JP6529070B2 - 粘着剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無溶剤型粘着剤組成物、粘着剤および粘着剤の製造方法に関する。
特に、厚膜の粘着剤層を形成する場合であっても、成分分布の均一性に優れた粘着剤層を安定的に得ることができ、ひいては耐ブリスター性に優れた粘着剤層を安定的に得ることができる無溶剤型粘着剤組成物、それを硬化してなる粘着剤およびそのような粘着剤の製造方法に関する。
従来、静電容量式タッチパネルでは、通常、導電性パターン層の視認側に、ハードコートフィルムを介してトッププレートとしてのガラス板やアクリル板を積層する。
このとき、ハードコートフィルムと導電性パターン層等との接着は、リワーク性や貼合の容易性等の観点から、積層面の外周部にのみ粘着剤層を設け、ハードコートフィルムと導電性パターン層との間には、エアギャップが形成される場合が多い。
しかしながら、かかるエアギャップがハードコートフィルムや導電性パターン層等との間に屈折率差を発生させることにより、光の散乱による輝度・コントラストの低下を招き、画面の視認性が低下しやすくなるという問題が見られた。
そこで、近年、ハードコートフィルムと導電性パターン層との積層面の全面に光学透明粘着剤(OCA)からなる厚膜の層を設け、エアギャップを充填する技術が採用され始めている。
一方、かかる厚膜のOCA層を形成するに際して、溶剤型の粘着剤組成物を用いた場合、溶剤を乾燥させる工程で溶剤に起因した気泡が発生し、OCA層の光学特性が低下するという問題が生じる。
そのため、溶剤型の粘着剤組成物によって厚膜の層を形成する際は、一度薄膜として塗工することで気泡の無い粘着剤層を形成した後に、それを複数回にわたって積層するという煩瑣な工程を必須とする。
他方、無溶剤型の粘着剤組成物を用いた場合には、乾燥工程に起因する気泡の発生を慮ることなく、一度のラインで厚膜の粘着剤層を形成することができる。
したがって、厚膜のOCA層を形成するに際しては、無溶剤型の粘着剤組成物(以下、「無溶剤型粘着剤組成物」と称する場合がある。)が好ましく用いられる。
しかしながら、無溶剤型粘着剤組成物は、重合性ビニルモノマー等を熱または光を用いて反応させて硬化し、粘着剤層を形成する。
このため、重合温度や重合時間の管理によって、精巧に、または、よく制御されて重合されたポリマーが、最初から溶剤に溶解されている溶剤型の粘着剤組成物と異なり、粘着剤層を構成するポリマー成分の分子量等が不均一になりやすく、ひいては粘着剤層における成分分布が重合の急激な進行に伴って不均一になりやすいという問題が見られた。
特に、無溶剤型粘着剤組成物の代表例である紫外線硬化型の無溶剤型粘着剤組成物においては、紫外線照射前後で塗膜内の成分分布が不均一化することが一般的であり、その原因として、塗膜中の組成物の対流現象、塗膜の深さによる紫外線強度と波長分布の変化等が挙げられることが開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
その結果、粘着剤層において、応力の局所的な集中が生じやすくなるものと考えられ、ひいては被着体等から発生するアウトガスにより、粘着剤層と被着体との界面に気泡が発生する現象(以下、「ブリスター」と称する場合がある。また、「ブリスター」を抑制する性能を「耐ブリスター性」と称する場合がある。)を効果的に抑制することが困難になるという問題が見られた。
そこで、無溶剤型粘着剤組成物を、重合容器内にて溶剤を使用せずに途中まで予備重合してから重合を停止させ、その後に添加剤等を追加してから塗布工程へ進み、塗布後に硬化反応をさせることで粘着剤層を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、特許文献1には、次に示す成分(a−1)〜(a−3)
(a−1)アルキル(メタ)アクリレート 40〜92重量%
(a−2)水酸基含有モノマー 5〜20重量%
(a−3)水溶性N置換アクリルアミド 3〜25重量%
を含有し、かつ酸性基含有モノマーを実質的に含有しないモノマー群(A)(全モノマーを100重量%とする)またはその部分重合物(A´)100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤および/または多官能モノマー(B)0.01〜2重量部ならびに光重合開始剤(C)0.1〜2重量部を含有することを特徴とする光重合粘着剤が開示されている。
また、実施例において、連鎖移動剤であるノルマルドデシルメルカプタンを用いた予備重合を行い、得られた予備重合物に対してさらに重合性モノマー等を加えた後に基材に対して塗布し、光硬化させ、光重合粘着剤を得たことが記載されている。
また、可逆的付加開裂連鎖移動剤(Reversible Addition/Fragmentation Chain Transfer agent)(以下、「RAFT剤」と称する場合がある。)を利用して高分子鎖の末端に反応性官能基を導入しつつ無溶剤下で予備重合を行い、塗布工程に適さない程の高粘度に達する前に重合を中断してテレケリックポリマーを得た後、テレケリックポリマーと反応し得る二官能性の化合物を混合してから塗布工程に進み、塗布後の養生期間中に、テレケリックポリマーの各々の末端官能基と二官能性の化合物が結合することにより、テレケリックポリマーと二官能性の化合物とが交互に連結され、結果的に分子量の大きな高分子を塗布した場合と同等の粘着剤層を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
すなわち、特許文献2には、重量平均分子量(Mw)が4,000〜50,000の範囲内にあり、分子量分布(Mw/Mn)が1.10〜1.60の範囲内にあり、分子の両末端が水酸基である(メタ)アクリル系テレケリックポリマー(A)と、重量平均分子量が350以上で、かつ原子数4〜18の長鎖部位を有する二官能イソシアネート系硬化剤(B)とを含む混合物を剥離性基材に塗布し、剥離基材面で反応させてなる、不揮発分が60〜100%であることを特徴とする粘着剤組成物が開示されている。
また、上述した(メタ)アクリル系テレケリックポリマーを、リビングラジカル制御剤の一種であるRAFT剤を用いたリビングラジカル重合により熱硬化することが記載されている。
特開2013−256552号公報(特許請求の範囲) 特開2014−9340号公報(特許請求の範囲)
発行者:福島邦彦「UV硬化プロセスの最適化[新装版]」サイエンス&テクノロジー株式会社出版、2012年2月28日、p97〜98
しかしながら、特許文献1に開示された光重合粘着剤は、予備重合物を得た上で、重合性モノマー等をさらに加えて光硬化させており、当該光硬化の段階では何ら重合の制御を行っていないことから、得られる粘着剤層における最終的な成分分布を十分に制御することができておらず、耐ブリスター性も十分ではないという問題が見られた。
さらに、粘着剤組成物を製造する工程が、予備重合物を得る工程と、得られた予備重合物に対して重合性モノマー等を加える工程と、に分かれているため、製造工程が煩雑になるという問題も見られた。
また、特許文献2に開示された粘着剤組成物は、分子量分布が比較的均一な、両末端に水酸基を有する所定のテレケリックポリマーをRAFT重合により得て、使用している。
しかし、粘着剤層を形成するには、所定の二官能イソシアネート系硬化剤により熱架橋させる必要がある。
すなわち、当該粘着剤組成物は、比較的高分子量のテレケリックポリマーと所定の二官能イソシアネート系硬化剤を溶剤中に均一に分散させる必要がある。
そのため、無溶剤型粘着剤組成物とすることが困難であるという問題が見られた。
加えて、所定の二官能イソシアネート系硬化剤による熱架橋反応が完結するまでの、数日から一ヶ月程度にわたる養生期間を経るまで、所望の粘着剤層を得ることができないという問題が見られた。
さらに、粘着剤組成物を製造する工程が、所定のテレケリックポリマーを得る工程と、得られた所定のテレケリックポリマーに対して所定の二官能イソシアネート系硬化剤を加える工程と、に分かれているため、製造工程が煩雑になるという問題も見られた。
そこで、本発明者等は、以上のような事情に鑑み、鋭意努力したところ、重合性ビニルモノマー等の重合成分を、リビングラジカル制御剤を用いてリビングラジカル重合させることにより、厚膜の粘着剤層を形成する場合であっても、成分分布の均一性に優れた粘着剤層を安定的に得ることができることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の目的は、厚膜の粘着剤層を形成した場合であっても、成分分布の均一性に優れた粘着剤層を得ることができ、ひいては耐ブリスター性に優れた粘着剤層を安定的に得ることができる無溶剤型粘着剤組成物、それを硬化してなる粘着剤およびそのような粘着剤層の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、下記(a)〜(c)成分を含むことを特徴とする無溶剤型粘着剤組成物が提供され、上述した問題を解決することができる。
(a)重合性ビニルモノマー、重合性ビニルプレポリマー、多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも一種 100重量部
(b)ラジカル開始剤 0.1〜10重量部
(c)リビングラジカル制御剤 0.01〜20重量部
すなわち、本発明の無溶剤型粘着剤組成物であれば、重合性ビニルモノマー等の重合成分を、リビングラジカル制御剤を用いてリビングラジカル重合させることにより、厚膜の粘着剤層を形成する場合であっても、成分分布の均一性に優れた粘着剤層を安定的に得ることができる。
すなわち、重合性ビニルモノマー等の重合成分をリビングラジカル重合させて硬化し、直接的に最終的な粘着剤層を形成することにより、成分分布の均一性に優れた粘着剤層を安定的に得ることができる。
これにより、粘着剤層における応力の局所的な集中を効果的に抑制することができるものと推定され、結果として、耐ブリスター性に優れた粘着剤層を安定的に得ることができる。
また、重合性ビニルモノマー等の重合成分をリビングラジカル重合させて硬化することにより、直接的に最終的な粘着剤層を形成することから、粘着剤組成物を製造する工程を複数工程に分ける必要が無く、1工程で行うことができる。
また、無溶剤型粘着剤組成物であることから、厚膜の粘着剤層を形成した場合であっても、溶剤型粘着剤組成物のように溶剤の乾燥工程において気泡が発生し、粘着剤層の光学特性が低下することを根本的に抑制することができる。
なお、本発明におけるリビングラジカル制御剤とは、重合成分を重合させてポリマーを成長させるに際し、全ての生長末端が少しずつ交代しながら重合が進むように反応を制御して、所謂リビングラジカル重合としての反応を進めることに寄与する化合物を意味する。
また、本発明の無溶剤型粘着剤組成物は、硬化により粘着剤を得るための粘着剤原料である。
また、本発明の無溶剤型粘着剤組成物を構成するにあたり、(c)成分としてのリビングラジカル制御剤を、RAFT剤および解離−結合型制御剤、あるいはいずれか一方とすることが好ましい。
このように構成することにより、より穏和にリビングラジカル重合を進めることができることから、厚膜の粘着剤層を形成する場合であっても、成分分布の均一性に優れた粘着剤層をより安定的に得ることができる。
また、本発明の無溶剤型粘着剤組成物を構成するにあたり、(c)成分としてのRAFT剤を、ジチオエステル、トリチオカーボネート、キサンテートおよびジチオカルバメートからなる群から選択される少なくとも一種とすることが好ましい。
このように構成することにより、より穏和にリビングラジカル重合を進めることができることから、厚膜の粘着剤層を形成する場合であっても、成分分布の均一性に優れた粘着剤層をより安定的に得ることができる。
また、本発明の無溶剤型粘着剤組成物を構成するにあたり、(c)成分としての解離−結合型制御剤を、金属アセチルアセトナートおよび安定ニトロキシドラジカル、あるいはいずれか一方とすることが好ましい。
このように構成することにより、より穏和にリビングラジカル重合を進めることができることから、厚膜の粘着剤層を形成する場合であっても、成分分布の均一性に優れた粘着剤層をより安定的に得ることができる。
また、本発明の無溶剤型粘着剤組成物を構成するにあたり、(b)成分としてのラジカル開始剤を、光ラジカル開始剤とすることが好ましい。
このように構成することにより、より容易に無溶剤型粘着剤組成物として構成することができるばかりか、無溶剤型粘着剤組成物を硬化させるにあたり、熱を加える必要が無くなるため、無溶剤型粘着剤組成物の塗布対象としてのプラスチック基材等の熱劣化を防ぐことができる。
また、非特許文献1に開示されているように、活性エネルギー線照射前後で塗膜内の成分分布が不均一化することが一般的であるが、本発明であれば光ラジカル開始剤を用いた活性エネルギー線の照射による光硬化を行った場合であっても、かかる成分分布の不均一化の問題を効果的に解決することができる。
また、本発明の別の態様は、下記(a)〜(c)成分を含む無溶剤型粘着剤組成物を硬化してなることを特徴とする粘着剤である。
(a)重合性ビニルモノマー、重合性ビニルプレポリマー、多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも一種 100重量部
(b)ラジカル開始剤 0.1〜10重量部
(c)リビングラジカル制御剤 0.01〜20重量部
すなわち、本発明の粘着剤であれば、所定の無溶剤型粘着剤組成物を硬化してなることから、優れた耐ブリスター性を得ることができる。
また、粘着剤層中に気泡が発生し、粘着剤層の光学特性が低下することを根本的に抑制することができる。
また、本発明の粘着剤を構成するにあたり、シート状であるとともに、膜厚を3〜600μmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、通常、厚膜になるほど低下しやすくなる耐ブリスター性を、膜厚の変化に依らず安定的に維持することができるとともに、様々な厚みのエアギャップを埋めることができる。
また、本発明のさらに別の態様は、無溶剤型粘着剤組成物を硬化してなる粘着剤の製造方法であって、下記工程(A)〜(C)を含むことを特徴とする粘着剤の製造方法である。
(A)下記(a)〜(c)成分を含む無溶剤型粘着剤組成物を準備する工程
(a)重合性ビニルモノマー、重合性ビニルプレポリマー、多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも一種 100重量部
(b)ラジカル開始 0.1〜10重量部
(c)リビングラジカル制御剤 0.01〜20重量部
(B)プラスチック基材に対し、無溶剤型粘着剤組成物を塗布し、塗布層を形成する工程
(C)塗布層を硬化して粘着剤とする工程
すなわち、本発明の粘着剤の製造方法であれば、所定の無溶剤型粘着剤組成物を用いることから、耐ブリスター性に優れた粘着剤層を安定的に得ることができる。
また、粘着剤層中に気泡が発生し、粘着剤層の光学特性が低下することを根本的に抑制することができる。
また、本発明の粘着剤の製造方法を実施するにあたり、工程(C)における塗布層の硬化を、活性エネルギー線の照射により行うことが好ましい。
このように実施することにより、無溶剤型粘着剤組成物を硬化させるにあたり、熱を加える必要が無くなるため、プラスチック基材等の劣化、並びに熱収縮を防ぐことができる。
また、本発明の粘着剤組成物の製造方法を実施するにあたり、工程(C)が、下記工程(C1)〜(C3)を含むことが好ましい。
(C1)塗布層に対して活性エネルギー線を照射して、塗布層を予備硬化させ、予備硬化塗布層とする工程
(C2)予備硬化塗布層に対し、ラミネート基材を積層する工程
(C3)ラミネート基材が積層された状態の予備硬化塗布層に対し、活性エネルギー線を照射して、予備硬化塗布層を本硬化させる工程
このように実施することにより、工程(C1)と、工程(C2)、(C3)との間に、重合反応の進行に伴って発生する塗布層内の収縮応力が緩和または解消される余地を与えることができる。
図1(a)〜(d)は、本発明の粘着剤の製造方法を説明するために供する図である。 図2は、本発明の粘着剤の適用例を説明するために供する図である。 図3(a)〜(b)は、実施例1および比較例1の粘着剤層におけるIRスペクトルである。 図4は、実施例3の粘着剤層におけるIRスペクトルである。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態は、下記(a)〜(c)成分を含むことを特徴とする無溶剤型粘着剤組成物である。
(a)重合性ビニルモノマー、重合性ビニルプレポリマー、多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも一種 100重量部
(b)ラジカル開始剤 0.1〜10重量部
(c)リビングラジカル制御剤 0.01〜20重量部
以下、本発明の第1の実施形態である無溶剤型粘着剤組成物を、図面を適宜参照して、具体的に説明する。
1.(a)成分:重合成分
本発明の無溶剤型粘着剤組成物は、重合成分である(a)成分として、重合性ビニルモノマー、重合性ビニルプレポリマー、多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする。
この理由は、これらの重合成分をリビングラジカル重合させて硬化し、直接的に最終的な粘着剤層を形成することにより、成分分布の均一性に優れた粘着剤層を安定的に得ることができるためである。
(1)重合性ビニルモノマー
重合性ビニルモノマーとしては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを適宜使用することができる。
例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチルおよび(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、ポリオキシアルキレン変性(メタ)アクリレート等の分子内に官能基を有さない(メタ)アクリル酸エステルを含むことが好ましい。
また、分子内に官能基を有する重合性ビニルモノマーを含むことも好ましい。
例えば、官能基として水酸基、カルボキシル基、三級アミノ基、アミド基の少なくとも1種を含むことが好ましく、具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアクリルアミド類;N−N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルフォリン、(メタ)アクリル酸N−N−ジエチルアミノエチル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸等が挙げられる。
また、その他の重合性ビニルモノマーとして、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類;塩化ビニル、ビニリデンクロリド等のハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系単量体、N−ビニルピロリドン等のアミド系単量体等が挙げられる。
なお、本発明における重合性ビニルモノマーとは、単官能の重合性ビニルモノマーを意味し、後述する多官能(メタ)アクリレートモノマーとは重複しない。
(2)重合性ビニルプレポリマー
また、重合性ビニルプレポリマーとしては、上述した重合性ビニルモノマーを重合してなる重合性ビニルプレポリマーを使用することが好ましい。
この理由は、このような重合性ビニルプレポリマーであれば、無溶剤型粘着剤組成物を塗布して塗布層を形成するに際し、容易に適切な粘度に調節することができるためである。
なお、重合性ビニルプレポリマーを重合するに際しては、上述した重合性ビニルモノマーのうち、1種単独を重合してもよいし、複数種を選択して共重合してもよい。
また、重合性ビニルプレポリマーは、フリーラジカル重合によるものでも、リビング重合によるものでもよく、特にRAFT末端を残した重合体であってもよい。
また、重合性ビニルプレポリマーの重量平均分子量を6,000〜1,500,000の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、重合性ビニルプレポリマーの重量平均分子量が6,000未満の値となると、無溶剤型粘着剤組成物の粘度を上昇させる効果を得ることが困難になる場合があるためである。一方、重合性ビニルプレポリマーの重量平均分子量が1,500,000を超えた値となると、希釈成分を多量に添加しなければ平滑な塗膜が得られない程、無溶剤型粘着剤組成物の粘度が上昇してしまう場合があるためである。
したがって、重合性ビニルプレポリマーの重量平均分子量を7,500〜1,000,000の範囲内の値とすることがより好ましく、10,000〜100,000の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)多官能(メタ)アクリレートモノマー
また、多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを適宜使用することができる。
特に、一分子中に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有するモノマーを好ましく挙げることができ、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジ(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ビス(アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、ε―カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(4)多官能(メタ)アクリレートオリゴマー
また、一分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートオリゴマーを用いることも好ましく、具体的には、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリブタジエンアクリレート系、シリコーンアクリレート系等が挙げられる。
ここで、ポリエステルアクリレート系オリゴマーとしては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
エポキシアクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシアクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシアクリレートオリゴマーも用いることができる。
ウレタンアクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリアルキレンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、水酸基末端を有する水添イソプレン、水酸基末端を有する水添ブタジエン等とポリイソシアナートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸誘導体で修飾することにより得ることができ、ポリオールアクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
また、上述した多官能(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、GPC法で測定した標準ポリスチレン換算の値で、10,000〜350,000の範囲内の値とすることが好ましく、20,000〜200,000の範囲内の値とすることがより好ましい。
(5)配合量
また、重合成分である(a)成分の配合量は、無溶剤型粘着剤組成物における諸成分の配合量の基準となるため、(a)成分の合計配合量を100重量部とする。
したがって、例えば、1種類の重合性ビニルモノマーのみを(a)成分として用いた場合には、かかる1種類の重合性ビニルモノマーの配合量を100重量部とし、2種類の重合性ビニルモノマーを(a)成分として用いた場合には、かかる2種類の重合性ビニルモノマーの合計配合量を100重量部とする。
また、重合性ビニルモノマーを、重合性ビニルプレポリマーや多官能(メタ)アクリレートモノマーまたは多官能(メタ)アクリレートオリゴマーと併用する場合には、それらの合計配合量を100重量部とする。
また、特に、重合性ビニルモノマーと、多官能(メタ)アクリレートオリゴマーを併用することが好ましい。
この理由は、多官能成分を含むことにより、得られる粘着剤層の凝集力が向上し、耐ブリスター性により優れた粘着剤を得ることができるためである。
また、この場合には、重合性ビニルモノマー:多官能(メタ)アクリレートオリゴマーの重量比を99.9:0.1〜15:85の範囲内の値とすることが好ましく、95:5〜50:50の範囲内の値とすることがより好ましく、90:10〜60:40の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
2.(b)成分:ラジカル開始剤
(1)種類
本発明の無溶剤型粘着剤組成物は、(b)成分としてラジカル開始剤を含むことを特徴とするが、その種類は特に制限されるものではなく、従来公知のものを適宜使用することができる。
また、無溶剤型粘着剤組成物を硬化させる態様により、加熱によりラジカルを発生させる化合物である熱ラジカル開始剤を用いてもよいし、活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生させる化合物である光ラジカル開始剤を用いてもよい。
また、熱ラジカル開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリウム等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等を用いることが好ましい。
また、光ラジカル開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸エステル、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等を用いることが好ましい。
また、上述した熱ラジカル開始剤および光ラジカル開始剤のうち、特に光ラジカル開始剤を用いることが好ましい。
この理由は、光ラジカル開始剤を用いることにより、より容易に無溶剤型粘着剤組成物として構成することができるばかりか、無溶剤型粘着剤組成物を硬化させるにあたり、熱を加える必要が無くなるため、無溶剤型粘着剤組成物の塗布対象としてのプラスチック基材等の熱劣化、並びに熱収縮を防ぐことができるためである。
また、無溶剤型粘着剤組成物中の揮発成分を加熱によって失うことなく硬化させることができるためである。
(2)配合量
また、ラジカル開始剤の配合量を、重合成分である(a)成分100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、ラジカル開始剤の配合量が0.1重量部未満の値となると、硬化が不十分になって液状を呈したままとなる場合があるためである。一方、ラジカル開始剤の配合量が10重量部を超えた値となると、硬化後の粘着剤中に未反応の開始剤や、その分解物が過度に含有されることになり、物性を損なう場合があるためである。
したがって、ラジカル開始剤の配合量を、重合成分である(a)成分100重量部に対して、0.3〜5重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜3重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
3.(c)成分:リビングラジカル制御剤
本発明の無溶剤型粘着剤組成物は、リビングラジカル制御剤を含むことを特徴とする。
ここで、本発明において、リビングラジカル制御剤とは、重合成分を重合させてポリマーを成長させるに際し、全ての生長末端が少しずつ交代しながら重合が進むように反応を制御して、所謂リビングラジカル重合としての反応を進めることに寄与する化合物を意味する。
このため、リビングラジカル制御剤を用いることにより、得られる粘着剤層中において十分な平均分子量を有するとともに、分子量分布が極めて狭い重合体を得ることが可能となるものと推定される。
したがって、本発明の無溶剤型粘着剤組成物においては、重合性ビニルモノマー等の重合成分を、リビングラジカル制御剤を用いて硬化し、直接的に最終的な粘着剤層を形成することから、成分分布の均一性に優れた粘着剤層を安定的に得ることが可能になる。
次いで、本発明におけるリビングラジカル制御剤と、通常の連鎖移動剤と、の違いについて、下記反応式(1)〜(3)を用いて説明する。
すなわち、下記反応式(1)には、通常の連鎖移動剤の1種であるチオール化合物を用いた重合反応が示してある。
かかる反応式(1)では、式(1)で表されるポリマー鎖における生長末端のラジカルが式(4)で表される化合物に移動する連鎖移動が起こっている。
したがって、式(3)で表される連鎖移動を起こしたポリマー鎖は重合を停止することになる。
このとき、成長の速いポリマー鎖程、連鎖移動反応が起こりやすいため、得られる重合体の最大分子量も平均分子量も低下するが、突出して成長したポリマー鎖が少なくなり、結果として分子量分布が狭くなる。
言い換えると、連鎖移動剤では、得られる重合体の分子量分布を均一にすることができるものの、当該重合体の平均分子量を十分に大きくすることが困難になる。
Figure 0006529070
(反応式(1)中、R1は炭素数4〜18の直鎖または分岐アルキル基、もしくは脂環式炭化水素骨格である。)
一方、下記反応式(2)には、リビングラジカル制御剤の1種であるRAFT剤を用いた重合反応が示してある。
かかる反応式(2)では、式(1)で表されるポリマー鎖における生長末端が、式(5)で表されるRAFT剤におけるチオカルボニル基に対して付加する反応と、式(5)で表されるRAFT剤におけるチオエステル結合が開裂する反応が協奏して起こる(協奏反応)。
その結果、式(1)で表されるポリマー鎖における生長末端にあったラジカルが式(5)で表されるRAFT剤から開裂により分離した式(7)で表される化合物に移動する連鎖移動が起こっている。
したがって、式(6)で表される連鎖移動を起こしたポリマー鎖は、重合を停止することになるが、式(5)で表されるRAFT剤におけるチオカルボニル基に対して付加した部分が再び開裂することにより、重合を再開することができる。
その結果、ポリマーを成長させるに際し、全ての生長末端が少しずつ交代しながら成長することになり、分子量分布が極めて狭く、かつ、十分な平均分子量の重合体を得ることが可能となる。
Figure 0006529070
(反応式(1)中、R2およびR3はそれぞれ独立した炭素数1〜50の飽和および/または不飽和炭化水素骨格からなる部位であり、かかる骨格は直鎖構造、分岐鎖構造、環状構造を含んでもよく、また、骨格中の任意の炭素原子とそれに直接結合する任意の水素原子が、窒素原子、酸素原子で置換されていてもよく、さらに窒素原子に直接結合する水素原子を有さない複素環、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合を骨格中に含んでもよく、また、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、シアノ基、アゾ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、N−ヒドロキシ−ジアルキルアミノ基、N−ニトロソ−ジアルキルアミノ基、イソシアナート基を有してもよく、但し、かかる骨格中にアミン性水素およびメルカプト基を有さず、また、R2およびR3の任意の水素原子がハロゲン原子によって置換されていてもよく、R2およびR3が同一であってもよい。)
また、別の例として、下記反応式(3)には、リビングラジカル制御剤の1種である解離−結合型制御剤を用いたリビングラジカル重合反応が示してある。
かかる反応式(3)では、式(1)で表されるポリマー鎖における生長末端が、式(5´)で表される解離−結合型制御剤と結合することにより式(6´)に示すようにキャップされて重合が停止する不活性状態と、式(5´)で表される解離−結合型制御剤が解離することにより式(1)に示すようにキャップが外れて重合が再開する活性状態と、が可逆的に繰り返される(解離−結合型重合機構)。
したがって、ポリマーを生長させるに際し、全ての生長末端が少しずつ交代しながら生長することになり、分子量分布が極めて狭く、かつ、十分な平均分子量の重合体を得ることが可能となる。
なお、反応式(3)においては、不活性状態としてラジカルが消失した態様を示しているが、安定ラジカル化された不活性状態であってもよい。
したがって、解離−結合型制御剤は、式(5´)に示すようなラジカルであってもよいし、非ラジカルであってもよい。
また、本発明において、「解離−結合型制御剤」とは、上述した解離−結合型重合機構によりリビングラジカル重合を進めることができる化合物を意味する。
Figure 0006529070

(反応式(3)中、Xは、特定の配位子を有する金属錯体や安定化されたラジカル化合物の類縁体である。)
(1)種類
また、リビングラジカル制御剤の種類としては、特に制限されるものではなく、リビングラジカル重合を進めることに寄与することが知られている従来公知の化合物を用いることができる。
例えば、リビングラジカル重合の一種である原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization)(以下、「ATRP」と称する場合がある。)において用いられる、触媒としての低原子価金属錯体および開始剤としてのハロゲン化アルキル等を挙げることができる。
また、リビングラジカル重合の一種である可逆的付加開裂連鎖移動重合(Reversible Addition/Fragmentation Chain Transfer Plymerization)(以下、「RAFT」と称する場合がある。)において用いられるRAFT剤を挙げることができる。
さらに、リビングラジカル重合の一種であるニトロキシドを介した重合(Nitroxide−mediated Plymerization)(以下、「NMP」と称する場合がある。)において用いられるNMP開始剤を挙げることができる。
なお、NMPは解離−結合型重合機構の一種であり、NMP開始剤は、解離−結合型制御剤の一種である。
また、上述したリビングラジカル制御剤の中でも、特に、RAFT剤および解離−結合型制御剤、あるいはいずれか一方を用いることが好ましい。
この理由は、RAFT剤や解離−結合型制御剤であれば、より穏和にリビングラジカル重合を進めることができることから、厚膜の粘着剤層を形成する場合であっても、成分分布の均一性に優れた粘着剤層をより安定的に得ることができるためである。
すなわち、ATRPのように合成が容易でない複雑な配位子を有する金属化合物を触媒として使用する必要もなく、また、利用可能なモノマー種等の制約が比較的少なく、しかも、特に(メタ)アクリルモノマーの重合に適しているためである。
また、RAFT剤を、ジチオエステル、トリチオカーボネート、キサンテートおよびジチオカルバメートからなる群から選択される少なくとも一種とすることが好ましい。
この理由は、これらのRAFT剤であれば、より穏和にリビングラジカル重合を進めることができることから、厚膜の粘着剤層を形成する場合であっても、成分分布の均一性に優れた粘着剤層をより安定的に得ることができるためである。
また、中でも、トリチオカーボネートを用いることが特に好ましい。
この理由は、トリチオカーボネートであれば、他のRAFT剤と比較して、高い移動定数を有し、加水分解に対する安定性に優れ、かつ、重合遅延の可能性を低く抑えることができるためである。
なお、ジチオエステル、トリチオカーボネート、キサンテートおよびジチオカルバメートの構造を、それぞれ下記一般式(8)〜(11)に示す。
Figure 0006529070
(一般式(8)中、R4およびR5はそれぞれ独立した炭素数1〜50の飽和および/または不飽和炭化水素骨格からなる部位であり、かかる骨格は直鎖構造、分岐鎖構造、環状構造を含んでもよく、また、骨格中の任意の炭素原子とそれに直接結合する任意の水素原子が、窒素原子、酸素原子で置換されていてもよく、さらに窒素原子に直接結合する水素原子を有さない複素環、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合を骨格中に含んでもよく、また、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、シアノ基、アゾ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、N−ヒドロキシ−ジアルキルアミノ基、N−ニトロソ−ジアルキルアミノ基、イソシアナート基を有してもよく、但し、かかる骨格中にアミン性水素およびメルカプト基を有さず、また、R4およびR5の任意の水素原子がハロゲン原子によって置換されていてもよく、R4およびR5が同一であってもよい。)
Figure 0006529070
(一般式(9)中、R6およびR7はそれぞれ独立した炭素数1〜50の飽和および/または不飽和炭化水素骨格からなる部位であり、かかる骨格は直鎖構造、分岐鎖構造、環状構造を含んでもよく、また、骨格中の任意の炭素原子とそれに直接結合する任意の水素原子が、窒素原子、酸素原子で置換されていてもよく、さらに窒素原子に直接結合する水素原子を有さない複素環、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合を骨格中に含んでもよく、また、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、シアノ基、アゾ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、N−ヒドロキシ−ジアルキルアミノ基、N−ニトロソ−ジアルキルアミノ基、イソシアナート基を有してもよく、但し、かかる骨格中にアミン性水素およびメルカプト基を有さず、また、R6およびR7の任意の水素原子がハロゲン原子によって置換されていてもよく、R6およびR7が同一であってもよい。)
Figure 0006529070
(一般式(10)中、R8およびR9はそれぞれ独立した炭素数1〜50の飽和および/または不飽和炭化水素骨格からなる部位であり、かかる骨格は直鎖構造、分岐鎖構造、環状構造を含んでもよく、また、骨格中の任意の炭素原子とそれに直接結合する任意の水素原子が、窒素原子、酸素原子で置換されていてもよく、さらに窒素原子に直接結合する水素原子を有さない複素環、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合を骨格中に含んでもよく、また、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、シアノ基、アゾ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、N−ヒドロキシ−ジアルキルアミノ基、N−ニトロソ−ジアルキルアミノ基、イソシアナート基を有してもよく、但し、かかる骨格中にアミン性水素およびメルカプト基を有さず、また、R8およびR9の任意の水素原子がハロゲン原子によって置換されていてもよく、R8およびR9が同一であってもよい。)
Figure 0006529070
(一般式(11)中、R10〜R12はそれぞれ独立した炭素数1〜50の飽和および/または不飽和炭化水素骨格からなる部位であり、かかる骨格は直鎖構造、分岐鎖構造、環状構造を含んでもよく、また、骨格中の任意の炭素原子とそれに直接結合する任意の水素原子が、窒素原子、酸素原子で置換されていてもよく、さらに窒素原子に直接結合する水素原子を有さない複素環、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合を骨格中に含んでもよく、また、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、シアノ基、アゾ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、N−ヒドロキシ−ジアルキルアミノ基、N−ニトロソ−ジアルキルアミノ基、イソシアナート基を有してもよく、但し、かかる骨格中にアミン性水素およびメルカプト基を有さず、また、R10〜R12の任意の水素原子がハロゲン原子によって置換されていてもよく、R10〜R12が同一であってもよい。)
また、具体的には、4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタノイックアシッド、2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカーボネート、4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタノール、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタノエート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(4−シアノ−4−ペンタノエートドデシルトリチオカーボネート)、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(4−シアノ−4−ペンタノエートドデシルトリチオカーボネート)、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(4−シアノ−4−ペンタノエートドデシルトリチオカーボネート)、2−フェニル−2−プロピルベンゾジチオエート、1−(メトキシカルボニル)エチルベンゾジチオエート、2−シアノ−2−プロピル−4−シアノベンゾジチオエート、4−シアノ−4−(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタノイックアシッド、2−シアノ−2−プロピルビンゾジチオエート、ベンジルベンゾチオエート、エチル2−メチル−2−(フェニルチオカルボニルチオ)プロピオエート、メチル2−フェニル−2−(フェニルカルボノチオイルチオ)アセテート、4−シアノ−4−(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタノイックアシッドN−スクシンイミジルエステル、エチル2−(フェニルカルボノチオイルチオ)プロピオネート、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)プロピオニックアシッド、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオニックアシッド、メチル2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオネート、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオニックアシッドN−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(2−メチル−2−プロピオニックアシッドドデシルトリチオカーボネート)、ポリ(エチレングリコール)ビス[2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオネート]、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオニックアシッド3−アジド−1−プロパノールエステル、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオニックアシッドペンタフルオロフェニルエステル、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオネート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオネート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオネート、シアノメチルドデシルトリチオカーボネート、ポリ(エチレングリコール)ビス[2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオネート]、シアノメチルメチル(フェニル)カルバモジチオエート、シアノメチルジフェニルカルバモジチオエート、ベンジル1H−ピロール−1−カルボジチオエート、ビス(チオベンゾイル)ジスルフィド、ビス(ドデシルスルファニルチオカルボニル)ジスルフィド、S,S−ジベンジルトリチオカーボネート、ビス{4−[エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル]ベンジル}トリチオカーボネート等が挙げられる。
一方、解離−結合型制御剤を選択する場合、金属アセチルアセトナートおよび安定ニトロキシドラジカル、あるいはいずれか一方とすることが好ましい。
この理由は、これらの解離−結合型制御剤であれば、より穏和にリビングラジカル重合を進めることができることから、厚膜の粘着剤層を形成する場合であっても、成分分布の均一性に優れた粘着剤層をより安定的に得ることができるためである。
また、中でも、金属アセチルアセトナートを用いることが特に好ましい。
この理由は、金属アセチルアセトナートであれば、反応温度の制約が少なく、着色を抑制でき、さらに合成の容易さを含めたコスト面でも有利なためである。
また、金属アセチルアセトナートとして、具体的には、チタニウム(IV)アセチルアセトナート(Ti(acac)4)、アルミニウム(III)アセチルアセトナート(Al(acac)3)、コバルト(II)アセチルアセトナート(Co(acac)2)等の少なくとも一種が挙げられる。
(2)配合量
また、リビングラジカル制御剤の配合量を、重合成分である(a)成分100重量部に対して、0.01〜20重量部の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、リビングラジカル制御剤の配合量が0.01重量部未満の値となると、リビングラジカル制御剤としての効果を十分に得ることが困難になる場合があるためである。一方、リビングラジカル制御剤の配合量が20重量部を超えた値となると、得られるポリマー鎖の重合度が過度に低くなって、凝集力の高い耐久性に優れた粘着剤層を得ることが困難になったり、粘着剤層における着色が顕著になったりする場合があるためである。
したがって、リビングラジカル制御剤の配合量を、重合成分である(a)成分100重量部に対して、0.03〜10重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.05〜2重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
4.添加剤
また、添加剤として、シランカップリング剤、酸化防止剤、帯電制御剤、近赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、粘着付与剤、充填剤、着色顔料、着色染料、防眩性フィラー、防錆剤、イオントラップ剤、屈折率調整剤等を配合することも好ましい。
また、その場合、添加剤の種類にもよるが、その配合量を、(a)成分100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
なお、本発明の無溶剤型粘着剤組成物は、(a)成分のラジカル重合によって硬化し、十分な性能を発揮できることから、基本的にイソシアネート等の熱架橋剤の添加は不要である。
また、粘着特性等の微調整のために、少量の熱架橋剤を添加する場合には、その配合量を、(a)成分100重量部に0.03〜5重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.05〜2重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
5.溶剤
本発明の粘着剤組成物は溶剤を含まない無溶剤型粘着剤組成物である。
但し、実質的に無溶剤であればよく、例えば、各成分を添加する際に、それらを溶剤に溶解もしくは分散させた状態で添加することは実際上頻繁に行われる。そのような場合であっても、あるいは故意に溶剤を少量添加する場合であっても、溶剤の合計配合量が(a)成分100重量部に対して1重量部以下であれば、実質的に無溶剤であり、本発明の無溶剤型粘着剤組成物に含まれるものとする。
6.無溶剤型粘着剤組成物の調製
本発明の無溶剤型粘着剤組成物は、上述した必須成分としての(a)〜(c)成分等を加え、混合・分散させることにより調製することができる。
なお、このようにして調製された無溶剤型粘着剤組成物の粘度としては、プラスチック基材等に対して塗布可能な数値範囲であればよく、状況に応じて重合性ビニルモノマーの配合量を調整する等して適宜選定することができ、例えば、300〜5,000Pa・sの範囲内の値とすることが好ましい。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態は、下記(a)〜(c)成分を含む無溶剤型粘着剤組成物を硬化してなることを特徴とする粘着剤である。
(a)重合性ビニルモノマー、重合性ビニルプレポリマー、多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも一種 100重量部
(b)ラジカル開剤 0.1〜10重量部
(c)リビングラジカル制御剤 0.01〜20重量部
以下、本発明の第2の実施形態である粘着剤を、図面を適宜参照して、具体的に説明する。
なお、本発明のさらに別の実施形態である粘着剤の製造方法についても、第2の実施形態である粘着剤の説明に含めた形で記載する。
本発明の粘着剤は、下記工程(A)〜(C)を経て製造することが好ましい。
(A)下記(a)〜(c)成分を含む無溶剤型粘着剤組成物を準備する工程
(a)重合性ビニルモノマー、重合性ビニルプレポリマー、多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも一種 100重量部
(b)ラジカル開始剤 0.1〜10重量部
(c)リビングラジカル制御剤 0.01〜20重量部
(B)プラスチック基材に対し、無溶剤型粘着剤組成物を塗布し、塗布層を形成する工程
(C)塗布層を硬化して粘着剤とする工程
以下、各工程について説明する。
1.工程(A):無溶剤型粘着剤組成物の準備工程
工程(A)は、(a)〜(c)成分を含む無溶剤型粘着剤組成物を準備する工程である。
かかる無溶剤型粘着剤組成物については、既に説明したため省略する。
2.工程(B):塗布工程
工程(B)は、図1(a)に示すように、無溶剤型粘着剤組成物1を、プラスチック基材2に対して塗布する工程である。
かかるプラスチック基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムや、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等の透明プラスチックフィルムが好ましく挙げられる。
なお、プラスチック基材として、透明プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に対し、シリコーン樹脂等の剥離剤を塗布して剥離層が設けられた剥離フィルムを選択することも好ましい。
その他、かかるプラスチック基材の膜厚は、通常20〜150μmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、プラスチック基材上に無溶剤型粘着剤組成物を塗布する方法としては、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等を用いることができる。
また、このときの塗布層の膜厚は、3〜600μmの範囲内の値とすることが好ましい。
3.工程(C):硬化工程
工程(C)は、塗布層を硬化して粘着剤とする工程である。
かかる硬化工程は、無溶剤型粘着剤組成物におけるラジカル開始剤が熱ラジカル開始剤である場合には塗布層を通常50〜150℃の範囲で加熱することにより硬化し、無溶剤型粘着剤組成物におけるラジカル開始剤が光ラジカル開始剤である場合には塗布層に対して紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより硬化する。
特に、塗布層の硬化を、活性エネルギー線の照射により行うことが好ましい。
この理由は、所謂光硬化であれば、無溶剤型粘着剤組成物を硬化させるにあたり、熱を加える必要が無くなるため、プラスチック基材等の熱劣化、並びに熱収縮を防ぐことができるためである。
また、無溶剤型粘着剤組成物中の揮発成分を加熱によって失うことなく硬化させることができるためである。
また、塗布層の硬化を、活性エネルギー線の照射により行う場合、下記工程(C1)〜(C3)を含むことが好ましい。
(C1)図1(b)に示すように、塗布層1に対して活性エネルギー線を照射して、塗布層1を予備硬化させ、予備硬化塗布層10とする工程
(C2)図1(c)に示すように、予備硬化塗布層10に対し、ラミネート基材2´を積層する工程
(C3)図1(d)に示すように、ラミネート基材2´が積層された状態の予備硬化塗布層10に対し、活性エネルギー線を照射して、予備硬化塗布層10を本硬化させ、粘着剤層100を得る工程
この理由は、工程(C1)〜(C3)を実施することにより、工程(C1)と、工程(C2)、(C3)との間に、重合反応の進行に伴って発生する塗布層内の収縮応力が緩和または解消される余地を与えることができるためである。
したがって、その後のラミネート工程が容易となり、ひいてはラミネートによって酸素の影響を排しながら本硬化によって反応を効果的に完結させることができる。
また、工程(C1)における予備硬化のために照射される活性エネルギー線としては、例えば、紫外線や電子線等が挙げられる。
また、紫外線であれば、高圧水銀ランプ、無電極ランプ、キセノンランプ等により得ることができ、電子線であれば、電子線加速器等により得ることができる。
また、工程(C1)における予備硬化のために照射される活性エネルギー線の積算光量を1〜600mJ/cm2の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、予備硬化のために照射される活性エネルギー線の積算光量が1mJ/cm2未満の値となると、光開始剤の配合量を十分に多くした場合であっても硬化が十分に進まなくなる場合があるためである。一方、予備硬化のために照射される活性エネルギー線の積算光量が600mJ/cm2を超えた値となると、光開始剤の配合量が比較的少ない場合であっても、短時間に硬化が進み過ぎて、粘着剤層の内部における収縮応力が緩和されにくくなったり、リビングラジカル制御剤の配合量が比較的少ない場合に、粘着剤層における成分分布の不均一化を抑制することが困難になったりする場合があるためである。
したがって、工程(C1)における予備硬化のために照射される活性エネルギー線の積算光量を5〜300mJ/cm2の範囲内の値とすることがより好ましく、15〜150mJ/cm2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、活性エネルギー線の照射は、図1(b)に示す通り、塗布層1の側から行うことが好ましい。
また、工程(C2)において予備硬化塗布層に対して積層されるラミネート基材2’の種類としては、上述したプラスチック基材と同様な材料の中から適宜選択することができ、通常の剥離フィルムを使用することが好ましい。
このように予備硬化塗布層に対してラミネート基材を積層する理由は、ラミネートによって酸素によるラジカルの消失や、粘着剤組成物中の各種成分の酸化、分解を抑制できるためである。
なお、予備硬化前にラミネートを行わない理由は、これを行う場合、基材間に挟まれた硬化前の無溶剤型粘着剤組成物が基材端部から浸み出すことなく、膜厚の精度を保ったまま塗布を行うことができる特別な装置が必須となり、実際上、実施が困難になるためである。
また、工程(C3)において本硬化のために照射される活性エネルギー線としては、工程(C1)における予備硬化のために照射される活性エネルギー線と同様に紫外線や電子線等を用いることができる。
一方、工程(C3)における本硬化のために照射される活性エネルギー線の積算光量を200〜5,000mJ/cm2の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、本硬化のために照射される活性エネルギー線の積算光量が200mJ/cm2未満の値となると、未反応成分が過度に残留し、物性に悪影響を与える場合があるためである。一方、本硬化のために照射される活性エネルギー線の積算光量が5,000mJ/cm2を超えた値となると、硬化反応が完結しているにもかかわらず、過剰なエネルギーが投下されることになるため、得られた粘着剤の劣化や品質低下を招く可能性が高まるばかりか、不経済であるためである。
したがって、工程(C3)における本硬化のために照射される活性エネルギー線の積算光量を300〜4,000mJ/cm2の範囲内の値とすることが好ましく、500〜3,000mJ/cm2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、活性エネルギー線の照射は、プラスチック基材2の側から行ってもよいし、ラミネート基材2´の側から行ってもよいし、両側から行ってもよい。
なお、上述した粘着剤の製造方法においては、粘着剤層がプラスチック基材とラミネート基材という2つの剥離フィルムに挟持された、所謂ノンキャリアの形態を例に挙げて説明したが、2つの剥離フィルムのうちの一方を粘着剤層に固定された基材としてもよい。
また、最終的に得られるシート状の粘着剤の膜厚を3〜600μmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、通常、厚膜になるほど低下しやすくなる耐ブリスター性を、膜厚の変化に依らず安定的に維持することができるとともに、様々な厚みのエアギャップを埋めることができるためである。
したがって、かかる特性がより顕著になることから、シート状の粘着剤の膜厚を25〜500μmの範囲内の値とすることがより好ましく、75〜300μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、本発明の粘着剤を厚膜にした場合の適用例としては、図2に示すような、タッチパネル200を搭載した表示装置500における厚膜のOCA層100が挙げられる。
かかる用途であれば、従来のエアギャップを容易に充填して表示装置500における表示画像の視認性を向上させることができるばかりか、タッチパネル200の下側に配置される液晶ディスプレイ300等の配線部分320を隠すためにカバープレート400の下面における外周部に設けられる額縁印刷部分420による凹凸に効果的に追従して、空隙が形成されることを防止することができる。
以下、実施例を参照して、本発明の無溶剤型粘着剤組成物等をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
1.無溶剤型粘着剤組成物の調製
表1および以下に示すように、(a1)〜(a3)成分としての重合性ビニルモノマーと、(a4)成分としての多官能(メタ)アクリレートオリゴマーと、(b)成分としての光ラジカル開始剤と、(c)成分としてのリビングラジカル制御剤の一つであるRAFT剤と、(d)添加剤としてのシランカップリング剤と、を混合・撹拌した後、静置脱泡し、無溶剤型粘着剤組成物とした。
なお、表1および下記における配合量は、固形分換算された値を示す。
(a1)成分:2−エチルヘキシルアクリレート 40重量部
(a2)成分:イソボルニルアクリレート 20重量部
(a3)成分:2−ヒドロキシエチルアクリレート 10重量部
(a4)成分:ウレタンアクリレート系オリゴマー 30重量部
(b)成分 :1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1重量部
(c)成分 :2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカルボネート(下記式(12)) 0.08重量部
(d)添加剤(シランカップリング剤):3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.2重量部
Figure 0006529070
また、上述した(a4)成分としてのウレタンアクリレート系オリゴマーは、以下のようにして合成した。
すなわち、まず、重量平均分子量3000のポリプロピレングリコール100重量部に対して、ヘキサメチレンジイソシアナート4重量部と、ジオクチル錫ジラウレート0.02重量部と、を加え、80℃で6時間撹拌し、第1の反応物を得た。
次いで、得られた第1の反応物のIRスペクトルからイソシアナート基がほぼ消失したことを確認した後、2−イソシアナトエチルアクリレート1重量部を加え、80℃で3時間撹拌し、第2の反応物を得た。
次いで、得られた第2の反応物のIRスペクトルからイソシアナート基がほぼ消失したことを確認し、重量平均分子量25,000のウレタンアクリレート系オリゴマーを得た。
2.無溶剤型粘着剤組成物の塗布
次いで、得られた無溶剤型粘着剤組成物を、プラスチック基材としての剥離処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック(株)製、SP−PET752150)上に、膜厚が100μmとなるように、アプリケーターで塗布し、塗布層を形成した。
3.予備硬化
次いで、得られた塗布層の露出面側から、紫外線を下記条件で照射して、塗布層を予備硬化させ、予備硬化塗布層とした。
ランプ :高圧水銀ランプ
積算光量(波長365nm):40mJ/cm2
4.ラミネート
次いで、得られた予備硬化塗布層の露出面に対し、ラミネート基材としての剥離処理を施した別のポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック(株)製、SP−PET3811)を積層した。
5.本硬化
次いで、ラミネート基材が積層された状態の予備硬化塗布層に対し、プラスチック基材側から、紫外線を下記条件で照射し、予備硬化塗布層を本硬化させ、膜厚が100μmの粘着剤層とし、プラスチック基材/粘着剤層/ラミネート基材の積層体を得た。
ランプ :高圧水銀ランプ
積算光量(波長365nm):1200mJ/cm2
6.評価
(1)成分分布の評価
得られた粘着剤層における成分分布を評価した。
すなわち、得られた積層体からプラスチック基材およびラミネート基材をそれぞれ剥離して粘着剤層を取り出し、赤外分光法(IR)により粘着剤層におけるプラスチック基材側と、ラミネート基材側からIRスペクトルを測定した。得られた結果を図3(a)に示す。
なお、図3(a)に示すIRスペクトルの内、スペクトルAが粘着剤層におけるラミネート基材側から測定したスペクトルであり、スペクトルBが粘着剤層におけるプラスチック基材側から測定したスペクトルである。
スペクトルAおよびBはほぼ完全に重なっていることから、実施例1で得られた粘着剤層は、プラスチック基材側とラミネート基材側とで成分分布が均一であることが理解される。
(2)耐ブリスター性の評価
得られた粘着剤層における耐ブリスター性を評価した。
すなわち、得られた積層体からラミネート基材を剥離し、表面にITO(酸化インジウム錫)層を形成したポリエチレンテレフタレート(PTE)フィルム(以下、「ITO−PET」と称する場合がある。)のITO層に対して、粘着剤層の露出面を貼合した後、裁断し、プラスチック基材/粘着剤層/ITO−PETの積層体(45mm×65mm)を構成した。
次いで、得られたプラスチック基材/粘着剤層/ITO−PETの積層体からプラスチック基材を剥離し、表面にポリカーボネート樹脂(PC)層を形成したポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)板(以下、「PC−PMMA」と称する場合がある。)のPC層に対して、粘着剤層の露出面を貼合し、PC−PMMA/粘着剤層/ITO−PETの積層体を構成した。
次いで、得られたPC−PMMA/粘着剤層/ITO−PETの積層体に対し、50℃、0.5MPaの条件で20分間オートクレーブ処理を行った後、85℃、相対湿度85%の環境下に75時間放置した。
次いで、放置後のPC−PMMA/粘着剤層/ITO−PETの積層体におけるPC層と粘着剤層との間における気泡の発生具合を目視にて確認し、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表2に示す。
◎:気泡の発生が確認されない
○:微小な気泡の発生が確認される
△:大きな気泡の発生が確認される
×:全面的に気泡の発生が認される
(3)粘着力の評価
得られた粘着剤層における粘着力を評価した。
すなわち、得られた積層体からラミネート基材を剥離し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製、コスモシャイン PET100−A4300)(以下、「PET100−A4300」と称する場合がある。)に対して、粘着剤層の露出面を貼合した後、裁断し、プラスチック基材/粘着剤層/PET100−A4300の積層体(25mm×120mm)を構成した。
次いで、得られたプラスチック基材/粘着剤層/PET100−A4300の積層体からプラスチック基材を剥離し、ソーダライムガラスに対して、粘着剤層の露出面を貼合し、ソーダライムガラス/粘着剤層/PET100−A4300の積層体を構成した。
次いで、得られたソーダライムガラス/粘着剤層/PET100−A4300の積層体に対し、50℃、0.5MPaの条件で20分間オートクレーブ処理を行った後、23℃、相対湿度50%の標準環境下に24時間放置した。
次いで、放置後のソーダライムガラス/粘着剤層/PET100−A4300の積層体において、ソーダライムガラスから粘着剤層/PET100−A4300の積層体を引っ張り試験機により剥離し、その際の粘着力を測定した。得られた結果を表1に示す。
また、ソーダライムガラスの代わりにITO−PETを用いて、同様にITO層に対する粘着剤層の粘着力を測定した。得られた結果を表2に示す。
[実施例2]
実施例2では、無溶剤型粘着剤組成物を調製する際に、(c)成分をRAFT剤である下記式(13)で表されるビス{4−[エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル]ベンジル}トリチオカーボネートに変えるとともに、その配合量を0.1重量部に変えたほかは、実施例1と同様にプラスチック基材/粘着剤層/ラミネート基材の積層体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。但し、実施例2においては、成分分布の評価を省略した。
Figure 0006529070
[実施例3]
実施例3では、無溶剤型粘着剤組成物を調製する際に、(c)成分を解離−結合型制御剤であるチタニウム(IV)アセチルアセトナート(Ti(acac)4)に変えるとともに、その配合量を0.18重量部に変えたほかは、実施例1と同様にプラスチック基材/粘着剤層/ラミネート基材の積層体を製造し、評価した。得られた結果を表2および図4に示す。
なお、図4に示すIRスペクトルの内、スペクトルAが粘着剤層におけるラミネート基材側から測定したスペクトルであり、スペクトルBが粘着剤層におけるプラスチック基材側から測定したスペクトルである。
スペクトルAおよびBはほぼ完全に重なっていることから、実施例3で得られた粘着剤層は、プラスチック基材側とラミネート基材側とで成分分布が均一であることが理解される。
[実施例4]
実施例4では、無用剤型粘着剤組成物を調製する際に、(c)成分を解離−結合型制御剤であるアルミニウム(III)アセチルアセトナート(Al(acac)3)に変えるとともに、その配合量を0.13重量部に変えたほかは、実施例1と同様にプラスチック基材/粘着剤層/ラミネート基材の積層体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。但し、実施例4においては、成分分布の評価を省略した。
[比較例1]
比較例1では、無溶剤型粘着剤組成物を調製する際に、(c)成分を配合しなかったほかは、実施例1と同様にプラスチック基材/粘着剤/ラミネート基材の積層体を製造し、評価した。得られた結果を表2および図3(b)に示す。
なお、図3(b)に示すIRスペクトルの内、スペクトルAが粘着剤層におけるラミネート基材側から測定したスペクトルであり、スペクトルBが粘着剤層におけるプラスチック基材側から測定したスペクトルである。
スペクトルAおよびBは大きくずれていることから、比較例1で得られた粘着剤層は、プラスチック基材側とラミネート基材側とで成分分布が不均一であることが理解される。
[比較例2]
比較例2では、無溶剤型粘着剤組成物を調製する際に、(c)成分を配合せずに、非リビングラジカル制御剤である連鎖移動剤としての下記式(14)で表されるn−デシルチオールを0.09重量部配合したほかは、実施例1と同様にプラスチック基材/粘着剤/ラミネート基材の積層体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。但し、比較例2においては、成分分布の評価を省略した。
Figure 0006529070
Figure 0006529070
Figure 0006529070

*粘着力について、比較例1〜2においても実施例1〜4と同レベルの評価結果となったが、粘着力は架橋高分子の凝集力、粘弾性特性並びに被着体界面との密着性を総合的に反映する数値であるため、耐ブリスター性に劣るにもかかわらず所定の粘着力を有するという比較例1〜2の評価結果は、理屈的に矛盾するものではない。
以上、詳述したように、本発明によれば、重合性ビニルモノマー等の重合成分を、リビングラジカル制御剤を用いてリビングラジカル重合させることにより、厚膜の粘着剤層を形成する場合であっても、成分分布の均一性に優れた粘着剤層を安定的に得ることができるようになった。
その結果、粘着剤層における応力の局所的な集中を効果的に抑制することができ、ひいては耐ブリスター性に優れた粘着剤層を安定的に得ることができるようになった。
したがって、本発明の無溶剤型粘着剤組成物等は、特に光学特性および粘着特性に優れた厚膜の粘着剤層が要求されるタッチパネルの高品質化に著しく寄与することが期待される。
1:無溶剤型粘着剤組成物(塗布層)、2:プラスチック基材、2´:ラミネート基材、10:予備硬化塗布層、100:粘着剤層(OCA層)、200:タッチパネル、300:液晶ディスプレイ、320:配線部分、400:カバープレート、420:額縁印刷部分、500:表示装置

Claims (6)

  1. 無溶剤型粘着剤組成物を硬化してなる粘着剤の製造方法であって、下記工程(A)〜(C)を含むとともに、前記工程(C)における前記塗布層の硬化を、活性エネルギー線の照射により行い、前記工程(C)が、下記工程(C1)〜(C3)を含むことを特徴とする粘着剤の製造方法。
    (A)下記(a)〜(c)成分を含む無溶剤型粘着剤組成物を準備する工程
    (a)重合性ビニルモノマー、重合性ビニルプレポリマー、多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも一種 100重量部
    (b)ラジカル開始剤 0.1〜10重量部
    (c)リビングラジカル制御剤 0.01〜20重量部
    (B)プラスチック基材に対し、前記無溶剤型粘着剤組成物を塗布し、塗布層を形成する工程
    (C)前記塗布層を硬化して粘着剤とする工程
    (C1)前記塗布層に対して活性エネルギー線を照射して、前記塗布層を予備硬化させ、予備硬化塗布層とする工程
    (C2)前記予備硬化塗布層に対し、ラミネート基材を積層する工程
    (C3)前記ラミネート基材が積層された状態の予備硬化塗布層に対し、活性エネルギー線を照射して、前記予備硬化塗布層を本硬化させる工程
  2. 前記(c)成分としてのリビングラジカル制御剤を、RAFT剤とすることを特徴とする請求項1に記載の粘着剤の製造方法。
  3. 前記(c)成分としてのリビングラジカル制御剤を、解離−結合型制御剤とすることを特徴とする請求項1に記載の粘着剤の製造方法。
  4. 前記(c)成分としてのRAFT剤を、ジチオエステル、トリチオカーボネート、キサンテートおよびジチオカルバメートからなる群から選択される少なくとも一種とすることを特徴とする請求項2に記載の粘着剤の製造方法。
  5. 前記(c)成分としての解離−結合型制御剤を、金属アセチルアセトナートおよび安定ニトロキシドラジカル、あるいはいずれか一方とすることを特徴とする請求項3に記載の粘着剤の製造方法。
  6. 前記(b)成分としてのラジカル開始剤を、光ラジカル開始剤とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着剤の製造方法。
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