関するものであり、磁気テープ、フロッピーディス
ク、フレキシブル基板、メンブレンスイッチ用基材、プ
リンター記録紙などに用いる事ができ、特に透明性を損
なわないフィルムも提供できるので、OHP用フィル
ム、液晶表示装置、タッチパネル、ステンドグラスなど
の用途に利用できる。また、その優れた透明性が写真特
性に悪影響を与える事無く良好なので写真感光材料にも
用いる事ができる。特に写真感光材料では、その優れた
特性故に、感光材料が、従来から用いられてきた銀塩の
みならず銀塩以外の感光材料を用いた分野まで用いるこ
とが可能である。
【0002】
【従来の技術】一般にプラスチックフィルム(以下、単
にフィルムとも略称する。)は帯電性が強く、この物性
を利用した用途以外は使用上制限をうける場合が多い。
例えば、ハロゲン化銀写真感光材料(以下、写真感光材
料とも略称する。)には、支持体として一般に電気絶縁
性を有するプラスチックフィルムが用いられ、この支持
体と写真感光材料層からなっているいわゆる複合材料で
あるので、写真感光材料の製造工程中並びに使用時に、
同種又は異種物質の表面との間の接触摩擦又は剥離の際
に帯電しやすい。帯電により蓄積された静電電荷は多く
の障害を引き起こす。最も重大な障害は、現像処理前に
蓄積された静電電荷が放電することにより感光性乳剤層
が感光し、写真フィルムを現像処理した際にいわゆるス
タチックマークと呼ばれている点状スポット又は樹枝状
や羽毛状の線斑を生ずることである。例えばこの現象が
医療用又は工業用X線フィルム等に現れた場合には非常
に危険な判断につながる。この現象は現像してみて初め
て明らかになるもので非常に厄介な問題の一つである。
また、これらの蓄積された静電荷により、フィルム表面
へゴミが付着したり、フィルム表面への均一な塗布が行
えない等の故障が生じる原因にもなる。
【0003】かかる帯電による故障は、前述した以外に
も数多く発生する。例えば製造工程においては写真フィ
ルムとローラーとの接触摩擦あるいは写真フィルムの巻
き取り、巻き戻し工程中での支持体面と乳剤面の分離等
によって生じる。また仕上がり製品においては写真フィ
ルムを巻き取り、切換えを行った場合のベース面と乳剤
面との分離によって、またはX線フィルムの自動撮影中
での機械部分、あるいは蛍光増感紙との間の接触分離等
が原因となって発生する。その他包装材料との接触等で
も発生する。かかる静電電荷の蓄積によって誘起される
写真感光材料のスタチックマークは、写真感光材料の感
度が上昇し、処理速度が増加するに従って顕著となる。
特に最近においては、写真感光材料の高度化及び高速塗
布、高速撮影、高速自動処理等による過酷な取扱いを受
ける機会が多くなったことによって、一層スタチックマ
ークの発生が出易くなっている。
【0004】更に現像処理後のゴミ付着も近年大きな問
題となっており、現像処理後にも帯電防止性を保持する
ような改良が要求されている。
【0005】これらの静電気による障害をなくすのに最
も良い方法は、物質の電気伝導性を上げて、蓄積電荷が
放電する前に静電電荷を短時間に散逸せしめるようにす
ることである。
【0006】従って、従来から写真感光材料の支持体や
各種塗布表面層の導電性を向上させる方法が考えられ、
種々の吸湿性物質や水溶性無機塩、ある種の界面活性
剤、ポリマー等の利用が試みられてきた。例えば、特開
昭49−91165号及び同49−121523号には
ポリマー主鎖中に解離基を有するイオン型ポリマーを適
用する例が開示されている。その他特開平2−9689
号、同2−182491号に記載されているような導電
性ポリマー、特開昭63−55541号、同63−14
8254号、同63−148256号、特開平1−31
4191号等に記載されているような界面活性剤に関す
る発明等が知られている。
【0007】しかしながら、これら多くの物質は、フィ
ルム支持体の種類や写真組成物の違いによって特異性を
示し、ある特定のフィルム支持体及び写真乳剤やその他
の写真構成要素には良い結果を与えるが、他の異なった
フィルム支持体及び写真構成要素では帯電防止に全く役
に立たないばかりでなく、写真性に悪影響を及ぼす場合
がある。さらに重要な欠点として、これらの多くの物質
は、低湿度下では導電層としての機能を失ってしまう。
【0008】この低湿度下での性能劣化を改善する目的
で、特公昭35−6616号と特公平1−20735号
には金属酸化物を帯電防止処理剤として用いる技術につ
いて記載されている。前者の技術は、コロイド状のゾル
分散液を用いる方法が開示され、後者においては、前者
の導電性の問題点改善を目的として高温度で処理を行っ
た結晶性の高い金属酸化物粉体を用いる方法が開示され
た。しかし後者の技術は結晶性の高い粉末を用いている
ので光散乱に対して、粒子径と粒子/バインダーの比な
どを考慮する必要のあることが述べられている。また特
開平4−29134号においては、低湿度下での性能改
善のみならず他の欠点の改善を目的として、写真感光材
料に用いる導電性素材に、粒子状の金属酸化物と繊維状
の金属酸化物を用いる方法が開示されているが、添加量
の問題が残されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、プラスチ
ックフィルムの静電気による障害を克服するための努力
が長年に亘り為されてきたにも関わらず、その発生メカ
ニズムと材料との関係が未だ不明で、特に障害が商品に
致命的な影響として現れる写真分野においては、導電性
の高い材料、たとえば導電性金属酸化物粒子を塗布する
のが最良の手段として選ばれてきた。しかし、導電性金
属酸化物粒子を含有する層を設けた写真感光材料に関し
ては、特公昭35−6616号が開示されて以来、低湿
度下での性能劣化を改善する手段として30年以上の長
期にわたり研究されてきたにもかかわらず、いまだに多
くの未解決の問題が残されたまま現在に至っている。
【0010】例えば、かかる導電性金属酸化物粒子を含
有する層をハロゲン化銀と接して設けた場合には、取扱
い中に摩擦される事によって画像に圧力カブリ若しくは
スリキズが生じ易いという問題、あるいは、高分子バイ
ンダーに混合して使用した場合には、製造工程或いは取
扱い中の摩擦により、表面に存在する微粒子が脱落する
ので、製造工程においてはローラーに付着して搬送する
製品にキズをつけるという問題などである。さらに、こ
れらの金属元素を主成分とする材料は、一般に比重が大
きいので、写真感光材料への塗布の場合に微粒子として
もなお沈降などの問題があり、塗布液の均一性、保存性
などに問題が生じていた。
【0011】これらの問題のほとんどは、粒子をさらに
微粒化することにより解決できるが、微粒化により次の
ような新たな問題が発生する。すなわち微粒化に伴う塗
布液の増粘現象、同時にその現象から生じる作業性の問
題、凝集力の増大による凝集粒子沈降の問題などが生じ
る。塗布液増粘の問題解決の1手段は、粒子の添加量を
減らす事により解決できる。凝集粒子沈降の問題も濃度
を低くする、すなわち導電性粒子の添加量を減らす事に
より改善することが可能である。しかし、ただ単に導電
性粒子の添加量を減らすことは、帯電防止性の劣化をひ
きおこすことになる。
【0012】従って、本発明の目的は、導電性粒子の添
加量が多い事により引き起こされる透明性、塗布液の安
定性、作業性などの問題を解決し、低湿度下でも高い帯
電防止性能を有する透明プラスチックフィルム材料、お
よび特には、それを用いたハロゲン化銀写真感光材料を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0014】(1).少なくとも1層の導電性層を有す
るフィルム材料であって、該導電性層が導電体粒子およ
び半導体粒子から選ばれる少なくとも一つと、平均粒径
が0.01ミクロン以上5ミクロン以下の高分子粒子と
の少なくとも2成分からなる混合物を用いて、該導電性
層が、導電体粒子および半導体粒子から選ばれる少なく
とも一つを該導電性層の1vol%以上50vol%以
下含み、かつ該フィルム材料の周波数20Hzにおける
インピーダンスの絶対値が4×105Ω以上1×1020
Ω以下であることを特徴とする帯電防止されたプラスチ
ックフィルム材料。
【0015】(2).導電体粒子または半導体粒子が、
金属元素を含む酸化物ゾルである(1)に記載のプラス
チックフィルム材料。
【0016】(3).導電体粒子または半導体粒子が、
400℃以下の温度で製造された金属元素を含む酸化物
である(1)または(2)に記載のプラスチックフィル
ム材料。
【0017】(4).高分子粒子が、水に溶解しない高
分子で構成された粒子である(1)、(2)または
(3)に記載のプラスチックフィルム材料。
【0018】(5).前記(1)で形成された導電性層
の乾燥膜厚が、高分子粒子の平均粒径の1.3倍以上で
ある(1)、(2)、(3)または(4)に記載のプラ
スチックフィルム材料。
【0019】(6).前記フィルム材料がシンジオタク
チックポリスチレンを主成分とするプラスチックフィル
ムよりなることを特徴とする(1)、(2)、(3)、
(4)または(5)に記載のプラスチックフィルム材
料。
【0020】(7).前記(1)〜(6)のいずれか一
項に記載のフィルム材料を支持体として用いることを特
徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0021】本発明によると、写真感光材料以外に磁気
テープ、フロッピーディスク、フレキシブル基板、メン
ブレンスイッチ用基材、プリンター記録紙などに用いる
事ができ、特に透明性を損なわないフィルムも提供でき
るので、OHP用フィルム、液晶表示装置、タッチパネ
ル、ステンドグラスなどの用途をはじめ、各種フィルム
の帯電防止に用いる事ができる。このように本発明は、
特に透明性改善に有効であるが、本発明の効果は、透明
フィルム以外にも適用可能である。
【0022】公知のように材料の導電性は、陽イオン、
陰イオンもしくは、電子、正孔など粒子中に存在する電
荷担体により発現する。
【0023】主な電荷担体がイオンのとき固体電解質と
なり、電荷担体が電子の場合は、半導体となる。通常の
導電性材料は両者が混合された導電体であり、酸素不足
酸化物、金属過剰酸化物、金属不足酸化物、酸素過剰酸
化物などの不定比化合物が半導体となる。多くの導電性
材料の導電性は、このように発揮され、導電体もしくは
半導体材料で構成される微粒子を絶縁体高分子中に分散
し、高分子に導電性を与えて帯電防止を行う方法は、よ
く研究されている。発明者らは、ポリマーと導電体粒子
もしくは半導体粒子との組み合わせを各種検討し、透明
性と導電性の両者を満たす条件を発見した。
【0024】さらに、導電性について詳細な検討を行っ
たところ、一般には下記の公知の(1)式に見られるよ
うに材料の導電性が上がれば、抵抗の項を含むインピー
ダンスZの絶対値が減少することは良く知られている。
【0025】 |Z| = 〔R2 + (1/ωC)21/2 −−−−−(1) ここで Z:インピーダンス R:抵抗 C:静電容量 ω:2πf f:周波数 しかし、バインダー成分である有機物に対する導電体粒
子の添加量を少なくした場合のある特殊な条件において
は、周波数20Hzにおけるインピーダンスの絶対値が
4×105Ω以上においてゴミ付着などのフィルムの帯
電により生じる問題が解決されることを見いだした。た
とえば、帯電防止のために、フィルムの透明性を損なう
程度まで過剰に導電性粒子を透明フィルムに塗布する
と、フィルム表面の導電性が向上し、直流電流を用いて
測定された表面比抵抗の大きさが十分に低くなり、同時
に交流で測定されるインピーダンスの絶対値も低くな
る。このようなフィルム材料は、静電気の障害を生じな
いが、透明性を著しく損なうゆえに本発明の目的に反す
る。透明性を優先し、導電性粒子の添加量を減らしてゆ
くと、表面比抵抗が上昇し、インピーダンスの絶対値も
大きくなる。透明性は改善されるが帯電防止性能が悪化
し、ゴミ付着などの静電気に伴う障害が発生するという
問題が発生する。
【0026】明らかなように、表面比抵抗を下げれば、
すなわちインピーダンスの絶対値を下げれば帯電防止性
能は向上する。これまでの帯電防止技術は、このような
考え方に基づき、開発努力が続けられてきたが、本発明
では透明性を犠牲にしないで、インピーダンスの絶対値
と組成とのある特殊な組み合わせで静電気による障害を
克服したものである。
【0027】すなわち、透明性を満たす為には、微粒子
の添加量を少なくする必要があるが、微粒子の添加量を
少なくすると先に説明したように、表面比抵抗の改善が
難しくなる。しかし、発明者らは、帯電防止性能とイン
ピーダンスの関係を鋭意検討し、透明性に影響を及ぼさ
ない導電性粒子の少量添加領域において、インピーダン
スの絶対値を4×105Ωよりも大きくしても帯電防止
が可能となることを発見した。インピーダンスの絶対値
を上昇させることは、導電性粒子の添加量を増加させる
必要がなく、導電性を有しないがフィルムの諸物性を改
善できる高分子バインダーで制御することが可能とな
り、透明性の制限をうけながら帯電防止を達成する新し
い手段であることを発見した。
【0028】このように、透明性に影響を及ぼさない程
度の導電性粒子の少ない添加領域において、バインダー
である高分子ラテックス(高分子バインダー粒子即ち高
分子粒子)の粒子径を選択することにより周波数20H
zにおけるインピーダンスの絶対値を制御して、透明性
と帯電防止の両者を満足するフィルムを完成できると考
え、フィルム材料の満たすべきインピーダンスの絶対値
の条件と、透明性に影響を及ぼさない導電性粒子の添加
量の明確化と、その範囲におけるバインダーである高分
子ラテックス(高分子バインダー粒子即ち高分子粒子)
の粒子径を明らかにする努力を行い本発明を完成させ
た。
【0029】以下、本発明を詳しく説明する。
【0030】本発明において、フィルム材料のインピー
ダンス測定に関しては、電子部品の誘電率測定に用いる
一般のインピーダンス測定装置を用いることができる
が、好ましくは周波数1Hz以上の測定が可能なインピ
ーダンス測定装置と、フィルム測定用電極を組み合わせ
た装置である。例えば、横河・ヒューレット・パッカー
ド社製(以下YHP社製)プレシジョンLCRメーター
HP4284AとHP16451Bの組み合わせであ
る。他の装置を用いる場合には、電極部分の補正を行う
必要がある。本発明達成の為には、フィルム材料のイン
ピーダンスを正しく測定する必要があるので、補正不可
能の装置を用いた場合には、好ましい結果が得られな
い。この装置の組み合わせでさらに20Hzにおけるイ
ンピーダンスの絶対値を求める一例を詳細に記すが、フ
ィルム材料の正確な周波数20Hzのインピーダンスの
絶対値が測定できるならば、本発明では測定方法を制限
しない。
【0031】平行な平面で構成される二電極とガード電
極を有するHP16451Bの接続されたプレシジョン
LCRメーターHP4284Aを用い、23℃20%R
H雰囲気下で、空隙法によりフィルム材料のインピーダ
ンスの絶対値を計測する。空隙法の測定に関しては、H
P16451Bの取り扱い説明書に記載された電極非接
触法に従う。サンプルの大きさについては、電極平面よ
りも大きければ特に制限は無いが、主電極の直径が3.
8cmの場合には、大きさ6cm×6cmから5cm×
5cmの正方形サンプルが好ましい。サンプルの直流電
流を用いて測定された表面比抵抗の大きさが、表裏で等
しければ、どちらの面を上方にしてもよいが、表裏で等
しくなければ、表面比抵抗の値が低い面を上方に向け、
平行な平面で構成される二電極間にサンプルを設置し交
流電圧をかけながら空隙法で計測する。
【0032】計測された好ましい範囲は、面積が11か
ら12cm2の電極を用いて測定した周波数20Hzに
おけるインピーダンスの絶対値が4×105Ω以上、好
ましくは8×105Ω以上、さらに好ましくは1×106
Ω以上1020Ω以下で、次にのべる組成の範囲ならば帯
電防止性能と透明性の両立したフィルム材料を製造可能
となる。
【0033】導電性粒子の添加量であるが、導電性粒子
の色、形態、組成など粒子の種類により好ましい添加量
の範囲は変化するが、透明性を考慮すると帯電防止層に
単位体積あたりの含有率が50vol%以下、好ましく
は40vol%以下、さらに好ましくは37vol%以
下がよい。透明性の条件を厳しく選べば28vol%以
下が、さらに好ましくは20vol%以下が良い。導電
性粒子の最低必要量は、インピーダンスの絶対値が先に
記載した好ましい範囲にはいる条件から選定される。こ
の条件を重視すると、導電性粒子は1vol%以上必要
であり、好ましくは5vol%以上、さらに好ましくは
10vol%以上必要である。
【0034】必要に応じて、本発明の範囲内で架橋剤、
界面活性剤、マット剤など他の成分の添加がなされても
良い。しかし、これら他の成分をインピーダンスの絶対
値の低下を招くに至る添加すなわち本発明の範囲を越え
る添加は、本発明の目的を達成できないので好ましくな
い。
【0035】導電性粒子の主成分が体積固有抵抗で10
9Ωcm以下10-5Ωcm以上の材料であり、同一の材
料で構成されていても、異質の材料との組み合わせであ
ってもよい。好ましくは、白色もしくは無色の金属酸化
物系粒子であり、このような粒子では、導電性は低くな
る傾向にあるので、109Ωcm以下10-1Ωcm以上
の材料が選ばれる。透明性を望まれる写真感光材料の用
途では、非晶質の金属酸化物ゾルが好ましく、108Ω
cm以下101Ωcm以上の材料が選ばれる。これら粒
子の粒径については、特に制限をしないが、電子顕微鏡
で撮影された像において、小さい方の径が10μm以下
であるのが好ましく、さらに好ましくは1μm以下であ
る。透明性が要求される場合には、0.5μm以下が望
ましく、もっとも好ましいのは非晶質の金属酸化物ゾル
の形態をとる0.001μm以上0.1μm以下であ
る。
【0036】体積固有抵抗の値に関しては、粉体に一定
圧力をかけて得られた成形体の体積固有抵抗を102
除した値を採用する。一定圧力については、特に制限を
しないが、好ましくは10kg/cm2以上の圧力が良
く、さらに好ましくは、100kg/cm2以上10t
/cm2未満の圧力をかけて成形した材料の体積固有抵
抗を102で除した値を採用する。一般に粉体にかけら
れた圧力とその成形体の体積固有抵抗に関しては、圧力
が高くなると、体積固有抵抗が低くなる傾向にある。し
かし、静水圧加圧装置で3t/cm2の等方圧をかけた
場合でも、単結晶で得られる体積固有抵抗値よりも低い
値は得られず、100倍程度高い値となる。ゆえに、粉
体の状態で一定圧力をかけて得られた成形体の体積固有
抵抗を102で除した値を採用する。
【0037】また、一般に半導体とは、体積固有抵抗で
10Ωcm以上1012Ωcm未満の材料を、導体とは、
10Ωcm未満の材料を意味する。本発明では、半導体
粒子でも導体粒子でも導電性粒子と呼ぶ。
【0038】また粒子の構造が結晶性であっても非晶性
であってもよく、その高次構造が傾斜組成をとっていて
も、規則的な組成分布、不均一分布をとっていても、本
発明の構成ならびに目的を達成すれば何でも良い。
【0039】粒子の例をあげれば、金属、導電性を有す
るカルコゲナイトガラス、金属酸化物の粒子などがあげ
られ、化学的安定性から、金属酸化物が好ましいが、本
発明の目的を達成できれば、導電性を有する無機材料で
あれば何でも良い。金属酸化物を用いる場合、その合成
方法は、公知の合成方法で本発明の目的を達成できるも
のであればいかなる方法でもよい。例えば、金属もしく
は金属を含む化合物を原料とした共沈法、多段湿式法、
ゾルゲル法、アトマイジング法、プラズマ熱分解法など
微粒子及び超微粒子の製造方法をあげることができる。
ここで金属もしくは金属を含む化合物とは、粉体合成法
に応じて、Li,Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,
Ca,Sr,Ba,Sc,Y,La,Ce,Ti,Z
r,V,Nb,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,N
i,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt,Cu,A
g,Au,Zn,Cd,Hg,Al,Ga,In,T
l,Si,Ge,Sn,Pb,As,Sb,Bi,S
e,Te,Po元素を含む化合物であり、好ましくはN
i,Ir,Rh,Nb,Ce,Zr,Th,Hf,Z
n,Ti,Sn,Al,In,Si,Mg,Ba,M
o,W,Vを主成分とする化合物である。好ましくは水
溶性もしくは有機溶媒に可溶な化合物で、例えば、Fe
SO47H2O、CuSO4などの水溶性金属塩類、Ni
Cl2、PdCl2などの有機溶媒に可溶な金属化合物、
Ti(OC374などの金属アルコキシドやフェロセ
ンなどの有機金属化合物などが選ばれるが、粉体合成法
に応じて、金属もしくは金属を含む化合物を主成分とす
る室温で固体の材料も組み合わせて用いる事ができ、特
に粉体原料並びに製造方法に制限を加えるものではな
く、本発明の目的を達成する原料ならびに製造方法であ
れば何でも良い。
【0040】これら製造方法により得られる金属酸化物
粒子の組成並びに結晶形態については、非晶質、結晶質
でも本発明の目的を達成できるものであればいかなる組
成並びに結晶形態でもよい。
【0041】例えば、単純立方格子、体心立方格子、面
心立方格子、単純正方格子、体心正方格子、単純斜方格
子、底面心斜方格子、体心斜方格子、面心斜方格子、単
純単斜格子、底面心単斜格子、三斜格子、菱面体格子、
六方格子などの特定構造をとる化合物が挙げられる。
【0042】また、本発明では、結晶性多孔質材料も、
用いる事が可能である。
【0043】これらの特定の結晶性化合物以外に、粉末
X線回折法で粉末を評価したときに、シャープな回折ピ
ークの得られない粉末でも良い。もしその組成が、本来
特定の結晶形態をとるので有れば、もしくは回折ピーク
のほとんどの値が、ある特定の結晶に同定できるのだ
が、一部広幅化しているために不明確な場合、あるいは
すべてが広幅化している非晶質粉末の粉末でも本発明の
目的を達成できるならば、用いる事ができる。このよう
な金属酸化物の例として、コロイド状のSnO2ゾルを
あげることができる。この化合物は、沈降等の問題が発
生せず、本発明の目的を達成するために好適な化合物で
ある。SnO2超微粒子の製造方法に関しては、特に温
度条件が重要で、高温度の熱処理を伴う方法は、一次粒
子の成長や、結晶性が高くなる現象を生じるので好まし
くなく、やむをえず熱処理を行う必要があるときには、
400℃以下好ましくは300℃以下さらに好ましくは
200℃以下さらに好ましくは150℃以下に止めるべ
きである。特公昭35−6616号の実施例に記載され
た製造法のSnO2ゾルは、本発明に好適な例である。
さらに、この特公昭35−6616号に記載された方法
に準じてフッ素、Sbなどの異種元素をドープした材料
も好適である。
【0044】これら導電体粒子および半導電体微粒子
は、バインダー中に分散または溶解させて用いられる。
あるいは、金属酸化物粒子を導電性高分子化合物で表面
処理もしくはマイクロカプセル化などの処理を行った粉
体、金属酸化物粒子を導電性高分子化合物の溶解もしく
は分散された溶媒中に混合後、スプレードライ法、凍結
乾燥法などの処理を行った粉体をバインダー中に分散し
て塗布を行っても良い。
【0045】本発明に係る高分子粒子としては、特に限
定されるものではないが、例えばゼラチン、カゼイン等
のタンパク質、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、アセチルセルロース、ジアセチル
セルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース化
合物、デキストラン、寒天、アルギン酸ソーダ、デンプ
ン誘導体等の糖類、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エス
テル、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリ−N−
ビニルピロリドン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポ
リアクリル酸等の合成ポリマー等を挙げる事ができる。
特に、ゼラチン(石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、
酵素分解ゼラチン、フタル化ゼラチン、アセチル化ゼラ
チン等)、アセチルセルロース、ジアセチルセルロー
ス、トリアセチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル
アミド、デキストラン、水溶性ポリエステル樹脂等で、
水に分散したときに単分子状態で分散せず、複数の分子
が固まりとなった高分子粒子の状態が好ましい。疎水性
の高分子ラテックスであれば、そのまま使用可能である
が、たとえばゼラチンのような親水性高分子の場合に
は、適当な架橋材で架橋したり、適当な疎水性高分子と
の組み合わせによる保護コロイドの形態で用いることが
好ましい。すなわち本発明では、通常知られている高分
子バインダーを用いることが可能であるが、特に親水性
バインダーについては、粒子状に加工し用いる必要があ
る。
【0046】本発明に係る高分子粒子は、フィルム形成
能を有する化合物であり、塗布する前に平均粒径が、
0.01ミクロン以上5ミクロン以下の高分子粒子であ
ることが必要である。好ましくは、0.02ミクロン以
上1ミクロン以下が、さらに好ましくは0.05ミクロ
ン以上0.5ミクロン以下が望ましい。高分子粒子と導
電性粒子の粒径との関係であるが、本発明の範囲内であ
れば効果を発揮することができるが、好ましくは、導電
性粒子の短い方の径よりも1.1倍以上の粒径が高分子
粒子で選択される。導電性粒子の短い方の径よりも1.
5倍以上であればさらに効果的である。
【0047】粒子サイズに関しては、沈降法、レーザー
回折法などによる粒度分布計の測定により求められた平
均粒子径を採用するのが好ましいが、電子顕微鏡写真よ
り粒子径を決定しても良い。しかし電子顕微鏡を採用し
た場合には、視野内において独立して存在している粒子
の最も長い径を採用する。粒子が、化学的につながって
高次構造を形成している場合には、高次構造の単位で計
測する。
【0048】バインダー中への導電体粒子もしくは半導
体粒子の分散方法であるが、自由回転運動を利用する方
法、じゃま板を設けた容器中の障害運動を利用する方
法、密閉容器を水平軸のまわりに回転を行う転倒運動を
利用する方法、容器を上下に振とうする振とう運動を利
用する方法、ロール上で剪断力などを利用する方法など
いろいろあるが、本発明の目的を損なわない限りいかな
る方法を選択しても良い。
【0049】また本発明の導電性層の乾燥膜厚は、高分
子粒子の粒径の1.3倍以上が好ましい。1.3倍未満
の場合は、高分子粒子の導電性層内での粒子の充填構造
が不十分で、50vol%以下での導電性粒子の添加率
において導電性の発現が不安定になる。さらに好ましく
は高分子粒子の粒径の1.5倍以上100倍未満が良
い。
【0050】本発明で使用するプラスチックフィルム材
料としては、例えば、セルロースナイトレートフィル
ム、セルロースアセテートフィルム、セルロースアセテ
ートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピ
オネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、その他これらの積層物等がある。
【0051】これらのフィルム材料のうち、高分子の重
合条件を選択し、高度に立体規則的なポリマーを用いる
ことも可能である。たとえば、シンジオタクティックポ
リスチレン(SPS)を主成分とするプラスチックフィ
ルムを用いても良い。SPSフィルムのように特に帯電
しやすいフィルムにおいては、本発明の効果は更に有効
である。
【0052】本発明において、シンジオタクティックポ
リスチレンを主成分とするフィルムとは、立体規則性構
造(タクティシティー)が主としてシンジオタクティッ
ク構造、すなわち炭素−炭素結合から形成される主鎖に
対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に
反対方向に位置する立体構造を有するものであり、主鎖
の主たる連鎖が、ラセモ連鎖であるスチレン系重合体あ
るいは、それを含む組成物であり、スチレンの単独重合
体であれば、特開昭62−117708号に記載の方法
で重合することが可能であり、またその重合体について
は、特開平1−46912号、同1−178505号等
に記載された方法により重合することで得ることができ
る。
【0053】そのタクティシティーは同位体炭素による
核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量される。13
C−NMR法により測定されるタクティシティーは、連
続する複数個の構成単位の存在割合、例えば、2個の場
合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合
はペンタッドによって示すことができるが、本発明にい
う主としてシンジオタクティック構造を有するスチレン
系重合体とは、通常ラセミダイアッドで75%以上、好
ましくは85%以上、もしくはラセミトリアッド60%
以上、好ましくは75%以上もしくはラセミペンタッド
30%以上好ましくは50%以上であることが好適であ
る。
【0054】シンジオタクティックポリスチレン系組成
物を構成する重合体の具体的なモノマーとしては、スチ
レン、メチルスチレン等のアルキルスチレン、クロロメ
チルスチレン、クロロスチレン等のハロゲン化(アルキ
ル)スチレン、アルコキシスチレン、ビニル安息香酸エ
ステル等を主成分とする単独もしくは混合物である。特
に、アルキルスチレンとスチレンの共重合体は、50μ
m以上の膜厚を有するフィルムを得るためには、好まし
い組み合わせである。
【0055】本発明のシンジオタクティック構造を有す
るポリスチレン系樹脂は、上記のような原料モノマーを
重合用の触媒として特開平5−320448号,4〜1
0ページに記載の(イ)(a)遷移金属化合物及び
(b)アルミノキサンを主成分とするもの、または
(ロ)(a)遷移金属化合物及び(c)遷移金属化合物
と反応してイオン性錯体を形成しうる化合物を主成分と
するものを用いて重合して製造することができる。
【0056】これらのプラスチックフィルム材料は、写
真感光材料の支持体として、用いることが出来る。また
透明な支持体は無色透明のものだけでなく、染料、顔料
を添加して着色透明にすることができる。
【0057】本発明の感光材料としては、通常の白黒ハ
ロゲン化銀感光材料(例えば、撮影用白黒感材、X−線
用白黒感材、印刷用白黒感材等)、通常の多層カラー感
光材料(例えば、カラーリバーサルフィルム、カラーネ
ガティブフィルム、カラーポジティブフィルム等)、転
写画像形成材料(例えば印刷の校正刷りに用いるカラー
プルーフ)など種々の感光材料を挙げる事ができる。
【0058】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0059】(導電性粒子P1の分散液)塩化第二スズ
水和物65gを水溶液2000ccに溶解し均一溶液を
得た。次いでこれを煮沸し共沈澱物を得た。生成した沈
澱物をデカンテーションにより取り出し、蒸留水にて沈
澱を何度も水洗する。沈澱を洗浄した蒸留水中に硝酸銀
を滴下し塩素イオンの反応がないことを確認する。この
沈殿物を蒸留水1000cc中に添加して分散後、全量
を2000ccとする。さらに30%アンモニア水を4
0cc加え、水浴中で加温すると、SnO2ゾル溶液が
生成する。
【0060】塗布液として用いるときには、このゾル溶
液へアンモニアを吹き込みながら濃度約8%に濃縮して
用いる。また、このゾル溶液に含まれる粒子の体積固有
抵抗については、ゾル溶液を用いてシリカガラス上に薄
膜を形成し、四端子法で測定した値を粒子の体積固有抵
抗値とした。測定された体積固有抵抗は3.4×104
Ωcmであった。
【0061】(導電性粒子P2の分散液)塩化第二スズ
水和物65gと三塩化アンチモン1.0gを水溶液20
00ccに溶解し均一溶液を得た。次いでこれを煮沸し
共沈澱物を得た。生成した沈澱物をデカンテーションに
より取り出し、蒸留水にて沈澱を何度も水洗する。沈澱
を洗浄した蒸留水中に硝酸銀を滴下し塩素イオンの反応
がないことを確認する。この沈殿物を蒸留水1000c
c中に添加して分散後、全量を2000ccとする。さ
らに30%アンモニア水を40cc加え、水浴中で加温
すると、SnO2ゾル溶液が生成する。
【0062】このゾル溶液を400℃に加熱した電気炉
中に噴霧し導電性粉末を合成した。得られた粉末を錠剤
成型器にて成形後、4端子法で測定された体積固有抵抗
は1.5×101Ωcmであった。
【0063】この導電性粉末をpH10のアンモニア水
に濃度8wt%となるように分散した。
【0064】(高分子粒子分散液LX1)水40lにゼ
ラチンを0.125kg及び過硫酸アンモニウム0.0
5kgを加えた液に液温80℃で攪拌しつつ、窒素雰囲
気下で(ア)n−ブチルアクリレート4.51kg、
(イ)スチレン5.49kg、及び(ウ)アクリル酸
0.1kgの混合液を1時間かけて添加、その後1.5
時間攪拌後、ゼラチン1.25kgと過硫酸アンモニウ
ム0.005kgを加えて1.5時間攪拌、反応終了後
さらに1時間水蒸気蒸留して残留モノマーを除去したの
ち、室温まで冷却してから、アンモニアを用いてpHを
6.0に調整した。得られたラテックス液は、水で希釈
し濃度20wt%に仕上げた。
【0065】以上のようにして平均粒径0.25μ、T
g約0℃の単分散なラテックスを得た。
【0066】(高分子粒子分散液LX2)カネボーエヌ
エスシー(株)製ヨドゾールYX50を用いた。濃度2
0wt%で平均粒径0.06μmであった。
【0067】実施例1 (ハロゲン化銀写真感光材料用支持体の作成)2軸延伸
・熱固定後の厚さ100μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの両面に8W分/m2のコロナ放電処理を
施し、一方の面に特開昭59−19941号記載のよう
に下記下引き塗布液B−1を乾燥膜厚0.8μmになる
よう下引き層B−1として塗布し、100℃1分間乾燥
した。またポリエチレンテレフタレートフィルムに対し
下引き層B−1と反対側の面に特開昭59−77439
号記載のように下記下引き塗布液B−2を乾燥膜厚0.
8μmになるように下引き層B−2として塗布100℃
1分間乾燥した。
【0068】 *下引き第1層 <下引き塗布液B−1> ブチルアクリレート30重量%、t−ブチルアクリレ ート20重量%、スチレン25重量%及び2−ヒドロ キシエチルアクリレート25重量%の共重合体ラテッ クス液(固形分30%) 270g 化合物A 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1lに仕上げる。
【0069】 <下引き塗布液B−2> ブチルアクリレート40重量%、スチレン20重量%及 びグリシジルアクリレート40重量%の共重合体ラテッ クス液(固形分30%) 270g 化合物A 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1lに仕上げる。
【0070】*下引き第2層(A) さらに上記下引き層B−1の上に8W分/m2のコロナ
放電を施し、下記塗布液B−3を乾燥膜厚0.1μmに
なるようにB−3層を塗布し、100℃、1分間乾燥し
た。
【0071】 <下引き塗布液B−3> ゼラチン 10g 化合物A 0.4g 化合物B 0.1g 平均粒径3μmのシリカ粒子 0.1g 水で1lに仕上げる。
【0072】*下引き第2層(B) さらに上記下引き層B−2の上に8W分/m2のコロナ
放電を施し、下記塗布液B−3−1を乾燥膜厚0.1μ
mになるようにB−3−1層を塗布し、100℃、1分
間乾燥した。
【0073】 <下引き塗布液B−3−1> 高分子粒子分散液LX1 23g 導電性粒子P1の分散液 400g 水 200g
【0074】
【化1】
【0075】(乳剤調製)pH3.0の酸性雰囲気下で
コントロールダブルジェット法によりロジウムを銀1モ
ル当たり10-5モル含有するハロゲン化銀粒子を作成し
た。ハロゲン化銀粒子の成長は、ベンジルアデニンを1
%のゼラチン水溶液1l当たり30mg含有する系で行
った。銀とハライドとの混合後6−メチル−4−ヒドロ
キシ−1,3,3a,7−テトラザインデンをハロゲン
化銀1モル当たり600mg加え、その後水洗、脱塩し
た。
【0076】次いで、ハロゲン化銀1モル当たり60m
gの6−メチル−4−ヒドロキシ−1,3,3a,7−
テトラザインデンを加えた後、イオウ増感をした。イオ
ウ増感後安定剤として6−メチル−4−ヒドロキシ−
1,3,3a,7−テトラザインデンを加えた。
【0077】(ハロゲン化銀乳剤層)前記各乳剤に添加
剤を下記の付量になるように調製添加し、前記、支持体
のB−3−1層の上に塗布した。
【0078】 ラテックスポリマー:スチレン−ブチルアクリレート −アクリル酸3元共重合ポリマー 1.0g/m2 テトラフェニルホスホニウムクロライド 30mg/m2 サポニン 200mg/m2 ポリエチレングリコール 100mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 100mg/m2 ハイドロキノン 200mg/m2 フェニドン 100mg/m2 スチレンスルホン酸ナトリウム−マレイン酸共 重合体(Mw=25万) 200mg/m2 没食子酸ブチルエステル 500mg/m2 テトラゾリウム化合物 30mg/m2 5−メチルベンゾトリアゾール 30mg/m2 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸 30mg/m2 イナートオセインゼラチン(等電点4.9) 1.5g/m2 1−(p−アセチルアミドフェニル)−5−メルカプ トテトラゾール 30mg/m2 銀量 2.8g/m
【0079】
【化2】
【0080】(乳剤層保護膜)乳剤層保護膜として、下
記の付量になるよう調製塗布した。
【0081】 フッ素化ジオクチルスルホコハク酸エステル 300mg/m マット剤:ポリメタクリル酸メチル(平均粒径3.5μm) 100mg/m2 硝酸リチウム塩 30mg/m2 酸処理ゼラチン(等電点7.0) 1.2g/m2 コロイダルシリカ 50mg/m2 スチレンスルホン酸ナトリウム−マレイン酸共重合体 100mg/m2 媒染剤 30mg/m2 染料 30mg/m
【0082】
【化3】
【0083】(バッキング層)乳剤層とは反対側の支持
体に、下記組成のバッキング染料を塗布した。ゼラチン
層はグリオキザール及び1−オキシ−3,5−ジクロロ
−S−トリアジンナトリウム塩及びヒドロキシ含有エポ
キシ化合物である(d)で硬膜した。
【0084】 ハイドロキノン 100mg/m フェニドン 30mg/m2 ラテックスポリマー:ブチルアクリレート−スチ レン共重合体 0.5g/m2 スチレン−マレイン酸共重合体 100mg/m2 クエン酸 40mg/m2 ベンゾトリアゾール 100mg/m2 スチレンスルフォン酸−マレイン酸共重合体 100mg/m2 硝酸リチウム塩 30mg/m2 バッキング染料(a)(b)(c) 40,30,30mg/m2 オセインゼラチン 2.0g/m2
【0085】
【化4】
【0086】以上のようにして得られた試料を全面露光
し下記に示す現像液、定着液を使用して現像処理した
後、表面比抵抗試験並びに灰付着テスト法を行った。結
果は表1に示した。
【0087】 <現像液処方> ハイドロキノン 25g 1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン 0.4g 臭化ナトリウム 3g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.3g 5−ニトロインダゾール 0.05g ジエチルアミノプロパン−1,2−ジオール 10g 亜硫酸カリウム 90g 5−スルホサリチル酸ナトリウム 75g エチレンジアミン4酢酸ナトリウム 2g 水で1lに仕上げた。
【0088】pHは苛性ソーダで11.5とした。
【0089】 <定着液処方> (組成A) チオ硫酸アンモニウム(72.5w%水溶液) 240ml 亜硫酸ナトリウム 17g 酢酸ナトリウム・3水塩 6.5g ほう酸 6g クエン酸ナトリウム・2水塩 2g 酢酸(90w% 水溶液) 13.6ml (組成B) 純水(イオン交換水) 17ml 硫酸(50w%の水溶液) 3.0g 硫酸アルミニウム(Al23換算含量が8.1w%の水溶液) 20g 定着液の使用時に水500ml中に上記組成A、組成B
の順に溶かし、1lに仕上げて用いた。この定着液のp
Hは約5.6であった。
【0090】(現像処理条件) (工程) (温度) (時間) 現像 40℃ 8秒 定着 35℃ 8秒 水洗 常温 10秒 (帯電防止性能の評価:灰付着テスト法(耐ゴミ付着
性)) 23℃、20%R.H.の条件下で、現像済試料の乳剤
側面をゴムローラーで数回こすり、タバコの灰を近づけ
て、フィルムにくっつくかどうかを下記評価に従って調
べた。
【0091】 ○ :1cmまで近づけても全く付着しない ○△ :1cm〜4cmまで近づけると付着する △ :4cm〜10cmまで近づけると付着する × :10cm以上でも付着する ○△以上ならば実用上支障がない。
【0092】(インピーダンスの絶対値測定方法)イン
ピーダンス測定に関しては、横河・ヒューレット・パッ
カード社製(以下YHP社製)プレシジョンLCRメー
ターHP4284Aと、HP16451Bの組み合わせ
を用いた。
【0093】23℃、20%RH雰囲気下で、空隙法に
よりフィルム材料のインピーダンスの絶対値を計測し
た。空隙法の測定に関しては、HP16451Bの取り
扱い説明書(部品番号16451−97000、印刷1
989年12月)に記載された電極非接触法に従う。主
電極の直径が3.8cmの電極−Aを用いて、サンプル
の大きさは、5.5cm×5.5cmの正方形に切り取
った。導電性粒子の分散層を上方に向け計測した。
【0094】(ヘーズ試験)第2層まで下引き処理を行
った試料を東京電色株式会社製濁度計Model T−
2600 DAを用いて測定してヘーズを%で表示し
た。
【0095】実施例2 試料作成条件は、下引き第2層として下引き塗布液B−
3−1の代わりに下記の下引き塗布液B−3−2を用い
た以外実施例1と同様に作成し、実施例1と同様の評価
を行った。
【0096】 <下引き塗布液B−3−2> 高分子粒子分散液LX2 26g 導電性粒子P1の分散液 120g 水 300g 実施例3 試料作成条件は、下引き第2層として下引き塗布液B−
3−1の代わりに下記の下引き塗布液B−3−3を用い
た以外実施例1と同様に作成し、実施例1と同様の評価
を行った。
【0097】 <下引き塗布液B−3−3> 高分子粒子分散液LX2 23g 導電性粒子P2の分散液 250g 水 300g 実施例4 試料作成条件は、下引き第2層として下引き塗布液B−
3−1の代わりに下記の下引き塗布液B−3−4を用い
た以外実施例1と同様に作成し、実施例1と同様の評価
を行った。
【0098】 <下引き塗布液B−3−4> 高分子粒子分散液LX2 23g 導電性粒子P2の分散液 90g 水 300g 比較例1 試料作成条件は、下引き第2層として下引き塗布液B−
3−1の代わりに下記下引き塗布液B−0を用いた以外
実施例1と同様に作成し、実施例1と同様の評価を行っ
た。
【0099】 <下引き塗布液B−0> ゼラチン 10g 化合物A 0.4g 化合物B 0.1g 平均粒径3μmのシリカ粒子 0.1g 水で1lに仕上げる。
【0100】比較例2 試料作成条件は、下引き第2層として下引き塗布液B−
3−1の代わりに下記下引き塗布液B−02を用いた以
外実施例1と同様に作成し、実施例1と同様の評価を行
った。但し、下引き塗布液B−02に含まれる酸化錫粉
末とは、900℃の温度で酸化アンチモンを3%添加し
た酸化錫を焼成し、ボールミルで粉砕した粉末である。
この粉末の平均粒径は0.5μmで比重は6.8であっ
た。
【0101】下引き塗布液の調製方法は実施例1と同様
に行ったが、フィルム塗布後の塗布液容器中には酸化錫
粉末の沈澱物が観察された。
【0102】 <下引き塗布液B−02> ゼラチン 5g 化合物A 0.4g 化合物B 0.1g 酸化錫粉末 9.6g 水 200g 以上の結果を表1にしめす。
【0103】
【表1】
【0104】表1から明らかなように、本発明の写真感
光材料は、インピーダンスの絶対値が大きいにもかかわ
らず、耐ゴミ付着性も良好で、透明性も良好であること
が解る。また、本発明の写真感光材料は、圧力カブリや
スリキズの発生が認められなかった。
【0105】圧力カブリやスリキズが発生しない透明性
の優れた、低湿度下でも高い帯電防止性能を有する、プ
ラスチックフィルム材料およびハロゲン化銀写真感光材
料を提供できた。
【0106】
【発明の効果】本発明により、導電性粒子の添加量が多
い事により引き起こされる透明性、塗布液の安定性、作
業性などの問題を解決し、低湿度下でも高い帯電防止性
能を有する透明プラスチックフィルム材料、および特に
は、それを用いたハロゲン化銀写真感光材料を提供する
ことができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 1/85 G03C 1/85 (72)発明者 山内 正好 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 安達 仁 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1層の導電性層を有するフィ
    ルム材料であって、該導電性層が導電体粒子および半導
    体粒子から選ばれる少なくとも一つと、平均粒径が0.
    01ミクロン以上5ミクロン以下の高分子粒子との少な
    くとも2成分からなる混合物を用いて形成され、該導電
    性層が、導電体粒子および半導体粒子から選ばれる少な
    くとも一つを該導電性層の1vol%以上50vol%
    以下含み、かつ該フィルム材料の周波数20Hzにおけ
    るインピーダンスの絶対値が4×105Ω以上1×10
    20Ω以下であることを特徴とする帯電防止されたプラス
    チックフィルム材料。
  2. 【請求項2】 導電体粒子または半導体粒子が、金属元
    素を含む酸化物ゾルである請求項1に記載のプラスチッ
    クフィルム材料。
  3. 【請求項3】 導電体粒子または半導体粒子が、400
    ℃以下の温度で製造された金属元素を含む酸化物である
    請求項1または2に記載のプラスチックフィルム材料。
  4. 【請求項4】 高分子粒子が、水に溶解しない高分子で
    構成された粒子である請求項1、2または3に記載のプ
    ラスチックフィルム材料。
  5. 【請求項5】 請求項1で形成された導電性層の乾燥膜
    厚が、高分子粒子の平均粒径の1.3倍以上である請求
    項1、2、3または4に記載のプラスチックフィルム材
    料。
  6. 【請求項6】 前記フィルム材料がシンジオタクチック
    ポリスチレンを主成分とするプラスチックフィルムより
    なることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に
    記載のプラスチックフィルム材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項に記載のフ
    ィルム材料を支持体として用いることを特徴とするハロ
    ゲン化銀写真感光材料。
JP7277659A 1995-10-23 1995-10-25 帯電防止されたプラスチックフィルム材料およびそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料 Pending JPH09117984A (ja)

Priority Applications (3)

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JP7277659A JPH09117984A (ja) 1995-10-25 1995-10-25 帯電防止されたプラスチックフィルム材料およびそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料
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