JPWO2017033236A1 - 粘着剤組成物及び粘着シート、並びに、粘着シートを備えるタッチパネル及び表示装置 - Google Patents

粘着剤組成物及び粘着シート、並びに、粘着シートを備えるタッチパネル及び表示装置 Download PDF

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Abstract

被着体との接合時には優れた凹凸追従性を有し、接合後には遅れ気泡や、浮き、剥がれが発生することを抑制できる粘着剤組成物、及び、当該粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着シートを提供する。また、当該粘着シートを備え、接合後に遅れ気泡等が発生することを効果的に抑制できるタッチパネル及び表示装置を提供する。架橋性官能基を有するアクリル酸エステル共重合体と、重合性不飽和基を2つ以上有するオリゴマーと、前記アクリル酸エステル共重合体と反応する官能基及び前記オリゴマーと反応する官能基を有するモノマーと、熱により前記アクリル酸エステル共重合体と反応する架橋剤と、活性エネルギー線の照射による重合反応を開始させる重合開始剤と、を含有する粘着剤組成物。

Description

本発明は、粘着剤組成物及び粘着シート、並びに、粘着シートを備えるタッチパネル及び表示装置に関する。
近年、様々な分野で、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置や、タッチパネルなどの前記表示装置と組み合わせて用いられる入力装置が広く用いられるようになってきている。これらの表示装置や入力装置の製造等においては、光学部材を貼り合せる用途に、例えば透明な両面粘着シートが使用されており、表示装置と入力装置との貼合にも透明な両面粘着シートが使用されている。ここで、上記タッチパネルや液晶ディスプレイ等の中には印刷等による段差部(凹凸部)を有する構成部材を含んでいるものがあり、例えば、携帯電話においては枠状の印刷部分が施された部材を有するタッチパネルが用いられている。かかる用途においては、粘着シートには、部材を貼合固定する性能と同時に印刷段差を埋める性能、即ち、優れた凹凸追従性(段差吸収性)が求められる(例えば、特許文献1)。なお、凹凸追従性が低いと、段差部分において気泡が残存しやすくなってしまう。
上記のような用途に用いられる両面粘着シートとしては、熱硬化性および活性エネルギー線硬化性の両方を備える粘着剤組成物(以下、「デュアル硬化型粘着剤組成物」ということがある。)を基材上に塗工し、熱硬化または活性エネルギー線硬化させて半硬化した粘着剤層を備えるものが提案されている。このような粘着剤層は、熱硬化物の場合は活性エネルギー線硬化性、活性エネルギー線硬化物の場合は熱硬化性を有している。そのため、被着体との接合時には柔軟性を有することで凹凸に追従させることができ、その後、さらに活性エネルギー線または加熱により完全硬化させることで被着体に強固に接着できる、凹凸追従性と保持力とを両立したものであるとされている。
従来、このような粘着シートに用いられるデュアル硬化型粘着剤組成物としては、熱硬化性を付与する成分として架橋剤、活性エネルギー線硬化を付与する成分としてモノマーおよび光開始剤をベースポリマーに配合したものが提案されている。モノマーとしては通常、多官能モノマーが用いられている。
例えば、特許文献2には、紫外線架橋可能な光架橋剤と加熱架橋可能な潜在型硬化剤の両方をベースポリマーに配合することで紫外線架橋と加熱架橋の二種類の架橋方式を兼ね備えた粘着剤とし、先にどちらか一方の架橋方式で架橋させて被着体を貼着した後、残った架橋方式で後架橋させる粘着剤および粘着体が開示され、光架橋剤として多官能モノマーと光開始剤とを含むものが用いられている。
また、特許文献3には、マレイミド基を有する重合体を含有する活性エネルギー線硬化型粘接着剤組成物が開示され、該組成物が、さらに、有機溶剤、分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物、光重合開始剤、熱硬化型架橋剤等を含有してもよいことが記載されている。
特開2010−90204号公報 特開2006−335840号公報 特開2010−261029号公報
デュアル硬化型粘着剤組成物からなる粘着剤層は、被着体(例えば、タッチパネルや表示装置等)との接合時には半硬化している状態であるため柔らかく優れた凹凸追従性を有し、段差部における気泡残存を効果的に抑制でき、かつ、その後の活性エネルギー線または加熱による完全硬化によって被着体に強固に接着できるという点で確かに優れたものである。
しかしながら、デュアル硬化型粘着剤組成物からなる粘着剤層は、完全硬化させた後において、時間経過に伴って気泡が復元されてしまうという現象(遅れ気泡の発生)や、浮き、剥がれといった現象を効果的に抑制することが難しく、外観上の問題が発生することがあった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、被着体との接合時には優れた凹凸追従性を有し、接合後には遅れ気泡や、浮き、剥がれが発生することを抑制できる粘着剤組成物、及び、当該粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着シートを提供することを目的とする。また、当該粘着シートを備え、接合後に遅れ気泡等が発生することを効果的に抑制できるタッチパネル及び表示装置を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、架橋性官能基を有するアクリル酸エステル共重合体と、重合性不飽和基を2つ以上有するオリゴマーと、前記アクリル酸エステル共重合体と反応する官能基及び前記オリゴマーと反応する官能基を有するモノマーと、熱により前記アクリル酸エステル共重合体と反応する架橋剤と、活性エネルギー線の照射による重合反応を開始させる重合開始剤と、を含有する粘着剤組成物により達成される。
この粘着剤組成物において、前記モノマーは、水酸基と反応する有機官能基を有する(メタ)アクリロイル基含有モノマーであることが好ましい。
また、前記オリゴマーは、ウレタン(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
また、前記アクリル酸エステル共重合体は、カルボキシル基を含まないことが好ましい。
本発明の上記目的は、上記に記載の粘着剤組成物を加熱により1次架橋させた粘着剤層を備える粘着シートにより達成される。また、このような粘着シートを備えるタッチパネルや表示装置により上記目的は達成される。
本発明によれば、被着体との接合時には優れた凹凸追従性を有し、接合後には遅れ気泡や、浮き、剥がれが発生することを抑制できる粘着剤組成物、及び、当該粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着シートを提供することができる。また、当該粘着シートを備え、接合後に遅れ気泡等が発生することを効果的に抑制できるタッチパネル及び表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態にかかる粘着剤組成物、及び、当該粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着シートについて説明する。まず、本発明に係る粘着剤組成物は、デュアル硬化型粘着剤組成物であり、加熱することにより1次硬化(半硬化)させた後、活性エネルギー線の照射により2次硬化(完全硬化)させることが可能な粘着剤組成物である。
本発明に係る粘着剤組成物は、架橋性官能基を有するアクリル酸エステル共重合体(A)と、重合性不飽和基を2つ以上有するオリゴマー(B)と、前記アクリル酸エステル共重合体(A)と反応する官能基及び前記オリゴマー(B)と反応する官能基を有するモノマー(C)と、熱により前記アクリル酸エステル共重合体(A)と反応する架橋剤(D)と、活性エネルギー線の照射により前記オリゴマー(B)及び前記モノマー(C)の重合反応を開始させる重合開始剤(E)とを含有する。
アクリル酸エステル共重合体(A)は、本発明に係る粘着剤組成物の主剤を構成するものであり、透明性や耐久性に優れることから粘着剤組成物として好ましく用いることができる。アクリル酸エステル共重合体(A)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと反応性官能基を有するモノマーとの共重合体が好ましい。なお、アクリル酸エステル共重合体(A)は1種単独でもよいし、他のポリマーと組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、或いは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を含むことを意味する。
また、反応性官能基を有するモノマーとしては、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマーなどが挙げられるが、金属を腐食しにくい水酸基含有モノマーが好ましい。本発明の水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、必要に応じて他のモノマーを有してもよい。一方、金属や合金を含む電極などが形成された被着体に本発明に係る粘着シートを貼合する場合は、金属等を腐食する可能性があるため、前記アクリル酸エステル共重合体がカルボキシル基を含まないことが好ましい。ここで「含まない」とは、粘着組成物の材料設計上含まないことを表し、不純物として微小量含むことは許容される概念である。
アクリル酸エステル共重合体(A)における水酸基価は50〜200mgKOH/gであることが好ましい。水酸基価が前記範囲の下限値より小さければ、湿熱耐久性が悪くなり、前記範囲の上限値より大きければ、オリゴマー(B)との相溶性が悪くなる。
アクリル酸エステル共重合体(A)の重量平均分子量は、10万〜80万が好ましく、20万〜60万がより好ましく、30万〜50万がさらに好ましい。重量平均分子量が前記下限値より小さければ、硬化後の耐久性が低下し、前記上限値より大きければ、凹凸追従性が低下する。なお、アクリル酸エステル共重合体(A)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。アクリル酸エステル共重合体としては、市販のものを用いてもよく、公知の方法により合成したものを用いてもよい。
オリゴマー(B)は、光硬化性オリゴマーであり、重合性不飽和基を少なくとも2つ以上有するものである。このようなオリゴマー(B)を粘着組成物が含有することで、1次硬化により凹凸追従性の高い柔軟な粘着シートを得ることができ、また、活性エネルギー線照射により凝集力を高めて耐久性を向上させることが可能となる。また、オリゴマー(B)は、モノマーと比較してブリードアウトが少ないため、経時劣化を効果的に抑制することが可能となる。
重合性不飽和基としては、エチレン性二重結合を含む基が好ましく、例えば(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。なかでも(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。
オリゴマー(B)としては、例えば、アルキル(メタ)アクリルレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートなどのオリゴマーを好ましく用いることができる。これらは単独で用いてもよく、或いは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、アクリル酸エステル共重合体(A)との相溶性や、柔軟性や伸び等の特性付与の容易さからウレタン(メタ)アクリレート成分を含むものが好ましい。オリゴマー(B)は、必要に応じて例えば希釈等を目的として、他のモノマーや溶剤を含んでもよい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートのオリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸との反応でエステル化することにより得ることができる。
本発明に係る粘着剤組成物中、オリゴマー(B)の含有量は、アクリル酸エステル共重合体(A)の組成や分子量、架橋密度等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、アクリル酸エステル共重合体(A)100重量部に対し、0.3〜30重量部が好ましく、0.5〜20重量部がより好ましい。1〜15重量部がさらに好ましい。オリゴマー(B)の含有量が前記範囲の下限値より小さければ光硬化後の凝集力が不足し、前記範囲の上限値よりも大きければ光硬化後の粘着力が低下する。
モノマー(C)は、アクリル酸エステル共重合体(A)と反応する官能基(熱架橋)と、オリゴマー(B)と反応する官能基(光架橋)とを有する単量体である。具体的には、例えば、水酸基と反応する有機官能基を有する(メタ)アクリロイル基含有モノマーが好ましい。有機官能基を有する(メタ)アクリロイル基含有モノマーとしては、グリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマー、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマー、イソシアネート基含有(メタ)アクリレートモノマー等の前記アクリル酸エステル共重合体(A)と反応する官能基を有するものであれば特に限定されないが、反応が容易である点からイソシアネート基含有(メタ)アクリレートモノマーが好適に用いられる。
本発明に係る粘着剤組成物中、モノマー(C)の含有量は、アクリル酸エステル共重合体(A)の組成や分子量、架橋密度等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、アクリル酸エステル共重合体(A)100重量部に対し、0.01〜5.0重量部が好ましく、0.05〜1.0重量部がより好ましい。モノマー(C)の含有量が前記範囲の下限値よりも小さい、或いは、上限値より大きいと、粘着力の著しい低下が懸念される。
架橋剤(D)としては、特に限定されず、例えばイソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、ブチル化メラミン化合物などの公知の架橋剤のなかから、アクリル酸エステル共重合体(A)が有する架橋性官能基との反応性を考慮して適宜選択できる。たとえば架橋性官能基としてヒドロキシ基を含む場合は、ヒドロキシ基の反応性から、イソシアネート化合物を用いることが好ましい。なお、架橋剤(D)としては、上記化合物の1種を単独で用いても、或いは、2種以上を併用してもよい。
また、架橋剤(D)として例示している上記化合物のうち、架橋性官能基を有するアクリル酸エステル共重合体(A)を容易に架橋できることから、イソシアネート化合物、エポキシ化合物が好ましい。イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。また、エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、テトラグリシジルキシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
粘着剤組成物中、架橋剤(D)の含有量は、所望とする粘着物性等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、アクリル酸エステル共重合体(A)100重量部に対し、0.01〜5.0重量部が好ましく、0.01〜3.0重量部がより好ましい。架橋剤(D)の含有量が前記下限値以上であれば加工性や耐久性に優れ、前記上限値以下であれば、凹凸追従性に優れる。
重合開始剤(E)としては、活性エネルギー線の照射により前記オリゴマー(B)の重合性不飽和基と、モノマー(C)のオリゴマー(B)と反応する官能基(重合性不飽和基)との重合反応を開始させ得るものであればよく、光重合開始剤等として公知のものが利用できる。ここで、「活性エネルギー線」とは電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味し、紫外線、電子線、可視光線、X線、イオン線等が挙げられる。中でも、汎用性の点から、紫外線または電子線が好ましく、紫外線が特に好ましい。
重合開始剤(E)としては、例えばアセトフェノン系開始剤、ベンゾインエーテル系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ヒドロキシアルキルフェノン系開始剤、チオキサントン系開始剤、アミン系開始剤等が挙げられる。これらのうち、アセトフェノン系開始剤として具体的には、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。ベンゾインエーテル系開始剤として具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等が挙げられる。ベンゾフェノン系開始剤として具体的には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。ヒドロキシアルキルフェノン系開始剤として具体的には、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等が挙げられる。チオキサントン系開始剤として具体的には、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン等が挙げられる。アミン系開始剤として具体的には、トリエタノールアミン、4−ジメチル安息香酸エチル等が挙げられる。なお、重合開始剤(E)としては、上記開始剤の1種を単独で用いてもよく、或いは、2種以上を併用してもよい。
本発明に係る粘着剤組成物中、重合開始剤(E)の含有量は、オリゴマー(B)およびモノマー(C)の含有量や完全硬化させるときの活性エネルギー線の照射量等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、オリゴマー(B)およびモノマー(C)の総質量に対し、0.05〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5.0質量%であることがより好ましい。前記下限値以上であれば、完全硬化時の重合反応を容易に開始させることができ、前記上限値以下であれば、完全硬化時の重合反応熱の影響による基材の損傷や、完全硬化時の重合開始剤の残留による黄変や白濁等の外観不良の発生を防止できる。
また、本発明に係る粘着剤組成物は、任意に、発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の他の成分を含有してもよい。該他の成分としては、粘着剤用の添加剤として公知の成分、例えば酸化防止剤、金属腐食防止剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、屈折率調整剤、シランカップリング剤等のなかから必要に応じて選択できる。
また、本発明に係る粘着シートは、上述の粘着剤組成物と溶剤との混合液(塗工液)を基材シート上に塗布して粘着剤層を形成し、その後加熱することにより形成することができる。加熱することにより、架橋剤(D)が、アクリル酸エステル共重合体(A)同士を架橋(1次架橋)し、粘着剤層を半硬化の状態とすることができる。ここで、1次架橋とは、アクリル酸エステル共重合体(A)の熱架橋成分のみが反応した状態をいう。また、1次架橋させることにより、粘着剤層が半硬化状態となるため、柔軟性が高く、被着体の凹凸部分(段差部)に追従しやすくなる。なお、粘着剤組成物の塗布方法としては、ナイフコータ、マイクロバーコータ、エアナイフコータ、リバースロールコータ、リバースグラビアコータ、バリオグラビアコータ、ダイコータ、カーテンコータ等の公知の塗布方法から適宜選択することができる。
ここで、溶剤は、粘着剤組成物の塗工適性の向上のために用いられるものであり、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類;ジクロロメタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロプロパン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酪酸エチル等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等のポリオール及びその誘導体を挙げることができる。なお、溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、粘着剤組成物中、溶剤の含有量は、塗工設備を考慮し、任意で決定することができる。
また、粘着シートは、片面粘着タイプ、或いは、両面粘着タイプのいずれの構成であってもよい。両面粘着タイプとして形成する場合、例えば、上記基材シートとして第1剥離シートを採用し、当該第1剥離シート上に、上記粘着剤組成物と溶剤との混合液の塗布及び加熱を行って粘着剤層を形成し、当該粘着剤層上に第2剥離シートを積層して形成することができる。
第1及び第2剥離シートは、一般的に基材の一方面に剥離剤層を形成して構成されている。基材としては、例えば、ポリエチレンフィルム(PET)、ポリプロピレンフィルム(PP)、ポリブテンフィルム等、剥離シートの基材用材料として従来から公知な材料を用いて形成することができる。また、基材上に形成される剥離剤層の材料としては、例えば、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系の従来から公知な剥離剤を挙げることができる。
粘着シートを被着体へ貼合する例として、表示装置の表示面に保護カバーやタッチパネルを貼着するケースを以下に示す。まず、第1剥離シートを剥がして保護カバーやタッチパネルに貼合して粘着シート付きの保護カバーやタッチパネルを作成する。その後、第2剥離シートを剥がして表示装置の表示面に貼着する。気泡噛み、貼りずれ等の問題が無いことを確認した後、紫外線等を照射して、粘着剤組成物中の重合開始剤(E)の作用によって、オリゴマー(B)とモノマー(C)との重合反応(光架橋成分が反応:2次架橋)を開始させる。これにより、粘着剤層は完全硬化し、保護カバーやタッチパネルと表示装置とが強固に接着される。
本発明に係る粘着剤組成物によれば、アクリル酸エステル共重合体(A)同士が熱架橋(1次架橋)し、粘着剤層の保持力が20000[sec]以下、好ましくは15000[sec]以下の範囲となる半硬化の状態とすることができる。これにより、粘着シートを被着体(保護カバー、タッチパネル、表示装置等)に貼り付ける段階においては、粘着剤層が、被着体の凹凸部分(段差部)に追従しやすくなり、凹凸部分に気泡が残存することを効果的に抑制することが可能となる。ここで、粘着剤層の保持力は、JIS Z0237(2000)において規定される保持力を意味する。
また、本発明に係る粘着剤組成物は、重合性不飽和基を2つ以上有するオリゴマー(B)を含有するように構成されているため、粘着剤層を完全硬化させた後の耐久性を向上させることが可能となる。
また、オリゴマー(B)とモノマー(C)とを光架橋させて粘着剤層を完全硬化するように構成しているため、完全硬化後の粘着剤層の保持力を0.1mm未満、粘着力を5N/25mm以上、好ましくは7N/25mm以上に設定することが可能となる。つまり、完全硬化後、極めて高い保持力を有しつつ、適度な粘着力を有するように粘着剤層を構成することができ、時間経過に伴って気泡が復元されてしまうという現象(遅れ気泡の発生)や、浮き、剥がれといった現象を効果的に抑制することができる。ここで、粘着剤層の保持力は、JIS Z0237(2000)において規定される保持力を意味する。また、粘着剤層の粘着力は、JIS Z0237(2000)において規定される180°粘着試験により測定される粘着力を意味する。
本発明者らは、本発明に係る粘着剤組成物及び粘着シートの上記効果を確認するために、4種類の粘着シートサンプル(実施例1〜3、及び、比較例1)を作成し、いわゆる遅れ気泡等が発生するか否かについての確認試験を行った。なお、粘着シートサンプルは同一種類を6個づつ作成している。
以下、作成した粘着シートサンプル(実施例1〜3、比較例1)の構成について説明する。
[実施例1]
(塗工液の作成)
まず、重量平均分子量45万、水酸基価90〜100であるアクリル酸エステル共重合体(A)100重量部に対し、溶剤44重量部で希釈し、その後、オリゴマー(B)、モノマー(C)、架橋剤(D)、光重合開始剤(E)を添加して、十分に撹拌することにより粘着剤組成物と溶剤とからなる塗工液(粘着剤溶液)を調整した。ここで、溶剤として、酢酸エチルを採用している。また、オリゴマー(B)として、共栄社化学社製 型番「UF−8001G」を採用し、アクリル酸エステル共重合体(A)100重量部に対し2.2重量部添加している。モノマー(C)として、2−イソシアナートエチルメタクリレートを採用し、アクリル酸エステル共重合体(A)100重量部に対し0.11重量部添加している。また、架橋剤(D)として、東ソー社製 型番「コロネートHX」を採用し、アクリル酸エステル共重合体(A)100重量部に対し、0.088重量部添加している。光重合開始剤(E)として、BASFジャパン社製 型番「Irgacure184」を採用し、オリゴマー(B)とモノマー(C)との合計重量の1.0%添加している。
(粘着シートの作成)
A4サイズの基材シート(第1剥離シートに相当:ニッパ社製、型番:PET38X1-V0)上に、アプリケーターを用いて上記塗工液(粘着剤溶液)を塗工して粘着剤層を形成した後、乾燥炉(アドバンテック社製 型番:DRD620DA)で90℃にて5分間加熱・乾燥し、粘着剤層を半硬化させた。その後、第2剥離シート(東洋紡績社製 型番:E7006-38μm)を粘着剤層上に貼合して、実施例1に係る粘着シートサンプルを形成した。なお、粘着剤層の厚さは、半硬化状態で100μmとなるように構成している。
[実施例2]
実施例2に係る粘着シートサンプルは、上記実施例1におけるオリゴマー(B)の添加量を、アクリル酸エステル共重合体(A)100重量部に対し6.6重量部添加している点以外は、上記実施例1と同様にして作成した。
[実施例3]
実施例3に係る粘着シートサンプルは、上記実施例1におけるオリゴマー(B)の添加量を、アクリル酸エステル共重合体(A)100重量部に対し11重量部添加している点以外は、上記実施例1と同様にして作成した。
[比較例1]
比較例1に係る粘着シートサンプルは、上記実施例1におけるオリゴマー(B)の代わりに、モノマー(第一工業製薬製MF-101,官能基数:3)を添加して塗工液を構成している点以外は、上記実施例1と同様にして作成した。なお、モノマー(第一工業製薬製MF-101,官能基数:3)の添加量は、アクリル酸エステル共重合体(A)100重量部に対し11重量部としている。ここで、モノマー(第一工業製薬製MF-101,官能基数:3)は光硬化性モノマーであり、当該モノマーを含有する塗工液により構成される粘着剤層は、活性エネルギー線の照射により、モノマー(第一工業製薬製MF-101,官能基数:3)とモノマー(C)とが重合反応して硬化する。
次に、上記4種類の粘着シートサンプル(実施例1〜3、比較例1)を用いて行った確認試験(遅れ気泡等が発生するか否かについての確認試験)について以下説明する。
(試験用積層体の作成)
まず、各粘着シートサンプルから第1剥離シートを取り外した後、疑似カバーガラス(素ガラス板:厚さ0.7mm、サイズ60mm×120mm)に各粘着シートサンプルを積層し、ハンドローラーを用いて疑似カバーガラスと粘着シートの粘着剤層とを貼合して、粘着シート付き疑似カバーガラスを作成する。次いで、疑似カバーガラスと粘着シートとの間に気泡が残存していないことを確認した後、第2剥離シートを粘着剤層から取り外し、疑似LCDに貼り付け、確認試験の対象となる積層体を作製した。なお、疑似LCDは、厚さ0.7mmの素ガラス板に偏光板(サンリッツ社製 型番:HLC2-5610S)を貼合して作成した。また、偏光板上に粘着剤層が積層されるように粘着シート付き疑似カバーガラスを配置し、ハンドローラーを用いて疑似カバーガラス、粘着シートサンプル、及び、疑似LCDの積層体を形成し、オートクレーブ処理後(温度45℃、圧力0.6MPaの条件下で20分)、疑似カバーガラス、粘着シートサンプル、及び、疑似LCDの界面に気泡が残存していないことを確認した後、紫外線を照射して粘着シートにおける粘着剤層を完全硬化させて、積層体を構成する疑似カバーガラス、粘着シートサンプル、及び、疑似LCDを一体化した。また、疑似LCDのサイズは、疑似カバーガラスと同一となるように形成している。なお、紫外線の照射条件としては、積算光量が2000mJ/cmとなるように、高圧水銀ランプ紫外線照射機を用いて1PASSで照射した。
(確認試験内容)
環境試験装置を用いて、各粘着シートサンプルのそれぞれについて、6個のうち3個に対して、80℃×240時間の負荷を与え、残り3個に対して、60℃・90%R.H.×240時間の負荷を与えた後、各粘着シートサンプルを取り出して、目視により、いわゆる遅れ気泡等が発生しているか否かについて確認行った。目視による確認は、蛍光灯下で行った。
上記確認試験の結果を表1に示す。表1において、いわゆる遅れ気泡等の発生が確認されなかったものを○とし、僅かに遅れ気泡等が確認されるものの性能上問題ないと判断されるものを△とし、遅れ気泡等を明確に確認できるものを×としている。また、各粘着シートサンプルについて6個ずつ作成し、それぞれについて確認試験を行っているが、80℃×240時間の負荷を与えた3個のそれぞれを“サンプルA”“サンプルB”“サンプルC”とし、60℃・90%R.H.×240時間の負荷を与えた残りの3個をそれぞれ“サンプルD”“サンプルE”“サンプルF”として表1中に確認試験結果を記載している。
また、表1においては、各粘着シートサンプル(実施例1〜3、比較例1)の粘着シート特性(保持力、粘着力)についても併せて記載している。ここで、保持力とは、JIS Z 0237(2000)の保持力測定法に準じて測定した値である。各粘着シートサンプルは、形態保持のために厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼り合せた後、幅25mm、長さ60mmで切り出す。このPETフィルム付きの粘着シートサンプルを、縦方向に固定されたSUS板に25mm×25mmの範囲で貼着して、40℃環境下で1kg荷重を付与し、50,000秒後のずれ量を測定したものである。なお、50,000秒経過前に落下したものについては落下時間を測定値として記載している。また、保持力については、加熱して粘着シートサンプルを半硬化させた際の保持力と、紫外線を照射して完全硬化させた際の保持力のそれぞれを記載している。また、粘着力とは、JIS Z 0237(2000)の180度引きはがし粘着力測定法に準じ、剥離強度試験機を用いて180°剥離モードで強度測定した値であり、加熱して粘着シートサンプルを半硬化させた際の粘着力と、紫外線を照射して完全硬化させた際の粘着力のそれぞれを記載している。なお、粘着シートサンプルは、形態保持のために厚み25μmのPETフィルムを貼り合せている。被着体は厚み1.1mmのガラス板を使用した。
Figure 2017033236
上記表1から、本発明に係る粘着剤組成物により粘着剤層を形成した実施例1〜3については、性能上問題となるような遅れ気泡等を確認することはできなかったのに対し、オリゴマー(B)の代わりにモノマー(第一工業製薬製MF-101,官能基数:3)を添加して塗工液(粘着剤溶液)を調整した比較例1は、全てのサンプルA〜Fにおいて遅れ気泡等が明確に確認されることが分かる。このことから、光硬化性モノマーの代わりに光硬化性オリゴマー(オリゴマー(B))を用いて構成される本発明に係る粘着剤組成物によれば、完全硬化後に遅れ気泡等が発生することを極めて効果的に抑制できることが分かる。また、本発明に係る粘着剤組成物から形成した粘着剤層を有する粘着シートは、遅れ気泡等の発生を抑制できるものであることから耐久性に優れた粘着シートであるということもできる。また、比較例1は、紫外線照射後の完全硬化状態において、保持力は実施例1〜実施例3と同程度まで増加しているものの、実施例1〜実施例3と比較して粘着力が大幅に減少している。この粘着力の大幅な減少が遅れ気泡等の発生原因の一つであると推察される。
また、上記実施例1〜3に係る粘着シートサンプルは、紫外線照射前の半硬化状態において、保持力が7000〜10500[sec]程度を示すものであることから、凹凸に対する追従性も良好であるということが分かる。また、オリゴマー(B)の添加量が多いほど(実施例1<実施例2<実施例3)、紫外線照射前の半硬化状態での保持力が低くなっていることから、オリゴマー(B)の添加量を増加させるほど、凹凸に対する追従性が良好となる粘着剤組成物を得ることができることが分かる。なお、比較例1は、紫外線照射前の半硬化状態における保持力が1700[sec]程度と低いことから、凹凸に対する追従性が極めて良好であると認められるが、この比較例1に係る粘着シートでは、保管安定性や加工適性において不具合が発生するおそれがある。
以上の実施例1〜実施例3に関する確認試験結果から、本発明に係る粘着剤組成物は、半硬化状態において優れた凹凸追従性を粘着剤層が有するように構成することができ、凹凸部分に気泡が残存することを効果的に抑制することができるものであると認められる。また、完全硬化状態においては極めて高い保持力を有しつつ、適度な粘着力を有するように粘着剤層を構成することができることから、例えば、粘着シートを介してタッチパネルを表示装置の表示面に貼り付けて完全硬化させた後に、いわゆる遅れ気泡等が発生してしまうことを効果的に抑制できるものであると認められる。
本発明の上記目的は、架橋性官能基を有するアクリル酸エステル共重合体と、重合性不飽和基を2つ以上有するオリゴマーと、前記アクリル酸エステル共重合体と反応する官能基及び前記オリゴマーと反応する官能基を有するモノマーと、熱により前記アクリル酸エステル共重合体と反応する架橋剤と、活性エネルギー線の照射による重合反応を開始させる重合開始剤と、を含有し、前記モノマーは、水酸基と反応する有機官能基を有する(メタ)アクリロイル基含有モノマーであることを特徴とする粘着剤組成物により達成される。

Claims (7)

  1. 架橋性官能基を有するアクリル酸エステル共重合体と、
    重合性不飽和基を2つ以上有するオリゴマーと、
    前記アクリル酸エステル共重合体と反応する官能基及び前記オリゴマーと反応する官能基を有するモノマーと、
    熱により前記アクリル酸エステル共重合体と反応する架橋剤と、
    活性エネルギー線の照射による重合反応を開始させる重合開始剤と、を含有する粘着剤組成物。
  2. 前記モノマーは、水酸基と反応する有機官能基を有する(メタ)アクリロイル基含有モノマーである請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記オリゴマーは、ウレタン(メタ)アクリレートを含む請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
  4. 前記アクリル酸エステル共重合体は、カルボキシル基を含まない請求項1から3のいずれかに記載の粘着剤組成物。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の粘着剤組成物を加熱により1次架橋させた粘着剤層を備える粘着シート。
  6. 請求項5に記載の粘着シートを備えるタッチパネル。
  7. 請求項5に記載の粘着シートを備える表示装置。
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