JP6792569B2 - 粘着剤用組成物、粘着剤層および表面保護シート - Google Patents

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Description

本発明は、粘着剤用組成物、粘着剤層および表面保護シートに関する。
電子材料の貼着や、当該電子材料を用いた電子機器の製造工程で一時的に使用される表面保護シートの貼着には、(メタ)アクリルポリマーを主成分とする粘着剤が広く用いられている。
昨今の電子機器には、高温、高湿度の過酷環境下においても異常を生じることのない、高い耐久性および信頼性が求められている。このため、当該電子機器の構成部材となり得る粘着剤にも、過酷環境下での耐久性および信頼性が求められている。また、電子機器の製造工程で一時的に使用される表面保護シートの貼着に用いられる粘着剤においても、電子機器の製造工程での一時的な高温、高湿の環境下に耐えうる耐久性および信頼性が求められ、さらに、被着体から糊残りなく剥離され得る特性が強く求められている。
(メタ)アクリルポリマーで構成された粘着剤として、例えば、特許文献1には、特定のアクリル系ポリマーを含むポリマー成分と、ロジン系粘着付与樹脂またはテルペン系粘着付与樹脂とを含有する粘着剤層が開示されている。また、特許文献2には、特定の(メタ)アクリル酸エステル重合体と、多官能イソシアネート化合物とを含有する粘着剤用組成物からなる粘着剤層が開示されている。
しかしながら、これらの粘着剤は、過酷環境下における変性や接着力亢進に起因した糊残り(被着体の汚染)を生じることがある。
特開2015−110724号公報 国際公開第2014/192492号
本発明の課題は、過酷環境下でも変性や粘着力亢進を抑え、剥離の際に被着体への糊残り発生を防止する粘着剤層を形成可能な、粘着剤用組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、特定の(メタ)アクリルポリマーと、特定のイソシアネート化合物とを含有する粘着剤用組成物により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば以下の[1]〜[5]である。
[1] 式(a1)で表される構造を有し、かつ分子の両末端および分子鎖中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体分子(a)を含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定される重量平均分子量(Mw)が300,000〜600,000、分子量分布(Mw/Mn)が4.0以下であり、かつ水酸基価が4〜80mgKOH/gである(メタ)アクリルポリマー(A)と、1分子中のイソシアネート基数が2以上であるイソシアネート化合物(B)とを含有し、粘着剤層を形成した際のゲル分率が85質量%以上である粘着剤用組成物。
Figure 0006792569
[2] (メタ)アクリルポリマー(A)が、水酸基含有モノマーを含む重合性二重結合含有モノマーの可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合体である[1]に記載の粘着剤用組成物。
[3] (メタ)アクリル酸エステル重合体分子(a)が、式(A1−1)で表わされる重合体である[1]または[2]に記載の粘着剤用組成物。
Figure 0006792569
[式(A1−1)中、R1はそれぞれ独立に2価の有機基であり、(A)はそれぞれ独立に水酸基含有モノマーを含む重合性二重結合含有モノマーの重合体に由来する2価の基である。]
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の粘着剤用組成物から得られる粘着剤層。
[5] [4]に記載の粘着剤層を有する表面保護シート。
本発明によれば、過酷環境下でも変性や粘着力亢進を抑え、剥離の際に被着体への糊残り発生を防止する粘着剤層を形成可能な、粘着剤用組成物を提供することができる。
以下、本発明の粘着剤用組成物、粘着剤および表面保護シートを説明する。
なお、本明細書において、「重合体」とは単独重合体および共重合体を包含する意味で用い、また、「重合」とは単独重合および共重合を包含する意味で用いる。
また、アクリルおよびメタクリルを総称して「(メタ)アクリル」とも記載する。
〔粘着剤用組成物〕
本発明の粘着剤用組成物は、特定の(メタ)アクリル酸エステル重合体分子(a)(以下「重合体分子(a)」ともいう。)を含む特定の(メタ)アクリルポリマー(A)と、1分子中のイソシアネート基数が2以上であるイソシアネート化合物(B)(以下「多官能イソシアネート化合物(B)」ともいう。)とを含有する。
<(メタ)アクリルポリマー(A)>
(メタ)アクリルポリマー(A)は、重合体分子(a)を含む。
〈(メタ)アクリル酸エステル重合体分子(a)〉
重合体分子(a)は、式(a1)で表される構造を有し、かつ分子の両末端および分子鎖中に水酸基を有する。
Figure 0006792569
重合体分子(a)は、式(a1)で表される構造(以下「トリチオカーボネート構造」ともいう。)を有する。
重合体分子(a)は分子の両末端に水酸基を有するため、多官能イソシアネート化合物(B)との反応性に優れる。これは、分子末端に存在する水酸基の方が、分子鎖中に存在する水酸基よりも運動の自由度が高いため、イソシアネート基と近接する機会が多くなることに起因する。そして、このように反応性が高くなることから、重合体分子(a)が架橋構造に取り込まれやすく、その結果、得られた粘着剤層は、予期せずして遊離する重合体分子が少なくなるため、被着体への糊残り発生を防止することができると考えられる。また、重合体分子(a)が分子鎖中に水酸基を有することにより、粘着剤層の粘着力を適度な範囲内に調節することが可能となり、また、高温加熱後の粘着剤層の粘着力上昇を抑制することができる。
重合体分子(a)が有する分子鎖中の水酸基は、生産性の観点から、水酸基含有モノマーを含む重合性二重結合含有モノマーをランダム共重合することで導入されたものであることが好ましい。
重合体分子(a)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)は、好ましくは300,000〜600,000であり、より好ましくは320,000〜550,000、さらに好ましくは330,000〜500,000である。
重合体分子(a)の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは4.0以下であり、より好ましくは1.5〜3.8、さらに好ましくは1.8〜3.5である。
MwおよびMw/Mnは、例えば、実施例に記載の方法で測定することができる。
重合体分子(a)は、式(A1)で表される化合物(以下「化合物(A1)ともいう。)に、(メタ)アクリル酸エステル等の重合性二重結合含有モノマーを可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合法で重合させて得られる重合体であることが好ましい。
Figure 0006792569
式(A1)中、R1はそれぞれ独立に2価の有機基である。
化合物(A1)は、分子中にトリチオカーボネート構造を有し、分子の両末端に水酸基を有する。化合物(A1)は、例えば、特開2007−230947号公報記載の方法に従って合成することができる。前記構造を有する化合物(A1)を用いることで、有害な有機金属を含まずにテレケリック構造を形成することができる。
RAFT重合を行うことにより、分子中のトリチオカーボネート構造の両側にほぼ均等に重合性二重結合含有モノマーに由来する繰返し構造単位が結合し、分子の両末端に水酸基が結合した対称性の高い鎖状の重合体を得ることができる。
化合物(A1)としては、例えば、式(A2)で表される化合物(以下「化合物(A2)」ともいう。)、式(A3)で表される化合物(以下「化合物(A3)」ともいう。)が挙げられる。
化合物(A2)は、分子中にトリチオカーボネート構造を有し、分子の両末端に1つずつ水酸基を有する。化合物(A2)としては、例えば日本テルペン化学(株)製のRAFT−NTが挙げられる。
Figure 0006792569
式(A2)中、Xはそれぞれ独立に−COO−、−CONR3−または直接結合であり、R3はそれぞれ独立にアルキル基であり、当該アルキル基の炭素数は好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3であり;R2はそれぞれ独立にアルキレン基であり、当該アルキレン基の炭素数は好ましくは1〜12、より好ましくは1〜6であり;Arはそれぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基またはフェニレン基,ナフチレン基に含まれる芳香環水素の少なくとも1つを置換基に置き換えてなる基である。置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基が挙げられる。なお、Xにおいて−COO−および−CONR3−中のカルボニル基がArに結合するものとする。2つのXは同一の基であることが好ましく、2つのR2は同一の基であることが好ましく、2つのR3は同一の基であることが好ましく、2つのArは同一の基であることが好ましい。
化合物(A3)は、分子中にトリチオカーボネート構造を有し、分子の両末端に2つずつ水酸基を有する。化合物(A3)としては、例えば日本テルペン化学(株)製のRAFT−DiOHが挙げられる。
Figure 0006792569
式(A3)中、XおよびArは式(A2)中の同一記号と同義であり;R4はそれぞれ独立にアルキレン基であり、R5はそれぞれ独立に直接結合またはアルキレン基であり、これらのアルキレン基の炭素数は好ましくは1〜12、より好ましくは1〜6である。2つのXは同一の基であることが好ましく、2つのR4は同一の基であることが好ましく、2つのR5は同一の基であることが好ましく、2つのArは同一の基であることが好ましい。
化合物(A1)の具体例を以下に示す。
Figure 0006792569
RAFT重合において、化合物(A1)の存在下、重合性二重結合含有モノマーを重合させる。化合物(A1)の使用量は、重合性二重結合含有モノマーの総量100質量部に対して、通常0.05〜20質量部、好ましくは0.05〜10質量部である。化合物(A1)の使用量が前記範囲の下限値以上であれば反応制御が容易であり、前記範囲の上限値以下であれば得られる重合体の重量平均分子量を上記範囲に調整することが容易である。
例えば、化合物(A1)中の硫黄原子と当該硫黄原子に隣接するメチレン基との間に重合性二重結合含有モノマーが挿入するように反応して、式(A1−1)で表される重合体(以下「重合体(A1−1)」ともいう。)、具体例としては式(A2−1)または式(A3−1)で表される重合体(以下「重合体(A2−1)」「重合体(A3−1)」ともいう。)を生成する。
Figure 0006792569
式(A1−1)中、R1は式(A1)中の同一記号と同義であり、(A)はそれぞれ独立に水酸基含有モノマーを含む重合性二重結合含有モノマーの重合体に由来する2価の基(重合性二重結合含有モノマーの重合体鎖)である。
Figure 0006792569
式(A2−1)中、X、R2およびArは式(A2)中の同一記号と同義であり、(A)はそれぞれ独立に水酸基含有モノマーを含む重合性二重結合含有モノマーの重合体に由来する2価の基(重合性二重結合含有モノマーの重合体鎖)である。
Figure 0006792569
式(A3−1)中、X、R4、R5およびArは式(A3)中の同一記号と同義であり、(A)はそれぞれ独立に水酸基含有モノマーを含む重合性二重結合含有モノマーの重合体に由来する2価の基(重合性二重結合含有モノマーの重合体鎖)である。
式(A1−1)〜(A3−1)中の前記A(重合体由来の2価の基)は、重合性二重結合含有モノマーの共重合体構造であり、共重合体構造としては生産性の観点から重合性二重結合含有モノマーのランダム共重合体構造であることが好ましい。
式(A1−1)〜(A3−1)中の前記A(重合体由来の2価の基)において、重合性二重結合含有モノマー由来の繰返し構造単位数は、(メタ)アクリルポリマー(A)のMwが上記範囲となる数である。
重合体分子(a)は1種単独で、または2種以上を使用することができる。
(メタ)アクリルポリマー(A)は、重合体分子(a)に加え、重合体分子(a)以外の重合体をさらに含んでもよい。重合体分子(a)以外の重合体としては、例えば、RAFT重合で重合体分子(a)を製造する場合、RAFT重合の副生成物が挙げられる。
(メタ)アクリルポリマー(A)中の重合体分子(a)含有量は特に規定されず、(メタ)アクリルポリマー(A)中に重合体分子(a)が含まれていればよい。
(メタ)アクリルポリマー(A)は、水酸基含有モノマーを含む重合性二重結合含有モノマーのRAFT重合体であることが好ましい。
(メタ)アクリルポリマー(A)を形成するために使用する重合性二重結合含有モノマーは、前記重合体分子(a)を形成するために使用する重合性二重結合含有モノマーと、同一であることが好ましい。つまり、前記重合体分子(a)と、(メタ)アクリルポリマー(A)に含まれる前記重合体分子(a)以外の重合体とが、同一の重合性二重結合含有モノマーから形成された重合体であることが好ましい。
(メタ)アクリルポリマー(A)のGPCにより測定されるMwは、300,000〜600,000であり、好ましくは320,000〜550,000、より好ましくは330,000〜500,000である。Mwが前記範囲にあるアクリルポリマー(A)を用いることで、過酷環境下での変性や粘着力亢進を抑え、剥離の際に被着体への糊残り発生を防止することが可能な粘着剤層を得ることができる。
(メタ)アクリルポリマー(A)のMw/Mnは、4.0以下であり、好ましくは1.5〜3.8、より好ましくは1.8〜3.5である。Mw/Mnが前記範囲にある(メタ)アクリルポリマー(A)は分子量が均一であり低分子量体が少ないことから、得られる架橋体が耐熱性に優れるとともに、低温から高温条件での表面保護シート剥離時における低分子量体による被着体への糊残り発生を防止することができる。
MwおよびMw/Mnは、例えば、実施例に記載の方法で測定することができる。
なお、糊残り発生の防止効果は、例えば、表面保護シート貼着前および剥離後に、それぞれの被着体の水接触角を測定し、その変化が小さいことをもって評価することができる。
(メタ)アクリルポリマー(A)の水酸基価は、4〜80mgKOH/gであり、好ましくは7〜60mgKOH/g、より好ましくは10〜40mgKOH/gである。水酸基価は、例えば、実施例に記載の方法で測定することができる。(メタ)アクリルポリマー(A)の水酸基価が前記範囲内にあることにより、粘着剤層の粘着力を適度な範囲内に調節することが可能となる。また、高温加熱後の粘着剤層の粘着力上昇を抑制し、被着体への糊残り発生を防止することができる。
粘着剤用組成物中の(メタ)アクリルポリマー(A)の含有量は、粘着剤用組成物100質量%中、通常10〜95質量%である。
《重合性二重結合含有モノマー》
重合性二重結合含有モノマーを、例えば、RAFT重合することにより、重合体分子(a)を含む(メタ)アクリルポリマー(A)を得ることができる。重合性二重結合含有モノマーとして、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルおよび水酸基含有モノマーが用いられる。ただし、前記(メタ)アクリル酸エステルからは、水酸基含有(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、アミノ基含有(メタ)アクリレート等の官能基含有(メタ)アクリレートを除く。
そのほか、重合性二重結合含有モノマーとして、水酸基以外の官能基含有モノマーおよびこれら以外の共重合性モノマーから選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
<(メタ)アクリル酸エステル>
重合体分子(a)が、(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を有するために、重合性二重結合含有モノマーとして、(メタ)アクリル酸エステルが用いられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、脂環式基または芳香環含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートでのアルキル基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデカ(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、iso−ステアリル(メタ)アクリレート、ジデカ(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシメチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−エトキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
脂環式基または芳香環含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルは1種単独で、または2種以上を使用することができる。
(メタ)アクリル酸エステルの使用量は、全重合性二重結合含有モノマー100質量%に対して、通常70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
<水酸基含有モノマー>
重合体分子(a)が、分子鎖中に水酸基を有するために、重合性二重結合含有モノマーとして、水酸基含有モノマーが用いられる。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロシキブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
水酸基含有モノマーは1種単独で、または2種以上を使用することができる。
水酸基含有モノマーの使用量は、全重合性二重結合含有モノマー100質量%に対して、通常0.5〜15質量%、好ましくは1〜12質量%、より好ましくは3〜10質量%である。
<水酸基以外の官能基含有モノマー>
水酸基以外の官能基含有モノマーとしては、例えば、酸基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、窒素系複素環含有モノマー、シアノ基含有モノマーが挙げられる。酸基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、リン酸基、硫酸基が挙げられる。
酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸5−カルボキシペンチル、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマー;無水フタル酸、無水マレイン酸等の酸無水物基含有モノマー;側鎖にリン酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー等のリン酸基含有モノマー;側鎖に硫酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー等の硫酸基含有モノマーが挙げられる。
アミノ基含有モノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
アミド基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。窒素系複素環含有モノマーとしては、例えば、ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、ビニルカプロラクタムが挙げられる。シアノ基含有モノマーとしては、例えば、シアノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。
水酸基以外の官能基含有モノマーは1種単独で、または2種以上を使用することができる。
水酸基以外の官能基含有モノマーの使用量は、全重合性二重結合含有モノマー100質量%に対して、通常2質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下である。
<共重合性モノマー>
共重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、へキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレン等のアルキルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨウ化スチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレン等のスチレン系単量体、酢酸ビニルが挙げられる。
共重合性モノマーは1種単独で、または2種以上を使用することができる。
《重合開始剤》
RAFT重合は、重合開始剤の存在下に行うことが好ましい。重合開始剤としては、例えば、通常の有機系重合開始剤が挙げられ、具体的には、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。これらの中でも、アゾ化合物が好ましい。
アゾ化合物としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス(N,N'−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2'−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕、2,2'−アゾビス(イソブチルアミド)ジヒドレート、4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2'−アゾビス(2−シアノプロパノール)、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)が挙げられる。
重合開始剤は1種単独で、または2種以上を使用することができる。
重合開始剤の使用量は、重合性二重結合含有モノマー100質量部に対して、通常0.001〜2質量部、好ましくは0.002〜1質量部である。重合開始剤の使用量が前記範囲の下限値以上であれば反応制御が容易であり、前記範囲の上限値以下であれば(メタ)アクリルポリマー(A)の重量平均分子量を上記範囲に調整することが容易である。
《重合条件》
RAFT重合での反応温度は、通常60〜120℃、好ましくは70〜110℃であり、通常は窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行われる、この反応は常圧、加圧および減圧のいずれの条件で行うこともでき、通常は常圧で行われる。また、反応時間は通常1〜20時間、好ましくは2〜14時間である。重合条件については、例えば、特開2007−230947号公報および特開2011−52057号公報を参照することができる。
なお、RAFT重合は、反応溶媒を用いずに反応させることもできるが、必要により反応溶媒を使用してもよい。反応溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂環式炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、フェニルエチルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル類;クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で、または2種以上を使用することができる。
〈多官能イソシアネート化合物(B)〉
多官能イソシアネート化合物(B)は、1分子中のイソシアネート基数が2以上のイソシアネート化合物である。多官能イソシアネート化合物(B)の、1分子中のイソシアネート基数は、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜5である。イソシアネート基数が前記範囲にあると、重合体分子(a)とイソシアネート化合物との架橋反応効率の観点、および入手容易性の観点で好ましい。
1分子中のイソシアネート基数が2のジイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートが挙げられる。脂肪族ジイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の炭素数4〜30の脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。脂環族ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチルジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の炭素数7〜30の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルプロパンジイソシアネート等の炭素数8〜30の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
1分子中のイソシアネート基数が3以上のイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートが挙げられる。具体的には、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネートが挙げられる。
また、イソシアネート化合物としては、例えば、イソシアネート基数が2または3以上の上記イソシアネート化合物の、多量体(例えば2量体または3量体、ビウレット体、イソシアヌレート体)、誘導体(例えば、多価アルコールと2分子以上のジイソシアネート化合物との付加反応生成物)、重合物が挙げられる。前記誘導体における多価アルコールとしては、低分子量多価アルコールとして、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリトリトール等の3価以上のアルコールが挙げられ;高分子量多価アルコールとして、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールが挙げられる。
このようなイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートの3量体、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはトリレンジイソシアネートのビウレット体またはイソシアヌレート体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートまたはキシリレンジイソシアネートとの反応生成物(例えばトリレンジイソシアネートまたはキシリレンジイソシアネートの3分子付加物)、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物(例えばヘキサメチレンジイソシアネートの3分子付加物)、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネートが挙げられる。
多官能イソシアネート化合物(B)は、1種単独で、または2種以上を使用することができる。
粘着剤用組成物中の多官能イソシアネート化合物(B)の含有量は、(メタ)アクリルポリマー(A)100質量部に対して、好ましくは1〜15質量部、より好ましくは1.5〜12質量部、さらに好ましくは2〜10質量部である。化合物(B)の含有量が前記範囲にあると、得られる組成物の凝集性が低下することがなく、また得られる組成物の粘着物性のバランスに優れる。特に化合物(B)を前記下限値以上で使用すると、水酸基とイソシアネート基との反応率が向上し、充分に硬化するため粘着性能を発現することができるため好ましい。
〈添加剤〉
本発明の粘着剤用組成物は、上記成分のほか、さらに本発明の効果を損なわない範囲で、有機溶媒、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘着付与樹脂、可塑剤、消泡剤、充填剤、安定剤、軟化剤、および濡れ性調整剤から選択される1種または2種以上を含有してもよい。
有機溶媒としては、RAFT重合の《重合条件》の欄で説明した反応溶媒を用いることができる。例えば、RAFT重合で得られた、(メタ)アクリルポリマー(A)および反応溶媒を含むポリマー溶液と、多官能イソシアネート化合物(B)とを混合して粘着剤用組成物を調製することができる。本発明の粘着剤用組成物100質量%中、有機溶媒の含有量は、通常0〜90質量%であり、好ましくは10〜80質量%である。
〔粘着剤層〕
本発明の粘着剤用組成物から形成される粘着剤層は、上述の粘着剤用組成物を架橋することにより、具体的には(メタ)アクリル酸エステル重合体分子(a)を含む(メタ)アクリルポリマー(A)を多官能イソシアネート化合物(B)で架橋することにより得ることができる。このようにして得られる粘着剤層は、過酷環境下でも変性や粘着力亢進を抑え、剥離の際に被着体への糊残り発生を防止することができる。
粘着剤層の膜厚は、通常3〜100μm、好ましくは5〜50μmである。
粘着剤層は、偏光板の歪みの抑制、凝集力、接着力、再剥離性の向上観点から、ゲル分率が、85質量%以上、好ましくは90質量%、より好ましくは95質量%以上である。ゲル分率は、例えば、実施例に記載の方法で測定することができる。
粘着剤層の形成条件は、以下のとおりである。例えば、前記組成物を支持体上に塗布し、通常60〜120℃、好ましくは70〜110℃で、通常1〜5分間、好ましくは2〜4分間乾燥し、塗膜を形成する。
粘着剤層は、以下の条件で形成することが好ましい。前記組成物を支持体上に塗布し、上記条件で形成された塗膜上にカバーフィルムを貼付した後、通常3日以上、好ましくは7〜10日間、通常5〜60℃、好ましくは15〜40℃、通常30〜70%RH、好ましくは40〜70%RHの環境下で養生する。上記のような熟成条件で架橋を行うと、効率よく架橋体(ネットワークポリマー)の形成が可能である。
支持体およびカバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のプラスチック製フィルムが挙げられる。
〔表面保護シート〕
本発明の表面保護シートは、上述の粘着剤用組成物からなる粘着剤層を有する。この表面保護シートは、基材を有することが好ましく、粘着剤層上にセパレーターを有していてもよい。
粘着剤層の膜厚は、通常3〜100μm、好ましくは5〜50μmである。基材および保護フィルムの膜厚は、特に限定されないが、通常10〜100μm、好ましくは25〜50μmである。
基材およびセパレーターとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のプラスチック製フィルムが挙げられる。
粘着剤層の形成条件やゲル分率は、〔粘着剤層〕の欄に記載した条件と同様である。
本発明の表面保護シートは、例えば、電子材料を用いた電子機器等の製造工程で一時的に使用される表面保護シートとして用いることができる。
本発明の表面保護シートは、過酷環境下でも変性や粘着力亢進を抑え、剥離の際に被着体への糊残り発生を防止することができる粘着剤層を有しているため、電子機器の製造工程での一時的な高温、高湿の環境下に耐え得る耐久性および信頼性を有する。
本発明の表面保護シートは、おもに、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、表面伝導型電子放出素子(SED)ディスプレイなどの電子機器の表面等に貼着することにより、上記のような電子機器の表面を保護することができる。また、こうした電子機器を構成する偏光板、位相差板、液晶セル、透明電極板等の電子材料を構成する部品の表面に貼着してこれらの電子材料表面を保護することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の実施例等の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」を示す。
実施例における各測定値は、以下の方法により求めた。
〔重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)〕
(メタ)アクリルポリマーについて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、下記条件で標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
・測定装置:HLC-8120GPC(東ソー(株)製)
・GPCカラム構成:以下の5連カラム(すべて東ソー(株)製)
(1)TSK-GEL HXL-H (ガードカラム)
(2)TSK-GEL G7000HXL
(3)TSK-GEL GMHXL
(4)TSK-GEL GMHXL
(5)TSK-GEL G2500HXL
・サンプル濃度:1.0mg/cm3となるように、テトラヒドロフランで希釈
・移動相溶媒:テトラヒドロフラン
・流量:1.0cm3/min
・カラム温度:40℃
〔水酸基価測定〕
水酸基価は、JIS K0070法に準拠し、無水酢酸によりポリマー溶液に含まれる(メタ)アクリルポリマーの水酸基をアセチル化した後、ポリマー溶液内の過剰の酢酸を水酸化カリウムで中和滴定した。得られた値を加熱残分で除し、(メタ)アクリルポリマーの水酸基価を求めた。
〔加熱残分測定〕
精秤したブリキシャーレ(質量:n1)に(メタ)アクリルポリマー溶液1gを入れ、合計質量(n2)を精秤した後、105℃で3時間加熱した。その後、当該ブリキシャーレを室温のデシケータ内に1時間静置し、次いで再度精秤し、加熱後の合計質量(n3)を測定した。得られた質量測定値(n1〜n3)を用いて、下記式から加熱残分を算出した。
加熱残分(質量%)=100×[加熱後質量(n3−n1)/加熱前質量(n2−n1)]
<(メタ)アクリルポリマー>
[製造例A1]
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、n−ブチルアクリレート44.9部、2−エチルヘキシルアクリレート50部、4−ヒドロキシブチルアクリレート5部、アクリル酸0.1部およびビス[4−{エチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノカルボニル}−ベンジル]トリチオカーボネート(日本テルペン化学(株)製)(以下「RAFT剤−1」ともいう。)0.15部を仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコの内容物を80℃に加熱した。
RAFT剤が溶解したことを目視で確認した後、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.02部を攪拌下にフラスコ内に添加し、フラスコ内の内容物の温度を80℃に維持できるように加熱および冷却を1時間行った。次いで、フラスコ内の内容物の温度を80℃に保ったまま酢酸エチル65部を1時間かけて滴下し、その後もフラスコ内の内容物の温度を80℃に維持できるように加熱および冷却を10時間行い、最後に酢酸エチル20部を添加した。
以上のようにして、アクリルポリマー(A1)を含むポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液に含まれるアクリルポリマー(A1)についてGPCにより測定した分子量は、Mw:360,000、Mw/Mn:3.0であり、水酸基価は18.0mgKOH/gであった。得られたポリマー溶液の加熱残分は53質量%であった。
[製造例A2〜A5およびB1〜B4]
製造例A1において、配合組成を表1に記載したとおりに変更したこと以外は製造例A1と同様にして、アクリルポリマーA2〜A5またはB1〜B4を含むポリマー溶液を得た。なお、製造例A5では、酢酸エチルは、フラスコ内の内容物の温度を80℃に保ったまま1時間かけて80部滴下し、最後に20部添加した。
表1に記載の各成分は以下に示すとおりである。
BA:n−ブチルアクリレート
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
2−HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
AA:アクリル酸
RAFT剤−1:ビス[4−{エチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノカルボニル}−ベンジル]トリチオカーボネート
RAFT剤−2:S,S−ジベンジルトリチオカーボネート
<粘着剤用組成物および表面保護シート>
[実施例1]
上記で得られたアクリルポリマー(A1)を含むポリマー溶液と、イソシアネート化合物としてY−75(綜研化学社製、ヘキサメチレンジイソシアネート系架橋剤、1分子中のイソシアネート基数約3)とを、アクリルポリマー(A1)100部に対するY−75の配合量が7部となる割合(固形分比)で混合し、粘着剤用組成物を得た。
粘着剤用組成物を、泡抜け後、ドクターブレードを用いてポリエチレンテレフタレート(PET)セパレーター(商品名:セラピールMFA;東レフィルム(株)製)に乾燥膜厚が25μmとなるよう塗工し、直ぐに80℃で3分間乾燥することで、PETセパレーター上に塗膜を形成した。前記乾燥後、塗膜のPETセパレーターとは反対側表面に厚さ25μmのPETフィルムを貼付し、室温23℃、湿度65%の条件下、7日間静置することで、PETセパレーター/粘着剤層/PETフィルムからなる表面保護シートを得た。
[実施例2〜6および比較例1〜5]
実施例1において、配合組成を表1に記載したとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤用組成物および表面保護シートを得た。
<評価>
〔ゲル分率〕
実施例等で得られた粘着剤層約0.1gをサンプリング瓶に採取し、酢酸エチル30mLを加えて4時間振盪した後、このサンプル瓶の内容物を200メッシュのステンレス製金網で濾過し、金網上の残留物を100℃で2時間乾燥して乾燥質量を測定した。次式により、粘着剤層のゲル分率を求めた。
ゲル分率(質量%)=(乾燥質量/粘着剤層採取質量)×100(%)
〔粘着力上昇比〕
実施例等で得られた表面保護シートを幅25mmに裁断した後、PETセパレーターを剥離し、露出した粘着剤塗工面を2kgのローラーを用いて厚さ1mmガラス板に圧着、貼付し、試験片とした。貼付から20分後に、23℃、50%RH環境下で、剥離角度180°剥離速度30m/分にてガラス板から表面保護シートを剥離し、初期粘着力を測定した。
同じ条件で作成した試験片を150℃/dryのオーブン中に1時間静置し、徐熱後、初期粘着力と同様の条件で加熱後粘着力を測定した。
上記「加熱後粘着力」を「初期粘着力」で除し、粘着力上昇比を算出した。結果を表1に示す。表1中、「NG」は粘着力が高く剥離が不可能であり、粘着力測定ができなかったことを示す。また、粘着上昇比が4.0以下のものを合格(AA)、それ以外のものを不合格(CC)とした。
〔水接触角差〕
実施例等で得られた表面保護シートを50mm×50mmの大きさに裁断し、試験片を2枚作製した。一方の試験片のPETセパレーターを剥離し、支持体に固定された被着PETフィルム(ダイヤホイル T680E100:三菱樹脂社製)の易接着処理が施されていない面に貼り付け、2kgのローラーで3往復して圧着した。20分間静置後、試験片を前記被着PETフィルムから剥離して、シリンジに充填したイオン交換水を流量1μL、流速0.5μL/sで露出した被着PETフィルム表面に滴下し、23℃にて接触角計(dataphysics社製OCA15EC)により被着PETフィルムの接触角を測定した(初期接触角)。
もう一方の試験片は、PETセパレーターを剥離し、支持体に固定された被着PETフィルム(ダイヤホイル T680E100:三菱樹脂社製)の易接着処理が施されていない面に貼り付け、2kgのローラーで3往復して圧着した。20分間静置後、150℃で1時間熱処理した。さらに23℃で1時間静置後、試験片を被着PETフィルムから剥離して、シリンジに充填したイオン交換水を流量1μL、流速0.5μL/sで露出した被着PETフィルム表面に滴下し、23℃にて接触角計により被着PETフィルムの接触角を測定した(熱処理後接触角)。
「初期接触角」と「熱処理後接触角」との差の絶対値を表1に示す。差の絶対値が5.0以下のものを合格(AA)、それ以外のものを不合格(CC)とした。
Figure 0006792569

Claims (5)

  1. 式(a1)で表される構造を有し、かつ分子の両末端および分子鎖中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体分子(a)を含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定される重量平均分子量(Mw)が300,000〜600,000、分子量分布(Mw/Mn)が4.0以下であり、かつ水酸基価が4〜80mgKOH/gである(メタ)アクリルポリマー(A)と、
    1分子中のイソシアネート基数が2以上であるイソシアネート化合物(B)と
    を含有し、粘着剤層を形成した際のゲル分率が85質量%以上である粘着剤用組成物。
    Figure 0006792569
  2. (メタ)アクリルポリマー(A)が、水酸基含有モノマーを含む重合性二重結合含有モノマーの可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合体である請求項1に記載の粘着剤用組成物。
  3. (メタ)アクリル酸エステル重合体分子(a)が、式(A1−1)で表わされる重合体である請求項1または2に記載の粘着剤用組成物。
    Figure 0006792569
    [式(A1−1)中、R1はそれぞれ独立に2価の有機基であり、(A)はそれぞれ独立に水酸基含有モノマーを含む重合性二重結合含有モノマーの重合体に由来する2価の基である。]
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着剤用組成物から得られる粘着剤層。
  5. 請求項4に記載の粘着剤層を有する表面保護シート。
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