JPH06184506A - 硬化性粘着剤組成物およびこれを用いたシート - Google Patents

硬化性粘着剤組成物およびこれを用いたシート

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JPH06184506A
JPH06184506A JP33925092A JP33925092A JPH06184506A JP H06184506 A JPH06184506 A JP H06184506A JP 33925092 A JP33925092 A JP 33925092A JP 33925092 A JP33925092 A JP 33925092A JP H06184506 A JPH06184506 A JP H06184506A
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JP33925092A
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Tsukasa Otsuki
司 大槻
Masato Yanagi
正人 柳
Hideyuki Takahashi
秀幸 高橋
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は,接合時には粘着性を示して被着体
に仮接着でき,次いで加熱や酸素を遮断して硬化し強固
な接着力を示す,いわゆる粘接着剤として好適な硬化性
粘着剤組成物およびこれを用いた硬化性粘着シートの提
供を目的とする。 【構成】 粘着性ゴム系樹脂(A)100重量部に対し,環状
酸無水物(a) とエチレン性不飽和二重結合を有するエポ
キシド(b) とを反応させて得られる不飽和ポリエステル
オリゴマー(B)5〜200 重量部,重合開始剤(C)0.1〜10重
量部およびN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンア
ルミニウム塩 0.005〜3 重量部を配合してなることを特
徴とする硬化性粘着剤組成物。 【効果】 本発明により,硬化前の粘着特性と硬化後の
接着力に優れ,保存性も確保した硬化性粘着剤組成物お
よび硬化性粘着シートが得られるようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,接合時には粘着性を示
して被着体に仮接着でき,次に,加熱や酸素を遮断して
硬化し強固な接着力を示す,いわゆる粘接着剤として好
適な硬化性粘着剤組成物と,それを基材に塗布または含
浸させてなる硬化性粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】硬化性粘着剤組成物としては,粘着性ゴ
ム系ポリマーに,反応性オリゴマーまたはモノマーを添
加したもの(特開昭 59-199784号公報,特開昭 59-1997
85号公報,特開昭 60-6773号公報,特開昭60-11568号公
報,特開昭60-13868号公報など参照)が知られている。
しかしながら,これらの粘着剤組成物中で重合開始剤
(C) の添加量を多くすると,硬化性粘着剤シートとして
保存中に硬化が進行し,保存安定性に欠けたものしか得
られない。一方,重合開始剤(C) の添加量を減らすと,
硬化性が低くなり,十分な接着力が得られないという結
果になる。一方,ラジカル重合のための禁止剤には多く
の種類があり,それらの大部分は,硬化性を良くしよう
とすれば保存安定性が悪く,保存安定性を良くしようと
すれば硬化性が悪いというように,二律背反の関係にあ
り,良好な重合禁止剤を見いだすことは難しかった。こ
のように,保存安定性と硬化性の両方に優れた硬化性粘
着剤組成物は開発されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは,粘着性
ゴム系樹脂,不飽和ポリエステルオリゴマーおよび重合
開始剤に,重合禁止剤の中でも特にN−ニトロソフェニ
ルヒドロキシルアミンアルミニウム塩を配合してなる硬
化性粘着剤組成物が,保存安定性と硬化性の両立という
課題を解決することを見出し,本発明に至った。なお,
保存安定性とは,使用するまでシートとして保存し,所
定の硬化条件で硬化させたとき,目標とする接着強度が
得られることである。また,硬化性とは,実用的な硬化
条件で硬化し得る性能である。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち,本発明は,粘
着性ゴム系樹脂(A)100重量部に対し,環状酸無水物(a)
とエチレン性不飽和二重結合を有するエポキシド(b) と
を反応させて得られる不飽和ポリエステルオリゴマー
(B)5〜200 重量部,重合開始剤(C)0.1〜10重量部および
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム
塩 0.005〜3 重量部を配合してなる硬化性粘着剤組成物
を提供する。
【0005】本発明の硬化性粘着剤組成物では,粘着性
ゴム系樹脂(A) と不飽和ポリエステルオリゴマー(B) と
の組み合わせにより良好な硬化前の粘着特性と硬化後の
接着特性を発現させ,従来,問題であったシートに加工
後の保存安定性は,重合禁止剤としてN−ニトロソフェ
ニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩を添加すること
により,硬化性を損なうことなしに,解決することがで
きる。N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミ
ニウム塩は,重合禁止剤の中でも,硬化性と保存安定性
の両方を満足する数少ないものの一つである。N−ニト
ロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩は,粘
着性ゴム系樹脂(A)100重量部および不飽和ポリエステル
オリゴマー(B)5〜200 重量部に対して,通常,0.005〜3
重量部,好ましくは0.01〜1 重量部の割合で用いられ
る。
【0006】本発明の粘着性ゴム系樹脂(A) は,粘着性
アクリルポリマー,天然および合成のシス−1,4-ポリイ
ソプレンゴム,再生ゴム,ポリイソブチレン,ブチルゴ
ム,ハロゲン化ブチルゴム,部分加硫ブチルゴム,スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SB
S),スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリ
マー(SIS),スチレン−エチレン−ブチレン−スチ
レンブロックコポリマー(SEBS),シリコンゴム,
クロロプレンゴム,ニトリルゴム,ブタジエンゴムなど
の,粘着剤用ゴム系樹脂として用いられているものであ
り,いわゆるエラストマーと称されているポリマーであ
る。とりわけ,粘着性アクリルポリマー,SBS,SI
S,SEBSのようなブロックコポリマーは,本発明の
粘着性ゴム系樹脂(A) には好適である。また,ポリマー
単独では粘着性に劣っていても,ポリエステルオリゴマ
ー(B) やその他の樹脂を加えることにより良好な粘着特
性を示すようなポリマーは,本発明の樹脂(A) として用
いることができる。
【0007】環状酸無水物(a) とエチレン性不飽和二重
結合を有するエポキシド(b) とを反応させて得られる不
飽和ポリエステルオリゴマー(B) は,粘着性ゴム系樹脂
(A)とブレンドすると硬化前の粘着特性と硬化性に優
れ,硬化性粘着剤組成物として好適である。環状酸無水
物(a) としては,多価カルボン酸の分子内無水物であ
り,飽和または不飽和の脂肪族多価カルボン酸無水物,
脂環式多価カルボン酸無水物,芳香族多価カルボン酸無
水物など,あるいはこれらの一部が飽和または不飽和の
炭化水素基,芳香環基,ハロゲン原子,複素環基などで
置換されたものが挙げられる。また,エチレン性不飽和
二重結合を有するエポキシド(b) としては,グリシジル
(メタ)アクリレート,グリシジルシンナメート,アリ
ルグリシジルエーテル,ビニルシクロヘキセンモノエポ
キサイド,1,3-ブタジエンモノエポキサイドなどが挙げ
られ,これらは飽和もしくは不飽和の炭化水素基,芳香
環基,ハロゲン原子,複素環基などで置換されていても
よい。
【0008】重合開始剤(C) としては,ジ-tert-ブチル
パーオキサイド,tert-ブチルクミルパーオキサイド,ジ
クミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド
類,アセチルパーオキサイド,ラウロイルパーオキサイ
ド,ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキ
サイド類,メチルエチルケトンパーオキサイド,シクロ
ヘキサノンパーオキサイド,3,3,5-トリメチルシクロヘ
キサノンパーオキサイド,メチルシクロヘキサノンパー
オキサイドなどのケトンパーオキサイド類,1,1-ビス(t
ert-ブチルパーオキシ) シクロヘキサンなどのパーオキ
シケタール類,tert-ブチルヒドロパーオキサイド,ク
メンヒドロパーオキサイド,1,1,3,3-テトラメチルブチ
ルヒドロパーオキサイド,p−メンタンヒドロパーオキ
サイド,ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイ
ド,2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロパーオキサイ
ドなどのヒドロパーオキサイド類,tert-ブチルパーオキ
シアセテート,tert-ブチルパーオキシ-2−エチルヘキサ
ノエート,tert-ブチルパーオキシベンゾエートなどのパ
ーオキシエステル類などの有機過酸化物を用いることが
できる。
【0009】その中でも,20℃〜30℃の室温で保存し,
100℃〜 150℃で熱硬化させる硬化性粘着剤組成物で
は,重合開始剤(C) として,ベンゾイルパーオキサイ
ド,t−ブチルパーオキシベンゾエートを用いるのが好
ましい。嫌気硬化させる硬化性粘着剤組成物では,重合
開始剤(C) として,ベンゾイルパーオキサイド,クメン
ヒドロパーオキサイドを用いるが,通常,重合開始剤1
重量部に対し,三級アミン,金属石鹸などの重合促進剤
0.1〜1重量部を併用する。重合開始剤(C) は,粘着性
ゴム系樹脂(A)100重量部および不飽和ポリエステルオリ
ゴマー(B)5〜200 重量部に対して,通常 0.1〜10重量
部,好ましくは 0.5〜5 重量部の割合で用いられる。
【0010】硬化前の粘着特性を改善し,特に凝集力を
高めるために,さらにポリイソシアネート(D) を添加し
て,粘着性ゴム系樹脂(A) を部分架橋させてもよい。ポ
リイソシアネートとしては,トリレンジイソシアネー
ト, 4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート,ヘキサ
メチレンジイソシアネート,m−キシレンジイソシアネ
ート,p−キシレンジイソシアネート,1,5-ナフタレン
ジイソシアネート,イソホロンジイソシアネート,リジ
ンジイソシアネート,水添 4,4'-ジフェニルメタンジイ
ソシアネート,水添トリレンジイソシアネートなどのジ
イソシアネート類,あるいはこれらとグリコール類また
はジアミン類との両末端イソシアネートアダクト体,あ
るいはこれらの混合物が挙げられ,必要に応じてトリフ
ェニルメタントリイソシアネート,ポリメチレンポリフ
ェニルイソシアネートなどの3官能以上のポリイソシア
ネート類もジイソシアネート類と混合して用いることが
できる。ポリイソシアネート(D) は,粘着性ゴム系樹脂
(A)100重量部および不飽和ポリエステルオリゴマー(B)5
〜200 重量部に対して,通常,0.05〜5 重量部,好まし
くは 0.1〜3 重量部の割合で用いられる。
【0011】本発明の硬化性粘着剤組成物には,その性
能を阻害しない範囲で,必要に応じて顔料,染料,無機
充填剤,有機溶剤,銀粉,銅粉,ニッケル粉などの金属
粉,カーボンブラック,グラファイト,キシレン樹脂や
ロジン系樹脂などの粘着付与剤,シランカップリング剤
などを加えることができる。硬化性粘着剤層の厚さは,
用途に応じて膜厚をかえても差し支えない。
【0012】本発明の硬化性粘着シートは,粘着性ゴム
系樹脂(A) ,不飽和ポリエステルオリゴマー(B) および
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム
塩の混合溶液に,塗工直前に,重合開始剤(C) およびポ
リイソシアネート(D) を加えて撹拌してなる粘着剤組成
物を,シリコーン処理を施した紙や布,ポリエチレンテ
レフタレートフィルムラミネート紙などの低接着性の樹
脂により加工を施した紙や布,金属箔,プラスチックフ
ィルムなどの剥離性の高いフィルム,シートあるいはテ
ープなどの上に塗工し,必要があれば乾燥により有機溶
剤を除去して製造する。
【0013】硬化性粘着シートは,必要があれば裁断
し,両面または片面の粘着シートあるいはテープの形に
される。また,補強や衝撃緩和のために,レーヨン,ナ
イロンなどの不織布や寒冷紗などの布類,ウレタン,ア
クリルなどのフォーム類などでライニングしたり,これ
らの布類,フォーム類などを芯材としてこれに本発明の
粘着剤組成物を塗布または含浸させて用いることもでき
る。ここで用いられるテープまたはシートの基材,芯材
などが粘着剤組成物とともに使用後も接着部に残る場合
には,これらが,加熱などの硬化のための処理で著しく
変質したり,硬化を著しく妨げることが無いものである
必要がある。
【0014】このようにして得られた両面粘着シートま
たはテープは,2つの同種または異種の被着体間に挟持
され,その良好な粘着性によって仮接着した後,それぞ
れの硬化法に応じた処理をすることにより粘着剤組成物
が硬化し,被着体同士を強固に接着させることができ
る。また,片面粘着シートまたはテープは,その良好な
粘着性によって被着体に仮接着した後,必要があれば基
材となっているシートまたはテープを剥離させ生じた粘
着面に他の被着体をさらに仮接着し,それぞれの硬化法
に応じた処理をすることにより粘着剤組成物が硬化し,
被着体に強固に接着させることができる。嫌気硬化の場
合には,被着体に仮接着した後は重合開始剤などの作用
により程なく硬化が開始され,数時間から1週間程度で
実用強度に達する。熱硬化の場合には,オーブンなどの
空気加熱では通常80〜150 ℃で 3〜20分間程度,熱プレ
スなどの接触加熱では80〜150 ℃で 0.5秒〜 5分間程度
の加熱が行なわれる。
【0015】
【実施例】以下,実施例により本発明を説明する。例
中,部とは重量部を,%とは重量%を,それぞれ表わ
す。
【0016】アクリルポリマー1の合成 ブチルアクリレート 88.2部 酢酸ビニル 5.6部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 6.2部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中,80℃に加熱した上記組成の混合物 125部
に,同組成の混合物125部を滴下し,滴下終了後,12時
間加熱還流させ冷却し,アクリルポリマー1の溶液(固
形分40%)を得た。
【0017】アクリルポリマー2の合成 ブチルアクリレート 93.5部 アクリル酸 1.4部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5.1部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中,80℃に加熱した上記組成の混合物 125部
に,同組成の混合物125部を滴下し,滴下終了後,12時
間加熱還流させ冷却し,アクリルポリマー2の溶液(固
形分40%)を得た。
【0018】アクリルポリマー3の合成 ブチルアクリレート 92.0部 アクリルアミド 2.8部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5.2部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中,80℃に加熱した上記組成の混合物 125部
に,同組成の混合物125部を滴下し,滴下終了後,12時
間加熱還流させ冷却し,アクリルポリマー3の溶液(固
形分40%)を得た。
【0019】不飽和ポリエステルオリゴマー1の合成 エチレングリコール 2.0部 ヘキサヒドロ無水フタル酸 51.0部 グリシジルメタクリレート 47.0部 N,N−ジメチルベンジルアミン 0.9部 ハイドロキノン 0.2部 酢酸エチル 25.0部 上記組成物を混合し,空気雰囲気中,80℃で10時間反応
させ冷却後,酢酸エチル 125部を加えて,ポリエステル
オリゴマー1の溶液(固形分40%)を得た。
【0020】不飽和ポリエステルオリゴマー2の合成 p−ヒドロキシ安息香酸 4.5部 ヘキサヒドロ無水フタル酸 49.7部 グリシジルメタクリレート 45.8部 N,N−ジメチルベンジルアミン 0.9部 ハイドロキノン 0.2部 酢酸エチル 25.0部 上記組成物を混合し,空気雰囲気中,80℃で10時間反応
させ冷却後,酢酸エチル 125部を加えて,ポリエステル
オリゴマー2の溶液(固形分40%)を得た。
【0021】不飽和ポリエステルオリゴマー3の合成 1−アミノ−2−プロパノール 2.5部 ヘキサヒドロ無水フタル酸 50.7部 グリシジルメタクリレート 46.8部 N,N−ジメチルベンジルアミン 0.9部 ハイドロキノン 0.2部 酢酸エチル 25.0部 上記組成物を混合し,空気雰囲気中,80℃で10時間反応
させ冷却後,酢酸エチル 125部を加えて,ポリエステル
オリゴマー3の溶液(固形分40%)を得た。
【0022】不飽和ポリエステルオリゴマー4の合成 p−ヒドロキシ安息香酸 4.3部 ヘキサヒドロ無水フタル酸 48.5部 フェニルグリシジルエーテル 47.2部 N,N−ジメチルベンジルアミン 0.9部 酢酸エチル 25.0部 上記組成物を混合し,空気雰囲気中,80℃で10時間反応
させ冷却後,酢酸エチル 125部を加えて,ポリエステル
オリゴマー4の溶液(固形分40%)を得た。
【0023】〔実施例1〕ポリマー1の溶液58.1部,オ
リゴマー1の溶液41.9部を十分に混合し,この樹脂溶液
100部に対してベンゾイルパーオキサイド 0.4部,N−
ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
0.005部を均一に混合し,シリコーン処理を施したポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚さが30
μmとなるように塗布し,60℃で3分間乾燥して粘着シ
ートを得た。また,上記組成の樹脂混合物に,さらにト
リレンジイソシアネート 0.2部を加え,同様に粘着シー
トを得,50℃で3日間熟成した。得られた粘着シートに
ついて,硬化前の粘着特性(剥離接着力,タック,保持
力)および硬化後の剪断接着力を測定した。硬化は 130
℃のオーブン中で10分間加熱することにより行なった。
さらに,得られた粘着シートを50℃,10日間保存し,硬
化前の粘着特性と硬化後の剪断接着力を測定した。結果
を表1に示す。なお,測定は次のようにして行なった。
【0024】(1)硬化前の剥離接着力 得られた粘着シートの粘着面に,厚さ50μmのポリエチ
レンテレフタレートシートを貼着して幅25mmに切断し,
次いでポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離さ
せ,生じた粘着面を#280の紙やすりで研磨したステンレ
ススチール板(SUS304)に貼着し,30分間放置した後,25
℃,相対湿度65%の条件下,剥離速度 300mm/分で 180
度剥離接着力を測定した。
【0025】(2)硬化前のタック 傾斜角30度の斜面に,得られた粘着シートをセットし
て,25℃,相対湿度65%の条件下,助走距離10cmでステ
ンレススチール製ボールを転がし,粘着面10cm以内のと
ころで停止する最大のボールの番号を測定した。ボール
の番号は,1/16から1まで31種類ある「ボールの呼称」
の32倍の数値で表示した。
【0026】(3)硬化前の保持力 得られた粘着シートの粘着面に,厚さ50μmのポリエチ
レンテレフタレートシートを貼着し,幅25mm,長さ 100
mmの大きさに切断し,次にポリエチレンテレフタレート
フィルムを剥離させ,生じた粘着面のうち,たて25mm,
横25mmの部分を紙やすり#280で研磨したステンレススチ
ール板(SUS304)に貼着し,40℃,荷重1kgで粘着シート
がステンレススチール板より落下するまでの時間(秒)
を測定した。
【0027】(4)硬化後の剪断接着力 縦50mm,横10mm,厚さ 0.5mmの2枚のアルミニウム板そ
れぞれの一端に,得られた粘着シートを縦10mm,横10mm
に切断したものの粘着面を貼着し,ポリエチレンテレフ
タレートフィルムを剥離させ,生じた粘着面同士が重な
るように貼着し,所定の硬化法で粘着剤を硬化させた
後,25℃,相対湿度65%の条件下,引張り速度 5mm/分
で剪断強度を測定した。
【0028】〔実施例2〕ポリマー2の溶液62.0部,オ
リゴマー2の溶液38.0部を十分に混合し,この樹脂溶液
100部に対してベンゾイルパーオキサイド 0.4部,N−
ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
0.005部およびトリレンジイソシアネート0.2部を均一に
混合したもの,ベンゾイルパーオキサイド1部,ナフテ
ン酸コバルト 0.1部,4−フェニルモルホリン 0.5部,
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム
塩 0.005部およびトリレンジイソシアネート 0.2部を均
一に混合したものの2種類について,実施例1と同様に
して粘着シートを得た。得られた粘着シートについて,
それぞれ硬化前の粘着特性と硬化後の剪断接着力を測定
した。硬化はそれぞれ熱硬化,嫌気硬化で行なった。加
熱は熱プレスを用い, 130℃,50kg/cm2 で10秒間で行
なった。嫌気硬化は20℃,1週間放置し十分硬化させ
た。硬化前の粘着特性と硬化後の剪断接着力の測定結果
を表1に示す。
【0029】〔実施例3〕ポリマー3の溶液73.3部,オ
リゴマー3の溶液26.7部を十分に混合し,この樹脂溶液
100部に対して tert-ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート 0.4部,N−ニトロソフェニルヒドロキシ
ルアミンアルミニウム塩 0.005部およびトリレンジイソ
シアネート 0.2部を均一に混合し,実施例1と同様にし
て粘着シートを得,硬化前の粘着特性と硬化後の剪断接
着力を測定した。以上の測定結果を表1に示す。なお,
硬化は実施例1と同様に熱硬化で行なった。
【0030】〔実施例4〕ポリマー3の溶液57.1部,オ
リゴマー2の溶液21.2部,オリゴマー4の溶液21.7部を
十分に混合し,この樹脂溶液 100部に対してベンゾイル
パーオキサイド0.4部,N−ニトロソフェニルヒドロキ
シルアミンアルミニウム塩 0.005部およびトリレンジイ
ソシアネート 0.2部を均一に混合し,実施例1と同様に
して粘着シートを得た。また,上記組成の混合物にさら
にトリレンジイソシアネート 0.1部を均一に混合し,同
様に粘着シートを得た。得られたそれぞれの粘着シート
について,硬化前の粘着特性と硬化後の剪断接着力を測
定した。以上の測定結果を表1に示す。なお,硬化は実
施例1の熱硬化と同様にして行なった。
【0031】〔比較例1〜4〕実施例1〜4と,N−ニ
トロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩を添
加しない以外は,全く同様に粘着シートを作製した。得
られたそれぞれの粘着シートについて,硬化前の粘着特
性と硬化後の剪断接着力を測定した。以上の測定結果を
表1に示す。
【0032】
【表1】表1 粘着シートの性能評価結果 表中,TDIはトリレンジイソシアネートを示し,無は
無添加を,有は添加を示す。また,保存前は50℃,3日間
熟成した状態を,保存後は50℃,3日間熟成後さらに50
℃, 10日間保存した状態を示す。さらに,硬化法におい
てHは熱硬化を,Aは嫌気硬化を示す。
【0033】表1に示すように,本発明の粘着剤組成物
は,50℃,3日間熟成後も,さらにそのあと50℃,10日
間保存後も,同程度の性能を維持している。すなわち,
硬化前の剥離接着力が 1500g/25mm以上,タックが7以
上,保持力はポリイソシアネートを添加しなくても1000
秒以上である。また,硬化後の剪断接着力が,熱硬化,
嫌気硬化何れの場合にも30kg/cm2 以上となり,硬化前
の粘着特性,硬化後の接着力ともに優れている。さら
に,ポリイソシアネートを適量添加することにより,凝
集力を向上させ,硬化前の剥離接着力やタック,硬化後
の剪断接着力を損なわずに,保持力を24時間経過後でも
ずれのない状態にすることができる。それと比較して,
重合禁止剤N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンア
ルミニウム塩を添加していない比較例では,50℃,10日
間保存後の粘着特性,接着特性は著しく低下し,保存安
定性に欠けたものしか得られない。
【0034】
【発明の効果】本発明により,経時熱劣化の少ない保存
安定性の優れた硬化性粘着テープが得られるようになっ
た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着性ゴム系樹脂(A)100重量部に対し,
    環状酸無水物(a) とエチレン性不飽和二重結合を有する
    エポキシド(b) とを反応させて得られる不飽和ポリエス
    テルオリゴマー(B)5〜200 重量部,重合開始剤(C)0.1〜
    10重量部およびN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミ
    ンアルミニウム塩 0.005〜3 重量部を配合してなること
    を特徴とする硬化性粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 さらに,ポリイソシアネート(D) を配合
    してなることを特徴とする請求項1記載の硬化性粘着剤
    組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の硬化性樹脂組成
    物を,基材に塗布または含浸させてなることを特徴とす
    る粘着シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2002094962A1 (ja) * 2001-05-22 2004-09-09 株式会社ブリヂストン 接着剤組成物及びゴムとの接着方法
JP2006045459A (ja) * 2004-08-09 2006-02-16 Hitachi Chem Co Ltd 接着剤組成物、回路接続構造体及び半導体装置

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