JP2017197660A - アクリル系共重合体、粘着剤組成物および粘着シート - Google Patents
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Abstract
Description
CH2=CR1−COO−(R2O)nR3・・・(a2−1)
[式(a2−1)中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2はアルキレン基であり、R3はアルキル基、脂環含有基、アリール基またはアラルキル基であり、nは0以上の整数である。]
なお、本明細書において、「重合体」とは単独重合体および共重合体を包含する意味で用い、また、「重合」とは単独重合および共重合を包含する意味で用いる。
本発明のアクリル系共重合体(A)は、以下に説明するアルキルアクリレート(a1)を含むモノマー成分の共重合体である。以下、前記(A)を「共重合体(A)」ともいい、前記(a1)を「モノマー(a1)」ともいう。すなわち共重合体(A)は、モノマー(a1)由来の構成単位を有する。
モノマー(a1)は、下記式(1)に示すアルキルアクリレートである。
モノマー(a1)の単独重合体のガラス転移温度(Tg)は、−37℃程度である。
モノマー(a1)の単独重合体のTgは、以下の条件で合成した単独重合体を、以下の条件で測定する。
上記モノマー成分は、モノマー(a2)をさらに含んでもよい。すなわち共重合体(A)は、モノマー(a2)由来の構成単位をさらに有してもよい。
モノマー(a2)は、式(a2−1)で表される(メタ)アクリレートである。
CH2=CR1−COO−(R2O)nR3・・・(a2−1)
共重合体(A)を形成するために用いられるモノマー成分100質量%中、モノマー(a1)および(a2)の合計量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは70〜99質量%である。このような態様であると、得られる粘着剤層の粘着力および凝集力が優れるため好ましい。また、モノマー(a2)100質量%のうち、50質量%以上が式(a2−1)中のR1が水素原子のアクリレートであることが好ましく、70質量%以上が前記アクリレートであることがより好ましい。
上記モノマー成分は、モノマー(a3)をさらに含むことが好ましい。すなわち共重合体(A)は、モノマー(a3)由来の構成単位をさらに有することが好ましい。
モノマー(a3)としては、例えば、カルボキシル基含有モノマー(a31)、前記(a31)以外の水酸基含有モノマー(a32)が挙げられる。
共重合体(A)を形成するために用いられるモノマー成分100質量%中、モノマー(a3)の量は、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.3〜15質量%、さらに好ましくは0.5〜8質量%である。このような態様であると、共重合体(A)と後述する架橋剤(B1)とが反応して適切な架橋構造を形成することができ好ましい。
上記モノマー成分は、モノマー(a1)〜(a3)以外のモノマー(a4)をさらに含んでもよい。すなわち共重合体(A)は、モノマー(a4)由来の構成単位をさらに有してもよい。
(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、
グリシジル基またはイソシアネート基含有(メタ)アクリルレート:例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート;
窒素原子含有モノマー:例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー、アルキルシアノアクリレート、(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー;
が挙げられる。
共重合体(A)を形成するために用いられるモノマー成分100質量%中、モノマー(a4)の量は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
共重合体(A)のTgは、好ましくは0℃未満であり、より好ましくは−70〜−20℃、さらに好ましくは−60〜−30℃である。Tgが前記範囲内にあると、粘着剤層の被着体に対する密着性の観点から好ましい。また、Tgが前記下限値以上であると、粘着剤層の凝集力に優れ、耐久性向上の観点から好ましい。共重合体(A)のTgは、例えば、実施例に記載の方法で示差走査熱量計により測定することができる。
共重合体(A)の上記分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定し、ポリスチレン換算値である。測定条件の詳細は、実施例に記載する。
共重合体(A)は、上記モノマー成分を共重合することにより製造することができ、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体のいずれでもよい。共重合体(A)は、例えば、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法等の従来公知の重合法により製造することができ、これらの中でも溶液重合法が好ましい。
アゾ系開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)ジヒドレート、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(2−シアノプロパノール)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物が挙げられる。
重合開始剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
重合溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の粘着剤組成物は、上述したアクリル系共重合体(A)と、硬化剤(B)とを含有し、さらに粘着付与樹脂(C)を含有してもよい。
本発明の粘着剤組成物は、アルキルアクリレート(a1)由来の構成単位を有するアクリル系共重合体(A)を含有することから、低極性でありながら硬さを有した粘着剤層を形成することができる。
本発明の粘着剤組成物は、硬化剤(B)を含有する。
硬化剤(B)により、共重合体(A)を架橋する、及び/又は組成物を硬化させることで、架橋体(ネットワークポリマー)及び/又は硬化体を形成することができ、耐熱性に優れた粘着剤層を得ることができる。
硬化剤(B)の種類は、共重合体(A)に導入され得る架橋性基、および粘着剤組成物の硬化系によって適宜選択される。例えば、アクリル系共重合体(A)が架橋性基を有する場合、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物等の前記架橋性基と反応し得る架橋剤(B1)を用いることができる。また、硬化剤(B)としては、例えば、多官能(メタ)アクリレート(B2)を用いることもできる。
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ,トリ又はポリアルキレングリコール−ジ(メタ)アクリレート;
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;
ビスフェノールAアルキレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAアルキレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等のビスフェノール系ジ(メタ)アクリレート;
グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールアルキレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等の3官能以上のポリオールポリ(メタ)アクリレート;
ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート;
が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物は、硬化剤(B)を、共重合体(A)100質量部に対して、通常は0.01〜25質量部、好ましくは0.05〜20質量部、より好ましくは0.1〜15質量部の範囲で含有する。
本発明の粘着剤組成物は、粘着付与樹脂(C)を含有することが好ましい。この場合、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系低極性素材への貼着においても良好な粘着力および定荷重剥離性を発揮する粘着剤層を形成することができる。また、上述したとおり共重合体(A)と粘着付与樹脂(C)との相溶性が優れることから、ヘイズ値が小さく、また適度なタック性を有する粘着剤層を形成することができる。
粘着付与樹脂(C)の軟化温度は、好ましくは70〜170℃、より好ましくは100〜170℃である。軟化温度は、JIS K2207環球法により測定する。
本発明の粘着剤組成物は、粘着付与樹脂(C)を、共重合体(A)100質量部に対して、例えば5〜50質量部、好ましくは8〜40質量部、より好ましくは10〜30質量部の範囲で含有する。このような態様であると、粘着剤層が適度なタック性を有し、ポリオレフィン系低極性素材への粘着力および定荷重剥離性に優れる。
本発明の粘着剤組成物は光重合開始剤(D)をさらに含有してもよい。例えば、硬化剤(B)として多官能(メタ)アクリレート(B2)を少なくとも含み、光重合開始剤(D)をさらに含む組成物は、活性エネルギー線硬化系粘着剤組成物として好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、上記成分のほか、本発明の効果を損なわない範囲で、共重合体(A)以外の(メタ)アクリル系重合体、シランカップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定剤、金属腐食防止剤、可塑剤、架橋促進剤、界面活性剤およびリワーク剤から選択される1種または2種以上の添加剤を含有してもよい。
本発明の粘着剤組成物は、その塗布性を調整するため、有機溶媒(F)を含有することが好ましい。有機溶媒(F)としては、例えば、《共重合体(A)の製造条件》の欄で説明した重合溶媒が挙げられる。本発明の粘着剤組成物において、有機溶媒の含有量は、通常は30〜90質量%、好ましくは40〜90質量%である。
本発明の粘着剤組成物は、例えば、上記各成分を従来公知の方法により混合することで調製することができる。例えば、共重合体(A)の合成で得られた共重合体(A)を含む溶液と、硬化剤(B)と、必要に応じて他の成分とを混合することにより、粘着剤組成物を調製することができる。
本発明の粘着シートは、本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する。
粘着シートとしては、例えば、上記粘着剤層のみを有する両面粘着シート、基材と、基材の両面に形成された粘着剤層とを有し、少なくとも一方の粘着剤層が本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤層である両面粘着シート、基材と、基材の一方の面に形成された上記粘着剤層を有する片面粘着シート、およびそれら粘着シートの粘着剤層における基材と接していない面に剥離処理されたカバーフィルムが貼付された粘着シートが挙げられる。
粘着剤層の形成条件は、例えば以下のとおりである。本発明の粘着剤組成物を基材または支持体上に塗布する。前記組成物が溶媒を含有する場合、通常は50〜150℃、好ましくは60〜100℃で、通常は1〜10分間、好ましくは2〜7分間乾燥して溶媒を除去する。以上のようにして、塗膜を形成する。
本発明の粘着シートは、粘着力およびリワーク性のバランスに優れる。
また、本発明の粘着シートは、ポリオレフィン系低極性素材への貼着に良好な粘着力および定荷重剥離性を発揮する。ポリオレフィン系低極性素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられる。したがって、本発明の粘着シートは、工業用粘着シートとして広く使用でき、特に自動車の内装や電子機器内部に用いられる、不織布両面テープやウレタンフォーム貼り合わせ用として使用することができる。
物性の測定方法は、以下のとおりである。
アクリル系共重合体について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により、下記条件で重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を求めた。
・測定装置:HLC−8320GPC(東ソー(株)製)
・GPCカラム構成:以下の4連カラム(すべて東ソー(株)製)
(1)TSKgel HxL−H(ガードカラム)
(2)TSKgel GMHxL
(3)TSKgel GMHxL
(4)TSKgel G2500HxL
・流速:1.0mL/min
・カラム温度:40℃
・サンプル濃度:1.5%(w/v)(テトラヒドロフランで希釈)
・移動相溶媒:テトラヒドロフラン
・標準ポリスチレン換算
アクリル系共重合体またはアルキルアクリレートの単独重合体を簡易密閉パンに封入した。示差走査熱量計(DSC)を用いて、窒素気流下、−100℃から200℃まで10℃/分で昇温して熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、このとき観測される特徴的な変曲をガラス転移とした。なお、Tgは、DSC曲線からミッドポイント法によって得た値を使用した。
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、モノマー成分としてモノマー(a1)80部、2−ヒドロキシエチルアクリレート19部、アクリルアミド1部、溶媒として酢酸エチル100部を仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコの内容物を70℃に加熱した。次いで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.05部を攪拌下フラスコ内に添加した。フラスコ内の内容物の温度が70℃に維持できるように、加熱および冷却を2時間半行った。温度を80℃に昇温した後、2時間還流反応を行い、共重合体(A−1)を得た。反応終了後、酢酸エチルにて希釈し、共重合体(A−1)を含む、固形分濃度40質量%の共重合体溶液を調製した。共重合体(A−1)のMwは36万、Mw/Mnは4.6、Tgは−32℃であった。
モノマー成分を表1または表2に記載したとおりに変更したこと以外は実施例A1と同様に行い、共重合体(A−2)〜(A−6)、(A’−1)〜(A’−3)をそれぞれ含む共重合体溶液を得た。結果を表1および表2に示す。
(1)粘着剤組成物の調製
実施例A1〜A3、比較例A1〜A2で得られた共重合体溶液(固形分濃度40質量%)と、架橋剤としてD−90(綜研化学(株)製:ヘキサメチレンジイソシアネート系架橋剤、固形分濃度90質量%)とを、固形分比がアクリル系共重合体:D−90=100部:0.4部となる量でそれぞれ混合して、粘着剤組成物を得た。
剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に、上記(1)で得られた粘着剤組成物を、泡抜け後、ドクターブレードを用いて液温25℃で塗布し、90℃で3分間乾燥して、乾燥膜厚50μmまたは65μmの塗膜を有する粘着シートを得た。塗膜の前記PETフィルムの貼付面とは反対面に、剥離処理されたPETフィルムをさらに貼り合わせ、23℃/50%RH環境下で7日間エージングを行い、厚さ50μmの粘着剤層を有する粘着シート(a)、および厚さ65μmの粘着剤層を有する粘着シート(b)を得た。粘着シート(a)の粘着剤層の形成には実施例B1〜B3および比較例B1〜B2の粘着剤組成物を用い、粘着シート(b)の粘着剤層の形成には実施例B4〜B7および比較例B3の粘着剤組成物を用いた。
〔表1:比誘電率〕
実施例等で得られた粘着シート(a)を2つ用意し、各々から剥離処理されたPETフィルムを剥がし、次いで粘着剤層同士を貼り合わせ、厚さ100μmの粘着剤層を有する粘着シートを作製した後、厚さ100μmの銅箔に、前記粘着剤層を転写し、この粘着剤層上に、さらに厚さ100μmの銅箔を貼り付け、測定サンプルとした。東洋テクニカ製LCRメーター6440Bを用いて銅箔へ接続して、23℃/50%RH雰囲気下で比誘電率(100Hz)を算出した。
実施例等で得られた粘着シート(a)の片側の剥離処理されたPETフィルムを剥がし、粘着剤層全面を厚さ100μmのPETフィルムに貼り合わせ、20mm×150mmに裁断して、試験片を作成した。次いで、もう一方の剥離処理されたPETフィルムを剥がして露出した粘着剤層をガラス板に張り合わせて、重さ2kgのローラーを3往復させて圧着させた。圧着後23℃/50%RH雰囲気下で2時間放置した後、試験片の短辺を引き剥がし速度300mm/minで180°方向に引っ張り、剥離を開始する力を180°粘着力とした。また、剥離後のガラス板を目視し、リワーク性の評価を以下の基準で行った。
AA:ガラス板に糊残りがない。
BB:ガラス板に糊残りがある。
実施例等で得られた粘着シート(b)の片側の剥離処理されたPETフィルムを剥がし、粘着剤層全面を厚さ25μmのPETフィルムに貼り合わせ、50mm×50mmのサイズに裁断した。次いで、もう一方の剥離処理されたPETフィルムを剥がして露出した粘着剤層をガラス板に貼り合わせて、50℃/5atmのオートクレーブで20分間処理した後、23℃/50%RH雰囲気下に1時間静置して、試験片を作成した。その後、ヘイズを測定した。ヘイズの測定には、MH−150(村上色彩技術研究所(株)製)を用いた。
実施例等で得られた粘着シート(c)の片側の剥離処理された紙セパレーターを剥がし、粘着剤層全面を厚さ25μmのPETフィルムに貼り合わせ、20mm×150mmに裁断して、試験片を作成した。次いで、もう一方の剥離処理された紙セパレーターを剥がして露出した粘着剤層をポリエチレン板に張り合わせて、重さ2kgのローラーを3往復させて圧着させた。圧着後23℃/50%RH雰囲気下で2時間放置した後、試験片の短辺を引き剥がし速度300mm/minで180°方向に引っ張り、剥離を開始する力を180°粘着力とした。
実施例等で得られた粘着シート(c)の片側の剥離処理された紙セパレーターを剥がし、露出した粘着剤層のプローブタックを測定した。プローブは直径5mmのSUS、接触時間は1秒、プローブ速度は1cm/sec、荷重は20gとした。
実施例等で得られた粘着シート(c)の片側の剥離処理された紙セパレーターを剥がし、粘着剤層全面を厚さ25μmのPETフィルムに貼り合わせた。その後、もう一方の紙セパレーターを剥がし、露出した粘着剤層をSUS板に張り合わせて、重さ2kgのローラーを3往復させて圧着させた。貼り付け面積は20mm×50mmとした。貼り合わせから20分後に、80℃、かつ乾燥条件下で、PETフィルム面から200gの荷重を90°方向に鉛直にかけ、1時間後の剥がれ長さ(mm)を測定した。
表1および表2中、モノマーの各記号は以下のとおりである。
・a1: 上記式(1)に示すアルキルアクリレート
・MA: メチルアクリレート
・BA: n−ブチルアクリレート
・2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
・AA: アクリル酸
・2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
・AM: アクリルアミド
比較例B2ではリワーク性は高いが粘着力が低くなっている。これに対して実施例A1〜A3ではアルキルアクリレートとしてモノマー(a1)が共重合されていることから、実施例B1〜B3では高い粘着力を有しながらリワーク性にも優れている。
Claims (7)
- 前記モノマー成分が、前記アルキルアクリレート(a1)以外の、式(a2−1)で表される(メタ)アクリレート(a2)、および架橋性基含有モノマー(a3)をさらに含む請求項1に記載のアクリル系共重合体(A)。
CH2=CR1−COO−(R2O)nR3・・・(a2−1)
[式(a2−1)中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2はアルキレン基であり、R3はアルキル基、脂環含有基、アリール基またはアラルキル基であり、nは0以上の整数である。] - 前記モノマー成分が、架橋性基含有モノマー(a3)をさらに含む請求項1に記載のアクリル系共重合体(A)。
- 示差走査熱量計(DSC)を用いて測定されるガラス転移温度(Tg)が、0℃未満である請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクリル系共重合体(A)。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアクリル系共重合体(A)と、
硬化剤(B)と
を含有する粘着剤組成物。 - 粘着付与樹脂(C)
をさらに含有する請求項5に記載の粘着剤組成物。 - 請求項5または6に記載の粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する粘着シート。
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