JPH05149910A - 電気化学測定用セル - Google Patents

電気化学測定用セル

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JPH05149910A
JPH05149910A JP3315762A JP31576291A JPH05149910A JP H05149910 A JPH05149910 A JP H05149910A JP 3315762 A JP3315762 A JP 3315762A JP 31576291 A JP31576291 A JP 31576291A JP H05149910 A JPH05149910 A JP H05149910A
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JP
Japan
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water
cell
electrode
measurement
enzyme
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JP3315762A
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English (en)
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Akio Karigome
昭夫 刈米
Ryuzo Hayashi
隆造 林
Yoshio Hashizume
義雄 橋爪
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Kanzaki Paper Manufacturing Co Ltd
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Kanzaki Paper Manufacturing Co Ltd
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  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 精度の高い測定が行える電気化学測定セルを
提供する。 【構成】 作用電極・対極の2電極、または作用電極2
・参照電極4・対極3の3電極を用いて構成された電気
化学検出用測定セルであり、少なくとも1種類の酵素を
吸着または固定化した吸水体層9と、それより吸水速度
が大きい吸水体層10を有し、この吸水速度が大きい吸
水体層10が開口部7より試料液を吸収できる構成であ
る電気化学測定用セル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、簡便な構造で高精度の
測定が行える電気化学測定セルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に試薬等を乾燥した吸水体に吸着ま
たは固定化しておき、該吸水体を試料溶液と接触せしめ
て反応させる方法は、従来よりpH試験紙等に用いられ
ている簡便な測定方法の代表的なものである。しかし、
ただ単に紙等の吸水体と発色試薬のみで構成されたもの
を用いて、その色調の変化を標準色調表と比較する方法
では充分な測定精度が得られなかった。この測定法では
試薬の色調の変化すなわち吸収スペクトルのパターンの
変化、あるいは試薬の発色の強度すなわち吸光色素の濃
度をよりどころとして目視判断で標準色調表と比較する
ため、正確な定量値が得られなかった。従って正確な定
量値を求めるためには、分光光度計を用いて反射率等を
測定する必要があり簡便な測定装置を構成するには至ら
なかった。
【0003】近年これらの問題点を電気化学測定と組み
合せることにより解決しようとする試みがなされてい
る。すなわち酵素等の試薬を乾燥した吸水体に吸着また
は固定化等の方法で担持しておき、試料溶液と試薬との
反応を電気化学的に検知し精度の良好な測定を行う方法
である。この方法を用いれば、例えば酸化還元酵素を用
いた反応のように、被測定物質と試薬との反応を生成ま
たは消費する電気化学的に検出可能な物質量の変化とし
て直接的に簡単・迅速に検知し定量することが可能とな
る。
【0004】一方電気化学検出は、 (1)一般には測定困難な化学量を、測定が容易な電気
量に直接変換して測定するために簡単に行える。 (2)ファラデーの法則に従って進行する電気化学反応
を観察するために、電流値や電気量から微量な物質変化
を捉えることができ高感度の測定が行える。 (3)反応の過程を即時に知ることができ、迅速な検出
・定量が可能である。 などの利点があり、ポテンショメトリー、アンペロメト
リー、ポーラログラフィ、クーロメトリー、インピーダ
ンス測定、サイクリックボルタンメトリー等の方法で各
種物質の測定に応用されており、酵素・微生物・抗原・
抗体やそれらの固定化素子と組み合わせてバイオセンサ
ーを構築する等その応用範囲も広がっている。
【0005】近年、これらの状況をふまえ従来の測定装
置に用いられてきたバッチ式測定装置、連続流れ式測定
装置の範疇に入らない形式の測定装置がいくつか提唱さ
れている。例えば、特開昭60−173457号、特開
昭59−166852号には絶縁体基板上に電極系を設
け、さらにその上に酵素等の必要な試薬を保持した層を
設けたバイオセンサーが開示されている。このような構
成にすれば簡単な装置構成での測定が可能となる。
【0006】しかし、このような提案では、例えばバイ
オセンサに被測定試料を直接滴下して測定する方法が一
般的であり、測定電極系の上部に被測定試料液を供給す
るための開口部が設けられており、電極上の層素材の固
定強度が不十分なため湿潤することにより層素材が伸縮
を起こし、作用電極表面との密着度が一様でなくなる恐
れがある。このような現象は被測定試料と作用電極表面
との界面に乱れを生じ正確な測定の妨げとなる問題があ
った。
【0007】一般に電気化学測定では、試料と作用電極
表面との界面状態の再現性が測定の精度を大きく左右す
る因子となる。従って試料溶液と作用電極表面の界面が
測定中に安定であり、かつ再現性良く形成されなければ
ならない。特開昭60−24444号には試料溶液の作
用電極を含んだ電極系への接触を一様化するために、電
極上に多孔体を設け試料溶液を保持させる方法が開示さ
れている。しかし一度使用したバイオセンサは多孔体が
試料で湿潤してしまうので連続して測定に用いることは
出来ず、被測定試料溶液の浸透を精度良く再現させるた
めには測定毎に多孔体を洗浄・乾燥させる必要がある。
従って、実質的には使い捨て方式のセンサしか構成でき
ず、測定毎にセルの交換が必要となり不経済である。
【0008】また特開昭63−144248号はレーヨ
ンなどの親水性素材を用いることによりセル内部の空気
と試料溶液の置換をスムーズに行い測定再現性を向上さ
せることを目的としている。しかし、親水性素材に酵素
や試薬を保持させるとその物理的性質が変化し、著しい
場合には吸水速度が極端に遅くなる。このため試料溶液
の浸透する距離を短くする必要上電極系上の開口部より
被測定試料溶液を滴下するか、あるいは被測定試料溶液
中に浸漬する等の方法しか適用できなかった。このよう
なバイオセンサの形状と測定方法に対する制限は、例え
ば測定精度を向上させる目的で外来の空間ノイズの影響
をなくすために電磁シールド等で被覆したり、試料溶液
と作用電極表面の界面の安定性を得るため試料溶液の微
振動を防ぐように開口部を電極位置から距離をおいて設
置するような場合に問題となる。通常、滴下測定用バイ
オセンサの電極系上部に設けられている試料注入口であ
る開口部を、電極部から離れた場所に設けると試料溶液
をバイオセンサの電極部まで導く必要があり、試料注入
口から電極部まで試料溶液が到達するのに時間を要する
ことになる。また、吸水体の吸水速度が遅ければ、試料
溶液によって湿潤し一様な状態になるまでに時間を要し
たり、湿潤の再現性がばらついたりするので迅速に再現
性の良い測定を行うことは困難であった。
【0009】つまり、従来開示されたバイオセンサは測
定精度の点で問題があった。これらの技術においては電
極系に迅速・確実に試料を導き接触させるために、セル
の電極設置部分の上部に試料注入口を設けざるを得ず、
電磁シールドを設けることが困難であった。また、試料
溶液と作用電極表面との界面状態を安定な状態に保つこ
とが出来ず、測定精度に劣っていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一般に試薬等を保持あ
るいは固定化した吸水体を用いて測定を行うには被測定
試料溶液と接触せしめて反応させなければならない。従
来より広く行われている方法は吸水体を被測定試料溶液
に浸漬する方法である。しかしこの方法では再現性良く
吸水体を湿潤させることが困難であり測定精度が悪く、
大まかな測定値しか得られない。また電気化学検出法と
組み合せた場合には被測定試料溶液の微小な振動が作用
電極表面との固液界面の乱れを引き起こし好ましい方法
ではなかった。また測定セルに外来の空間ノイズの影響
をなくすために電磁シールド等で被覆するような場合、
測定セルの試料注入口と検出電極部分は近接して設ける
ことができず距離が開くために、被測定試料溶液の測定
セル内での移動距離が大きくなってしまい迅速な測定の
妨げとなっていた。
【0011】本発明は、上記の問題を解決し、高い精度
が得られる電気化学測定セルを提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、作用電極・対
極の2電極系または作用電極・参照電極・対極の3電極
系、及び開口部を有する電気化学測定用セルであり、前
記セルが内部に少なくとも1種類の酵素を吸着または固
定化した吸水体層と、該吸水体層より吸水速度が大きい
吸水体層の少なくとも2層を有し、前記吸水速度が大き
い吸水体層が開口部より試料液を吸収できる構成である
電気化学測定用セルである。
【0013】また本発明は、電気化学測定用セルが作用
電極を有する底面と、前記底面と略平行に対向する対向
面を有し、底面側に酵素を吸着または固定化した吸水体
層を、また対向面側に吸水速度が大きい吸水体層を有す
る上記の電気化学測定用セルを開示する。
【0014】
【作用】図1は、本発明の測定用セルを例示したもので
あり、この例では、試料導入用の開口部(7)と空気逃
がし口(8)の2箇所の開口部を有しているが、試料導
入用開口部を1箇所のみ有する測定用セルでもよい。こ
の例では、セル底面(1)に各電極が形成されている
が、セル上面(対向面)に形成されていてもよい。ただ
し、本発明の測定用セルでは、測定用電極系上の酵素を
有する吸水体に直接またはその上の濾過層に試料溶液を
直接滴下する方式の欠点を解決するものであり、電極の
直接上部の対向面に試料導入用開口部を形成しない。
【0015】そして、測定用電極系上に少なくとも酵素
含有吸水体層及び吸水速度の大きい吸水体層を有してい
て、これらが、測定用セルの上面(対向面)と接してお
り、少なくとも作用電極(2)上に空隙が存在しない。
そして、試料溶液は、吸水速度の大きい吸水体層(1
0)から、酵素含有吸水体層(9)、電極系へと浸透す
るため、迅速で、かつ安定した測定が可能となる。
【0016】酵素含有吸水体層と電極系は、必ずしも接
触する必要はないが、電極系で酵素反応を検出するた
め、両者が近くにある方が感度や測定速度の点で好まし
い。従って、通常は電極系に直接接するか或いは薄い層
を介して酵素含有吸水体層があり、さらに吸水体層が積
層される。酵素等の試薬を吸着または固定化するための
吸水体層には紙等のセルロース系の吸水体、ニトロセル
ロース、アセチルセルロース等のセルロース誘導体系吸
水体、コラーゲン系吸水体などが例示される。また試料
注入用開口部より測定セル内にまんべんなく被測定試料
溶液を導くための吸水体層としては同様に紙等のセルロ
ース系吸水体、ニトロセルロース、アセチルセルロース
等のセルロース誘導体系吸水体、コラーゲン系吸水体等
が例示される。ただし、酵素等の試薬を保持または固定
化した吸水体層よりも吸水速度が大きい。
【0017】吸水速度の測定法は、略10cm幅の適当
な大きさの方形に切断した試験片の片端を20℃の蒸留
水中に浸し、10分後に水面より蒸留水が何cm吸収さ
れ、上昇するかで表わす(これを吸水高度という)。酵
素を吸収体に吸着させるには、酵素を水または適当な緩
衝液に溶解し、この溶液中に吸水体を浸漬する等の方法
がある。
【0018】酵素を固定化するには、吸水体表面に官能
基を導入し、この官能基と酵素を結合させる共有結合
法、またグルタルアルデヒド等の多官能性アルデヒドを
用いる方法等の架橋法、例えばアガロースゲル等を用い
る包括法等の方法がある。本発明で使用される酵素は、
グルコースオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、乳
酸オキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ等のオキシ
ダーゼや乳酸デヒドロゲナーゼ、グルタミン酸デヒドロ
ゲナーゼ等の脱水素酵素、或いはオキシゲナーゼ等が例
示できる。
【0019】セルの素材はアクリル、フッ素樹脂、塩化
ビニル樹脂、ガラス等の非導電性素材、またステンレ
ス、金、白金等の導電性素材あるいはこれらを組み合わ
せたものを用いることができる。導電性素材を使用する
場合は、電極系との電気的絶縁処理を行っておく等の注
意を要する。また例えばセル上面を取り外せるように構
成すると、洗浄する場合や内部の吸収体、酵素含有吸水
体の交換を行う際に便利である。
【0020】電極としては、作用電極・対極より構成さ
れる2電極系、または作用電極・参照電極・対極より構
成されえる3電極系を例示することができる。電極は、
例えば測定セル底面中に導電性物質を埋め込んだり、内
壁表面に金属を蒸着する方法、溶液メッキ法、無電解メ
ッキ法、印刷等の方法で形成することができる。各電極
はそれぞれ上面や他の壁面に設けることもできる。対極
と参照電極は、溶液間抵抗の影響を小さく抑えるために
作用電極の近傍に設けることが望ましい。
【0021】作用電極には、金、白金、銀などの金属電
極あるいはグラッシーカーボン、カーボンペーストなど
の通常電気化学計測で用いられる素材が利用できる。対
極には作用極ですでに例示した材質やステンレス等の導
電性素材を用いることができ、ステンレスなどの導電性
素材を用いて構成したセルの接液部を対極とするこもで
きる。
【0022】参照電極には、銀・塩化銀参照電極、飽和
カロメル参照電極など一般的なものを例示することがで
きる。電気化学的検出は、例えば酸素電極、過酸化水素
電極でそれぞれ酸素の減少や過酸化水素の増加をアンペ
ロメトリックに測定したり、或いは電極活性物質をクー
ロメトリックに検出することもできる。
【0023】本発明では、セルの形状自体は、特に限定
しないが、試料導入用の開口部(7)から測定用電極系
までは、酵素含有吸水体層(9)、吸水速度の大きい吸
水体層(10)等でセル内が満たされた構成が安定性、
測定速度の点で好ましい。本発明では被測定試料溶液を
試料注入口より測定セルの作用電極部分まで導くため
に、少なくとも1種類の酵素を保持または固定化した吸
水体層と、該吸水体層より吸水速度の大きい吸水体層よ
り構成される少なくとも2層の多層体をセル内部の空間
の一部または全部に設置する。
【0024】一般に電気化学測定では再現性の良好な測
定を迅速に行うためには電極部に再現性良く迅速に被測
定試料溶液を供給しなければならない。しかし、酵素等
の試薬を吸着または固定化した吸水体は未処理の吸水体
と比較して空隙率あるいは濡れ性などが変化してしま
い、被測定試料溶液の浸透吸収速度が遅い。本発明では
被測定試料溶液の浸透に適した吸水体層を酵素等の試薬
を吸着または固定化し担持した吸水体層と略並行に設
け、被測定試料溶液の浸透を速やかにする効果を得てい
る。試料注入口より浸透に適した吸水体層により測定セ
ル内にまんべんなく導かれた被測定試料溶液は次に酵素
等の試薬を吸着または固定化した吸水体層の厚み方向へ
浸透する。
【0025】また本発明の測定用セルでは、作用電極の
直ぐ上に試料注入用の開口部が形成される構成ではない
ので、外来の空間ノイズの影響をなくすために電磁シー
ルド等で電極のある測定部分を被覆して更に測定精度を
改良することもできる。 本発明で開示された測定用セ
ルを適当な検出装置、検出回路に接続し試料導入のため
の機構を持った装置に組み込むことにより、簡便な電気
化学計測装置を構成することができる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明の内容をさら
に詳細に説明するが、もちろん本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0027】実施例1 市販ポテンシオスタット装置(HECS1100型:扶
桑製作所製)に本発明の電気化学計測用測定セルを接続
し測定を行った。 (1)電気化学計測用測定セルの作成方法 図1にセルの構成図を示す。30mm×30mm、厚み
3mmのアクリル板をセル底面(1)として、これに直
径2mmの白金線2本をそれぞれ作用電極(2)、対極
(3)とし、同じく直径2mmの銀線1本を端面がアク
リル板面と同一になるように略直線上に配置し埋め込ん
でエポキシ樹脂でシールした。銀線の端面は0.1M塩
酸水溶液中、対飽和カロメル参照電極+0.250Vの
電位で30分電解し、塩化銀を析出させ銀・塩化銀参照
電極(4)を得た。(2)、(3)、(4)の各電極と
並行になるように幅10mm、長さ30mm、厚み0.
5mmのフッ素樹脂シート(5)をスペーサーとして設
置し、その上に30mm×30mm、厚み3mmのステ
ンレス製の板をセル上面(対向面)(6)として取り付
けた。セルの側面にできた開口部の1つを試料導入開口
部(7)、他方をセル内の空気の逃し口(8)として用
いた。 (2)酵素担持吸水体の作成方法 吸水体として市販化学分析用ろ紙を、酵素はグルコース
オキシダーゼ(TypeII、シグマ社製)を用いた。
グルコースオキシダーゼ30mgを100mMリン酸緩
衝液(pH7.0)1mlに溶解し、酵素溶液とした。
用いた化学分析用ろ紙は垂直に保持した長方形のろ紙片
の片端を20℃の蒸留水に浸漬し10分間で上昇する距
離を測定した場合、約6cm上昇する吸水速度である。
このろ紙を幅10mm、長さ35mm、厚さ0.25m
mに切断し、上記酵素溶液40μlを展開し、室温にて
乾燥させ酵素含有吸水体層(9)とした。この酵素含有
吸水体の吸水速度は、10分間で約1.5cm上昇する
吸水速度であり、酵素蛋白を保持させたことによって吸
水速度が低下していた。 (3)測定方法 測定用セルを電極面が垂直になるように保持し、セル内
部の3電極系と接する面に酵素含有吸水体(9)を、そ
の外側に幅10mm、長さ35mm、厚さ0.25mm
の未処理のろ紙片を吸水体層(10)として設置した。
セル内部は、酵素含有吸水体(9)と吸水体(10)の
厚みで満たされている。
【0028】作用電極(2)を対銀・塩化銀参照電極+
0.6Vの電位に保持しておき、50mM塩化カリウム
を含む100mMリン酸緩衝液に溶解した10mMグル
コースを満たした容器中に測定用セル端より露出した吸
水体層を浸漬した。被測定試料溶液が吸水体層へ浸透し
セル内部を上昇してくるにしたがって得られる電解電流
値の時間変化の様子をレコーダーにて記録した。 (4)結果 得られたチャートより測定用セル端より露出した吸水体
層に供給開始後、40秒後から、グルコースオキシダー
ゼによりグルコースより生成した過酸化水素を電解電流
として測定することができた。電解電流は40秒以後増
大し、2分後に最大値に達した後減少した(図2参
照)。
【0029】また、試料として10mMのグルコース溶
液を用いて、測定セルに試料を供給開始後3分の電解電
流を測定した。5回の測定値の平均変動率(CV%)は
2.5%であった。
【0030】比較例1 (1)電気化学計測用測定セルの作成方法 実施例1と同様のセルを作成して用いた。 (2)酵素担持吸水体の作成方法 実施例1と同様の方法で作成した。ただし、酵素担持吸
水体に用いたろ紙は幅10mm、長さ35mm、厚さ
0.50mmのろ紙片であり、厚さが実施例1の倍であ
り、その上の酵素を含有しない濾紙の吸水体層(10)
は使用しなかった。この酵素含有吸水体の吸水速度は、
10分間で約1.0cmの吸水速度であり、酵素を保持
させたことによって吸水速度が低下していた。 (3)測定方法 実施例1と同様の測定を行った。 (4)結果 測定用セル端より露出した吸水体に供給開始後、2分後
からグルコースオキシダーゼによりグルコースより生成
した過酸化水素を電解電流として測定することができ
た。電解電流は2分以後増大し、8分後に最大値に達し
た後減少した(図3参照)。試料として10mMのグル
コース溶液を使用し、測定セルに供給開始後9分の電解
電流値を測定した。5回行った測定値の平均変動率(C
V%)は4.8%であった。
【0031】比較例1に比べて、実施例1では測定セル
内に被測定試料溶液が速やかに導入されたことは明かで
ある。
【0032】比較例2 実施例1において、セル上面(6)を取り外し、上から
試料液を滴下した以外は、同様に測定セルを行った。5
回行った測定における測定値の平均変動率(CV%)は
15%であり、測定値にバラツキが認められた。
【0033】
【発明の効果】本発明により電極上部以外の場所に設け
られた試料注入口より迅速に電極部まで試料を導入する
ことが可能となり、測定セルを電磁シールド、固液界面
の振動防止などに最適の形状とすることが可能となり、
簡便で精度の良い電気化学計測装置を構成することが可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1において用いた電気化学測定用
セルの構成図の1例である。
【図2】図2は実施例1(本発明)の結果を示したもの
である。横軸は被測定試料溶液であるグルコース溶液を
試料注入口に供給してから経過した時間(分)、縦軸は
電流値(μA)である。
【図3】図3は比較例1の結果を示したものである。横
軸は被測定試料溶液であるグルコース溶液を試料注入口
に供給してから経過した時間(分)、縦軸は電流値(μ
A)である。
【符号の説明】
1 セル底面 2 作用電極 3 対極 4 銀・塩化銀参照電極 5 フッ素樹脂シート 6 セル上面(対向面) 7 試料導入開口部 8 空気逃し口 9 酵素含有吸水体層 10 吸水体層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作用電極・対極の2電極系または作用電極
    ・参照電極・対極の3電極系、及び開口部を有する電気
    化学測定用セルであり、前記セルが内部に少なくとも1
    種類の酵素を吸着または固定化した吸水体層と、該吸水
    体層より吸水速度が大きい吸水体層の少なくとも2層を
    有し、前記吸水速度が大きい吸水体層が開口部より試料
    液を吸収できる構成である電気化学測定用セル。
  2. 【請求項2】電気化学測定用セルが作用電極を有する底
    面と、前記底面と略平行に対向する対向面を有し、底面
    側に酵素を吸着または固定化した吸水体層を、また対向
    面側に吸水速度が大きい吸水体層を有する請求項1記載
    の電気化学測定用セル。
JP3315762A 1991-11-29 1991-11-29 電気化学測定用セル Pending JPH05149910A (ja)

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