JPH06185570A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JPH06185570A
JPH06185570A JP33876692A JP33876692A JPH06185570A JP H06185570 A JPH06185570 A JP H06185570A JP 33876692 A JP33876692 A JP 33876692A JP 33876692 A JP33876692 A JP 33876692A JP H06185570 A JPH06185570 A JP H06185570A
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JP
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cylinder
inner cylinder
vibration
outer cylinder
bracket
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JP33876692A
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Takeshi Noguchi
毅 野口
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内筒の端部の強度を確保しつつ外筒に対して
ブラケットを正確な位置に取り付ける。 【構成】 外筒12の内周側に弾性体24を介して内筒
金具26が取り付けられる。内筒金具26は、フランジ
部30及び上端面がフランジ部30の底部30Aに溶接
されて固着される円筒部28から構成されている。フラ
ンジ部30の平面部30Cには、一対の面取り部80が
直線状に形成され、面取り部80間の距離Sは、円筒部
28の直径Dよりも大きな値となる。そして、ボルト6
7が、円筒部28に形成された雌ねじ28Aに螺合し
て、取付アーム66が内筒金具26に固定される。従っ
て、面取り部80を基準として取付アーム66を内筒金
具26に取り付けることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動発生部からの振動
を吸収する防振装置に関し、例えば自動車、一般産業用
機械等に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、外筒内にゴム等で形成された
弾性体を介して内筒が取り付けられ、エンジンへ固定す
る為のブラケットがこの内筒の下端部に取り付けられる
ような構造の防振装置が知られている。このような防振
装置では、内筒の外周側に弾性体が加硫接着されてい
て、エンジンの振動により生じる内筒の軸方向に沿った
変位に伴って、弾性体の内周側が変位するようになって
いる。
【0003】例えば、この防振装置の一例を図8から図
10に示す。これらの図に示すように、この種の防振装
置は、内筒110と外筒112とをゴムなどの弾性体1
14で連結し、この弾性体114にて、エンジンの重量
を支持する構造となっている。
【0004】また、外筒112の上部側に加硫接着され
たダイヤフラム128と弾性体114との間に液室13
0を形成し、円板状の弾性材料118と押さえ金具11
6とを合わせて、液室130内を区切って一対の液室1
30A、130Bを形成すると共にこの液室間130
A、130Bを連結するオリフィス126を形成する。
従って、この防振装置では、内外筒間の上下方向への相
対変位に伴って、弾性体114が変形すると共にオリフ
ィス126内を液体が行き来することで、減衰力が生
じ、エンジンのシェイク振動等を抑えることが可能とな
る。
【0005】さらに、車体側に取り付けられる取付脚1
40を外筒112に固着し、内筒110の下端側に形成
されたねじ穴120にボルト122がねじ止めされて、
エンジン側に連結されるブラケット124を内筒110
に取り付けていた。
【0006】この取り付けに際して、車体に対するエン
ジンの取り付け位置は予め決まっており、また、車体及
びエンジンに形成される防振装置を連結するためのねじ
孔の位置も予め決まっている。従って、車体に取り付け
る為の取付脚140に対するブラケット124の位置を
正確に位置決めしないと、車体とエンジンとの間に防振
装置を適正に取り付けることが出来ない。
【0007】以上より、この防振装置の組立に際しての
ブラケット124の内筒110への取り付け時に、内筒
110に対するブラケット124の回転方向位置を規制
すべく、図9に示すように、内筒110の先端側に一対
の面取り部150を形成し、図10に示すように、この
面取り部150間の寸法に対応した幅寸法の溝152を
ブラケット124の側に形成していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のこの
種の防振装置では、内筒110側の面取り部150の面
取り幅Aを大きくすると、内筒110の端面の面積が小
さくなる結果、内筒110とブラケット124との間の
接触面積が小さくなり、ブラケット124を固着する際
にこの部分に加わる圧力が過大となる。従って、内筒1
10の下端部が座屈などにより破損又は変形する虞を有
する。この為、あまり面取り部150の面取り幅Aを大
きくすることが出来ないという欠点を有する。
【0009】一方、ブラケット124の面取り部150
とこれに挿入される内筒110の面取り部150との間
には、寸法公差の吸収等の為、一定の隙間d(例えば
0.3mm程度)が必要である。従って、面取り幅Aを
大きく出来ない場合には、隙間dの大きさが一定として
も、回転可能な角度が大きくなり、内筒110とブラケ
ット124との固着時にブラケット124が回転方向に
位置ずれし、ブラケット124の位置がばらつくという
欠点を有する。そして、内筒110は弾性体114を介
して外筒112に連結されている為、固着時に大きな力
が加わると弾性体114が変形し、この変形により外筒
112に対してブラケット124が位置ずれする虞をも
有している。
【0010】また、ボルト122が螺合される内筒11
0の内外径を大きし、あるいは内径を一定に保ったまま
外径を大きくして内筒110の肉厚を増やし、面取り幅
Aを大きくすることも考えられるが、内筒110の重量
が増大したり、あるいはボルト122径の仕様の関係等
から好ましくない。
【0011】さらに、内筒110のボルト122挿入側
である下端側に面取り部150とは異なる位置決め手段
を設けるのは、内筒110とブラケット124との間の
締結部分の強度を低下させる虞を有している。
【0012】本発明は上記事実を考慮し、内筒の端部の
強度を確保しつつ外筒に対してブラケットを正確な位置
に取り付けることが出来る防振装置を提供することが目
的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受け部の一方に連結される筒状
の外筒と、振動発生部及び振動受け部の他方に連結され
るブラケットと、前記外筒の内側に基端側が位置し且つ
先端側が前記ブラケットがねじ止められる内筒と、前記
内筒と前記外筒とを連結するように前記内筒と前記外筒
との間に配設される弾性体とを有した防振装置であっ
て、前記内筒の先端側の外周面より外周寄りに対応する
前記内筒の基端側に、前記外筒に対する前記ブラケット
の回転方向位置の位置決めをする位置決め部を形成する
ことを特徴とする。
【0014】請求項2による防振装置は、位置決め部
が、内筒の基端側外周面の相互に対向する位置に形成さ
れるそれぞれ弦状をした複数の面取りであることを特徴
とする。
【0015】請求項3による防振装置は、位置決め部
が、内筒の基端側外縁の相互に対向する位置に形成され
る複数の切り欠きであることを特徴とする。
【0016】請求項4による防振装置は、位置決め部
が、内筒の基端側の相互に対向する位置に形成される複
数の貫通孔であることを特徴とする。
【0017】
【作用】弾性体が内筒と外筒とを連結し、振動発生部に
外筒あるいはブラケットを介して内筒が連結されている
為、振動発生部側から振動が外筒あるいは内筒に伝達さ
れると、弾性体が変形し、結果として弾性体の変形によ
り振動が減衰して、内筒あるいは外筒に連結される振動
受け部側に振動が伝達され難くなる。
【0018】また、ブラケットがねじ止められる内筒の
先端側と逆の基端側であって、内筒の先端側の外周面よ
り外周寄りの位置に、外筒に対するブラケットの回転方
向位置の位置決めをする位置決め部を形成した。
【0019】従って、位置決め部を治具等により固定し
て、弾性体を介して内筒と連結される外筒を位置決めし
た後、内筒の先端側にブラケットをねじ止めして固定す
れば、位置決め部が内筒の先端側の外周面より外周寄り
の位置に形成されている為、従来技術と同様の隙間を治
具との間に有しても、回転方向の位置ずれが小さくな
り、外筒に対してのブラケットの回転方向の取り付け位
置を正確なものにすることが出来る。
【0020】この為、内筒の先端側に直接に位置決め部
を形成しなくとも、適正に防振装置を例えば、車体とエ
ンジンとの間に取り付けることが可能となり、内筒の先
端側の強度を維持しつつブラケットを正確な位置に取り
付けることができる。
【0021】
【実施例】本発明の第1実施例に係る防振装置を図1か
ら図5に示し、これらの図に基づき本実施例を説明す
る。
【0022】図1から図5に示すように、本実施例の防
振装置100は、一例として自動車の車体側へ連結され
る振動受け部としての外筒12を備えている。この外筒
12は円筒状とされ、上部側は一定の径に形成された大
径部12Aとされており、下部側には、段部を介して、
大径部12Aより小径の小径部12Cが設けられてい
る。そして、大径部12Aは、小径部12C側の所定範
囲が底面側へ行くにしたがって径が縮小されるテーパ部
12Dを有している。
【0023】また、小径部12Cには、外筒12を車体
へ取り付けるための略L字形の取付脚14が固着されて
おり、取付脚14には、図示しない取付ボルトを挿通す
るボルト孔16が形成されている。
【0024】さらに、小径部12Cの下端部には、この
下端部側を覆う底部12Bが形成され、この底部12B
の中心部には、円形の円孔12Eが形成されている。
【0025】外筒12の内部には、弾性体ブロック18
及び隔壁部材20が上下方向に連続して配設されてい
る。図2及び図5に示すように、弾性体ブロック18
は、それぞれ外筒12と同軸的に配設される中間筒2
2、弾性体24及び内筒金具26等から構成されてい
る。
【0026】この内筒金具26は、平面状であって小円
形の底部30Aを有した円板状のフランジ部30及び、
上端面が底部30Aに溶接されて固着されているパイプ
状に形成された円筒部28から構成されている。
【0027】この円筒部28は、内周に雌ねじ28Aが
形成されており、内筒金具26の下方の一部である先端
側が外筒12の円孔12Eから下方へ突出している。ま
た、内筒金具26の基端側となるフランジ部30の底部
30Aの外周側には、上方へ行くに従って径が拡大され
る管状部であるテーパ部30Bが連続的に形成されてお
り、さらにテーパ部30Bの上端には、半径方向外側へ
延びるリング状の平面部30Cが形成されている。
【0028】そして、この平面部30Cは、図3に示す
ように、左右一対の面取り部80が弦状となるように直
線状に形成されており、この面取り部80の間の距離S
は、円筒部28の直径Dよりも大きな値となっている。
従って、これら面取り部80は、内筒12の先端側を形
成する円筒部28の外周面より、内筒金具26の軸中心
に対して外周寄りに位置することになる。
【0029】また、中間筒22は、軸方向中央部よりも
略上半分が上方へ行くにしたがって径が拡径されるテー
パ部22Aとされている。このテーパ部22Aは、外筒
12のテーパ部12Dよりも所定寸法小さく形成されて
おり、テーパの角度はほぼ同一とされている。
【0030】中間筒22の下半分は、テーパ部22Aよ
りも径の小さい小径部22Bとされている。なお、中間
筒22は、テーパ部22Aと小径部22Bと間の段部が
外筒12のテーパ部12Dと小径部12Cとの間の段部
に当接している。
【0031】また、中間筒22には、テーパ部22Aの
外周面に薄肉の弾性シール体としてのシール32が加硫
接着されており、図1(A)に示すように、シール32
の中間部には周方向に連続して連なる小突起32Aが一
対設けられている。
【0032】一方、弾性体24はリング状とされ、内筒
金具26と中間筒22との間に配設されて、外周が中間
筒22のほぼ内周面全域にわたって加硫接着されてお
り、内周がフランジ部30の底部30Aを除く外周面及
び円筒部28の外周面の略上半分へ加硫接着されてい
る。
【0033】他方、図1、図2、図4及び図5に示すよ
うに、外筒12の下方には底部12Bに対向して、鉄鋳
物等で形成されたブラケットである取付アーム66の角
柱部66Aが配設されている。この取付アーム66の角
柱部66Aの外周には、厚肉であってゴム製の弾性体6
4が、角柱部66Aに圧入されて固着されている。従っ
て、この弾性体64が外筒12に当接した際の衝撃を吸
収する緩衝材となる。
【0034】そして、角柱部66Aには、円筒部28の
下端部が緩く挿入される溝部70が形成されており、ま
た、角柱部66Aに形成されたボルト孔65を下方から
ボルト67が挿通し、このボルト67が、円筒部28の
雌ねじ28Aに螺合して、取付アーム66が内筒金具2
6に固定される。
【0035】また、取付アーム66の他端部には、図1
及び図4に示すように、取付部66Bが形成されてお
り、振動発生部となるエンジン(図示せず)に連結する
ための複数個のボルト孔68が形成されている。
【0036】この一方、図2及び図5に示すように、弾
性体ブロック18の上側に配設されると共に外周面が外
筒12の内周面に密接した略円柱形状の隔壁部材20
が、外筒12に内蔵されるように挿入されている。隔壁
部材20には、下部の中央に大径凹部34が形成されて
おり、大径凹部34の中央には、軸方向に貫通する円孔
36が形成さている。なお、大径凹部34の深さ寸法
は、隔壁部材20の軸方向長さの半分強となっている。
【0037】一方、隔壁部材20の上部には、円孔36
の外周側にリング溝38が形成されている。
【0038】円孔36は、弾性体ブロック18側とは反
対側から第1のダイヤフラム40で閉塞されている。第
1のダイヤフラム40は厚肉円板状とされ、上面の中央
に凹部40Aが形成されている。第1のダイヤフラム4
0の外周縁部には補強リング41が加硫接着されてお
り、補強リング41の外周縁側の下面は、外部に露出し
てリング溝38の内周側の側壁20Aの上端面に密着し
ている。
【0039】第1のダイヤフラム40の上側には、金属
等の薄肉の板材で形成された押さえ金具42が配設され
ている。この押さえ金具42は、円形の底部42Aの外
周に、上方へ向かって立ち上がる円筒状の側壁42Bが
形成され、さらに側壁42Bの上端には、半径方向外方
へむかって延びるフランジ42Cが形成されている。
【0040】押さえ金具42の上側には、第1のダイヤ
フラム40よりも薄肉とされた第2のダイヤフラム44
が配設されている。第2のダイヤフラム44の外周縁部
には取付リング44Aが加硫接着されている。
【0041】さらに、第2のダイヤフラム44の上側に
は、金属等の薄肉の板材で形成されたダイヤフラムカバ
ー46が配設されている。ダイヤフラムカバー46の中
央部は上方へ向かって凸状とされており、ダイヤフラム
カバー46の外周縁部46Aが前記第2のダイヤフラム
44の取付リング44Aの上側に配設されている。な
お、ダイヤフラムカバー46と第2のダイヤフラム44
との間は、空気室47とされている。
【0042】これら押さえ金具42の外周縁部、第2の
ダイヤフラム44の取付リング44A及びダイヤフラム
カバー46の外周縁部46Aは、隔壁部材20の上端部
に重ねられており、外筒12の上端部に薄く形成された
薄肉部12Fが内側にかしめられることによって、外筒
12の上端部と隔壁部材20の上端部との間にこれらの
部材が挟持されている。なお、前記第1のダイヤフラム
40は、これによって外周縁部が押さえ金具42と側壁
20Aの上端面との間に挟持されて、固定される。
【0043】また、押さえ金具42には、中央近傍に複
数の孔54が形成されており、押さえ金具42を挟んで
第1のダイヤフラム40側と第2のダイヤフラム44側
とは、この複数の孔54を介して連通している。
【0044】ここで、隔壁部材20の大径凹部34と弾
性体ブロック18とで囲まれる空間部は受圧液室57と
され、押さえ金具42と第1のダイヤフラム40との間
及び押さえ金具42と第2のダイヤフラム44との間の
空間部が副液室59とされている。
【0045】一方、リング溝38と押さえ金具42とに
囲まれる空間部は、制限通路48とされており、リング
溝38の底部に形成された貫通孔50によって受圧液室
57と連通している。また、押さえ金具42には、貫通
孔50とは軸線を挟んで反対側に孔52が形成されてお
り、制限通路48はこの孔52を介して副液室59と連
通している。したがって、受圧液室57と副液室59と
は、制限通路48を介して常に連通しており、受圧液室
57、副液室59及び制限通路48内には、水、シリコ
ンオイル、エチングリコール等の液体が充填されてい
る。
【0046】なお、隔壁部材20の上端の外周側の角部
には、溝56が形成されており、この溝56にはシール
性を高めるためにOリング58が配設されている。
【0047】次に本実施例の作用を説明する。この防振
装置100の組立に際しては、まず、図1(A)に示す
ように、予め取付脚14を溶接等で固着しておいた外筒
12内に、弾性体24を内筒金具26と中間筒22との
間に加硫接着して形成した弾性体ブロック18を挿入
し、内周側に弾性体24を介して内筒金具26が取り付
けられた状態とする。この際、内筒金具26の先端側を
構成する円筒部28の外周面より外周寄りのフランジ部
30の平面部30Cの位置に形成された面取り部80
が、取付脚14の取り付け位置に対して所定の回転方向
位置に規制された状態で弾性体ブロック18を挿入す
る。尚、中間筒22のテーパ部22Aが先細りとされて
いるため、シール32が外筒12の開口部に引っ掛かけ
る恐れがなく、しかも、プレス機械等を使用しなくても
容易に、かつスムーズに弾性体ブロック18を挿入する
ことができる。
【0048】そして、図1(B)に示すように、外筒1
2を倒立して、面取り部80に合致するような幅寸法を
有した溝92が形成された治具90に取り付けた後、内
筒金具26の先端側を構成する円筒部28の端部に、ボ
ルト67の雌ねじ28Aへのねじ込みにより、取付アー
ム66をねじ止める。
【0049】すなわち、面取り部80を治具90により
固定して、弾性体24を介して内筒金具26と連結され
る外筒12を位置決めした後、円筒部28に取付アーム
66をねじ止めして固定すれば、面取り部80が内筒金
具26の先端側の外周面より外周寄りの位置に形成され
ている為、従来技術と同様の隙間を治具90との間に有
しても、取付アーム66の回転方向の位置ずれが小さく
なり、外筒12に固定される取付脚14の位置に対して
の取付アーム66の回転方向の取り付け位置を正確なも
のにすることができ、この状態で取付アーム66をボル
ト67により固定するので、取付脚14に対する取付ア
ーム66の回転方向の位置が一定となる。
【0050】この為、内筒金具26の先端側に直接に面
取り部を形成しなくとも、適正に防振装置100を車体
とエンジンとの間に取り付けることが可能となり、内筒
金具26の先端側の強度を維持しつつ取付アーム66を
正確な位置に取り付けることができる。
【0051】尚、これに伴って、取付アーム66の他端
部を形成する取付部66Bの図4上、左右端それぞれに
面取り部を形成し、これを用いて取付アーム66を位置
決めすることにより、円筒部28への取り付け時の取付
アーム66の回転方向位置をより一層正確にすることが
出来る。
【0052】その後、治具90から取付アーム66と一
体となった外筒12を取り外して、図1(C)に示すよ
うに、隔壁部材20、第1のダイヤフラム40、押さえ
金具42、第2のダイヤフラム44、ダイヤフラムカバ
ー46を順に挿入し、外筒12の薄肉部12Fを内側に
かしめ加工する。これによって、シール32が圧縮され
ると共に小突起32Aが潰されて、中間筒22と外筒1
2との間のシール性が高められる。
【0053】なお、液体は、隔壁部材20、第1のダイ
ヤフラム40、押さえ金具42、第2のダイヤフラム4
4、ダイヤフラムカバー46を外筒12に挿入する際
に、液体中で行うことによって充填してもよく、組立て
後に、外筒12に液体充填用の孔から注入するようにし
てもよい。
【0054】本実施例の防振装置100は、一例とし
て、取付脚14をボルト孔16に挿入される図示しない
ボルトによって自動車の車体へ連結し、取付アーム66
をボルト孔68に挿入される図示しないボルトによって
自動車のエンジンに連結する。この際、内筒金具26が
エンジンの荷重を受けると、弾性体24が圧縮変形さ
れ、内筒金具26が図5の状態よりも下方へ移動して、
取付金具60が、外筒12の底部12Bから所定寸法離
間する。
【0055】そして、エンジン振動が取付アーム66を
介して内筒金具26に伝達されると、弾性体24が変形
して振動が減衰され、外筒12に連結される車体側に伝
達される振動が小さくなるが、さらに、受圧液室57、
副液室59及び制限通路48等により、以下のように作
用する。
【0056】例えば、エンジン振動が低周波数の振動の
時には、液体が制限通路48を介して主液室57と副液
室59との間を行き来し、大きな減衰力を発生すること
により低周波の振動が吸収される。
【0057】振動の周波数が上昇すると、制限通路48
が目詰まり状態となるが、この際には、第1のダイヤフ
ラム40が変形して主液室57内の圧力上昇を回避す
る。
【0058】また、エンジン振動が高周波数の振動の場
合には、内筒金具26の平面部30Cの周縁部と、隔壁
部材20の内壁面との間の環状の隙間で液体が共振し、
例えば、300〜600Hz程度の領域の動ばね定数を
低減することが出来る。
【0059】次に、本発明の第2実施例に係る防振装置
を図6に示し、この図に基づき本実施例を説明する。
尚、第1実施例で説明した部材と同一の部材には同一の
符号を付し、重複した説明を省略する。
【0060】図6に示すように、本実施例の防振装置1
00に用いられるフランジ部30の平面部30Cの外縁
には、半円形状の切り欠きである切り欠き部82が相互
に対向するように一対形成され、これら切り欠き部82
が位置決め部を構成している。
【0061】従って、これら切り欠き部82の形状及び
位置関係に適合した一対のピンを有する治具(図示せ
ず)を用いることにより、第1実施例と同様に外筒12
に取り付けられた取付脚14に対する内筒金具26にね
じ止められる取付アーム66の回転方向の位置を規制す
ることが可能となる。
【0062】次に、本発明の第3実施例に係る防振装置
を図7に示し、この図に基づき本実施例を説明する。
尚、第1実施例で説明した部材と同一の部材には同一の
符号を付し、重複した説明を省略する。
【0063】図7に示すように、本実施例の防振装置1
00に用いられるフランジ部30の平面部30Cには、
円形の貫通孔84が相互に対向するように一対形成さ
れ、これら貫通孔84が位置決め部を構成している。
【0064】従って、これら貫通孔84に緊密に嵌合す
るような形状及び位置関係の一対のピンを有する治具
(図示せず)を用いることにより、第1実施例と同様に
外筒12に取り付けられた取付脚14に対する内筒金具
26にねじ止められる取付アーム66の回転方向の位置
を、規制することが可能となる。
【0065】さらに、上記第1から第3実施例におい
て、振動発生部となるエンジン側に内筒金具26を連結
し、振動受け部となる車体側に外筒12を連結するよう
な構成としたが、この逆の構成としても良く、また、上
記実施例において、液体封入式の防振装置を用いて説明
をしたが、液体封入式以外の防振装置に適用できること
はいうまでもない。
【0066】他方、実施例において、自動車に搭載され
るエンジンの防振を目的としたが、本発明の防振装置は
例えば自動車のボディマウント等、あるいは自動車以外
の他の用途にも用いられることはいうまでもなく、ま
た、弾性体等の形状、寸法なども実施例のものに限定さ
れるものではない。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の防振装置
は上記構成としたので、内筒の端部の強度を確保しつつ
外筒に対してブラケットを正確な位置に取り付けること
が出来るという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る防振装置の組立を説
明する分解斜視図であって、(A)は弾性体ブロックの
外筒への挿入を示し、(B)は取付アームの外筒への取
り付けを示し、(C)隔壁部材等の外筒への取り付けを
示す図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る防振装置の組立を説
明する断面図である。
【図3】図2の3−3矢視線断面図である。
【図4】図2の4−4矢視線断面図である。
【図5】本発明の第1実施例に係る防振装置の断面図で
ある。
【図6】本発明の第2実施例に係る防振装置のフランジ
部を表す平面図である。
【図7】本発明の第3実施例に係る防振装置のフランジ
部を表す平面図である。
【図8】従来技術の防振装置の組立を説明する断面図で
ある。
【図9】図8の9−9矢視線断面図である。
【図10】図8の10−10矢視線断面図である。
【符号の説明】
12 外筒 18 弾性体ブロック 24 弾性体 26 内筒金具(内筒) 28 円筒部 28A 雌ねじ 30 フランジ部 30A 底部 30B テーパ部 30C 平面部 57 受圧液室 66 取付アーム(ブラケット) 80 面取り部(位置決め部) 82 切り欠き部(位置決め部) 84 貫通孔(位置決め部) 100 防振装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受け部の一方に連結
    される筒状の外筒と、振動発生部及び振動受け部の他方
    に連結されるブラケットと、前記外筒の内側に基端側が
    位置し且つ先端側が前記ブラケットがねじ止められる内
    筒と、前記内筒と前記外筒とを連結するように前記内筒
    と前記外筒との間に配設される弾性体とを有した防振装
    置であって、 前記内筒の先端側の外周面より外周寄りに対応する前記
    内筒の基端側に、前記外筒に対する前記ブラケットの回
    転方向位置の位置決めをする位置決め部を形成すること
    を特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 位置決め部が、内筒の基端側外周面の相
    互に対向する位置に形成されるそれぞれ弦状をした複数
    の面取りであることを特徴とする請求項1記載の防振装
    置。
  3. 【請求項3】 位置決め部が、内筒の基端側外縁の相互
    に対向する位置に形成される複数の切り欠きであること
    を特徴とする請求項1記載の防振装置。
  4. 【請求項4】 位置決め部が、内筒の基端側の相互に対
    向する位置に形成される複数の貫通孔であることを特徴
    とする請求項1記載の防振装置。
JP33876692A 1992-12-18 1992-12-18 防振装置 Pending JPH06185570A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007017594A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Nippon Seimitsu Sokki Kk 絞り装置

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