JPH0618472A - 電気化学測定用電極 - Google Patents

電気化学測定用電極

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JPH0618472A
JPH0618472A JP4172376A JP17237692A JPH0618472A JP H0618472 A JPH0618472 A JP H0618472A JP 4172376 A JP4172376 A JP 4172376A JP 17237692 A JP17237692 A JP 17237692A JP H0618472 A JPH0618472 A JP H0618472A
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electrode
measurement
enzyme
electrochemical measurement
water
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JP4172376A
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Akio Karigome
昭夫 刈米
Ryuzo Hayashi
隆造 林
Yoshio Hashizume
義雄 橋爪
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡便な構成で測定妨害物質の影響を抑えた測
定が可能な固定化酵素体を用いた電気化学測定用電極を
提供することを目的とする。 【構成】 少なくとも作用電極2と対極3を有する電極
系と、酵素を固定化した吸水体5とを有する電気化学測
定用電極であり、前記吸水体が塩基性官能基を有する陰
イオン交換体である電気化学測定用電極。陰イオン交換
体としてはジエチルアミノエチルセルロース、エピクロ
ルヒドリントリエタノールアミンセルロース、トリエチ
ルアンモニウムエチルセルロース等が例示できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気化学測定用の2電
極または3電極系を少なくとも一組備えた測定用電極に
関し、特に簡便な構成で測定妨害物質の影響を抑えた測
定が可能な固定化酵素体を用いた電気化学測定用電極に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年分析の多様化にともなって、新しい
分析方法の実用化が多々検討されている。その中でも電
気化学測定はポーラログラフィー等従来よりの測定法に
加え、液体クロマトグラフィーやフローインジェクショ
ン分析などと組み合わされ広い範囲で応用されている。
【0003】電気化学検出の特長は、 (1)一般には測定困難な化学量を、測定が容易な電気
量に直接変換して測定するために簡単に行える。 (2)ファラデーの法則に従って進行する電気化学反応
を観察するために、電流値や電気量から微量な物質変化
を捉えることができ高感度の測定が行える。 (3)反応の過程を即時に知ることができ、迅速な検出
・定量が可能である。 などであり、ポテンシォメトリー、アンペロメトリー、
ポーラログラフィー、クーロメトリー、インピーダンス
測定、サイクリックボルタンメトリー等の方法で各種物
質の測定に応用されている。
【0004】従来電気化学測定ではサイクリックボルタ
ンメトリーやパルスボルタンメトリーなどは選択性を向
上させる測定方法として用いられてきたが、被測定物質
と妨害物質との選択透過の比率や測定時間の短縮化など
の点において十分な成果が得られているとは言い難かっ
た。一方、各種化学物質に対する選択的な反応性に優れ
ている酵素・微生物・抗原・抗体やそれらの固定化素子
など、近年の技術進歩によって実用化がすすんでいる生
物由来の変換素子と組み合わせてバイオセンサーを構築
し、その応用範囲も広がっている。
【0005】これらの生物由来の変換素子の中で、基質
と反応して酸素を消費したり過酸化水素を生成する酸化
酵素は、応答速度、感度共に優れており生成物の電気化
学的検出が容易なために特に頻繁に用いられている。一
方、電気化学測定には一つの問題点として電極等の電気
化学検出器部分での選択性の低さが挙げられる。これは
検出の最終段が電流値のみに依存しているために、被測
定物質の反応によって生じた電流か、妨害物質によって
生じた電流かの区別が困難なことが原因となっている。
【0006】被測定物質と妨害物質が試料中に共存して
いるような場合、アンペロメトリー法で酸素濃度を検出
する酸素電極では、気体の透過のみを許し他の物質は透
過しない気体透過膜を電極表面に装着し成果を挙げてい
る。しかし一般に酸素電極に用いられている気体透過膜
は、フッ素樹脂等の材質で構成されている場合には固定
化酵素膜を直接その表面上に製膜するのは困難である。
【0007】また酸素電極法は応答速度の点で過酸化水
素検出方式に劣るものであり、高速で電気化学測定を行
おうとする場合、過酸化水素検出型が望ましい。しか
し、過酸化水素電極では妨害物質の問題がある。測定試
料中にアスコルビン酸等の測定妨害物質が混入している
と、正しい測定が出来なくなる。測定用電極は重要であ
り、このような測定妨害物質による影響は測定装置全体
の基本性能を左右する問題である。
【0008】過酸化水素をアンペロメトリー法で検出す
る場合、過酸化水素の次式(1)であらわされる電極表
面での分解反応の酸化還元電位は0.68V(対標準水
素電極、25℃)であるので、検出電極には通常用いら
れる銀・塩化銀参照電極に対して約0.46V以上の電
位に保持する必要がある。 H2 2 → O2+2H+ +2e- ・・・ (1) しかし、測定妨害物質の代表的な物質であるアスコルビ
ン酸を例にとれば、アスコルビン酸の標準酸化還元電位
は0.34V(pH7.0)であるので過酸化水素の酸
化電流を検出しようとすればアスコルビン酸の酸化電流
値も上乗せされてしまう。
【0009】そこで過酸化水素電極と固定化酵素体を組
み合せたバイオセンサーでは、酵素反応により生じた過
酸化水素に対し、妨害物質の応答を低く抑える必要があ
る。従来よりアセチルセルロース膜など種々の過酸化水
素選択透過膜を測定用セルに装着あるいは電極表面を被
覆するようにあらかじめ製膜した測定セルを固定化酵素
体と組み合せた測定用電極が考案されている。
【0010】例えば、特開昭60−56254号にはア
セチルセルロースを素材にした過酸化水素選択透過膜を
装着した電極が例示されている。しかし、アセチルセル
ロースは水に不溶であるために、揮発性有機溶媒に溶解
後展開し製膜しなければならない。この製造方法では有
機溶媒が蒸発しやすいために、アセチルセルロース濃度
が変化しやすく、一定の厚みの膜を作成して選択透過能
に再現性のある膜を得ることは技術的な困難をともな
う。
【0011】また特開昭60−173452号には多孔
性膜中または表面にタンパク質ゲルを形成させ架橋試薬
を用いて製膜した選択透過膜が開示されている。しか
し、過酸化水素に対する選択性を向上させようとタンパ
ク質ゲルを緻密なものにすれば、過酸化水素自身の透過
速度も影響を受け迅速な測定が困難となってしまう。
【0012】このように従来用いられてきた測定セルお
よび電極と固定化酵素体を組み合せた構成では、酵素反
応によって生成した過酸化水素に対する選択性が不十分
であったり、応答速度が不十分であるといった問題があ
った。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に従来技術に
おいては選択透過膜の膜内の透過速度の差によって選択
性を確保するために選択性が不十分であったり、過酸化
水素に対する応答速度の低下がさけられなかった。本発
明は、電気化学測定用の2電極または3電極系を少なく
とも一組備えた過酸化水素測定用電極に関し、特に簡便
な構成で測定妨害物質の影響を抑えた測定が可能な固定
化酵素体を用いた電気化学測定用電極を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも作
用電極と対極を有する電極系と、酵素を固定化した吸水
体とを有する電気化学測定用電極であり、前記吸水体が
塩基性官能基を有する陰イオン交換体である電気化学測
定用電極である。ただし本発明では、酵素を固定化する
吸水体と、測定妨害物質を補足するための吸水体の機能
を別の吸水体層で構成して2層の吸水体構成としても同
じことであり、ここでいう「吸水体」を2層として、測
定妨害物質補足用の吸水体のみを塩基性官能基を有する
陰イオン交換体としてもよい。
【0015】本発明は、陰イオン交換体がジエチルアミ
ノエチルセルロース、エピクロルヒドリントリエタノー
ルアミンセルロース、トリエチルアンモニウムエチルセ
ルロースより選ばれる少なくとも1種を含む上記の電気
化学測定用電極を開示する。試料中の測定物は、酵素の
反応により電極活性物質を生成し、電極系により測定さ
れる。この際試料は吸水体を透過せずに直に電極と接触
しないように構成されている。例えば、電極系は酵素を
固定化した吸水体で覆われている。
【0016】酵素を固定化した吸水体とは、吸水体に酵
素液を含ませて乾燥してもよいが、酵素を多価アルデヒ
ド類等を用いて固定化することが好ましく、この際酵素
とともに他のタンパク質を混ぜて固定化してもよい。本
発明は、少なくとも1個の窒素をその原子団中に含み蒸
留水中でのpKa値が6以上の官能基で修飾された水が
含浸または透過する吸水体に、1種類以上の酵素と必要
ならば他のタンパク質とともに固定化した酵素固定化体
を、少なくとも作用電極表面を被覆するように装着した
ことを特徴とする電気化学測定用電極を開示する。
【0017】また本発明は、少なくとも1個の窒素をそ
の原子団中に含み蒸留水中でのpKa値が6以上の官能
基が、1〜3級アミンまたはその誘導体であることを特
徴とする上記の電気化学測定用電極を開示する。
【0018】
【作用】一般に電気化学測定において酵素等の生物由来
の変換素子によって生成する過酸化水素を検出するため
には、電極構成が簡単であり高感度測定に優れているた
め、白金等の電極を用いたアンペロメトリーが多く用い
られている。しかしこの場合、被測定試料中に酵素反応
により生成する過酸化水素と同電位で電解電流を生じる
還元物質が共存すると測定値に誤差を与える。このよう
な測定妨害物質にはアスコルビン酸、還元型グルタチオ
ン、尿酸など、ごく一般的に食品・発酵液等の試料中に
存在する物質も多く含まれる。したがって固定化酵素体
と電気化学測定を用いて精度の良い測定を行うために
は、これら測定妨害物質に対する何等かの対策が必要と
なる。本発明者等は、試料中に含まれる測定妨害物質の
多くは塩基性官能基を有する陰イオン交換体により補足
されることを見出し、測定妨害物質の影響を除き、正確
な測定を可能とする本発明を完成したものである。
【0019】塩基性官能基を有する陰イオン交換体とし
ては、少なくとも1個の窒素をその原子団中に含み蒸留
水中でのpKa値が6以上の官能基が結合した、水が含
浸または透過する吸水体が好ましい。官能基のpKaが
低すぎると充分な測定妨害物質の捕捉効果をしめさず、
選択性向上の効果は認められないので、本発明で用いる
吸水体に結合した官能基のpKaは6以上であることが
望ましい。
【0020】この時に用いる吸水体は、水が含浸または
透過するものであればその種類を問わず、例えば分析用
ろ紙などの紙類、ガーゼ等の布類あるいは不織布類、ナ
イロン等の化学繊維で織られたメッシュ類、水に不溶性
の素材で作られたフィルター類等を用いることができ
る。吸水体に官能基を導入する工程は、酵素を多価アル
デヒド類を用いて固定化する以前に行っておくことが必
要である。
【0021】具体的には、測定用電極を構成する場合に
用いることができる固定化酵素体の基体となる吸水体と
しては、ジエチルアミノエチル基−CH2 ・CH2
(C25 2 をセルロースの水酸基にエーテル結合さ
せたジエチルアミノエチルセルロース(DEAEろ紙,
ジエチルアミノエチル基のpKaは9.5程度)、トリ
エチルアンモニウムエチル基−CH2 ・CH2 + (C
2 5 3 をセルロースの水酸基にエーテル結合させた
トリエチルアンモニウムエチルセルロース(TEAEろ
紙)、セルロースにエピクロルヒドリンとトリエタノー
ルアミンとをアルカリ性で反応させて得られるエピクロ
ルヒドリントリエタノールアミンセルロース(ECTE
OLAろ紙,pKaは6〜8)等の弱塩基性官能基を持
った陰イオン交換ろ紙などが好ましく用いられる。弱塩
基性官能基とは上記のpKaが6以上の官能基が該当す
る。特に限定しないが、上記の陰イオン交換ろ紙は、例
えば0.1 〜0.36meq/g 程度の交換容量を持っている。
【0022】吸水体には、1種類以上の酵素と必要なら
ば他のタンパク質とともに、例えば多価アルデヒド類等
により固定化した酵素固定化体を、少なくとも作用電極
表面を被覆するように装着して電気化学測定用電極を構
成する。本発明では、例えば酵素を固定化する吸水体
と、測定妨害物質を補足するための吸水体の機能を別の
層構成としてもよい。即ち電極系の上に測定妨害物質を
補足するための吸水体層を設け、更にその上に酵素を固
定化した吸水体を設けてもよい。
【0023】酵素は吸水体に単に含浸させて固定化して
もよいが、吸水体表面に別の官能基を導入し、この官能
基と酵素を結合させる共有結合法、またグルタルアルデ
ヒド等の多官能性アルデヒドを用いる方法等の架橋法、
例えばアガロースゲル等を用いる包括法等の方法があ
る。酵素の固定化に用いる架橋剤としてはグルタルアル
デヒド、スクシンジアルデヒド、グリオキサール等の多
価アルデヒド類、カルボジイミド試薬、イソシアナート
類、ジアゾニウム化合物等が例示できる。
【0024】本発明で使用される酵素は、グルコースオ
キシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、乳酸オキシダー
ゼ、ガラクトースオキシダーゼ等のオキシダーゼや乳酸
デヒドロゲナーゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ等の
脱水素酵素、或いはオキシゲナーゼ等が例示できる。酵
素とともに固定化できるタンパク質としてはコラーゲ
ン、エラスチン、フィブロイン等の構造タンパク質、お
よびその部分分解物であるゼラチン等のタンパク質、ア
ルブミン、グロブリン等の血清タンパク質、カゼイン、
オボアルブミン等のタンパク質、および各種の酵素分子
やその変性物等を例示できる。これにより酵素活性の安
定化等の効果が得られる。
【0025】電気化学測定用電極を組み込むセルの素材
はアクリル、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、ガラス等の
非導電性素材、またステンレス、金、白金等の導電性素
材或いはこれらを組み合わせたものを用いることができ
る。導電性素材を使用する場合は、電極系との電気的絶
縁処理を行っておく等の注意を要する。電極としては、
作用電極・対極より構成される2電極系、または作用電
極・参照電極・対極より構成される3電極系を例示する
ことができる。電極は例えば測定セル底面中に導電性物
質を埋め込んだり、内壁表面に金属を蒸着する方法、溶
液メッキ法、無電解メッキ法、印刷等の方法で形成する
ことができる。対極と参照電極は、溶液間抵抗の影響を
小さく抑えるために作用電極の近傍に設けることが望ま
しい。
【0026】本発明による電気化学測定用電極の構成
は、ごく一般的に用いられる白金等を基材とした過酸化
水素電極と組み合せて用いることができる。作用電極に
は、金、白金、銀などの金属電極あるいはグラッシーカ
ーボン、カーボンペーストなどの通常電気化学計測で用
いられる素材が利用できる。対極には作用極ですでに例
示した材質やステンレス等の導電性素材を用いることが
でき、ステンレスなどの導電性素材を用いて構成したセ
ルの接液部を対極とすることもできる。
【0027】参照電極には銀・塩化銀参照電極、飽和カ
ロメル参照電極など一般的なものを例示できる。本発明
で開示された電気化学測定用電極を適当な検出装置、検
出回路に接続することにより、過酸化水素測定装置を構
成し、前記の酵素や、微生物、抗原、抗体やそれらの固
定化素子と組み合せることにより、バイオセンサーを構
成するこができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明の内容をさら
に詳細に説明するが、もちろん本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0029】実施例1 市販ポテンシオスタット装置(HECS1100型:扶
桑製作所製)に接続した白金作用電極、銀・塩化銀参照
電極、対極の3電極系を用いて本発明の電気化学測定用
電極を構成し測定を行った。 (1)電気化学計測用測定セルの作成方法 図1にセルの構成図を示す。30mm×30mm、厚み
3mmのアクリル板のセル底面(1)に直径2mmの白
金線2本を作用電極(2)・対極(3)とした。同じく
直径2mmの銀線1本を端面がアクリル板面と同一にな
るように直線に配置し埋め込んでエポキシ樹脂でシール
した。銀線の端面は0.1M塩酸水溶液中、対飽和カロ
メル参照電極0.250Vの電位で30分電解し、塩化
銀を析出させ銀・塩化銀参照電極(4)とした。 (2)酵素固定化膜の作成方法 少なくとも1個の窒素をその原子団中に含み蒸留水中で
のpKa値が6以上の官能基で修飾された水が含浸また
は透過する吸水体水として、ジエチルアミノエチル基が
導入された市販化学分析用ろ紙(DEAEろ紙、アドバ
ンテック東洋社製)を用いた。ろ紙を20mm×20m
mに裁断し、0.2重量%のグルタルアルデヒドを含ん
だ0.5重量%のグルコースオキシダーゼ(TypeI
I:シグマ社製)と0.5重量%のウシ血清アルブミン
(FractionV:シグマ社製)の水溶液を100
μl展開し、風乾して固定化酵素膜を形成した。
【0030】(3)測定方法 測定用セルの電極面が覆われるように固定化酵素膜
(5)を装着し、その上から15mm×15mmの開口
部を持ったアクリル製の押え板(6)を装着しネジ止め
し電気化学測定用電極を構成した。対銀・塩化銀参照電
極0.6Vの電位を白金作用電極に印加しておき、50
mM塩化カリウムを含む100mMリン酸緩衝液に溶解
した0.5mMグルコース溶液中に浸漬し得られる電解
電流値を、浸漬直後から180秒間レコーダーにて記録
した。同様にして、50mM塩化カリウムを含む100
mMリン酸緩衝液に溶解した0.5mM過酸化水素溶液
中に浸漬し得られる電解電流値を、浸漬直後から180
秒間レコーダーにて記録した。同様にして、50mM塩
化カリウムを含む100mMリン酸緩衝液に溶解した
0.5mMアスコルビン酸水溶液中に浸漬し得られる電
解電流値を、浸漬直後から180秒間レコーダーにて記
録した。同様にして、50mM塩化カリウムを含む10
0mMリン酸緩衝液に溶解した0.5mM尿酸水溶液中
に浸漬し得られる電解電流値を、浸漬直後から180秒
間レコーダーにて記録した。
【0031】(4)結果 得られた電解電流値の変化の様子を電流値増加速度にな
おすと図2のようになった。図2で1は、過酸化水素溶
液の電解電流値増加速度曲線を、2はグルコース溶液の
電解電流値増加速度曲線を、3はアスコルビン酸溶液の
電解電流値増加速度曲線を、4は尿酸溶液の電解電流値
増加速度曲線を示す。グルコースに対する電解電流は浸
漬後15秒後より観測でき、80秒後に0.578nA
/秒の最高速度に達した。過酸化水素に対する電解電流
は浸漬後10秒後より観測でき、50秒後に2.14n
A/秒の最高速度に達した。アスコルビン酸と尿酸に関
しては、浸漬直後から180秒後までのあいだでは、電
流値の増加は認められなかった。
【0032】したがって最高速度で比較した出力値の選
択比は、グルコース100%に対して、過酸化水素37
0%、アスコルビン酸0%、尿酸0%であった。
【0033】比較例1 (1)電気化学計測用測定セルの作成方法 実施例1と同様のセルを作成して用いた。 (2)測定方法 実施例1と同様の測定を行った。ただしグルコースオキ
シダーゼの固定化酵素膜は、ろ紙を全く用いず、直接、
白金作用電極、銀・塩化銀参照電極、対極を被うように
実施例1と同様の酵素溶液を100μl展開し、風乾し
て製膜し電気化学測定用電極を構成して測定を行った。
【0034】(3)結果 得られた電解電流値の変化の様子を電流値増加速度にな
おすと図3のようになった。図3で1は、過酸化水素溶
液の電解電流値増加速度曲線を、2はグルコース溶液の
電解電流値増加速度曲線を、3はアスコルビン酸溶液の
電解電流値増加速度曲線を、4は尿酸溶液の電解電流値
増加速度曲線を示す。グルコースに対する電解電流は浸
漬後5秒後より観測でき、30秒後に1.56nA/秒
の最高速度に達した。過酸化水素に対する電解電流は浸
漬後2秒後より観測でき、15秒後に5.67nA/秒
の最高速度に達した。アスコルビン酸に対する電解電流
は浸漬後7秒後より観測でき、40秒後に3.79nA
/秒の最高速度に達した。尿酸に対する電解電流は浸漬
後15秒後より観測でき、60秒後に3.54nA/秒
の最高速度に達した。
【0035】したがって最高速度で比較した出力値の選
択比は、グルコース100%に対して、過酸化水素36
3%、アスコルビン酸243%、尿酸227%であっ
た。比較例1に比べて、実施例1が出力値の選択比よく
グルコースを測定できることは明らかである。
【0036】
【発明の効果】本発明により、簡便で測定妨害物質の影
響を抑えた測定が可能な、固定化酵素体を用いた電気化
学測定用電極を構成することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1において用いた電気化学測定用
セルの構成図の1例である。
【図2】図2は実施例1において得られたグルコース、
過酸化水素溶液、アスコルビン酸、尿酸溶液の電解電流
値増加速度曲線である。縦軸は電解電流値の増加速度
(nA/秒)、横軸は電極を浸漬してからの経過時間
(秒)を示している。
【図3】図3は比較例1において得られたグルコース、
過酸化水素溶液、アスコルビン酸、尿酸溶液の電解電流
値増加速度曲線である。縦軸は電解電流値の増加速度
(nA/秒)、横軸は電極を浸漬してからの経過時間
(秒)を示している。
【符号の説明】
1 セル底面 2 作用電極 3 対極 4 銀・塩化銀参照電極 5 固定化酵素膜 6 押え板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも作用電極と対極を有する電極
    系と、酵素を固定化した吸水体とを有する電気化学測定
    用電極であり、前記吸水体が塩基性官能基を有する陰イ
    オン交換体である電気化学測定用電極。
  2. 【請求項2】 陰イオン交換体がジエチルアミノエチル
    セルロース、エピクロルヒドリントリエタノールアミン
    セルロース、トリエチルアンモニウムエチルセルロース
    より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1記載の電気
    化学測定用電極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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